JP3381739B2 - ハロゲンの吸着除去方法 - Google Patents

ハロゲンの吸着除去方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はハロゲンの吸着除去方法
に関し、さらに詳しくはハロゲンを用いて処理を施した
触媒(以下「ハロゲン処理触媒」と言う。)を用いてナ
フサなどの石油留分を処理するプロセスにおいて、該触
媒から流出するハロゲンを効率よく吸着除去し、ハロゲ
ンによる各種トラブルを回避するハロゲンの吸着除去方
法に関するものである。本発明は、例えば、石油精製分
野におけるヘビーナフサからのガソリン製造、石油化学
分野におけるライトナフサからのベンゼン製造やヘビー
ナフサからのBTX製造などに好適に利用される。 【0002】 【従来の技術】ヘビーナフサ留分からガソリン基材を製
造する接触改質触媒、あるいはライトナフサ留分から芳
香族炭化水素を製造するに適するフロン処理を施したL
型ゼオライト触媒(特開昭62−57653号公報)な
どは、塩素化合物やフッ素化合物を用いて活性が付与さ
れており、したがって、このような触媒を使用した場
合、特に劣化触媒をハロゲン(以下、ハロゲンとはハロ
ゲン原子,ハロゲンガス又はハロゲン化合物を指す。)
を用いて再生したものを使用した場合、反応工程におい
てかなりの高濃度の塩化水素やフッ化水素が生成し、反
応器外に排出される。反応工程と再生工程が分離してい
る移動床式接触改質プロセスにおいても、オキシクロリ
ネーションにより再生された触媒が反応工程に塩素を持
ち込むため、同様に反応器内で塩化水素が生成し、そこ
から反応器外に排出される。このようにして流出したハ
ロゲンは、下流の装置腐食(特に中間加熱炉チューブの
損傷や応力腐食割れ)、FeCl2 による蒸留塔トレイ
の閉塞、触媒毒、ハロゲン汚染などの諸問題を引き起こ
す。 【0003】この排出ガスには、通常、触媒の吸着水、
担持白金の還元水、あるいは原料ナフサ中の水分も含有
されており、それらを凝縮する温度域にある装置材料を
腐食させることが知られている。特に装置材料がステン
レス鋼である場合には、応力腐食割れという深刻な問題
を引き起こすことがある。応力腐食割れを回避するとい
う観点からいえば、ハロゲン、特に塩素を流出させては
ならない。通常、排ガス中の水分が凝縮する前に、吸着
剤あるいはアルカリ洗浄液(例えば、メリケム社のCH
LOREXプロセスなど)を用いてハロゲンを除去して
いるが、これより上流の装置材料においては、依然とし
てハロゲン腐食やハロゲン汚染の問題が残る。ハロゲン
汚染の事例としては、白金を凝集させる水分を除去する
ためのドライヤーのモレキュラーシーブへのハロゲン付
着(再生不可)、接触改質などの反応で発生した水素の
純度を上げ回収するためのPressure Swing Adsorption
法(PSA)の吸着剤へのハロゲン付着(再生不可)、
後続する触媒、例えばオレフィンの水添触媒などの永久
劣化、製品留分(例えばベンゼンなど)へのハロゲン混
入などが挙げられる。また、塩化水素あるいはフッ化水
素は下流の触媒に対して触媒毒として作用することもあ
る。さらに、上記白金触媒は、その白金担持処理でPt
(NH3)4 Cl2 を使用する場合、反応装置内に充填
後、アンモニアを流出することがあり、容易にハロゲン
と反応してハロゲン化アンモニウム塩を生成し、その結
果、熱交換器チューブの詰まり、蒸留塔のトレイの閉
塞、装置腐食(特に問題となる応力腐食割れ)など、好
ましくない事態を招集する。このような事情から、ハロ
ゲンの発生源の間近でハロゲンを効果的に除去する方法
が望まれていた。 【0004】ところでハロゲン吸着剤は、通常、常温〜
250℃程度の範囲の温度で使用され、温度の上昇に伴
って吸着率は低下する傾向にある。これは、この温度域
の吸着機構が化学吸着と物理吸着によるものであり、温
度の上昇に伴い物理吸着の寄与率が低下することによる
と考えられる。なお、燃焼排ガス中のフッ素化合物を、
炭酸カルシウムを含浸担持した粒子で吸着除去する方法
が知られているが、この方法は、該炭酸カルシウムが3
00℃以上の温度で分解して二酸化炭素(触媒毒として
作用する場合がある)を生成したり、ハロゲンを吸着す
る際に水分を生成したりするために、前記目的には使用
できない。また、工業的にプロセス流体から150〜5
40℃の温度で塩化水素を除去する固体吸着剤が提案さ
れている(特公昭52−35036号公報)。しかしな
がら、この固体吸着剤は融点が低い亜鉛が含有されてお
り、前記触媒と共存させて使用する場合、劣化した触媒
の再生工程において導入される空気により酸化され、容
易にハロゲンの脱離を引き起こすという欠点を有してい
る。このような事情に対して、ハロゲン処理触媒と同一
容器内に共存して使用できる上、ハロゲンを効果的に吸
着し、かつハロゲンの脱離が起こらないような吸着剤が
望まれるが、これまで、このような吸着剤はまだ見出さ
れていないのが実情である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情のもとで、ハロゲン処理触媒を用いてナフサなどの石
油留分を処理するプロセスにおいて、該触媒から流出す
るハロゲンを効率よく吸着除去し、ハロゲンによる装置
腐食、蒸留塔のトレイ閉塞、触媒毒、あるいはハロゲン
汚染などの問題を回避するためのハロゲンの吸着除去方
法を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の金属酸化
物を耐火性酸化物に担持した固体吸着剤は、該ハロゲン
処理触媒と同一容器内に共存して使用することができる
上、フッ化水素と塩化水素とを同時に吸着除去すること
ができ、かつ高温域の吸着でありながらハロゲン除去率
が高く、しかもプロセス条件の変動(例えば劣化触媒の
再生など)に対してハロゲンの脱離がないこと、そして
この固体吸着剤を、該ハロゲン処理触媒の直ぐ下流に設
けることにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。すなわち、本発明は、ハロゲン処理触媒を用いて石
油留分を処理するプロセスにおいて、該触媒から流出す
るハロゲンを吸着除去するに当り、ハロゲン処理触媒層
の直ぐ下流に、アルカリ金属酸化物,アルカリ土類金属
酸化物,遷移金属酸化物及び希土類金属酸化物の中から
選ばれた少なくとも一種を耐火性酸化物に担持してなる
固体吸着剤層を設けることを特徴とするハロゲンの吸着
除去方法を提供するものである。 【0007】本発明のハロゲンの吸着除去方法は、ハロ
ゲン処理触媒を用いて石油留分を処理するプロセスに適
用される。このプロセスは、触媒の乾燥や水素還元など
の前処理工程、ナフサ留分の接触改質や芳香族化などの
反応工程及びデコーキングやオキシクロリネーションな
どの触媒再生工程を含むが、いずれの工程に対しても本
発明の方法は適用できる。該プロセスにおいて用いられ
る石油留分としては、例えばヘビーナフサ留分やライト
ナフサ留分などが挙げられる。また、ハロゲン処理触媒
としては、例えば上記ヘビーナフサ留分を接触改質して
ガソリン基材を製造するための触媒、ライトナフサ留分
からベンゼンを製造するための触媒、ヘビーナフサ留分
からBTXを製造するための触媒などがある。このよう
なハロゲン処理触媒の具体例としては、(1)通常の接
触改質触媒及び(2)各種ゼオライトに周期律表第VIII
族貴金属を担持した触媒をハロゲン処理したものなどが
挙げられる。 【0008】上記(1)の接触改質触媒の代表的なもの
は、アルミナ担体に白金を担持したものをエチレンジク
ロリドやプロピレンジクロリドで処理したものであり、
このものは、通常塩素を0.2〜2.0重量%の割合で含有
している。一方、(2)の触媒において担体として用い
られるゼオライトは合成ゼオライト、天然ゼオライトの
いずれでもよく、X型、Y型、L型、モルデナイト型な
ど、任意のものであってもよい。また、該ゼオライト
は、シリカ、アルミナ、アルミノ珪酸塩及び粘土などの
無機質で形成されていてもよい。さらに、これらのゼオ
ライトに担持させる周期律表第VIII族貴金属としては、
例えばオスミウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウ
ム、パラジウム、白金などが用いられるが、これらの中
で特に白金が好適である。また、これらの金属に第二金
属種、例えばレニウム、スズ、ゲルマニウムなどを添加
してもよい。該触媒における金属担持量は、通常0.1〜
1.5重量%程度である。ハロゲン処理方法としては、適
当なハロゲン化合物を含有する溶液を使用し、常圧含浸
法、真空含浸法、浸透法などによる方法が用いられる。
該ハロゲン化合物としては、例えば塩化水素、塩化アン
モニウム、フッ化水素、フッ化アンモニウム、臭化水
素、臭化アンモニウム、ヨウ化水素、ヨウ化アンモニウ
ムなどが挙げられる。このようにして、ハロゲン処理さ
れた触媒中のハロゲン含有量(ハロゲン原子換算)は、
通常0.5〜5重量%程度である。上記ハロゲン処理触媒
におけるハロゲンは、触媒の活性向上に寄与しており、
特に塩素は活性金属である白金の分散度を高め、担体の
酸性度を調整するものであるが、例えば水分による脱離
により、徐々に流出する。特に塩素を用いて劣化触媒を
再生した直後の塩素流出量が多い。 【0009】次に、本発明の方法において用いられるハ
ロゲンを吸着するための固体吸着剤は、アルカリ金属酸
化物、アルカリ土類金属酸化物、遷移金属酸化物及び希
土類金属酸化物の中から選ばれた少なくとも一種を耐火
性酸化物に担持したものである。金属の酸化物でなく水
酸化物や炭酸塩を用いた場合、それぞれ水分や二酸化炭
素を生成し、装置腐食の原因あるいは触媒毒になるた
め、本発明においては金属酸化物が用いられる。ちなみ
に、二酸化炭素は白金触媒上で水素と反応して一酸化炭
素を生成し、この一酸化炭素は触媒上に吸着し、その主
反応を妨害する。上記金属酸化物における金属はハロゲ
ンとの結合エネルギーの大きいものが好ましく、このよ
うなものとしては、例えばアルカリ金属(IA族)とし
てリチウム、ナトリウム、カリウムなど、アルカリ土類
金属(IIA族)としてカルシウム、マグネシウム、スト
ロンチウムなど、遷移金属としてVII B族のマンガンな
ど、希土類金属(IIIB族)としてランタンなどを好まし
く挙げることができる。 【0010】一方、担体の耐火性酸化物としては、例え
ばL型やY型などのゼオライト及びアルミナ、シリカ、
シリカアルミナ、マグネシアなどの非ゼオライト系多孔
質酸化物などが挙げられる。これらは、吸着剤の実用上
の強度及び比表面積(吸着容量、すなわち寿命に関係)
を与える上で必要なものであり、これら自体は公知のも
のである。なお、担体に担持されていない金属酸化物
(例えばMnO2 , CaO)の微粒子も十分に吸着能力
を有することが、ハロゲン吸着実験によって確認され
た。前記金属酸化物は、該耐火性酸化物に一種担持させ
てもよく、二種以上を組み合わせて担持させてもよい
が、その担持量は吸着剤全重量に基づき、通常5〜70
重量%程度である。本発明においては、ハロゲン処理触
媒層の直ぐ下流に、上記固体吸着剤層を設けることが必
要である。該ハロゲン処理触媒層においては、その条件
が前処理(乾燥、水素還元)→反応(ナフサ留分の接触
改質や芳香族化など)→再生(デコーキング、オキシク
ロリネーションなど)と移り変わるが、各工程におい
て、該固体吸着剤層は触媒層から流出するハロゲンを完
全に吸着除去し、かつ、そのハロゲンを装置が停止し抜
き出されるまで保持する役割を果たす。 【0011】ハロゲン吸着剤に対する要求性能として
は、(1)吸着剤層出口のハロゲン濃度がガス検知管の
測定下限値(1容量ppm(ppm−V))以下である
こと、(2)ハロゲン吸着容量が前段のハロゲン処理触
媒から流出するハロゲンを吸着するのに充分であること
(充填比率によって必要とする吸着容量が変わるが、通
常2〜10重量%である)、(3)吸着したハロゲンの
脱離が起こらず、また特に水分を生成しないこと、
(4)吸着剤により、炭化水素のクラッキング、脱水素
などの副反応を起こさないこと、などが挙げられるが、
本発明で用いられる上記固体吸着剤は、これらの要求性
能を充分に満たすものである。なお副反応の有無は、ハ
ロゲン処理触媒単独の使用時とハロゲン吸着剤層を後段
に設けたハロゲン処理触媒の使用時の間で生成物の収率
を比較すれば、容易に確認できる。 【0012】次に、本発明の実施態様の一例を添付図面
に従って説明すると、図1はハロゲン処理触媒層の直ぐ
下流に固体吸着剤層を設けた場合の異なった例を示す概
略図であって、Aはダウンフロー型反応器、Bはラジア
ルフロー型反応器を示し、1はハロゲン処理触媒層、2
は固体吸着剤層である。図2は本発明の方法を実施する
ための一例のフローシートであり、ダウンフロー型反応
器A−1、A−2、A−3が多段に設置されており、脱
硫ナフサは循環水素ガスとともにダウンフロー型反応器
A−1に供給され、ハロゲン処理触媒層、次いで固体吸
着剤層を通って加熱炉3に導かれる。加熱炉3を出たナ
フサ及び水素ガスは、上記と同様にしてダウンフロー型
反応器A−2、加熱炉4、ダウンフロー型反応器A−3
に順次導かれ、さらに気液分離器5で気液分離され、C
5 + 留分(ガソリン基材)が得られる。一方、気液分離
器5で分離されたガスは、リサイクル圧縮機6で系内に
リサイクルされるとともに、一部系外へ排出される。 【0013】固体吸着剤の充填位置は、図1及び図2で
示すようにハロゲン処理触媒層の直ぐ下流に設置するこ
とが必要であり、該固体吸着剤の量は流入するハロゲン
量によって設定されるが、該ハロゲン処理触媒の同量以
下とすることも可能である。また、吸着容量はGHSV
(ガス空間速度)及び温度によって決定され、該空間速
度は通常500〜10,000hr-1である。ただし、反
応律速になる可能性が高い場合には接触時間を考慮し
て、1,000hr-1以下とするのが有利である。また、
吸着剤層出口ガス中のハロゲン濃度の測定については、
例えば塩化水素はガス検知管〔例えばGASTEC社製
No.14L(測定範囲1〜20ppm−V)など〕、
又はアルカリ吸収液(Na2 CO3 とNaHCO3 を含
有する水溶液)に通気後、イオンクロマトグラフィー分
析により測定することができ、フッ化水素はガス検知管
〔例えばDraeger社製No.1.5/b(測定範囲
1〜20ppm−V)、GASTEC社製No.17
(測定範囲1〜20ppm−V)など〕、又はアルカリ
吸収液(Na2 CO3 とNaHCO3 を含有する水溶
液)に通気後、イオンクロマトグラフィー分析により測
定することができる。ハロゲン処理触媒層出口流体(吸
着剤層入口)ガス中のハロゲン及びアンモニアの濃度
は、新触媒又はハロゲンによる再生後の触媒を水素還元
する場合に、特に高い値を示す。その概略濃度範囲は、
フッ化水素で0〜100ppm−V、塩化水素で0〜1
00ppm−V、アンモニアで0〜200ppm−Vで
ある。 【0014】 【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 実施例1 (1)ハロゲン処理触媒の調製 L型ゼオライト100重量部にシリカバインダー20重
量部を添加し、混練成形したのち、500℃にて2時間
空気燒成を行ってシリカバインダー成形ゼオライトを得
た。一方、塩化テトラアミン白金0.171g、フッ化ア
ンモニウム0.167g、塩化アンモニウム0.075g及
びイオン交換水4.5gを混合して含浸液を調製した。次
に、このようにして調製した含浸液を、上記のシリカバ
インダー成形L型ゼオライト10gを攪拌しながら、こ
れに徐々に滴下し、白金及びハロゲンの担持処理を行っ
た。次いで乾燥後、空気中で300℃で3時間燒成して
触媒を得た。この触媒中のフッ素及び塩素の含有量はそ
れぞれ0.70重量%であった。 【0015】(2)触媒及び吸着剤の充填 ハロゲン吸着剤の評価 上記(1)で調製したハロゲン処理触媒0.5gと第2表
に示す各種ハロゲン吸着剤0.5gを図3に示すように石
英製反応管7に充填し、ハロゲン処理触媒層1の直ぐ下
流にハロゲン吸着剤層2を設けた。 【0016】(3)ハロゲン吸着剤の評価 まず、GHSV(ガス空間速度):9750hr-1、圧
力:常圧、温度:540℃、流体:H2 及び保持時間2
4時間の条件で触媒の水素還元を行った。この際、ハロ
ゲン除去率を次式により算出した。 ハロゲン除去率(wt%)=〔吸着剤のハロゲン吸着量
(g)〕/〔触媒からのハロゲン流出量(g)〕×10
0 ここで、触媒及び吸着剤中のハロゲン量は、触媒及び吸
着剤をそれぞれ粉砕し、加熱処理したのち、オフガス中
のHCl及びHFをアルカリ緩衝水溶液に吸収させ、イ
オンクロマトグラフィー分析により測定し、この値から
吸着剤のハロゲン吸着量及び触媒からのハロゲン流出量
(水素還元前後の触媒中のハロゲン量から計算)を求め
た。 【0017】次に、原料ナフサを導入し、WHSV(重
量空間速度):16hr-1、圧力:5kg/cm2 G、
温度:517℃、H2 /HC(原料ナフサに対するH2
モル比):5モル/モル、流体:H2 +ナフサ留分及び
保持時間:5時間の条件で反応を行った。さらにN2
換後、GHSV:650hr-1、圧力:4kg/cm2
G、温度:450℃、流体:空気(低酸素濃度、例えば
0.1〜0.5vol%から徐々に酸素濃度を増加してい
く)及び保持時間:5時間の条件で劣化触媒のデコーキ
ングを行った。第1表に、水素還元工程、反応工程(反
応初期)及びデコーキング工程におけるハロゲン処理触
媒層からの流出ハロゲン濃度を示し、第2表に、水素還
元工程におけるハロゲン除去率を示す。ここで、流出ハ
ロゲン濃度については、以下に示すガス検知管を用い
て、各工程に於けるハロゲン処理触媒出口のハロゲン濃
度を測定し、経時変化を調べた。 HF:Draeger社製 No.1.5/b(測定範囲
1〜20ppm−v)但し、規定量の被測定ガス吸引で
上限の値、即ち20ppm−vを越える場合には吸引量
を減らし、その読取値に補正を加えて測定値とした。 HCl:GASTEC社製No.14L(測定範囲1〜
20ppm−v)No.14M(測定範囲20〜500
ppm−v) 一方、ハロゲン除去率については、水素還元工程前後の
ハロゲン処理触媒及び吸着剤がそれぞれ含有するハロゲ
ン(F,Cl)量を分析し、前述の定義に従って算出し
た。なお、劣化触媒のデコーキング工程においては、吸
着剤層出口のハロゲン濃度(空気気流中の濃度)は、い
ずれの吸着剤においても1ppm−V以下(ガス検知管
の測定下限値以下)であり、ハロゲンの脱離は認められ
なかった。 【0018】 【表1】 【0019】 【表2】 【0020】比較例1 ハロゲン吸着剤として、第3表に示すものを用いた以外
は、実施例1と同様にして実施した。触媒の水素還元工
程におけるハロゲン除去率を第3表に示す。 【0021】 【表3】 【0022】第2表及び第3表から分かるように、比較
例のハロゲン吸着剤では、HF及びHClの除去率はど
ちらか一方が低いか、あるいは両方共低いのに対し、実
施例の吸着剤では、HF及びHClの除去率はいずれも
高い。 【0023】 【発明の効果】本発明のハロゲンの吸着除去方法による
と、ハロゲン処理触媒を用いてナフサなどの石油留分を
処理するプロセスにおいて、該ハロゲン処理触媒層の直
ぐ下流に特定の固体吸着剤層を設けることにより、該触
媒層から流出するハロゲンを効率よく吸着除去すること
ができ(フッ化水素と塩化水素を同時に吸着除去するこ
とができる)、かつ高温域の吸着でありながらハロゲン
除去率が高い上、プロセス条件の変動(例えば劣化触媒
の再生など)に対してハロゲンの脱離がない。その結
果、ハロゲンによる装置腐食、蒸留塔のトレイ閉塞、触
媒毒、あるいはハロゲン汚染などの問題を回避できる。
また、本発明の方法は多段反応器への適用が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】 ハロゲン処理触媒層の直ぐ下流に固体吸着剤
層を設けた場合の異なった例を示す図である。 【図2】 本発明の方法を実施するための一例のフロー
シートである。 【図3】 実施例1及び比較例1において、ハロゲン処
理触媒とハロゲン吸着剤とを容器に充填した状態を示す
図である。 【符号の説明】 A ダウンフロー型反応器 B ラジアルフロー型反応器 1 ハロゲン処理触媒層 2 固体吸着剤(ハロゲン吸着剤)層 3 加熱炉 4 加熱炉 5 気液分離器 6 リサイクル圧縮機 7 石英製反応管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−87244(JP,A) 特開 昭50−1085(JP,A) 特開 平6−190274(JP,A) 特表 平7−506048(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/02 B01J 20/28

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 フッ素及び塩素を含む触媒を用いて石油
    留分を処理するプロセスにおいて、該触媒から流出する
    フッ素及び塩素を吸着除去するに当り、フッ素及び塩素
    を含む触媒層の直ぐ下流に、アルカリ金属酸化物,アル
    カリ土類金属酸化物,遷移金属酸化物及び希土類金属酸
    化物の中から選ばれた少なくとも一種を耐火性酸化物に
    担持してなる固体吸着剤層を設けることを特徴とする
    ッ化水素と塩化水素の同時吸着除去方法。
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