JP3378617B2 - 自動透析液交換装置 - Google Patents

自動透析液交換装置

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JP3378617B2
JP3378617B2 JP17729493A JP17729493A JP3378617B2 JP 3378617 B2 JP3378617 B2 JP 3378617B2 JP 17729493 A JP17729493 A JP 17729493A JP 17729493 A JP17729493 A JP 17729493A JP 3378617 B2 JP3378617 B2 JP 3378617B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、腹膜透析に用いられる
自動透析液交換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、腹膜透析による治療法は、人工腎
臓による透析法に比し、装置、器具が小型で簡易であ
り、治療費も安いこと、腹膜癒着の防止が可能となった
こと、患者の負担が少ないこと等の理由から、注目され
ている。
【0003】この腹膜透析法のうち、特に連続的携帯式
腹膜透析法(continuous ambulatory peritoneal dialy
sis,以下、「CAPD」という)は、患者自身が自宅や
職場で透析液の容器(バッグ)の交換を行うことができ
るため、社会復帰がし易く、大いに注目されている。
【0004】このCAPDは、患者の腹腔内にカテーテ
ルチューブ(腹膜カテーテル)を留置し、このカテーテ
ルチューブの体外端にトランスファーチューブを接続
し、これに透析液の入った透析液バッグ(注液バッグ)
のバッグチューブを接続し、各チューブを通じてバッグ
内の透析液を腹腔内に注液し、所定時間透析を行った
後、腹腔内の透析液排液を前記各チューブを通じて、排
液バッグ内に回収するものである。なお、各チューブ同
士の接続は、両チューブの端部にそれぞれ装着された
雄、雌コネクタの嵌合により無菌的に行われる。
【0005】ところで、このCAPDにおいては、透析
液の腹膜内への注液は、透析液バッグを患者の腹部から
1m程度高い位置へ置き、その落差によって透析液を透
析液バッグから腹膜内へ移送している。また、腹膜内か
らの透析液排液の回収は、排液バッグを患者の腹部から
1m程度低い位置へ置き、その落差によって透析液を腹
膜内から排液バッグへ移送している。
【0006】しかしながら、このような透析液の注液、
排液方法では、例えば、患者が就寝中に腹膜透析を行う
場合、ベッドを用いて患者を床から70〜100cm程度
の高い位置に寝かせ、さらに、患者より1m程度高い位
置に透析液バッグをセットする必要があるため、装置全
体の高さが2m程度と大型なものとなり、取り扱いや運
搬がしにくいばかりか、就寝中の患者等により装置を転
倒させてしまうおそれがある。さらに、排液に必要な落
差を確保するため、患者の就寝位置(高さ)を自由に選
択することができないという欠点もある。
【0007】そこで、排液の回収に際しては、落差によ
る排液の移送を行わず、ローラポンプを用い、腹膜内の
透析液を吸引して排液の回収を行う方法が知られている
が、この方法では、排液量にかかわらずローラポンプが
一定の回転数で回転し、排液を強制的に吸引するため、
腹膜内の排液の残量が減少してきた場合、吸引過多とな
り、腹膜の内壁まで引き込んでしまう可能性があり、安
全上問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、患者
との位置関係に制約を受けず、小型な装置で、透析液の
交換を安全に行うことができる自動透析液交換装置を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0010】(1) 透析液が充填された少なくとも1
つの透析液容器と、患者の腹膜内に透析液を注入するた
めに該透析液を一時的に貯留し、かつ、患者の腹膜内か
ら透析液の排液を回収するために該排液を一時的に貯留
し得る少なくとも1つの容器と、前記容器の雰囲気を減
圧状態および加圧状態とする減圧・加圧手段と、前記容
器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収する少
なくとも1つの排液回収容器と、一端が前記透析液容器
内に連通し、他端が前記容器内に連通する第1流路と、
一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
テーテル内に連通する第2流路と、一端が前記排液回収
容器内に連通し、他端が前記容器内に連通する第3流路
と、前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の
途中をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段とを有し、前記
流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減圧・
加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従って
自動的にシーケンス制御することにより、前記透析液容
器および前記排液回収容器の双方に患者の就寝位置から
落差を確保する必要がないように前記透析液の注入流
量、注入量、前記排液の流量および排液量の制御を行う
自動透析液交換装置であって、前記容器から透析液を患
者の腹膜内に注入する際、所定時間経過しても前記容器
内の透析液の流出量が予め設定された流出量に到達しな
い場合、ブザー、音声または表示部への表示により警告
を発するよう構成されていることを特徴とする自動透析
液交換装置。
【0011】(2) 透析液が充填された少なくとも1
つの透析液容器と、患者の腹膜内に透析液を注入するた
めに該透析液を一時的に貯留し、かつ、患者の腹膜内か
ら透析液の排液を回収するために該排液を一時的に貯留
し得る少なくとも1つの容器と、前記容器の雰囲気を減
圧状態および加圧状態とする減圧・加圧手段と、前記容
器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収する少
なくとも1つの排液回収容器と、一端が前記透析液容器
内に連通し、他端が前記容器内に連通する第1流路と、
一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
テーテル内に連通する第2流路と、一端が前記排液回収
容器内に連通し、他端が前記容器内に連通する第3流路
と、前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の
途中をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段とを有し、前記
流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減圧・
加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従って
自動的にシーケンス制御することにより、前記透析液容
器および前記排液回収容器の双方に患者の就寝位置から
落差を確保する必要がないように前記透析液の注入流
量、注入量、前記排液の流量および排液量の制御を行う
自動透析液交換装置であって、透析液の排液を患者の腹
膜内から前記容器内に導入する際、所定時間経過しても
前記容器内の排液量が予め設定された排液量に到達しな
い場合、ブザー、音声または表示部への表示により警告
を発するよう構成されていることを特徴とする自動透析
液交換装置。
【0012】(3) 透析液が充填された少なくとも1
つの透析液容器と、患者の腹膜内に透析液を注入するた
めに該透析液を一時的に貯留し、かつ、患者の腹膜内か
ら透析液の排液を回収するために該排液を一時的に貯留
し得る少なくとも1つの可撓性を有する袋状の容器と、
前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
・加圧手段と、前記容器内に貯留された透析液の排液を
該容器から回収する少なくとも1つの排液回収容器と、
一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
連通する第1流路と、一端が前記容器内に連通し、他端
が患者に留置されたカテーテル内に連通する第2流路
と、一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容
器内に連通する第3流路と、前記第1流路、前記第2流
路および前記第3流路の途中をそれぞれ開閉し得る流路
開閉手段と、前記流路開閉手段による前記各流路の開閉
および前記減圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定さ
れた条件に従って自動的にシーケンス制御する制御手段
とを有し、前記制御手段により、前記容器の雰囲気を減
圧状態とし、前記透析液容器から透析液を前記容器内に
導入し、前記容器の雰囲気を加圧状態とし、前記容器か
ら透析液を患者の腹膜内に注入し、腹膜透析終了後、前
記容器の雰囲気を減圧状態とし、透析液の排液を患者の
腹膜内から前記容器内に導入し、前記容器の雰囲気を加
圧状態とし、前記容器から前記排液を前記排液回収容器
内に回収するように、前記減圧・加圧手段の作動を制御
し、この際、前記透析液容器および前記排液回収容器の
双方に患者の就寝位置から落差を確保する必要がないよ
うに前記透析液の注入流量、注入量、前記排液の流量お
よび排液量の制御を行う自動透析液交換装置であって、
前記容器から透析液を患者の腹膜内に注入する際、所定
時間経過しても前記容器内の透析液の流出量が予め設定
された流出量に到達しない場合、ブザー、音声または表
示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
とを特徴とする自動透析液交換装置。
【0013】(4) 透析液が充填された少なくとも1
つの透析液容器と、患者の腹膜内に透析液を注入するた
めに該透析液を一時的に貯留し、かつ、患者の腹膜内か
ら透析液の排液を回収するために該排液を一時的に貯留
し得る少なくとも1つの可撓性を有する袋状の容器と、
前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
・加圧手段と、前記容器内に貯留された透析液の排液を
該容器から回収する少なくとも1つの排液回収容器と、
一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
連通する第1流路と、一端が前記容器内に連通し、他端
が患者に留置されたカテーテル内に連通する第2流路
と、一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容
器内に連通する第3流路と、前記第1流路、前記第2流
路および前記第3流路の途中をそれぞれ開閉し得る流路
開閉手段と、前記流路開閉手段による前記各流路の開閉
および前記減圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定さ
れた条件に従って自動的にシーケンス制御する制御手段
とを有し、前記制御手段により、前記容器の雰囲気を減
圧状態とし、前記透析液容器から透析液を前記容器内に
導入し、前記容器の雰囲気を加圧状態とし、前記容器か
ら透析液を患者の腹膜内に注入し、腹膜透析終了後、前
記容器の雰囲気を減圧状態とし、透析液の排液を患者の
腹膜内から前記容器内に導入し、前記容器の雰囲気を加
圧状態とし、前記容器から前記排液を前記排液回収容器
内に回収するように、前記減圧・加圧手段の作動を制御
し、この際、前記透析液容器および前記排液回収容器の
双方に患者の就寝位置から落差を確保する必要がないよ
うに前記透析液の注入流量、注入量、前記排液の流量お
よび排液量の制御を行う自動透析液交換装置であって、
透析液の排液を患者の腹膜内から前記容器内に導入する
際、所定時間経過しても前記容器内の排液量が予め設定
された排液量に到達しない場合、ブザー、音声または表
示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
とを特徴とする自動透析液交換装置。
【0014】(5) 前記容器から透析液を患者の腹膜
内に注入する際、所定時間経過しても前記容器内の透析
液の流出量が予め設定された流出量に到達しない場合、
ブザー、音声または表示部への表示により警告を発する
よう構成されている上記(2)または(4)に記載の自
動透析液交換装置。
【0015】
【0016】(6) 前記減圧・加圧手段の前記容器を
収納する減圧・加圧室内に設けられ、前記容器内に貯留
された透析液を加温する加温手段を有する上記(1)な
いし(5)のいずれかに記載の自動透析液交換装置。
【0017】(7) 前記容器は、患者の腹膜内に透析
液を注入するために該透析液を一時的に貯留する第1の
容器と、患者の腹膜内から透析液の排液を回収するため
に該排液を一時的に貯留する第2の容器とで構成される
上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の自動透析液
交換装置。
【0018】(8) 前記第1の容器の雰囲気と、前記
第2の容器の雰囲気とを同一の減圧・加圧手段により減
圧状態および加圧状態とする上記(7)に記載の自動透
析液交換装置。
【0019】(9) 前記第1の容器の雰囲気と、前記
第2の容器の雰囲気とをそれぞれ異なる減圧・加圧手段
により減圧状態および加圧状態とする上記(7)に記載
の自動透析液交換装置。
【0020】(10) 前記容器は、患者の腹膜内に透
析液を注入するために該透析液を一時的に貯留する際
と、患者の腹膜内から透析液の排液を回収するために該
排液を一時的に貯留する際とで兼用されるものである上
記(1)ないし(6)のいずれかに記載の自動透析液交
換装置。
【0021】
【実施例】以下、本発明の自動透析液交換装置を添付図
面に示す好適実施例に基づき詳細に説明する。
【0022】図1は、本発明の自動透析液交換装置の構
成例を模式的に示す正面図、図2は、図1に示す血液処
理装置の回路構成図である。これらの図に示す自動透析
液交換装置1Aは、腹膜透析を行うに際し、患者の腹膜
内に透析液を注入し、その排液を回収する装置であり、
透析液が充填された複数の透析液バッグ(透析液容器)
2a、2b、2c、2d、2eと、透析液を一時的に貯
留する容器3と、透析液の排液(以下単に「排液」とい
う)を一時的に貯留する容器4と、両容器3、4の雰囲
気をそれぞれ減圧状態および加圧状態とする減圧・加圧
手段5および6と、排液を回収する複数の排液バッグ
(透析液回収容器)7a、7b、7cと、前記各バッグ
および容器を所定の配置で接続するチューブ8〜19、
コネクタ20、21および接続部材22〜26と、所定
のチューブ内に形成された流路を開閉し得る流路開閉手
段35〜39と、制御手段30と、操作部44とを有し
ている。
【0023】透析液バッグ2a、2b、2c、2d、2
eは、それぞれ、軟質ポリ塩化ビニルのような樹脂製の
シート材を袋状に成形してなるものであり、これらに
は、バッグ内に連通するバッグチューブ8がそれぞれ接
続されている。各透析液バッグ2a、2b、2c、2
d、2eは、バッグチューブ8が接続されている側を下
側にして、ハンガー29に吊り下げられている。
【0024】透析液バッグ2a、2b、2c、2d内に
は、それぞれ、同一の組成の透析液が充填されており、
透析液バッグ2e内には、透析液バッグ2a、2b、2
c、2d内の透析液とは異なる組成または濃度の透析液
(最終透析液)が充填されている。
【0025】各バッグチューブ8には、それぞれ、コネ
クタ8を介してチューブ9および10の一端が着脱自在
に接続され、各チューブ9の他端は、接続部材22を介
してチューブ11の一端と接続されている。チューブ1
0および11の他端は、接続部材23を介してチューブ
12および13の一端に接続されている。チューブ12
の他端は、容器3に接続されている。
【0026】排液バッグ7a、7b、7cは、それぞ
れ、軟質ポリ塩化ビニルのような樹脂製のシート材を袋
状に成形してなるものであり、これらには、バッグ内に
連通するバッグチューブ14がそれぞれ接続されてい
る。各排液バッグ7a、7b、7cは、バッグチューブ
14が接続されている側を同方向に揃えて重ねられてい
る。
【0027】各バッグチューブ14には、それぞれ、コ
ネクタ21を介してチューブ15の一端が着脱自在に接
続され、各チューブ15の他端は、接続部材24を介し
てチューブ16の一端と接続されている。チューブ16
の他端は、接続部材25を介してチューブ17および1
8の一端に接続されている。チューブ17の他端は、容
器4に接続されている。
【0028】チューブ13および18の他端は、接続部
材26を介してチューブ19の一端と接続されている。
チューブ19の他端は、コネクタ27を介してトランス
ファーチューブ28の一端と接続され、トランスファー
チューブ28の他端は、ジョイント(図示せず)を介し
て患者100の腹膜内に留置されたカテーテルチューブ
(図示せず)の一端と接続されている。
【0029】前記各接続部材22〜26は、例えば樹脂
成形により製造されたものであり、内部には、接続する
各チューブ内の流路と連通する分岐流路が形成されてい
る。
【0030】前記各コネクタ20、21、27は、その
着脱時にコネクタ内部の流路を無菌的に保持し得る構成
(例えば2重構造)となっている。
【0031】以上のような構成により、図2に示すよう
な透析液または排液が流れる各流路が形成される。すな
わち、各バッグチューブ8、各コネクタ20、チューブ
9、10、11、12および接続部材22、23によ
り、一端が透析液バッグ2a〜2e内に連通し、他端が
容器3内に連通する第1流路31が形成され、チューブ
13、19、接続部材23、26、コネクタ27および
トランスファーチューブ28により、一端が第1流路3
0を介して容器3内に連通し、他端が患者100の腹膜
内に留置されたカテーテルチューブ(図示せず)内に連
通する第2流路32が形成され、各バッグチューブ1
4、各コネクタ21、チューブ15、16、17および
接続部材24、25により、一端が排液バッグ7a〜7
c内に連通し、他端が容器4内に連通する第3流路33
が形成され、チューブ18および接続部材25、26に
より、一端が第3流路33に連通し、他端が第2流路3
2に連通する第4流路(第3流路33の延長流路)34
が形成される。
【0032】本実施例における容器3および4は、いず
れも可撓性(柔軟性)を有する袋状のものであり、例え
ば、軟質樹脂製のシート材の縁部を融着して袋状に成形
してなるものである。
【0033】容器3および4を構成するシート材として
は、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
のようなポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)の
ようなポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン系、ポ
リエステル系、ポリアミド系、オレフィン系、スチレン
系等の各種エラストマー、あるいはこれらのうちの2以
上を適宜組み合わせたもの等が挙げられる。
【0034】なお、容器3および4は、その全体が可撓
性を有するものに限らず、一部が可撓性を有し、変形し
て容積が変化するものであってもよい。
【0035】また、容器3および4の容量は、患者の症
例や、透析液バッグおよび排液バッグの数(容量)等の
諸条件により変動するため、特に限定されないが、通
常、容器3の容量として100〜10000ml程度のも
の、特に100〜3000ml程度のものが好適に使用さ
れ、容器4の容量として100〜20000ml程度のも
の、特に100〜3000ml程度のものが好適に使用さ
れる。
【0036】各チューブ8〜19は、可撓性(柔軟性)
を有するものであるのが好ましく、その構成材料として
は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、EVAのようなポリオレフィン、PET、PB
Tのようなポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド、
シリコーン、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエ
ラストマー、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体
等の熱可塑性エラストマー、あるいはこれらのうちの2
以上を適宜組み合わせたもの等が挙げられる。
【0037】図1に示すように、チューブ11、10、
13、16および18の途中には、それぞれ、チューブ
の内腔を閉塞・解放する流路開閉手段35、36、3
7、38および39が設けられている。すなわち、図2
に示すように、流路開閉手段35、36により第1流路
31の途中が開閉され、流路開閉手段37により第2流
路32の途中が開閉され、流路開閉手段38により第3
流路33の途中が開閉され、流路開閉手段39により第
4流路34の途中が開閉される。
【0038】図1に示す各流路開閉手段35〜39は、
例えば切電状態でチューブを圧閉するソレノイド・ピン
チバルブで構成されており、この各流路開閉手段35〜
39による流路の開閉は、後述する制御手段30により
制御される。
【0039】なお、流路開閉手段35〜39としては、
上記の他、例えば電磁バルブ、空気圧や油圧で作動する
バルブ、手動により開閉するバルブやコック、通常状態
はチューブを圧閉しており、手動で解除するクランプ
等、各流路を開閉し得るものであれば、いかなるものを
用いてもよい。
【0040】減圧・加圧手段5は、図1に示す回路の所
定の流路に透析液を流通せしめるためのものであり、容
器3を気密的に収納する減圧・加圧室51と、減圧・加
圧室51内の圧力を調整する送排気回路52と、減圧・
加圧室51の圧力を検知する圧力検知手段57とで構成
されている。
【0041】送排気回路52は、送排気管53の途中
に、真空ポンプ54と、2つの3ポートバルブ55a、
55bと、リークバルブ56とを有している。3ポート
バルブ55a、55bは、オンのとき通気状態、オフの
とき大気開放状態となる。よって、3ポートバルブ55
aをオンとし、3ポートバルブ55bをオフにして真空
ポンプ54を作動すれば、排気が行われて減圧・加圧室
51の内部は減圧状態(陰圧状態)となり、逆に、3ポ
ートバルブ55aをオフとし、3ポートバルブ55bを
オンにして真空ポンプ54を作動すれば、送気が行われ
て減圧・加圧室51の内部は加圧状態(陽圧状態)とな
る。
【0042】減圧・加圧室51の内部を減圧状態または
加圧状態とするときには、リークバルブ56は閉状態と
され、減圧状態または加圧状態から大気圧に復帰すると
きには、リークバルブ56は開状態とされる。
【0043】圧力検知手段57としては、例えば、拡散
型半導体圧力センサーのような圧力センサーが好適に使
用される。圧力検知手段57により得られた情報は、主
に、送排気回路52での送排気の制御に用いられる。例
えば、減圧・加圧室51内を減圧状態または加圧状態と
する場合、圧力検知手段57により得られた情報に基づ
いて、減圧・加圧室51の圧力を例えば一定に保持する
ようまたは予め設定された限度(減圧の際の下限値また
は加圧の際の上限値)を超えないよう制御することがで
きる。
【0044】一方、減圧・加圧手段6は、図1に示す回
路の所定の流路に排液を流通せしめるためのものであ
り、容器4を気密的に収納する減圧・加圧室61と、減
圧・加圧室61内の圧力を調整する送排気回路62と、
減圧・加圧室61の圧力を検知する圧力検知手段67と
で構成されている。
【0045】送排気回路62は、送排気管63の途中
に、真空ポンプ64と、2つの3ポートバルブ65a、
65bと、リークバルブ66とを有しており、前記送排
気回路52と同様に作動して、減圧・加圧室61の内部
を減圧状態または加圧状態とする。
【0046】圧力検知手段67としては、前記圧力検知
手段57と同様のものを用いることができ、この圧力検
知手段67により得られた情報に基づいて、減圧・加圧
室61の圧力を例えば一定に保持するようまたは予め設
定された限度(減圧の際の下限値または加圧の際の上限
値)を超えないよう制御することができる。
【0047】減圧・加圧室51内および減圧・加圧室6
1内には、それぞれ、容器3および4の重量(総重量)
を検出する重量検知手段40および41が設置されてい
る。これらの重量検知手段40、41としては、ロード
セルのような重量センサーが好適に使用される。なお、
重量検知手段40による容器3の重量測定および重量検
知手段41による容器4の重量測定は、それぞれ、連続
的(リアルタイム)に行っても、断続的に、すなわち一
定の周期で行ってもよい。前記減圧・加圧手段5、6の
ように、エアーの圧力を利用した方式の場合、落差圧と
同等の雰囲気を送排気回路52、62により作り出すた
め、患者100との位置(高さ)関係に大きく影響を受
ける。その補正手段として、前記重量検知手段40、4
1を用いた重量計測により注液または排液時の単位時間
での流出量にて制御を行っているが、患者が急に位置を
変えた場合、落差圧がそのまま患者に作用し、患者に一
時的に負担がかかることがある。このような場合、減圧
・加圧手段5または6とトランスファーチューブ28と
の間、すなわち、図2中の第2流路32の途中や第4流
路34の途中などに、患者100の腹腔内圧を検出する
腹腔内圧検出手段80を設置し、この腹腔内圧検出手段
80が設定値を超えた圧力を検出した場合には、即座に
減圧・加圧を停止し、少なくとも流路開閉手段37およ
び39を閉じるような構成とすることにより、上記問題
を解決することができる。また、減圧・加圧手段5、6
による減圧・加圧方式では、安全確保のために、予め設
定した限度までしか加減圧ができないため、装置の設置
場所にある程度の制約を受けることがあるが、前記腹腔
内圧検出手段80を設置することによって、腹腔内の圧
力がほぼ一定に保たれるような加減圧制御が可能とな
り、少なくとも患者100と自動透析液交換装置1Aと
の落差を1m程度としても、差し支えなく使用できる。
腹腔内圧検出手段80の構成例を図5および図6に示
す。これらの図に示す腹腔内圧検出手段80は、作動ト
ランスをセンサーとした方式を採用したものであり、以
下その構成について詳述する。第4の流路34を構成す
るチューブの途中には、内圧の変化により変形可能な軟
質塩化ビニル樹脂等で形成された軟質容器(ピロー)8
1が設置されており、この軟質容器81は、硬質のケー
シング(ガイド)82内に収納されている。ケーシング
82の下部には、支持部材88によりセンサー84が設
置、固定されている。このセンサー84は、コイル85
と、そのコア86と、コア86を付勢するバネ87とで
構成されており、コア86の先端部は、ケーシング82
の下面に形成された開口83よりケーシング82内に挿
入されている。軟質容器81の図6中上面は、ケーシン
グ82の上側の内面に接触し、軟質容器81の図6中下
面にコア86の先端が当接している。コイル85の出力
端子は、図示しない信号変換回路を介して制御手段30
に電機的に接続されている。例えば、患者100の腹腔
内の圧力が増大すると、それに伴って軟質容器81が膨
張し、軟質容器81の下面が下方へ変位し、腹腔内の圧
力が減少すると、それに伴って軟質容器81が収縮し、
軟質容器81の下面が上方へ変位する。この軟質容器8
1の下面の変位により、コア86が移動し、コイル85
に起電力が生じ、これをモニターすることにより腹腔内
圧が検出される。なお、腹腔内圧検出手段80に用いる
センサーは、図示のごとき作動トランスに限らず、例え
ば、光源として赤外光、レーザー光等を用いた測距用の
光学センサー、超音波センサーまたはホール素子を使用
したものであってもよく、これらを用いても同様の作
用、効果が得られる。図2では、腹腔内圧検出手段80
を第4の流路34の途中に設けているが、第2流路32
の途中やその他の位置に設けてもよい。また、このよう
な腹腔内圧検出手段80は、後述する自動透析液交換装
置1B、1Cに対しても同様に設置することができ、同
様の作用、効果が得られる。
【0048】減圧・加圧室51内には、容器3内に貯留
された透析液を加温する加温手段42が設置されてい
る。この加温手段42としては、発熱体、特に板状の発
熱体(例えば、パネルヒーター)が好適に使用される。
図示の例では、減圧・加圧室51の床面上にパネルヒー
ターを設置し、その上に容器3を載置する構成となって
いる。このような加温手段42の作動は、後述する制御
手段30により制御される。
【0049】また、容器3には、容器3内の透析液の温
度を検出する温度センサー43が設置されている。図示
の例では、温度センサー43が容器3の外表面に接触す
るように設置されている。この温度センサー43として
は、例えば、サーミスタ、熱電対、バイメタル、PT
C、NTC等、いかなる方式のものを用いてもよい。ま
た、温度センサー43は、容器3内に設置されていても
よい。
【0050】加温手段42により容器3内の透析液を加
温する際には、制御手段30により、温度センサー43
にて検出された温度情報に基づいて、透析液の温度が設
定温度付近に維持されるような温度制御を行う。例え
ば、加温手段42を作動して容器3内の透析液を加温し
つつ、温度センサー43にて検出された透析液の温度が
設定温度範囲の上限値に到達したら、加温手段42の作
動を停止し、所定時間経過後または透析液の温度が設定
温度範囲の下限値に到達したら、加温手段42を作動す
るような制御を行う。なお、透析液の設定温度範囲とし
ては、体温程度または流路内での温度低下を考慮して体
温より若干高めの温度とされ、例えば、35〜42℃程
度とされる。
【0051】このような透析液の温度管理を行うことに
より、患者100の腹膜内に適温の透析液を注入するこ
とができ、体温との温度差による不快感やその他の悪影
響も生じない。
【0052】制御手段30は、例えばマイクロコンピュ
ータ(CPU)で構成されており、流路開閉手段35〜
39、重量検知手段40、41、加温手段42、温度セ
ンサー43、真空ポンプ54、64、3ポートバルブ5
5a、55b、65a、65b、リークバルブ56、6
6、圧力検知手段57、67および腹腔内圧検出手段8
0と、それぞれ、電気的に接続されている。
【0053】この制御手段30は、重量検知手段40、
41、圧力検知手段57、67、腹腔内圧検出手段80
からの情報等に基づいて、各流路開閉手段35〜39の
作動(切り替え動作)と、減圧・加圧手段5、6の真空
ポンプ54、64、3ポートバルブ55a、55b、6
5a、65bおよびリークバルブ56、66の作動とを
それぞれ制御し、回路の各流路内の液流通状態を所望に
設定するとともに、温度センサー43からの情報に基づ
いて、加温手段42の作動を制御し、容器3内の透析液
の温度を設定温度付近に維持する。
【0054】操作部44は、透析液の交換を行う際のモ
ードの選択や諸条件を設定するための操作を行うもので
ある。制御手段30は、操作部44において設定された
条件に従い、後述する各工程を自動的に行うためのシー
ケンス制御を行う。なお、この操作部44には、後述す
る警告ランプ、ブザー、表示部が設置されていてもよ
い。
【0055】次に、自動透析液交換装置1Aを用いて腹
膜透析を行う際の透析液の注入および排液の回収動作の
一例について、制御手段30による制御手順を中心に説
明する。なお、実行する工程のパターン、透析液の1回
の注入量(目標注入量)、1回の排液量(目標排液
量)、各工程における透析液および排液の流量、加温手
段42における設定温度等は、操作部44に設置された
スイッチ、ダイアル、キー等の操作により予め設定して
おくことができる。
【0056】[1]透析液の容器への移送 各流路開閉手段35〜39は、予め下記表1に示す流路
開閉パターン0(基本パターン)とされているが、これ
を下記表1に示す流路開閉パターン1に設定する。
【0057】
【表1】
【0058】次に、減圧・加圧手段5において、リーク
バルブ56を閉状態、3ポートバルブ55aおよび55
bをそれぞれオンおよびオフの状態とし、真空ポンプ5
4を作動することにより、容器3が収納されている減圧
・加圧室51の内部を減圧状態にする。これにより、容
器3内の圧力が低下し、各透析液バッグ2a、2b、2
c、2d内の透析液が、第1流路31を通って容器3内
に導入される。
【0059】容器3への透析液の導入に際しては、例え
ば以下のようにして透析液の流量を制御することができ
る。重量検知手段40により容器3の総重量を単位時間
毎に検出し、その増加率から単位時間当たりの容器3へ
の透析液流入量を求め、この流入量が予め設定された設
定流入量と等しくなるように減圧・加圧室51内の圧力
を調整する。この場合、圧力検知手段57の検出値に基
づいて、減圧・加圧室51内の圧力が、予め設定された
下限値を超えないよう制御することもできる。また、透
析液の容器3への流入が定常状態に達したときは、前述
したように、圧力検知手段57の検出値に基づいて、減
圧・加圧室51内の圧力を一定に保持するよう調整する
こともできる。このような圧力調整は、例えばリークバ
ルブ56の開閉により行う。
【0060】重量検知手段40により検出された容器3
の総重量が、予め設定された透析液の1回の注入量(目
標注入量)が導入されたときの重量(設定重量)に到達
したか否かを判断し、これに到達したら、各流路開閉手
段35〜39を再び表1に示す流路開閉パターン0に設
定し、真空ポンプ54を停止し、リークバルブ56を開
状態とする。これにより、減圧・加圧室51内は、大気
圧に復帰する。
【0061】なお、患者の就寝中における腹膜透析で
は、透析液の目標注入量は、例えば、4個(1個〜4個
の間で任意に設定)の透析液バッグ2a、2b、2c、
2d内の透析液総量の1/10〜1/1倍程度である。
【0062】[2]透析液の加温 加温手段42を作動して、容器3内の透析液を適温に加
温する。このとき、前述したように、温度センサー43
にて検出された温度情報に基づいて、容器3内の透析液
の温度が前記設定温度付近に維持されるように、加温手
段42のオン・オフの制御または出力(発熱量)の制御
を行う。
【0063】[3]透析液の患者への注入 予め表1に示す流路開閉パターン0となっている各流路
開閉手段35〜39を、表1に示す流路開閉パターン2
に設定する。
【0064】次に、減圧・加圧手段5において、リーク
バルブ56を閉状態、3ポートバルブ55aおよび55
bをそれぞれオフおよびオンの状態とし、真空ポンプ5
4を作動することにより、容器3が収納されている減圧
・加圧室51の内部を加圧状態にする。これにより、容
器3内の圧力が上昇し、容器3内の加温された透析液
が、第2流路32および留置カテーテルを通って患者1
00の腹膜内に注入される。
【0065】患者100への透析液の注入に際しては、
例えば以下のようにして透析液の流量を制御することが
できる。重量検知手段40により容器3の総重量を単位
時間毎に検出し、その減少率から単位時間当たりの容器
3からの透析液流出量(=透析液注入量)を求め、この
流出量が予め設定された設定流出量と等しくなるように
減圧・加圧室51内の圧力を調整する。この場合、圧力
検知手段57の検出値に基づいて、減圧・加圧室51内
の圧力が、予め設定された上限値を超えないよう制御す
ることもできる。また、透析液の容器3からの流出が定
常状態に達したときは、前述したように、圧力検知手段
57の検出値に基づいて、減圧・加圧室51内の圧力を
一定に保持するよう調整することもできる。このような
圧力調整は、例えばリークバルブ56の開閉により行
う。
【0066】重量検知手段40により検出された容器3
の総重量が、予め設定された透析液残量(例えば、容器
3内の透析液残量が0)に相当する重量に到達したか否
かを判断し、これに到達したら、各流路開閉手段35〜
39を再び表1に示す流路開閉パターン0に設定し、真
空ポンプ54を停止し、リークバルブ56を開状態とす
る。これにより、減圧・加圧室51内は、大気圧に復帰
する。
【0067】なお、容器3の重量検出の結果、容器3か
らの透析液流出量が急激に減少した場合、または所定時
間経過しても容器3内の透析液が予め設定された透析液
残量に到達しない場合には、例えばチューブ19やトラ
ンスファーチューブ28の閉塞等の異常事態が発生した
ものと判断し、各流路開閉手段35〜39を表1に示す
流路開閉パターン0に設定するとともに減圧・加圧室5
1内を大気圧状態に復帰させる。さらに、この異常事態
を知らせるために、警告を発する。警告の方法として
は、例えば、警告ランプの点灯、ブザーや音声を発する
もの、表示部(例えば、液晶ディスプレー、CRT)ヘ
の表示が挙げられ、これらは、自動透析液交換装置1A
自体で行われてもあるいは病院等におけるナースステー
ションへの通信により行われてもよい。
【0068】[4]透析の実施 患者100の腹膜内への透析液の注入を完了し、各流路
開閉手段35〜39を表1に示す流路開閉パターン0と
した状態で、所定時間(例えば30〜600分程度)経
過する。これにより腹膜透析が行われる。
【0069】[5]透析液排液の容器への排出 透析が終了したら、表1に示す流路開閉パターン0とな
っている各流路開閉手段35〜39を、表1に示す流路
開閉パターン3に設定する。
【0070】次に、減圧・加圧手段6において、リーク
バルブ66を閉状態、3ポートバルブ65aおよび65
bをそれぞれオンおよびオフの状態とし、真空ポンプ6
4を作動することにより、容器4が収納されている減圧
・加圧室61の内部を減圧状態にする。これにより、容
器4内の圧力が低下し、患者100の腹膜内の透析済の
排液が、留置カテーテル、第2流路32、第4流路34
および第3流路33を通って容器4内に導入される。
【0071】容器4への排液の導入に際しては、例えば
以下のようにして排液の流量を制御することができる。
重量検知手段41により容器4の総重量を単位時間毎に
検出し、その増加率から単位時間当たりの容器4への排
液流入量を求め、この流入量が予め設定された設定流入
量と等しくなるように減圧・加圧室61内の圧力を調整
する。この場合、圧力検知手段67の検出値に基づい
て、減圧・加圧室61内の圧力が、予め設定された下限
値を超えないよう制御することもできる。また、排液の
容器4への流入が定常状態に達したときは、前述したよ
うに、圧力検知手段67の検出値に基づいて、減圧・加
圧室61内の圧力を一定に保持するよう調整することも
できる。このような圧力調整は、例えばリークバルブ6
6の開閉により行う。
【0072】なお、減圧・加圧室61内の設定圧力(保
持圧力)またはその下限値は、通常、大気圧よりヘッド
差が0.7〜1.3mH2O程度に相当する圧力分低い圧
力(0.07〜0.13kgf/cm2 程度)とするのが好ま
しい。これにより、吸引過多による腹膜の内壁の引き込
み等を生じることなく、円滑かつ安全に腹膜内からの排
液を行うことができる。
【0073】重量検知手段41により検出された容器4
の総重量が、予め設定された1回の排液量(目標排液
量)が導入されたときの重量(設定重量)に到達したか
否かを判断し、これに到達したら、各流路開閉手段35
〜39を再び表1に示す流路開閉パターン0に設定し、
真空ポンプ64を停止し、リークバルブ66を開状態と
する。これにより、減圧・加圧室61内は、大気圧に復
帰する。
【0074】患者の就寝中における腹膜透析では、透析
液排液の目標排液量は、前記目標注入量に除水量を加え
た量とされ、例えば、3個(または4個)の排液バッグ
7a、7b、7cの合計容量の1/20〜1/1倍程度
である(排液バッグは、許容量を持たせて設定してあ
る)。
【0075】なお、容器4の重量検出の結果、容器4へ
の排液流入量が急激に減少した場合、または所定時間経
過しても容器4内の排液が予め設定された目標排液量に
到達しない場合には、例えばチューブ19やトランスフ
ァーチューブ28の閉塞等の異常事態が発生したものと
判断し、各流路開閉手段35〜39を表1に示す流路開
閉パターン0に設定するとともに、減圧・加圧室61内
を大気圧状態に復帰させる。さらに、この異常事態を知
らせるために、前述したような警告を発する。また、腹
腔内圧検出手段80による圧力検出の結果、それが予め
設定された設定値を超えた場合には、各流路開閉手段3
5〜39を表1に示す流路開閉パターン0に設定しかつ
減圧・加圧室61内を大気圧状態に復帰させるか、また
は腹腔内圧を設定範囲内に維持するように減圧・加圧室
61内の圧力を調整するような制御を行う。これらの場
合、前述したような警告を伴うこともできる。
【0076】[6]排液の排液バッグへの回収 予め表1に示す流路開閉パターン0となっている各流路
開閉手段35〜39を、表1に示す流路開閉パターン4
に設定する。
【0077】次に、減圧・加圧手段6において、リーク
バルブ66を閉状態、3ポートバルブ56aおよび56
bをそれぞれオフおよびオンの状態とし、真空ポンプ6
4を作動することにより、容器4が収納されている減圧
・加圧室61の内部を加圧状態にする。これにより、容
器4内の圧力が上昇し、容器4内の排液が、第3流路3
3を通って排液バッグ7a、7b、7c内に導入され、
回収される。
【0078】排液バッグ7a、7b、7cへの排液の回
収に際しては、例えば以下のようにして排液の流量を制
御することができる。重量検知手段41により容器4の
総重量を単位時間毎に検出し、その減少率から単位時間
当たりの容器4からの排液流出量を求め、この流出量が
予め設定された設定流出量と等しくなるように減圧・加
圧室61内の圧力を調整する。この場合、圧力検知手段
67の検出値に基づいて、減圧・加圧室61内の圧力
が、予め設定された上限値を超えないよう制御すること
もできる。また、排液の容器4からの流出が定常状態に
達したときは、前述したように、圧力検知手段67の検
出値に基づいて、減圧・加圧室61内の圧力を一定に保
持するよう調整することもできる。このような圧力調整
は、例えばリークバルブ66の開閉により行う。
【0079】重量検知手段41により検出された容器4
の総重量が、予め設定された排液残量(例えば、容器4
内の排液残量が0)に相当する重量に到達したか否かを
判断し、これに到達したら、各流路開閉手段35〜39
を再び表1に示す流路開閉パターン0に設定し、真空ポ
ンプ64を停止し、リークバルブ66を開状態とする。
これにより、減圧・加圧室61内は、大気圧に復帰す
る。
【0080】なお、この工程[6]は、上記工程[1]
〜[5]を複数回行った後、実施してもよい。
【0081】以上のような工程[1]〜[6](または
[1]〜[5])を1サイクルとし、これを1サイクル
または2サイクル以上を繰り返し行う。このサイクル数
は、腹膜透析を受ける患者100の症例により適宜決定
される。この場合、制御手段30に内蔵されたメモリー
に予め記憶されているサイクル数を実行しても、重量検
知手段41により検出された重量変化から求められる積
算排液量(排液バッグ7a〜7cに回収された排液の
量)が所定値に達するまで前記サイクルを繰り返し行う
ような構成であってもよい。
【0082】なお、自動透析液交換装置1Aでは、容器
3内の減圧・加圧を行う減圧・加圧手段5と、容器4内
の減圧・加圧を行う減圧・加圧手段6とがそれぞれ独立
して設けられているため、工程[1]〜[6](または
[1]〜[5])を2サイクル以上行う場合、工程
[5]以後を行っている間に、次のサイクルにおける工
程[1]および[2]を行うことができ、また、工程
[6]を行っている間に、次のサイクルにおける工程
[1]〜[3]を行うことができる。これにより、患者
100の腹膜内からの排液の回収後、次回の透析液の注
入までの時間を短くすることができる。
【0083】上記工程[1]〜[6](または[1]〜
[5])を少なくとも1サイクル行った後、必要に応
じ、以下に述べるような透析液バッグ2e内に貯留され
た最終透析液の注入または、最終透析液の注入およびそ
の排液の回収が行われる。
【0084】[7]最終透析液の容器への移送 表1に示す流路開閉パターン0となっている各流路開閉
手段35〜39を、表1に示す流路開閉パターン5に設
定する。
【0085】次に、減圧・加圧手段5において、リーク
バルブ56を閉状態、3ポートバルブ55aおよび55
bをそれぞれオンおよびオフの状態とし、真空ポンプ5
4を作動することにより、容器3が収納されている減圧
・加圧室51の内部を減圧状態にする。これにより、容
器3内の圧力が低下し、透析液バッグ2e内の最終透析
液が、第1流路31を通って容器3内に導入される。
【0086】容器3への最終透析液の導入に際しては、
前記工程[1]と同様にして透析液の流量を制御するこ
とができる。また、患者の就寝中における腹膜透析で
は、最終透析液の目標注入量は、例えば、透析液バッグ
2e内の透析液量の1/5〜1/1倍程度である。
【0087】[8]最終透析液の加温 上記工程[2]と同様にして、容器3内の最終透析液を
適温に加温する。
【0088】[9]最終透析液の患者への注入 上記工程[3]と同様にして、容器3内の加温された最
終透析液を患者100の腹膜内に注入する。
【0089】なお、最後のサイクルの工程[5]および
[6]を行っている間に、工程[7]および[8]を行
うことができ、また、最後のサイクルの工程[6]を行
っている間に、工程[7]〜[9]を行うことができ
る。これにより、患者100の腹膜内からの排液の回収
後、最終透析液の注入までの時間を短くすることができ
る。
【0090】[10]最終透析の実施 上記工程[4]と同様にして、最終透析液による透析を
行う。
【0091】[11]最終透析液排液の容器への排出 上記工程[5]と同様にして、患者100の腹膜内にあ
る透析済の排液を容器4内に導入する。
【0092】[12]排液の排液容器への回収 上記工程[6]と同様にして、容器4内の排液を排液バ
ッグ7a、7b、7cに回収する。
【0093】なお、症例によっては、上記工程[11]
および[12]を行わず、患者100の腹膜内に最終透
析液を注入したままの状態としておくこともある。
【0094】以上のような自動透析液交換装置1Aによ
れば、患者100への透析液の注液および排液の回収の
際の液移送を、それぞれ、容器3の雰囲気の加圧および
容器4の雰囲気の減圧により行うため、液流通を得るた
めの落差を確保する必要がなく、患者の就寝位置(高
さ)を自由に選択することができる。特に、排液の回収
に際しては、容器4の雰囲気を、大気圧とのヘッド差が
従来の患者と排液バッグとの落差と同程度となるように
減圧することにより、腹膜の内壁の引き込みを生じるこ
となく排液が緩徐に吸引、排出される。
【0095】また、透析液バッグおよび排液バッグの双
方に患者の就寝位置からの落差を確保する必要がないた
め、装置の小型化が図れ、就寝中に誤って装置を転倒さ
せるという事故も防止できる。
【0096】また、腹膜透析の開始から終了まで(例え
ば、工程[1]〜[6]または工程[1]〜[12])
を自動的に行うことができるので、就寝中に患者が起き
て流路の切り替えを行うといった手間がかからない。
【0097】図3は、本発明の自動透析液交換装置の他
の構成例を示す回路構成図である。以下、同図に示す自
動透析液交換装置1Bの構成を、前記自動透析液交換装
置1Aとの相違点について説明し、同様の事項について
はその説明を省略する。
【0098】自動透析液交換装置1Bは、透析液を一時
的に貯留する容器3と、排液を一時的に貯留する容器4
とを、同一の減圧・加圧手段5により減圧・加圧するも
のである。すなわち、自動透析液交換装置1Bにおける
減圧・加圧手段5は、減圧・加圧室58と、前記と同様
の送排気回路52と、前記と同様の圧力検知手段57と
で構成されており、減圧・加圧室58内には、容器3と
容器4とが気密的に収納されている。
【0099】この減圧・加圧室58内には、容器3およ
び4の重量(総重量)をそれぞれ検出する前記と同様の
重量検知手段40および41が設置されている。また、
減圧・加圧室58内の容器3付近には、前記と同様の加
温手段42および温度センサー43が設置され、透析液
を所望に温度管理するよう構成されている。
【0100】容器4内と各排液バッグ7a〜7c内と
は、第3流路33によって接続され、またこの第3流路
33は、第2流路32とも連通している。第3流路33
の第2流路32との連通部と各排液バッグ7a〜7cと
の間には、前記と同様の流路開閉手段38が設置され、
第3流路33の第2流路32との連通部と容器4との間
には、前記と同様の流路開閉手段39が設置されてい
る。
【0101】このような構成の自動透析液交換装置1B
では、前述した自動透析液交換装置1Aと同様の効果が
得られるとともに、両容器3、4に対し、減圧・加圧手
段が兼用であるため、装置の構成が簡素化され、より小
型化が図れる。
【0102】このような自動透析液交換装置1Bを用い
て腹膜透析を行う際の透析液の注入および排液の回収動
作は、上記工程[5]の透析液排液の容器への排出およ
び上記工程[6]の排液の排液バッグへの回収を、減圧
・加圧手段5の減圧・加圧室58内の減圧および加圧に
より行う以外は、前記工程[1]〜[12]と同様であ
る。
【0103】この場合、工程[1]、[2]、[3]、
[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、
[10]、[11]および[12]における各流路開閉
手段35〜39の開閉パターンは、それぞれ、下記表2
中の流路開閉パターン1、0、2、0、3、4、5、
0、2、0、3および4となる。
【0104】
【表2】
【0105】なお、自動透析液交換装置1Bでは、工程
[1]〜[6](または[1]〜[5])を2サイクル
以上行う場合、工程[5]を行っている間に、次のサイ
クルにおける工程[1]および[2]を行うことがで
き、また、工程[6]を行っている間に、次のサイクル
における工程[2]を行うことができる。これにより、
患者100の腹膜内からの排液の回収後、次回の透析液
の注入までの時間を短くすることができる。
【0106】また、最後のサイクルの工程[5]を行っ
ている間に、工程[7]および[8]を行うことがで
き、また、最後のサイクルの工程[6]を行っている間
に、工程[8]を行うことができる。これにより、患者
100の腹膜内からの排液の回収後、最終透析液の注入
までの時間を短くすることができる。
【0107】図4は、本発明の自動透析液交換装置の他
の構成例を示す回路構成図である。以下、同図に示す自
動透析液交換装置1Cの構成を、前記自動透析液交換装
置1Aとの相違点について説明し、同様の事項について
はその説明を省略する。
【0108】自動透析液交換装置1Cは、透析液を一時
的に貯留する容器および排液を一時的に貯留する容器
を、1つの容器3で兼用するものである。この自動透析
液交換装置1Cは、前記と同様の1つの減圧・加圧手段
5を有し、その減圧・加圧室51内に、容器3が気密的
に収納されている。
【0109】減圧・加圧室51内の容器3付近に設置さ
れた加温手段42および温度センサー43は、容器3内
に透析液が導入されたときのみ作動し、その温度管理を
行うよう構成されている。
【0110】容器3内と各排液バッグ7a〜7c内と
は、第1流路31および第3流路33によって接続され
ている。第2流路32の途中および第3流路33の途中
には、それぞれ、前記と同様の流路開閉手段37および
38が設置されている。
【0111】このような構成の自動透析液交換装置1C
では、前述した自動透析液交換装置1Aと同様の効果が
得られるとともに、容器および減圧・加圧手段が兼用で
あるため、装置の構成がさらに簡素化され、より小型化
が図れる。
【0112】このような自動透析液交換装置1Cを用い
て腹膜透析を行う際の透析液の注入および排液の回収動
作は、上記工程[5]の透析液排液の容器への排出およ
び上記工程[6]の排液の排液バッグへの回収を、減圧
・加圧手段5の減圧・加圧室51内の減圧および加圧に
より行う以外は、前記工程[1]〜[12]と同様であ
る。
【0113】この場合、工程[1]、[2]、[3]、
[4]、[5]、[6]、[7]、[8]、[9]、
[10]、[11]および[12]における各流路開閉
手段35〜39の開閉パターンは、それぞれ、下記表3
中の流路開閉パターン1、0、2、0、2、3、4、
0、2、0、2および3となる。
【0114】
【表3】
【0115】以上、本発明の自動透析液交換装置を、各
図に示す構成例について説明したが、本発明はこれらに
限定されるものではない。例えば、送排気回路を共有す
る2つの減圧・加圧室を有し、両減圧・加圧室にそれぞ
れ容器3および4を収納した構成とすることもできる。
【0116】また、上記各構成例と異なり、透析液バッ
グ2a〜2eから容器3への透析液の導入は、透析液バ
ッグ2a〜2eを高所へ位置させ、その落差により行っ
てもよい。
【0117】また、容器3、4内の液量を検出する手段
としては、前記重量検知手段40、41に代わり、容器
3、4内ヘ流入するまたは容器3、4から流出する液体
の流量(流速)または積算流量を検出する手段を用いて
もよい。このような手段としては、例えば、流量を光学
的、電気的または磁気的に検出する流量センサーや、羽
根車を有する流量計が挙げられる。
【0118】また、透析液を加温する加温手段や温度セ
ンサーは、それぞれ、図示の位置以外の位置、例えば、
透析液バッグ2a〜2eやチューブの途中に設けられて
いてもよい。
【0119】また、本発明では、重量検知手段のような
容器3、4内の液量を検出する手段、加温手段、温度セ
ンサーは、必要に応じ省略されていてもよい。
【0120】また、透析液容器や排液回収容器の形態と
しては、前述したような透析液バッグや排液バッグに限
らず、例えばボトルのような他の形状の容器であっても
よい。そして、透析液容器や排液回収容器の設置数や容
量も特に限定されない。
【0121】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の自動透析液
交換装置によれば、透析液の交換の際の液移送を、容器
の雰囲気の減圧・加圧により行うため、液流通を得るた
めの落差を確保する必要がなく、患者の横臥位置(高
さ)や装置の設置位置を自由に選択することができる。
【0122】特に、排液の回収に際しては、容器の雰囲
気の減圧状態を所望に調整することにより、腹膜の内壁
の引き込みを生じることが防止され、安全性が極めて高
い。また、装置の構成が簡単であり、装置の小型化が図
れる。特に、従来のように、装置の高さが高いために誤
って装置を転倒させるという事故も防止できる。
【0123】また、腹膜透析の開始から終了までを自動
的に行うことができるので、就寝中に患者が起きて流路
の切り替えを行うといった手間がかからず、患者の負担
が軽減される。特に、加温手段や液量検出手段を設けた
場合には、より適正な条件での腹膜透析を容易に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動透析液交換装置の構成例を模式的
に示す正面図である。
【図2】図1に示す自動透析液交換装置の回路構成図で
ある。
【図3】本発明の自動透析液交換装置の他の構成例を示
す回路構成図である。
【図4】本発明の自動透析液交換装置の他の構成例を示
す回路構成図である。
【図5】腹腔内圧検出手段の構成例を示す部分断面平面
図である。
【図6】腹腔内圧検出手段の構成例を示す部分断面側面
図である。
【符号の説明】
1A、1B、1C 自動透析液交換装置 2a、2b、2c、2d、2e 透析液バッグ 3、4 容器 5 減圧・加圧手段 51 減圧・加圧室 52 送排気回路 53 送排気管 54 真空ポンプ 55a、55b 3ポートバルブ 56 リークバルブ 57 圧力検知手段 58 減圧・加圧室 6 減圧・加圧手段 61 減圧・加圧室 62 送排気回路 63 送排気管 64 真空ポンプ 65a、65b 3ポートバルブ 66 リークバルブ 67 圧力検知手段 7a、7b、7c 排液バッグ 8 バッグチューブ 9〜13 チューブ 14 バッグチューブ 15〜19 チューブ 20、21 コネクタ 22〜26 接続部材 27 コネクタ 28 トランスファーチューブ 29 ハンガー 30 制御手段 31 第1流路 32 第2流路 33 第3流路 34 第4流路 35〜39 流路開閉手段 40、41 重量検知手段 42 加温手段 43 温度センサー 44 操作部 80 腹腔内圧検出手段 81 軟質容器 82 ケーシング 83 開口 84 センサー 85 コイル 86 コア 87 バネ 88 支持部材 100 患者
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61M 1/02 - 1/36

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透析液が充填された少なくとも1つの透
    析液容器と、 患者の腹膜内に透析液を注入するために該透析液を一時
    的に貯留し、かつ、患者の腹膜内から透析液の排液を回
    収するために該排液を一時的に貯留し得る少なくとも1
    つの容器と、 前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
    ・加圧手段と、 前記容器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収
    する少なくとも1つの排液回収容器と、 一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
    連通する第1流路と、 一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
    テーテル内に連通する第2流路と、 一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容器内
    に連通する第3流路と、 前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の途中
    をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段とを有し、 前記流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減
    圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従
    って自動的にシーケンス制御することにより、前記透析
    液容器および前記排液回収容器の双方に患者の就寝位置
    から落差を確保する必要がないように前記透析液の注入
    流量、注入量、前記排液の流量および排液量の制御を行
    う自動透析液交換装置であって、 前記容器から透析液を患者の腹膜内に注入する際、所定
    時間経過しても前記容器内の透析液の流出量が予め設定
    された流出量に到達しない場合、ブザー、音声または表
    示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
    とを特徴とする自動透析液交換装置。
  2. 【請求項2】 透析液が充填された少なくとも1つの透
    析液容器と、 患者の腹膜内に透析液を注入するために該透析液を一時
    的に貯留し、かつ、患者の腹膜内から透析液の排液を回
    収するために該排液を一時的に貯留し得る少なくとも1
    つの容器と、 前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
    ・加圧手段と、 前記容器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収
    する少なくとも1つの排液回収容器と、 一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
    連通する第1流路と、 一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
    テーテル内に連通する第2流路と、 一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容器内
    に連通する第3流路と、 前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の途中
    をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段とを有し、 前記流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減
    圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従
    って自動的にシーケンス制御することにより、前記透析
    液容器および前記排液回収容器の双方に患者の就寝位置
    から落差を確保する必要がないように前記透析液の注入
    流量、注入量、前記排液の流量および排液量の制御を行
    う自動透析液交換装置であって、 透析液の排液を患者の腹膜内から前記容器内に導入する
    際、所定時間経過しても前記容器内の排液量が予め設定
    された排液量に到達しない場合、ブザー、音声または表
    示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
    とを特徴とする自動透析液交換装置。
  3. 【請求項3】 透析液が充填された少なくとも1つの透
    析液容器と、 患者の腹膜内に透析液を注入するために該透析液を一時
    的に貯留し、かつ、患者の腹膜内から透析液の排液を回
    収するために該排液を一時的に貯留し得る少なくとも1
    つの可撓性を有する袋状の容器と、 前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
    ・加圧手段と、 前記容器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収
    する少なくとも1つの排液回収容器と、 一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
    連通する第1流路と、 一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
    テーテル内に連通する第2流路と、 一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容器内
    に連通する第3流路と、 前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の途中
    をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段と、 前記流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減
    圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従
    って自動的にシーケンス制御する制御手段とを有し、 前記制御手段により、前記容器の雰囲気を減圧状態と
    し、前記透析液容器から透析液を前記容器内に導入し、
    前記容器の雰囲気を加圧状態とし、前記容器から透析液
    を患者の腹膜内に注入し、腹膜透析終了後、前記容器の
    雰囲気を減圧状態とし、透析液の排液を患者の腹膜内か
    ら前記容器内に導入し、前記容器の雰囲気を加圧状態と
    し、前記容器から前記排液を前記排液回収容器内に回収
    するように、前記減圧・加圧手段の作動を制御し、この
    際、前記透析液容器および前記排液回収容器の双方に患
    者の就寝位置から落差を確保する必要がないように前記
    透析液の注入流量、注入量、前記排液の流量および排液
    量の制御を行う自動透析液交換装置であって、 前記容器から透析液を患者の腹膜内に注入する際、所定
    時間経過しても前記容器内の透析液の流出量が予め設定
    された流出量に到達しない場合、ブザー、音声または表
    示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
    とを特徴とする自動透析液交換装置。
  4. 【請求項4】 透析液が充填された少なくとも1つの透
    析液容器と、 患者の腹膜内に透析液を注入するために該透析液を一時
    的に貯留し、かつ、患者の腹膜内から透析液の排液を回
    収するために該排液を一時的に貯留し得る少なくとも1
    つの可撓性を有する袋状の容器と、 前記容器の雰囲気を減圧状態および加圧状態とする減圧
    ・加圧手段と、 前記容器内に貯留された透析液の排液を該容器から回収
    する少なくとも1つの排液回収容器と、 一端が前記透析液容器内に連通し、他端が前記容器内に
    連通する第1流路と、 一端が前記容器内に連通し、他端が患者に留置されたカ
    テーテル内に連通する第2流路と、 一端が前記排液回収容器内に連通し、他端が前記容器内
    に連通する第3流路と、 前記第1流路、前記第2流路および前記第3流路の途中
    をそれぞれ開閉し得る流路開閉手段と、 前記流路開閉手段による前記各流路の開閉および前記減
    圧・加圧手段の作動を、操作部にて設定された条件に従
    って自動的にシーケンス制御する制御手段とを有し、 前記制御手段により、前記容器の雰囲気を減圧状態と
    し、前記透析液容器から透析液を前記容器内に導入し、
    前記容器の雰囲気を加圧状態とし、前記容器から透析液
    を患者の腹膜内に注入し、腹膜透析終了後、前記容器の
    雰囲気を減圧状態とし、透析液の排液を患者の腹膜内か
    ら前記容器内に導入し、前記容器の雰囲気を加圧状態と
    し、前記容器から前記排液を前記排液回収容器内に回収
    するように、前記減圧・加圧手段の作動を制御し、この
    際、前記透析液容器および前記排液回収容器の双方に患
    者の就寝位置から落差を確保する必要がないように前記
    透析液の注入流量、注入量、前記排液の流量および排液
    量の制御を行う自動透析液交換装置であって、 透析液の排液を患者の腹膜内から前記容器内に導入する
    際、所定時間経過しても前記容器内の排液量が予め設定
    された排液量に到達しない場合、ブザー、音声または表
    示部への表示により警告を発するよう構成されているこ
    とを特徴とする自動透析液交換装置。
  5. 【請求項5】 前記容器から透析液を患者の腹膜内に注
    入する際、所定時間経過しても前記容器内の透析液の流
    出量が予め設定された流出量に到達しない場合、ブザ
    ー、音声または表示部への表示により警告を発するよう
    構成されている請求項2または4に記載の自動透析液交
    換装置。
  6. 【請求項6】 前記減圧・加圧手段の前記容器を収納す
    る減圧・加圧室内に設けられ、前記容器内に貯留された
    透析液を加温する加温手段を有する請求項1ないし5の
    いずれかに記載の自動透析液交換装置。
  7. 【請求項7】 前記容器は、患者の腹膜内に透析液を注
    入するために該透析液を一時的に貯留する第1の容器
    と、患者の腹膜内から透析液の排液を回収するために該
    排液を一時的に貯留する第2の容器とで構成される請求
    項1ないし6のいずれかに記載の自動透析液交換装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の容器の雰囲気と、前記第2の
    容器の雰囲気とを同一の減圧・加圧手段により減圧状態
    および加圧状態とする請求項7に記載の自動透析液交換
    装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の容器の雰囲気と、前記第2の
    容器の雰囲気とをそれぞれ異なる減圧・加圧手段により
    減圧状態および加圧状態とする請求項7に記載の自動透
    析液交換装置。
  10. 【請求項10】 前記容器は、患者の腹膜内に透析液を
    注入するために該透析液を一時的に貯留する際と、患者
    の腹膜内から透析液の排液を回収するために該排液を一
    時的に貯留する際とで兼用されるものである請求項1な
    いし6のいずれかに記載の自動透析液交換装置。
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