JP2000254223A - 自動流体移送装置 - Google Patents

自動流体移送装置

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JP2000254223A
JP2000254223A JP11063243A JP6324399A JP2000254223A JP 2000254223 A JP2000254223 A JP 2000254223A JP 11063243 A JP11063243 A JP 11063243A JP 6324399 A JP6324399 A JP 6324399A JP 2000254223 A JP2000254223 A JP 2000254223A
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dialysate
container
fluid
drainage
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JP11063243A
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Sadaji Takagi
貞治 高木
Kazuyuki Ito
和之 伊藤
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Nikkiso Co Ltd
Original Assignee
Nikkiso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡略かつ機構が簡単な小型の自動流体移送装
置たとえば腹膜透析装置を提供すること。 【解決手段】 流体を収容する収容室と前記収容室を加
圧する加圧室とを有する第1容器と、前記加圧室内を加
圧することにより前記流体を所定の部所に供給する流体
供給手段と、前記所定の部所にある流体を収容可能な第
2容器と、前記第2容器内を減圧にすることにより前記
流体を第2容器内に強制収容する流体吸引手段とを備え
てなることを特徴とする自動流体移送装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は自動流体移送装置
に関する。更に詳しくは、圧力調整操作により流体を所
定の箇所から他の箇所へ、更に他の箇所から更に他の箇
所へと送り込むことのできる自動流体移送装置、特に、
圧力調整操作により透析液を患者の腹腔内に供給し、圧
力調整操作により患者の腹腔内から透析液を自動的に排
出することのできる腹膜透析装置である小型の自動流体
移送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人体に対し、薬液や体液を排出させ、か
つ薬液や体液成分を注入する装置として、(1)血液から
血漿成分を除去し、代用血漿で補う血漿交換装置、(2)
人体から腹水を取り出し、その腹水を浄化してウイルス
や水を除去し、浄化後の腹水を再び腹腔内に戻す腹水浄
化装置、(3)人体から血液を取り出し、新鮮な血液を人
体内に注入する全血交換装置、(4)腹腔に透析液を注入
し、所定時間をかけて透析を行った後に、透析後の透析
液を排液として排出させる腹膜透析装置等が挙げられ
る。
【0003】上記いずれの装置においても、その注液お
よび排液は、自然落差を利用した注入排出装置、ローラ
ポンプ、シリンジポンプ、ギヤポンプ、ダイヤフラムポ
ンプ、フィンガーポンプ等に代表される容積式ポンプ、
遠心ポンプおよび渦流ポンプに代表されるターボ式ポン
プ等により、実行されることが多い。
【0004】前記容積式ポンプは、患者に対して強制注
排液となる。したがって、患者に至る送液ラインで、あ
るいは体内に留置されているカテーテル部で閉塞が生じ
た場合には、強制注排液により圧力が急激に上昇または
下降する。これらの圧力変動は、患者に悪影響を及ぼす
ばかりか、チューブやチューブ継手といったディスポパ
ーツを破損させる危険がある。
【0005】更にローラポンプを採用すると、脈動を有
した流れになり、場合によっては、その脈動が患者に悪
影響を及ぼす危険もある。また、脈動が、チューブを伝
達して患者のカテーテル部等にまで至り、その脈動によ
る振動が患者に苦痛を与えるという問題もある。
【0006】これらの容積式ポンプの上記欠点ないし問
題点を回避するために、ターボ式ポンプを採用すること
も考えられる。
【0007】しかしながら、一般的にターボ式ポンプに
は呼び水といった液のプライミングを行う必要があり、
その取り扱いにおいて不便である。
【0008】また、1回使用する毎に消毒・減菌の工程
が必要となる。それを避けるためには、予め減菌された
ポンプを使用し、1回毎に使い捨てとする方法がある
が、そうすると1回毎にポンプの脱着が必要になって操
作が煩雑になるばかりかコストが増大するという問題が
新たに発生する。
【0009】圧力やコストを考慮した場合、自然落差を
利用した方法すなわち自然落差方式が好ましいのである
が、注液や排液にヘッド差が必要になる。ヘッド差を確
保するために、注液側では装置そのものが大型化すると
いった欠点、排液側では患者はベッド等の使用を強制さ
れるといった欠点がある。このような欠点は、病院内に
おいてはさしたる問題にはならないのであるが、腹膜透
析のような在宅治療が前提にされている場合には、大き
な問題になる。
【0010】一方、腎不全患者には人工腎臓を使用した
人工透析治療が行われていた。この人工透析治療は、患
者に頻繁な病院への通院を強制し、しかも人工透析装置
に患者を長時間に渡って拘束するので、患者の日常生活
が著しく制限されるという大きな欠点があった。
【0011】この欠点を克服する透析療法として、近
年、患者自身の腹膜を利用して透析を行う腹膜透析法、
中でも在宅治療が可能であり、治療のために患者の拘束
される時間の短い連続携行式腹膜透析法(Continuous A
mbulatory Peritoneal Dialysis 、以下「CAPD」と
略称することがある。)が注目されるに至った。
【0012】このCAPDは、通常、外科手術により患
者の腹腔に留置されたカテーテルを通じて透析液容器か
ら所定の透析液を患者の腹腔内に注入し、注入した透析
液を腹腔内に所定時間貯留させた後に、腹腔内の透析後
の排液を前記カテーテルを通じて排出し、排液容器に収
容することにより行われる。
【0013】しかしながら、患者は、このような一連の
操作を一日に4回程度実施する必要があり、しかも、そ
れに伴う容器交換等の作業は煩雑である上に、時間を要
する作業であった。このような作業は、患者、特に社会
復帰している患者にとって、かなりの労力的、精神的負
担になっていた。また、容器交換等の作業が煩雑である
ことが原因になって、いきおい患者は容器の交換操作を
粗雑に行うようになり、その結果、例えば細菌の混入に
より腹膜炎を起こす等の問題が生じることがあった。
【0014】このようなCAPDの欠点を回避するべく
発展した腹膜透析方法として、連続的サイクリック腹膜
透析法(Continuous Cyclic Peritoneal Dialysis、以
下、「CCPD」と略称することがある。)が、特に注
目されている。
【0015】このCCPDは、前記容器交換等の作業
を、自動腹膜透析装置を用いて夜間の患者の就寝中に自
動的に行わせる方法である。
【0016】このCCPDは、一般に、外科手術により
患者の腹腔に留置されたカテーテルを通じ、透析液容器
から所定の透析液を患者の腹腔内に注入する注入フェー
ズと、注入した透析液を腹腔中に所定時間貯留させる貯
留フェーズと、次に透析液をカテーテルから排出させる
排液フェーズとを含み、典型的には毎日の睡眠時間中に
実施される。例えば、就寝中の8時間は前記注入フェー
ズ、貯留フェーズおよび排液フェーズを1サイクルとし
て3サイクルが行われ、最後に注入された透析液は次回
の処置まで例えば16時間は腹腔中に透析液が貯留さ
れ、次回の就寝時に排液される。
【0017】この自動腹膜透析装置を用いたCCPD療
法によると、容器交換の回数が少なくなる等、患者の行
うべき作業が簡易化することにより、患者はより健康な
者に近い社会生活を営むことができ、腹膜炎を誘発する
透析容器と透析液流通管との接続やカテーテルと透析液
流通管との接続の際の細菌混入の危険性が減少し、さら
に、患者は比較的注意力をもって作業に臨むことができ
るようになるといった利点がある。
【0018】従来、CCPDに採用されている自動腹膜
透析装置においては、患者の腹腔内への透析液の注入お
よび腹腔内からの透析液の排出は、多くの場合CAPD
療法におけるのと同様に、自然落差を利用して行われて
いた。
【0019】この透析液の注入排液に必要な落差は、通
常、患者に応じて、注入に1,000〜1500mmA
q程度、排液に−400〜−1,000mmAq程度で
あると言われている。すなわち、患者から1,000〜
1,500mm程度高い位置に所定量の透析液を収容し
た透析液容器を配置し、その落差を利用して前記透析液
を患者の腹腔内に注入し、患者から400〜1,000
mm程低い位置に空の排液容器を配置して、その落差を
利用して腹腔内から透析液の排液を行なっていた。
【0020】しかしながら、自然落差を利用した注入排
液には、1.自然落差を確保する必要があるので装置全体
が大型化する、2.排液のための落差を確保する必要か
ら、患者に対してベッドの使用が強制されるといった問
題点があった。前記2.の問題は、ベッドでの就寝習慣の
ある欧米では大きな問題ではないが、畳の上に敷いた布
団で就寝するという習慣を有する日本においては重大な
問題である。
【0021】排液のための落差を必要とせず、畳上での
使用も可能である装置が知られている。例えば特開平7
−24062号公報には、透析液の注入はローラーポン
プにより行い、透析液の排出は収縮した蛇腹形状の容器
の復元力を利用して行う透析液交換装置が開示されてい
る。
【0022】しかしながら、前記ローラーポンプは強制
的に液を吐出するポンプであることから、睡眠中の患者
の寝返り等により透析液流通管が折れ曲がったり、ある
いは押しつぶされたりしてチューブに閉塞等が生じた場
合に、チューブ内の圧力が急上昇し、チューブが破損さ
れる恐れがある。これを回避する手段として、注液量の
経時的変化を監視したり、またはチューブ内の圧力変化
を監視することにより異常を検知し、警報を発するよう
に構成する方法等が考え得るが、チューブが閉塞した場
合におけるチューブの内圧上昇は瞬時におこるため、警
報出力時点あるいはローラーポンプ停止時点においては
既にチューブが圧力上昇により破損している可能性も高
い。さらに、圧力を監視するためにチューブを切断して
圧力計を設けることは、細菌感染を防止する観点から好
ましくなく、チューブを切断せずにチューブ外部から内
圧を検出するのも非常に困難であり、さらに内圧の異常
な急上昇を瞬時に検出するのは事実上不可能である。
【0023】一方、蛇腹形状の容器の復元力を利用した
透析液の排出方法は、収縮した容器が元に戻る復元力が
一定ではないという問題がある。すなわち、この復元に
よる吸引力はバネと同様に収縮の程度に依存することか
ら、解放直後には強力な吸引力を示し、復元するに従っ
て吸引力が減少するが、例えばカテーテルに大網が詰ま
り易い患者等、患者によっては、最初から弱い吸引力で
透析液を排出することが要求される場合もあり、このよ
うな患者には使用することができない。この場合には、
蛇腹形状の容器の伸縮度や材質等を適宜に変更すること
も考えられるが、それに応じて排液可能な量も大きく変
化することから微妙な調整が困難であると言う問題を有
する。
【0024】さらに、蛇腹形状の容器は、排液容器とは
別個に設けられるため、容器間を連絡する配管系が複雑
化するという問題、さらに、この配管系内の透析液の流
通を制御するためのバルブ数が増加し、騒音が増加する
という問題もある。このようなバルブの代表例として、
ソレノイドピンチバルブに類似したバルブを挙げること
ができるが、このピンチバルブはチューブの外側に力を
加えて前記チューブを押しつぶすためにかなりの騒音を
発する。したがって、このようなバルブ数はできる限り
少ない方が良い。さらに、収縮容器等のディスポ容器を
増加することは、治療に要する費用を増加させる原因と
なる。
【0025】排液に落差を必要としない他の装置の例と
して、複式のチャンバーを交互に容積変化させるポンプ
を使用して腹腔内への透析液の注入および排出を行い、
かつ前記ポンプにより透析液に印加される圧力をコンピ
ュータにより制御する装置が知られている。この装置に
おいては、ポンプにより透析液に印加される圧力を従来
の自然落差による圧力に合わせることにより、前記ロー
ラーポンプの場合のようにチューブが破損する恐れは小
さい。
【0026】しかしながら、この従来の装置は、複式の
チャンバーを備えてなることから、チャンバーの動きに
連動するバルブが必要である。これにより、装置の回路
が複雑化し、またチャンバーの動きに連動させてバルブ
を開閉制御するために騒音が発生するという問題があ
る。この騒音は、日中においては問題がない程度の音量
であっても、患者の枕元に設置され、しかも患者の就寝
中に作動することを考慮すると重大な問題である。
【0027】しかも、この装置においては、薄膜をコン
ピューターの制御により変形させ、これにより前記チャ
ンバー内の容積を変化させている。すなわち、薄膜が透
析液に接触する状態に設けられている。CCPDに使用
される腹膜透析装置においては、細菌の感染等を防止す
るために、透析液を充填した透析液容器とカテーテルと
を連絡する流通路は閉鎖系とし、外部と接触しないよう
に構成することが重要であり、また流通路を形成するチ
ューブ等は原則使い捨てである。
【0028】しかしながら、ポンプ内の前記薄膜は非常
に破れ易く、透析中に破れた場合には患者の生命にかか
わる問題を起こしかねない。また、このような薄膜を有
するチャンバー自体を使い捨てにするため、必然的に治
療費がかさむという問題もある。
【0029】そこで前記問題を解消する新たな透析液交
換装置として、注液用バッグおよびリザーババッグが配
置された密閉容器を加圧および減圧することにより患者
への注排液を行なうことを特徴とする装置が提案されて
いる。この新型の透析液交換装置においては、注液用バ
ッグおよびリザーババッグが配置された密閉容器を加圧
および減圧にするので落差を必要としなくなる点におい
て目覚ましい。
【0030】しかしながら、このような透析液交換装置
を具体的に実施するとすれば、(1)密封容器内に配置さ
れた注液用バッグおよびリザーババッグを用いて患者へ
の注排液を行なうから、装置本体の大きさは小さくなる
が、逆に注液用バッグに液を転送するための他の透析液
バッグおよび排液バッグ等を装置外に設置させる必要が
あり、したがって、治療のために多くのスペース(設置
面積)が必要になるという問題、(2)必要なスペースを
最小限にするためには、装置の鉛直方向に注液バッグお
よび排液収納バッグを配置させることも可能であるが、
その場合、従来の自然落差式装置と同じく患者に心理的
圧迫感を与えて好ましくないという問題、(3)患者への
注排液を行なう前記密閉容器内に配置された注液用バッ
グおよびリザーババッグと、装置外に設置した注液用バ
ッグに液を転送するための他の透析液バッグおよび排液
バッグとの間を、少なくとも2本のチューブを用いて液
移送する必要があり、前記密閉容器にはチューブを通す
溝空間が設けられる。その溝空間には前記密閉容器内の
気密性を保つシール材が設けられているが、チューブを
溝空間にセットする際のセット状態あるいはシール材の
劣化等によって圧力リークが生じやすくなり、注排液の
制御ができなくなるという問題、(4)圧力リークが生じ
た場合、リーク量を上回る吐出流量でポンプを作動させ
て注排液を行ったとしても、圧力リークを生じている以
上ポンプのオンオフ動作が頻繁になり、騒音を発すると
いう問題、(5)前記密閉容器が加圧動作から減圧動作
へ、あるいは減圧動作から加圧動作へと動作を移行する
場合、必ず大気圧状態を経ることになるが、その状態で
のポンプの仕事量は非常に大きく、騒音を発するという
問題等がある。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】この発明の目的は、簡
略かつ機構が簡単な小型の自動流体移送装置たとえば腹
膜透析装置を提供することにある。
【0032】この発明の目的は、患者の就寝中において
も確実に、かつ自動的に透析液交換を行うことのできる
腹膜透析装置を提供することにある。
【0033】この発明の他の目的は、患者自身が操作し
ても細菌による汚染を生じることがなく、確実に透析液
交換を実施することのできる腹膜透析装置を提供するこ
とにある。
【0034】この発明の他の目的は、患者が布団就寝で
あるとベッド就寝であるとを問わず、すなわち、患者の
横たわる位置に関係なく安全に、かつ確実に腹膜透析を
行うことのできる腹膜透析装置を提供することにある。
【0035】この発明の他の目的は、前記透析液交換装
置においては、注液用バッグおよびリザーババッグが所
定数収納された密閉容器を加圧チャンバとして使用する
ので、その加圧チャンバの構造は大型化し、耐圧容器の
ような耐圧構造が要求され、加圧チャンバ自体の装置重
量が大きくなってしまうが、そのような加圧チャンバを
使用しない自動腹膜透析装置を提供することにある。
【0036】この発明の他の目的は、前記透析液交換装
置においては、密閉容器(加圧チャンバ)にチューブを
通す必要があり、前記圧力リークに起因する注排液の制
御ができなくなるという問題あるいは騒音を発するとい
う問題等を解消した自動腹膜透析装置を提供することに
ある。
【0037】この発明の他の目的は、従来の腹膜透析装
置よりも省スペース化が達成され、かつ小型で軽量な自
動腹膜透析装置を提供することにある。
【0038】この発明の他の目的は、騒音を発せず、患
者の安眠を妨げずに安全に、しかも確実に自動腹膜透析
を行うことのできる腹膜透析装置を提供することにあ
る。
【0039】この発明の他の目的は、複雑な回路の取り
回しを必要とせず、上記目的のいずれかまたは全てを達
成することのできる腹膜透析装置を提供することにあ
る。
【0040】
【前記課題を解決するための手段】前記課題を解決する
ための請求項1に記載の発明は、流体を収容する収容室
と前記収容室を加圧する加圧室とを有する第1容器と、
前記加圧室内を加圧することにより前記流体を所定の部
所に供給する流体供給手段と、前記所定の部所にある流
体を収容可能な第2容器と、前記第2容器内を減圧する
ことにより前記流体を第2容器内に強制収容する流体吸
引手段とを備えてなることを特徴とする自動流体移送装
置であり、請求項2に記載の発明は、前記流体供給手段
が、前記第1容器における加圧室内を加圧する加圧手段
と、前記加圧手段の制御を行なう加圧制御手段と、前記
流体を前記第1容器から所定の部所に供給する第1流通
手段とを有してなる前記請求項1に記載の自動流体移送
装置であり、請求項3に記載の発明は、前記流体吸引手
段が、前記第2容器内を減圧する減圧手段と、前記減圧
手段の制御を行なう減圧制御手段と、前記所定の部所に
収容された流体を前記第2容器内に導入させる第2流通
手段とを有してなる前記請求項1および2のいずれかに
記載の自動流体移送装置であり、請求項4に記載の発明
は、前記流体が透析液であり、前記収容室が透析液収容
室であり、前記加圧室が加圧媒体充填室であり、前記第
1容器が前記透析液収容室と前記加圧媒体充填室とを有
する透析液容器であり、前記流体供給手段が透析液供給
手段であり、前記所定の部所が患者の腹腔内であり、前
記第2容器が流体を収容する排液回収室と前記排液回収
室内を減圧にする減圧室とを有する排液容器であり、前
記流体吸引手段が減圧室内の減圧媒体を排出することに
より前記排液回収室内を減圧にする排液吸引手段であ
り、自動流体移送装置が腹膜透析装置である前記請求項
1に記載の自動流体移送装置であり、請求項5に記載の
発明は、前記流体が透析液であり、前記流体供給手段が
透析液供給手段であり、前記第1容器が前記収容室であ
る透析液収容室と前記加圧室である加圧媒体充填室とを
有する透析液容器であり、前記所定の部所が患者の腹腔
内であり、前記第1流通手段が透析液流通手段であり、
自動流体移送装置が腹膜透析装置である前記請求項2に
記載の自動流体移送装置であり、請求項6に記載の発明
は、前記流体が透析液であり、前記流体吸引手段が排液
吸引手段であり、前記第2容器が流体を収容する排液回
収室と前記排液回収室内を減圧にする減圧室とを有する
排液容器であり、前記所定の部所が患者の腹腔内であ
り、前記第2流通手段が排液流通手段であり、自動流体
移送装置が腹膜透析装置である前記請求項3に記載の自
動流体移送装置である。
【0041】
【発明の実施の形態】(一般的説明)この発明に係る自
動流体移送装置は、第1容器と、流体供給手段と、第2
容器と、流体吸引手段とを備えてなることを特徴とす
る。
【0042】前記第1容器は、流体を収容する収容室と
前記収容室を加圧する加圧室とを有する。第1容器は、
加圧室内を加圧することによって収容室内に収容されて
いる流体を排出することができる構造を有する。収容室
には、収容されている流体を排出することができるよう
に出口が設けられている。加圧室には、加圧媒体を充填
することができるように入口が設けられている。
【0043】第1容器は、加圧室内を加圧することによ
り収容室内の流体をその出口から排出することができる
機能が実現される構造、たとえば、(1)その加圧室が収
容室を包囲するように形成され、加圧室内が加圧される
につれて収容室が加圧室からの圧力を受けて収容室内の
流体をその出口から排出する構造、(2)加圧室と収容室
とが柔軟弾性部材で隔絶されて隣合うように形成され、
加圧室内が加圧されるにつれて柔軟弾性部材が収容室側
に膨れることによって収容室内の流体をその出口から排
出する構造、(3)収容室が加圧室を包囲するように形成
され、加圧室内が加圧されると加圧室全体又はその一部
が膨張ないし膨満し、これによって収容室内が加圧され
て収容室内の流体がその出口から排出する構造、又はこ
れらと均等な構造が採用される。
【0044】さらに具体的に言うと、前記(1)の構造の
具体例として、例えば、収容室には柔軟なシートを袋状
に形成したバッグを用いて収容室バッグとし、その収容
室バッグには流体を排出可能な出口を設け、加圧室には
柔軟なシートを袋状に形成したバッグを用いて加圧室バ
ッグとし、その加圧室バッグには加圧媒体を充填可能な
入口を設けてなり、この加圧室バッグの中に収容室バッ
グを収納するように両バッグを配置して、すなわち内側
に収納された収容室となるバッグと外側のバッグとの間
の隙間が加圧室となるように両バッグを配置して、内側
に収容室を有して外側に加圧室を有するような二重構造
のバッグを、第1容器として例示することができる。
【0045】そして、流体および加圧媒体の気密性を確
保するために、あるいは二重構造を補強するために、両
バッグの一部を融着して第1容器を形成する場合には、
両バッグの部材が融着可能な部材の組み合わせが好まし
い。また前記二重構造の第1容器における加圧室の収容
室に接しない部分を、変形不可能な硬質部材で形成した
としても、内側に収容室バッグを有するので、加圧室内
に加圧媒体が充填されると加圧室および収容室は変形可
能な柔軟性部材で接している部分において容積変化を起
こし、収容室内に収容されている流体は排出される。さ
らに第1容器の構造を強化するため、あるいは加圧室か
らの加圧力を効率よく収容室へ伝えるために、第1容器
の収容室および加圧室の一部を硬質部材で形成したり、
柔軟性部材に硬質部材の補強材を組み合わせて形成する
ことができる。
【0046】前記第(2)の構造の具体例として、袋状に
形成したバッグの内部を変形可能な部材で2室に仕切っ
たような、容積変化を起こすことができる隣り合う二つ
の室を有する構造のバッグを、第1容器として例示する
ことができる。隣り合う二つの室の一方を収容室とし
て、他方を加圧室として用いることができる。この場合
も前記二重構造の第1容器と同様に、第1容器の収容室
および加圧室の一部を融着したり補強するために、ある
いは加圧室からの圧力を効率よく収容室へ伝えるため
に、柔軟性部材あるいは硬質部材を適宜選択して用いる
ことができる。
【0047】前記第(3)の構造の具体例として、例え
ば、収容室は柔軟なシートを袋状に形成したバッグを用
いて収容室バッグとし、その収容室バッグには流体を排
出可能な出口を設け、加圧室は柔軟なシートを袋状に形
成したバッグを用いて加圧室バッグとし、その加圧室バ
ッグには加圧媒体を充填可能な入口を設けてなり、前記
収容室バッグの中に加圧室バッグを収納するように両バ
ッグを配置して、すなわち内側に収納された加圧室とな
るバッグと外側のバッグとの間の隙間が収容室となるよ
うに両バッグを配置して、内側に加圧室を有して外側に
収容室が形成されるような二重構造のバッグを、第1容
器として例示することができる。
【0048】この構造は前記(1)の構造において加圧室
と収容室とを入れ替えた関係にある。したがって、前記
(1)の構造についての説明において「加圧室」を「収容
室」と読み替え、「収容室」を「加圧室」と読み替える
ことにより、この構造を理解することができる。
【0049】前記流体供給手段は、前記第1容器の加圧
室を加圧することにより、この第1容器の収容室内の流
体を所定の箇所に移送することのできる機構を有し、た
とえば、加圧手段と、第1容器から所定の箇所に流体を
移送するパイプとを有して形成することができる。
【0050】前記第2容器は、減圧により、前記所定の
部所にある流体を吸引し、収容することのできる構造を
有する。
【0051】具体的には、第2容器は、流体を受け入れ
る流体受容室と、この流体受容室内を減圧にする減圧室
とを備えてなる。さらに具体的に言うと、たとえば、第
2容器は、(1)その減圧室が流体受容室を包囲するよう
に形成され、減圧室内が減圧されるにつれて流体受容室
の容積が増加し、容積の増加により流体受容室の内部が
減圧になり、減圧になった流体受容室に流体が吸引導入
される構造、(2)減圧室と流体受容室とが柔軟弾性部材
で隔絶されて隣合うように形成され、減圧室内が減圧さ
れるにつれて柔軟弾性部材が流体受容室側に膨れること
によって流体受容室内に流体が吸引導入される構造、
(3)流体受容室が減圧室を包囲するように形成され、減
圧室内が減圧されると減圧室全体又はその一部が収縮な
いし縮小し、これによって流体受容室内が減圧されて流
体収容内に流体が吸引導入される構造、又はこれらと均
等な構造が採用される。
【0052】前記(1)の構造を有する第2容器の具体例
として、たとえば柔軟な部材で形成されていて流体を流
入させることの可能な入口を有する、流体受容室として
のバッグを、内部を減圧することができるように硬質の
外郭で形成された、減圧室としての容器の中に設けてな
る構造、流体を流入させることの可能な入口を有し、柔
軟な部材で形成された蛇腹体を流体受容室として、内部
を減圧することができるように硬質の外郭で形成され
た、減圧室としての容器の中に設けてなる構造、流体を
流入させることの可能な入口を有するシリンダーとシリ
ンダー内で摺動可能に形成されたピストンとを減圧可能
な容器の中に設け、前記シリンダーの内壁と前記ピスト
ンとで区画された、内容積可変の空間を流体受容室とす
る構造等が挙げられる。
【0053】前記第(2)の構造を有する第2容器の具体
例として、袋状に形成したバッグの内部を変形可能な部
材で2室に仕切ったような、容積変化を起こすことがで
きる隣り合う二つの室を有する構造のバッグを、第2容
器として例示することができる。隣り合う二つの室の一
方を流体受容室として、他方を減圧室として用いること
ができる。
【0054】前記第(3)の構造の具体例として、例え
ば、流体を導入する導入口を備えた硬質の閉鎖外郭と、
減圧するための排気口を備えてなる、柔軟な部材で袋状
のバッグであるバッグとを備え、前記閉鎖外郭の中に減
圧室バッグを収納し、すなわち内部に配置された減圧室
バッグと閉鎖外郭との間の空間が流体受容室となるよう
に形成された構造を、例示することができる。
【0055】さらに、第2容器の他の例としては、流体
として例えば排液を回収する排液回収室つまり流体収容
室と前記排液回収室内を減圧にする減圧室とを有する構
造の排液容器を例示することができる。換言すれば、内
側に排液回収室を有し、外側に減圧室を有するような二
重構造、あるいは容積変化を起こすことができる隣り合
う二つの室を有する構造を例示することができる。
【0056】この第2容器においては、減圧室内を減圧
することによって排液回収室内に排液を回収することが
できる構造を有する。排液回収室には、排液を回収する
ことができるように入口が設けられている。減圧室に
は、減圧室内の減圧媒体を排出することができるように
出口が設けられている。
【0057】重複して述べるが、この第2容器は、減圧
室内の減圧媒体を吸引除去することにより廃液回収室す
なわち流体受容室内を減圧にすることのできる構造を有
していればよく、その減圧室が排液回収室を包囲するよ
うに形成されてなる構成、減圧室と排液回収室とが隣り
合うように形成されてなる構成を挙げることができる。
【0058】見方を変えると、この第2容器全体の容積
変化はないけれど、第2容器の減圧室および排液回収室
が容積変化を起こして変形することができる構造を有し
ていてもよい。減圧室の出口から減圧室内の減圧媒体が
排出されると、減圧室は容積変化を起こし、減圧室の容
積は減少する。すると排液回収室も容積変化を起こし、
排液回収室の容積は増加して、排液回収室の入口から前
記所定の部所にある排液が排液回収室内に回収される。
【0059】この第2容器の排液回収室および減圧室と
して用いる部材としては、排液回収室および減圧室にお
ける容積変化により変形する部分は柔軟性部材で形成さ
れるのが好ましいが、減圧室の排液回収室に接しない部
分を変形可能な柔軟性部材で形成することは、減圧室の
容積の減少が排液回収室の容積の増加を引き起こし難く
する要因となるので、減圧室の排液回収室に接しない部
分は硬質部材で形成するか、あるいは柔軟性部材に硬質
部材の補強材を組み合わせて形成するのが好ましい。
【0060】この第2容器に用いる部材としては、この
第2容器の排液回収室および減圧室の一部を融着したり
補強するため、あるいは減圧室からの減圧力を効率よく
排液回収室へ伝えるために、柔軟性部材あるいは硬質部
材を適宜選択して用いることができる。
【0061】前記流体吸引手段は、第2容器内を減圧に
することにより、所定の部所にある流体を第2容器内
に、吸引し、収容することのできる機構を有し、例えば
第2容器内を減圧にする減圧手段および第2容器内に流
体例えば排液を引き込むパイプを有して形成することが
できる。
【0062】この発明に係る自動流体移送装置において
は、第1容器の収容室内の流体を、第1容器の加圧室か
らの収容室内の流体に対する加圧力により、流体供給手
段を介して所定の部所に送り込み、その所定の部所に送
り込まれた流体を、第2容器内に、第2容器内を減圧に
することにより、吸引し、収容する。これによって、流
体を第1容器の収容室から所定の部所へ、所定の部所か
ら第2容器内へと移送することができる。
【0063】この発明に係る自動流体移送装置は、腹膜
透析装置として使用するのが好適である。次に、自動流
体移送装置の一例である腹膜透析装置について説明す
る。
【0064】この発明に係る腹膜透析装置は、収容室と
加圧室とを有する第1容器の一例である、透析液収容室
と加圧媒体充填室とを有する透析液容器と、流体供給手
段の一例である透析液供給手段と、第2容器の一例であ
る排液容器と、流体吸引手段の一例である排液吸引手段
とを有する。
【0065】前記透析液容器は、その透析液収容室内に
所定量の透析液を収容し、その加圧媒体充填室内を加圧
することにより、収容した透析液を、排出することがで
きるように形成されてなる。透析液容器は、所定量の透
析液を収容できかつ透析液排出口を設けた透析液収容室
と、前記透析液収容室を加圧できかつ加圧媒体導入口を
設けた加圧媒体充填室とを有する容器である。透析液容
器の形状は、内側に透析液収容室を有し外側に加圧媒体
充填室を有するような二重構造になっており、透析液収
容室を包囲するように加圧媒体充填室が形成され、かつ
透析液収容室および加圧媒体充填室は柔軟な部材で扁平
に形成され、二重構造のバッグになっている。透析液容
器は、使用する透析液の量によって一個または複数個用
いることができる。この腹膜透析装置を用いて患者の就
寝中に腹膜透析を行うことを考慮すると、複数の透析液
容器を用いることが好ましい。この透析液容器の材質と
して、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)のようなポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフ
タレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)等のようなポリエステル、ポリアミド、ポリウレ
タン系、ポリエステル系、ポリアミド系、オレフィン系
およびスチレン系等の各種エラストマー並びにシリコン
系エラストマーなどあるいは、これらのうちの2種類以
上を適宜選択して組み合わせたものなどを挙げることが
できる 前記透析液供給手段は透析液を患者の腹腔内に供給する
手段であり、加圧手段と、加圧制御手段と、第1流通手
段とを有してなる。
【0066】好適な加圧手段は、前記加圧媒体充填室内
を所定圧力に加圧する手段である。好適な加圧手段とし
ては、たとえばエアコンプレッサ、エアポンプ、ローラ
ポンプ、シリンジポンプ、フィンガー式ポンプおよびギ
ヤポンプ等の容積式ポンプなどが挙げられる。この腹膜
透析装置は一般に患者の近傍に配置されることがあるの
で、患者に騒音による不快感を与えないように低騒音タ
イプの加圧手段たとえばローラポンプおよび低騒音エア
ポンプなどが好ましい。前記加圧手段の動作は、前記加
圧媒体充填室内の加圧状態が最適になるように加圧制御
手段により制御される。
【0067】前記加圧制御手段は、前記加圧媒体充填室
内の圧力を検出する第1圧力検出手段と、制御演算部
と、第1圧力開放手段ないし安全弁とを有する。制御演
算部は、第1圧力検出手段から出力される第1圧力検出
データを入力し、このデータに基づき前記加圧媒体充填
室内の圧力が所定の値になるように、前記加圧手段特に
容積式ポンプに圧力制御信号を発する。前記所定圧力
は、500〜1,500[mmAq]であり、好ましく
は800〜1,200[mmAq]である。前記制御演
算部は、前記加圧媒体充填室内の圧力が何らかの異常に
より所定値を外れた場合に開放指令信号を前記第1圧力
開放手段に発して、前記加圧媒体充填室を開放状態にす
る。
【0068】前記第1流通手段は、前記透析液収容室内
の透析液を患者の腹腔内に供給可能に形成されてなる。
好適な第1流通手段は、前記透析液収容室内の透析液を
患者の腹腔内に供給することのできる供給管を有してな
る。より好適な第1流通手段は、前記供給管と、前記供
給管を遮断または連通させる第1バルブを有してなる。
また、透析液容器を複数個用いる場合には、好適な第1
流通手段は、各透析液容器の透析液収容室に接続された
各支管に接続可能な分岐管を備えた供給管と、透析液容
器毎に透析液を供給管に流通させる切り替えバルブと、
供給管中を流れる透析液の流量を調整する第1バルブと
を有する。透析液容器を複数個用いる場合の他の好適な
第1流通手段は、実施例において詳述される。
【0069】前記排液容器は、吸引力により、透析後の
排液を回収可能に形成されてなる。好適な排液容器とし
ては、実施例において詳述される。
【0070】前記排液吸引手段は、透析後の透析液を排
液として前記排液容器内に吸引し、収容する手段であ
り、減圧手段と、減圧制御手段と、第2流通手段とを有
してなる。
【0071】前記減圧手段は、前記排液容器内を減圧す
る手段である。好適な減圧手段としては、たとえば前記
容積式ポンプとしては、例えば、エアコンプレッサ、エ
アポンプ、ローラポンプ、シリンジポンプ、フィンガー
式ポンプ、チュービングポンプ等が挙げられる。これら
の中でも、低騒音であるローラポンプおよび低騒音エア
ポンプ等が好ましい。前記減圧手段の動作は、前記排液
容器内の減圧状態が最適になるように減圧制御手段によ
り制御される。
【0072】前記減圧制御手段は、前記排液容器内の圧
力を検出する第2圧力検出手段と、制御演算部と、第2
圧力開放手段ないし安全弁とを有する。制御演算部は、
前記第2圧力検出手段から出力される第2圧力検出デー
タを入力し、このデータに基づき前記排液容器内の圧力
が所定の値になるように、前記減圧手段特に容積式ポン
プに圧力制御信号を発する。前記所定圧力は、−1,0
00〜−400[mmAq]であり、好ましくは−80
0〜−600[mmAq]である。前記制御演算部は、
前記排液容器内の圧力が何らかの異常により所定値を外
れた場合に開放指令信号を前記第2圧力開放手段に発し
て、前記排液容器収容室を開放状態にする。
【0073】前記第2流通手段は、透析後の排液を前記
排液容器に吸引可能に形成されてなる。好適な第2流通
手段は、前記透析後の排液を前記排液容器に供給するこ
とのできる排出管を有してなる。より好適な第2流通手
段は、前記透析後の排液を前記排液容器内に排出するこ
とのできる排出管と、前記排出管を遮断または連通させ
る第2バルブを有してなる。
【0074】なお、第1流通手段における供給管の一部
と第2流通手段における排出管の一部とを共用するのが
好ましい。すなわち、第1流通手段における供給管の途
中で分岐させ、その分岐点から排液容器までを管体で接
続し、第1流通手段における供給管の一部と前記分岐点
から排液容器までの管体を第2流通手段における排出管
とするのが好ましい。このように第1流通手段における
供給管の一部を第2流通手段における排出管の一部にす
るときには、供給管の途中に切り替えバルブを設けて流
路を切り替えることができるようにするのが良い。
【0075】(具体的説明)−実施例1− 1.装置の構成 図1は、この発明の自動流体移送装置の一実施例である
腹膜透析装置の概略を示す。
【0076】この腹膜透析装置は、透析液収容室1a,
1b,1c,1dそれぞれおよび加圧媒体充填室2a,
2b,2c,2dそれぞれを有する4基の透析液容器3
a,3b,3c,3dと、透析液収容室1eおよび加圧
媒体充填室2eを有する最終透析液容器3eと、排液回
収室4と減圧室5とを有する排液容器6と、加圧手段7
と、減圧手段8と、2本の透析液流通管9a,9bと、
連絡管10と、4本の支管11と、第1〜第4常閉バル
ブ12,13,14,15と、制御演算部16と、警報
手段17と、入力手段18と、出力表示手段19とを備
える。
【0077】前記透析液容器3a,3b,3c,3dお
よび最終透析液容器3eは、それぞれが透析液収容室お
よび加圧媒体充填室を有し、それぞれの透析液収容室に
所定量の透析液を収容可能な二重構造のバッグである。
【0078】この透析液容器3a,3b,3c,3dお
よび最終透析液容器3eは、柔軟なシートで扁平な袋状
に形成された透析液収容室のバッグと、柔軟なシートで
扁平な袋状に形成された加圧媒体充填室のバッグとから
なり、加圧媒体充填室のバッグの中に透析液収容室のバ
ッグを収納した二重構造のバッグである。
【0079】これらの透析液容器3a,3b,3c,3
dおよび最終透析液容器3eには、透析液収容室側コネ
クタ20a,20b,20c,20dおよび20eを先
端部に備えた導出管21a,21b,21c,21dお
よび21eが設けられている。
【0080】前記透析液容器3a,3b,3c,3dお
よび最終透析液容器3eは、加温手段の主要部であるヒ
ータ22に囲まれた状態に配置されている。このヒータ
22は、前記制御演算部16から出力される動作指令信
号によって、ヒータ22に通電される電流量が制御さ
れ、通電量によって透析液収容室1a,1b,1c,1
dおよび1e内の透析液を加温したり、あるいは加温を
停止したりする。透析液の加温温度としては、患者の体
温に近い温度であることが好ましく、例えば35〜39
℃程度であることが好ましい。この加温温度を正確に制
御するために、透析液の温度の検出が可能で、かつ加温
手段の一部である温度測定手段23が第1重量計測用ベ
ース24aの適宜の位置に設けられている。
【0081】温度測定手段23としては、温度を電気的
信号に変換することができ、例えばサーミスタや熱電対
を好適に採用することができる。温度測定手段23は、
前記透析液収容室1a,1b,1c,1dおよび1eの
内部の透析液の温度を正確に測定し、温度測定データを
前記制御演算部16に対して出力する。制御演算部16
は、この温度測定データを入力して透析液収容室1a,
1b,1c,1dおよび1eの最適な加温条件を算出
し、その結果に基づいて前記ヒータ22への電力の供給
を制御する。
【0082】また、この実施例1の装置においては、こ
の透析液容器3a,3b,3c,3dおよび最終透析液
容器3eの重量を計測し、その重量計測データを前記制
御演算部16に対して出力する第1重量計測手段25a
たとえばロードセルが設けられている。制御演算部16
は、この第1重量計測手段25aが出力する重量計測デ
ータを解析することにより、透析液収容室1a,1b,
1c,1dおよび1eから継続的に透析液が導出されて
いるかを監視し、透析液収容室1a,1b,1c,1d
および1eから導出された透析液量を算出する。さら
に、その透析液量の変化が異常であると判断した場合に
は、警報手段17に対して警報を発する動作指令信号を
出力する。
【0083】前記第1重量計測用ベース24aは、第1
重量計測手段25aと連結されており、透析液容器3
a,3b,3c,3dおよび最終透析液容器3eの重量
を正確に計測することができるように形成され、さらに
前記加温手段のヒータ22とも連結されている。
【0084】第1重量計測用ベース24aの形状は、板
状でも、加温手段のヒータ22あるいは透析液容器3
a,3b,3c,3dおよび最終透析液容器3eを包囲
するような形状でもよく、特に限定されないが、重量計
測、加温効率を考慮した場合、周辺雰囲気の影響を受け
にくい形状が好ましく、加温手段のヒータ22、透析液
容器3a,3b,3c,3dおよび最終透析液容器3e
を包囲するような形状が好ましい。
【0085】透析液容器3a,3b,3c,3dおよび
最終透析液容器3eの構造は、透析液収容室1a,1
b,1c,1dおよび1eが加圧媒体充填室2a,2
b,2c,2dおよび2eに完全に覆われて透析液収容
室1a,1b,1c,1dおよび1eの周囲が全て二重
構造になっているよりも、透析液容器3a,3b,3
c,3dおよび最終透析液容器3eと第1重量計測用ベ
ース24aに連結しているヒータ22との接触面におい
ては、部分的に加圧媒体充填室2a,2b,2c,2d
および2eを設けない構造とした方が加温効率の点から
好ましい。第1重量計測用ベース24aの材質として
は、透析液容器3a,3b,3c,3dおよび最終透析
液容器3eの重量、加温手段の重量、ヒータの発熱等に
よって変形しない硬質材料であれば、特に限定されるも
のではなく、金属、プラスチックス等適宜に選択するこ
とができる。
【0086】この実施例1における透析液収容室1a,
1b,1c,1dには通常同成分の透析液が、透析液収
容室1eには透析液収容室1a,1b,1c,1dの透
析液よりも濃い成分濃度の透析液が用いられる。
【0087】前記加圧手段7は、前記加圧媒体充填室2
a,2b,2c,2dおよび2e内を加圧する作用を有
する。この実施例1における加圧手段7は、加圧媒体充
填室2a,2b,2c,2dおよび2e内に連通する排
気管26aと、排気管26aに設けられた容積式ポンプ
27aと、コネクタ28a,28b,28c,28dお
よび28eを先端部に備えた加圧支管29とを有する。
そしてコネクタ28a,28b,28c,28dおよび
28eと、加圧媒体充填室側コネクタ30a,30b,
30c,30dおよび30eとがそれぞれ接続してい
る。前記加圧支管29は、前記第1重量計測手段25a
が正確な重量計測を行うことができるように、透析液容
器3a,3b,3c,3dおよび最終透析液容器3eに
対してテンションがかからない柔軟性を有する管であ
り、かつ所望の圧力に耐えられる管が望ましい。
【0088】加圧手段7の動作は、加圧媒体充填室2
a,2b,2c,2dおよび2e内を所定圧力に加圧す
るように加圧制御手段により制御される。加圧制御手段
は、加圧媒体充填室2a,2b,2c,2dおよび2e
内の圧力を検出する圧力検出手段31aと、圧力検出手
段31aから出力される圧力検出データを入力し、この
データに基づき加圧媒体充填室2a,2b,2c,2d
および2e内の圧力が所定の値になるように、加圧手段
7特に容積式ポンプ27aに圧力制御信号を発する前記
制御演算部16とを有する。この加圧制御手段により、
加圧媒体充填室2a,2b,2c,2dおよび2e内の
圧力は、CAPDで用いられる注液ヘッドによる押出力
と同程度の押出力を生じる圧力に制御される。具体的に
は、加圧媒体充填室2a,2b,2c,2dおよび2e
内の圧力は、通常500〜1,500mmAq、好まし
くは800〜1,200mmAqに制御される。このよ
うな範囲内に加圧媒体充填室2a,2b,2c,2dお
よび2e内の圧力を制御すると、チューブおよびカテー
テル部で閉塞が生じても、自然落差以上の悪影響を患者
に与えず、更にディスポパーツを破損することなく、安
心して自動腹膜透析を行うことができる。
【0089】前記圧力検出手段31aは、圧力を電気的
信号に変換する機能を有し、圧力トランスデューサー等
のそれ自体従来から公知の計測手段を採用することがで
きる。前記制御演算部16は、この圧力検出手段31a
から出力される圧力検出データを入力して演算処理し、
その結果に応じ、前記加圧手段7に対してオンオフの制
御、または回転数の制御等を行う圧力制御信号を出力す
る。この圧力制御信号の出力は、間欠的であっても良い
し、連続的であっても良い。
【0090】前記加圧手段7は、緊急圧力開放用の圧力
開放手段32aを有する。圧力開放手段32aは、前記
加圧媒体充填室2a,2b,2c,2dおよび2e内に
連通する空気流通管33aと、空気流通管33aに装着
されたバルブ34aと、このバルブ34aの開閉を制御
する制御演算部16とからなる。バルブ34aは常閉の
バルブであるが、何らかの異常により前記加圧媒体充填
室2a,2b,2c,2dおよび2e内の圧力が所定値
より外れた場合には、制御演算部16からの開放指令信
号を入力することにより開放状態になる。このような、
圧力開放手段32aを設けることにより、前記加圧媒体
充填室2a,2b,2c,2dおよび2e内が異常な加
圧状態になる事故を防止することができる。前記バルブ
34aとしては、電気的信号により起動あるいは開閉制
御可能である限り特に制限はなく、例えばソレノイドバ
ルブを好適に採用することができる。
【0091】前記排液容器6における排液回収室4は、
減圧室5の減圧に応じて内容積を増大させるように容易
に変形する柔軟な材質、例えばポリ塩化ビニル等の材質
よりなる扁平の袋状物である。この排液回収室4の最大
液収容量としては、実行する透析の回数、一回の透析に
使用する透析液の量、および除水量などに応じて適宜に
決定することができるが、通常13〜20リットルであ
り、好ましくは15〜17リットルである。この排液回
収室4には、排液導入管35が設けられている。この排
液導入管35は、その先端部に排液回収室側コネクタ3
6を備えている。また、排液導入管35における排液回
収室側コネクタ36と排液回収室4との間には、外周か
ら押圧力を受けても容易に変形しない硬質部材製のシー
ル用部材(図示しない。)が装着されている。この排液
回収室4は、排液容器6内に収納される。
【0092】前記排液容器6は、その内部に前記排液回
収室4を気密に収容することができるように形成され
る。この排液容器6には排液回収室4を内部に収容する
ための開口部が形成されており(図示しない。)、この
開口部から排液回収室4を内部に収容した後に、開口部
を蓋部材(図示しない。)で気密に覆蓋する。このと
き、前記排液導入管35は、その先端を外部に突出した
状態のままに、シール機構によりシールされる。すなわ
ち、前記排液導入管35に設けられた前記シール用部材
と排液容器6に設けられたシール部との間で気密にシー
ルされ、前記排液容器6内の気密性が確保される。この
排液容器6は、硬質の材料で耐圧に形成されてなるのが
好ましい。それ自身が容易に変形しない方が、前記排液
回収室4を収容する空間内である減圧室5を所定の減圧
状態に維持してもこの排液容器6が変形あるいは破壊さ
れることが防止される。
【0093】また、排液容器6の材質としては、透明な
材質であることが好ましい。透明な材質で排液容器6を
形成すると、内部に収容した排液回収室4の圧力変形お
よび排液回収室4内に回収される排液の量を外部から観
察することができる。また、透明の材質でこの排液容器
6を形成するのに代えて、排液容器6の壁面の一部に透
明の窓を形成することにより、外部から観察可能にして
も良い。この排液容器6の材質の好適な例としては、ア
クリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることがで
きる。
【0094】前記減圧手段8は、前記排液容器6の排液
回収室4を収容した内部空間である減圧室5を減圧する
作用を有する。この実施例1における減圧手段8は、減
圧室5に連通する排気管26bおよび前記排気管26b
に設けられた容積式ポンプ27bと、緊急圧力開放用の
圧力開放手段32bとを有する。減圧手段8の動作は、
排液容器6内の減圧状態が最適になるように減圧制御手
段により制御される。この減圧制御手段は、排液容器6
における減圧室5内の圧力を検出する圧力検出手段31
bたとえば圧力トランスデューサ等と、圧力検出手段3
1bから出力される圧力検出データを入力し、このデー
タに基づき減圧室5内の圧力が所定の値になるように、
減圧手段8特に容積式ポンプ27bに圧力制御信号を発
する前記制御演算部16とを有する。
【0095】この減圧制御手段により、減圧室5内の圧
力は、CAPDで用いられる排液ヘドによる吸引力と同
程度の吸引力を生じる圧力に制御される。具体的には、
減圧室5内の圧力は、通常−1,000〜−400mm
Aq、好ましくは−800〜−600mmAqに制御さ
れる。このような範囲内に減圧室5内の圧力を制御する
と、カテーテル37に大網が詰まり易い患者等であって
も安心して自動腹膜透析を行うことができる。前記圧力
検出手段31bとしては、圧力を電気的信号に変換する
機能を有する限り特に制限はないが、圧力トランスデュ
ーサー等のそれ自体従来から公知の検出手段を採用する
ことができる。前記制御演算部16は、この圧力検出手
段31bから出力される圧力検出データを入力して演算
処理し、その結果に応じ、前記減圧手段8に対してオン
オフの制御、または回転数の制御等を行う圧力制御信号
を出力する。この圧力制御信号の出力は、間欠的であっ
ても良いし、連続的であっても良い。
【0096】前記圧力開放手段32bは、前記排液容器
6の減圧室5に連通する空気流通管33bと、前記空気
流通管33bに装着されたバルブ34bと、このバルブ
の開閉を制御する制御演算部16とからなる。前記バル
ブ34bは常閉のバルブであるが、何らかの異常により
減圧室5の圧力が所定値より外れた場合には、制御演算
部16からの開放指令信号を入力することにより開放状
態になる。
【0097】このような圧力開放手段32bを設けるこ
とにより、前記排液容器6内が異常な減圧状態になる事
故を防止することができる。前記バルブ34bとして
は、電気的信号により起動あるいは開閉制御可能である
限り特に制限はなく、例えばソレノイドバルブを好適に
採用することができる。
【0098】この腹膜透析装置においては、この排液回
収室4の重量を計測し、その重量計測データを前記制御
演算部16に対して出力する第2重量計測手段25bが
設けられている。制御演算部16は、入力する重量計測
データに基づいて、患者の腹腔内から透析後の排液が連
続的に排液回収室4内に導入されているかを監視し、排
液回収室4からの液漏れが発生していないかを監視し、
患者の腹腔内から排出された透析液の排液量を算出す
る。制御演算部16は、その計測する重量の変化が異常
であると判断した場合には、警報手段17に対して動作
指令信号を出力する。
【0099】供給管の一部である前記透析液流通管9a
は、その一端部で前記支管11の一端部と連結し、他端
部で前記連絡管10と連結している。透析液流通管9a
の支管11と連絡管10との間には第1バルブの一部を
なす第1常閉バルブ12が設けられている。前記支管1
1は、その他端部で前記透析液収容室1a,1b,1
c,1d各々の透析液収容室側コネクタ20a,20
b,20c,20dに連結可能なコネクタ38a,38
b,38c,38dを有する。
【0100】供給管の一部である透析液流通管9bは、
その一端部に、前記透析液収容室1eの透析液収容室側
コネクタ20eに連結可能なコネクタ38eを有し、他
端部で、前記連絡管10と連結している。透析液流通管
9bのコネクタ38eと連絡管10との間には、第1バ
ルブの一部をなす第2常閉バルブ13が、設けられてい
る。前記連絡管10は、その一端部で前記排液回収室側
コネクタ36に連結可能なコネクタ39が設けられ、他
端部で患者の腹腔に外科手術により留置されたカテーテ
ル37のカテーテル側コネクタ40に連結可能なコネク
タ41が設けられている。
【0101】前記連絡管10において、その一端部と他
端部との途中で前記透析液流通管9aおよび9bと連結
している。前記透析液流通管9aおよび連絡管10の連
結点である分岐点Aとコネクタ41との途中には第4常
閉バルブ15が設けられ、前記透析液流通管9bおよび
連絡管10の連結点である分岐点Bとコネクタ39との
途中には第2バルブの一例である第3常閉バルブ14が
設けられている。
【0102】前記透析液流通管9a,9b,第1常閉バ
ルブ12および第2常閉バルブ13は、この発明におけ
る第1流通手段の主要部を構成する。
【0103】前記排液導入管35および第3常閉バルブ
14は、この発明における第2流通手段の主要部を構成
する。
【0104】前記第1〜第4常閉バルブ12,13,1
4,15は、常時は閉鎖状態となっているのであるが、
前記制御演算部16からの動作制御信号を入力すること
により開放状態になる。この実施例1における第1〜第
4常閉バルブ12,13,14,15は、全てチューブ
を外部から挟持することにより流路を遮断するソレノイ
ドピンチバルブである。流路の開閉を制御するためのバ
ルブとして、このソレノイドピンチバルブのように、内
部の透析液に接触せずに流路の開閉が可能であるバルブ
を採用すると細菌混入の危険性を著しく低減することが
できる。中でも、作動音の小さいバルブが好ましく、例
えばロータリー式のピンチバルブを特に好適に採用する
ことができる。
【0105】前記制御演算部16は、第1重量計測手段
25aから出力される透析液容器3a,3b,3c,3
dおよび最終透析液容器3eの重量計測データ、第2重
量計測手段25bから出力される排液回収室4の重量計
測データ、温度測定手段23から出力される温度測定デ
ータ、および前記圧力検出手段31aおよび31bから
出力される圧力検出データを入力し、これらの各種のデ
ータに基づく各種の演算、演算結果と内部記憶装置に格
納されている情報との比較による各種の判定または各部
の動作状態の監視等を行う。また、一定のフローに従
い、または前記判定または監視の結果に基づいて、前記
第1〜第4常閉バルブ12,13,14,15に動作制
御信号を出力し、ヒータ22に動作指令信号を出力し、
前記加圧手段7および減圧手段8に圧力制御信号を出力
し、これらの制御を行う。さらに、所定の異常状態が発
生したと判定したときには、前記圧力開放手段32a,
32bに開放指令信号を出力して異常な加圧状態および
/または減圧状態を回避し、および/または警報手段1
7に動作指令信号を出力して警報を発令させる。警報手
段17は、異常状態が発生した場合には前記制御演算部
16からの動作指令信号を受けて警報を発する。警報は
視覚的あるいは聴覚的信号をもって行われ、場合によっ
ては視覚的警報と聴覚的警報との両方が実行される。例
えば、この警報手段には、流通路異常を示すために点滅
可能な赤ランプ、流通路異常を示す警報音の発生可能な
警報音発生装置、合成音声により流通路異常を発令する
音声合成装置と合成音声を発生可能なスピーカとの組み
合わせなどが含まれる。
【0106】前記入力手段18は、例えば、透析液の注
入量、透析回数、透析時間など、透析に必要な諸条件等
を前記制御演算部16に入力することのできる、例えば
キーボードなどである。
【0107】前記出力表示手段19は、制御演算部16
の制御を受けつつ透析状態や各種の指示内容などを表示
するようになっており、例えばCRT装置、液晶表示装
置あるいは各種のランプ類およびこれらの組み合わせを
挙げることができる。
【0108】2.装置の操作および動作 以上構成の腹膜透析装置は次のようにして操作され、ま
た動作する。この腹膜透析装置を用いて患者の就寝中に
4回の透析を行い、4回目の透析が終了してから、5回
目の透析液を患者の腹腔内に注入し、次の就寝時までは
その透析液を腹腔内に貯留したままにする場合について
説明する。
【0109】(1) 透析液容器の連結、排液回収室の連結
等(準備) この腹膜透析装置の用いたCCPDを行うには、先ず、
前記入力手段18より、透析回数、透析液の注入量など
の透析操作に必要な諸データを制御演算手段16に入力
する。
【0110】次に、透析液が充填された透析液容器3
a,3b,3c,3d、最終透析液容器3eおよび空の
排液回収室4がこの装置に装着される。すなわち、透析
液が充填された透析液容器3a,3b,3c,3dおよ
び最終透析液容器3eは、前記第1重量計測用ベース2
4aに囲持されるように配置され、前記透析液収容室側
コネクタ20a,20b,20c,20dおよび20e
がコネクタ38a,38b,38c,38dおよび38
eに連結される。排液回収室4は排液容器6の内部に配
置され、排液回収室側コネクタ36がコネクタ39に連
結される。この連結の際には、第1〜第4常閉バルブ1
2,13,14,15は全て閉鎖状態になっている。
【0111】これらの連結が完了すると、第1重量計測
手段25aおよび第2重量計測手段25bにより、透析
液容器3a,3b,3c,3d、最終透析液容器3eお
よび排液回収室4の重量の計測が開始される。これら第
1重量計測手段25aおよび第2重量計測手段25b
は、制御演算部16に対し、重量計測データを継続的に
出力する。制御演算部16は入力される重量計測データ
を用いて透析液容器3a,3b,3c,3d、最終透析
液容器3eおよび排液回収室4の重量の時間あたりの変
化量を算出する。
【0112】そして、第1〜第4常閉バルブ12,1
3,14,15は全て閉鎖状態になっている状態におい
て、前記透析液容器3a,3b,3c,3d、最終透析
液容器3eおよび排液回収室4の重量に変化が生じてい
ないことを確認する。連結後に所定時間が経過した後も
重量に変化が認められるときは、制御演算部16は、透
析液の漏れが発生した、または第1〜第4常閉バルブ1
2,13,14,15による流路の閉鎖が完全でないと
判断し、連結が不良である等の表示を出力表示手段19
に表示させ、および/または警報手段17に警報を発す
るように動作指令信号を出力する。一方、制御演算部1
6が、連結が良好であり、液漏れ等の異常が発生してい
ないと判断した場合には、前記出力表示手段19に、連
結完了等の表示を行わせる動作指令信号を出力する。
【0113】(2) 第1洗浄操作およびプライミング操作 透析液収容室1a,1b,1c,1dおよび1e内に収
容されている透析液の温度は、ヒータ22、温度測定手
段23、および制御演算部16により監視され、また予
め設定された所定の温度に維持される。すなわち、温度
測定手段23から出力される温度測定データが制御演算
部16に入力され、制御演算部16において、入力手段
18により予め入力されている設定温度と前記温度測定
データに基づく測定温度とを比較し、測定温度が所定の
範囲内に維持されているか、あるいは所定の温度範囲か
ら外れているかを判定する。
【0114】制御演算部16は、測定温度が所定の設定
温度範囲内にあると判定するときには出力表示手段19
で例えば緑色ランプを点灯させるなどして、透析液収容
室1a,1b,1c,1dおよび1e内の透析液の温度
が適正範囲内に管理されていることを示す。一方、測定
温度が所定の設定温度範囲内にないと判定する場合に
は、出力表示手段19で例えば赤色ランプを点滅させる
などして、透析液収容室1a,1b,1c,1dおよび
1e内の透析液の温度が所定の温度範囲内にないことを
示すとともに、透析液収容室1a,1b,1c,1dお
よび1e内の透析液の温度が予め設定した温度よりも高
いと判断した場合には、ヒータ22による加温を停止さ
せ、あるいはヒータ22における通電量を減少させるこ
とにより透析液の温度を低下させ、透析液収容室1a,
1b,1c,1dおよび1e内の透析液の温度が予め設
定した温度よりも低いと判断した場合には、ヒータ22
における通電量を高めるか、あるいは通電時間を更に延
長させるかして、透析液を更に加温する。
【0115】このような判定および判定の結果に基づく
制御がなされることにより透析液収容室1a,1b,1
c,1dおよび1e内の透析液が所定の温度に維持され
る。さらに、制御演算部16は、透析液収容室1a,1
b,1c,1dおよび1e内の透析液の温度が所定の温
度範囲を超えた結果、加温を停止させる信号を出力し、
さらに所定時間経過したにもかかわらず温度が更に上昇
している等の異常事態が発生した場合には、前記警報手
段17に動作指令信号を出力する。警報手段17はその
動作指令信号を入力してアラーム音や音声による警報を
出力する。
【0116】(3) 第1回目の透析操作 (3-1) 排液の排出 透析を開始する場合、前回の透析のために患者の腹腔内
に貯留している除水後の透析液(「透析後透析液」また
は「排液」と称することがある。)を排出する必要があ
る。そのために、新たに透析を開始する前に、腹腔内の
除水後の透析液を排液回収室4内に回収する。
【0117】すなわち、制御演算部16は、減圧手段8
に対し動作制御信号を出力して容積式ポンプ27bを動
作させる。容積式ポンプ27bの動作により前記排液容
器6の減圧室5内の空気が排出され、減圧室5内は減圧
状態になる。
【0118】このとき、排液回収室4の外部の圧力は次
のようにして適正な圧力範囲内に制御される。すなわ
ち、この腹膜透析装置における圧力検出手段31bは、
排液容器6の減圧室5内の圧力を検出し、前記制御演算
部16に対して圧力検出データを出力する。制御演算部
16は、この圧力検出データに基づき所定の演算を行
い、前記減圧室5内の圧力が設定した圧力の範囲内であ
るか否かを判定する。その結果、所定の圧力範囲よりも
高い圧力であると判定した場合、すなわち所定の減圧が
達成されていないと判定した場合には、前記減圧手段8
に対して減圧制御信号を出力し、排気を継続して行わ
せ、あるいは排気速度を増加させる。一方、所定の範囲
の圧力範囲内であると判定した場合には、前記減圧手段
8に対して減圧制御信号を出力し、排気を停止し、ある
いは排気速度を減速させる。
【0119】制御演算部16による、このような判断お
よび制御が継続的になされることにより減圧室5内は所
定の減圧状態に維持される。
【0120】また、減圧室5内の圧力が、予め設定され
た許容範囲内の圧力よりも過剰に低下し、前記制御演算
部16が減圧手段8に対して排気を停止する減圧制御信
号を出力したにもかかわらず、減圧手段8による排気が
停止しないといった異常事態が発生した場合には、制御
演算部16は、圧力検出手段31bから入力する圧力検
出データを基に、その異常事態の発生を検知し、警報手
段17に対し警報を出力する動作指令信号を出力すると
同時に、圧力開放手段32bに対し開放指令信号を出力
する。この開放指令信号を受けた圧力開放手段32b
は、バルブ34bを開放し、減圧室5内に空気を導入す
る。このようにして減圧室5内の更なる減圧が回避さ
れ、この異常な減圧状態の発生による被害を最小限に押
さえることができ、例えば、患者の腹腔内壁に損傷を与
える等の最悪の事態の発生を回避することができる。
【0121】制御演算部16の出力する動作制御信号を
入力して、第1常閉バルブ12、第2常閉バルブ13を
閉鎖状態にする一方、前記第3常閉バルブ14および前
記第4常閉バルブ15を開放状態にする。そうすると、
減圧室5内、すなわち排液回収室4の外部が減圧状態に
なっているので、患者の体内に貯留していた透析後の排
液は、大気圧による押圧力によりカテーテル37、連絡
管10および導入管35内を流れ、排液回収室4内に強
制的に収容される。
【0122】このように、減圧室5内、すなわち排液回
収室4の外部が所定の減圧状態に維持されている状態に
おいて、患者の腹腔内に貯留された透析液の排出が行わ
れる。
【0123】この透析後の排液が前記カテーテル37側
のコネクタ40およびコネクタ41の連結部分を流れ、
これらのコネクタに付着する細菌が洗い流される。透析
後の透析液の排出は、腹腔内に貯留していた透析後の透
析液すなわち排液の全量が排液回収室4内に排出される
まで継続される。この間、上述の通り排液容器6の減圧
室5は所定の減圧状態に維持される。
【0124】患者の腹腔内から透析後透析液の全量が排
出されたことの判断は次のようにして行われる。
【0125】すなわち、腹腔内で透析を行うと体液が除
水されて注入した量以上の透析後透析液が腹腔内に貯留
される。この除水量は、患者の年齢、体重、腎臓の機能
の程度等により様々であるが、医学的経験から、患者毎
の除水量が推定することができる。そこで、予め入力手
段18を介して制御演算部16内の記憶装置に、その患
者の推定除水量を記憶させておく。あるいは、予め入力
手段18を介して、その患者の年齢、性別、病歴等を入
力することにより制御演算部16内でその患者の除水量
を推定値として算出し、制御演算部16内の記憶部に推
定除水量を記憶させておく。腹腔内に現実に注入された
透析液量は、第1重量計測手段25aから出力される計
測データから算出され、制御演算部16内の記憶装置に
注入透析液量として記憶されている。
【0126】一方、腹腔から排液容器6の排液回収室4
に回収される透析後透析液すなわち廃液の量は、第2重
量計測手段25bおよび制御演算部16により監視さ
れ、制御演算部16は、入力する計測データにより排液
回収室4に回収された液量が患者の前記除水量と記憶さ
れている注入透析液量との合計にほぼ等しいと判断した
場合に透析後の透析液(排液)の全量を回収したと判断
する。そして、第3常閉バルブ14および第4常閉バル
ブ15に対し動作制御信号を出力し、第3常閉バルブ1
4および第4常閉バルブ15を閉鎖状態にする。
【0127】以上のようにして、排液の排出が行なわ
れ、同時に細菌等による汚染の危険性のある部分の洗浄
操作とプライミング操作とが達成される。
【0128】(3-2) 透析液の注入 透析液収容室内の透析液の腹腔内への注入が次のように
して行われる。すなわち、制御演算部16は、加圧手段
7に対し動作制御信号を出力して容積式ポンプ27aを
動作させる。容積式ポンプ27aの動作により前記加圧
媒体充填室2a,2b,2c,2dおよび2e内に空気
が圧入され、前記透析液収容室1a,1b,1c,1d
および1eの周囲は加圧状態になる。
【0129】また、制御演算部16から動作制御信号が
第1常閉バルブ12および第4常閉バルブ15に出力さ
れて、第1常閉バルブ12および第4常閉バルブ15が
開放状態になる。このとき、第2常閉バルブ13および
第3常閉バルブ14は閉鎖状態のままである。
【0130】さらに、制御演算部16から動作制御信号
が透析液収容室1aと導出管21aとの連結部に設けら
れた開閉バルブ(図示しない)に出力されて、前記透析
液収容室1aと導出管21aとが連通する。これによ
り、透析液収容室1aの導出管21aと、前記透析液流
通管9aと、連絡管10と、カテーテル37とが一つの
流通路となる。
【0131】前記加圧媒体充填室2aは加圧状態になっ
ているので、透析液収容室1a内から、所定温度に加温
された透析液が、透析液流通路9aおよびカテーテル3
7を介して腹腔内に供給される。
【0132】このときにおいても、第1重量計測手段2
5aは透析液容器3aの重量を継続的に計測しており、
その計測データを制御演算部16に出力している。そし
て、制御演算部16では、前述したのと同様にして、透
析液収容室1a内の透析液の重量減少速度を演算してお
り、重量減少速度が所定の閾値以下もしくは閾値以上に
なり、あるいは0になっていないか否かを判定する。そ
して、正常な重量減少速度でもって透析液が腹腔内に供
給されていると判定すると、動作指令信号を出力して、
例えば出力表示手段19における正常動作を示す例えば
「緑ランプ」を点灯させる。
【0133】もし透析液収容室1aから導出された透析
液量が腹腔に注入するべく定められた透析液量になって
いないにもかかわらず、所定の重量減少速度が所定の閾
値以下もしくは閾値以上になり、あるいは0になったな
らば、それを検知した制御演算部16は、動作指令信号
を警報手段17に出力して患者に注意を喚起する。患者
はこの警報を受けて、透析液流通路が折れ曲がっていな
いか、あるいは透析液収容室1a内に残存する量と出力
表示手段19が表示する注入量とが一致しているか等を
検査し、可能であれば異常原因を除去する。
【0134】不通状態が解消すると、第1重量計測手段
25aから出力される重量計測データにより制御演算部
16は不通状態が解消されたことを認識し、警報を停止
させ、あるいは透析液の注入が正常に行われていること
を示す表示を出力表示手段19に表示させる。
【0135】制御演算部16は、第1重量計測手段25
aから継続的に入力される重量計測データにより、透析
液収容室1a内の透析液が全量排出され、または所定量
を残して排出されたことを確認して、透析液の注入完了
と判断する。透析液の注入完了と判断した制御演算部1
6は、出力表示手段19に注入完了の表示を実行させ、
第1常閉バルブ12および第4常閉バルブ15に動作制
御信号を出力して、これらの常閉バルブを閉鎖状態に切
り替える。
【0136】以上のようにして、透析液収容室1a内の
透析液の腹腔内への注入が完了する。腹腔内に注入され
た透析液は所定時間そのまま腹腔内に貯留され、腹膜透
析が行われる。
【0137】(4) 第2回目以後の透析 第1回目の透析が完了すると、第2回目の透析が行なわ
れる。第2回目の透析操作をする場合においても、第1
回目の透析操作により腹腔内に貯留された透析後透析液
を排液容器6の排液回収室4に排出する必要がある。こ
の透析後透析液の排出動作、透析後透析液全量の排出の
確認、排出中の減圧状態の監視等は、第1回目の透析操
作におけるのと同様にして行われる。
【0138】透析後透析液の排液回収室4への排出が完
了すると、所定温度に加温された透析液収容室1b内の
透析液が、腹腔内に注入される。このときの透析液の流
通路は導出管21b,透析液流通管9a、連絡管10お
よびカテーテル37によって形成される。
【0139】この透析液収容室1bからの腹腔内への透
析液の注入操作、注入中における流通路における流通状
態の監視等も、第1回目の透析液の注入と同様にして行
われる。
【0140】第2回目の透析において、透析液収容室1
bから腹腔内に、所定温度に維持された透析液が注入さ
れると、所定の時間第2回目の透析が行われる。第2回
目の透析が完了すると、第3回目の透析が行われる。
【0141】第3回目の透析操作をする場合において
も、第2回目の透析操作により腹腔内に貯留している透
析後透析液を排液容器6の排液回収室4に排出する必要
がある。この透析後透析液の排出は、第1回目の透析操
作におけるのと同様である。
【0142】透析後透析液の排液回収室4への排出が完
了すると、所定温度に維持された透析液収容室1c内の
透析液が腹腔内に注入される。このときの透析液の流通
路は導出管21c,透析液流通管9a、連絡管10およ
びカテーテル37によって形成される。この透析液収容
室1cからの腹腔内への透析液の注入も、第1回目の透
析液の注入と同じ操作により行われる。
【0143】第4回目の透析操作をする場合において
も、第3回目の透析操作により腹腔内に貯留している透
析後透析液を排液容器6の排液回収室4に排出する必要
がある。この透析後透析液の排出は、第1回目の透析操
作におけるのと同様である。
【0144】透析後透析液の排液回収室4への排出が完
了すると、透析液収容室1dの透析液が腹腔内に注入さ
れる。このときの透析液の流通路は導出管21d,透析
液流通管9a、連絡管10およびカテーテル37によっ
て形成される。この透析液収容室1dからの腹腔内への
透析液の注入も、第1回目の透析液の注入と同じ操作に
より行われる。第4回目の透析が完了すると、第5回目
の透析が行われる。
【0145】第5回目の透析操作をする場合において
も、第4回目の透析操作により腹腔内に貯留している透
析後透析液を排液容器6の排液回収室4に排出する必要
がある。この透析後透析液の排出は、第1回目の透析操
作におけるのと同様である。
【0146】透析後透析液の排液回収室4への排出が完
了すると、所定温度に維持された透析液収容室1e内の
透析液が腹腔内に注入される。このときの透析液の流通
路は導出管21e、透析液流通管9b、連絡管10およ
びカテーテル37によって形成される。この透析液収容
室1eからの腹腔内への透析液の注入も、第1回目の透
析液の注入と同じ操作により行われる。
【0147】第5回目すなわち最終の透析において、透
析液収容室1eから腹腔内に透析液の注入が完了する時
点が患者の起床時期になるように、第1回目の透析から
第5回目(最終)の透析の注入完了までの時間が調整さ
れる。
【0148】患者のほぼ起床時には、第5回目(最終)
の透析の腹腔内への透析液の注入が完了している。患者
は、カテーテル37側のコネクタ40をコネクタ41か
ら外し、キャップをカテーテル37側のコネクタ40に
装着する。この状態では、患者は、腹膜透析装置からは
自由な状態になっているので、日常生活をほぼ支障なく
営むことがでいる。そして、患者が日常生活を営んでい
る間に、腹腔内に貯留した透析液によって透析が行われ
る。
【0149】この第2回目以後の透析操作においても、
腹腔内に貯留されている透析後透析液を排液回収室4に
排出する際に、第2重量計測手段25bおよび制御演算
部16により、腹腔内から排液回収室4への排液の移送
中における流通路の不通状態が監視され、腹腔内に貯留
する透析後透析液全量が排出されたか否かが判定され、
全量が排出されたと確認されてから、透析液が腹腔内に
注入される。
【0150】この第2回目以後の透析操作においても、
腹腔内に貯留されている透析後透析液を排液回収室4に
排出する際に、第2重量計測手段25bおよび制御演算
部16により、前述したのと同様にして、カテーテル3
7の先端部から排液回収室4までの流通状態が監視さ
れ、流通異常が発生したときには警報手段17により警
報が発令されるようになっている。
【0151】この流体移送装置においては、1回の透析
毎に、腹膜に注入する透析液の量が制御演算部16にお
ける記憶装置に記憶され、また、排液回収室4に回収さ
れた透析後透析液の量が制御演算部16における記憶装
置に記憶される。制御演算部16では、毎回の透析終了
時には、透析後透析液量から、腹膜に注入した透析液量
を減算し、除水量を算出する。算出された毎回の除水量
が記憶装置に記憶させる一方、制御演算部16は除水量
を示すデータを出力表示手段19に出力することによ
り、出力表示手段19にて毎回の透析による除水量を表
示させる。更に、1日4回の透析が完了した時点で、5
回の透析による除水量を加算して1日の除水量を算出し
て、それを記憶装置に記憶させる一方、1日の除水量を
示すデータを出力表示手段19に出力することにより、
出力表示手段19にて1日の除水量を表示させる。所望
の場合には、出力表示手段19において、毎回の透析結
果としての除水量、1日の除水量、さらには過去のある
時点から現在までの透析結果としての除水量を、一覧表
あるいはグラフィック表示などでプリントアウトし、あ
るいはCRT画面に表示することができる。
【0152】−実施例2− 図2は、この発明の自動流体移送装置の一実施例である
腹膜透析装置の概略を示す。この実施例2の腹膜透析装
置は、実施例1における排液容器6および減圧手段8を
下記のように変形したものであり、変形していない部分
については実施例1と同様である。
【0153】実施例2における排液容器6は、排液回収
室4と減圧室5を有する。排液回収室4には、排液導入
管35が設けられる。その排液導入管35の先端部に
は、排液回収室側コネクタ36が備えられている。減圧
室5には、導出管42が設けられる。その導出管42の
先端部には、減圧室側コネクタ43が備えられている。
【0154】この排液容器6は第2重量計測用ベース2
4bに配置されている。第2重量計測用ベース24bは
第2重量計測手段25bと連結されており、排液容器6
の重量を正確に計測することができるように形成されて
いる。
【0155】実施例2における減圧手段8Aは、排液容
器6の減圧室5を減圧する作用を有する。減圧手段8A
は、減圧室側コネクタ43に接続可能なコネクタ44を
備えた排気管26cと、排気管26cに設けられた容積
式ポンプ27bと、緊急圧力開放用の圧力開放手段32
cとを有する。減圧手段8Aの動作は、排液容器6の減
圧室5内の減圧状態が最適になるように減圧制御手段に
より制御される。この減圧制御手段は、コネクタ44と
容積式ポンプ27bとの間の排気管26cの途中に設け
られ、排液容器6の減圧室5内の圧力を検出する圧力検
出手段31cと、圧力検出手段31cから出力される圧
力検出データを入力し、この圧力検出データに基づき減
圧室5内の圧力が所定の値になるように、減圧手段8A
特に容積式ポンプ27bに圧力制御信号を発する前記制
御演算部16とを有する。
【0156】前記圧力開放手段32cは、コネクタ44
と容積式ポンプ27bとの間の排気管26cの途中から
分岐した空気流通管33cと、空気流通管33cに装着
されたバルブ34cと、このバルブの開閉を制御する制
御演算部16とからなる。
【0157】実施例2における排液容器6は、排液回収
室側コネクタ36および減圧室側コネクタ43を、それ
ぞれコネクタ39およびコネクタ44に接続することに
よって配管され、透析が行われ、透析終了後は排液回収
室側コネクタ36および減圧室側コネクタ43を、それ
ぞれコネクタ39およびコネクタ44から取りはずすこ
とでディスポーザブル部品として使用することができ
る。
【0158】実施例2における排液容器6は排液回収室
4および減圧室5を有する。この排液容器6は、排液容
器6全体の容積変化はないが、排液回収室4および減圧
室5が容積変化を起こして変形することができる構造を
有する。排液容器6としては、例えば排液回収室4に柔
軟性部材を用い、減圧室5に硬質部材を用いた前記二重
構造の排液容器6、あるいは排液回収室4および減圧室
5における容積変化により変形する部分を柔軟性部材で
形成し、減圧室5の排液回収室4に接しない部分を硬質
部材で形成した前記隣接構造の排液容器6等を挙げるこ
とができる。
【0159】実施例2における排液容器6の他の例とし
ては、減圧室5を減圧手段8Aにより減圧した際、減圧
室5が大気圧に押しつぶされないように形成されるのが
好ましいので、排液容器6の排液回収室4および減圧室
5を、柔軟性部材だけで形成するよりも、減圧室5が大
気圧に押しつぶされないように減圧室5に硬質部材の補
強材を組み合わせる方が、減圧力を効率よく減圧室5か
ら排液回収室4へ伝えるという点で好ましい。
【0160】実施例2における排液容器6では、減圧手
段8Aにより排気管26cを通じて、減圧室5内が減圧
される。減圧室5内の容積は減少し、逆に排液回収室4
内の容積は増加する。そして排液回収室4内に排液が回
収される。
【0161】実施例2における腹膜透析装置は、実施例
1の場合よりも、排液容器6をより軽量で小型にするこ
とができる。なお、上記以外の装置の動作、透析操作に
ついては実施例1と同様である。
【0162】−実施例3− この発明に係る自動流体移送装置例えば腹膜透析装置に
使用される第1容器としては、種々の構成を挙げること
ができる。
【0163】例えば、図3に示されるように、内側に柔
軟性部材で形成した透析液収容室1を有し、しかも外側
にも柔軟性部材で形成した加圧媒体充填室2を有するよ
うな二重構造のバッグを挙げることができる。
【0164】例えば、図4に示されるように、柔軟性部
材で形成されていて、容積変化を起こすことができる隣
り合う二つの室を、透析液収容室1および加圧媒体充填
室2として有する隣接構造のバッグを挙げることができ
る。
【0165】例えば、図5に示されるように、内側に柔
軟性部材で形成した透析液収容室1を有し、しかも外側
には硬質部材で形成した加圧媒体充填室2を有するよう
な二重構造の透析液容器を挙げることができる。
【0166】例えば、図6に示されるように、柔軟性部
材と硬質部材とで形成されていて、容積変化を起こすこ
とができる隣り合う二つの室を、透析液収容室1および
加圧媒体充填室2として有する隣接構造の透析液容器を
挙げることができる。
【0167】また、第2容器として例えば、図7に示さ
れるように、内側に柔軟性部材で形成した排液回収室4
を有し、しかも外側には硬質部材で形成した減圧室5を
有するような二重構造の排液容器を挙げることができ
る。
【0168】図8に示されるように、柔軟性部材と硬質
部材とで形成されていて、容積変化を起こすことができ
る隣り合う二つの室を、排液回収室4および減圧室5と
して有する隣接構造の排液容器を挙げることができる。
【0169】
【発明の効果】この発明によると、簡略かつ機構が簡単
な小型の自動流体移送装置たとえば腹膜透析装置を提供
することができる。
【0170】この発明によると、患者の就寝中において
も確実に、かつ自動的に透析操作を行うことのできる腹
膜透析装置を提供することができる。
【0171】この発明によると、患者自身が操作しても
細菌による汚染を生じることがなく、確実に透析操作を
実施することのできる腹膜透析装置を提供することがで
きる。
【0172】この発明によると、患者が布団就寝である
とベット就寝であるとを問わず、すなわち、患者の横た
わる位置に関係なく安全に、かつ確実に腹膜透析を行う
ことのできる腹膜透析装置を提供することができる。
【0173】この発明によると、騒音を発せず、患者の
安眠を妨げずに安全に、しかも確実に自動腹膜透析を行
うことのできる腹膜透析装置を提供することができる。
【0174】この発明によると、従来の腹膜透析装置よ
りも省スペース化が達成された腹膜透析装置を提供する
ことができる。
【0175】この発明によると、複雑な回路の取り回し
や特別なディスポーザブル部品を必要とせずに、上記目
的のいずれかまたは全てを達成することのできる腹膜透
析装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける自動腹膜装置を示す概略図である。
【図2】図2は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける自動腹膜装置を示す概略図である。
【図3】図3は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける二重構造のバッグを示す概略図である。
【図4】図4は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける隣接構造のバッグを示す概略図である。
【図5】図5は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける二重構造の透析液容器を示す概略図である。
【図6】図6は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける隣接構造の透析液容器を示す概略図である。
【図7】図7は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける二重構造の排液容器を示す概略図である。
【図8】図8は、この発明の自動移送装置の一実施例に
おける隣接構造の排液容器を示す概略図である。
【符号の説明】 1a,1b,1c,1d,1e・・・透析液収容室、2
a,2b,2c,2d,2e・・・加圧媒体充填室、3
a,3b,3c,3d・・・透析液容器、3e・・・最
終透析液容器、4・・・排液回収室、5・・・減圧室、
6・・・排液容器、7・・・加圧手段、8、8A・・・
減圧手段、9a,9b・・・透析液流通管、10・・・
連絡管、11・・・支管、12・・・第1常閉バルブ、
13・・・第2常閉バルブ、14・・・第3常閉バル
ブ、15・・・第4常閉バルブ、16・・・制御演算
部、17・・・警報手段、18・・・入力手段、19・
・・出力表示手段、20a,20b,20c,20d,
20e・・・透析液収容室側コネクタ、21a,21
b,21c,21d,21e・・・導出管、22・・・
ヒータ、23・・・温度測定手段、24a・・・第1重
量計測用ベース、24b・・・第2重量計測用ベース、
25a・・・第1重量計測手段、25b・・・第2重量
計測手段、26a,26b,26c・・・排気管、27
a,27b・・・容積式ポンプ、28a,28b,28
c,28d,28e・・・コネクタ、29・・・加圧支
管、30a,30b,30c,30d,30e・・・加
圧媒体充填室側コネクタ、31a,31b,31c・・
・圧力検出手段、32a,32b,32c・・・圧力開
放手段、33a,33b,33c・・・空気流通管、3
4a,34b,34c・・・バルブ、35・・・排液導
入管、36・・・排液回収室側コネクタ、37・・・カ
テーテル、38a,38b,38c,38d,38e・
・・コネクタ、39・・・コネクタ、40・・・カテー
テル側コネクタ、41・・・コネクタ、42・・・導出
管、43・・・減圧室側コネクタ、44・・・コネク
タ。
フロントページの続き Fターム(参考) 4C077 AA06 BB01 CC02 DD01 DD07 DD21 DD26 EE03 EE04 GG02 HH02 HH13 HH14 HH16 HH21 JJ02 JJ15 JJ16 KK09 KK23 KK25 PP12 PP13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体を収容する収容室と前記収容室を加圧
    する加圧室とを有する第1容器と、前記加圧室内を加圧
    することにより前記流体を所定の部所に供給する流体供
    給手段と、前記所定の部所にある流体を収容可能な第2
    容器と、前記第2容器内を減圧することにより前記流体
    を第2容器内に強制収容する流体吸引手段とを備えてな
    ることを特徴とする自動流体移送装置。
  2. 【請求項2】前記流体供給手段が、前記第1容器におけ
    る加圧室内を加圧する加圧手段と、前記加圧手段の制御
    を行なう加圧制御手段と、前記流体を前記第1容器から
    所定の部所に供給する第1流通手段とを有してなる前記
    請求項1に記載の自動流体移送装置。
  3. 【請求項3】前記流体吸引手段が、前記第2容器内を減
    圧する減圧手段と、前記減圧手段の制御を行なう減圧制
    御手段と、前記所定の部所に収容された流体を前記第2
    容器内に導入させる第2流通手段とを有してなる前記請
    求項1および2のいずれか1項に記載の自動流体移送装
    置。
  4. 【請求項4】前記流体が透析液であり、前記収容室が透
    析液収容室であり、前記加圧室が加圧媒体充填室であ
    り、前記第1容器が前記透析液収容室と前記加圧媒体充
    填室とを有する透析液容器であり、前記流体供給手段が
    透析液供給手段であり、前記所定の部所が患者の腹腔内
    であり、前記第2容器が流体を収容する排液回収室と前
    記排液回収室内を減圧にする減圧室とを有する排液容器
    であり、前記流体吸引手段が減圧室内の減圧媒体を排出
    することにより前記排液回収室内を減圧にする排液吸引
    手段であり、自動流体移送装置が腹膜透析装置である前
    記請求項1に記載の自動流体移送装置。
  5. 【請求項5】前記流体が透析液であり、前記流体供給手
    段が透析液供給手段であり、前記第1容器が前記収容室
    である透析液収容室と前記加圧室である加圧媒体充填室
    とを有する透析液容器であり、前記所定の部所が患者の
    腹腔内であり、前記第1流通手段が透析液流通手段であ
    り、自動流体移送装置が腹膜透析装置である前記請求項
    2に記載の自動流体移送装置。
  6. 【請求項6】前記流体が透析液であり、前記流体吸引手
    段が排液吸引手段であり、前記第2容器が流体を収容す
    る排液回収室と前記排液回収室内を減圧にする減圧室と
    を有する排液容器であり、前記所定の部所が患者の腹腔
    内であり、前記第2流通手段が排液流通手段であり、自
    動流体移送装置が腹膜透析装置である前記請求項3に記
    載の自動流体移送装置。
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