JP3379917B2 - Al含有皮膜被覆部材とその製造方法 - Google Patents
Al含有皮膜被覆部材とその製造方法Info
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Description
膜の改質を目的として開発された、Al含有皮膜、とくに
Al−Ni系溶射皮膜被覆部材とその製造方法に関するもの
である。
略記する)は、軽量で加工性に優れ、耐食性を有し、鉄
鋼材料に比較して卑な電位を示し、そして安価であるこ
とから、建材、車輌、タンク類、機械構造用材料などの
広い分野にわたって使用されている。また、このAlは、
溶射法、PVD法、溶融めっき法、拡散浸透法などの技
術によって、表面処理皮膜形成用の材料としても広く利
用されている。
射皮膜は、鉄鋼材料の防食用として、亜鉛溶射皮膜とと
もに古くから知られており、日本工業規格(JIS)に
も昭和46年、Al溶射 (JISH8301) 、Al溶射作業標準
(JISH9301) などが制定され、今日に至る長い歴史
がある。これらのJISに記載されているAl溶射皮膜の
目的は、1980年までのJISには鉄鋼材料の防食と高温
酸化の防止が謳われていたが、1991年改訂のJISには
それまでの高温酸化の防止よりも防食の方が強調される
に到っている。
ために使用する場合は、皮膜形成後に800 〜850 ℃×30
min の加熱処理によって、Al溶射皮膜と鉄鋼基材との相
互拡散によって、基材側にFe−Al金属間化合物を生成さ
せて、Alの融点の上昇を図ると共に、表面に生成する保
護性のAl2O3 によって基材の高温酸化を防止していた。
て耐酸化性を向上させる方法もあるが、この方法もま
た、基材表面にFe−Al金属間化合物とAl2O3 保護膜を形
成する方法である。
や溶融Alめっき処理は、専らAlと基材間における反応拡
散によるFe−Al金属間化合物の生成に重点が置かれ、Al
溶射層やめっき層自体の変化については、加熱拡散時の
温度によるAl皮膜の溶融とその影響による皮膜気孔の消
滅などの物理変化が起こる程度であった。
来のAl溶射皮膜やAlめっき皮膜というのは、以下に説明
するような問題点を抱えていた。 (1) Al溶射皮膜は、軟質であるため傷が付き易いうえ、
大きな負荷がかかると容易に変形する。従って、大きな
負荷のかかる条件下で使用されることが多い硬質酸化物
系セラミックス皮膜や炭化物系サーメント皮膜のアンダ
ーコートとしては使用することができない。 (2) Al溶射皮膜は、耐摩耗性に乏しく、エロージョンを
受ける環境ではその優れた耐食性を十分に発揮できな
い。
特性を改質して耐食性と共に耐摩耗性にも優れたAl含有
皮膜を被覆してなる部材と、それの有利な製造方法とを
提案することにある。
えている上述した課題を解決するため、次のような手段
を採用することとした。 (1) 即ち、本発明は、金属製基材または無機質の非金属
製基材の表面に、溶射法やCVD法、PVD法あるいは
拡散浸透法などによって、NiまたはNiを含む合金材料に
よるアンダーコートを施工し、その上にAlまたはAl合金
材料によるトップコートを施工して複合皮膜を形成す
る。その後、この複合皮膜を熱処理することによって、
該複合皮膜中のNiとAlとの合金化反応を起こさせてNi−
Al金属間化合物を析出させることによって、軟質なAl含
有皮膜中に微細で硬質なNi−Al金属間化合物を分散析出
させて改質した組織を有するAl含有皮膜を被覆してなる
部材としたものである。
質の非金属製基材の表面に、溶射法やCVD法、PVD
法あるいは拡散浸透法などによって、NiまたはNiを含む
合金材料とAlまたはAl合金材料との混合粉末を用いて混
合物皮膜を形成した後、この混合物皮膜を熱処理するこ
とによって、該皮膜中のNiとAlの合金化反応を起こさせ
てNi−Al金属間化合物を析出させることによって、軟質
なAl含有皮膜中に微細で硬質なNi−Al金属間化合物を分
散析出させて改質した組織を有するAl含有皮膜を被覆し
てなる部材としたものである。
はその合金からなるアンダーコートを施工し、その上に
Alまたはその合金からなるトップコートを施工すること
により複合皮膜を形成した後、この複合皮膜をトップコ
ート金属の融点以上の温度に加熱することによって、該
複合皮膜中にNi−Al金属間化合物を析出させることを特
徴とするAl含有皮膜被覆部材の製造方法を提案する。
たはその合金とAlまたはその合金との混合物を付着させ
てNi−Al混合物皮膜を形成し、そのNi−Al混合物皮膜の
少なくとも一部をAlの融点以上の温度と加熱することに
よって、前記Ni−Al混合物皮膜中にNi−Al金属間化合物
を析出させることを特徴とするAl含有皮膜被覆部材の製
造方法を提案する。
とからなる上記複合皮膜が2層以上積層されて多層化し
た皮膜であってもよい。本発明において、上記皮膜は、
溶射法、CVD法、PVD法、めっき法、拡散浸透法、
メカニカルアロイング法のうちから選ばれるいずれか一
種の方法の適用によって形成されたものであることが好
ましい。なお、本発明において、上記Ni−Al金属間化合
物は、Ni3Al, NiAl, Ni2Al3, NiAl3, Ni2Al3から選ばれ
るいずれか1種以上の化合物であることが好ましい。
膜の例として、基材表面に、溶射法を適用して形成した
溶射皮膜の例について、その溶射皮膜の改質を行う方法
について説明する。 (1) Al溶射皮膜の形成と加熱処理による皮膜の改質につ
いて 鋼などの金属性基材もしくは非鉄金属やセラミックスを
含む複合材料製基材の表面を脱脂し、清浄化した後、Al
2O3 粒子などによるブラスト処理を施して基材表面を粗
面化する。次に、その粗面化基材表面に、プラズマ溶射
法、アーク溶射法、フレーム溶射法、爆発溶射法などに
よって、Ni−Al合金材料を溶射してアンダーコートを形
成し、引き続きその上に、Alを溶射してトップコートを
形成して複合溶射皮膜を得る。その後、この複合溶射皮
膜をAlの融点 (660 ℃) 以上に加熱する。その結果、上
記複合溶射皮膜中のアンダーコート成分のNiとトップコ
ート成分のAlとが互いに冶金的に反応して、Ni−Al金属
間化合物を生成する。
皮膜について、これを700 ℃×30min の条件で加熱し、
その後該溶射皮膜の断面を電子顕微鏡で観察したもので
ある。図1−(a) は、溶射皮膜全体の顕微鏡写真であ
り、図1−(b) は、白色の針状化合物の析出状態を拡大
観察した顕微鏡写真である。ここで、1はSUS 410 基
材、2はNi−20wt%Alのアンダーコート、3はAlのトッ
プコート、4は長方形の析出物、5は針状の析出物であ
る。この図からわかるように、トップコートのAl溶射皮
膜のほぼ全域にわたって、多数の大小白色のNi−Al金属
間化合物の析出が認められる。即ち、これらの金属間化
合物は、ときには細い針状として成長する一方、長方形
となって分布するなど様々であるが、Al溶射皮膜の最表
層部近傍にまで達している。
は、まず、アンダーコート成分のNiとトップコート成
分のAlとが冶金的に反応し、その反応生成物であるNi
−Al金属間化合物が析出し、拡散しながら成長が起こる
ものと考えられる。上記のNiとAlの反応過程は、いわ
ゆる発熱反応であって、皮膜内には電気炉による加熱温
度よりもはるかに高い温度を発生し、上記化合物の析
出現象へと進むのである。即ち、この現象において、Ni
とAlの反応によってNi−Al金属間化合物が生成するとき
の断熱燃焼温度は、1912K にも達することが知られてお
り、本発明はこの反応熱を利用することが特徴である。
l(融点約1380℃) 、Ni−Al(1638 ℃) 、Ni2Al3 (1500
℃) 、NiAl3 (1100 ℃) などが考えられ、いずれもAlよ
り融点が高いうえ硬質 (例えばNi2Al3: Hv1100, NiA
l3: Hv700〜770)である。従って、このNi−Al金属間化
合物が分散した状態の溶射皮膜というのは、耐熱性、耐
荷重性、耐摩耗性が著しく向上したものになる。
射皮膜特有の開気孔を消滅させるのに有効で、しかも、
皮膜中には多量の金属Alや保護性Al2O3 が残存するた
め、防食特性がそのまま維持されるので、Al本来の性質
も当然に発揮するものである。
コートを加熱する方法としては、次のような方法が有効
であり、該トップコートのAl溶射皮膜を融点近くまで加
熱できる方法であれば、いずれの方法も採用することが
できる。 摩擦圧接のように、金属同志の接触とその回転あるい
は往復運動によって発熱昇温させる方法 電気炉によって加熱(大気、非酸化性ガス雰囲気、真
空)する方法 高周波誘導加熱方法 レーザによる加熱方法 燃焼フレームによる加熱方法 上記, 〜の加熱方式を採用すれば、全体だけでな
くAl溶射皮膜の表層のみの局部加熱も可能である。
る理由は、AlとNiとの共存下において、該皮膜を加熱す
ることにより、NiとAlの合金化反応に伴う発熱現象を誘
発し、ひいては硬質のNi−Al金属間化合物を皮膜中に析
出させることができるからである。このような理由か
ら、溶射皮膜形成用材料としては、次のようなものが好
適に用いられる。 A.複合溶射皮膜の場合 アンダーコート材料として、NiまたはNi合金 (Ni−
Al、Ni−Al−Fe、Ni−Cr、Ni−Cr−Al) を使用すること
ができる。 トップコート材料として、AlまたはAl合金、具体的
にはJISH4000規定のAlおよびAl合金、Al−Si合金な
どを使用することができる。 B.混合物溶射皮膜の場合 NiまたはNi合金の粒子とAlまたはAl合金の粒子とを
所定の割合で混合した混合物材料を、使用することがで
きる。 NiまたはNi合金粒子の表面に、AlをPVD法、CV
D法、拡散浸透法、メカニカルアロイング法などによっ
て被覆した材料を、使用することができる。 Al管の中にNi粉末と充填したワイヤ(コアードワイ
ヤ)を、溶射材料として用いることができる。
ため、耐熱性を有する固体であれば、金属 (合金) 、無
機質を主成分とする非金属 (例えば酸化物、炭化物、窒
化物、珪化物などの焼結成形体、溶融成形体) を問わず
使用することができる。
ることができるので特に限定しないが、アンダーコート
とトップコートを含め40μm 〜800 μm の範囲が効果的
である。この理由は、40μm より薄いと皮膜の特徴(防
食、耐摩耗)を十分に発揮させることができず、一方、
800 μm 以上厚くしてもその効果が飽和するので経済的
に得策でないからである。
て 本発明に従って形成した溶射皮膜の加熱前すなわち溶射
加工終了時における皮膜の断面構造例を図2に示した。
図2−(a) は、金属基材21の上に、Niまたはその合金の
アンダーコート22を施工した後に、Alのトップコート23
を形成した例、図2−(b) は、図2−(a) のトップコー
ト23, 23′の中間部に、アンダーコート材料の溶射皮膜
22′を設けたもの、いわゆる複合溶射皮膜を多層に形成
した例、図2−(c) は、NiまたはNi合金の粒子22とAl粉
末23との混合材料を溶射した混合物溶射皮膜24の例の
(NiまたはNi合金の粒子の表面をAlで被覆した材料とAl
粉末とを混合した混合物溶射材料の場合も同じ)
ついて 本発明はさらに、基材表面に、CVD法、PVD法、拡
散浸透法、めっき法あるいはメカニカルアロイング法を
用いて、NiまたはNi合金材料とALまたはAl合金材料から
なる皮膜をつくり、これを加熱することによってNi−Al
の発熱反応を伴う合金化反応によってAl基もしくはAl基
合金のマトリックス中に微細で硬質なNi−Al金属間化合
物が析出した皮膜を形成して改質皮膜を有する部材を製
造することが可能である。
片上に、フレーム溶射方法によって種々の皮膜 (300 μ
m)を形成し、その後、この部材を電気炉中で700 ℃×30
min の温度に加熱した皮膜の耐食性を、JIS H−8663に
規定のアルミニウム溶射皮膜試験方法に従って調査し
た。 (1) 本発明に適合する皮膜構成(アンダーコート材料/
トップコート材料) 1) Ni/Al 2) Ni−20wtAl/Al 3) NiとAlの混合粒子皮膜 4) Ni−20wt%AlとAlの混合粒子皮膜 5) Ni/Al−5Zn 6) Ni−20wt%Al/Al−5wt%Mg 7) Ni/Al−10Si (2) 比較例の皮膜構成 (加熱処理せず、膜厚300 μm
プラズマ溶射) 8) Alの単層 9) 80wt%Ni−20wt%Cr 10) WC−12wt%Co 11) Al−5wt%Mg 12) Al−10wt%Si 13) SUS 410 鋼 (無処理)
8663の試験方法によると、塩水噴霧、塩水浸漬の各試験
とも連続72時間後の皮膜の表面を目視で観察して判断す
ることとなっているので、これに準じた。その結果、比
較例の皮膜でも80Ni−20Cr(No.9)、WC−Co (No.10)は
赤さびの発生は認められたが、Al(No.8) 、Al−5Zn(N
o.11)、Al−10Si (No.13)などの皮膜はSS400 基材を
電気化学的に保護するため、両試験とも赤さびの発生は
認められなかった。これに対し、本発明の皮膜 (No. 1
〜7)は赤さびの発生は、全く認められず、Alの防食作
用を維持していることが判明した。
7)を、電気炉中で900℃×30min 加熱し、その後、20
℃の水中へ投入する操作を1サイクルとして、この操作
を20サイクル繰返して皮膜の剥離性を調査した。その結
果、皮膜の剥離は全く認められず、良好な熱衝撃性能と
密着性を示した。
成した、熱処理前後の皮膜の耐摩耗性を調査した。皮膜
の試験は、JIS H−8503のめっきの耐摩耗性試験方法に
規定された往復運動摩耗試験法を準用し、荷重3.2kgf研
摩紙はJISR6252 (研摩紙) 規定の粒度320 のものを
用い1600回の試験を行ない、試験前後の重量変化を求め
た。なお、比較例として、Al溶射皮膜のみのものも同一
条件で試験した。表2は、その試験結果を要約したもの
である。この結果から明らかなように熱処理を施こさな
いAl溶射皮膜は、試験皮膜のすべてが、ほぼ類似した摩
耗減量を示したが、熱処理を施してNi−Al合金間化合物
を析出させたものは摩耗減量が少なくなり、耐摩耗性の
向上が見られた。
Niをアンダーコートとして30μm 厚に施工した後、その
上にAlのトップコートを300 μm 厚に形成し、この基材
を電気炉中で680 ℃×30min の熱処理を行なったもの
を、微細な土砂が含まれる工業用水の送水管 (流速3m/
s)中に取付け、皮膜の耐食性と耐エロージョン性を調査
した。比較例として、熱処理を行なわないAl溶射試験片
を同条件下で試験した。そして、約6カ月間の連結運転
の結果、比較例のAl溶射皮膜は赤さびの発生は認められ
ないものの、軟質なAl皮膜がエロージョンによって200
〜220 μm 侵食されていた。これに対し本発明の熱処理
を施こしたAl溶射皮膜は30〜70μm の減少にとどまり、
耐エロージョン性に優れていることがわかった。
に、Ni−20wt%Alのアンダーコートを30μm 厚に施工し
た後、その上に、Alのトップコートを300 μm施工して
複合溶射皮膜とし、次いで710 ℃×30min の熱処理を施
した試験片を石油の分解ガス中に3カ月曝露して、その
高温耐食性は未燃炭素粒子によるエロージョンによる抵
抗性を調査した。石油分解ガスの温度は750 〜800 ℃、
流速35〜40m/s である。比較例として、Alのみの溶射皮
膜 (300 μm)試験片と、無処理のSUS 304 鋼を同条件で
試験した。その結果、比較例のAl溶射皮膜は、大部分が
未燃炭素粒子の衝突を受けて消失し、基材の表面に曝露
環境温度で溶融したAlと基材との反応によって生成した
Fe−Al金属間化合物の生成が認めらた。また、SUS 304
基材も激しい損傷を受けるとともに、浸炭現象や硫化腐
食などの発生が観察された。これに対し、本発明に適合
する皮膜は、微細で硬いNi−Al金属間化合物の存在によ
ってAl溶射破損の50〜60% (厚みで) 残存し、基材には
浸炭や硫化腐食の発生は見られなかった。
Al含有皮膜を加熱処理することによって、NiとAlの冶金
反応に伴う断熱燃焼エネルギーを利用して発熱させ、多
量のNi−Al金属間化合物を析出させることができる。と
くに、その金属間化合物は微細で皮膜全体にわたって分
布するので、Alが保有する鉄鋼材料に対する防食作用に
加え、耐摩耗性を発揮する改質皮膜を形成することがで
きる。また、本発明の皮膜そのものを酸化物セラミッ
ク、炭化物サーメット溶射皮膜のアンダーコートとして
も利用することが可能であり、その工業的用途は従来の
Al溶射皮膜に比較してはるかに広く、かつ高性能とな
る。
を、700 ℃×30min 加熱処理した後の断面ミクロ組織を
示す電子顕微鏡写真である。
構造例である。
Claims (10)
- 【請求項1】 基材の表面に、Niまたはその合金からな
るアンダーコートと、Alまたはその合金からなるトップ
コートとを積層してなる複合皮膜を有し、かつその複合
皮膜中にはNi−Al金属間化合物が分散していることを特
徴とするAl含有皮膜被覆部材。 - 【請求項2】 アンダーコートとトップコートとからな
る上記複合溶射皮膜が2層以上積層されて多層化してい
ることを特徴とする請求項1記載の部材。 - 【請求項3】 基材の表面に、溶射法によって形成され
た、Niまたはその合金とAlまたはその合金との混合物溶
射皮膜を有し、かつその混合物溶射皮膜中にはNi−Al金
属間化合物が分散していることを特徴とするAl皮膜被覆
部材。 - 【請求項4】 上記Ni−Al金属間化合物が、Ni3Al, NiA
l, Ni2Al3, NiAl3,Ni2Al3から選ばれるいずれか1種以
上の化合物であることを特徴とする請求項1または3に
記載の部材。 - 【請求項5】 上記皮膜が、溶射法、CVD法、PVD
法、めっき法、拡散浸透法、メカニカルアロイング法の
うちから選ばれるいずれか1種の方法の適用によって形
成されたものであることを特徴とする請求項1〜3のい
ずれか1項に記載の部材。 - 【請求項6】 基材の表面に、Niまたはその合金からな
るアンダーコートを施工し、その上にAlまたはその合金
からなるトップコートを施工することにより複合皮膜を
形成した後、この複合皮膜をトップコート用金属の融点
以上の温度に加熱することによって、該複合皮膜中にNi
−Al金属間化合物を析出させることをと特徴とするAl含
有皮膜被覆部材の製造方法。 - 【請求項7】 アンダーコートとトップコートとからな
る上記複合皮膜を2層以上形成して多層化し得られた多
層複合皮膜を、トップコート金属の融点以上の温度に加
熱することによって、該多層複合皮膜中にNi−Al金属間
化合物を析出させることを特徴とする請求項6に記載の
製造方法。 - 【請求項8】 基材の表面に、Niまたはその合金とAlま
たはその合金との混合物を付着させてNi−Al混合物皮膜
を形成し、そのNi−Al混合物皮膜の少なくとも一部をAl
の融点以上の温度に加熱することによって、前記Ni−Al
混合物皮膜中にNi−Al金属間化合物を析出させることを
特徴とするAl含有皮膜被覆部材の製造方法。 - 【請求項9】 上記Ni−Al金属間化合物が、Ni3Al, NiA
l, Ni2Al3, NiAl3,Ni2Al3から選ばれるいずれか1種以
上の化合物であることを特徴とする請求項6〜8のいず
か1項に記載の製造方法。 - 【請求項10】 Al−Ni金属間化合物の分散析出を、皮
膜を電気炉、高周波誘導加熱、レーザ加熱、燃焼フレー
ムによる加熱、皮膜の摩擦接触による昇温から選ばれる
いずれかの方法によって、該溶射皮膜の一部または全部
を皮膜構成金属の融点以上の温度に加熱して、発熱反応
を伴うNiとAlの合金化反応を起させることにより行うこ
とを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の製
造方法。
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JP10052899A JP3379917B2 (ja) | 1999-04-07 | 1999-04-07 | Al含有皮膜被覆部材とその製造方法 |
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- 1999-04-07 JP JP10052899A patent/JP3379917B2/ja not_active Expired - Fee Related
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