JP3380178B2 - 顆粒状食品及びその製造方法 - Google Patents
顆粒状食品及びその製造方法Info
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Description
ー、パスタソース、中華調理用ソース、トマトソース・
ブイヤベースのような洋風煮込みソース等のソース類、
おでん、うどん等の各種スープ・汁類、各種調味料等を
顆粒状にした顆粒状食品及びその製造方法に関するもの
である。
乾式造粒法により製造されているが、従来行われている
湿式造粒法、乾式造粒法について記載すると、次のとお
りである。 〔湿式造粒法〕一般に湿式造粒法は、加水した食品原料
(水分含量約15〜30重量%程度)を押し出し型の造
粒機により顆粒化した後、乾燥処理を施すため、特に上
記加水量が多い場合には、食品風味の飛散、変質が起こ
る、という問題が生じる。上記加水量の少ない湿式造粒
法としては、澱粉類および粉乳、食塩、砂糖、化学調味
料、香辛料などの適宜材料と、さらに食用油脂より成る
原料の水分含量を8〜13%に調整し、これを押し出し
型の造粒機にかけて造粒した後、熱風乾燥により5〜9
%の水分を蒸発させ、冷却、篩別する顆粒状食品の製造
法(特公昭53−45380号)が知られている。しか
し、水分含量の少ない食品原料を押し出し型の造粒機に
かけて造粒する場合には、食用油脂を用いなければ造粒
することができず、ローファットあるいはノンファット
の各種スープ、ソース等を作ることができない。
しない造粒法として、乾式造粒法がある。 例えば、特開平6−125717号には、被造粒物
に加水することなく上昇融点40〜55℃の油脂を混合
し、押し出し造粒する顆粒状食品の製造法が記載されて
いる。しかし、上記湿式造粒法における食品風味の飛
散、変質という問題は解消できるが、固形油脂を使用し
ているため、保存中の油脂の溶融により顆粒の崩壊が生
じる、得られたスープ、ソースにザラツキが感じられ
る、という問題が生じる。 また、特開昭59−45835号には、食品原料中
にショ糖脂肪酸エステルを混和し、これを板状に圧延成
形し、顆粒化する顆粒状食品の製造法が記載されてい
る。かかる製造法においても、食品原料に加水していな
いため、上記湿式造粒法における食品風味の飛散、変質
という問題は解消できる。しかし、食品原料が、例えば
小麦粉を主原料とするものである場合、かなりの高圧で
なければ圧延成形処理を行うことができず、得られた顆
粒状食品の溶解性が悪くなる、という問題が生じる。
技術における問題の全てを解消し、溶解性が良く、風味
に優れ、ザラツキ感のない食感を有し、しかも、近時の
消費者の健康志向に適合したローファットあるいはノン
ファットの各種スープ、ソース等を作ることができる顆
粒状食品及びその製造法を提供することを目的とする。
解決するため鋭意研究を重ねた結果、澱粉を主原料と
し、油脂原料を含まないかあるいは極めて少量含む食品
原料に、極めて少量の加水を行い、特定の硬度になるよ
うに加圧成形し、粉砕して造粒を行うことにより、上記
目的を達成することができることを知見し、本発明を完
成するに至ったのである。
粒してなる顆粒状食品であって、主原料として澱粉を含
み、油脂を0〜6重量%、水分を4〜12重量%の割合
で含有することを特徴とする顆粒状食品であり、また、
前記顆粒状食品に乾燥処理を施してなる顆粒状食品であ
って、その水分含量が3〜10重量%であることを特徴
とする顆粒状食品である。さらに、本発明は、主原料と
して澱粉を含み、油脂を0〜6重量%の割合で含む食品
原料に、水分含量が4〜12重量%になるように加水し
た後、硬度が100〜2000gfになるように加圧成
形し、得られた成形物を粉砕整粒することを特徴とする
顆粒状食品の製造方法であり、また、上記顆粒食品の製
造方法において、成形物を粉砕整粒した後、得られた顆
粒状食品の水分含量が3〜10重量%になるように乾燥
処理を施す顆粒状食品の製造方法である。
かして用いるもので、例えば、カレー、シチュー、パス
タソース、中華調理用ソース、トマトソース・ブイヤベ
ースのような洋風煮込みソース等のソース類、おでん、
うどん等の各種スープ・汁類、各種調味料等を顆粒化し
た食品である。本発明においては、澱粉を主原料とする
ものであるが、澱粉としては、小麦粉、コーンスター
チ、馬鈴薯澱粉、小麦澱粉等が用いられる。澱粉を主原
料とし、後記するその他の材料を用いるが、これら澱粉
を含む原料の使用量は10〜50重量%、好ましくは2
0〜40重量%である。この際、澱粉として湿熱処理小
麦粉、例えば、110〜120℃の水蒸気により加熱処
理した小麦粉を用いると、粘性を付与し、溶解性を向上
させるので好ましい。
ることが必要であって、0〜6重量%、好ましくは2〜
4重量%である。極めて少量ではあるが油脂を用いた場
合には、コク味付けができ、また、製造時における粉原
料の粉立ちを防止することができる。その他の原料とし
ては、砂糖、食塩、粉乳、その他調味料等が用いられ、
対象食品に応じて任意に配合する。デキストリン、酸処
理澱粉(分散剤)を用いると、溶解性を向上させるので
好ましい。デキストリン、酸処理澱粉を用いる場合は、
30重量%以下が好ましい。
%、好ましくは5〜8重量%になるように加水する。加
水方法は特に限定されるものではなく、任意の方法で行
うことができるが、均一な加水が行われるようにするに
は、混合している原料中に、水を噴霧するのが好まし
い。上記のように加水すると、溶解性、風味の良好な顆
粒状食品が得られるのであるが、水分含量が4重量%未
満であると、高圧による加圧成形となり溶解性が低下す
る。また、水分含量が12重量%を超えると、高温、長
時間の乾燥処理が必要になり風味が低下する。
100〜2000gfになるように加圧成形する。この
際、硬度の測定方法の条件は、次のとおりである。 (a) 被測定物の大きさ:表面30〜50mm2 、厚さ
2.0〜3.0mm (b) プランジャー形状:W13mm×D30mm×H2
5mm三角柱、先端部角度300 、先端1mm幅 (c) 圧縮速度:0.5mm/sec (d) 硬度:最大荷重点(成形物の破断時にかかった最大
荷重) (e) 測定装置:被測定物に一定の速度で垂直方向から荷
重を加える機構を備えた圧縮試験装置。
成形装置としては、打錠機、ロール圧縮機が用いられ
る。打錠機、ロール圧縮機を用いる場合の諸条件につい
て示すと、次のとおりである。 打錠機を用いる場合の条件 打錠圧(面圧):50〜300MPa(メガパスカ
ル)、好ましくは50〜150MPa (参照:50〜300MPa=500〜3000kgf
/cm2 ) 成形物の大きさ:φ5〜30mm、厚さ:1〜4m
m
は10〜25MPa ロール間クリアランス:0.3〜1.0mm ロール回転数:3〜30rpm 原料処理量:1〜20kg/ロール幅1cm 成形物大きさ:厚さ0.5〜3mm
は、次のような条件で粉砕整粒を行う。 使用装置:ロールグラニュレーター(たて溝式ロー
ル整粒機) 粒形:0.2〜3mm、好ましくは0.5〜2mm 条件例:1段目ピッチ0.5〜2.5mm、クリア
ランス1.2〜2.5mm 2段目ピッチ0.5〜2.5mm、クリアランス0.3
〜0.8mm (2段粉砕整粒は微粉の発生を防止する。)
食品は、必要により、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、低温
乾燥、除湿エアー乾燥等により乾燥処理を施すのが好ま
しい。乾燥処理は水分含量が3〜10重量%、好ましく
は3〜5重量%になるように行う。このような水分含量
に乾燥するに当たって、上記乾燥方法が適宜に採用でき
るが、例えば、熱風乾燥の場合は、80℃、30秒程度
で行う。
説明する。なお、以下の実施例及び比較例に記載した硬
度は、前記硬度の測定方法の条件に基づき、測定装置と
して、株式会社山電クリープメータ(レオナー、RE−
3305型)プランジャーNO.49を使用して測定し
た値である。
糖、食塩、粉乳、チキンエキス、酵母エキス)50重量
部、デキストリン10重量部、水3重量部を混合した食
品原料(水分含量5重量%、油脂含量2重量%)を、打
錠機(菊水株式会社製No.6B−2型)を用いて、打
錠圧50MPaの条件で打錠処理し、直径7mm、厚さ
3mmの打錠品(硬度:500gf)を得た。次に、ロ
ールグラニュレータ(日本グラニュレーター株式会社製
GRN−1011型)を垂直方向に2機設置(1段目ロ
ールクリアランス1.5mm・ピッチ1.5mm、2段
目ロールクリアランス0.8mm・ピッチ1.0mm)
し、上記打錠品を粉砕整粒し、粒径0.5〜2.0mm
の即席シチューを得た。
糖、食塩、粉乳、チキンエキス、酵母エキス)50重量
部、デキストリン10重量部、水5重量部を混合した食
品原料(水分含量7重量%、油脂含量1.9重量%)
を、実施例1と同様の方法により、打錠処理した成形品
(硬度:1000gf)を粉砕整粒処理し、粒径0.5
〜2.0mmの顆粒状品を得た。次に、上記顆粒状品
を、流動層乾燥装置(グラッド株式会社製)を用いて熱
風乾燥(条件:80℃、30秒間)し、即席シチュー
(水分含量3重量%)を得た。
糖、食塩、粉乳、チキンエキス、酵母エキス)50重量
部、デキストリン10重量部、水3重量部を混合した食
品原料(水分含量5重量%、油脂含量2重量%)を、ロ
ール圧縮機(大塚鉄鋼株式会社製ローラーコンパクタ
ー:ロール幅50mm、ロール支持圧5MPa、ロール
クリアランス0.5mm、ロール径250mm、ロール
回転数6rpm、原料処理量10kg/ロール幅1c
m)を用いて、ロール処理し、加圧成形品(大きさ:約
50mm四方、硬度:500gf)を得た。次に、実施
例1と同様のロールグラニュレータにより、上記加圧成
形品を粉砕整粒し、粒径0.5〜2.0mmの即席シチ
ューを得た。
糖、食塩、ビーフエキス、チキンエキス、酵母エキス)
42重量部、デキストリン10重量部、カレーパウダー
8重量部、水3重量部を混合した食品原料(水分含量5
重量%、油脂含量2重量%)を、ロール圧縮機(大塚鉄
鋼株式会社製ローラーコンパクター:ロール幅50m
m、ロール支持圧5MPa、ロールクリアランス0.5
mm、ロール径250mm、ロール回転数6rpm、原
料処理量10kg/ロール幅1cm)を用いてロール処
理し、加圧成形品(大きさ:約50mm四方、硬度:5
00gf)を得た。次に、実施例1と同様のロールグラ
ニュレータにより、上記加圧成形品を粉砕整粒し、粒径
0.5〜2.0mmの即席カレーを得た。得られた即席
カレー40gを、95℃の熱湯300gに溶解させ、カ
レーを作ったところ、溶解性、風味に優れ、ザラツキ感
のない食感を有するものであった。
分含量:多いケース) 湿熱処理小麦粉40重量部、調味料(砂糖、食塩、粉
乳、チキンエキス、酵母エキス、バター)50重量部、
油脂10重量部、水10重量部を混合した食品原料(水
分含量15重量%、油脂含量15重量%)を、押し出し
造粒機(不二パウダル株式会社エックペレックESK−
1型)を用いて押出し造粒後、85℃、10分間乾燥
し、粒径1.0mmの即席シチュー(水分含量4重量
%)を得た。
(砂糖、食塩、粉乳、チキンエキス、酵母エキス)50
重量部、デキストリン10重量部を混合した食品原料
(水分含量3重量%、油脂含量2重量%)を、ロール圧
縮機(大塚鉄鋼株式会社製ローラーコンパクター:ロー
ル幅50mm、ロール支持圧60MPa、ロールクリア
ランス0.5mm、ロール径250mm、ロール回転数
6rpm、原料処理量10kg/ロール幅1cm)を用
いてロール処理し、加圧成形品(大きさ:約50mm四
方、硬度:10000gf)を得た。次に、実施例1と
同様のロールグラニュレータにより、上記加圧成形品を
粉砕整粒し、粒径0.5〜2.0mmの即席シチューを
得た。
脂含量:多いケース) 加水することなく、湿熱処理小麦粉40重量部、調味料
(砂糖、食塩、粉乳、チキンエキス、酵母エキス)40
重量部、食用硬化油20重量部を混合した食品原料(水
分含量2重量%、油脂含量18重量%)を、押し出し造
粒機(不二パウダル株式会社製DG−1型)を用いて押
し出し造粒後、60℃から25℃に冷却して、粒径1.
0mmの即席シチューを得た。
顆粒状の即席シチュー40gを、95℃の熱湯300g
に溶解させ、クリームシチューを作った。これを官能試
験により評価した結果を示すと表1のとおりである。な
お、表1には、パネル20名の平均値を示した。
からも明らかなように、本発明によれば、溶解性が良
く、風味に優れ、ザラツキ感のない食感を有し、近時の
消費者の健康志向に適合したローファットあるいはノン
ファットの各種スープ、ソース等を作ることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 加圧成形品を粉砕整粒してなる顆粒状食
品であって、主原料として澱粉を含み、油脂を0〜6重
量%、水分を4〜12重量%の割合で含有することを特
徴とする顆粒状食品。 - 【請求項2】 請求項1に記載の顆粒状食品に乾燥処理
を施してなる顆粒状食品であって、その水分含量が3〜
10重量%であることを特徴とする顆粒状食品。 - 【請求項3】 主原料として澱粉を含み、油脂を0〜6
重量%の割合で含む食品原料に、水分含量が4〜12重
量%になるように加水した後、硬度が100〜2000
gfになるように加圧成形し、得られた成形物を粉砕整
粒することを特徴とする顆粒状食品の製造方法。 - 【請求項4】 上記成形物を粉砕整粒した後、得られた
顆粒状食品の水分含量が3〜10重量%になるように乾
燥処理を施す請求項3に記載の顆粒状食品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP30553998A JP3380178B2 (ja) | 1998-10-27 | 1998-10-27 | 顆粒状食品及びその製造方法 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5095783B2 (ja) * | 2010-08-02 | 2012-12-12 | 日清食品冷凍株式会社 | 濃縮液状スープ |
JP7274949B2 (ja) * | 2019-06-13 | 2023-05-17 | ハウス食品株式会社 | 溶媒を添加して食品を調製するための組成物 |
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1998
- 1998-10-27 JP JP30553998A patent/JP3380178B2/ja not_active Expired - Fee Related
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