JP3381368B2 - 超音波霧化装置 - Google Patents
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Description
より吸液された霧化液をメッシュ部材によりエアロゾル
化(霧化)する超音波霧化装置に関する。
0に示すような概略構成を有する。ここに示す霧化装置
は、霧化液Lを入れるボトル70と、このボトル70内
に位置する下端71及びボトル70外に位置する上端7
2に開口する液体吸い上げ用吸液孔73を軸方向に有す
るホーン(軸体)74に、2個の環状超音波振動子7
5,76を取付けたダブルホーン振動子77とを備え
る。メッシュ部材80は、多数の微細孔を有し、コイル
バネ等の弾性部材(図示せず)によってホーン上端72
に当接される。
生させた高周波電圧を振動子75,76に印加すると、
振動子75,76の超音波振動によってホーン74が上
下に振動する。これに伴い、ボトル70内の霧化液Lが
ホーン74の下端71から吸液孔73を通じて吸い上げ
られ、上端72の開口から出る。そして、上端72に当
接するメッシュ部材80によって、霧化液Lが霧状にな
って放散する。
に超音波振動子を使用してメッシュ部材により霧化液を
霧化する霧化装置では、これまでメッシュ部材としてニ
ッケル板等の金属板が使用されていた。しかしながら、
霧化液には薬液が用いられることが多く、薬液の種類に
よっては金属板が腐食する等の不具合が発生するため、
薬液対策としてセラミック等の硬くて腐食し難い材質の
ものが使用されるようになっている。
シュ部材を直接振動させた場合、メッシュ部材は自身の
剛性等によって振動子の振幅とは異なった周波数成分を
持つ振動(固有振動)をする。この周波数成分のうち、
低域のうねり振幅は振動子の振動振幅にメッシュ部材が
追従しないことにより発生する。低域のうねり振幅が発
生するとき、図11の(a),(b)に示すように、振
動子(即ちホーン74の上端72)とメッシュ部材80
との間に微小ギャップαが生じ、この微小ギャップαを
通って吸液孔73からの霧化液Lがホーン上端72とメ
ッシュ部材80との間に浸入充填され、そのメッシュ部
材80の充填部分から霧化液Lが霧化される。
ック等の硬い材質である場合、超音波振動を受けたメッ
シュ部材のうねり振動は柔らかい材質の場合に比べて小
さい傾向にあり、そのためにホーン上端72とメッシュ
部材80との間に霧化液Lがうまく広がらず、霧化液L
の充填面積が小さくなって、充分な霧化量を実現できな
い、という問題がある。
なされたもので、メッシュ部材が振動子より超音波振動
を受けたときに、振動子(軸体上端)とメッシュ部材と
の間に充分な霧化量を実現できるに足る間隙を発生させ
ることができる超音波霧化装置を提供することを目的と
する。
に、本発明の請求項1記載の超音波霧化装置は、下端及
び上端に開口する液体吸い上げ用吸液孔を軸方向に有す
る軸体に、振動子を取付け、軸体上端に、多数の微細孔
を持つメッシュ部材を当接させてなるものにおいて、前
記軸体上端面の吸液孔周辺又は前記メッシュ部材の軸体
上端当接面に、凸部を設けたことを特徴とする。
端及び上端に開口する液体吸い上げ用吸液孔を軸方向に
有する軸体に、振動子を取付け、軸体上端に、多数の微
細孔を持つメッシュ部材を当接させてなるものにおい
て、前記メッシュ部材の軸体上端当接面に、軸体上端面
の吸液孔側(内側)から外側に延在する溝を形成したこ
とを特徴とする。
下端及び上端に開口する液体吸い上げ用吸液孔を軸方向
に有する軸体に、振動子を取付け、軸体上端に、多数の
微細孔を持つメッシュ部材を当接させてなるものにおい
て、前記軸体上端と前記メッシュ部材を相互に傾斜させ
て当接させたことを特徴とする。
液孔周辺又はメッシュ部材の軸体上端当接面に凸部が設
けられているので、例えば軸体上端面に凸部が設けられ
ている場合を想定すると、軸体上端にメッシュ部材が当
接されれば、メッシュ部材は凸部とのみ接触し、それ以
外の軸体上端部分には接面しない。これにより、メッシ
ュ部材は凸部で支持されると共に、凸部によりメッシュ
部材と軸体上端との間隙が大きくなり、充分な霧化面積
を確保でき、霧化量の増大を実現できる。勿論、メッシ
ュ部材に凸部を設けた場合も同様の作用効果が得られ
る。
材の軸体上端当接面に、軸体上端面の吸液孔(内側)か
ら外側に延在する溝が形成されているので、霧化液は超
音波振動により軸体上端面の吸液孔から溝を通ってメッ
シュ部材と軸体上端との間隙に放射状に拡がり、霧化面
積が大きくなり、霧化量が増加する。
メッシュ部材を相互に傾斜させて当接させてあるので、
軸体上端とメッシュ部材との間隙は一方側で小さく、他
方側で大きくなり、上記の場合と同様に、霧化液が超音
波振動により間隙の大きい方に放射状に拡がり、結果的
に霧化面積の増加、霧化量の増大を実現できる。なお、
本発明の霧化装置において使用するメッシュ部材の材質
は、ニッケル等の金属のみならず、セラミック等の硬い
ものでもよい。特に、本発明の霧化装置では、セラミッ
ク等の硬い材質のメッシュ部材を用いても、メッシュ部
材と軸体上端との間に充分な間隙を確保することがで
き、霧化量の増加を実現できる。更には、高分子材料
(ポリサルフォン、ポリイミド、ポリカーボネート等)
からなるメッシュ部材を用いても、同様の効果を実現す
ることができる。
づいて説明する。その一実施例に係る霧化装置を図1
〔(a)は要部側面図、(b)は上面図〕に示す。但
し、その他の構成部分は図10に示すような従来の霧化
装置と変わらないので、説明は省略する。超音波振動子
を有するダブルホーン振動子10のホーン(軸体)11
は液体吸い上げ用吸液孔12を有し、吸液孔12はホー
ン11の上端13に開口し、ホーン上端13の吸液孔1
2周囲に環状の凸部15が設けられている。
ン11の上端13には、多数の微細孔を持つセラミック
製のメッシュ部材1を例えばコイルバネ60で当接させ
る。すると、メッシュ部材1は凸部15により、凸部1
5の厚み分だけ上端13から間隔を置いて支持される。
この状態で、超音波振動子を振動させると、ホーン11
も同じ周波数で振動し、それに伴ってメッシュ部材1も
振動する。これにより、霧化液Lはホーン11の吸液孔
12からメッシュ部材1とホーン上端13との間隙に拡
がる〔図2の(a)参照〕。図2の(b)に示すよう
に、超音波振動時に、メッシュ部材1がホーン上端13
から離れると、霧化液Lは、凸部15とメッシュ部材1
との間隙を通って凸部15の外側周囲に拡がる、メッシ
ュ部材1とホーン上端13との充分な間隙に浸入し、ホ
ーン上端13の広い範囲に行き渡る。従って、霧化面積
が拡張し、充分な霧化量が得られることになる。勿論、
メッシュ部材1に同様の凸部を設けた場合も、全く同等
の作用効果が得られる。
は、ホーン21の上端23の吸液孔22周囲に設けられ
た環状の凸部25に、この凸部25の中心を通る溝26
が形成されている。この凸部25を設けたホーン上端2
3にメッシュ部材を当接させると、メッシュ部材と凸部
25との当接部分に、溝26により霧化液の通路ができ
るため、吸液孔22から出た霧化液がホーン上端23と
メッシュ部材との間隙に一層拡がり易くなる。なお、凸
部25に形成する溝は、図3の(b)のように直線状で
ある必要はなく、霧化液が吸液孔22から凸部25の外
側周囲に容易に拡がればよく、例えば図4に示すように
十字状の溝27でもよい。この場合も、メッシュ部材の
凸部に溝を形成しても同様の作用効果が得られる。
ある。ここに示すメッシュ部材2は、そのホーン上端へ
の当接面側Bにホーン上端の吸液孔上を通過して延びる
直線状の溝3を有する。又、メッシュ部材2の微細孔4
は、当接面側Bから霧化面側Aに向かって断面テーパ状
であり、全体形状として円錐状を呈するものである。こ
のメッシュ部材2をホーン上端に当接させると、メッシ
ュ部材2のホーン上端との当接面にて、溝3が霧化液の
通路として作用し、この溝3を通じてホーン上端の吸液
孔からの霧化液がメッシュ部材とホーン上端との間隙に
拡がり易くなる。なお、溝3も前記と同様に直線状であ
る必要はなく、例えば図6に示すように十字状の溝5で
あってもよい。
に凸部を設けた例、凸部に溝を形成した例、メッシュ部
材に溝を設けた例を説明したが、ホーン上端とメッシュ
部材を相互に傾けて当接させた場合も、同様の効果が得
られる。この例を図7に示す。ここでは、ホーン上端に
メッシュ部材を傾けて当接させた例であり、特にホーン
41の上端43の端面が凸状に湾曲している場合に有効
である。例えば、図7においては、弾性部材としてのコ
イルバネ50によってメッシュ部材9の左側が強く、右
側が弱くホーン上端43に押圧され、メッシュ部材9
は、右側が上がり左側が下がった状態に保持されてい
る。こうすることで、ホーン上端43の吸液孔42から
出た霧化液Lは、メッシュ部材9とホーン上端43との
間隙が大きくなっている右側領域に浸入して拡がり易
く、結果的に霧化面積が拡がり、霧化量が増えることに
なる。
いた状態に維持することが重要であるが、その場合に使
用する弾性部材の例を図8及び図9に示す。図8はコイ
ルバネ51を示し、このコイルバネ51では、これを霧
化装置の所定位置にセットした場合、右側部分51bが
左側部分51aよりメッシュ部材を押圧する力が大きく
なり、メッシュ部材を傾いた状態に保持できる。図9は
環状の板バネ52を示し、この板バネ52では、右側部
分52bが左側部分52aより押圧力が大きい。
状態に保持する以外にも、単にホーン上端とメッシュ部
材を相互に傾斜状態にすることによっても同等の効果を
得ることができる。この場合、図7のようにホーン上端
43の端面が凸状に湾曲していなくても充分な効果が期
待できるので、一般の超音波霧化装置に幅広く適用でき
る。
たように構成されるため、下記の効果を有する。 (1)請求項1記載の霧化装置では、軸体上端面の吸液
孔周辺又はメッシュ部材の軸体上端当接面に凸部を設け
たため、メッシュ部材と軸体上端との間隙が大きくな
り、軸体上端の吸液孔からの霧化液が間隙に広く行き渡
り、霧化面積が増加し、霧化量が増大する。 (2)軸体又はメッシュ部材の凸部に軸体上端面の吸液
孔側(内側)から外側に延在する溝を形成することによ
り、メッシュ部材と軸体上端との当接面において、霧化
液が溝を通って凸部の外側周囲に拡がり易くなる。 (3)請求項3記載の霧化装置では、メッシュ部材の軸
体上端当接面に、軸体上端面の吸液孔側(内側)から外
側に延在する溝を形成したため、メッシュ部材と軸体上
端との当接面にて、霧化液が溝を通ってメッシュ部材と
軸体上端との間隙に浸入して拡がり易くなり、霧化面積
の増加により霧化量の増大を実現できる。 (4)請求項4記載の霧化装置では、軸体上端とメッシ
ュ部材を相互に傾斜させて当接させたため、軸体上端と
メッシュ部材との間隙が一方側で大きくなり、結果的に
霧化面積が増加して霧化量が増える。しかも、特にメッ
シュ部材や軸体上端に凸部や溝を設けなくてもよいの
で、一般の霧化装置に広く適用できる。 (5)上記の作用効果を有するため、硬い材質のセラミ
ック等の他に高分子材料からなるメッシュ部材を用いて
も、霧化液の充填面積は大きく確保され、充分な霧化量
が得られる。
の部分側面図及び上面図である。
を説明する図である。
ン上端の部分側面図及び上面図である。
面図である。
形成した例を示すメッシュ部材の平面図及び要部部分断
面図である。
する溝の別例を示す平面図である。
例におけるホーン上端とメッシュ部材との作用を説明す
る図である。
例に使用する弾性部材の一例である。
例に使用する弾性部材の別例である。
図である。
上端とメッシュ部材との作用を説明する図である。
Claims (4)
- 【請求項1】下端及び上端に開口する液体吸い上げ用吸
液孔を軸方向に有する軸体に、振動子を取付け、軸体上
端に、多数の微細孔を持つメッシュ部材を当接させてな
る超音波霧化装置において、 前記軸体上端面の吸液孔周辺又は前記メッシュ部材の軸
体上端当接面に、凸部を設けたことを特徴とする超音波
霧化装置。 - 【請求項2】前記軸体又はメッシュ部材の凸部に、軸体
上端面の吸液孔側(内側)から外側に延在する溝を形成
したことを特徴とする請求項1記載の超音波霧化装置。 - 【請求項3】下端及び上端に開口する液体吸い上げ用吸
液孔を軸方向に有する軸体に、振動子を取付け、軸体上
端に、多数の微細孔を持つメッシュ部材を当接させてな
る超音波霧化装置において、前 記メッシュ部材の軸体上端当接面に、軸体上端面の吸
液孔側(内側)から外側に延在する溝を形成したことを
特徴とする超音波霧化装置。 - 【請求項4】下端及び上端に開口する液体吸い上げ用吸
液孔を軸方向に有する軸体に、振動子を取付け、軸体上
端に、多数の微細孔を持つメッシュ部材を当接させてな
る超音波霧化装置において、 前記軸体上端と前記メッシュ部材を相互に傾斜させて当
接させたことを特徴とする超音波霧化装置。
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