JP3373020B2 - 送電線用避雷器 - Google Patents

送電線用避雷器

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JP3373020B2 JP32281993A JP32281993A JP3373020B2 JP 3373020 B2 JP3373020 B2 JP 3373020B2 JP 32281993 A JP32281993 A JP 32281993A JP 32281993 A JP32281993 A JP 32281993A JP 3373020 B2 JP3373020 B2 JP 3373020B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、避雷要素を送電線支持
碍子連と並列に送電線鉄塔に取り付けてなる送電線用避
雷器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、送電系統においては、送電線の雷
事故防止対策として、酸化亜鉛素子を収納した避雷要素
を送電線支持碍子連と並列に送電線鉄塔に取り付け、送
電線用避雷器を構成するという方法が急速に普及してい
る。
【0003】このような従来の送電線用避雷器の一例
を、図7に示す。すなわち、この図7に示すように、送
電線鉄塔の支持アーム1の先端部には、垂直方向に伸び
る支持碍子2がその上端部で取り付けられており、この
支持碍子2の下端部には送電線3が配置され、支持碍子
2によって支持されている。また、支持碍子2の下端部
には、水平方向に伸びる課電側放電電極4が取り付けら
れており、送電線3と電気的に接続されている。さら
に、支持碍子2の上下両端部には、一対のアークホーン
5が互いに対向するようにして取り付けられている。
【0004】一方、支持アーム1には、斜め上方向に伸
びる取付金具6を介して、避雷要素7が吊り下げ固定さ
れている。この避雷要素7は垂直方向に伸びる形状をし
ており、その容器内には複数の酸化亜鉛素子が収納され
ている。そして、この避雷要素7の下端部には、避雷要
素側放電電極8が取り付けられており、この避雷要素側
放電電極8は、前述した課電側放電電極4との間に所定
の放電間隙gを持って対向するように配置されている。
【0005】この放電間隙gは、雷についてのみ放電
し、開閉サージや交流対地電圧では放電しないように設
定されている。そして、課電側放電電極4と避雷要素側
放電電極8の具体的な電極構成としては、例えば、図8
に示すような電極構成が、特開平3−101016号公
報において開示されている。すなわち、図8に示すよう
に、課電側放電電極4の放電部を2重にし、避雷器側放
電電極8の放電部を1重にして、開閉サージの耐電圧を
向上するように構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たような、従来の送電線用避雷器には、開閉サージに対
しては耐電圧が向上するものの、雷サージに対しても放
電電圧が高くなり、支持碍子側のアークホーンで放電
し、支持碍子側のアークホーンとの協調がとれなくなる
という欠点がある。すなわち、図7の送電線用避雷器に
印加される電圧Vは、酸化亜鉛素子の静電容量Caと放
電間隙の静電容量Cgの比により分圧される形で避雷要
素7と放電間隙gに印加され、放電間隙gに加わる電圧
Vgは次式で表される。
【数1】Vg=V×Ca/(Cg+Ca) したがって、特開平3−101016号公報に開示され
ているような、図8に示す電極構成を適用した場合に
は、放電間隙gの静電容量Cgが大きくなり、放電間隙
に加わる電圧Vgが小さくなるため、高い印加電圧でな
いと放電しないようになる。また、このような電極構成
は、あたかも棒−平板ギャップのような電極構成とな
り、負極性の雷サージによる放電電圧が正極性の雷サー
ジによる放電電圧よりも著しく高くなってしまう。一
方、支持碍子側のアークホーンは、棒−棒ギャップのよ
うな電極構成となるため、放電電圧の極性差が小さくな
り、負極性の雷サージにおいて支持碍子側のアークホー
ンで放電するという問題が生じてしまう。
【0007】また、送電線用避雷器は送電線鉄塔に設置
されるため、小型化、軽量化が要求される。一般に、発
変電所用避雷器に広く適用されている酸化亜鉛素子は、
1mA流した場合の電界値が200V/mmぐらいであ
る。しかしながら、この酸化亜鉛素子を送電線用避雷器
に適用した場合には、図5に示すように、系統電圧が高
くなると共に送電線用避雷器の長さが増大し、既設のア
ークホーン間隙長よりも長くなってしまうため、既設鉄
塔への取り付けが困難になってしまう。
【0008】したがって、本発明の目的は、開閉サージ
では放電せず、雷サージにおいて放電間隙で確実に放電
し、信頼性が高くかつ小型の送電線用避雷器を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による送電線用避
雷器は送電線鉄塔の支持アームの先端部に支持碍子を介
して送電線が支持され、前記支持碍子の上下端部に一対
のアークホーンが互いに対向して取り付けられ、前記支
持碍子の下端部に課電側放電電極が取り付けられて前記
送電線と電気的に接続され、かつ、前記支持アームの先
端部から取付部材を介して避雷要素が吊り下げ固定さ
れ、この避雷要素の下端部に避雷要素側放電電極が取り
付けられ、前記課電側放電電極と所定の放電間隙を持っ
て対向するように配置された送電線用避雷器において、
課電側放電電極と避雷要素側放電電極が次のような特徴
を有するものである。
【0010】まず、請求項1に記載の送電線用避雷器
は、次のような特徴を有する。すなわち、前記課電側放
電電極は直線状の棒状導体によって形成され、避雷要素
側放電電極は前記課電側放電電極の軸に対する垂直平面
内に配設され前記課電側放電電極に向かって突出する円
弧状の棒状導体によって形成され、かつ、課電側放電電
極を形成する棒状導体の直径が避雷要素側放電電極を形
成する棒状導体の直径の2倍以上となるように構成し、
前記避雷要素は、容器内に複数の酸化亜鉛素子を収納し
て形成され、これらの酸化亜鉛素子は、1mAの電流を
流した場合の電界が300V/mm以上となる特性を有
するものであることを特徴としている。
【0011】そして、請求項2に記載の送電線用避雷器
は、請求項1に記載の特徴に加えて、次のような特徴を
有する。すなわち、避雷要素は、容器内に複数の酸化亜
鉛素子を収納しかつ接地側と高圧側の両端部を金属フラ
ンジで接合して構成され、避雷要素の接地側と高圧側の
金属フランジは外周を覆う環状シールドを有し、この環
状シールド表面は有機絶縁物にてコーティングされるこ
とを特徴としている。
【0012】
【作用】以上のように構成された本発明の送電線用避雷
器においては、次のような作用が得られる。すなわち、
請求項1に記載の送電線用避雷器においては、課電側放
電電極を形成する棒状導体の直径が避雷要素側放電電極
を形成する棒状導体の直径の2倍以上となるように構成
しているため、課電側では電界が緩和され、開閉サージ
に対して良好な耐電圧特性が得られる。また、負極性の
雷サージに対しては、避雷要素側放電電極の直径が課電
側放電電極の直径に対して細い分だけ、避雷要素側から
正極性のリーダが生じ易くなるため、放電電圧が低くな
り、極性による放電電圧の差が小さくなる。さらに、電
極構成が、棒−棒ギャップに近づくため、放電間隙の静
電容量が小さくなる。したがって、放電間隙に加わる電
圧が大きくなるため、雷サージに対して良好な放電特性
が得られる。
【0013】また、避雷要素の容器内に収納される酸化
亜鉛素子として、1mAの電流を流した場合の電界が3
00/mm以上となる特性を有する酸化亜鉛素子を使用
することにより、発変電所用避雷器に一般的に適用され
ている酸化亜鉛素子の約1.5倍以上の電界を実現し、
同一定格における酸化亜鉛素子の積み上げ枚数を1/
1.5以下に減少することができる。したがって、送電
線用避雷器の小型化が可能となり、既設鉄塔への適用が
容易になる。加えて、避雷要素の長さを縮小できること
から、避雷要素の静電容量が増大し、放電間隙に加わる
電圧が大きくなるため、支持碍子側のアークホーンとの
協調がとり易くなる。
【0014】そして、請求項2に記載の送電線用避雷器
においては、請求項1に記載の送電線用避雷器の作用に
加えて、次のような作用が得られる。すなわち、避雷要
素の接地側と高圧側の金属フランジの外周を覆う環状シ
ールドを有することにより、高圧側と接地側の環状シー
ルド間の浮遊静電容量によって避雷要素の静電容量がさ
らに増大し、放電間隙に加わる電圧が大きくなるため、
支持碍子側のアークホーンとの協調がとり易くなる。さ
らに、環状シールド表面を有機絶縁物でコーティングす
ることにより、環状シールドの電界が緩和されるため、
過大な雷サージで動作した際においても、避雷要素に発
生する制限電圧によって環状シールド間で放電する恐れ
はない。
【0015】
【実施例】以下には、第1の発明による送電線用避雷器
の複数の実施例について、図面を参照して具体的に説明
する。
【0016】(1)第1実施例 図1と図2は、請求項1に記載の送電線用避雷器の一実
施例を示す正面図と側面図である。この図1と図2に示
すように、送電線鉄塔の支持アーム1の先端部には、垂
直方向に伸びる支持碍子2がその上端にて取り付けられ
ており、この支持碍子2の下端部には送電線3が配置さ
れ、支持碍子2によって支持されている。また、支持碍
子2の下端部には、課電側放電電極4が取り付けられて
いる。この課電側放電電極4は、棒状導体によって水平
方向に伸びる直線状に形成されており、送電線3と電気
的に接続されている。さらに、支持碍子2の上下両端部
には、一対のアークホーン5が互いに対向するようにし
て取り付けられている。
【0017】一方、支持アーム1には、水平方向に伸び
る取付金具6を介して、酸化亜鉛素子を内蔵した避雷要
素7が吊り下げ固定されている。この避雷要素7は、垂
直方向に伸びる形状をしており、その容器内には複数の
酸化亜鉛素子が収納され、かつ、その接地側と高圧側の
両端部は金属フランジ9で接合されている。また、避雷
要素7の容器内には、1mAの電流を流した場合の電界
が300V/mm以上となる特性を有する酸化亜鉛素子
が用いられている。そして、この避雷要素7の下端部に
は、避雷要素側放電電極8が取り付けられている。この
避雷要素側放電電極8は、棒状導体によって下方に突出
する円弧状に形成されており、前述した課電側放電電極
4との間に所定の放電間隙gを持って対向し、かつ、そ
れぞれの軸が直交するようにして配置されている。ま
た、課電側放電電極4を形成する棒状導体は、その直径
が避雷要素側放電電極8を形成する棒状導体の直径dの
2倍(2d)となるように構成されている。
【0018】以上のような構成を有する本実施例の送電
線用避雷器においては、課電側放電電極4を形成する棒
状導体が、避雷要素側放電電極8を形成する棒状導体の
直径の2倍の直径を有するため、課電側では電界が緩和
され、開閉サージに対して良好な耐電圧特性が得られ
る。また、雷サージに対しても、避雷要素側放電電極8
の直径が課電側放電電極4の直径の1/2と細くなるた
め、良好な放電特性が得られる。
【0019】ここで、この点について、図3を参照して
説明する。図3は、図1の送電線用避雷器における課電
側放電電極と避雷要素側放電電極の導体径の比に対する
正極性と負極性の50%放電電圧レベルと、アークホー
ンの50%放電電圧レベルとの関係を示すグラフであ
る。この図3から、課電側放電電極4の直径を避雷要素
側放電電極8の直径の2倍以上にすることにより、負極
性の放電電圧レベルをアークホーン5の放電電圧レベル
よりも低くできることがわかる。すなわち、避雷要素側
放電電極8の直径が課電側放電電極4の直径の1/2と
細くなる分だけ、避雷要素7側から正極性のリーダが生
じやすくなるため、放電電圧が低くなり、極性による放
電電圧の差が小さくなるのである。
【0020】また、課電側放電電極4と避雷要素側放電
電極8の両方に棒状導体を使用している本実施例におい
ては、電極構成が、棒−棒ギャップに近づくため、放電
間隙gの静電容量Cgが小さくなる。したがって、放電
間隙gに加わる電圧Vgが大きくなるため、雷サージに
対して良好な放電特性が得られる。
【0021】さらに、避雷要素7の容器内に、1mAの
電流を流した場合の電界が300V/mm以上となる特
性を有する酸化亜鉛素子を使用しているので、発変電所
用避雷器に一般的に適用されている酸化亜鉛素子(すな
わち、1mAの電流を流した場合の電界が200V/m
mぐらいの酸化亜鉛素子)の約1.5倍以上の電界を実
現し、同一定格における酸化亜鉛素子の積み上げ枚数を
1/1.5以下に減少することができる。その結果、図
5に示すように、従来に比べて系統電圧を低くできると
ともに、送電線用避雷器の長さが縮小され、既設鉄塔へ
の適用が容易になる。加えて、避雷要素の長さを縮小で
きることから、避雷要素の静電容量Caが増大し、放電
間隙に加わる電圧Vgが大きくなるため、支持碍子2側
のアークホーン5との協調がとり易くなる。
【0022】以上説明したように、本実施例において
は、課電側放電電極4を形成する棒状導体の直径を避雷
要素側放電電極8を形成する棒状導体の直径dの2倍と
なるように構成したことにより、課電側では電界が緩和
され、開閉サージに対して良好な耐電圧特性が得られ
る。また、負極性の雷サージに対する放電電圧が低くな
り、極性による放電電圧の差が小さくなるとともに、放
電間隙gの静電容量Cgが小さくなり、放電間隙gに加
わる電圧Vgが大きくなるため、雷サージに対して良好
な放電特性が得られる。したがって、本実施例によれ
ば、開閉サージでは放電せず、雷サージにおいて放電間
隙gで確実に放電する、信頼性の高い送電線用避雷器を
提供することができる。
【0023】また、避雷要素7の容器内に、1mAの電
流を流した場合の電界が300V/mm以上となる特性
を有する酸化亜鉛素子を使用しているので、既設鉄塔へ
の取り付けが容易であり、支持碍子2側のアークホーン
5との協調がとり易く、開閉サージでは放電せず、雷サ
ージにおいて放電間隙gで確実に放電し、信頼性が高く
かつ小型の送電線用避雷器を提供することができる。
【0024】(2)第2実施例 図6は、請求項2に記載の送電線用避雷器の一実施例を
示す側面図である。この図6に示すように、本実施例に
おいて、避雷要素7の接地側と高圧側の金属フランジ9
はその周囲を覆う環状シールド10を有し、この環状シ
ールド10の表面は、有機絶縁物11によってコーティ
ングされている。
【0025】このように構成した場合には、高圧側と接
地側の環状シールド10間の浮遊静電容量によって避雷
要素7の静電容量Caがさらに増大し、放電間隙gに加
わる電圧Vgが大きくなるため、支持碍子2側のアーク
ホーン5との協調がとり易くなる。さらに、環状シール
ド10表面を有機絶縁物11でコーティングしているこ
とにより、環状シールド10の電界が緩和されるため、
過大な雷サージで動作した際においても、避雷要素7に
発生する制限電圧によって環状シールド10間で放電す
る恐れはない。
【0026】したがって、本実施例によれば、支持碍子
2側のアークホーン5との協調がとり易く、開閉サージ
では放電せず、雷サージにおいて放電間隙gで確実に放
電する、信頼性の高い送電線用避雷器を提供することが
できる。
【0027】(3)他の実施例 なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではな
く、例えば、前記実施例においては、課電側放電電極の
直径を避雷要素側放電電極の直径の2倍となるように構
成したが、課電側放電電極の直径は、避雷要素側放電電
極の直径の2倍以上であればよく、例えば、2.5倍、
3倍などに設定することが可能である。また、放電電極
や放電間隙の実際の寸法は適宜選択可能であり、放電電
極以外の各部の形状や各部の固定方法などの具体的な構
成は適宜選択可能である。
【0028】また、本発明では、図4の送電線用避雷器
の側面図に示すように、球状部8aにより、避雷要素側
放電電極8の両端部の電界を十分に緩和することが可能
となる。そのため、仮に支持碍子2が強風により横振れ
を生じた場合でも、開閉サージに対して耐電圧特性が低
下することはない。したがって、このような他の実施例
によれば、開閉サージに対する耐電圧特性により優れて
おり、仮に支持碍子が横振れを生じた場合でも、開閉サ
ージでは放電せず、雷サージにおいて放電間隙gで確実
に放電する、信頼性の高い送電線用避雷器を提供するこ
とができる。
【0029】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、課
電側放電電極を棒状導体によって形成するとともに、避
雷要素側放電電極を棒状導体によって円弧状に形成し、
かつ、課電側放電電極の直径を避雷要素側放電電極の2
倍以上とすることにより、開閉サージでは放電せず、雷
サージにおいて放電間隙で確実に放電し、信頼性が高く
かつ小型の送電線用避雷器を提供することができる。
【0030】まず、請求項1に記載の発明においては、
課電側放電電極を形成する棒状導体の直径が避雷要素側
放電電極を形成する棒状導体の直径の2倍以上であるた
め、課電側では電界が緩和され、開閉サージに対して良
好な耐電圧特性が得られる。また、避雷要素側放電電極
を形成する棒状導体の直径が課電側放電電極を形成する
棒状導体の直径の1/2以下であるため、負極性の雷サ
ージに対する放電電圧が低くなり、極性による放電電圧
の差が小さくなるとともに、放電間隙の静電容量が小さ
くなり、放電間隙に加わる電圧が大きくなり、その結
果、雷サージに対して良好な放電特性が得られる。した
がって、開閉サージでは放電せず、雷サージに対して放
電間隙で確実に放電する、信頼性の高い送電線用避雷器
を提供することができる。
【0031】また、避雷要素の容器内に収納される酸化
亜鉛素子として、1mAの電流を流したときの電界が3
00V/mm以上となる特性を有するものを適用してい
るため、従来の酸化亜鉛素子の約1.5倍以上の電界を
実現し、同一定格における酸化亜鉛素子の積み上げ枚数
を1/1.5以下に減少することができる。その結果、
系統電圧を低くできるとともに、避雷要素の長さを縮小
できるため、送電線用避雷器を小型化することができ、
また、避雷要素の静電容量が増大し、放電間隙に加わる
電圧が大きくなる。したがって、既設鉄塔への取り付け
が容易であり、支持碍子側のアークホーンとの協調がと
り易く、開閉サージでは放電せず、雷サージにおいて放
電間隙で確実に放電し、信頼性が高くかつ小型の送電線
用避雷器を提供することができる。
【0032】請求項2に記載の発明においては、避雷要
素の接地側と高圧側の金属フランジにその外周を覆う環
状シールドを配置し、さらにその表面を有機絶縁物でコ
ーティングしているため、高圧側と接地側の環状シール
ド間の浮遊静電容量により避雷要素の静電容量が増大
し、放電間隙に加わる電圧が大きくなるとともに、環状
シールドの電界が緩和される。したがって、支持碍子側
のアークホーンとの協調がとり易く、開閉サージでは放
電せず、雷サージにおいて放電間隙で確実に放電する、
信頼性の高い送電線用避雷器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明による第1実施例の送電
線用避雷器を示す正面図。
【図2】図1の送電線用避雷器の側面図。
【図3】図1の送電線用避雷器における課電側放電電極
と避雷要素側放電電極の導体径の比に対する正極性と負
極性の50%放電電圧レベルと、アークホーンの50%
放電電圧レベルとの関係を示すグラフ。
【図4】本発明の他の実施例に係る送電線用避雷器を示
す側面図。
【図5】請求項1に記載の発明による第1実施例の送電
線用避雷器と従来の送電線用避雷器の系統電圧に対する
長さとアークホーン間隙長との関係を示すグラフ。
【図6】請求項2に記載の発明による第2実施例の送電
線用避雷器を示す側面図。
【図7】従来の送電線用避雷器の一例を示す正面図。
【図8】図7の送電線用避雷器の電極構成を示す斜視
図。
【符号の説明】
1...支持アーム 2...支持碍子 3...送電線 4...課電側放電電極 5...アークホーン 6...取付金具 7...避雷要素 8...避雷要素側放電電極 8a...球状部 9...金属フランジ 10...環状シールド 11...有機絶縁物 g...放電間隙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 17/00 - 17/54 H01T 4/14

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線鉄塔の支持アームの先端部に支持
    碍子を介して送電線が支持され、前記支持碍子の上下端
    部に一対のアークホーンが互いに対向して取り付けら
    れ、前記支持碍子の下端部に課電側放電電極が取り付け
    られて前記送電線と電気的に接続され、かつ、前記支持
    アームの先端部から取付部材を介して避雷要素が吊り下
    げ固定され、この避雷要素の下端部に避雷要素側放電電
    極が取り付けられ、前記課電側放電電極と所定の放電間
    隙を持って対向するように配置された送電線用避雷器に
    おいて、 前記課電側放電電極は直線状の棒状導体によって形成さ
    れ、 前記避雷要素側放電電極は前記課電側放電電極の軸に対
    する垂直平面内に配設され前記課電側放電電極に向かっ
    て突出する円弧状の棒状導体によって形成され、 かつ、課電側放電電極を形成する棒状導体の直径が避雷
    要素側放電電極を形成する棒状導体の直径の2倍以上と
    なるように構成し、 前記避雷要素は、容器内に複数の酸化亜鉛素子を収納し
    て形成され、 これらの酸化亜鉛素子は、1mAの電流を流した場合の
    電界が300V/mm以上となる特性を有するものであ
    ることを特徴とする送電線用避雷器。
  2. 【請求項2】 前記避雷要素は、容器内に複数の酸化亜
    鉛素子を収納しかつ接地側と高圧側の両端部を金属フラ
    ンジで接合して構成され、 前記避雷要素の接地側と高圧側の前記金属フランジは外
    周を覆う環状シールドを有し、この環状シールド表面は
    有機絶縁物にてコーティングされることを特徴とする請
    求項1記載の送電線用避雷器。
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