JP3372670B2 - エンジンの吸気装置 - Google Patents

エンジンの吸気装置

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JP3372670B2
JP3372670B2 JP21911694A JP21911694A JP3372670B2 JP 3372670 B2 JP3372670 B2 JP 3372670B2 JP 21911694 A JP21911694 A JP 21911694A JP 21911694 A JP21911694 A JP 21911694A JP 3372670 B2 JP3372670 B2 JP 3372670B2
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mixture supply
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寿英 山本
芳尚 乃生
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通常の吸気ポートとは
別に、加圧エアと燃料との混合により混合気を形成して
燃焼室内に供給するための混合気供給ポートを備えたエ
ンジンの吸気装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃費改善等に効果的な成層燃焼を
良好に行なわせる手段として、例えば特開平5−202
753号公報に示されるように、低負荷時等に燃焼室内
にスワールを生成するように吸気ポートを配設するとと
もに、この吸気ポートとは別に、シリンダボアの略中心
部における点火プラグの近傍の位置で燃焼室に開口する
混合気供給ポートを設け、この混合気供給ポートを開閉
弁により吸気行程終期から圧縮行程初期にわたる期間に
開くようにし、この混合気供給ポートに対し、燃料を供
給するインジェクタと外部から加圧エアを供給する加圧
エア供給手段とを設けた吸気装置が知られている。この
吸気装置によると、吸気行程終期から圧縮行程初期の期
間に、混合気供給ポート内で加圧エアと燃料とが混合さ
れ、その加圧混合気が吸気行程終期から圧縮行程初期の
期間に混合気供給ポートから燃焼室に噴出する。これに
より、燃料の気化・霧化が促進されるとともに、スワー
ルの内方の点火プラグ付近に混合気が成層化され、成層
燃焼が良好に行なわれる。このため、空燃比の大幅なリ
ーン化が可能となるとともに燃焼性が向上され、燃費及
びエミッションが改善される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、混合気
供給ポート内を加圧して上記のような所定のタイミング
で燃焼室内に混合気を噴出させるべく、混合気供給ポー
トに外部から加圧エアを供給するようにしたものでは、
エアポンプや加圧エア供給ようの通路等が必要となり、
構造が複雑になるというような問題が残されていた。
【0004】本発明は、このような事情に鑑み、混合気
供給ポートに対して加圧エア供給手段を必要とせず構造
を簡略化しつつ、燃費及びエミッションを改善すること
ができるエンジンの吸気装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、吸気ポートとは別に、加圧状態の混合気
を燃焼室に供給する混合気供給ポートを備え、この混合
気供給ポートをシリンダボアの略中心部における点火プ
ラグの近傍の位置で燃焼室に開口させ、かつ、その開口
方向を略シリンダ軸線方向に設定する一方、吸気ポート
からの吸気によって燃焼室内にスワールを生成させるよ
うにするとともに、上記混合気供給ポートを開閉する開
閉弁を吸気行程後半に開かせるようにしたエンジンの吸
気装置において、上記混合気供給ポートを袋状の閉空間
するとともに上記開閉弁を排気ポートを開閉する排
気弁と共通のカムシャフトを用いた動弁機構により開閉
作動するようにして、この動弁機構に、クランクシャフ
トに対するカムシャフトの回転の位相を変更することに
より上記開閉弁及び上記排気弁の開閉タイミングを変更
するバルブタイミング可変手段を設け、エンジンの低速
低負荷域では、上記開閉弁による混合気供給ポートの閉
時期を、圧縮行程の初期、中期、後期のうちの後期に設
定することにより、上記混合気供給ポートの開口期間に
おいてその途中時期までの期間に混合気供給ポートから
燃焼室内へ混合気が噴出されるとともに圧縮行程後期に
燃焼室内のエアが混合気供給ポートに導入されるように
し、エンジンの高速時には低速時と比べて上記開閉弁及
び排気弁の開閉タイミングをともに早めるように、上記
バルブタイミング可変手段により運転状態に応じて上記
開閉タイミングを変更するよう構成したものである(請
求項1)。
【0006】この発明において、上記混合気供給ポート
の開口部の径をシリンダボア径の1/10以下で1/1
5以上の範囲に設定することが好ましい(請求項2)。
【0007】また、燃焼室に対する上記混合気供給ポー
トの開口面積を吸気ポートの総開口面積の1/5以下に
設定することが好ましい(請求項3)。
【0008】また、上記混合気供給ポートをスロート部
での平均マッハ係数が0.4程度となるように設定し、
上記混合気供給ポートから燃焼室への混合気噴出流量が
チョークするように上記混合気供給ポート閉時期を設定
することが効果的である(請求項4)。
【0009】具体的には、上記混合気供給ポート閉時期
をクランク角で下死点後120〜140degの範囲に設
定する(請求項5)。
【0010】また、上記混合気供給ポート開時期の直前
の時点における混合気供給ポート内の圧力と燃焼室内の
圧力との差圧を0.3〜2.0kg/cm2の範囲に設定す
る(請求項6)。
【0011】上記開閉弁を作動する機構としては、カム
シャフトの回転により上記混合気供給ポートの開閉弁を
開閉する動弁機構を備え、この動弁機構に油圧式ラッシ
ュアジャスタを組み込むことが好ましい(請求項7)。
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】請求項1に記載の装置によると、低速低負荷域
では、上記混合気供給ポートの開口期間の途中時期まで
の期間に、混合気供給ポートから加圧された混合気が噴
出し、この混合気が燃焼室内のスワールの内方の点火プ
ラグまわりに供給されることにより、燃料の気化・霧化
が促進されるとともに混合気の成層化が良好に行なわれ
る。しかも、上記混合気噴出のために必要な高圧のエア
を圧縮行程後期の燃焼室内から取り込むようにしている
ことにより、混合気供給ポートに対する加圧エア供給の
ためのポンプや配管などを必要とせず、構造が簡略化さ
れる。一方、高速時には、上記開閉弁の開閉タイミング
を早められることにより混合気供給ポートから噴射され
る混合気の成層化が弱められて混合気が分散し、また、
排気弁の開閉タイミングが早められることにより高速時
における排気行程でのポンピングロスが低減される。
【0015】この発明において、請求項2に記載のよう
に混合気供給ポートの開口部の径を設定することによ
り、良好な成層化を行なうための混合気噴出流速、流量
の確保に有利となる。
【0016】また、請求項3に記載のように混合気供給
ポートの開口面積と吸気ポートの総開口面積の比率を設
定することにより、吸気ポート開口面積が確保されつ
つ、混合気供給ポートからの混合気の噴出が効果的に行
なわれる。
【0017】また、上記混合気供給ポートから燃焼室へ
の混合気噴出流速の平均マッハ係数0.4程度となるよ
うに設定することにより(請求項4)、混合気噴出流速
が高められて成層化が良好に行なわれる。
【0018】具体的には、上記混合気供給ポート閉時期
をクランク角で下死点後120〜140degの範囲に設
定し(請求項5)、混合気供給ポート開時期の直前の時
点における混合気供給ポート内の圧力と燃焼室内の圧力
との差圧を0.3〜2.0kg/cm2の範囲に設定する
(請求項6)ことにより、上記のように混合気噴射流速
が高められ、成層化が良好に行なわれる。
【0019】混合気供給ポートの開閉弁を開閉する動弁
機構に油圧式ラッシュアジャスタを組み込むと(請求項
7)、センター弁の閉時期にずれが防止されることによ
り、圧縮行程後期において混合気供給ポートに取り込ま
れるエアの圧力、エア導入量に大きな誤差が生じること
が避けられる。
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0023】図1において、エンジン本体10はシリン
ダブロック11及びシリンダヘッド12等からなり、複
数のシリンダを備え、その各シリンダ内にはピストン1
3が昇降可能に収納され、その上方に燃焼室14が形成
されている。この燃焼室14内には、第1吸気ポート1
5、第2吸気ポート16、及び2つの排気ポート17が
開口している。図2に示すように、燃焼室14の中心部
を境に一方の側(図1,2では右側)に上記両吸気ポー
ト15,16が配され、他方の側(図1,2では左側)
に上記両排気ポート17は配されており、シリンダボア
の略中心部には点火プラグ20が配設されている。両吸
気ポート15,16は、それぞれ吸気弁18の作動によ
り開閉され、両排気ポート17は、それぞれ排気弁19
の作動により開閉されるようになっている。
【0024】上記第1吸気ポート15及び第2吸気ポー
ト16には、吸気マニホールドに設けられた第1吸気管
21及び第2吸気管22がそれぞれ接続されている。上
記第2吸気ポート16もしくはこれに通じる第2吸気管
22にはスワールコントロール弁23が設けられてお
り、このスワールコントロール23は図外のアクチュエ
ータにより運転状態に応じて作動され、低回転域で閉
じ、高回転域で開かれるようになっている。上記第1吸
気ポート15は、第2吸気ポート16よりも水平に近い
方向から燃焼室14に入射しており、上記スワールコン
トロール弁23が閉じた状態で第1吸気ポート15から
の吸気により燃焼室14内にスワール(横スワール)が
生成されるようになっている。
【0025】また、上記吸気ポート15,16とは別の
混合気供給ポート25が、上記点火プラグ20の近傍の
ボア中心部に開口しており、その開口方向は略シリンダ
軸線方向(図では上下方向)に設定されている。この混
合気供給ポート25は、燃焼室14に開口する側とは反
対側の端部が閉塞されることにより、袋状の閉空間とさ
れており、この混合気供給ポート25の内部にインジェ
クタ26から燃料が噴射されるようになっている。混合
気供給ポート25はセンター弁(開閉弁)27の作動に
より開閉されるようになっている。そして、後に詳述す
るように、センター弁27の開弁期間中に、混合気供給
ポート25から燃焼室14への混合気の噴出と、圧縮行
程後期の燃焼室内のエアの取り込みとが行われるよう
に、センター弁27の開閉タイミングが設定されてい
る。
【0026】上記混合気供給ポート25の開口部の径
(スロート径)Dmは、シリンダボア径Dsの1/10
以下で1/15以上の範囲に設定されている。また、混
合気供給ポート25の開口部と吸気ポート15,16の
開口部との寸法比率としては、燃焼室14に対する混合
気供給ポート25の開口面積Smが、両吸気ポート1
5,16の開口面積Sa,Sbを合わせた吸気ポート総
開口面積の1/5以下に設定されている。
【0027】上記センター弁27、吸気弁18及び排気
弁19は、カムシャフト等からなる動弁機構により、ク
ランクシャフトの回転に同期して開閉作動される。当実
施例では、上記センター弁27が、吸気弁18と共通の
カムシャフト31によって作動されるようになってい
る。すなわち、シリンダヘッド上には一対のカムシャフ
ト31,32が配設され、その一方(図1で右側)のカ
ムシャフト31には吸気弁用カム33とセンター弁用カ
ム34とが設けられ、他方(図1で左側)のカムシャフ
ト32には排気弁用カム35が設けられている。そし
て、上記一方のカムシャフト31によりスイングアーム
式の吸気弁用ロッカアーム36及びセンター弁用ロッカ
アーム37を介して吸気弁18及びセンター弁27がそ
れぞれ作動され、上記他方のカムシャフト32により排
気弁用ロッカアーム38を介して排気弁19が作動され
るようになっている。
【0028】上記各ロッカアーム36〜38のピボット
部分には、自動的にバルブクリアランスをゼロに調整す
るHLA(油圧式ラッシュアジャスタ)39,40,4
1が設けられている。
【0029】図3は、上記吸気弁18及びセンター弁27の
バルブタイミングを示したものである。図示のように、
吸気弁18の開弁期間は、ピストン上死点手前からピス
トン下死点直後までとされている。一方、センター弁2
7は、吸気行程後半(下死点の手前)から開かれる。そ
して、センター弁27の閉時期は、圧縮行程を初期、中
期、後期に3等分するとその後期の期間内(圧縮上死点
の手前)とされている。これにより、センター弁27の
開弁期間(混合気供給ポートの開口期間)の前半側では
混合気供給ポート25から燃焼室14に混合気が噴出さ
れ、後半側では圧縮行程後期の燃焼室内の高圧エアが混
合気供給ポート25に導入されるようになっている。
【0030】上記センター弁27の閉時期は、具体的に
は、クランク角で下死点後120〜140deg の範囲に
設定されている。このようなセンター弁閉時期の設定と
上記のような混合気供給ポート25の開口部の径、面積
などの設定により、センター弁開時期直前の時点におけ
る混合気供給ポート25内の圧力と燃焼室14内の圧力
との差圧が0.3〜2.0kg/cm2 の範囲となり、混合
気供給ポート25はスロート部での平均マッハ係数0.
4程度となるように構成され、混合気供給ポート25か
ら燃焼室14への混合気噴出流量はチョークするように
なっている。
【0031】次に、この吸気装置の作用を説明する。
【0032】少なくとも低速低負荷領域では、上記スワ
ールコントロール弁23が閉弁され、第1吸気ポート1
5からのみ吸気がなされ、この吸気により、吸気行程後
半から圧縮行程にわたる期間に、燃焼室14内にスワー
ル流動が生じる。
【0033】一方、混合気供給ポート25では、前サイ
クルの圧縮行程で燃焼室14から圧入されたエアにイン
ジェクタ26から燃料が噴射されて混合気が形成され
る。そして、吸気行程後半でセンター弁27が開弁され
た当初は、混合気供給ポート25内の圧力と燃焼室14
内の圧力との差圧により、上記混合気が混合気供給ポー
ト25から燃焼室14内に噴出される。その後、圧縮行
程が進行して燃焼室14内の圧力が上昇すると、その中
のエアが逆に混合気供給ポート25内に押し込まれて、
センター弁27が閉弁した時点で閉じ込められる。とく
に、圧縮行程の後期にセンター弁27が閉じられること
により、混合気供給ポート25内の圧力が充分に高めら
れ、この圧力が次サイクルで混合気供給ポート25から
混合気を噴出させる圧力となる。
【0034】混合気供給ポート25から噴出された混合
気は、燃焼室14内に生成されたスワールの内方に供給
され、ボア中心部の点火プラグ26のまわりに偏在する
ように成層化され、良好に燃焼が行われる。
【0035】このように、吸気行程の後半以降に、シリ
ンダボアの略中心部に開口する混合気供給ポート25か
ら加圧された混合気が供給されて、その混合気噴出の際
に燃料の気化・霧化が促進されるとともに、混合気の成
層化が良好に行われることにより、空燃比の大幅なリー
ン化が可能となる。
【0036】このような混合気供給を良好に行わせるた
め、上記混合気供給ポート25の開口部の径Dmはシリ
ンダボア径の1/10以下、1/15以上の範囲とする
ことが好ましい。上記混合気供給ポート25の開口部の
径が上記範囲より大きくなると燃料の分散や混合気噴射
流速の低下により成層化が損なわれ易くなり、上記範囲
より小さくなると必要な混合気供給量の確保が難しくな
るからである。また、混合気供給ポート25からの混合
気噴射流速を高めるとともに吸気ポート15,16の必
要な開口面積を確保するため、燃焼室14に対する混合
気供給ポート25の開口面積は吸気ポート総開口面積の
1/5以下であることが好ましい。
【0037】そして、このように混合気供給ポート25
の開口部の大きさを設定し、混合気供給ポート25のス
ロート部での平均マッハ係数が0.4程度となるように
するとともに、上記センター弁27の閉時期をクランク
角で下死点後120〜140deg の範囲に設定すると、
混合気供給ポート25内の圧力と燃焼室14内の圧力と
の差圧が0.3〜2.0kg/cm2 の範囲となり、混合気
供給ポート25から燃焼室14への混合気噴出流量はチ
ョークし、混合気噴出流速が充分に高められる。これに
より、混合気噴出の際の燃料の気化・霧化が充分に促進
され、混合気の成層化が効果的に行われる。
【0038】当実施例と比較例とにつき、本発明者が行
った燃焼性等に関する実験の結果を図4〜図7に示す。
なお、これらの図に示す実験結果は、ボア径78mm、ピ
ストンストローク83.6mmのエンジンを用い、本発明
の実施例の場合は混合気供給ポートの開時期ATDC1
30deg 、同閉時期をABDC130deg とし、外部か
ら加圧エアを供給する比較例の場合は混合気供給ポート
の開時期ATDC130deg 、同閉時期をABDC90
deg とし、一定運転状態(N=1500rpm、BME
P=0.29MPa)の下で実験を行なったものであ
る。
【0039】図4は、燃焼室内圧力と、センター弁開弁
前の混合気供給ポート内の圧力が50kPaとなるよう
に外部から加圧エアを供給した場合の混合気供給ポート
内圧力と、圧縮行程後期の燃焼室内エアを混合気供給ポ
ートに取り込むようにした本発明の実施例による場合の
混合気供給ポート内圧力とを、吸気行程から圧縮行程に
わたって示している。この図のように、本発明の実施例
による場合、圧縮行程後期に混合気供給ポート内圧力が
高められ、その圧力がセンター弁の閉弁期間中維持され
ることにより、センター弁が開かれる吸気行程後半には
燃焼室内圧力よりも混合気供給ポート内圧力が充分に高
くなり、混合気噴出に必要な差圧が得られる。
【0040】図5は、吸気ポートにインジェクタを設け
て燃料噴射を行った場合と、外部からの加圧エア供給に
よりセンター弁開弁前の混合気供給ポート内の圧力を5
0kPaとした上で混合気供給ポートから混合気噴射を
行った場合と、圧縮行程後期の燃焼室内エアを混合気供
給ポートに取り込むようにして混合気供給ポートから混
合気噴射を行った本発明の実施例による場合とについて
それぞれ、各種空燃比における平均有効圧力変動及び質
量燃料割合90%までの燃焼期間を示している。また、
図6は、上記各場合についてそれぞれ、各種空燃比にお
ける燃料消費率、HC排出量、NOx排出量を示してい
る。
【0041】図5に示すように、吸気ポートに燃料を噴
射するポート噴射の場合は、空燃比が大きくなるにつれ
て燃焼期間が長くなるとともに、空燃比が25程度にな
れば平均有効圧力変動が急激に増加し、この程度の空燃
比が燃焼安定限界(リーン限界)となる。これに対し、
混合気供給ポートからの混合気噴射による場合、上記ポ
ート噴射と比べて燃焼期間が短く、ポート噴射の場合の
燃焼安定限界の空燃比よりもかなり大きな空燃比まで、
急速かつ安定した燃焼状態が得られる。つまり、混合気
供給ポートからの混合気噴射による成層燃焼により、リ
ーン状態での燃焼性が向上され、リーン限界が大幅に高
められる。
【0042】また、図6に示すように、上記ポート噴射
によるとその燃焼安定限界(A/F=25)付近の空燃
比で燃焼性の悪化により燃費及びHCが急増するが、混
合気供給ポートからの混合気噴射による場合はより大き
な空燃比(35程度)まで燃費が低減され、かつHCの
増加が抑制される。また、混合気供給ポートからの混合
気噴射による場合、リーン領域での燃焼性が高められる
ことから、NOx排出量は空燃比18付近で最大とな
り、これよりリーン側でのNOx排出量の減少はポート
噴射の場合と比べて緩やかになるが、空燃比を大きくす
ることでNOx排出量は充分に抑制される。
【0043】このように、本発明の実施例による場合や
外部から加圧エアを供給しつつ混合気供給ポートから混
合気噴射を行った場合は、リーン限界が高められ、リー
ン領域での燃焼性、燃費、エミッションが向上される。
【0044】しかも、本発明では、上記混合気噴出のた
めに必要な高圧のエアを圧縮行程後期の燃焼室14内か
ら取り込むようにしているため、混合気供給ポートに対
する加圧エア供給のためのポンプや配管などを必要とせ
ず、簡単な構造で良好な成層燃焼を行うことができる。
【0045】なお、上記実施例では、混合気供給ポート
25のセンター弁27を駆動する動弁機構にHLA40
が設けられていることにより、圧縮行程後期における混
合気供給ポート25へのエア導入が精度良く行なわれ
る。つまり、圧縮行程後期には燃焼室14内の圧力が急
激に変化するため、センター弁27の閉時期にずれが生
じると混合気供給ポート25へのエア導入量が大きく変
化するが、HLA40を設けておけばセンター弁27の
閉時期のずれが防止され、混合気供給ポート25へのエ
ア導入量に大きな誤差が生じることが避けられる。
【0046】また、混合気供給ポート25のセンター弁
27が、吸気ポート15,16を開閉する吸気弁18と
共通のカムシャフト31で作動されることにより、セン
ター弁作動用のカムシャフトを別個に設けるような場合
と比べて動弁機構が簡略化され、かつ、混合気供給ポー
ト25及びインジェクタ27が排気ポート17から遠ざ
かるため熱害が確実に防止される。
【0047】図7は本発明の別の実施例を示す。この実
施例でも、吸気ポート15,16、排気ポート17、混
合気供給ポート25等の構成は図1に示した実施例と同
様であるが、上記混合気供給ポート25のセンター弁2
7が排気弁19と共通のカムシャフト52を用いた動弁
機構により作動されるとともに、この動弁機構にバルブ
タイミング可変手段60が設けられている。
【0048】すなわち、シリンダヘッド12上には一対
のカムシャフト51,52が配設され、その一方のカム
シャフト51には吸気弁用カム53が設けられ、他方の
カムシャフト52にはセンター弁用カム54と排気弁用
カム55とが設けられている。そして、上記一方のカム
シャフト51により吸気弁用ロッカアーム56を介して
吸気弁18が作動されるとともに、上記他方のカムシャ
フト52によりセンター弁用ロッカアーム57及び排気
弁用ロッカアーム58を介してセンター弁27及び排気
弁19が作動されるようになっている。
【0049】また、上記バルブタイミング可変手段60
は、クランクシャフトに対するカムシャフト52の回転
の位相を変更することにより、上記センター弁27及び
排気弁19の開閉タイミングを変更するようになってい
る。そして、上記バルブタイミング可変手段60が運転
状態に応じて制御されることにより、上記センター弁2
7及び排気弁19の開閉タイミングが低速時には図8中
の実線、速時には図8中の二点鎖線のように変更さ
れ、つまり高速時は低速時よりも開閉タイミングが早め
られるようになっている。
【0050】この実施例によると、1つのバルブタイミ
ング可変手段60によりながら、センター弁27と排気
弁19の各開閉タイミングをそれぞれ要求に適合するよ
うに運転状態に応じて変更することができる。つまり、
高出力が必要な高速高負荷時には混合気供給ポート25
から噴出される混合気の成層化を弱めて混合気を分散さ
せるべく、センター弁27の開閉タイミングを早めるこ
とが望ましい。また、高速時における排気行程でのポン
ピングロスを低減するため、排気弁19の開閉タイミン
グは高速時に早めることが望ましい。このようにセンタ
ー弁27及び排気弁19はともに高速時に開閉タイミン
グを早めるようにすればよいため、これらの弁19,2
7を共通のカムシャフト55で作動するようにして、こ
のカムシャフト55に対してバルブタイミング可変手段
60を設けることにより、簡単な構造によりながらこれ
らの弁19,27の開閉タイミングの制御を適切に行な
うことができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明は、シリンダボアの
略中心部における点火プラグの近傍に開口する混合気供
給ポートを袋状の閉空間とするとともに、混合気供給ポ
ートの閉時期を圧縮行程の後期に設定しているため、混
合気供給ポートの開口期間の途中時期までの期間に混合
気供給ポートから混合気を噴出させて混合気を成層化
し、リーン状態での燃焼性を向上することができる。し
かも、上記混合気噴出のために必要な高圧のエアを圧縮
行程後期の燃焼室内から取り込むことができ、混合気供
給ポートに対する加圧エア供給のためのポンプや配管な
どを必要とせず、構造を簡略化することができる。さら
に、低速低負荷域でこのようにする一方、高速時には、
高速時には低速時と比べて上記開閉弁及び排気弁の開閉
タイミングをともに早めることにより、混合気供給ポー
トから噴射される混合気の成層化を弱めて混合気を分散
させ、また、高速時における排気行程でのポンピングロ
スを低減することができる。
【0052】とくに、混合気供給ポートの開口部の径を
シリンダボア径の1/10以下で1/15以上の範囲に
設定し、燃焼室に対する上記混合気供給ポートの開口面
積を吸気ポートの総開口面積の1/5以下に設定すれ
ば、圧縮行程後期の燃焼室内から取り込んだエアの圧力
による混合気供給ポートからの混合気の噴射を効果的に
行なわせることができる。
【0053】また、上記混合気供給ポートをスロート部
での平均マッハ係数が0.4程度となるように設定する
とともに、混合気供給ポートから燃焼室への混合気噴出
流量がチョークするように混合気供給ポート閉時期を設
定し、具体的には、上記混合気供給ポート閉時期をクラ
ンク角で下死点後120〜140deg の範囲に設定する
ことにより、混合気供給ポートからの混合気噴出流速を
高めて気化・霧化を促進するとともに良好に成層化を行
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による吸気装置を備えたエン
ジンの断面図である。
【図2】上記エンジンにおける各ポートの配置等を示す
模式平面図である。
【図3】上記エンジンにおける吸気弁及びセンター弁の
開閉タイミングを示す図である。
【図4】上記エンジンにおける燃焼室内圧力及び混合気
供給ポート内圧力を示すグラフである。
【図5】空燃比と平均有効圧力変動及び質量燃焼割合9
0%までの燃焼期間との関係を示すグラフである。
【図6】空燃比と燃料消費率、HC排出量、NOx排出
量との関係を示すグラフである。
【図7】本発明の別の実施例を示すエンジンの断面図で
ある。
【図8】図7に示す実施例による場合の排気弁、吸気弁
及びセンター弁の開閉タイミングを示す図である。
【符号の説明】
10 エンジン本体 14 燃焼室 15,16 吸気ポート 17 排気ポート 18 吸気弁 19 排気弁 20 点火プラグ 23 スワールコントロール弁 25 混合気供給ポート 27 センター弁 31,32,51,52 カムシャフト 60 バルブタイミング可変手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02D 13/02 F02D 13/02 L F02M 69/04 F02M 69/04 R (72)発明者 松本 正和 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツ ダ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−99818(JP,A) 特開 昭54−49404(JP,A) 特開 昭54−28918(JP,A) 特開 昭55−131521(JP,A) 特開 平4−148021(JP,A) 特開 平5−202753(JP,A) 特開 昭58−140418(JP,A) 特開 昭54−77812(JP,A) 特開 平5−202754(JP,A) 実開 昭60−170030(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 17/00 - 23/10 F02D 13/02

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気ポートとは別に、加圧状態の混合気
    を燃焼室に供給する混合気供給ポートを備え、この混合
    気供給ポートをシリンダボアの略中心部における点火プ
    ラグの近傍の位置で燃焼室に開口させ、かつ、その開口
    方向を略シリンダ軸線方向に設定する一方、吸気ポート
    からの吸気によって燃焼室内にスワールを生成させるよ
    うにするとともに、上記混合気供給ポートを開閉する開
    閉弁を吸気行程後半に開かせるようにしたエンジンの吸
    気装置において、 上記混合気供給ポートを袋状の閉空間とするとともに上記開閉弁を排気ポートを開閉する排気弁と共通のカム
    シャフトを用いた動弁機構により開閉作動するようにし
    て、この動弁機構に、クランクシャフトに対するカムシ
    ャフトの回転の位相を変更することにより上記開閉弁及
    び上記排気弁の開閉タイミングを変更するバルブタイミ
    ング可変手段を設け、 エンジンの低速低負荷域では、 上記開閉弁による混合気
    供給ポートの閉時期を、圧縮行程の初期、中期、後期の
    うちの後期に設定することにより、上記混合気供給ポー
    トの開口期間においてその途中時期までの期間に混合気
    供給ポートから燃焼室内へ混合気が噴出されるとともに
    圧縮行程後期に燃焼室内のエアが混合気供給ポートに導
    入されるようにし、 エンジンの高速時には低速時と比べて上記開閉弁及び排
    気弁の開閉タイミングをともに早めるように、 上記バルブタイミング可変手段により運転状態に応じて
    バルブタイミングを変更するよう 構成したことを特徴と
    するエンジンの吸気装置。
  2. 【請求項2】 上記混合気供給ポートの開口部の径をシ
    リンダボア径の1/10以下で1/15以上の範囲に設
    定したことを特徴とする請求項1記載のエンジンの吸気
    装置。
  3. 【請求項3】 燃焼室に対する上記混合気供給ポートの
    開口面積を吸気ポートの総開口面積の1/5以下に設定
    したことを特徴とする請求項2記載のエンジンの吸気装
    置。
  4. 【請求項4】 上記混合気供給ポートをスロート部での
    平均マッハ係数が0.4程度となるように設定し、上記
    混合気供給ポートから燃焼室への混合気噴出流量がチョ
    ークするように上記混合気供給ポート閉時期を設定した
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の
    エンジンの吸気装置。
  5. 【請求項5】 上記混合気供給ポート閉時期をクランク
    角で下死点後120〜140degの範囲に設定したこと
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエンジ
    ンの吸気装置。
  6. 【請求項6】 上記混合気供給ポート開時期の直前の時
    点における混合気供給ポート内の圧力と燃焼室内の圧力
    との差圧を0.3〜2.0kg/cm2の範囲に設定したこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエン
    ジンの吸気装置。
  7. 【請求項7】 カムシャフトの回転により上記混合気供
    給ポートの開閉弁を開閉する動弁機構を備え、この動弁
    機構に油圧式ラッシュアジャスタを組み込んだことを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のエンジンの
    吸気装置。
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