JP2008194631A - 汚泥の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】有機性汚水の活性汚泥処理に伴って発生した余剰汚泥Dを好気性消化により減量化する汚泥の処理方法において、好気性消化槽8を余剰汚泥の流れ方向で複数の段に分割して、最上流の第1段消化槽8aに余剰汚泥を投入し、第1段消化槽8aの汚泥を電解処理槽10に導いて電気分解処理を行った後、第1段消化槽8aに返送するとともに、最下流の最終段消化槽8c又は好気性消化槽8の後段に設けた沈澱分離槽の沈澱汚泥を、第1段消化槽8aに返送して好気性消化を行う。
【選択図】図1
Description
水処理工程で発生する余剰汚泥は、通常、濃縮や脱水を行った後、埋立処分されているが、処分地が次第になくなりつつあることから、余剰汚泥に対し、オゾン等を添加して汚泥微生物を殺菌及び可溶化し、系内で生物分解することにより、汚泥発生量を減量化する方法が試みられており、特に、電気分解を用いる方法は、処理コストが安価な方法として注目されている。
「下水道施設計画・設計指針と解説・後編・1994年版」
この場合、第1段消化槽から汚泥を引抜いて電解処理して返送するという運転を継続して行うと、第1段消化槽では活性の高い汚泥微生物が次第に減少して好気性消化反応が進まなくなるが、最終段消化槽等で沈澱した高活性の沈澱汚泥を第1段消化槽に返送することにより、電解処理によって不足した汚泥微生物を補給することができる。
そこで、電解処理槽で電解処理する汚泥量を、第1段消化槽に投入される余剰汚泥量の2〜5倍量とすることにより、余剰汚泥を効率的に処理し、減量化効果を向上させることができる。
下水処理場のような汚水処理施設に流入した汚水Aは、汚水中のゴミや砂を前処理設備1で処理した後、曝気槽2において、汚水中の有機物が活性汚泥により生物的に二酸化炭素と水に分解処理される。
さらに、処理後の汚泥混合液は、沈澱槽3に導かれて固液分離され、上澄水が処理水Bとして排出される。
沈澱した汚泥の大半は、返送汚泥Cとして返送汚泥ポンプ4により曝気槽2に戻されるが、生物処理に伴って汚泥微生物が増殖して余剰分の汚泥が発生する。
この余剰汚泥Dを汚泥処理系へと移送するため、最初に汚泥移送ポンプ5により濃縮設備6へと導く。
濃縮設備6は、重力式の濃縮槽を用いるのが安価で好ましいが、遠心濃縮機などの機械濃縮設備を用いることも可能である。
好気性消化槽8は、図2に示すように、濃縮汚泥Eの流れ方向で3段に分割され、それぞれに散気管81が設けられている。
濃縮汚泥Eは、最上流の第1段消化槽8aに投入され、この第1段消化槽8aの濃縮汚泥Eを後述する電解処理槽10に導いて電気分解処理を行った後、第1段消化槽8aに返送するとともに、最下流の最終段消化槽8cの沈澱汚泥Gを引抜いて第1段消化槽8aに返送する。
なお、好気性消化槽8を分割する段数は3段に限定されるものではなく、2段以上であれば適用が可能である。
最終段消化槽8cは沈澱分離ゾーンを形成するための槽で、底部の散気管81には、曝気を停止できるように電動式等のバルブ82が設けられるとともに、上部には越流堰83が設けられている。
さらに、最終段消化槽8cの底部に沈澱した沈澱汚泥Gを第1段消化槽8aに返送するための沈澱汚泥返送ポンプ9が設けられている。
なお、沈澱分離ゾーン形成のための最終段消化槽8cを設ける場合には、後述するような運転制御が必要であるため、最終段消化槽8cの代わりに好気性消化槽8の後段に沈澱分離槽を設けて、沈澱した汚泥を第1段消化槽8aに返送する方法を用いることも可能である。
また、隣接する電解質貯留タンク12は、塩化ナトリウムや塩化カリウムの電解質を溶解した所定量の電解質水溶液を電解処理槽10に注入できるように構成されている。
なお、電解処理槽10の構成は、特に限定されるものではないが、注入した電解質が汚泥中に分散するような攪拌混合ゾーンを設けたり、電解処理時に発生する発泡状のスカムが電極に固着しないような構造、あるいは発泡スカムを脱泡処理するような装置を設けることが好ましい。
濃縮汚泥ポンプ7により好気性消化槽8の第1段消化槽8aに投入された濃縮汚泥Eは、第1段消化槽8aで滞留する間に汚泥供給ポンプ11によって引抜かれ、電解処理槽10へと送泥される。
電解処理槽10では、電解質貯留タンク12より所定量の電解質水溶液が汚泥に注入・混合され、直流電流を流すことにより電解処理が行われる。すなわち、直流電流を流すことにより、注入した電解質の塩素イオンが次亜塩素酸及び次亜塩素酸イオンに転換されるため、これらの酸化力によって汚泥微生物が殺菌され、また一部が可溶化する。
電解処理の条件としては、電解質の注入量が汚泥に対し0.3〜1%、電極にはチタン基板に白金及びイリジウムをコーティングした金属電極を使用し、電流密度5〜40mA/cm2で、汚泥固形物1g当りの通電量を0.05〜0.3A・hrとして処理するのが望ましい。
なお、電解処理時に微量の酸を注入し、pH=5前後の弱酸性領域で電解を行えば、次亜塩素酸イオンよりも酸化力の大きい次亜塩素酸のみを生成させることができるため、より効率的に電解処理を行うことができる。
また、電解処理した汚泥Hは、汚泥微生物が殺菌・可溶化されて生物分解し易い状態になっており、生きている汚泥微生物により徐々に分解されていくが、この電解処理汚泥Hを栄養源として減量化量の2〜5割の汚泥微生物が増殖するため、投入した余剰汚泥量よりも多めに電解処理しなければ、十分な減量化効果が得られない。
このため、1日当りに電解処理する量としては、1日当りの投入汚泥量の2〜5倍が好ましく、また、電解処理汚泥量が多いほど、沈澱分離ゾーンの8cから返送する沈澱汚泥Gの量を多くする必要があり、沈澱汚泥Gの返送量としては、投入汚泥量の2〜15倍程度に設定する必要がある。
この場合、第1段消化槽8aでの滞留日数としては2〜10日程度、第2段消化槽8b以降の滞留日数は5〜20日程度が好ましく、この間に電解処理汚泥は徐々に生物分解されて減量化するため、後段になるほど固形物量が減少して汚泥濃度が低下することになる。
そこで、最終段消化槽8cを沈澱分離ゾーンとして運転し、タイマー等により最終段消化槽8cの散気管81のバルブ82を閉じることにより曝気攪拌を停止して静置し、低濃度になった汚泥を沈降させて底部に高濃度の汚泥を集積させる。
そして、汚泥を所定時間沈降させた後、濃縮汚泥ポンプ7を起動して、新たな濃縮汚泥Eを好気性消化槽8の第1段消化槽8aから流入させ、最終段消化槽8cからは、わずかな汚泥固形物を含む消化汚泥Fを越流堰83よりオーバーフローさせる。
また、最終段消化槽8cで沈澱した沈澱汚泥Gは、沈澱汚泥返送ポンプ9を運転することにより第1段消化槽8aへと返送し、活性が高く高密度の汚泥微生物を第1段消化槽8aに補給する。
なお、好気性消化槽8の後段に沈澱分離槽を別に設けて、沈澱汚泥Gを第1段消化槽8aに返送する場合には、設置スペースや設備は大きくなるが、バルブ82、濃縮汚泥ポンプ7及び沈澱汚泥返送ポンプ9の間欠運転制御が不要となる。
このように、好気性消化と電解処理を合理的に組合せ、電解処理で殺菌され一部が可溶化して易分解化した汚泥を対象に好気性消化を行うことから、効率的で安定した好気性消化を行うことができ、これにより、場外に排出する汚泥量を従来の濃縮・脱水処理の場合の1/3以下に削減するとともに、高濃度に保たれた第1段消化槽8aの汚泥を引抜いて電解処理を行うことにより、電気や電解質添加に要するランニングコストを安価にできるという効果を有する。
この場合、第1段消化槽8aから汚泥を引抜いて電解処理して返送するという運転を継続して行うと、第1段消化槽8aでは活性の高い汚泥微生物が次第に減少して好気性消化反応が進まなくなるが、最終段消化槽8c等で沈澱した高活性の沈澱汚泥Gを第1段消化槽8aに返送することにより、電解処理によって不足した汚泥微生物を補給することができる。
2 曝気槽
3 沈澱槽
4 返送汚泥ポンプ
5 汚泥移送ポンプ
6 濃縮設備
7 濃縮汚泥ポンプ
8 好気性消化槽
8a 第1段消化槽
8b 第2段消化槽
8c 最終段消化槽
81 散気管
82 バルブ
83 越流堰
9 沈澱汚泥返送ポンプ
10 電解処理槽
11 汚泥供給ポンプ
12 電解質貯留タンク
A 汚水
B 処理水
C 返送汚泥
D 余剰汚泥
E 濃縮汚泥
F 消化汚泥
G 沈澱汚泥
Claims (4)
- 有機性汚水の活性汚泥処理に伴って発生した余剰汚泥を好気性消化により減量化する汚泥の処理方法において、好気性消化槽を余剰汚泥の流れ方向で複数の段に分割して、最上流の第1段消化槽に余剰汚泥を投入し、該第1段消化槽の汚泥を電解処理槽に導いて電気分解処理を行った後、第1段消化槽に返送するとともに、最下流の最終段消化槽又は好気性消化槽の後段に設けた沈澱分離槽の沈澱汚泥を、前記第1段消化槽に返送して好気性消化を行うことを特徴とする汚泥の処理方法。
- 電解処理槽に塩化ナトリウム又は塩化カリウムの電解質を添加して電解処理を行うことを特徴とする請求項1記載の汚泥の処理方法。
- 電解処理槽で電解処理する汚泥量を、第1段消化槽に投入される余剰汚泥量の2〜5倍量とすることを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥の処理方法。
- 最終段消化槽又は沈澱分離槽から第1段消化槽に返送する沈澱汚泥量を、第1段消化槽に投入される余剰汚泥量の2〜15倍量とすることを特徴とする請求項1、2又は3記載の汚泥の処理方法。
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