JP3378126B2 - 真空処理装置および半導体装置の製造方法 - Google Patents

真空処理装置および半導体装置の製造方法

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JP3378126B2
JP3378126B2 JP22515895A JP22515895A JP3378126B2 JP 3378126 B2 JP3378126 B2 JP 3378126B2 JP 22515895 A JP22515895 A JP 22515895A JP 22515895 A JP22515895 A JP 22515895A JP 3378126 B2 JP3378126 B2 JP 3378126B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体ウェハの
エッチング処理に好適な真空処理装置およびこの真空処
理装置を用いた半導体装置の製造方法に関し、特に、装
置の腐食にともなう発塵に起因する半導体ウェハなどの
処理対象物の汚染を防止するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の真空処理装置の正面断面図
である。この真空処理装置は、半導体ウェハへエッチン
グ処理を行うための装置である。また、図10は図9の
真空処理装置に用いられる電極板の正面断面図である。
【0003】これらの図において、1はガス拡散板とし
ても機能する電極板、1aはアルミニウムで構成される
電極板母材、1bは電極板母材1aの表面に導電面を除
いて溶射された耐食性を有する保護膜、1cはガスが通
過するガス通過孔、1dは導電面、2は電極板1を保護
するガラス板、3は電極板1を装着し電極本体として機
能する蓋、3aは蓋3の電極板1と当接して電気的に接
触する導電面を除いた内側壁面に溶射された耐食性を有
する保護膜、4は蓋3とともに内部に真空室を形成する
下部チャンバー、5は蓋3と下部チャンバー4の間を密
閉するためのOリングシール、6は電極ステージ、7は
電極ステージ6上に載置された処理対象としてのシリコ
ンウエハ、8は真空室にガスを導入するためのガス導入
口、9は真空室を排気するための真空排気口、12は電
極ステージに高周波電圧を印加する高周波電源、そし
て、51は下部チャンバー4と蓋3とで内部に形成され
る真空室である。
【0004】蓋3と下部チャンバー4とは、内部に真空
室51を形成する容器を構成している。そして、蓋3の
底面すなわち内側壁面の中央部には窪み部3bが形成さ
れており、この窪み部3bにガス導入口8が開口してい
る。また、電極板1は窪み部3bの周縁に沿って設けら
れた環状の台座部3cにおいて蓋3と当接している。電
極板1のガス通過孔1cは、この窪み部3bに開口して
いる。また、電極ステージ6は、ガス通過孔1cから噴
出するガスがシリコンウエハ7へと向かうように、ガス
通過孔1cに対向する位置に設置されている。
【0005】この真空処理装置はつぎのように動作す
る。すなわち、処理対象となるシリコンウエハ7を電極
ステージ6の上に載置した後、真空排気口9に連結する
図示しない真空ポンプを駆動することによって、真空排
気口9を通じて真空室51を真空引きする。
【0006】真空室51が所定の真空に達した後、ガス
導入口8に連結する図示しないガス導入装置を動作させ
ることによって、ガス導入口8を通じてエッチングガス
を真空室51へと導入する。ガス導入口8を通過したエ
ッチングガスは、蓋3の底面中央部の窪み部3bへと一
旦導入され、さらに、ガス通過孔1cを通過することに
よって真空室51へと導入される。そして、導入された
エッチングガスはシリコンウエハ7の表面へと向かう。
【0007】ガス導入口8からエッチングガスを導入し
つつ、高周波電源12を駆動することによって、電極ス
テージ6と蓋3との間に高周波を印加する。その結果、
シリコンウエハ7の表面にエッチング処理が進行する。
【0008】上述したように、蓋3の内側表面、および
電極板1の表面などのエッチングガスに触れる部分は、
保護膜3aおよび保護膜1bでそれぞれ覆われている。
そうすることによって、腐食性の強い気体であるエッチ
ングガスによる蓋3および電極板1の腐食を抑えてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電極板1は
電極本体として機能する蓋3とは電気的に接続されてい
なければならない。このため、図10に示すように、電
極板1の表面を覆う保護膜1bは、蓋3と当接する面で
ある導電面1dには形成されない。同じく、蓋3の表面
を覆う保護膜3aは、導電面1dと接触する台座部3c
の導電面には形成されない。しかしながら、エッチング
ガスはこれらの導電面へも侵入するので、この部分で腐
食が進行するという問題点があった。
【0010】さらに、エッチングガスが通過するガス通
過孔1cの内壁へ保護膜1bのもとになる材料を溶射し
て、内壁に保護膜1bを均一に形成するのは容易ではな
いために、この部分の耐食性が劣るという問題点があっ
た。
【0011】これらの部分での腐食の進行は、電極板1
および蓋3の寿命を短縮するだけでなく、真空室におけ
る発塵の原因ともなっていた。そして、発塵のためにシ
リコンウエハ7が汚染され、半導体装置の歩留まりが低
下するという問題点があった。同時に、真空室の除染を
行う必要から、真空処理装置の稼動率が低下するという
問題点があった。
【0012】この発明は、従来の技術における上記した
問題点を解消するためになされたもので、電極板および
蓋の腐食を抑えて、寿命の短縮を抑えるとともに、発塵
による処理対象物の汚染を抑えることを可能にする真空
処理装置を得ることを目的とする。さらに、半導体ウエ
ハの汚染を抑えて半導体装置を高い歩留まりで製造する
ことを可能にする半導体装置の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】第1の発明の装置は、真
空室を内部に形成する容器の一部をなす電極本体の内側
壁面に、ガス導入口が開口する窪み部とその周縁に沿っ
た台座部とが設けられており、前記窪み部を覆うととも
に前記台座部と電気的に接続されるように当該台座部に
電極板が固定され、当該電極板には前記窪み部に一端が
開口するガス通過孔が設けられており、前記ガス通過孔
の他端に対向する前記真空室内の位置に、処理対象物を
設置する電極ステージがさらに設けられており、前記電
極本体と前記電極ステージとの間に高周波を印加しつつ
前記ガス導入口から処理ガスを前記真空室へ導入するこ
とによって、前記処理対象物に処理を施す真空処理装置
において、相互に当接して電気的に接続される環状の導
電面を除いて、前記電極本体の内側壁面と前記電極板の
表面とが、耐食性材料から成っており、前記環状の導電
面の内側と外側とに隣接して当該導電面を前記窪み部と
前記真空室からそれぞれ遮蔽するリングシールすなわ
ち環状のシールが配設されていることを特徴とする。
【0014】第2の発明の装置は、第1の発明の真空処
理装置において、前記ガス通過孔が複数個であって、当
該複数個のガス通過孔のそれぞれの内壁が、個別に圧入
された耐食性材料の筒状体で形成されており、前記電極
板の表面が、前記導電面と前記ガス通過孔の内壁面とを
除いて、耐食性材料を溶射することによって形成された
保護膜で覆われていることを特徴とする。
【0015】第3の発明の装置は、第1の発明の真空処
理装置において、前記電極板が、前記導電面を有する環
状部材と、耐食性材料で構成され前記環状部材の開口部
に挿入固定されたガス通過孔ブロックと、を有してお
り、前記ガス通過孔が複数個であって、当該複数個のガ
ス通過孔は、前記ガス通過孔ブロックに形成されている
ことを特徴とする。
【0016】第4の発明の装置は、第3の発明の真空処
理装置において、前記ガス通過孔ブロックは、前記環状
部材の前記開口部に着脱可能に挿入固定されていること
を特徴とする。
【0017】第5の発明の装置は、第1の発明の真空処
理装置において、前記電極板の表面が、前記導電面を除
いて、成型後に焼成されたセラミックで覆われているこ
とを特徴とする。
【0018】第6の発明の装置は、第1の発明の真空処
理装置において、前記電極板の表面が、前記導電面を除
いて、注形された樹脂で覆われていることを特徴とす
る。
【0019】第7の発明の装置は、第1の発明の真空処
理装置において、筒状で耐食性の遮蔽体が、前記ガス導
入口の開口部と前記ガス通過孔の開口部とを囲むよう
に、前記窪み部に装着されており、当該筒状の遮蔽体の
一端面は別のリングシールを挟んで前記窪み部の表面に
密着し、他端面はさらに別のリングシールを挟んで前記
電極板の表面に密着していることを特徴とする。
【0020】第8の発明の装置は、真空室を内部に形成
する容器の一部をなす電極本体の内側壁面に、ガス導入
口が開口する窪み部とその周縁に沿った台座部とが設け
られており、前記窪み部を覆うとともに前記台座部と電
気的に接続されるように当該台座部に電極板が固定さ
れ、当該電極板には前記窪み部に一端が開口するガス通
過孔が設けられており、前記ガス通過孔の他端に対向す
る前記真空室内の位置に処理対象物を設置する電極ステ
ージがさらに設けられており、前記電極本体と前記電極
ステージとの間に高周波を印加しつつ前記ガス導入口か
ら処理ガスを前記真空室へ導入することによって、前記
処理対象物に処理を施す真空処理装置において、相互に
当接して電気的に接続される環状の導電面を除いて、前
記電極本体の内側壁面と前記電極板の表面とが、耐食性
材料から成っており、筒状で耐食性の遮蔽体が、前記ガ
ス導入口の開口部と前記ガス通過孔の開口部とを囲むよ
うに、前記窪み部に装着されており、当該筒状の遮蔽体
の一端面はリングシールを挟んで前記窪み部の表面に密
着し、他端面は別のリングシールを挟んで前記電極板の
表面に密着していることを特徴とする。
【0021】第9の発明の製造方法は、第1ないし第8
のいずれかの発明の真空処理装置を準備する工程と、半
導体ウェハを準備する工程と、前記半導体ウェハを前記
電極ステージに設置する工程と、前記真空室内を真空引
きする工程と、前記ガス導入口を通じて前記真空室内へ
処理ガスを供給する工程と、前記処理ガスを供給する工
程と同時に前記電極本体と前記電極ステージの間に高周
波を印加することによって、前記半導体ウェハに処理を
施す工程と、を備えることを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
<実施の形態1>図2は実施の形態1の真空処理装置の
正面断面図である。この真空処理装置は、半導体ウェハ
へエッチング処理を行うための装置である。また、図3
は、図2の装置の電極板の平面図である。そして、図1
は、図3の電極板のA−A切断線に沿った断面図であ
る。なお、図9および図10に示した従来装置と同一部
分には同一符号を付して、その詳細な説明を略する。
【0023】図1〜図3において、10は電極板、11
は耐食性の樹脂などで構成されるOリングシール(リン
グシール)、14はガスが通過する複数のガス通過孔、
15はアルミニウムなどの導電性金属で構成される電極
板母材、16は電極板母材15の表面に導電面19を除
いて溶射された耐食性を有する保護膜、17は電極板母
材15とは別体品でガス通過孔14の内壁を形成してい
る複数の筒状体、18は環状の導電面19の内側と外側
に環状に形成されOリング11を配設するための環状溝
である。
【0024】電極板10は、導電面19が蓋(電極本
体)3の台座部3cに当接し、ガス通過孔14が窪み部
3bに開口するような位置関係をもって、蓋3へと固定
されている。そして、導電面19とこれに当接する台座
部3cの導電面とには、保護膜16,3aは形成されて
いないために、それらは直接に当接することによって、
互いに電気的に接続されている。
【0025】また、環状の導電面19の内側と外側にそ
れぞれ隣接して環状溝18が形成されており、しかもこ
の環状溝18にはOリングシール11が配設されている
ので、保護膜16,3aで覆われない導電面19とこれ
に当接する台座部3cの導電面への腐食性のエッチング
ガスの侵入が阻止される。すなわち、電極板10および
蓋3において、電気的接続を保障するために保護膜で覆
うことのできない環状の領域は、Oリングシール11で
密閉されることによって、真空室51内のエッチングガ
スから遮蔽されている。このため、この保護膜で覆われ
ない領域においても、腐食性ガスの作用による腐食の進
行が抑えられる。
【0026】また、図1に示すように、筒状体17は、
外方に張出すフランジ状部を一端に有し、ガス通過孔1
4を内部に有しており、例えば耐食性のセラミック材
(一例として、アルミナ「AL203」)などで構成さ
れている。そして、複数の筒状体17は、電極板母材1
5の中央領域に形成された複数の貫通孔に個別に圧入さ
れさらに接着されることによって、電極板母材15と一
体化される。この圧入接着の後に、電極板母材15の表
面に保護膜16が形成される。図1に示すように、保護
膜16は、電極板母材15と保護膜16との接続部をも
覆うように形成される。
【0027】このように、ガス通過孔14の内壁が、耐
食性の筒状体17で形成されているので、ガス通過孔1
4の内壁に保護膜16を形成する必要がない。このた
め、ガス通過孔14の内壁においても、良好な耐食性が
保障される。
【0028】以上のように、この実施の形態の装置で
は、蓋3および電極板10において、保護膜で保護し得
ない部分への腐食性のエッチングガスの侵入が阻止され
るとともに、エッチングガスに触れる部分では良好な耐
食性が保障される。このため、蓋3および電極板10の
寿命が高まるとともに、腐食の進行にともなう発塵に起
因するシリコンウエハ7等の処理対象物の汚染が抑えら
れる。
【0029】したがって、従来装置を用いた方法と同様
の手順で、この実施の形態の装置を用いてシリコンウエ
ハ7などの半導体ウェハの処理を行うことによって、高
い歩留まりで半導体装置を製造することが可能である。
また、装置の除染に要する時間を短縮できるので、多数
の半導体ウェハの処理を能率よく行い得る。
【0030】<実施の形態2>図4は、実施の形態2の
電極板の縦断面図である。また、図5は、この電極板の
構成部品であるガス通過孔ブロックの斜視分解図であ
る。図4および図5において、20は電極板、25はア
ルミニウムなどの導電性金属で構成され、中央に円形の
開口部を有する環状の電極板母材、26は電極板母材2
5の表面に導電面29を除いて溶射された耐食性を有す
る保護膜、28は環状の導電面29の内側と外側に環状
に形成されOリング11を配設するための環状溝であ
る。電極板母材25と保護膜26とで環状部材27が構
成されている。
【0031】また、21は環状部材27の開口部に取り
付けられたガス通過孔ブロックであり、開口部に挿入さ
れるガス通過孔ブロック本体22と、この本体22を環
状部材27に固定するためのリング23とを有してい
る。ガス通過孔ブロック本体22は、外方に張出すフラ
ンジ状部を一端に有する円柱状であり、しかも、複数の
ガス通過孔24がその一端と他端との間を貫通してい
る。
【0032】環状部材27の開口部に挿入されたガス通
過孔ブロック本体22は、その一端がフランジ状部によ
って係止される。さらに、ガス通過孔ブロック本体22
の外側面とリング23の内側面とには、互いに螺合可能
なネジが形成されている。ガス通過孔ブロック本体22
の他端にリング23をねじ込むことによって、ガス通過
孔ブロック21が環状部材27へと着脱自在に固定され
ている。
【0033】ガス通過孔ブロック本体22およびリング
23は、例えば、筒状体17と同様の耐食性のセラミッ
ク材(一例として、アルミナ「AL203」)などで構
成される。すなわち、複数のガス通過孔14ごとに筒状
体17が個別に挿入されていた電極板10に対して、こ
の実施の形態の電極板20では、すべてのガス通過孔2
4が一体のガス通過孔ブロック本体22で形成されてい
る点が特徴的に異なっている。
【0034】電極板20は、電極板10と同様に、導電
面29が蓋3の台座部3cに当接し、ガス通過孔24が
窪み部3bに開口するような位置関係をもって、蓋3へ
と固定される。環状溝28にはOリングシール11が配
設されているので、保護膜26,3aで覆われない導電
面29とこれに当接する台座部3cの導電面への腐食性
のエッチングガスの侵入が阻止される点も、実施の形態
1と同様である。
【0035】また、ガス通過孔24の内壁が、耐食性の
ガス通過孔ブロック本体22で形成されているので、ガ
ス通過孔24の内壁に保護膜を形成する必要がない。こ
のため、ガス通過孔24の内壁においても、良好な耐食
性が保障される。このように、この実施の形態の装置に
おいても、蓋3および電極板20の保護膜で保護し得な
い部分への腐食性のエッチングガスの侵入が阻止される
とともに、エッチングガスに触れる部分では良好な耐食
性が保障されるので、蓋3および電極板20の寿命が高
まるとともに、腐食の進行にともなう発塵に起因するシ
リコンウエハ7等の処理対象物の汚染が抑えられる。
【0036】さらに、複数のガス通過孔24ごとに複数
の耐食性の部材を準備する必要がないのに加えて、圧入
接着を行う必要もないので、装置の組立てが安価かつ容
易に行われるという利点がある。
【0037】<実施の形態3>図6は、実施の形態3の
電極板の縦断面図である。図6において、30は電極
板、35はアルミニウムなどの導電性金属で構成され、
中央部に複数の貫通孔を有する電極板母材、36は電極
板母材35の表面に導電面39を除いて形成された耐食
性を有する保護膜、38は環状の導電面29の内側と外
側に環状に形成されOリング11を配設するための環状
溝である。
【0038】保護膜36は、例えば樹脂を型に流し込む
ことで、電極板母材35の表面を所定の厚さで覆うよう
にし、その後、硬化させることによって形成される。す
なわち、注形処理によって電極板母材35と一体的に形
成される。このとき、電極板母材35の中央部の貫通孔
ごとに、ガス通過孔34がそれぞれ形成される。そし
て、各ガス通過孔34の内壁は保護膜36によって覆わ
れる。また、保護膜36は、樹脂の代わりに、例えばア
ルミナなどのセラミックの粉末を所定の形状に成型した
後、焼成することによって、電極板母材35と一体的に
形成してもよい。
【0039】電極板30は、電極板10,20と同様
に、導電面39が蓋3の台座部3cに当接し、ガス通過
孔34が窪み部3bに開口するような位置関係をもっ
て、蓋3へと固定される。環状溝38にはOリングシー
ル11が配設されているので、保護膜36,3aで覆わ
れない導電面39とこれに当接する台座部3cの導電面
への腐食性のエッチングガスの侵入が阻止される点も、
実施の形態1,2と同様である。
【0040】また、電極板母材35の中央部に形成され
る複数の貫通孔は、径を十分に大きくしておき、保護膜
36の厚さを調節することでガス通過孔34を所望の径
に形成することができる。すなわち、ガス通過孔34の
内壁に保護膜36を形成するのに困難をともなわない。
このため、ガス通過孔34の内壁においても、良好な耐
食性が保障される。
【0041】このように、この実施の形態の装置におい
ても、蓋3および電極板30の保護膜で保護し得ない部
分への腐食性のエッチングガスの侵入が阻止されるとと
もに、エッチングガスに触れる部分では良好な耐食性が
保障されるので、蓋3および電極板30の寿命が高まる
とともに、腐食の進行にともなう発塵に起因するシリコ
ンウエハ7等の処理対象物の汚染が抑えられる。
【0042】また、溶射によって形成された電極板10
の保護膜16に比べて、この実施の形態の保護膜36で
は、膜厚を容易に大きくすることができるのに加えて、
ガス通過孔34においても電極板母材35と一体的に形
成されるので、電極板30の寿命がさらに向上する。さ
らに、複数のガス通過孔34ごとに複数の耐食性の部材
を準備する必要がないのに加えて、圧入接着を行う必要
もないので、装置の組立てが安価かつ容易に行われると
いう利点がある。
【0043】<実施の形態4>図7は実施の形態4の真
空処理装置の正面断面図である。この真空処理装置は、
半導体ウェハへエッチング処理を行うための装置であ
る。また、図8は、図7の装置の遮蔽体の平面図であ
る。
【0044】この実施の形態では、エッチングガスの導
電面19への侵入を阻止する円筒状の遮蔽体40が、蓋
3の窪み部3bに設置されている点が、実施の形態1の
真空処理装置とは特徴的に異なっている。円筒状の遮蔽
体40は、電気絶縁性で耐食性の高い材料、例えばフッ
素樹脂で構成されている。そして、その両端面には環状
溝48が形成されており、これらの環状溝48にはOリ
ングシール43が配設されている。
【0045】そして、遮蔽体40の一端面は窪み部3b
の天井部に当接し、他端面は電極板10の上面に当接す
る。しかも、遮蔽体40は、ガス導入口8の開口部およ
びガス通過孔14を囲むように、言い替えると、遮蔽体
40の内側空洞部にガス導入口8とガス通過孔14とが
開口するような位置に設置される。
【0046】ガス導入口8から窪み部3bへと導入され
たばかりのエッチングガス、すなわち環状の導電面19
の内側に存在するエッチングガスは、導電面19の外側
に存在するガスに比べて濃度が高く、しかも未反応であ
るために、腐食性が特に高くなっている。しかしなが
ら、窪み部3bへ導入された腐食性の高いエッチングガ
スは、遮蔽体40およびOリングシール43に阻止され
て、導電面19へ直接には侵入し得ない。
【0047】Oリングシール11によっても、導電面1
9へのガスの侵入は阻止されるが、遮蔽体40を設ける
ことによって、二重に遮蔽がなされることとなり、導電
面19およびこれに当接する台座部3cの部分の腐食が
一層効果的に抑制される。その結果、電極板10および
蓋3の寿命がさらに向上する。また、電極板10の代わ
りに、従来の電極板1を用いたときにも、遮蔽体40を
設置することで、導電面1dおよびこれに当接する台座
部3cの部分の腐食を抑制する効果が得られる。
【0048】
【発明の効果】第1の発明の装置では、環状の導電面が
内側と外側とに隣接するリングシールすなわち環状のシ
ールによって窪み部と真空室からそれぞれ遮蔽されて
いるので、導電面への処理ガスの侵入が阻止される。し
かも、真空室に露出する部分すなわち処理ガスに曝され
る部分の表面は耐食性材料から成っている。このため、
電極本体および電極板の腐食が抑えられ、これらの寿命
が向上する。また、腐食にともなう発塵が抑えられるの
で、処理対象物の汚染も低減される。
【0049】第2の発明の装置では、電極板に複数個の
ガス通過孔が設けられているので、処理対象物へ供給さ
れる未反応の処理ガスの濃度の均一性が向上する。そし
て、電極板の表面を形成する耐食性材料が、溶射によっ
て保護膜として形成されたものであるために、電極板の
製造が容易である。また、複数個のガス通過孔のそれぞ
れの内壁には溶射が行われず、その代わりに、これらの
内壁が、個別に圧入された耐食性材料の筒状体で形成さ
れているので、溶射による保護膜の形成が困難なこれら
の内壁においても良好な耐食性が保障される。
【0050】第3の発明の装置では、電極板に複数個の
ガス通過孔が設けられているので、処理対象物へ供給さ
れる未反応の処理ガスの濃度の均一性が向上する。そし
て、これらのガス通過孔が、耐食性材料で構成されたガ
ス通過孔ブロックに形成されており、各ガス通過孔ごと
にその内壁を耐食性材料で個別に形成する必要がないの
で、電極板の製造が容易である。
【0051】第4の発明の装置では、ガス通過孔ブロッ
クが環状部材の開口部に着脱可能に挿入固定されている
ので、電極板の製造がさらに容易である。
【0052】第5の発明の装置では、導電面を除いた電
極板の表面が、成型後に焼成されたセラミックで覆われ
ている。すなわち、ガス通過孔をも含めて、通常条件下
の溶射によって形成される保護膜に比べて、厚い耐食性
材料で覆われる。このため、電極板の高い寿命が実現す
る。
【0053】第6の発明の装置では、導電面を除いた電
極板の表面が、注形された樹脂で覆われている。すなわ
ち、ガス通過孔をも含めて、通常条件下の溶射によって
形成される保護膜に比べて、厚い耐食性材料で覆われ
る。このため、電極板の高い寿命が実現する。
【0054】第7の発明の装置では、電極本体の内壁の
窪み部に装着された遮蔽体によって、ガス導入口から導
入される処理ガスが電極板および電極本体の導電面へと
内側から直接に侵入することが阻止される。すなわち、
導電面が処理ガスの侵入から二重に遮蔽されている。こ
のため、導電面における腐食がさらに効果的に抑制され
る。
【0055】第8の発明の装置では、電極本体の内壁の
窪み部に装着された遮蔽体によって、ガス導入口から導
入される処理ガスが電極板および電極本体の導電面へと
内側から直接に侵入することが阻止される。しかも、真
空室に露出する部分すなわち処理ガスに曝される部分の
表面は耐食性材料から成っている。このため、電極本体
および電極板の腐食が抑えられ、これらの寿命が向上す
る。また、腐食にともなう発塵が抑えられるので、処理
対象物の汚染も低減される。
【0056】第9の発明の製造方法では、第1ないし第
8の発明の装置を用いて半導体ウェハへの処理が行われ
るので、装置の腐食にともなう発塵に起因する半導体ウ
ェハの汚染が抑えられ、半導体装置の歩留まりが向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の電極板の縦断面図である。
【図2】 実施の形態1の真空処理装置の正面断面図で
ある。
【図3】 実施の形態1の電極板の平面図である。
【図4】 実施の形態2の電極板の縦断面図である。
【図5】 実施の形態2の電極板の斜視分解図である。
【図6】 実施の形態3の電極板の縦断面図である。
【図7】 実施の形態4の真空処理装置の正面断面図で
ある。
【図8】 実施の形態4の遮蔽体の平面図である。
【図9】 従来の真空処理装置の正面断面図である。
【図10】 従来の電極板の縦断面図である。
【符号の説明】
3 蓋(電極本体)、3b 窪み部、3c 台座部、6
電極ステージ、7シリコンウエハ(処理対象物)、8
ガス導入口、10,20,30 電極板、11,43
Oリングシール(リングシール)、14,24,34
ガス通過孔、16,26 保護膜、17 筒状体、1
9,29,39 導電面、21 ガス通過孔ブロック、
27 環状部材、40 遮蔽体、51 真空室。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/3065 C23F 4/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空室を内部に形成する容器の一部をな
    す電極本体の内側壁面に、ガス導入口が開口する窪み部
    とその周縁に沿った台座部とが設けられており、前記窪
    み部を覆うとともに前記台座部と電気的に接続されるよ
    うに当該台座部に電極板が固定され、当該電極板には前
    記窪み部に一端が開口するガス通過孔が設けられてお
    り、前記ガス通過孔の他端に対向する前記真空室内の位
    置に、処理対象物を設置する電極ステージがさらに設け
    られており、前記電極本体と前記電極ステージとの間に
    高周波を印加しつつ前記ガス導入口から処理ガスを前記
    真空室へ導入することによって、前記処理対象物に処理
    を施す真空処理装置において、 相互に当接して電気的に接続される環状の導電面を除い
    て、前記電極本体の内側壁面と前記電極板の表面とが、
    耐食性材料から成っており、前記環状の導電面の内側と
    外側とに隣接して当該導電面を前記窪み部と前記真空室
    からそれぞれ遮蔽するリングシールが配設されている
    ことを特徴とする真空処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の真空処理装置におい
    て、 前記ガス通過孔が複数個であって、当該複数個のガス通
    過孔のそれぞれの内壁が、個別に圧入された耐食性材料
    の筒状体で形成されており、 前記電極板の表面が、前記導電面と前記ガス通過孔の内
    壁面とを除いて、耐食性材料を溶射することによって形
    成された保護膜で覆われていることを特徴とする真空処
    理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の真空処理装置におい
    て、 前記電極板が、前記導電面を有する環状部材と、耐食性
    材料で構成され前記環状部材の開口部に挿入固定された
    ガス通過孔ブロックと、を有しており、 前記ガス通過孔が複数個であって、当該複数個のガス通
    過孔は、前記ガス通過孔ブロックに形成されていること
    を特徴とする真空処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の真空処理装置におい
    て、 前記ガス通過孔ブロックは、前記環状部材の前記開口部
    に着脱可能に挿入固定されていることを特徴とする真空
    処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の真空処理装置におい
    て、 前記電極板の表面が、前記導電面を除いて、成型後に焼
    成されたセラミックで覆われていることを特徴とする真
    空処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の真空処理装置におい
    て、 前記電極板の表面が、前記導電面を除いて、注形された
    樹脂で覆われていることを特徴とする真空処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の真空処理装置におい
    て、 筒状で耐食性の遮蔽体が、前記ガス導入口の開口部と前
    記ガス通過孔の開口部とを囲むように、前記窪み部に装
    着されており、当該筒状の遮蔽体の一端面は別のリング
    シールを挟んで前記窪み部の表面に密着し、他端面はさ
    らに別のリングシールを挟んで前記電極板の表面に密着
    していることを特徴とする真空処理装置。
  8. 【請求項8】 真空室を内部に形成する容器の一部をな
    す電極本体の内側壁面に、ガス導入口が開口する窪み部
    とその周縁に沿った台座部とが設けられており、前記窪
    み部を覆うとともに前記台座部と電気的に接続されるよ
    うに当該台座部に電極板が固定され、当該電極板には前
    記窪み部に一端が開口するガス通過孔が設けられてお
    り、前記ガス通過孔の他端に対向する前記真空室内の位
    置に、処理対象物を設置する電極ステージがさらに設け
    られており、前記電極本体と前記電極ステージとの間に
    高周波を印加しつつ前記ガス導入口から処理ガスを前記
    真空室へ導入することによって、前記処理対象物に処理
    を施す真空処理装置において、 相互に当接して電気的に接続される環状の導電面を除い
    て、前記電極本体の内側壁面と前記電極板の表面とが、
    耐食性材料から成っており、 筒状で耐食性の遮蔽体が、前記ガス導入口の開口部と前
    記ガス通過孔の開口部とを囲むように、前記窪み部に装
    着されており、当該筒状の遮蔽体の一端面はリングシー
    ルを挟んで前記窪み部の表面に密着し、他端面は別のリ
    ングシールを挟んで前記電極板の表面に密着しているこ
    とを特徴とする真空処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし請求項8のいずれかに記
    載の真空処理装置を準備する工程と、 半導体ウェハを準備する工程と、 前記半導体ウェハを前記電極ステージに設置する工程
    と、 前記真空室内を真空引きする工程と、 前記ガス導入口を通じて前記真空室内へ処理ガスを供給
    する工程と、 前記処理ガスを供給する工程と同時に前記電極本体と前
    記電極ステージの間に高周波を印加することによって、
    前記半導体ウェハに処理を施す工程と、 を備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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