JP3374383B2 - 冷凍バッグ - Google Patents

冷凍バッグ

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JP3374383B2
JP3374383B2 JP26429794A JP26429794A JP3374383B2 JP 3374383 B2 JP3374383 B2 JP 3374383B2 JP 26429794 A JP26429794 A JP 26429794A JP 26429794 A JP26429794 A JP 26429794A JP 3374383 B2 JP3374383 B2 JP 3374383B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は血液成分や骨髄液等の体
液や、生細胞浮遊液等を冷凍保存するのに好適な冷凍バ
ッグに関する。 【0002】 【従来の技術】血液成分を冷凍保存する方法として高濃
度グリセリン等の凍害保護液を添加し−80〜−85℃
で保存する方法が知られている。しかしながら、この方
法では通常2、3年しか品質を維持することが出来ず、
更に長期間保存する方法として、近年−150〜−20
0℃程度の極低温下で保存する方法が開発されている。
このような極低温下保存の場合、極低温下でも使用で
き、更に滅菌処理が可能で使用上簡便な冷凍バッグが必
要となる。血液保存用に使用されている軟質塩化ビニル
製バッグは−40℃では脆化してしまい、極低温下では
ごくわずかな外部からの衝撃によっても破損してしま
う。 【0003】そのため、−150〜−200℃の極低温
下で血液成分を保存するバッグとしては、従来、ポリイ
ミドフィルムとフッ素化エチレンプロピレンフィルムと
の積層フィルムからなるもの(特公昭49−8079号
公報)や、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合
体フィルムからなるもの(実公昭55−55069号公
報)等が提案されている。ポリイミド樹脂は液体ヘリウ
ム温度(4°K)でも柔軟性を有する優れた材料であ
り、樹脂自体は透明であるが、褐色に強く着色している
ので内容物を観察することが困難である、高分子材料中
最も熱伝導率が低いもののひとつであるため、凍結スピ
ドが遅く、内容物の品質に影響する、等の欠点を有し
ている。また、ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂は融点が
250℃以上と非常に高く、バッグ形状に加工するため
にはヒートシール条件が非常に厳しい上、価格が非常に
高価であるという欠点を有している。 【0004】ポリイミド樹脂やフッ素系樹脂以外の樹脂
を用いた冷凍バッグとしては、2軸方向に延伸し電子照
射したエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルムを用い
た冷凍バッグ(特公昭55−44977号公報)や、P
ET等の延伸フィルムと超高分子量ポリエチレンのラミ
ネートフィルムを用いた冷凍バッグ(特公昭60−49
429号公報)が提案されている。しかしながら、延伸
フィルムではヒートシール操作によってシール部分及び
その周辺の延伸が戻ってしまい、実際の使用においては
−196℃の極低温下では手荒な取扱いをするとしばし
ば破損し、内容物の安全な保存ができないという欠点を
有している。また、ラミネートフィルムの内層と外層は
接着剤により積層する構成であり、接着剤としてポリウ
レタン系やエポキシ系のもの等が用いられているため、
医療用バッグとして用いる場合、有毒物質が溶出してく
る危険性がある。 【0005】以上の問題点を解決するために、本出願人
は特開平3−295557号公報に示すように超高分子
量ポリエチレンを構成材料とする冷凍バッグを提案し
た。これはフィルムの製造方法が通常の延伸フィルムの
製造方法(インフレーション法またはTダイ法)とは異
なっており、粉末品を圧縮成形等でブロック状成形品と
した後、切削加工によって厚み40〜250μmの薄い
フィルムとしている。そしてフィルムの表面状態は粗面
となっており、透明性は良くない。また、バリがあると
フィルム表面のポリエチレンが脱落する可能性があり、
医療用バッグとして用いた場合異物の原因となる。ま
た、圧縮加工成形は、成形時にエアが取り込まれた状態
で加工されると、次の工程で切削されたフィルムにピン
ホールが生じる可能性がある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の状況に
鑑みてなされたもので、耐寒性に優れ、透明性が良好
で、かつ医療用バッグとして優れた冷凍バッグを提供す
ることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、切削加工によ
り成形された分子量100万〜1500万の超高分子量
ポリエチレン製フィルムからなり、該フィルム表面が1
35〜190℃の温度で溶融されたのち固化することに
より滑らかに形成されたことを特徴とする冷凍バッグで
ある。 【0008】本発明において使用する分子量100万〜
1500万のUHMW−PEは低圧重合法で生産され、
平均分子量は粘度法で100万以上、光散乱法で300
万以上のものである。このようにして得られたポリエチ
レンは通常の汎用ポリエチレンとは異なり、耐衝撃性、
耐磨耗性、自己潤滑性、耐薬品性、耐寒性、無毒性等の
点で非常に優れた性質を示す。 【0009】まず、UHMW−PEのフィルム成形方法
について説明する。UHMW−PEは、粘度が非常に高
く押出フィルム成形が困難なので、通常切削加工により
フィルムを成形する。すなわち、原料となるUHMW−
PE粉末を円筒状に圧縮成形し、固化されたUHMW−
PEを鋭利な刃で切削して、幅30〜35cm、加熱圧
着後の厚みの変化を考慮して厚さ45〜260μmに成
形する。 【0010】次にフィルムの熱処理加工について説明す
る。フィルムの片面または両面に耐熱性シートをおき、
フィルム表面が一旦溶融したのち固化するように、一定
温度に加熱した1対の熱ローラーで加熱圧着する。耐熱
性シートの材質としてはシリコン、テフロン、PET等
が挙げられる。耐熱性シートは出来るだけ平滑になって
いることが望ましい。もし、エンボスや突起が耐熱性シ
ートに形成されていると加工したUHMW−PEフィル
ム表面にエンボスや突起が生じるからである。熱ローラ
ーの温度は一方がUHMW−PEの融点である135℃
以上が好ましく、更に170℃以上が好ましい。但し、
200℃より高温になるとしわ等が発生したり、巻取り
が困難になるのでそれ以下の設定が好ましい。もう一方
の加熱ローラーの温度は90℃以上の設定が望ましい。
それ以下の温度ではしわの原因になったり、フィルムの
表面が溶融不良になるからである。巻取り速度は3〜2
0m/分、好ましくは10m/分が望ましい。 【0011】上記のように加工されたフィルムはポリエ
チレン系樹脂であるため通常の熱融着加工により容易に
バッグ形状に加工できる。その際の仕様は容量が50〜
1000ml、幅100〜200mm、丈90〜350
mmである。フィルムの厚さは融着部の剥離強度を高く
し、ピンホールが発生しないようにするため40μm以
上が好ましく、また、急速凍結を容易にするため250
μm以下が好ましい。本発明の冷凍バッグの用途は特に
限定されないが、例えば赤血球、血小板、血漿等の血液
成分や、骨髄液その他の体液の収容、生細胞浮遊液の収
容等に好適である。 【0012】 【作用】本発明のフィルムはUHMW−PEを用いてい
るので極低温時でも高い衝撃強度を有しており、無毒性
において全く無害な素材の点で従来のラミネートフィル
ムを用いた冷凍バッグと異なる。また、本発明のフィル
ムは着色はほとんどなく透明度も優れている点でポリイ
ミド系樹脂を用いたものと比し優れている。また、UH
MW−PEのフィルム加工は押出成形が非常に困難なの
で切削加工成形が行われているが、本発明ではフィルム
表面は滑らかに加工してあるので、切削加工成形から予
想される表面のバリ、ピンホルが極力少なくなってお
り、フィルム表面から脱落するポリエチレン等の微粒子
も少なく、安全性の高い医療用バッグが提供できる。 【0013】 【実施例】以下本発明の実施例について説明する。 〔実施例1〕 厚さ130μmの超高分子量ポリエチレ
ン切削フィルム(作新工業株式会社製、ニューライト)
の両面に、PETからなる耐熱性シート(厚み70μ
m、幅450mm)をおき、これを95℃、190℃の
一対の熱ロルの間にはさみ、巻取り速度10m/分で
加熱圧着を行った。その後、耐熱性シートを剥離したフ
ィルムを用いて本発明の効果を確認するため以下の実験
をおこなった。上述のフィルムを用いて熱溶着法により
容量100ml、寸法150×200mmの冷凍バッグ
を作成した。熱溶着法の条件は温度240℃、時間7秒
であった。このバッグに生食液を100ml収容した
後、開口部をヒートシーラーにて密封した。その後−1
96℃の液体窒素中に2時間放置して完全に冷凍し、こ
れを40℃の温水で急速融解して外観を観察した。この
操作を3回繰り返したが、バッグのシール部の剥離、バ
ッグの切断、破損はなかった。現在冷凍バッグとして特
に規格はないが、医療用容器として使用されるためには
日本薬局方第12改正の輸液用プラスチック容器試験法
の、溶出物試験に合格することが望まれる。上述のフィ
ルムについて上記規格に準じてn=10で試験を行った
ところ、全て合格であった。上述のフィルムの表面状態
を観察するため、電子顕微鏡での撮影を行った。その結
果を図1に示す。上述のフィルムの光線透過率をJIS
K7105に準じて測定した。結果を表1に示す。 【0014】〔比較例1〕 厚さ130μmの超高分子
量ポリエチレン切削フィルム(作新工業株式会社製、ニ
ューライト)について電子顕微鏡での表面撮影と光線透
過率を測定した。その結果を図2及び表1に示す。 【0015】 【表1】 図1及び図2に示すように、容器素材のフィルム表面状
態において実施例1では比較例1と比し平滑になってお
り、たてすじや、バリ、ピンホールが極端に少なくなっ
ていた。また表1に示すように、実施例1では比較例1
と比し拡散透過率が低下しているため、ヘイズ価も優位
に低く、外観の透明度が上昇していた。 【0016】 【発明の効果】本発明は超高分子量ポリエチレンを用い
た特定のフィルムを用いたバッグであるので、バッグの
性能は極低温下でも高い衝撃強度を示す。また、加熱溶
融してフィルムの表面を滑らかに形成しているで、バ
ッグ形状とした場合、ピンホールが無く、表面のバリか
ら脱落するポリエチレンも極端に少なく、従って、安全
性の高い衛生的な医療用バッグとして使用できる。更に
また、ラミネート加工は施していないので、有毒な低分
子物質が溶出してくる危険性もない。また、外観の透明
度が高くなっており、着色も殆どないのでバッグ内の内
容物が容易に観察できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例1における表面状態を示した電
子顕微鏡写真である(倍率500倍)。 【図2】本発明の比較例1における表面状態を示した電
子顕微鏡写真である(倍率500倍)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61J 1/00 353 A61J 1/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 切削加工により成形された分子量100
    万〜1500万の超高分子量ポリエチレン製フィルムか
    らなり、該フィルム表面が135〜190℃の温度で溶
    融されたのち固化することにより滑らかに形成されたこ
    とを特徴とする冷凍バッグ。
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JP4786065B2 (ja) * 2001-06-18 2011-10-05 三井化学株式会社 切削フィルム用超高分子量ポリエチレン樹脂組成物、切削フィルム用厚肉成形体、超高分子量ポリエチレン切削フィルムの製造方法および切削フィルム

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