JP4393895B2 - 汚泥の処理方法 - Google Patents
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Description
水処理工程で発生する余剰汚泥は、通常、脱水を行った後、埋立処分されているが、処分地が次第になくなりつつあることから、余剰汚泥に対し、オゾン等を添加して汚泥を可溶化し、系内で生物分解することにより、汚泥発生量をゼロにする方法が試みられており、特に、電気分解を用いる方法は、処理コストが安価な方法として注目されている。
また、特に電解法においては、電気分解によって酸素及び水素ガスが副産物として発生し、微細気泡となって汚泥に付着してスカム状となり、これが水面や電極板の間に蓄積して、電解効率が低下するという問題がある。
また、浮上濃縮された汚泥には、微細気泡が多量に付着しているが、浮上汚泥にリン回収後の上澄水を混合して脱泡処理を行うことから、浮上汚泥に付着していた微細気泡を除去することができ、脱泡した汚泥を水処理系に返送しても曝気槽や最終沈殿槽において、汚泥が浮上するのを防止することができる。
下水処理場のような汚水の処理施設に流入した汚水Aは、前処理設備1で砂分やし渣を除去した後、曝気槽2へと送水され、活性汚泥により生物的に処理される。
曝気槽2で処理された汚水は、汚泥混合液として、最終沈殿槽3へと送水され、固液分離され処理水Bとしてオーバーフローする。沈殿した汚泥は、汚泥返送ポンプ4により間欠的又は連続的に引抜かれ、返送汚泥Cとして曝気槽2へと返送される。
なお、汚泥の濃縮は、重力濃縮に限定されることなく、遠心分離などの機械式濃縮装置を使用することも可能であり、濃縮槽の分離水Fは、そのまま水処理系へと返送するか、又は脱泡槽14へと導かれる。
ゾーン8aには、電気分解用の電極81が設けられており、別設された食塩水供給装置9と酸供給装置10から、食塩水と酸とが所定量添加されて混合できるようになっている。
また、後段のゾーン8bには、攪拌機82が設けられ、酸供給装置10により、酸を添加しながら、攪拌混合を行う。
このとき、散気装置は、できるだけ微細な気泡を発生させる超微細気泡形の散気板又は散気管を用いる必要がある。
なお、pH調整は、配管内や後段の沈殿分離槽17で行ってもよいが、pH等を検出し、攪拌しながらアルカリ剤の注入制御を行うのがより確実であるため、図のように別に設けたpH調整槽15で行うのが適切である。
貯留した汚泥Kは、バキューム車等により処理場外に搬出するが、脱水機等の設備を設け、定期的に脱水処理を行うことも可能である。
汚泥供給ポンプ7により、汚泥可溶化槽8に投入された濃縮汚泥Eには、微生物体内に取り込まれたリン酸や、凝集剤により不溶化したリン酸化合物、固形物状のリンが含まれている。
汚泥可溶化槽8のゾーン8aでは、電気分解処理に必要な塩素イオンを補充する目的で、食塩水供給装置9により、食塩水を供給するとともに、酸供給装置10により、酸を所定量、又は汚泥可溶化槽8内に設けたpHセンサーの指示値を基にpHを調整する。
このとき、電気分解により次亜塩素酸が発生するため、次亜塩素酸によって汚泥中の微生物が殺菌される。殺菌力の大きい次亜塩素酸をより効率的に発生するためには、食塩水はNaClとして汚泥重量の0.2〜1%程度を添加し、酸はpH4〜6程度となるよう添加するのが望ましい。
このように、酸の作用によって、リンがさらに微生物休内から溶出したり、リン酸化合物からリンが液中に溶解し、大半のリンが汚泥や固形物から水中に移行する。
分離水Iには、pH調整槽15においてアルカリを注入し、pHを5以上に上昇させると、溶解していたリンの大半は再び固形物状となり、リン酸も凝集剤の金属塩等と反応してリン酸化合物となり不溶化する。
このとき、酸によって溶解していた無機物もpH上昇に伴い固形物に戻るため、後段の沈殿分離槽17で沈殿する引抜汚泥Kは、リン酸化合物などの無機物主体の汚泥となる。
しかし、微細気泡が付着した浮上汚泥Hをそのまま曝気槽2へと返送すると、曝気槽2や最終沈殿槽3において汚泥が浮上し、処理水とともに流出する恐れがあることから、浮上汚泥Hを脱泡槽14へと移送し、沈殿分離槽17の上澄水L、さらには濃縮槽6の分離水Fと混合させる。
脱泡槽14では、攪拌機を設けて、浮上汚泥Hと上澄水Lや分離水Fと攪拌混合させる方法や、浮上汚泥の上部から上澄水Lや分離水Fをシャワリングする方法等により、浮上汚泥Hに付着している微細気泡を脱離させて、脱泡処理を行う。
また、脱泡槽14を密閉構造とし、攪拌しながら上部空間の空気をポンプにより排気して減圧することにより、より確実な脱泡を行うことができる。
また、浮上分離によって得られた分離水には、アルカリ剤を添加してpHを調整することにより、リンを再度不溶化して無機物主休の汚泥として沈殿分離することができるため、場外に排出する汚泥量の減量化を行うことができ、従来の汚泥減量化技術のように、水処理におけるリン除去性能を低下させることなく、安定した水処理性能を確保することができる。
10 酸供給装置
11 浮上分離槽
12 ブロア
13 移送ポンプ
14 脱泡槽
15 pH調整槽
16 アルカリ供給装置
17 沈殿分離槽
18 汚泥引抜ポンプ
19 汚泥貯留槽
2 曝気槽
3 最終沈殿槽
4 汚泥返送ポンプ
5 汚泥移送ポンプ
6 重力濃縮槽
7 汚泥供給ポンプ
8 汚泥可溶化槽
81 電極
82 攪拌機
9 食塩水供給装置
A 汚水
B 処理水
C 返送汚泥
D 余剰汚泥
E 濃縮汚泥
F 分離水
G 可溶化汚泥
H 浮上汚泥
I 分離水
J pH調整汚泥
K 引抜汚泥
L 上澄水
M 排出汚泥
Claims (3)
- 曝気槽内の活性汚泥により、有機性汚水を生物処理するとともに、生物処理により発生した汚泥を可溶化した後、該可溶化処理汚泥を曝気槽に返送して分解するようにした汚泥の処理方法において、汚泥可溶化槽に酸を添加するとともに、電気分解処理を行い、汚泥の可溶化とリンの溶出を促進させた後、電気分解処理によって生成した微細気泡により汚泥を浮上させてリン溶出液と浮上汚泥とに分離し、分離したリン溶出液にアルカリを添加してリンを不溶化させ、沈殿分離してリンを回収し、浮上汚泥にリン回収後の上澄水を混合して脱泡処理を行った後、該脱泡処理汚泥を曝気槽に返送することを特徴とする汚泥の処理方法。
- 浮上汚泥の脱泡処理に、曝気槽で生物処理された汚水を導入する最終沈殿槽から引抜かれた汚泥の濃縮を行う重力濃縮槽又は機械式濃縮装置から水処理系に返送される分離水を使用することを特徴とする請求項1記載の汚泥の処理方法。
- 汚泥を浮上分離する際に、微細気泡を発生する散気装置を用いて散気を行い、電気分解処理によって生成した微細気泡と、該散気装置により発生した微細気泡とを用いることを特徴とする請求項1又は2記載の汚泥の処理方法。
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