JP2006110482A - 液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システム - Google Patents

液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システム Download PDF

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Abstract

【課題】 有機物、リン、窒素を高効率で除去可能であって、且つシステムの小型化、省スペース化を可能とし、さらにし尿等のようなSS濃度が高い場合においても効率良く凝集処理を行うことができる液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システムを提供する。
【解決手段】 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置11と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置12と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、前記生物処理装置11から引き抜かれた前記液状有機性廃棄物を導入する鉄電解装置17を設け、前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前液状有機性廃棄物に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、前記溶出した鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理装置11に返送する構成とした。
【選択図】 図1

Description

本発明は、し尿、家畜糞尿、生活廃水、工場廃水等の液状有機性廃棄物に含有される有機物、リン、窒素等の汚濁物質を分解除去する液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システムに関し、特に液状有機性廃棄物に生物処理及び凝集処理を施して前記汚濁物質を分解除去する液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システムに関する。
し尿、家畜糞尿、生活廃水、工業用廃水等の液状有機性廃棄物には、SS分(浮遊物質)、窒素化合物、リン化合物、BOD(生物化学的酸素要求量)、COD(化学的酸素要求量)などの環境や人体に悪影響を及ぼす汚濁物質が含まれており、これらを除去する様々な方法が開発、実用化されている。
このような液状有機性廃棄物の処理としては、固液分離によるSSの除去、生物学的脱窒素法によるBOD、窒素化合物の除去、凝集処理によるリン化合物、CODの除去が組み合わせて行われる。
従来の一般的な液状有機性廃棄物の処理システムを図7に示す。同図に示されるように、まずスクリーン等に原水を通過させて夾雑物を除去した液状廃棄物は受入貯留設備50に一時貯留され、生物処理装置51にて好気性又は嫌気性雰囲気下で微生物の作用により廃棄物に含有するBOD等の有機物が分解処理される。分解処理した廃棄物は固液分離装置52により処理液と汚泥に固液分離される。分離された処理液には凝集剤53を添加し、処理液中に溶解するリン酸イオン、COD等を凝集分離し、凝集したフロックを凝集分離装置54にて分離した後、フロックを除去した処理液を高度処理設備55にて活性炭吸着等により浄化して放流していた。前記凝集剤53には、硫酸アルミニウム(Al(SO)や塩化第二鉄(FeCl)等が用いられていた。
しかしながら、図7に示した従来の処理システムのように、凝集剤を利用して凝集処理を行う場合、凝集剤の添加により被処理水のpHが低下してしまい、生物処理に悪影響を及ぼしてしまうため、凝集処理と生物処理とを別工程で行なう必要があり、固液分離装置を夫々別に設けることとなり装置の大型化が問題となっていた。また、凝集剤を供給した後にpH調整を行なわなければならず、pH調整剤等の添加剤の使用によりランニングコストの増大、及び不純物の添加により処理が複雑化するという問題があった。
そこで、凝集剤を使用せずに凝集処理を行う装置として、特許文献1(特開平10−258285号公報)には、微生物の分解作用を利用した生物処理と、電気分解により生成した物質を利用して有害物質を除去する物理化学的処理とを組み合わせた汚水処理装置が開示されている。この装置は、汚水の嫌気処理を行う嫌気槽と、嫌気処理された汚水を好気処理する生物濾過装置と、濾過した汚水中のリン酸イオンを除去する脱リン装置と、を備えた合併処理浄化槽であって、前記脱リン装置は溶出槽と鉄又はアルミニウム電極を備え、該溶出槽内にて電気分解により溶出した鉄イオン或いはアルミニウムイオンによってリン酸を除去する構成が開示されている。このように、電極から溶出した鉄イオン又はアルミニウムイオンによって不溶性リン化合物を生成し、濾過して分離する構成とすることにより、不要な不純物が供給されることがなく、高いリン除去率を得ることができる。
また、特許文献2(特開2003−71454号公報)には、被処理水から窒素化合物及びリン化合物等を除去する水処理装置として、嫌気ろ床槽と、接触ばっ気槽と、沈殿槽と、窒素除去電解槽と、リン除去電解槽とを備えた構成が開示されている。被処理水は、前記嫌気ろ床槽と接触ばっ気槽を経てBOD等を除去された後、沈殿槽にて固液分離され、分離した処理液を窒素除去電解槽に導き、一方沈殿汚泥を前記嫌気ろ床に返送するようにし、返送前に前記リン除去電解槽を通過するようにしている。前記リン除去電解槽は、金属イオンを溶出する電極を具備しているため、電気分解により生成した金属イオンによってリン酸イオンを凝集除去する構成となっている。
特開平10−258285号公報 特開2003−71454号公報
上記したように、従来の液状有機性廃棄物の処理では、生物処理における固液分離装置と、凝集処理における固液分離装置の2段階の固液分離装置を設ける必要があり、非効率的であった。
単に固液分離装置や生物処理装置に凝集剤を注入した場合は、凝集剤が一般に酸性であるため、生物処理にてpHが極端に低下し、微生物の活動に阻害を与え、機能が低下する惧れがあった。
また、生物処理装置の後段で凝集剤を注入した場合、凝集剤により被処理水が酸性となってしまうため、凝集処理後にpH調整剤として苛性ソーダ等を注入する必要があった。
そこで、特許文献1及び2記載のように凝集剤を使用せずに、鉄イオン等を電解反応により溶出させてリンなどの凝集分離を行なう方法が有効であるが、一般的にこのような装置では、被処理水中のMLSS濃度が高濃度である場合には、被処理水の発泡や汚泥の浮上分離、また電極の腐蝕、短絡等の問題が起こることが知られている。
前記特許文献1及び2に開示される装置では、何れも浄化槽の適用を想定していることは明らかであり、被処理水のMLSS濃度が比較的低い被処理水への適用となっている。これは、例えば特許文献1に記載される生物処理にて生物ろ過槽を用いているように、固定床方式を利用しており、活性汚泥法に比べてSS分の除去能力が大幅に劣るものである。ところが、し尿等の液状有機性廃棄物では生物処理の活性汚泥中のMLSS濃度が10,000mg/L以上もの高濃度となる場合があるため、これらの装置を適用することができない。
また、特許文献2のように、生物処理後に固液分離した沈降汚泥の返送ラインにリン除去電解槽を組込んだ場合、し尿等の高濃度有機性廃棄物を処理対象とすると返送汚泥のMLSS濃度は15,000〜20,000mg/Lとなり、上記した問題が起こることが予想される。
従って、本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、液状有機性廃棄物に含有される有機物、リン、窒素を高効率で除去可能であって、且つシステムの小型化、省スペース化を可能とし、さらに、し尿等のようなSS濃度が高い場合においても効率良く凝集処理を行うことができる液状有機性廃棄物の処理方法及び処理システムを提供することを目的とする。
そこで、本発明はかかる課題を解決するために、
液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
前記生物処理工程から前記液状有機性廃棄物の少なくとも一部を引き抜き、該引き抜いた廃棄物中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理工程に返送する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする。
凝集処理において、従来のように凝集剤を使用する方法では、凝集剤の加水分解によって被処理水のアルカリ度が消費されてpHが低下してしまうため、生物処理には適さない環境となり、凝集処理と生物処理とを同時に行なうことは不可能であった。
しかしながら本発明によれば、電解反応により鉄イオンを溶出させ凝集反応を行なう構成としているため、液状有機性廃棄物のpH低下を抑制しつつ凝集機能を有する鉄イオンを供給することができ、液状有機性廃棄物の生物処理工程にて同時に凝集処理を行うことが可能となる。従って、固液分離工程を一段化でき設備の小型化、省スペース化が達成できるとともに、pH調整剤等の添加剤の使用を低減或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。
尚、前記凝集処理によりフロック化する汚濁物質は、主としてリン酸イオン、有機体窒素、CODである。
また、前記生物処理工程が、好気性生物処理工程と嫌気性生物処理工程とを含む液状有機性廃棄物の処理方法であって、
前記液状有機性廃棄物の引き抜き元若しくは返送先の少なくとも何れか一方が、前記好気性生物処理工程であることを特徴とする。
前記鉄イオン供給工程にて溶出する鉄イオンは2価の第2鉄イオンであるため、本発明のように溶出した第2鉄イオンを好気性生物処理工程の廃棄物に接触させることにより、廃棄物中の溶存酸素によって第2鉄イオンから凝集力の高い3価の第3鉄イオンに酸化され、凝集反応効率が向上する。
また、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
前記液状有機性廃棄物を前記生物処理工程に導入する前に、該廃棄物中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理工程に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする。
このように、前記鉄イオン供給工程を前記生物処理工程の前段に設けることにより、前記溶出した鉄イオンとリン酸イオン等の汚濁物質との接触時間(凝集反応時間)が長くなり、汚濁物質の除去効率が向上する。
また、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
前記生物処理工程及び前記固液分離工程を含む処理系から排出される雑排水中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する雑排水を前記生物処理工程に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする。
本発明によれば、SS分が少ない雑排水を電解反応に用いることにより、電極への固形物の付着を抑制することができ、電解効率を向上させることができるとともに、電極の寿命を長くすることが可能である。また、電極への付着物の生成を最小限に抑えることができるため、適当な電流効率を維持でき、且つ電流の短絡を防止できるような電極間距離を確保することが可能となる。よって、本発明によれば高いMLSS濃度を有するし尿等の液状有機性廃棄物にも適用可能となる。
尚、前記雑排水とは、例えば生物処理装置や固液分離装置を洗浄した洗浄水、汚泥を脱水する際に排出される分離液等である。
また、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
前記生物処理工程に導入される希釈用水中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する希釈用水を前記生物処理工程若しくはその前段に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする。
これによれば、SS分が非常に少ない希釈用水を電解反応に用いることにより、電解効率を更に向上させ、且つ電極の寿命を更に長くすることができる。また、本発明によれば高濃度の液状有機性廃棄物の処理施設にも適用可能となる。
さらに、前記鉄イオン供給工程にて、前記電解反応により発生した水素を回収し、該回収した水素を前記生物処理工程にて前記廃棄物に水素供与体として供給するようにしたことを特徴とする。
このように、前記電解反応により副次的に発生した水素を、前記生物処理工程に導入することにより、該水素を脱窒素等の生物処理の栄養源として利用することができ、従来添加していたメタノール等の外部からの水素供与体の添加を低減或いは不要化することができ、ランニングコストを削減することが可能となる。
また、システムの発明として、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記生物処理装置から引き抜かれた前記液状有機性廃棄物を導入する鉄電解装置を設け、
前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記液状有機性廃棄物に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
前記溶出した鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理装置に返送する構成としたことを特徴とする。
また、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記生物処理装置の前段に前記液状有機性廃棄物を導入する鉄電解装置を設け、
前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記液状有機性廃棄物に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
前記溶出した鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理装置に供給する構成としたことを特徴とする。
さらに、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、これらの装置を含む処理系から排出される雑排水を貯留する雑排水槽と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記雑排水槽から引き抜かれた雑排水を導入する鉄電解装置を備え、
前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記雑排水に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
前記溶出した鉄イオンを含有する雑排水を前記生物処理装置に導入する構成としたことを特徴とする。
また、液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、前記生物処理装置に導入する希釈用水を貯留する受水槽と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
前記受水槽から引き抜かれた希釈用水を導入する鉄電解装置を設け、
前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記希釈用水に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
前記溶出した鉄イオンを含有する希釈用水を前記生物処理装置に導入する構成としたことを特徴とする。
また、前記鉄電解装置にて、前記陰極から発生した水素を回収する水素回収手段を設け、該水素回収手段により回収した水素を前記生物処理装置に導入するようにしたことを特徴とする。
さらに、前記生物処理装置が、前記液状有機性廃棄物を脱窒素処理する脱窒素槽と、硝化処理する硝化槽とからなる硝化脱窒素装置であって、
前記硝化槽から引き抜いた液状有機性廃棄物を前記鉄電解装置に導入し、前記鉄イオンが溶出した廃棄物を前記硝化槽若しくは前記脱窒素槽に返送するようにしたことを特徴とする。
以上記載のごとく本発明によれば、し尿等の液状有機性廃棄物に含有される有機物、リン、有機性窒素を高効率で除去可能であって、且つシステムの小型化、省スペース化が可能となり、さらに、し尿等のようなSS濃度が高い場合においても効率良く凝集処理を行うことができる。
即ち、本発明では電解反応により鉄イオンを溶出させ凝集反応を行なう構成としているため、液状有機性廃棄物のpH低下を抑制しつつ凝集機能を有する鉄イオンを添加することができ、液状有機性廃棄物の生物処理工程にて同時に凝集処理を行うことが可能となる。従って固液分離を一段化でき設備の小型化、省スペース化が達成できるとともに、pH調整剤等の添加剤の使用を抑制或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。
また、電解反応にて溶出する鉄イオンを硝化槽等の好気性生物処理における廃棄物と接触させているため、溶出した第2鉄イオンが廃棄物中の溶存酸素によって凝集力の高い3価の第3鉄イオンに酸化され、凝集反応効率が向上する。
また、SS分が少ない雑排水若しくはプロセス用水を電解反応に用いることにより、電極への固形物の付着を抑制することができ、電解効率を向上させることができるとともに、電極の寿命を長くすることが可能である。よって本発明は高濃度の液状有機性廃棄物の処理施設にも適用可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本実施例に適用可能な処理対象は、し尿、家畜糞尿、生活廃水、工業用廃水等の液状有機性廃棄物であり、特に本実施例では活性汚泥中のMLSS濃度が10,000mg/L以上の高濃度である場合にも適用可能である。MLSS濃度とは、生物処理における曝気槽内のSS濃度を示す。尚、本実施例では、前記液状有機性廃水を被処理水と記す。
図1〜図6に本実施例1〜5に係る液状有機性廃棄物の処理システムの構成を示す。
図1は実施例1に係るシステムの全体構成図である。同図に示すように本実施例1に係るシステムは、夾雑物を除去するスクリーン等により前処理を行なった被処理水を一時貯留する受入貯留設備10と、嫌気性又は好気性雰囲気下で微生物によりBOD等の有機物を分解除去する生物処理装置11と、生物処理した有機性廃棄物を固液分離する固液分離装置12と、汚泥を分離除去した処理液を活性炭吸着等により高度処理する高度処理設備13と、前記処理液を分離した余剰汚泥の一部を前記生物処理装置11に返送する汚泥返送ライン16と、前記生物処理装置11から引き抜いた被処理水からリン、COD、有機体窒素等を凝集分離する鉄電解装置17と、を備えた構成となっている。
前記生物処理装置11は、前記被処理水と、好気性微生物又は嫌気性微生物を含有する汚泥とを接触させて、これらの微生物の働きにより被処理水中の有機物を分解して固定化或いは除去する装置であり、さらに窒素化合物を除去する機能を有することが好ましい。
本実施例では生物処理装置11に、一例として硝化脱窒素処理を行なう4槽式の処理装置を適用した。前記生物処理装置11は、嫌気性状態に維持した脱窒素槽11aと、底部から曝気を行い好気性状態に維持した硝化槽11bと、嫌気性状態の二次脱窒素層11cと、好気性状態の再曝気槽11dと、を順に直列配置した構成を有する。前記硝化槽11b内の被処理水は、循環ライン11eにより前記脱窒素槽11aに返送され、循環するようになっている。
前記脱窒素槽11aは、嫌気性状態で撹拌されて槽内の脱窒菌の作用により、後段の硝化槽11bから循環ライン11eを介して返送された硝化液に含まれるNO を窒素ガスに転換する。さらに、被処理水中に含有されるBODの一部が除去され、また有機体窒素がNH に変換される。
前記硝化槽11bは、底部より空気等の酸素含有気体を導入する散気手段14を備える。該散気手段14により気泡化されて導入された酸素が液中に溶解し、槽内の硝化菌により被処理水に含有されるNH がNO に変換される。また、該硝化槽11bでは、前記脱窒素槽11aにて除去されなかったBODが除去される。本実施例では、該硝化槽11bの運転MLSS濃度は、標準運転時で6000mg/L程度が好適であるが、高負荷運転時の12000mg/L程度であっても適用可能である。
前記二次脱窒素槽11cは嫌気性状態におかれ、ここで被処理水中に残存するNO が脱窒される。このとき、該二次脱窒素槽11cには、メタノール等の水素供与体を供給することが好ましく、これにより脱窒反応が促進され、また槽容量を小さくできる。
前記再曝気槽11dは、不図示の散気手段により空気等を曝気して活性汚泥から溶出した有機物を分解除去する。また、この曝気により後段の固液分離性を改善する。
上記した各槽からなる生物処理装置11にて被処理水中に含有されるBOD、窒素分の殆どが分解、除去され、固液分離装置12により処理液と余剰汚泥とに分離される。
前記固液分離装置12は、膜分離、沈降分離等の何れを用いることもできるが、特に膜分離であることが好ましい。この場合、浸漬膜、チューブラー膜、回転平膜等を用いることができ、特に浸漬型の膜モジュールであることが好適である。該膜モジュールにはMF膜(精密ろ過膜)、UF膜(限外ろ過膜)等を用いることができる。
前記浸漬型膜モジュールは平膜を形成するフィルタ部と、膜面を洗浄するための散気装置から構成される。
前記高度処理設備13では、活性炭吸着処理、オゾン酸化処理、脱塩処理、消毒処理等を施して放流基準を満たす処理水とする。
また、本実施例1の特徴的な構成として、上記した処理システムに鉄電解装置17を設けた構成としている。該鉄電解装置17は、槽内に陽極と陰極とからなる一対の電極が離間させて対向配置されている。該電極は複数設けられていても良い。前記陽極及び前記陰極には、電流を印加する電源が夫々接続されている。これらの電極は導電性材料から形成され、このうち少なくとも陽極側は、鉄若しくは鉄を含有する合金を含む材料とする。
前記鉄電解装置17には、前記硝化槽11bに設けられた被処理水の一部若しくは全量を引き抜く引抜ポンプ15により、該硝化槽11bから被処理水が供給される。該被処理水に浸漬された電極間には電流が印加され、陽極の鉄が第2鉄イオン(Fe2+)として液中に溶出し、さらに液中の溶存酸素の作用により第3鉄イオン(Fe3+)まで酸化する。これは、前記硝化槽11bにて散気手段14により液中に酸素が多く含有されているためである。一方、陰極からは水素が発生する。
前記鉄電解装置17に導入された被処理水に含有されるリン分の殆どは、前記硝化槽11bの曝気によりリン酸イオンとして存在する。前記電気分解により生成されたFe3+は、前記リン酸イオンと反応して下記反応式によりリン酸鉄を生成する。尚、Fe2+もリン酸イオンの凝集反応に寄与することは勿論である。
Fe3+ + PO 3− → FePO
第3鉄イオンを利用した凝集反応において、必要とされる鉄イオンはモル当量でFe/P=1.5/1となるため、1.5以上の鉄イオンが供給されるような電位差を前記電極に与えることが好ましい。また、前記鉄電解装置17は、電極の付着物質を除去するために一定期間毎に逆電圧をかけたり、処理を停止して洗浄したりして電解効率を維持することが好ましい。
前記生成したリン酸鉄、及び残存した鉄イオン(Fe3+,Fe2+)を含有する被処理水は、前記硝化槽11b及び/又は前記脱窒素槽11aに返送される。このとき、前記液状有機性廃棄物は、前記脱窒素槽11aに返送されることが好ましい。これは、該脱窒素槽11a内には前記散気手段14により液中に酸素が多量に溶解しており、返送された被処理水中に含有される2価のFe2+が、凝集力の強い3価のFe3+に酸化されるため、凝集効果が向上するためである。
ここで、前記鉄電解装置14へ導く被処理水の導入ラインが異なる別の実施例を図2に示す。図2に図1と同様に4槽式の生物処理槽11を具備するシステムであり、硝化槽11bから脱窒素槽11aに被処理水を返送する循環ライン11eを備えている。前記硝化槽11bの被処理水は、循環ポンプ18により前記循環ライン11eを介して脱窒素槽11aに返送され、循環する。本実施例では、前記循環ライン11eの被処理水を分岐させて鉄電解装置14に導入する構成となっている。該鉄電解装置14は、図1に示した装置と同様の構成を有する。このように、循環ライン11eから分岐させた被処理水を鉄電解装置14に導入することにより、既存の循環ポンプ18、循環ライン11eを利用することができ、設備費を削減することができる。
図1及び図2において、前記硝化槽11b及び/又は前記脱窒素槽11aに返送された鉄イオンは、該槽内でリン酸イオン、COD分、及び有機体窒素等と凝集反応し、これらを不溶化してフロックとする。この凝集フロックは後段の固液分離装置12にて前記生物処理で発生した汚泥とともに分離除去される。
ここで、前記固液分離装置12に上記した浸漬膜型モジュールを使用した場合、膜面を洗浄するために散気装置により曝気を行なうと、該曝気により微生物の浮遊物質が内包していた窒素分、リン分が生物処理装置11の曝気により溶出することがある。しかし本実施例1では、鉄電解装置17にて生成された鉄イオンが凝集剤として働き、前記窒素分、リン分を固定化するため、曝気により空気に晒されてもこれらが溶出する惧れがなく、処理水の水質を向上させることができる。
このように本実施例によれば、液状有機性廃棄物のpH低下を抑制しつつ凝集機能を有する鉄イオンを添加することができるため、液状有機性廃棄物の生物処理工程にて同時に凝集処理を行うことが可能となる。従って、固液分離装置12を一段化でき設備の小型化、省スペース化が達成できるとともに、pH調整剤等の添加剤の使用を抑制或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。また、前記鉄イオンにより有機体窒素の一部を凝集させて除去することができるため、硝化脱窒素処理の安定化を図ることができる。さらに、本実施例のように好気性状態の被処理水を引き抜いて鉄電解装置17に導入することにより、被処理水中に存在する多量の溶存酸素により第2鉄イオンから凝集力の高い第3鉄イオンに酸化されるため、リン等の汚濁物質の除去効率が向上する。
図3に本実施例2に係るシステムの全体構成図を示す。尚、本実施例2、及び後述する実施例3乃至7において、上記した実施例1と同様の構成についてはその説明を省略する。
図3に示されるように、本実施例2に係るシステムは前記実施例1と同様に受入貯留設備10と、生物処理装置11と、固液分離装置12と、高度処理設備13と、を備えている。
前記生物処理装置11は、脱窒素槽11aと、硝化槽11bと、二次硝化槽11cと、再曝気槽11dと、を備え、さらに前記硝化槽11bには散気手段14が設けられるとともに、該硝化槽11bから前記脱窒素槽11aに被処理水を返送する循環ライン11eが設けられている。また、前記固液分離装置12にて処理液と分離された余剰汚泥の少なくとも一部を返送汚泥として前記生物処理装置11の上流側に返送する汚泥返送ライン16が設けられている。
本実施例2では、前記生物処理装置11の前段に鉄電解装置17を設けている。該鉄電解装置17の構成は実施例1と同様である。前記受入貯留槽10の被処理水を前記鉄電解装置17に導入して、該鉄電解装置17にて鉄イオンを溶出させ、該鉄イオンにより被処理水に含有されるリン酸イオン、COD分、有機体窒素等の汚濁物質を凝集させる。凝集により生成したリン酸鉄を含む凝集フロックは、前記固液分離装置12にて前記生物処理装置11にて発生した余剰汚泥とともに分離除去される。
本実施例によれば前記生物処理装置11にて発生する余剰汚泥と、前記鉄電解装置17にて発生する凝集フロックとを一の固液分離装置12にて分離することができるため、システムの小型化及び省スペース化が可能となる。また、pH調整剤の使用を抑制或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。さらに、本実施例では前記生物処理装置11の前段に鉄電解装置17を配置しているため、鉄イオンと被処理水中の汚濁物質との接触時間が長くなり、汚濁物質の除去効率が向上する。
図4に本発明の実施例3に係るシステムの全体構成図を示す。
本実施例3に係るシステムは前記実施例1と同様に受入貯留設備10と、生物処理槽11と、固液分離装置12と、高度処理設備13と、を備えている。前記生物処理装置11は、脱窒素槽11aと、硝化槽11bと、二次硝化槽11cと、再曝気槽11dと、を備え、さらに前記硝化槽11bには散気手段14が設けられるとともに、該硝化槽11bから前記脱窒素槽11aに被処理水を返送する循環ライン11eが設けられている。また、前記固液分離装置12にて処理液と分離された余剰汚泥の少なくとも一部を返送汚泥として前記生物処理装置11の上流側に返送する汚泥返送ライン16が設けられている。
また、本実施例3では、前記固液分離装置12にて分離した余剰汚泥を脱水機により脱水した分離液や、本システムの洗浄に用いられた洗浄水などの雑排水を貯留する雑排水槽20に鉄電解装置17を併設する構成としている。前記雑排水槽20に貯留される雑排水の少なくとも一部を前記鉄電解装置17に導入し、該鉄電解装置17内で鉄イオンを溶出させて一旦前記雑排水槽20に戻した後、該雑排水を前記生物処理装置11内に導入する。前記雑排水槽20は撹拌手段21を設けることが好ましい。尚、前記鉄電解装置17にて鉄イオンを溶出させた雑被排水を、該鉄電解槽17から前記生物処理装置11に直接導入するようにしても良い。このとき、前記鉄イオンを含有する雑排水は、硝化槽11bに導入することが好ましく、曝気により被処理水中に溶解した酸素の酸化作用により第2鉄イオンが凝集力の高い第3鉄イオンとなり、凝集効果が向上する。
本実施例によれば前記生物処理装置11にて発生する余剰汚泥と、前記鉄電解装置17にて発生する凝集フロックとを一の固液分離装置12にて分離することができるため、システムの小型化及び省スペース化が可能となる。また、pH調整剤の使用を抑制或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。さらに、本実施例では、SS分が少ない雑排水を利用して電気分解を行なっているため、電極への固形物の付着を抑制することができ、電解効率を向上させることができるとともに、電極の寿命を長くすることが可能である。また、電極への付着物の生成を最小限に抑えることができるため、適当な電流効率を維持でき、且つ電流の短絡を防止できるような電極間距離を確保することが可能となる。
図5に本発明の実施例4に係るシステムの全体構成図を示す。
本実施例4に係るシステムは前記実施例1と同様に受入貯留設備10と、生物処理槽11と、固液分離装置12と、高度処理設備13と、を備えている。前記生物処理装置11は、脱窒素槽11aと、硝化槽11bと、二次硝化槽11cと、再曝気槽11dと、を備え、さらに前記硝化槽11bには散気手段14が設けられるとともに、該硝化槽11bから前記脱窒素槽11aに被処理水を返送する循環ライン11eが設けられている。また、前記固液分離装置12にて処理液と分離された余剰汚泥の少なくとも一部を返送汚泥として前記生物処理装置11の上流側に返送する汚泥返送ライン16が設けられている。
また、本実施例4では、本システムにて被処理水の希釈等に利用する希釈用水を貯留する受水槽22に、鉄電解装置17を併設する構成としている。前記受水槽22の希釈用水を前記鉄電解装置17に導入して鉄イオンを溶出さた後に該希釈用水を前記受水槽22に一旦戻し、該希釈用水を前記生物処理槽11内、若しくはその前段に導入する。尚、前記鉄電解装置17にて鉄イオンを溶出させた希釈用水を、該鉄電解装置17から前記生物処理槽11に直接導入しても良い。前記鉄イオンを含有する希釈用水は、硝化槽11bに導入することが好ましく、曝気により被処理水中に溶解した酸素の酸化作用により第2鉄イオンが凝集力の高い第3鉄イオンとなり、凝集効果が向上する。尚、前記受水槽22に貯留された希釈用水は、鉄イオンを溶出させない場合にはシステムの洗浄水として利用することもできる。
本実施例によれば前記生物処理装置11にて発生する余剰汚泥と、前記鉄電解装置17にて発生する凝集フロックとを一の固液分離装置12にて分離することができるため、システムの小型化及び省スペース化が可能となる。また、pH調整剤の使用を抑制或いは不要化することができ、ランニングコストの削減及び不純物の混入を防止することが可能となる。さらに、本実施例では、SS分が少ない用水を利用して電気分解を行なっているため、電極への固形物の付着を抑制することができ、電解効率を向上させることができるとともに、電極の寿命を長くすることが可能である。また、電極への付着物の生成を最小限に抑えることができるため、適当な電流効率を維持でき、且つ電流の短絡を防止できるような電極間距離を確保することが可能となる。
図6に本実施例5に係るシステムの全体構成図を示す。本実施例は、図1乃至図5に示した実施例1乃至4と組み合わせて適用できる。
本実施例5は、前記生物処理槽11から引き抜いた被処理水を鉄電解装置17導入して鉄イオンを溶出させた後、該生物処理槽11に返送する構成となっており、さらに鉄電解装置14にて陰極から発生する水素を吸引ポンプ等により回収する手段を設けている。回収した水素は水素回収タンク23に一時貯留される。該水素回収タンク23には必要に応じて水素濃縮装置を設けても良い。水素濃縮装置は、例えば水素ガスのみを選択的に透過する高分子膜を具備した装置等を用いることができる。
回収された水素は、直接或いは処理水に溶解させて前記生物処理槽11の二次脱窒素槽11cに導入する。該二次脱窒素槽11cに導入された水素は、水素供与体として働き、脱窒反応を促進させる。
本実施例によれば、前記鉄電解装置17にて副次的に発生した水素を、前記生物処理装置11に導入することにより、脱窒素の栄養源として利用することができ、従来添加していたメタノール等の外部からの水素供与体の添加を低減或いは不要化することができ、ランニングコストを削減することが可能である。
また、前記生物処理装置11から排出される被処理水の固液分離を行なう固液分離装置12の後段に、鉄電解装置17’を設けても良い。該鉄電解装置17’は、前記鉄電解装置17と同様の構成とする。このように、固液分離後の分離液を利用して鉄イオンを溶出させることにより、SS分の少ない分離液を利用して電気分解を行なうことができ、電極への固形物の付着を抑制することが可能となり、延いては電解効率を向上させることができるとともに、電極の寿命を長くすることが可能である。また、リン、COD、窒素等の除去率を向上させることができる。
尚、前記固液分離装置12の後段に鉄電解装置17’を配設する構成の他に、前記固液分離装置12にて分離された分離液の少なくとも一部を、前記鉄電解装置17に返送する構成とすることもできる。
本発明は、し尿、家畜糞尿、生活廃水、工業用廃水等の液状有機性廃棄物に適用可能であり、特に活性汚泥中のMLSS濃度が10,000mg/L以上の高濃度である場合にも適用可能である。
本発明の実施例1に係るシステムの全体構成図である。 図1の別の実施例に係るシステムの部分構成図である。 本発明の実施例2に係るシステムの全体構成図である。 本発明の実施例3に係るシステムの全体構成図である。 本発明の実施例4に係るシステムの全体構成図である。 本発明の実施例5に係るシステムの全体構成図である。 従来の有機性廃棄物の処理システムを示す全体構成図である。
符号の説明
10 受入貯留設備
11 生物処理装置
11a 脱窒素槽
11b 硝化槽
11c 二次脱窒素槽
11d 再曝気槽
11e 循環ライン
12 固液分離装置
14 散気手段
17 鉄電解装置
20 雑排水槽
21 撹拌手段
22 受水槽
23 水素回収タンク

Claims (12)

  1. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
    前記生物処理工程から前記液状有機性廃棄物の少なくとも一部を引き抜き、該引き抜いた廃棄物中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理工程に返送する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法。
  2. 前記生物処理工程が、好気性生物処理工程と嫌気性生物処理工程とを含む液状有機性廃棄物の処理方法であって、
    前記液状有機性廃棄物の引き抜き元若しくは返送先の少なくとも何れか一方が、前記好気性生物処理工程であることを特徴とする請求項1記載の液状有機性廃棄物の処理方法。
  3. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
    前記液状有機性廃棄物を前記生物処理工程に導入する前に、該廃棄物中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理工程に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法。
  4. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
    前記生物処理工程及び前記固液分離工程を含む処理系から排出される雑排水中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する雑排水を前記生物処理工程若しくはその前段に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法。
  5. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理工程と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離工程と、を備えた液状有機性廃棄物の処理方法において、
    前記生物処理工程に導入される希釈用水中に電解反応により鉄イオンを溶出させ、該溶出させた鉄イオンを含有する希釈用水を前記生物処理工程若しくはその前段に導入する鉄イオン供給工程を設け、該鉄イオンにより凝集したフロックを前記固液分離工程にて前記汚泥とともに処理液から分離することを特徴とする液状有機性廃棄物の処理方法。
  6. 前記鉄イオン供給工程にて、前記電解反応により発生した水素を回収し、該回収した水素を前記生物処理工程にて前記廃棄物に水素供与体として供給するようにしたことを特徴とする請求項1、3、4、5の何れかに記載の液状有機性廃棄物の処理方法。
  7. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記生物処理装置から引き抜かれた前記液状有機性廃棄物を導入する鉄電解装置を設け、
    前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記液状有機性廃棄物に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
    前記溶出した鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理装置に返送する構成としたことを特徴とする液状有機性廃棄物の処理システム。
  8. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記生物処理装置の前段に前記液状有機性廃棄物を導入する鉄電解装置を設け、
    前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記液状有機性廃棄物に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
    前記溶出した鉄イオンを含有する廃棄物を前記生物処理装置に供給する構成としたことを特徴とする液状有機性廃棄物の処理システム。
  9. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、これらの装置を含む処理系から排出される雑排水を貯留する雑排水槽と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記雑排水槽から引き抜かれた雑排水を導入する鉄電解装置を備え、
    前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記雑排水に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
    前記溶出した鉄イオンを含有する雑排水を前記生物処理装置に導入する構成としたことを特徴とする液状有機性廃棄物の処理システム。
  10. 液状有機性廃棄物に生物処理を施す生物処理装置と、該生物処理した廃棄物を処理液と汚泥に分離する固液分離装置と、前記生物処理装置に導入する希釈用水を貯留する受水槽と、を備えた液状有機性廃棄物の処理システムにおいて、
    前記受水槽から引き抜かれた希釈用水を導入する鉄電解装置を設け、
    前記鉄電解装置は鉄を含む陽極と導電性の陰極とが対向配置され、前記希釈用水に浸漬された前記陽極と前記陰極の間に通電することにより鉄イオンを溶出するようにし、
    前記溶出した鉄イオンを含有する希釈用水を前記生物処理装置に導入する構成としたことを特徴とする液状有機性廃棄物の処理システム。
  11. 前記鉄電解装置にて、前記陰極から発生した水素を回収する水素回収手段を設け、該水素回収手段により回収した水素を前記生物処理装置に供給するようにしたことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の液状有機性廃棄物の処理システム。
  12. 前記生物処理装置が、前記液状有機性廃棄物を脱窒素処理する脱窒素槽と、硝化処理する硝化槽とからなる硝化脱窒素装置であって、
    前記硝化槽から引き抜かれた液状有機性廃棄物を前記鉄電解装置に導入し、前記鉄イオンが溶出した廃棄物を前記硝化槽若しくは前記脱窒素槽に返送するようにしたことを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の液状有機性廃棄物の処理システム。
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