JP3372828B2 - 証券等の印刷物 - Google Patents
証券等の印刷物Info
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Description
社債、国債等の証券等の偽造防止が必要な印刷物に関す
る。さらに詳述すると、本発明は、流通過程等において
一般消費者や需要者、取引者等(以下、これらを総称し
て一般取引者と呼ぶ)が、印刷された偽造防止マークに
よって真偽の判別が可能となる証券等の印刷物、特にカ
ラーコピーによる偽造の防止に効果的な証券等の印刷物
に関する。
するために、各種の偽造防止方法が採用されている。例
えば、株券の場合には発行会社名などの「すき入れ・透
かし」が証券用紙に入れられているのが一般的である。
ムを圧着したものもある。ホログラムは複製や複写によ
り本物と大きく異なるものになってしまうので、視覚的
に容易に判別でき、専門の鑑定家によらずとも一般の取
引者でも容易に偽造品であることを判別できる。
証券等を印刷する場合もある。この場合、証券等をカラ
ーコピー機により複写しても蛍光インキや透明インキに
よる印刷部分を本物に忠実に再現することは困難である
ので、当該印刷部分の色の違いを手掛かりにして証券等
の真偽を判別することができる。
券等に隠し文字・マーク等を印刷したものがある。そし
て、この証券等をカラーコピー機により複写しても特殊
波長感光インキによる印刷部分を再現することは困難で
あるので、この証券等に特殊な波長の光線を照射して隠
し文字・マークが表れるか否かにより真偽を判別するこ
とができる。
字を証券等に印刷したものがある。この証券等をカラー
コピー機により複写すると隠し文字が潰れるので、この
隠し文字の状態を確認することにより証券等の真偽を判
別することができる。
紙などへのすき入れだけでは偽造防止には不十分である
し、ホログラムを圧着する場合にはホログラムが高価で
ある上に製造工程と時間が増えることから印刷物コスト
を高くしてしまう。
使用して印刷した場合は、この証券等をカラーコピー機
により複写して作成した偽造品と本物の証券等とを並べ
て見比べる場合には一般取引者でもその違いに気付き真
偽の判別はできるが、精巧なカラーコピー機で複写され
た偽造品だけを見るときには真偽の判断はつきかねる。
したがって、株券等の証券の流通過程での取引・使用の
現場で一般取引者が真偽を判別することは困難である。
すなわち、特殊インクを使用した従来の偽造防止方法で
は鑑定家などの専門家であれば十分に真偽を判別できる
ものの、一般取引者が通常の取引等で真偽の判断を行う
ことは極めて困難である。
用して印刷した場合にも、特殊な波長の光線を照射しな
ければ証券等の真偽を判別できないので、専用の機械が
必要となり、取引の場で偽造品を見ただけでは真偽を判
別することはできない。
場合には、その隠し文字をルーペ等を使用して確認しな
ければ証券等の真偽を判別できないので、証券等の流通
過程で偽造品を素人が肉眼で見ただけでは真偽を判別す
ることはできない。しかも、隠し文字は細か過ぎて素人
が見ても印刷されていることに気が付かないので、印刷
位置を知らなければ真偽を判別することができない。隠
し文字の印刷位置は、証券等の鑑定家は知っていても一
般取引者は通常知らないものである。このため、一般取
引者が隠し文字の潰れを確認して真偽を判別することは
極めて困難である。
けずに偽造し難い証券等の印刷物を提供することを目的
とする。また、本発明は、普通の証券印刷技術で印刷で
きるものの、カラーコピーで偽造されないようにする証
券等の印刷物を提供することを目的とする。
めに請求項1の証券等の印刷物は、等間隔で同じ線幅の
多数の平行線を一群とした平行線画部と、その周りを囲
む多数の放射線を一群とした放射線画部とを含む偽造防
止マークを印刷するようにしている。したがって、本物
の印刷物は平行線画部と放射線画部とが構成する偽造防
止マークが模様として判断できる。これに対し、この印
刷物をカラーコピー機で複写または製版用カメラで撮影
して偽造したときは、平行線画部及び放射線画部を構成
する線が線太りを起こし、また走査方向と直交する方向
の線が切れやすいので、各線画部が潰れて模様として認
識し難くなると共に、平行線画部を拡大してそれを見る
ことによって偽造か否かの確証を容易に得ることができ
る。例えば図6に示すように、偽造防止マークが(A)
に示す状態から(B)に示す状態のように複写により劣
化する。この図面は、線画の劣化状況を誇張して示して
いるが、同様の現象が起きることは明白である。
載の証券等の印刷物において、平行線画部と放射線画部
とが印刷したときに同じ濃さに見える線幅と間隔で印刷
されている。この場合、印刷物の本物を見たときは平行
線画部と放射線画部とが同じ濃さに見えるので、偽造防
止マークが全体として均一の濃度に見える。これに対
し、この印刷物をカラーコピー機で複写または製版用カ
メラで撮影して偽造したときは、これら平行線画部及び
放射線画部を構成する線が線太りを起こすので、等間隔
の多数の平行線からなる平行線画部では濃くなる反面、
周縁に向かうほど間隔が広がる多数の放射線からなる放
射線画部では線太りによる影響が平行線画部よりも少な
くて相対的に薄く見えるようになり、偽造防止マークが
全体として不均一な濃度となる。よって、一般取引者は
偽造防止マークの濃度が全体として均一か否かを肉眼で
見分けることにより印刷物の真偽を容易に判別すること
ができる。したがって、印刷物の偽造を防止することが
できる。
記載の証券等の印刷物において、放射線画部の線の間隔
を平行線画部と接する部分において平行線画部の線の間
隔と等しくするようにしている。この場合、カラーコピ
ー機で複写または製版用カメラで撮影して偽造したとき
の線太りに因る濃度変化が平行線画部よりも放射線画部
で確実に少なく相対的に平行線画部よりも薄く見えるよ
うになり、偽造防止マークがより確実に全体として不均
一な濃度となる。
ら3のいずれかに記載の証券等の印刷物において、互い
に直交する2つの群の多数の平行線によって平行線画部
の模様が形成されている。この場合、コピーの際に、走
査方向と直交する方向の線が切れやすいので、平行線画
部を拡大してそれを見ることによって、偽造か否かの確
証を容易に得ることができる。
載の証券等の印刷物において、平行線画部の模様が潜像
模様とされている。この場合、潜像模様をカラーコピー
機により平面上に複写すると潜像が表れ難くなるので、
印刷物を複写したときに偽造防止マークの再現が困難に
なる。
ら5のいずれかに記載の証券等の印刷物において、偽造
防止マークの平行線画部と放射線画部とが、線幅0.0
2〜0.03mmの線により印刷されている。この場
合、平行線画部及び放射線画部の濃度が全体的に均一に
なると共に、カラーコピー機による複写や製版用カメラ
による撮影によって線が太くなり平行線画部が放射線画
部よりも濃くなって偽造防止マークが全体として不均一
な濃度となる。ここで、線幅が0.01mm以下である
と、線が細すぎて版の平坦度の誤差(凹凸)の影響で印
刷飛びを生じ易くなってしまう。また、線幅が0.04
mm以上であると、平行線画部が放射線画部よりも濃く
なってしまい偽造防止マークが全体として均一な濃度で
なくなってしまう。しかも、極めて特殊で高度な印刷技
術がなくとも印刷可能な線幅となる。このため、線幅は
0.02〜0.03mmであることが好ましい。
ら6記載の証券等の印刷物において、放射線画部の周り
にこの放射線画部を囲む環状の微小文字列で構成される
環状画部を配置するようにしている。この場合、微小文
字がコピーによって潰れ、模様として再現されず、一見
して不自然であり偽造品ではないかとの疑惑を与えるに
十分である。しかも、ルーペなどを使って拡大すれば、
微小文字が判別できない程に潰れているので、専門家で
なくとも容易に偽造であることを判断できる。
のいずれかに記載の証券等の印刷物において、濃色と淡
色との少なくとも一対の偽造防止マークを印刷するよう
にしている。したがって、偽造防止マークが印刷された
印刷面をカラーコピー機で複写または製版用カメラで撮
影して偽造したときに一対の偽造防止マークの両方を等
しく複写または撮影できず、濃色の偽造防止マークが濃
くなって潰れるか、または淡色の偽造防止マークが薄く
なって色飛びを起こす。よって、濃淡の一対の偽造防止
マークの両方を同時に再現することができないので、素
人の一般取引者が印刷物の真偽を容易に判別でき、印刷
物の偽造を防止することができる。
の偽造防止マークに合わせると、図3に示すように淡色
の偽造防止マークは薄くなって色飛びを起こし再現され
ない。また、複写または撮影の濃度を淡色の偽造防止マ
ークに合わせると、図4に示すように濃色の偽造防止マ
ークが濃くなって潰れ平行線画部及び放射線画部の線図
がベタで塗り潰されたようになる。さらに、複写または
撮影の濃度を濃色と淡色の偽造防止マークの中間に合わ
せると、図5に示すように濃色の偽造防止マークは本来
の濃度よりやや濃くなって線図が潰れると共に淡色の偽
造防止マークは本来の濃度よりやや薄くなって色飛びに
近い状態になるので、いずれの偽造防止マークも適正な
濃度に再現されない。
撮影による偽造品を見た者は一対の偽造防止マークの濃
度を見ることにより、その印刷物の真偽を判別すること
ができる。すなわち、図3に示すように印刷物の淡色の
偽造防止マークが色飛びを起こしている場合や、図4に
示すように印刷物の濃色の偽造防止マークの線図がベタ
で潰れている場合や、図5に示すように印刷物の淡色の
偽造防止マークはやや色飛びを起こし、かつ濃色の偽造
防止マークがやや潰れていずれの偽造防止マークも不適
正な濃度である場合は、その印刷物は偽造品であると判
断することができる。
載の証券等の印刷物において、淡色の偽造防止マークの
印刷箇所には当該偽造防止マークのみが印刷してある。
この場合、偽造防止マークが印刷された印刷面を複写ま
たは撮影するときにその濃度を濃色の偽造防止マークに
合わせると淡色の偽造防止マークは色飛びを起こして再
現されない。しかも、当該偽造防止マークがある部分に
は地紋模様が印刷されていないので、印刷用紙の地の色
がそのまま表れたいわゆる白抜けの状態となり、その周
囲の地紋模様との濃度差により際立って目立つこととな
る。したがって、証券等の印刷物の複写や撮影による偽
造が困難になる。
または9記載の証券等の印刷物において、濃色の偽造防
止マークが図柄模様を印刷するインキにより印刷したも
のであり、かつ淡色の偽造防止マークが地紋模様を印刷
するインキにより印刷するようにしている。この場合、
印刷物の図柄模様の印刷と同時並びに地紋模様の印刷と
同時に各々濃淡一対の偽造防止マークを印刷でき、偽造
防止マークを印刷しない場合と同じ印刷工程やインキの
種類で偽造防止マークを印刷できる。
実施の形態の一例に基づいて詳細に説明する。図1に本
発明を株券に適用した実施形態の一例を示す。この株券
1は、株券としての体裁や重みを与えるための各種図柄
模様5や地紋模様6の他に、等間隔で同じ線幅の多数の
平行線を一群とした平行線画部7と、その周りを囲む多
数の放射線を一群とした放射線画部8とを含む偽造防止
マーク3,4を印刷している。尚、偽造防止マーク3,
4は少なくとも1つあれば足りるが、本実施形態では濃
色と淡色との一対の偽造防止マーク3,4を印刷するこ
とによってより一層偽造し難くしている。
ンや色彩などに特に限定されるものではないが、本実施
形態では唐草模様の図柄模様5と網目模様の地紋模様
(図中ハッチングに代えて示す)6が例示されている。
通常、偽造印刷を防止するため、図柄模様5は比較的濃
色の複数のインキにより、また地紋模様6は淡色の複数
のインキによりそれぞれ印刷されている。本実施形態の
場合、4色で図柄模様5が、4色で地紋模様6が印刷さ
れている。尚、株券1にはその他に株の内容などが印刷
されている。
目に付きやすい位置に印刷されている。例えば、本実施
形態では、株券1の右下の角部には濃色の偽造防止マー
ク3が図柄模様5を印刷するインキの1つを使って印刷
されている。また、株券1の左下の角部には淡色の偽造
防止マーク4が地紋模様6を印刷するインキの1つを使
って印刷されている。ここで、濃色の偽造防止マーク3
を図柄模様5を印刷するインキを使用して印刷すると共
に淡色の偽造防止マーク4を地紋模様6を印刷するイン
キを使用して印刷すれば、偽造防止マーク3,4を印刷
するために使用インキ数を増加したり、印刷工程を増や
す必要がない。図柄模様5や地紋模様6を印刷すると同
時に偽造防止マーク3,4を印刷することができるの
で、偽造防止マーク3,4を印刷しない場合と同様の製
造工程と時間で印刷を完了できる。依って、株券1の印
刷の際のコストや時間を従来の株券と同等に抑えること
ができる。
インキを用いて偽造防止マーク3,4を印刷するように
しても良い。例えば、これら一対の偽造防止マーク3,
4がカラーコピー機による複写や製版用カメラによる撮
影の際に両方を同時に再現できない程度の濃度差を有し
ていれば、図柄模様5や地紋模様6に使われている以外
の色彩や明度のインキを使って印刷するようにしても良
い。この場合、印刷コストと時間は増えるがより一層複
雑な印刷となるため、偽造印刷を防止する効果がある。
ーク3を株券1の右下の角部に印刷すると共に淡色の偽
造防止マーク4を株券1の左下の角部に印刷している
が、印刷位置はこれには限られず、各偽造防止マーク
3,4の存在を気づき易い位置関係や株券1の各模様
5,6等のデザイン等を考慮して他の位置にすることが
できるのは勿論である。
置には、地紋模様6や図柄模様5を印刷せずに各偽造防
止マーク3,4のみを印刷している。このため、図3に
示すように濃色側の偽造防止マーク3に明るさを合わせ
てカラーコピーをとった際に淡色側の偽造防止マーク4
が色飛びを起こすと、印刷用紙の地がそのまま表れて白
抜きの状態となる。この白抜けはその周囲の地紋模様6
との間でも濃度差を引き起こして目立つので、証券1の
複写や撮影による再現を困難にして偽造を防止すること
ができる。他方、濃色の偽造防止マーク3はコピーによ
って白く抜ける事態は考えられないので、地紋模様6を
印刷しておいても良い。
限定されるものではない。しかし、偽造防止マーク3,
4を各模様5,6を構成するいくつかの色のうちの1つ
を使って形成しているので、経済性などを考慮すると、
株券1を大量に高速に印刷可能なウェットオフセット印
刷の採用が好ましい。しかし、印刷方法はこの方法に特
に限定されず、一般的なオフセット印刷の他、凹版印刷
や凸版印刷等も適用可能である。
同じ線幅の多数の平行線を一群とした平行線画部7と、
その周りを囲む多数の放射線を一群とした放射線画部8
とを少なくとも含むものである。本実施形態の場合、偽
造防止マーク3,4は、図2に示すように円形で、中央
の平行線画部7とその周囲の放射線画部8と更に外周の
二重円環部2とその内側に環状に配置される微小文字か
らなる環状画部9とから構成されている。
の多数の平行線の一群から成る。本実施形態では互いに
直交する2つの群の多数の平行線、即ち縦線と横線とか
ら成り、模様が構成されている。模様は、拡大して見た
ときに偽造であるか真正であるかの判断基準となるもの
であるが、特定の図形や文字等に限定されず、任意の図
形や文字が使われる。例えば、本実施形態の場合、本件
出願人の英文会社名の頭文字「ASP」が印刷された例
を示している。しかし、これに特に限定されるものでな
いことは言うまでもない。また模様は、平坦な図形や文
字等の平面模様でも良いが、潜像模様でもよい。潜像模
様の場合、特定の方向例えば図2の下側または上側から
偽造防止マーク3,4を斜めに見たときに、「ASP」
の文字が表れる。そして、潜像模様をカラーコピー機に
より平面上に複写すると潜像は表れ難くなるので、平行
線画部7をルーペで拡大して見ることにより証券等の印
刷物の真偽を素人でも容易に判別できるようになる。な
お、株券1等の印刷物を凹版印刷により印刷する場合
は、潜像模様による偽造防止は特に効果的となる。
むように印刷され、偽造防止マーク3,4の中央を中心
とする多数の放射線の一群で構成されている。この放射
線画部8の線の間隔は平行線画部7と接する部分におい
て平行線画部7の線の間隔と等しく形成されることが好
ましい。この場合、単位面積当たりに占める線とその間
の空白部分との面積割合が等しく、また放射方向に漸次
変化して行くので、マーク3,4の内側と外側の濃度を
均一に形成する上で好ましい。また、この放射線画部8
にはコピー機の走査方向と直角な細線及びこれに近付く
多数の斜線が含まれることから、カラーコピー機による
複写の際に消え易いので、株券1を複写したときに偽造
防止マーク3,4の再現を困難にすることができる。そ
して、放射線画部8は走査方向に対して傾斜した斜線を
多数含み、この斜線はカラーコピー機による複写の際に
ギザギザになって潰れ易いので、株券1を複写したとき
に偽造防止マーク3,4が潰れて再現を困難にすること
ができる。これにより、株券1の偽造を防止することが
できる。しかも、放射線画部8はルーペで拡大して見る
ことにより証券1の真偽を素人でも確実に判別できるよ
うになる。本実施形態では放射線画部8は平行線画部7
の外側に設けられているので、放射線の中心部は印刷さ
れない。このため、株券1を印刷する際に放射線が一点
に集中して隣り合う線がくっついて潰れて各偽造防止マ
ーク3,4の濃度が不均一になることを防止できる。
刷したときに同じ濃さに見えるように印刷されている。
例えば、平行線画部7と放射線画部8とが印刷したとき
に同じ濃さに見えるようにするには、同じ線幅の線を等
間隔で密に印刷することによって構成されている。例え
ば、図2に示す線幅と間隔の関係の直径4.6mmのと
し、かつ放射線画部8の線の間隔を平行線画部7と接す
る部分において平行線画部7の線の間隔と等しく形成し
て、放射線画部8と平行線画部7とを線幅0.02〜
0.03mmの均一幅の線により印刷することによって
構成される。勿論、必要に応じてマーク3,4の内側と
外側とで濃度差が生じるようにマーク3,4を印刷して
も良いが、ほぼ均一な濃度で印刷する場合にはマーク
3,4に濃度差が発生していることだけでコピーによる
偽造であることを知ることができる。
と平行線画部7の線幅とを等しい太さにしているが、こ
れには限られずこれらの線幅を異ならせることもでき
る。この場合も放射線画部8と平行線画部7とを所定の
濃度にすることにより、これらの濃度差からコピーによ
る偽造であることを知ることができる。
部7及び放射線画部8を印刷する線幅は、カラーコピー
機による複写や製版カメラによる撮影で再現を困難とす
るため、可能な限り細くすることが好ましいが、その反
面、細すぎると正常に印刷できなくなる。この平行線画
部7と放射線画部8との組み合わせから成る偽造防止マ
ーク3,4の線幅をコピーし難く潰れ易い例えば0.0
1mm程度にまで細くすると、版面の平坦度の誤差等の
影響を受けて一方の偽造防止マークが印刷できても他方
で抜けてしまう等の不安定さがある。また、この線幅を
例えば0.05mm程度に太くすると印刷の際に平行線
画部7及び放射線画部8が潰れてしまうおそれがある。
て、本発明者等が種々研究した結果、0.01mmだと
内側の平行線画部7が白く抜け、0.02mmだと内側
の平行線画部7と外側の放射線画部8とが同様に均一に
平坦な濃度分布で印刷でき、0.03〜0.04mmだ
と内側の平行線画部7が外側の放射線画部8よりも濃く
現れ、0.05mmを超えると潰れて模様が無くなる。
さらに、この平行線画部7と放射線画部8とをコピーし
たときには線幅が僅かに太くなって複写されるので、本
物の株券1の偽造防止マーク3,4における平行線画部
7と放射線画部8との濃度のバランスと、これをコピー
して僅かに線幅が太くなった偽造品の偽造防止マーク
3,4における平行線画部7と放射線画部8との濃度の
バランスとは異なるものとなる。そして、本物の株券1
の平行線画部7と放射線画部8との濃度は全体的に均一
であると共にそれをコピーした偽造品では平行線画部7
が放射線画部8より濃くなるように印刷の線幅を設定し
ておけば、平行線画部7と放射線画部8とが均一な濃度
であるか否かの確認を肉眼で行うだけで素人でも偽造の
判別を行うことができるようになる。
幅は、好ましくは0.02mm〜0.04mm、より好
ましくは0.02mm〜0.03mm、最も好ましくは
0.025mmである。この線幅で偽造防止マーク3,
4を印刷することにより、本物の株券1の偽造防止マー
ク3,4の平行線画部7と放射線画部8とは全体が均一
な濃度に見えると共に、それをコピーした偽造品では平
行線画部7が放射線画部8より濃くなる。したがって、
この偽造防止マーク3,4を片方ずつ別個にカラーコピ
ー機による複写や製版カメラによる撮影で再現しようと
しても、平行線画部7と放射線画部8とが均一な濃度で
あるか否かの確認を肉眼で行うことにより素人でも偽造
の判別を行うことができ、偽造を防止することができ
る。
例えば株券印刷会社や株発行企業名等の「XXXXXXX……X
XXX 」の微小文字から成る環状画部9が連続して印刷さ
れている。但し、環状画部9に印刷する文字は、これに
限られないのは勿論である。微小文字の大きさは、例え
ば高さ0.2mm,幅0.15mmとする。これによ
り、カラーコピー機による複写や製版用カメラによる撮
影で偽造を行っても微小文字が潰れるので、環状画部9
をルーペで見ることにより証券1の真偽をより確実に判
別できるようになる。
全体の濃度と環状画部9の全体の濃度とが等しくなるよ
うに微小文字の大きさ(高さ、幅)や線幅を設定するこ
とが好ましい。これにより、本物の株券1では偽造防止
マーク3,4の全体が均一な濃度に見えるのに対し、こ
の株券1の複写による偽造品では平行線画部7と放射線
画部8と環状画部9とのそれぞれに対する画像再現性が
異なることから、偽造防止マーク3,4の全体が均一な
濃度に見えなくなり、株券1の真偽の判別を更に容易に
行うことができるようになる。すなわち、濃淡の偽造防
止マーク3,4を互いに比べるまでもなく、各偽造防止
マーク3,4自体の濃淡の均一性を見ることにより真偽
の判別ができるので、一般取引者にも株券1の真偽の判
別が容易になり偽造防止を図ることができる。
3,4の横には「偽造防止マーク」の文字10及び偽造
防止マーク3,4を指す矢印11が印刷されている。こ
れにより、この株券1を見た者に偽造防止マーク3,4
の印刷位置を明確に示すと共に、株券1の真偽を確認す
るように注意を促すことができる。
製版カメラで撮影した場合は、以下のように偽造防止を
図ることができる。
マーク3,4は内部の平行線画部7と外部の放射線画部
8とが同様に均一な濃度で現れるが、コピーすると内部
の平行線画部7が白く抜けたり濃く潰れるように現れ易
い。また、平行線画部7及び放射線画部8を組み合わせ
た線図は、周りの環状画部9及び二重円環部2の円環形
状よりもコピーによって潰れ易くなる。例えば、図6に
誇張して示すように、(A)の状態から(B)の状態へ
と線画の再現性が劣化し、線画が潰れてしまう。
された図柄模様5や濃色の偽造防止マーク3に合わせた
場合、図3に示すように淡色の偽造防止マーク4が薄く
なって色飛びを起こして白抜けの状態となる。そして、
濃色の偽造防止マーク3では、平行線画部7の濃度が放
射線画部8の濃度よりも高くなって、内部が濃く外部が
薄い不均一な濃度となる。さらに、濃色の偽造防止マー
ク3の平行線画部7及び放射線画部8は複写や撮影によ
る再現が困難な太さの線で印刷されているため潰れてし
まう。
で印刷された地紋模様6や淡色の偽造防止マーク4に合
わせた場合は、図4に示すように濃色の偽造防止マーク
3が濃くなって潰れた状態になる。そして、淡色の偽造
防止マーク4では、平行線画部7の濃度が放射線画部8
の濃度よりも高くなって、内部が濃く外部が薄い不均一
な濃度となる。また、淡色の偽造防止マーク4の平行線
画部7及び放射線画部8は複写や撮影による再現が困難
な太さの線で印刷されているため潰れるかまたは複写さ
れない。
色の偽造防止マーク3,4の中間に合わせた場合は、図
5に示すように濃色の偽造防止マーク3は本来の濃度よ
りやや濃くなってやや潰れた状態になり、また淡色の偽
造防止マーク4は本来の濃度よりやや薄くなってやや色
飛びを起こした状態になる。そして、いずれの偽造防止
マーク3,4も平行線画部7の濃度が放射線画部8の濃
度よりも高くなって、内部が濃く外部が薄い不均一な濃
度となる。しかも、いずれの偽造防止マーク3,4も、
平行線画部7及び放射線画部8は複写や撮影による再現
が困難な太さの線で印刷されているため潰れるかまたは
複写されない。
マーク3,4の濃度を見ることにより、一般の取引者で
も真偽を容易に判別することができる。すなわち、図3
に示すように株券1の淡色の偽造防止マーク4が白抜け
を起こすと共に濃色の偽造防止マーク3が不均一な濃度
となっている場合や、図4に示すように株券1の濃色の
偽造防止マーク3が潰れると共に淡色の偽造防止マーク
4が不均一な濃度となっている場合や、図5に示すよう
に株券1の淡色の偽造防止マーク4はやや色飛びし、か
つ濃色の偽造防止マーク3はやや潰れていずれの偽造防
止マーク3,4も不均一な濃度となっている場合は、そ
の株券1は偽造品であると判断することができる。さら
に、株券1の一対の偽造防止マーク3,4の平行線画部
7及び放射線画部8が適正に印刷されているか潰れてい
るかをルーペで拡大して見ることにより、株券1の真偽
をより確実に判別することができる。これにより、株券
1の偽造を防止することができるようになる。
順で実施できる。例えば、一対の偽造防止マーク3,4
を比較し、いずれか一方が白く抜けているか濃く潰れて
いれば偽造品であると判断できる。株券1が図3に示す
ものであった場合、まず淡色の偽造防止マーク4が白抜
けしていることと濃色の偽造防止マーク3の濃度が不均
一であることとを一見で認識して偽造品の可能性がある
と判断できる。そして、この際にはルーペで拡大して見
ることによって濃色の偽造防止マーク4の平行線画部7
及び放射線画部8が潰れていることを視認できるので、
この株券1が偽造品であること正確に判別できる。
合、まず濃色の偽造防止マーク3が潰れていることと淡
色の偽造防止マーク4の濃度が不均一であることとを一
見で認識して偽造品の可能性があると判断できる。そし
て、このことはルーペで拡大して見ることによって淡色
の偽造防止マーク3の平行線画部7及び放射線画部8が
潰れていることを視認できるので、この株券1が偽造品
であることを正確に判別できる。
場合、まず両方の偽造防止マーク3,4が不均一な濃度
であることことから偽造品の可能性があると判断でき
る。そして、このことはルーペで拡大して見ることによ
って各偽造防止マーク3,4の平行線画部7及び放射線
画部8が潰れていることを視認できるので、この株券1
が偽造品であると高い確率で判別することができる。
ー機で複写または製版カメラで撮影した場合に、偽造防
止マーク3,4の少なくとも一方を見ることによって、
より好ましくは一対の偽造防止マーク3,4を見比べる
ことにより一般の取引者でも容易に真偽の判断を行うこ
とができるので、偽造品の流通を防止することができ、
これにより株券1の偽造を防止できる。
施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能で
ある。例えば、本実施形態では偽造防止マーク3,4を
平行線画部7と放射線画部8と環状画部9と二重円環部
2とを備えたものとしているが、この全てを備えたもの
には限られない。例えば、少なくとも平行線画部7及び
放射線画部8を有していれば足りる。この場合も偽造防
止マーク3,4をコピーすることにより平行線画部7と
放射線画部8との濃度が異なって一般取引者でも容易に
偽造判別できるので、株券1の偽造を防止することがで
きる。また、平行線画部7及び放射線画部8を多数の細
線から成るものとできるので、カラーコピー機で複写ま
たは製版カメラで撮影した場合に偽造防止マーク3,4
が潰れたり色飛びを起こして一般取引者でも偽造判別を
容易に行うことができる。
に直交する2つの群の多数の縦横の平行線から成る模様
としているが、これには限られず多数の同一方向の平行
線、例えば縦方向の平行線や横方向の平行線あるいは斜
め方向の平行線のみから成る線画が構成されることも可
能である。
3,4を平行線画部7と放射線画部8と環状画部9とを
備えたものとしているが、偽造防止マーク3,4の構成
要素はこれらには限られない。例えば、偽造防止マーク
3,4を線幅0.025mm程度で密集した多数の同心
円から成るものとしたり、渦巻きから成るものとした
り、多方向の線から成る網目模様等とすることができ
る。これらの場合も偽造防止マーク3,4を多数の細線
から成るものとできるので、カラーコピー機で複写また
は製版カメラで撮影した場合に偽造防止マーク3,4が
潰れたり色飛びを起こして一般取引者でも偽造品の判別
を容易に行うことができ、株券1の偽造を防止すること
ができる。
ーク3と淡色の偽造防止マーク4とを一対印刷している
が、必ずしも濃淡一対を設けることはなく、少なくとも
1つのマーク例えば目に留まりやすい濃色の偽造防止マ
ーク3を印刷すれば足りる。この場合でも、平行線画部
7と放射線画部8との濃度差を見ることにより、あるい
は線画の潰れを見ることによって一般取引者でも偽造品
の判別を容易に行うことができ、株券1の偽造を防止す
ることができる。特に商品券のように印刷面積の少ない
物の場合には濃色または淡色の偽造防止マークの一方が
設けられる。
しているが、これに限られるものではなく印刷物を例え
ば債券または商品券等の証券等とすることもできる。
ステム(バルコグラフイック社製)を使用してウェット
オフセット印刷により印刷した。偽造防止マーク3,4
は、直径を4.6mmとし、図2に示す平行線画部7と
放射線画部8と環状画部9と二重円環部2とを有するも
のとした。そして、環状画部9の文字の大きさは、高さ
0.2mm,幅0.15mmとした。また、濃色の偽造
防止マーク3は図柄模様5の印刷に使用するインキの1
つと同じインキで、淡色の偽造防止マーク4は地紋模様
6の印刷に使用するインキの1つと同じインキでそれぞ
れ印刷した。さらに、平行線画部7及び放射線画部8の
線幅が0.01mm,0.02mm,0.03mm,
0.04mmの4種類の偽造防止マーク3,4を濃淡2
色ずつそれぞれ計8個印刷した。
マーク3,4を印刷したものは、濃淡に関係なく同マー
ク3,4が全体に均一な濃度で模様も良好に安定印刷で
きた。しかし、0.01mmの線で偽造防止マーク3,
4を印刷したものは、濃淡に関係なく同マーク3,4が
全体に不均一な濃度で模様も不安定に印刷された。ま
た、0.03mmの線で偽造防止マーク3,4を印刷し
たものは、濃淡に関係なく双方のマーク3,4が安定し
て模様が印刷されたが全体にマークの内側が濃く印刷さ
れた。更に、0.04mmの線で偽造防止マーク3,4
を印刷したものは、濃色側のマーク3は印刷が安定して
いるものの画線が潰れ気味となり、淡色側のマーク4は
模様も良好で安定印刷されたが全体にマークの内側が濃
く印刷された。
カラーコピー機(Aカラー935、富士ゼロックス株式
会社製)により濃度を3段階に変化させて複写した。そ
の結果を表1に示す。
できた場合でも、地紋模様6と同じインキで印刷した淡
色の偽造防止マーク4の平行線画部7及び放射線画部8
は全て白抜けとなった。また、この白抜けにより淡色の
偽造防止マーク4の平行線画部7及び放射線画部8の線
図が現れなかった。一方、図柄模様5と同じインキで印
刷した濃色の偽造防止マーク3の平行線画部7及び放射
線画部8は色は現れたもののいずれも濃度が不均一であ
ったりベタ状に潰れた。また、濃色の偽造防止マーク3
の平行線画部7及び放射線画部8は線図が潰れて再現さ
れなかった。
変えた複写によってこの株券1の偽造品を作成しても、
各偽造防止マーク3,4を見ることにより一般取引者が
偽造品であることを肉眼でも容易に判別することができ
る。特に、0.02mmの線で平行線画部7と放射線画
部8とを印刷した場合には、印刷時にマーク3,4その
ものが濃度差のない均一な模様であるため、容易にコピ
ーであることが判別できた。よって、株券1の偽造品の
流通を防止することができる。
券1を製版用カメラ(オプチコピーインポーザーシステ
ム、コダック社製)により露光値を変化させて撮影して
製版を作成した。その結果、線幅0.01mmと0.0
2mmの偽造防止マーク3,4では、画線が細すぎて抜
けを起こしてしまい、いずれの露光値でも再現ができな
かった。また、線幅0.04mmの偽造防止マーク3,
4では、画線が太すぎていずれの露光値でも潰れてしま
った。さらに、線幅0.03mmの偽造防止マーク3,
4での結果を表2に示す。
模様の背景にある図柄模様5よりも細かい濃色の線図を
意味し、具体的には図1中の符号5aの部分である。そ
して、淡色の偽造防止マーク4の平行線画部7及び放射
線画部8は、露光の状態に拘わらず全て白抜けとなっ
た。また、この白抜けにより淡色の偽造防止マーク4の
平行線画部7及び放射線画部8の線図が現れなかった。
このため、淡色の偽造防止マーク4の平行線画部7及び
放射線画部8が白抜けしているか否かを確認することに
より、一般取引者でも株券1の真偽の判別を容易に行う
ことができる。
0)では、図柄模様5が良好に再現されたものの、濃色
の偽造防止マーク3の平行線画部7及び放射線画部8が
抜けた。この抜けにより、濃色の偽造防止マーク3の平
行線画部7及び放射線画部8の線図が現れなかった。ま
た、プラス補正して光量を増やした露光(露光カウント
値2800,2300)では、濃色の偽造防止マーク3
の平行線画部7及び放射線画部8がやや再現されたもの
の、図柄模様5のバック線5aまたは濃い部分が潰れ
た。さらに、ここでやや再現された濃色の偽造防止マー
ク3の平行線画部7及び放射線画部8は、斑やビリ付き
等を生じてそのままでは印刷には不適合な状態であり、
また製版上での修正は不可能な状態であった。このた
め、図柄模様5と濃色の偽造防止マーク3とは同じイン
キを使用して印刷しているが、偽造防止マーク3は平行
線画部7及び放射線画部8を有しているため撮影による
再現が困難なので、これら図柄模様5と濃色の偽造防止
マーク3とを同時に再現することができない。これによ
り、これら図柄模様5と濃色の偽造防止マーク3とのい
ずれかに潰れが無いか確認することにより、一般取引者
でも株券1の真偽の判別を容易に行うことができる。
取引者が本物と間違う程に再現することは露光の状態に
拘わらずできなかった。このため、製版用カメラにより
製版してこの株券1の偽造品を作成しても取引者が偽造
品であることを容易に判別することができる。これによ
り、株券1の偽造を防止すると共に、偽造品の流通を防
止することができる。
1の証券等の印刷物によると、本物の場合には平行線画
部と放射線画部とが構成する偽造防止マークが模様とし
て判断できるのに対し、この印刷物をカラーコピー機で
複写または製版用カメラで撮影して偽造したときは、平
行線画部及び放射線画部を構成する線が線太りを起こ
し、また走査方向と直交する方向の線が切れやすいの
で、各線画部が潰れて模様として認識し難くなる。これ
はマーク模様の不安定さとなって視認できるので、専門
的知識のない一般取引者に対しても一見して不自然な印
象を与え偽造品ではないかとの疑惑を与えるに十分であ
る。そして、平行線画部を拡大してそれを見ることによ
って偽造か否かの確証を容易に得ることができる。した
がって、印刷物の偽造を防止することができる。
は平行線画部と放射線画部とが同じ濃さに見えて偽造防
止マークが全体として均一の濃度に見えるのに対し、そ
れをカラーコピー機で複写または製版用カメラで撮影し
て偽造したときには、線太りにより平行線画部が濃くな
る反面、放射線画部では線太りによる影響が平行線画部
よりも少なくて相対的に薄く見えるため、偽造防止マー
クが全体として不均一な濃度となる。よって、一般取引
者は偽造防止マークの濃度が全体として均一か否かを肉
眼で見分けるで印刷物の真偽を容易に判別することがで
きる。
の偽造防止マークの濃度変化がマーク内側と外側とで差
をつけてより確実に現れて明瞭な濃度差となるので、一
般取引者でもより容易に偽造を判別できる。
ーの際に、走査方向と直交する方向の線が切れやすいの
で、平行線画部を拡大してそれを見ることによって、偽
造か否かの確証を容易に得ることができる。
模様をカラーコピー機により平面上に複写すると潜像が
表れ難くなるので、印刷物を複写したときに偽造防止マ
ークの再現が困難になる。
線画部とが、線幅0.02〜0.03mmの線により印
刷された請求項6記載の発明によると、マークが良好な
模様として安定印刷できると共に複写等の偽造を施す場
合には模様が再現できず尚かつ濃度差を生じさせてしま
うので、偽造が難しい。
列を配置した請求項7記載の発明によると、微小文字が
コピーによって潰れ、模様として再現されず、一見して
不自然であり偽造品ではないかとの疑惑を与えるに十分
である。しかも、ルーペなどを使って拡大すれば、微小
文字が判別できない程に潰れているので、専門家でなく
とも容易に偽造であることを判断できる。
は、濃色と淡色との少なくとも一対の偽造防止マークを
印刷することによって、カラーコピー機で複写または製
版用カメラで撮影して偽造しようとしたときに、濃色の
偽造防止マークが濃くなって潰れるか、または淡色の偽
造防止マークが薄くなって色飛びを起こすようにしいて
いる。したがって、濃淡一対の偽造防止マークの両方を
コピーなどで同時に再現することができず、いずれか一
方が色飛びするか濃く潰れるかの現象を招くので、一般
取引者でも印刷物の真偽を容易に判別でき、印刷物の偽
造を防止することができる。
の偽造防止マークの潰れを防ぐように複写などで偽造し
ようとしても、淡色の偽造防止マークが色飛びを起こし
たときに印刷用紙の地の色がそのまま表れたいわゆる白
抜けの状態となるので、その周囲の地紋模様との濃度差
により際立って目立つこととなる。したがって、証券等
の印刷物の複写や撮影による偽造が困難になる。
刷物の図柄模様の印刷と同時並びに地紋模様の印刷と同
時に各々濃淡一対の偽造防止マークを印刷でき、偽造防
止マークを印刷しない場合と同じ印刷工程やインキの種
類で偽造防止マークを印刷できる。このため、偽造防止
マークを印刷しない場合と同様の製造工程と時間で印刷
を完了でき、株券の印刷の際のコストや時間を従来の株
券と同等に抑えることができる。
す平面図である。
る。
より作成した偽造品を示す一部省略した平面図である。
より作成した偽造品を示す一部省略した平面図である。
わせて複写により作成した偽造品を示す一部省略した平
面図である。
て説明する図で、(A)は元図、(B)は(A)の元図
をイメージスキャナで読込み300dpiで出力したも
のであり、複写によって線画が走査方向やモアレなどに
よって劣化する状況を示している。
Claims (10)
- 【請求項1】 等間隔で同じ線幅の多数の平行線を一群
とした平行線画部と、その周りを囲む多数の放射線を一
群とした放射線画部とを含む偽造防止マークを印刷した
ことを特徴とする証券等の印刷物。 - 【請求項2】 前記平行線画部と前記放射線画部とが印
刷したときに同じ濃さに見える線幅と間隔で印刷されて
いることを特徴とする請求項1記載の証券等の印刷物。 - 【請求項3】 前記放射線画部の線の間隔は前記平行線
画部と接する部分において前記平行線画部の線の間隔と
等しいことを特徴とする請求項1または2記載の証券等
の印刷物。 - 【請求項4】 前記平行線画部は互いに直交する2つの
群の多数の平行線によって模様が形成されていることを
特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の証券等の
印刷物。 - 【請求項5】 前記模様は潜像模様であることを特徴と
する請求項4記載の証券等の印刷物。 - 【請求項6】 前記偽造防止マークの平行線画部と放射
線画部とは、線幅0.02〜0.03mmの線により印
刷されていることを特徴とする請求項1から5のいずれ
かに記載の証券等の印刷物。 - 【請求項7】 前記放射線画部の周りにこの放射線画部
を囲む環状の微小文字列で構成される環状画部を配置し
たことを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の
証券等の印刷物。 - 【請求項8】 前記偽造防止マークは、濃色と淡色との
少なくとも一対印刷したことを特徴とする請求項1から
7までのいずれか記載の証券等の印刷物。 - 【請求項9】 前記淡色の偽造防止マークの印刷箇所に
は当該偽造防止マークのみが印刷してあることを特徴と
する請求項8記載の証券等の印刷物。 - 【請求項10】 前記濃色の偽造防止マークは図柄模様
を印刷するインキにより印刷したものであり、かつ前記
淡色の偽造防止マークは地紋模様を印刷するインキによ
り印刷したものであることを特徴とする請求項8または
9のいずれか記載の証券等の印刷物。
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---|---|---|---|
JP18024997A JP3372828B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 証券等の印刷物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JPH1110999A JPH1110999A (ja) | 1999-01-19 |
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JP18024997A Expired - Lifetime JP3372828B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | 証券等の印刷物 |
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JP5800129B2 (ja) * | 2011-06-03 | 2015-10-28 | 大日本印刷株式会社 | 複写防止印刷物及び不正複写判定方法 |
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JP3368329B2 (ja) * | 1995-07-06 | 2003-01-20 | 財務省印刷局長 | 複写防止模様の作成方法及びその印刷物 |
-
1997
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