JP3373919B2 - リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク - Google Patents
リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスクInfo
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- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
- Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リソグラフィー用マス
クブランク及びリソグラフィー用マスクに関する。
クブランク及びリソグラフィー用マスクに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】半導
体素子の製造のためのリソグラフィー工程に用いられる
フォトマスクにおいては、電子線を用いた描画の際のチ
ャージアップを防止したり、静電気によってマスクに塵
が付着するのを防止するために、帯電防止膜を設ける場
合があり、この帯電防止膜として透明導電材料である酸
化錫(SnO2 )膜や、ITO(In2 O3 −Sn
O2 )膜が用いられている。
体素子の製造のためのリソグラフィー工程に用いられる
フォトマスクにおいては、電子線を用いた描画の際のチ
ャージアップを防止したり、静電気によってマスクに塵
が付着するのを防止するために、帯電防止膜を設ける場
合があり、この帯電防止膜として透明導電材料である酸
化錫(SnO2 )膜や、ITO(In2 O3 −Sn
O2 )膜が用いられている。
【0003】ところで半導体素子の高集積化にともなっ
てリソグラフィー工程に用いられる投影露光技術には、
転写可能なパターンのより微細化、高解像度化が要求さ
れており、その方法として、露光波長の短波長化である
KrFエキシマレーザー露光と、露光光の位相変調を利
用した位相シフト法およびこれらの併用が提案されてい
る。
てリソグラフィー工程に用いられる投影露光技術には、
転写可能なパターンのより微細化、高解像度化が要求さ
れており、その方法として、露光波長の短波長化である
KrFエキシマレーザー露光と、露光光の位相変調を利
用した位相シフト法およびこれらの併用が提案されてい
る。
【0004】この位相シフト法において、光の位相を反
転させる位相シフターの材料としては、例えば液相法や
気相法によって形成されるSiO2 あるいはSiO2 類
似の材料からなる透明な薄膜や、ハーフトーンシフター
と称する透過率が15%以下の薄膜が用いられており、
位相シフターの形成は、位相シフト層上に塗布した電子
線レジストを電子線描画してレジストパターンを形成し
た後、レジストパターンをマスクとして位相シフト層を
ドライエッチングすることにより行なわれている。しか
し、この位相シフターの形成において位相シフト層上に
塗布した電子線レジストへの電子線描画を行う際に、透
明基板上のいずれかの層が導電性を有していないとチャ
ージアップを起こしてしまい、描画パターンの変形が生
じてしまうという問題がある。
転させる位相シフターの材料としては、例えば液相法や
気相法によって形成されるSiO2 あるいはSiO2 類
似の材料からなる透明な薄膜や、ハーフトーンシフター
と称する透過率が15%以下の薄膜が用いられており、
位相シフターの形成は、位相シフト層上に塗布した電子
線レジストを電子線描画してレジストパターンを形成し
た後、レジストパターンをマスクとして位相シフト層を
ドライエッチングすることにより行なわれている。しか
し、この位相シフターの形成において位相シフト層上に
塗布した電子線レジストへの電子線描画を行う際に、透
明基板上のいずれかの層が導電性を有していないとチャ
ージアップを起こしてしまい、描画パターンの変形が生
じてしまうという問題がある。
【0005】この問題を解決するために、導電性を有
し、帯電防止層としての作用を有する層を基板と位相シ
フト層の間に設けた位相シフトマスクブランクが提案さ
れている。この帯電防止層の存在により、電子線描画時
にチャージアップを起こすことなく、位相シフトマスク
を作製することができる。
し、帯電防止層としての作用を有する層を基板と位相シ
フト層の間に設けた位相シフトマスクブランクが提案さ
れている。この帯電防止層の存在により、電子線描画時
にチャージアップを起こすことなく、位相シフトマスク
を作製することができる。
【0006】このような特性を有する位相シフトマスク
ブランクの帯電防止層としても、酸化錫(SnO2 )膜
や、ITO(In2 O3 −SnO2 )膜が提案されてい
る。
ブランクの帯電防止層としても、酸化錫(SnO2 )膜
や、ITO(In2 O3 −SnO2 )膜が提案されてい
る。
【0007】しかしながら酸化錫やITO膜ではKrF
エキシマレーザーの波長である248nmの透過率が低
いため、エキシマレーザー露光用フォトマスクまたは位
相シフトマスクの材料としては不適当である。
エキシマレーザーの波長である248nmの透過率が低
いため、エキシマレーザー露光用フォトマスクまたは位
相シフトマスクの材料としては不適当である。
【0008】またX線マスクにおいては、露光時の位置
合わせ(アライメント)はX線マスクに光を透過させて
行われるが、X線透過膜の上に反射防止膜を設けること
によりアライメント光の透過率を高めることができる。
合わせ(アライメント)はX線マスクに光を透過させて
行われるが、X線透過膜の上に反射防止膜を設けること
によりアライメント光の透過率を高めることができる。
【0009】ところで、X線マスクにおいて、X線吸収
膜の微細なパターンの検査は電子線を用いた手法により
行われるが、導電性を有するX線透過膜上にAl2 O3
等の導電性を有しない物質を反射防止膜として設ける
と、電子線によるチャージアップが生じ検査精度が著し
く低下する。したがって、この際にも電子線によるチャ
ージアップが生じないように帯電防止層が必要となる。
膜の微細なパターンの検査は電子線を用いた手法により
行われるが、導電性を有するX線透過膜上にAl2 O3
等の導電性を有しない物質を反射防止膜として設ける
と、電子線によるチャージアップが生じ検査精度が著し
く低下する。したがって、この際にも電子線によるチャ
ージアップが生じないように帯電防止層が必要となる。
【0010】従って本発明は、電子線による描画や検査
の際のチャージアップを防止し得る帯電防止層を有する
リソグラフィー用マスクブランクおよびこのブランクを
素材としたリソグラフィー用マスクを提供することを目
的とする。
の際のチャージアップを防止し得る帯電防止層を有する
リソグラフィー用マスクブランクおよびこのブランクを
素材としたリソグラフィー用マスクを提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するものであり、 (A)亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなるスピネル
型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複合酸化物
からなる帯電防止層を有することを特徴とするリソグラ
フィー用パターニングマスクブランク および (B)亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなるスピネル
型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複合酸化物
からなる帯電防止層を有することを特徴とするリソグラ
フィー用パターニングマスクを要旨とする。
するものであり、 (A)亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなるスピネル
型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複合酸化物
からなる帯電防止層を有することを特徴とするリソグラ
フィー用パターニングマスクブランク および (B)亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなるスピネル
型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複合酸化物
からなる帯電防止層を有することを特徴とするリソグラ
フィー用パターニングマスクを要旨とする。
【0012】上記のリソグラフィー用パターニングマス
クブランク(A)およびリソグラフィー用パターニング
マスク(B)において、後述する理由により、帯電防止
層の組成は、Znに対するGaとAlの合計の元素比が
1.4から2.6で、GaとAlの合計を1としたとき
のAlの割合が0より大きく0.9以下であるのが好ま
しい。
クブランク(A)およびリソグラフィー用パターニング
マスク(B)において、後述する理由により、帯電防止
層の組成は、Znに対するGaとAlの合計の元素比が
1.4から2.6で、GaとAlの合計を1としたとき
のAlの割合が0より大きく0.9以下であるのが好ま
しい。
【0013】またリソグラフィー用マスクブランク
(A)の好ましい態様は、これらに限定されるものでは
ないが、フォトマスクブランク(a1)、位相シフトマ
スクブランク(a2)、X線マスクブランク(a3)で
ある。
(A)の好ましい態様は、これらに限定されるものでは
ないが、フォトマスクブランク(a1)、位相シフトマ
スクブランク(a2)、X線マスクブランク(a3)で
ある。
【0014】ここにフォトマスクブランク(a1)と
は、透明基板上に遮光層と、亜鉛、ガリウム、アルミニ
ウムからなるスピネル型結晶を含み、かつキャリアを有
する導電性複合酸化物(以下、ZnGaAl酸化物とい
う)からなる帯電防止層とを少なくとも有するものであ
る。
は、透明基板上に遮光層と、亜鉛、ガリウム、アルミニ
ウムからなるスピネル型結晶を含み、かつキャリアを有
する導電性複合酸化物(以下、ZnGaAl酸化物とい
う)からなる帯電防止層とを少なくとも有するものであ
る。
【0015】また位相シフトマスクブランク(a2)と
は、透明基板上に位相シフト層と、ZnGaAl酸化物
からなる帯電防止層とを少なくとも有し、必要に応じて
遮光層と、エッチング停止層を有するものである。
は、透明基板上に位相シフト層と、ZnGaAl酸化物
からなる帯電防止層とを少なくとも有し、必要に応じて
遮光層と、エッチング停止層を有するものである。
【0016】さらにX線マスクブランク(a3)とは、
支持枠にその周囲が固着されて支持されたX線透過膜上
に、X線吸収層と、ZnGaAl酸化物からなる帯電防
止層とを少なくとも有し、必要に応じて反射防止層を有
するものである。
支持枠にその周囲が固着されて支持されたX線透過膜上
に、X線吸収層と、ZnGaAl酸化物からなる帯電防
止層とを少なくとも有し、必要に応じて反射防止層を有
するものである。
【0017】またリソグラフィー用マスク(B)の好ま
しい態様は、これらに限定されるものではないが、フォ
トマスク(b1)、位相シフトマスク(b2)、X線マ
スク(b3)である。
しい態様は、これらに限定されるものではないが、フォ
トマスク(b1)、位相シフトマスク(b2)、X線マ
スク(b3)である。
【0018】ここにフォトマスク(b1)とは、透明基
板上に遮光層パターンと、ZnGaAl酸化物からなる
帯電防止層とを少なくとも有するものである。
板上に遮光層パターンと、ZnGaAl酸化物からなる
帯電防止層とを少なくとも有するものである。
【0019】また位相シフトマスク(b2)とは、透明
基板上に、位相シフト層パターンと、ZnGaAl酸化
物からなる帯電防止層とを少なくとも有し、必要に応じ
て遮光層パターンと、エッチング停止層を有するもので
ある。
基板上に、位相シフト層パターンと、ZnGaAl酸化
物からなる帯電防止層とを少なくとも有し、必要に応じ
て遮光層パターンと、エッチング停止層を有するもので
ある。
【0020】さらにX線マスク(b3)とは、支持枠に
その周囲が固着されて支持されたX線透過膜上に、X線
吸収層パターンと、ZnGaAl酸化物からなる帯電防
止層とを少なくとも有し、必要に応じて反射防止層を有
するものである。
その周囲が固着されて支持されたX線透過膜上に、X線
吸収層パターンと、ZnGaAl酸化物からなる帯電防
止層とを少なくとも有し、必要に応じて反射防止層を有
するものである。
【0021】本発明のリソグラフィー用マスクブランク
およびリソグラフィー用マスクにおいて、帯電防止層を
構成するZnGaAl酸化物膜が導電性を有するために
は、スピネル型の結晶構造となっていることが必要であ
る。ZnGaAl酸化物膜の結晶性を高めるために成膜
温度以上1200℃以下の温度でのアニールが効果的で
ある。1200℃以上では透明基板の変形が生じマスク
としての精度が低下する。アニール時の雰囲気としては
大気中の他、酸素や不活性ガスが好ましい。但し、必要
とする導電性との兼ね合いにより、成膜後のアニール工
程は省略することが可能である。
およびリソグラフィー用マスクにおいて、帯電防止層を
構成するZnGaAl酸化物膜が導電性を有するために
は、スピネル型の結晶構造となっていることが必要であ
る。ZnGaAl酸化物膜の結晶性を高めるために成膜
温度以上1200℃以下の温度でのアニールが効果的で
ある。1200℃以上では透明基板の変形が生じマスク
としての精度が低下する。アニール時の雰囲気としては
大気中の他、酸素や不活性ガスが好ましい。但し、必要
とする導電性との兼ね合いにより、成膜後のアニール工
程は省略することが可能である。
【0022】またZnGaAl酸化物膜が導電性を有す
るための他の条件として、キャリアを有することが必要
であるが、キャリアのドープは次の方法により可能とな
る。第1の方法は酸素欠陥の導入であり、これはZnG
aAl酸化物膜の還元熱処理等により行うことができ
る。他の方法としてはZn2+やGa3+よりも価数の高い
イオンを各イオンのサイトにドープすることにより生じ
る電子を注入する方法があり、スパッタ成膜時のターゲ
ット内へのドープや、形成した膜へのイオン注入等が可
能である。
るための他の条件として、キャリアを有することが必要
であるが、キャリアのドープは次の方法により可能とな
る。第1の方法は酸素欠陥の導入であり、これはZnG
aAl酸化物膜の還元熱処理等により行うことができ
る。他の方法としてはZn2+やGa3+よりも価数の高い
イオンを各イオンのサイトにドープすることにより生じ
る電子を注入する方法があり、スパッタ成膜時のターゲ
ット内へのドープや、形成した膜へのイオン注入等が可
能である。
【0023】前記の還元熱処理を行う条件としては、水
素を含むガスや一酸化炭素、炭素を含む雰囲気等各種の
還元雰囲気を用いることが可能であり、前述のアニール
と同様に成膜温度以上1200℃以下の温度が好まし
い。
素を含むガスや一酸化炭素、炭素を含む雰囲気等各種の
還元雰囲気を用いることが可能であり、前述のアニール
と同様に成膜温度以上1200℃以下の温度が好まし
い。
【0024】本発明において帯電防止層を構成するZn
GaAl酸化物膜は、エネルギーバンドギャップが例え
ば約5.2eV[Zn(Ga(1-X) AlX )2 O4 ;X
=0.2]であるため波長248nmのKrFエキシマ
レーザー光の透過率が高く、波長300nmから可視域
の範囲ではほとんど吸収がなく透明であり、エキシマレ
ーザー露光が可能である。このことは、従来の帯電防止
層材料の酸化錫やITOではKrFエキシマレーザーの
波長での透過率が低くエキシマレーザー露光用マスク材
料として不適当であることと対比すると、本発明におけ
る帯電防止膜の顕著な効果である。
GaAl酸化物膜は、エネルギーバンドギャップが例え
ば約5.2eV[Zn(Ga(1-X) AlX )2 O4 ;X
=0.2]であるため波長248nmのKrFエキシマ
レーザー光の透過率が高く、波長300nmから可視域
の範囲ではほとんど吸収がなく透明であり、エキシマレ
ーザー露光が可能である。このことは、従来の帯電防止
層材料の酸化錫やITOではKrFエキシマレーザーの
波長での透過率が低くエキシマレーザー露光用マスク材
料として不適当であることと対比すると、本発明におけ
る帯電防止膜の顕著な効果である。
【0025】本発明において帯電防止層の組成は、Zn
に対するGaとAlの合計の元素比が1.6から2.4
であるのが好ましい。
に対するGaとAlの合計の元素比が1.6から2.4
であるのが好ましい。
【0026】すなわちZnに対するGaとAlの合計の
元素比は必ずしも2でなくても良く、2を中心にして±
0.4すなわち1.6〜2.4としても所望の導電性が
得られる。特に好ましい元素比は1.7〜2.3であ
る。
元素比は必ずしも2でなくても良く、2を中心にして±
0.4すなわち1.6〜2.4としても所望の導電性が
得られる。特に好ましい元素比は1.7〜2.3であ
る。
【0027】またZnGaAl酸化物を示す式Zn(G
a(1-X) AlX )2 O4 において、GaとAlの合計を
1としたときのAlの割合(X)は0より大きく0.9
以下であるのが好ましい。これはAlの割合(X)の値
が大きくなるに従ってエネルギーバンドギャップが大き
くなり紫外線の透過率が高くなる一方、0.9を超える
と膜の電気伝導度が低下するからである。より実用的な
Alの割合(X)の範囲は0.01〜0.9である。
a(1-X) AlX )2 O4 において、GaとAlの合計を
1としたときのAlの割合(X)は0より大きく0.9
以下であるのが好ましい。これはAlの割合(X)の値
が大きくなるに従ってエネルギーバンドギャップが大き
くなり紫外線の透過率が高くなる一方、0.9を超える
と膜の電気伝導度が低下するからである。より実用的な
Alの割合(X)の範囲は0.01〜0.9である。
【0028】ZnGaAl酸化物膜の膜厚は、必要とす
る透過率及び膜の抵抗値によって決定され、波長248
nmでの透過率が75%以上、膜の抵抗値が10MΩ/
□以下であればよい。
る透過率及び膜の抵抗値によって決定され、波長248
nmでの透過率が75%以上、膜の抵抗値が10MΩ/
□以下であればよい。
【0029】ZnGaAl酸化物膜の作製方法として
は、スパッター法、真空蒸着法、アブレージョン法やゾ
ル−ゲル法等が利用可能である。
は、スパッター法、真空蒸着法、アブレージョン法やゾ
ル−ゲル法等が利用可能である。
【0030】本発明のリソグラフィー用マスクブランク
およびリソグラフィー用マスクにおいて用いられる透明
基板は露光光に対して透明なものであればよく、石英ガ
ラス、アルミノボロシリケートガラス等が挙げられる。
およびリソグラフィー用マスクにおいて用いられる透明
基板は露光光に対して透明なものであればよく、石英ガ
ラス、アルミノボロシリケートガラス等が挙げられる。
【0031】またフォトマスクブランク(a1)および
位相シフトマスクブランク(a2)における遮光層の材
料としては、マスクを通して被転写体上に必要とされる
コントラストを有するパターンを転写できる物質であれ
ば良く、クロムや酸化クロム等が用いられる。また、転
写時の解像度以下の線幅で形成した位相シフター群によ
って遮光部を形成することができる(シフター遮光
型)。
位相シフトマスクブランク(a2)における遮光層の材
料としては、マスクを通して被転写体上に必要とされる
コントラストを有するパターンを転写できる物質であれ
ば良く、クロムや酸化クロム等が用いられる。また、転
写時の解像度以下の線幅で形成した位相シフター群によ
って遮光部を形成することができる(シフター遮光
型)。
【0032】また位相シフトマスクブランク(a2)に
おける位相シフト層の材料としては、露光光に対して透
明な材料であれば良く、例えば液相法や気相法によって
形成されるSiO2 あるいはSiO2 類似の材料からな
る透明な薄膜が用いられる。また、ハーフトーンシフタ
ーと称する透過率が15%以下の薄膜も用いられる。
おける位相シフト層の材料としては、露光光に対して透
明な材料であれば良く、例えば液相法や気相法によって
形成されるSiO2 あるいはSiO2 類似の材料からな
る透明な薄膜が用いられる。また、ハーフトーンシフタ
ーと称する透過率が15%以下の薄膜も用いられる。
【0033】ところで位相シフトマスクの製造において
は、位相シフトマスクブランクの位相シフト層をレジス
トパターンをマスクとしてドライエッチングすることに
より、位相シフター(位相シフト層パターン)を形成す
るが、位相シフト層と透明性基板とのエッチング速度の
差が小さいと、エッチング時間を長めにとった場合、基
板までエッチングされてしまい、目的とする位相差が得
られなくなってしまうという問題が生じる。そこで通常
はエッチング停止層を位相シフト層と基板との間に設け
ることが行なわれているが、本発明の位相シフトマスク
ブランクにおける帯電防止層は位相シフト層のエッチン
グ条件によっては十分なエッチング耐性を有し、エッチ
ング停止層を兼ねることもできる。しかしエッチング条
件によっては、帯電防止層が十分なエッチング耐性を有
しない場合もあり、このような場合には、エッチング耐
性を有するAl2 O3 、Al2 O3 とSnO2 との混合
物、MgF2 などの材料を用いて、エッチング停止層を
位相シフト層と帯電防止層との間に形成するのが好まし
い。
は、位相シフトマスクブランクの位相シフト層をレジス
トパターンをマスクとしてドライエッチングすることに
より、位相シフター(位相シフト層パターン)を形成す
るが、位相シフト層と透明性基板とのエッチング速度の
差が小さいと、エッチング時間を長めにとった場合、基
板までエッチングされてしまい、目的とする位相差が得
られなくなってしまうという問題が生じる。そこで通常
はエッチング停止層を位相シフト層と基板との間に設け
ることが行なわれているが、本発明の位相シフトマスク
ブランクにおける帯電防止層は位相シフト層のエッチン
グ条件によっては十分なエッチング耐性を有し、エッチ
ング停止層を兼ねることもできる。しかしエッチング条
件によっては、帯電防止層が十分なエッチング耐性を有
しない場合もあり、このような場合には、エッチング耐
性を有するAl2 O3 、Al2 O3 とSnO2 との混合
物、MgF2 などの材料を用いて、エッチング停止層を
位相シフト層と帯電防止層との間に形成するのが好まし
い。
【0034】また既述のようにX線マスクにおいては、
露光時の位置合わせ(アライメント)はX線マスクに光
を透過させて行われ、X線透過膜の上に反射防止膜を設
けることによりアライメント光の透過率を高めることが
できるが、本発明のX線マスクブランクにおいて帯電防
止層は、アライメント光に対して高い透過率を有し、反
射防止膜を兼ねることもできる。
露光時の位置合わせ(アライメント)はX線マスクに光
を透過させて行われ、X線透過膜の上に反射防止膜を設
けることによりアライメント光の透過率を高めることが
できるが、本発明のX線マスクブランクにおいて帯電防
止層は、アライメント光に対して高い透過率を有し、反
射防止膜を兼ねることもできる。
【0035】ZnGaAl酸化物膜を反射防止膜として
用いる場合の膜厚(d)は、膜の屈折率をnとすると膜
の干渉条件から d=(2m+1)λ/4n (但し、mは正の整数、λはアライメント光の波長)と
することにより反射率を最低限に抑えることができる。
用いる場合の膜厚(d)は、膜の屈折率をnとすると膜
の干渉条件から d=(2m+1)λ/4n (但し、mは正の整数、λはアライメント光の波長)と
することにより反射率を最低限に抑えることができる。
【0036】また本発明のX線マスクブランクにおい
て、帯電防止層とともに別途反射防止層を設けることが
できるのはもちろんである。
て、帯電防止層とともに別途反射防止層を設けることが
できるのはもちろんである。
【0037】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明する。
【0038】第1実施例(フォトマスクブランクおよび
フォトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度25℃でZn(Ga0.95Al0.05)2 O4 から
なる、厚さ200オングストロームの膜を形成した。こ
の酸化物膜付き石英基板を、大気中800℃で5時間ア
ニールした後、水素を含む700℃の還元雰囲気で5時
間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率は波長2
48nmにおいて81%と高い値が得られ、シート抵抗
は350kΩ/□であった。X線回折による分析の結
果、スピネル型結晶が析出していることが確められた。
フォトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度25℃でZn(Ga0.95Al0.05)2 O4 から
なる、厚さ200オングストロームの膜を形成した。こ
の酸化物膜付き石英基板を、大気中800℃で5時間ア
ニールした後、水素を含む700℃の還元雰囲気で5時
間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率は波長2
48nmにおいて81%と高い値が得られ、シート抵抗
は350kΩ/□であった。X線回折による分析の結
果、スピネル型結晶が析出していることが確められた。
【0039】ついで、Zn(Ga0.95Al0.05)2 O4
からなる帯電防止層上にDCスパッタリングによりクロ
ム遮光層を形成してフォトマスクブランクを作製した。
からなる帯電防止層上にDCスパッタリングによりクロ
ム遮光層を形成してフォトマスクブランクを作製した。
【0040】つぎに、上記フォトマスクブランクの遮光
層上に電子線レジストを塗布し乾燥後、電子線描画機を
用いてレジストへの電子線露光を行った。レジストの現
像後、クロム遮光層のエッチング加工を行い、さらに残
存するレジスト層を取り除くことにより、フォトマスク
を得た。
層上に電子線レジストを塗布し乾燥後、電子線描画機を
用いてレジストへの電子線露光を行った。レジストの現
像後、クロム遮光層のエッチング加工を行い、さらに残
存するレジスト層を取り除くことにより、フォトマスク
を得た。
【0041】得られたフォトマスクの描画パターンに
は、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置ず
れはみられず、帯電防止効果により塵の付着も少なかっ
た。
は、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置ず
れはみられず、帯電防止効果により塵の付着も少なかっ
た。
【0042】第2実施例(位相シフトマスクブランクお
よび位相シフトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度300℃、O2 /Ar=20%の雰囲気で、焼
結体をターゲットとして、Zn(Ga0.9 Al0.1 )2
O4 からなる、厚さ120オングストロームの膜を形成
した。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で
5時間アニールした後、水素を含む700℃の還元雰囲
気中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過
率は波長248nmにおいて82%と高い値が得られ、
シート抵抗は600kΩ/□であった。また、X線回折
による分析の結果、スピネル型結晶が析出していること
が確められた。
よび位相シフトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度300℃、O2 /Ar=20%の雰囲気で、焼
結体をターゲットとして、Zn(Ga0.9 Al0.1 )2
O4 からなる、厚さ120オングストロームの膜を形成
した。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で
5時間アニールした後、水素を含む700℃の還元雰囲
気中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過
率は波長248nmにおいて82%と高い値が得られ、
シート抵抗は600kΩ/□であった。また、X線回折
による分析の結果、スピネル型結晶が析出していること
が確められた。
【0043】次に、この帯電防止層上にスピンオングラ
スをスピンコートし300℃でベークすることにより膜
厚2500オングストロームの位相シフト層を形成し
た。
スをスピンコートし300℃でベークすることにより膜
厚2500オングストロームの位相シフト層を形成し
た。
【0044】ついで、位相シフト層上にDCスパッター
によりクロム遮光層を形成して、図1に示すように、透
明基板1上に帯電防止層2、位相シフト層3、遮光層4
を順次有する位相シフトマスクブランクを得た。
によりクロム遮光層を形成して、図1に示すように、透
明基板1上に帯電防止層2、位相シフト層3、遮光層4
を順次有する位相シフトマスクブランクを得た。
【0045】つぎに、位相シフトマスクブランクのクロ
ム遮光層4上に電子線レジストを塗布し乾燥後、電子線
描画機を用いてレジストへの電子線露光を行い、レジス
トの現像後クロム遮光層4のエッチング加工を行った。
つぎに再度電子線レジストを塗布し、位相シフターパタ
ーンの電子線露光を行い、レジストの現像後、ドライエ
ッチングにより位相シフト層の加工を行い、さらに残存
するレジスト層を取り除くことにより、図2に示すよう
に石英基板1上に帯電防止層2、位相シフター(位相シ
フト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4a
を順次有する位相シフトマスクを得た。
ム遮光層4上に電子線レジストを塗布し乾燥後、電子線
描画機を用いてレジストへの電子線露光を行い、レジス
トの現像後クロム遮光層4のエッチング加工を行った。
つぎに再度電子線レジストを塗布し、位相シフターパタ
ーンの電子線露光を行い、レジストの現像後、ドライエ
ッチングにより位相シフト層の加工を行い、さらに残存
するレジスト層を取り除くことにより、図2に示すよう
に石英基板1上に帯電防止層2、位相シフター(位相シ
フト層パターン)3a、遮光部(遮光層パターン)4a
を順次有する位相シフトマスクを得た。
【0046】上記ドライエッチングはCF4 とO2 を用
いた反応性イオンエッチング(RIE)で行ったが、位
相シフト層3と帯電防止層2のエッチング速度比(選択
比)として24という値が得られ、このことから、帯電
防止層2のエッチング速度が位相シフト層3のエッチン
グ速度の1/24と著しく小さく、帯電防止層2はエッ
チング停止層としての機能も有することが明らかとなっ
た。なお、このエッチング速度比(選択比)の値は、組
成式Zn(Ga(1-X) AlX )2 O4 中のXが大きいほ
ど大きくなる傾向がみられ、従って、帯電防止層2にエ
ッチング停止層としての機能をもたせるには、Alの含
有量を増加させればよいことが判った。
いた反応性イオンエッチング(RIE)で行ったが、位
相シフト層3と帯電防止層2のエッチング速度比(選択
比)として24という値が得られ、このことから、帯電
防止層2のエッチング速度が位相シフト層3のエッチン
グ速度の1/24と著しく小さく、帯電防止層2はエッ
チング停止層としての機能も有することが明らかとなっ
た。なお、このエッチング速度比(選択比)の値は、組
成式Zn(Ga(1-X) AlX )2 O4 中のXが大きいほ
ど大きくなる傾向がみられ、従って、帯電防止層2にエ
ッチング停止層としての機能をもたせるには、Alの含
有量を増加させればよいことが判った。
【0047】得られた位相シフトマスクの描画パターン
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
【0048】第3実施例(位相シフトマスクブランクお
よび位相シフトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度100℃で、Zn(Ga0.7 Al0.3 )2 O4
からなる、厚さ3000オングストロームの膜を形成し
た。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で5
時間アニールした後、水素を含む600℃の還元雰囲気
中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率
は波長248nmにおいて84%と高い値が得られ、シ
ート抵抗は450kΩ/□であった。また、X線回折に
よる分析の結果、スピネル型結晶が析出していることが
確められた。
よび位相シフトマスク) 石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度100℃で、Zn(Ga0.7 Al0.3 )2 O4
からなる、厚さ3000オングストロームの膜を形成し
た。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で5
時間アニールした後、水素を含む600℃の還元雰囲気
中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率
は波長248nmにおいて84%と高い値が得られ、シ
ート抵抗は450kΩ/□であった。また、X線回折に
よる分析の結果、スピネル型結晶が析出していることが
確められた。
【0049】次に、このZn(Ga0.7 Al0.3 )2 O
4 からなる帯電防止層上にエッチング停止層として厚さ
100オングストロームのAl2 O3 層を同じくRFマ
グネトロンスパッタリングにより形成した。
4 からなる帯電防止層上にエッチング停止層として厚さ
100オングストロームのAl2 O3 層を同じくRFマ
グネトロンスパッタリングにより形成した。
【0050】さらに、このエッチング停止層上にスピン
オングラスをスピンコートし300℃でベークすること
により厚さ2500オングストロームの位相シフト層を
形成した。
オングラスをスピンコートし300℃でベークすること
により厚さ2500オングストロームの位相シフト層を
形成した。
【0051】ついで、この位相シフト層上にDCスパッ
ターによりクロム遮光層を形成して、図3に示すように
石英基板1上に帯電防止層2、エッチング停止層5、位
相シフト層3、クロム遮光層4を順次有する位相シフト
マスクブランクを作製した。
ターによりクロム遮光層を形成して、図3に示すように
石英基板1上に帯電防止層2、エッチング停止層5、位
相シフト層3、クロム遮光層4を順次有する位相シフト
マスクブランクを作製した。
【0052】つぎに、クロム遮光層4上に電子線レジス
トを塗布し乾燥後、電子線描画機を用いてレジストへの
電子線露光を行い、レジストの現像後、クロム遮光層4
のエッチング加工を行った。つぎに再度電子線レジスト
を塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行い、
レジストの現像後、ドライエッチングにより位相シフト
層の加工を行った後、さらに残存するレジスト層を取り
除くことにより、図4に示すように石英基板1上に帯電
防止層2、エッチング停止層5、位相シフター(位相シ
フトパターン)3a、遮光部(遮光膜パターン)4aを
順次有する位相シフトマスクを得た。
トを塗布し乾燥後、電子線描画機を用いてレジストへの
電子線露光を行い、レジストの現像後、クロム遮光層4
のエッチング加工を行った。つぎに再度電子線レジスト
を塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行い、
レジストの現像後、ドライエッチングにより位相シフト
層の加工を行った後、さらに残存するレジスト層を取り
除くことにより、図4に示すように石英基板1上に帯電
防止層2、エッチング停止層5、位相シフター(位相シ
フトパターン)3a、遮光部(遮光膜パターン)4aを
順次有する位相シフトマスクを得た。
【0053】得られた位相シフトマスクの描画パターン
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
【0054】第4実施例(位相シフトマスク)
石英基板上にRFマグネトロンスパッタリングにより、
成膜温度100℃でZn(Ga0.5 Al0.5 )2.2 O
4.1 からなる厚さ300オングストロームの膜を形成し
た。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で5
時間アニールした後、水素を含む650℃の還元雰囲気
中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率
は波長248nmにおいて84%と高い値が得られ、シ
ート抵抗は1000kΩ/□であった。また、X線回折
による分析の結果、スピネル型結晶が析出していること
が確められた。
成膜温度100℃でZn(Ga0.5 Al0.5 )2.2 O
4.1 からなる厚さ300オングストロームの膜を形成し
た。この酸化物膜付き石英基板を、大気中900℃で5
時間アニールした後、水素を含む650℃の還元雰囲気
中で5時間処理を行った。得られた帯電防止層の透過率
は波長248nmにおいて84%と高い値が得られ、シ
ート抵抗は1000kΩ/□であった。また、X線回折
による分析の結果、スピネル型結晶が析出していること
が確められた。
【0055】ついで、DCスパッターによりクロム遮光
層を形成し、つぎにクロム遮光層上に電子線レジストを
塗布し乾燥後、電子線描画機を用いてレジストへの電子
線露光を行った。そしてレジストの現像後クロム遮光層
のエッチング加工を行い、さらに残存するレジスト層を
取り除くことにより、クロム遮光層パターンを形成し
た。
層を形成し、つぎにクロム遮光層上に電子線レジストを
塗布し乾燥後、電子線描画機を用いてレジストへの電子
線露光を行った。そしてレジストの現像後クロム遮光層
のエッチング加工を行い、さらに残存するレジスト層を
取り除くことにより、クロム遮光層パターンを形成し
た。
【0056】さらに、その上にスピンオングラスをスピ
ンコートし300℃でベークすることにより膜厚250
0オングストロームの位相シフト層を形成した。
ンコートし300℃でベークすることにより膜厚250
0オングストロームの位相シフト層を形成した。
【0057】つぎに、位相シフト層上に電子線レジスト
を塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行っ
た。そしてレジストの現像後、ドライエッチングにより
位相シフト層の加工を行い、さらに残存するレジスト層
を取り除くことにより、図5に示すように石英基板1上
に帯電防止層2、遮光部(遮光層パターン)4a、位相
シフター(位相シフトパターン)3aを順次有する位相
シフトマスクを得た。なお、帯電防止層2は、エッチン
グによる遮光層パターン4aおよび位相シフトパターン
3aの形成に際してエッチング停止層の機能を果した。
を塗布し、位相シフターパターンの電子線露光を行っ
た。そしてレジストの現像後、ドライエッチングにより
位相シフト層の加工を行い、さらに残存するレジスト層
を取り除くことにより、図5に示すように石英基板1上
に帯電防止層2、遮光部(遮光層パターン)4a、位相
シフター(位相シフトパターン)3aを順次有する位相
シフトマスクを得た。なお、帯電防止層2は、エッチン
グによる遮光層パターン4aおよび位相シフトパターン
3aの形成に際してエッチング停止層の機能を果した。
【0058】得られた位相シフトマスクの描画パターン
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
には、電子線描画時のチャージアップによる変形や位置
ずれはみられなかった。
【0059】第5実施例(X線マスクブランクおよびX
線マスク) 図6は本実施例のX線マスクブランクおよびX線マスク
の製造工程説明図である。以下、図6を参照にしながら
説明する。
線マスク) 図6は本実施例のX線マスクブランクおよびX線マスク
の製造工程説明図である。以下、図6を参照にしながら
説明する。
【0060】まず、シリコン(Si)基板6の両面にそ
れぞれ炭化珪素からなるX線透過膜7A及び7Bを形成
した(図6(A))。なお、シリコン基板6には、結晶
方位(100)のシリコン基板を用いた。また、X線透
過膜7A、7Bを構成する炭化珪素は、ジクロロシラン
とアセチレンを用いてCVD法により1μmの厚みに堆
積させた。
れぞれ炭化珪素からなるX線透過膜7A及び7Bを形成
した(図6(A))。なお、シリコン基板6には、結晶
方位(100)のシリコン基板を用いた。また、X線透
過膜7A、7Bを構成する炭化珪素は、ジクロロシラン
とアセチレンを用いてCVD法により1μmの厚みに堆
積させた。
【0061】次に、上記X線透過膜7A上に、RFマグ
ネトロンスパッタリングにより、成膜温度100℃でZ
n(Ga0.7 Al0.3 )1.7 O3.9 からなる厚さ860
オングストロームの膜を形成したのち、水素を含む65
0℃の還元雰囲気中で5時間処理を行って帯電防止層8
を形成した(図6(B))。得られた帯電防止層のシー
ト抵抗は3350kΩ/□であった。また、X線回折に
よる分析の結果、スピネル型結晶が析出していることが
確められた。
ネトロンスパッタリングにより、成膜温度100℃でZ
n(Ga0.7 Al0.3 )1.7 O3.9 からなる厚さ860
オングストロームの膜を形成したのち、水素を含む65
0℃の還元雰囲気中で5時間処理を行って帯電防止層8
を形成した(図6(B))。得られた帯電防止層のシー
ト抵抗は3350kΩ/□であった。また、X線回折に
よる分析の結果、スピネル型結晶が析出していることが
確められた。
【0062】次に、帯電防止層8の上にX線吸収膜9を
構成するTa膜をRFマグネトロンスパッタ法により
0.8μmの厚さに形成してX線マスクブランクを得た
(図6(C))。
構成するTa膜をRFマグネトロンスパッタ法により
0.8μmの厚さに形成してX線マスクブランクを得た
(図6(C))。
【0063】次に、X線吸収膜9の上に電子線レジスト
を塗布して電子線によりレジストパターンを形成し、こ
のレジストパターンをマスクにして反応性イオンビーム
エッチングを施し、X線吸収膜パターン9aを形成した
(図6(D))。
を塗布して電子線によりレジストパターンを形成し、こ
のレジストパターンをマスクにして反応性イオンビーム
エッチングを施し、X線吸収膜パターン9aを形成した
(図6(D))。
【0064】次に、基板6のもう一方の側(裏側)に形
成されているX線透過膜7Bを、ドライエッチングによ
りその中央部を除去し、さらに、裏面に残ったX線透過
膜7Bをマスクとして、NaOH水溶液によりシリコン
基板6の中央部を除去し、支持枠6aを得た(図6
(E))。
成されているX線透過膜7Bを、ドライエッチングによ
りその中央部を除去し、さらに、裏面に残ったX線透過
膜7Bをマスクとして、NaOH水溶液によりシリコン
基板6の中央部を除去し、支持枠6aを得た(図6
(E))。
【0065】次に、支持枠6aに自立されたX線透過膜
7Aの図中下側の面(裏面)に反射防止層10としてA
l2 O3 膜をRFマグネトロンスパッタ法により0.0
96μmの厚さに形成してX線マスクを得た(図6
(F))。
7Aの図中下側の面(裏面)に反射防止層10としてA
l2 O3 膜をRFマグネトロンスパッタ法により0.0
96μmの厚さに形成してX線マスクを得た(図6
(F))。
【0066】得られたマスクは、X線吸収膜パターン9
aを除く部分での波長633nmでの透過率は82%で
あり、アライメントを行ったところ、充分なアライメン
ト精度によりシリコンウエハ上に転写されたことが確認
された。また、電子線によるマスクの検査もチャージア
ップが全く生じず、高精度で敏速な検査が可能であっ
た。
aを除く部分での波長633nmでの透過率は82%で
あり、アライメントを行ったところ、充分なアライメン
ト精度によりシリコンウエハ上に転写されたことが確認
された。また、電子線によるマスクの検査もチャージア
ップが全く生じず、高精度で敏速な検査が可能であっ
た。
【0067】本実施例において、ZnGaAl酸化物か
らなる帯電防止層は、表面側の反射防止膜としても機能
するものであるが、表面側の反射防止膜をAl2 O3 等
の導電性を有しない材料で形成し、その上にZnGaA
l酸化物からなる帯電防止層を設けることもできる。
らなる帯電防止層は、表面側の反射防止膜としても機能
するものであるが、表面側の反射防止膜をAl2 O3 等
の導電性を有しない材料で形成し、その上にZnGaA
l酸化物からなる帯電防止層を設けることもできる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明によれば、電
子線による描画や検査の際のチャージアップを防止し得
る帯電防止層を有するリソグラフィー用マスクブランク
およびこのブランクを素材としたリソグラフィー用マス
クが提供された。
子線による描画や検査の際のチャージアップを防止し得
る帯電防止層を有するリソグラフィー用マスクブランク
およびこのブランクを素材としたリソグラフィー用マス
クが提供された。
【0069】上記帯電防止層はエキシマレーザーに対す
る透明性を有し、この帯電防止層を設けたマスクブラン
クは、エキシマレーザー露光用フォトマスクブランクお
よび位相シフトマスクブランクとして好適である。
る透明性を有し、この帯電防止層を設けたマスクブラン
クは、エキシマレーザー露光用フォトマスクブランクお
よび位相シフトマスクブランクとして好適である。
【0070】また上記帯電防止層は位相シフト層のドラ
イエッチング条件によってはエッチング耐性を有し、位
相シフトマスクブランクにおいて、エッチング停止層を
兼ねることもできる。
イエッチング条件によってはエッチング耐性を有し、位
相シフトマスクブランクにおいて、エッチング停止層を
兼ねることもできる。
【0071】また上記帯電防止層は、X線マスクブラン
クおよびX線マスクにおける反射防止層を兼ねることも
できる。
クおよびX線マスクにおける反射防止層を兼ねることも
できる。
【図1】本発明の第2実施例の位相シフトマスクブラン
クの構成を示す断面図である。
クの構成を示す断面図である。
【図2】本発明の第2実施例の位相シフトマスクの構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図3】本発明の第3実施例の位相シフトマスクブラン
クの構成を示す断面図である。
クの構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第3実施例の位相シフトマスクの構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図5】本発明の第4実施例の位相シフトマスクの構成
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図6】本発明の第5実施例のX線マスクの製造工程説
明図である。
明図である。
1 透明基板
2 帯電防止層
3 位相シフト層
3a 位相シフター(位相シフト層パターン)
4 遮光層
4a 遮光部(遮光層パターン)
5 エッチング停止層
6 基板
6a 支持枠
7A,7B X線透過膜
8 帯電防止膜
9 X線吸収膜
9a X線吸収膜パターン
10 反射防止膜
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平5−107731(JP,A)
特開 昭56−116034(JP,A)
特開 昭56−40828(JP,A)
特開 平7−152140(JP,A)
特開 平5−113656(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
G03F 1/00 - 1/16
Claims (10)
- 【請求項1】 亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなる
スピネル型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複
合酸化物からなる帯電防止層を有することを特徴とする
リソグラフィー用パターニングマスクブランク。 - 【請求項2】 上記帯電防止層の組成が、Znに対する
GaとAlの合計の元素比が1.6から2.4で、Ga
とAlの合計を1としたときのAlの割合が0より大き
く0.9以下である、請求項1に記載のリソグラフィー
用パターニングマスクブランク。 - 【請求項3】 フォトマスクブランク、位相シフトマス
クブランクまたはX線マスクブランクである、請求項1
または2に記載のリソグラフィー用パターニングマスク
ブランク。 - 【請求項4】 リソグラフィー用パターニングマスクブ
ランクが位相シフトマスクブランクであり、その帯電防
止層がエッチング停止層でもある、請求項3に記載のリ
ソグラフィー用パターニングマスクブランク。 - 【請求項5】 リソグラフィー用パターニングマスクブ
ランクがX線マスクブランクであり、その帯電防止層が
反射防止層でもある、請求項3に記載のリソグラフィー
用パターニングマスクブランク。 - 【請求項6】 亜鉛、ガリウム、アルミニウムからなる
スピネル型結晶を含み、かつキャリアを有する導電性複
合酸化物からなる帯電防止層を有することを特徴とする
リソグラフィー用パターニングマスク。 - 【請求項7】 上記帯電防止層の組成が、Znに対する
GaとAlの合計の元素比が1.6から2.4で、Ga
とAlの合計を1としたときのAlの割合が0より大き
く0.9以下である、請求項6に記載のリソグラフィー
用パターニングマスク。 - 【請求項8】 フォトマスク、位相シフトマスクまたは
X線マスクである、請求項6または7に記載のリソグラ
フィー用パターニングマスク。 - 【請求項9】 リソグラフィー用パターニングマスクが
位相シフトマスクであり、その帯電防止層がエッチング
停止層でもある、請求項8に記載のリソグラフィー用パ
ターニングマスク。 - 【請求項10】 リソグラフィー用パターニングマスク
がX線マスクであり、その帯電防止層が反射防止膜でも
ある、請求項8に記載のリソグラフィー用パターニング
マスク。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33124993A JP3373919B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33124993A JP3373919B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07191451A JPH07191451A (ja) | 1995-07-28 |
JP3373919B2 true JP3373919B2 (ja) | 2003-02-04 |
Family
ID=18241574
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33124993A Expired - Fee Related JP3373919B2 (ja) | 1993-12-27 | 1993-12-27 | リソグラフィー用マスクブランク及びリソグラフィー用マスク |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3373919B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5985493A (en) * | 1998-04-08 | 1999-11-16 | Lucent Technologies Inc. | Membrane mask for projection lithography |
US6180291B1 (en) * | 1999-01-22 | 2001-01-30 | International Business Machines Corporation | Static resistant reticle |
JP4993113B2 (ja) * | 2007-11-14 | 2012-08-08 | 大日本印刷株式会社 | フォトマスク |
JP5339085B2 (ja) * | 2009-10-29 | 2013-11-13 | 大日本印刷株式会社 | 反射型マスクおよびその製造方法ならびにマスクパターン検査方法 |
-
1993
- 1993-12-27 JP JP33124993A patent/JP3373919B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07191451A (ja) | 1995-07-28 |
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