JP3371908B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP3371908B2 JP13047190A JP13047190A JP3371908B2 JP 3371908 B2 JP3371908 B2 JP 3371908B2 JP 13047190 A JP13047190 A JP 13047190A JP 13047190 A JP13047190 A JP 13047190A JP 3371908 B2 JP3371908 B2 JP 3371908B2
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Description

【発明の詳細な説明】 以下の順序で本発明を説明する。
A.産業上の利用分野 B.発明の概要 C.従来の技術 D.発明が解決しようとする課題 E.課題を解決するための手段 F.作用 G.実施例 G1.実施例1 G2.実施例2 G3.実施例3 G4.実施例4 H.発明の効果 A.産業上の利用分野 本発明は、帯状の第1及び第2の電極と帯状のセパレ
ータとが積層された状態で渦巻状に巻回されることによ
って構成される巻回電極体を具備する非水電解質二次電
池に関するものである。
B.発明の概要 本発明は、リチウムイオンをドープ、脱ドープできる
物質を負極材料として用いた負極構成物質層又は正極構
成物質層を帯状の箔からなる第1の集電体の両面に形成
することにより構成された帯状の第1の電極と、正極構
成物質層又はリチウムイオンをドープ、脱ドープできる
物質を負極材料として用いた負極構成物質層を帯状の箔
からなる第2の集電体の両面に形成することにより構成
された帯状の第2の電極と、帯状のセパレータとが積層
された状態でその長さ方向に沿って渦巻状に巻回され
て、上記第1の電極と上記第2の電極との間に上記セパ
レータが介在するように構成された巻回電極体を具備さ
せた非水電解質二次電池に係るものである。
そして、請求項1の発明は、上記第1及び第2の電極
のうちの少なくとも一方の帯状電極の長さ方向に沿って
延びる両端部における厚さをこの少なくとも一方の帯状
電極の中央部における厚さよりも薄くすることによっ
て、電池の製造中及び使用中に帯状電極の長さ方向に沿
った両端部における電極構成物質の脱落や剥離あるいは
セパレータへの貫通等を未然に防いで、電池の内部短絡
を防止するようにしている。
また、請求項3の発明は、上記巻回電極体における上
記第1及び第2の電極が夫々の集電体の内周面及び外周
面に内周層及び外周層を夫々備えるように構成し、上記
第1又は第2の電極のうちの少なくとも一方の帯状電極
の電極構成物質に少なくとも活物質又は活物質担持体と
結着剤とを含ませるとともに、この少なくとも一方の帯
状電極の上記外周層における結着剤含有率をこの少なく
とも一方の帯状電極の上記内周層における結着剤含有率
よりも高くし、上記第1及び第2の電極の上記外周層に
おける結着剤の含有率X a及びX a'(何れも重量%)
と、上記第1及び第2の電極の上記内周層における結着
剤の含有率X b及びX b'(何れも重量%)とに、以下の
関係: 1.2≦X a/X b 1.2≦X a'/X b' X a−X b≦5 X a'−X b'≦5 を満足させることによって、電極の外周層における電極
構成物質の結合力を増大させて、電池の製造中及び使用
中に、電極の外周層における電極構成物質の脱落や剥離
等を未然に防いで、電池の内部短絡を防止するようにし
ている。
C.従来の技術 近年のビデオカメラやヘッドフォンステレオ等の電子
機器の高性能化、小型化には目ざましいものがあり、こ
れらの電子機器の電源となる二次電池の重負荷特性の改
善や高容量化への要求も強まってきている。二次電池と
しては、鉛二次電池やニッケルカドミウム電池が従来か
ら用いられている。
更に、最近はリチウム金属やリチウム合金(負極活物
質)もしくはコークスや有機物焼成体等の炭素材(負極
活物質担持体)のような、リチウムイオンをドープ、脱
ドープできる物質を負極材料として用いた非水電解質二
次電池の開発も活発におこなわれている。
このような非水電解質二次電池においては、その重負
荷特性の改良のために渦巻状の巻回電極体が用いられて
いる。このような巻回電極体は、帯状の負極と帯状の正
極と帯状の一対のセパレータとを積層した状態でその長
さ方向に沿って渦巻状に多数回巻回することによって、
負極と正極との間にセパレータが介在するように構成さ
れる。
また、電極が帯状の集電体を備える場合、巻回電極体
における電極はその集電体の内周面及び外周面に内周層
及び外周層を夫々備えている。
なお、電極を構成する物質には活物質あるいは活物質
担持体、結着剤、導電剤などがある。
以上のような巻回電極体によれば、帯状の負極及び帯
状の正極は比較的大きな面積を有するから、二次電池に
大きな電流を流しても単位面積当りの電流は小さく、こ
の二次電池を重負荷状態で使用することが可能となる。
また、巻回電極体において電極の厚さを薄くすればす
るほど、面積のより大きい電極を巻回することができる
から、二次電池の重負荷特性はより良好になる。
また、電極において集電体を用いる場合は、集電体に
より薄い金属箔を用いるのが望ましく、放電容量が損な
われずに済む。
D.発明が解決しようとする課題 ところが、上述のような巻回電極体を備えた二次電池
はその製造中及び使用中に内部短絡を起こし易いという
問題点があった。
この内部短絡は、電池の製造中に帯状の電極と帯状の
セパレータとを密着させながら巻回する際に、帯状の電
極の端部及び/又は隅部における活物質等の電極構成物
質がセパレータを貫通してしまうことによって生じる。
また、電池の製造中及び使用中に帯状の電極の端部及
び/又は隅部における電極構成物質は脱落や剥離を起こ
し易く、この脱落や剥離した電極構成物質がセパレータ
を貫通してしまうことによって内部短絡が生じる場合が
ある。
また、充放電を繰返した後に内部短絡を起こした電池
では主に電極の外周層において電極活物質の脱落や剥離
が生じているということが本発明者らによって見い出さ
れた。この原因は次のように考えられる。即ち、帯状の
電極が巻回された状態においては、電極の外周層ではそ
の電極の内周層よりも周方向における伸び量(ひずみ)
が大きくなっているから、電池の使用中に充放電が繰返
されると巻回電極体の電極の外周層がより劣化し易く、
外周層において内周層よりも電極構成物質の脱落や剥離
が起こり易くなる。よって電池の内部短絡が生じてしま
う。
また、電池の使用時に例えば充電中に巻回電極体の上
端面、下端面及び自由端面(帯状の電極の幅方向及び長
さ方向の端面)において、析出物がデンドライト状に一
方の電極で成長し、このデンドライト状の析出物がセパ
レータを貫通して他方の電極まで達することによって、
内部短絡を起こす場合もある。
本発明の目的は、その製造中及び使用中に内部短絡を
生じることのない二次電池を提供することである。
E.課題を解決するための手段 上記目的を達成するために、本発明は、リチウムイオ
ンをドープ、脱ドープできる物質を負極材料として用い
た負極構成物質層又は正極構成物質層を帯状の箔からな
る第1の集電体の両面に形成することにより構成された
帯状の第1の電極と、正極構成物質層又はリチウムイオ
ンをドープ、脱ドープできる物質を負極材料として用い
た負極構成物質層を帯状の箔からなる第2の集電体の両
面に形成することにより構成された帯状の第2の電極
と、帯状のセパレータとが積層された状態でその長さ方
向に沿って渦巻状に巻回されて、上記第1の電極と上記
第2の電極との間に上記セパレータが介在するように構
成された巻回電極体を具備している。
そして、請求項1の発明は、上記第1及び第2の電極
のうちの少なくとも一方の帯状電極の長さ方向に沿って
延びる両端部における厚さがこの少なくとも一方の帯状
電極の中央部における厚さよりも薄いことを特徴とす
る。なお、帯状の電極の長さ方向に沿った両端部のみな
らず幅方向に沿った端部においてもその厚さをより薄く
することが好ましい。
また、請求項3の発明は、上記巻回電極体における上
記第1及び第2の電極が夫々の集電体の内周面及び外周
面に内周層及び外周層を夫々備えるように構成され、上
記第1及び第2の電極のうちの少なくとも一方の帯状電
極の内周層及び外周層における電極構成物質が少なくと
も活物質又は活物質担持体と結着剤とを含んでいるとと
もに、この少なくとも一方の帯状電極の上記外周層にお
ける結着剤含有率X a、X a'がこの少なくとも一方の帯
状電極の上記内周層における結着剤含有率X b、X b'よ
りも高く、上記第1及び第2の電極の上記外周層におけ
る結着剤の含有率X a及びX a'(何れも重量%)と、上
記第1及び第2の電極の上記内周層における結着剤の含
有率X b及びX b'(何れも重量%)とが、以下の関係: 1.2≦X a/X b 1.2≦X a'/X b' X a−X b≦5 X a'−X b'≦5 を満足することを特徴とする。
F.作用 請求項1の二次電池においては、第1及び第2の電極
のうちの少なくとも一方の帯状電極の長さ方向に沿って
延びる両端部における厚さがこの少なくとも一方の帯状
電極の中央部における厚さよりも薄いから、巻回電極体
を作製する際に帯状の電極を帯状のセパレータとともに
巻回しても電極の長さ方向に沿って延びる両端部におい
て電極とセパレータとは密着せず、電極の長さ方向に沿
って延びる両端部における電極構成物質がセパレータを
貫通することはなく、また、電池の製造中及び使用中
に、電極の長さ方向に沿って延びる両端部において電極
構成物質の脱落及び剥離が生じることがない。したがっ
て、電池の内部短絡を防止できる。
この場合、帯状の電極における隅部を欠如させておけ
ば、電池の製造中に、電極の隅部において電極構成物質
がセパレータを貫通することはなく、また電池の製造中
及び使用中に、電極の隅部において電極構成物質の脱落
及び剥離が生じることはない。従って、電池の内部短絡
を防止できる。
請求項3の二次電池においては、巻回電極体における
電極の外周層はこの電極の内周層と比べてその周方向に
おける伸び量(ひずみ)が大きく、外周層の表面におい
て最も伸び量が大きくなるが、この外周層における結着
剤含有率がより高いから、外周層における電極構成物質
の結合力が増大し、その結果、電池の製造中及び使用中
に外周層において電極構成物質の剥離や脱落が生じるこ
とはない。従って、電池の内部短絡を防止できる。
G.実施例 以下、本発明による実施例について第1図〜第7図を
参照しながら説明する。なお、本実施例は円筒型非水電
解質二次電池である。
G1.実施例1 本実施例1は帯状の電極の端部における厚さをより薄
くしたものである。
第1図は、本実施例の非水電解質二次電池の概略的な
縦断面を示すものであるが、この電池を以下に述べるよ
うにして作製した。
まず、負極1は次のようにして作成した。
粉砕して粒状となったピッチコークスを負極活物質担
持体として用い、このピッチコークス90重量部及び結着
剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)10重量部を加
え、混合し、負極合剤(負極構成物質)とした。そして
この負極合剤を溶剤のN−メチルピロリドンに分散させ
てスラリー(ペースト状)にした。
次にこの負極合剤スラリーを、負極集電体11としての
厚さ10μmの帯状の銅箔の両面に塗布して、乾燥し、そ
の後ローラプレス機により圧縮成型して、第2図に示す
ように、その長さ方向に沿った両側の端部15における厚
さt1が150μmであり、その中央平坦部16の厚さt2が170
μmである帯状の負極1を作った。帯状の負極1は、集
電体11の両面において、後述する巻回電極体10を構成し
たとき内周側に位置する内周層12と外周側に位置する外
周層13とを有する。
上記帯状の負極1は、第2図に示すように電極の端の
近傍以外の部分はほぼ平坦になっていて中央平坦部16を
構成し、端部15の近傍において電極の厚みが端部15に向
ってしだいに減少している。後述するように巻回電極体
10を構成したとき、この中央平坦部16はセパレータ3a、
3bに密着するが、端部15は密着しない。
なお、用いたピーチコークスの体積平均粒径は10μ
m、その標準偏差σは5μmであった。また、ポリフッ
化ビニリデンは溶剤のN−メチルピロリドンに完全に溶
解した。
次に、正極2は次のようにして作成した。
炭酸リチウム1モルと炭酸コバルト1モルを混合し、
900℃の空気中で5時間焼成してLiCoO2を得て、これを
正極活物質として用い、このLiCoO291重量部に導電材と
してのグラファイト6重量部、結着剤としてのポリフッ
化ビニリデン(PVDF)3重量部を加え、混合し、正極合
剤(正極構成物質)とした。そしてこの正極合剤を溶剤
のN−メチルピロリドンに分散させてスラリー(ペース
ト状)にした。
次に、この正極合剤スラリーを、正極集電体21として
の厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に均一に塗
布して、乾燥し、その後ローラープレス機により圧縮成
型して帯状の正極2を作った。帯状の正極2の中央部及
び端部における厚さは、ともに180μmであった。
なお、帯状の負極1の幅は帯状の正極2の幅よりも若
干大きい。
上記帯状の負極1、上記帯状の正極2及び厚さ25μm
の微孔性ポリプロピレンフィルムからなる第1及び第2
のセパレータ3a、3bを第2のセパレータ3b、正極2、第
1のセパレータ3a、負極1の順序で積層して積層体を得
た。この積層体を負極1が最内周に位置するように積層
体の長さ方向(電極の長さ方向)へ巻芯33上で渦巻状に
多数回巻回することによって、巻回電極体10を作成し
た。
上記巻回電極体10の概略的な一部横断面を第3図に示
す。
この巻回電極体10において、同図に示すように、負極
1は負極集電体11の内周面及び外周面に上述した負極構
成物質から成る負極内周層12及び負極外周層13を夫々備
え、正極2は正極集電体21の内周面及び外周面に上述し
た正極構成物質層から成る正極内周層22及び正極外周層
23を夫々備えている。そして、負極外周層13と正極内周
層22との間に第1のセパレータ3aが介在し、正極外周層
23と負極内周層12との間に第2のセパレータ3bが介在し
ている。
また、第1図の二次電池の縦断面図に示すように、巻
回電極体10の上端部及び下端部において、負極内周層12
又は負極外周層13と第2のセパレータ3b又は第1のセパ
レータ3aとの間に三角形状に隙間18が形成され、端部15
において負極1の表面とセパレータ3a、3bとは互いに密
着していない。
なお、上記積層体において負極1と正極2との積層の
順序を入れかえて、巻回電極体10において正極2が最内
周に位置するようにしてもよい。
上述のようにして作った巻回電極体10を、第1図に示
すように、ニッケルめっきを施した鉄製電池缶5に収納
した。そして正極2の集電を行うためにアルミニウム製
の正極リード9を正極2に取り付け、これを正極2から
導出して金属製の安全弁34の突起部34aに溶接した。ま
た負極1の集電を行うために、ニッケル製の負極リード
8を負極1に取り付け、これを負極1から導出して、電
池缶5に溶接した。この電池缶5の中に、六フッ化リン
酸リチウムを1モル/溶解した炭酸プロピレンと1,2
−ジメトキシエタンとを混合して得た非水電解液を注入
した。
次に、巻回電極体10の上下面に対向するように、電池
缶5内に一対の絶縁板4a、4bを夫々配設した。またこの
電池缶5、互いにそれらの外周で密着している安全弁34
及び電池蓋7を絶縁封口ガスケット6を介してかしめ
て、電池缶5を封口した。このとき、ガスケット6の第
1図における下端側は絶縁板4aの外周面と当接して、絶
縁板4aが巻回電極体10の上面側と密着する。
以上のように、直径14mm、高さ50mmの円筒型非水電解
質二次電池を作製した。この電池を、後掲の第1表に示
すように、便宜上、電池Aとする。
なお、上記円筒型非水電解質二次電池は、安全弁34、
ストリッパ35、これらの安全弁34とストリッパ36とを一
体にするための絶縁材料から成る中間嵌合体35を備えて
いる。図示省略するが、安全弁34にはこの安全弁34が変
形したときに開裂する開裂部が、電池蓋7には孔が夫々
設けられている。万一、電池内圧が何らかの原因で上昇
した場合、安全弁34がその突起部34aを中心にして第1
図の上方へ変形することによって、正極リード9と突起
部34aとの接続が断たれて電池電流を遮断するように、
あるいは安全弁34の開裂部が開裂して電池内に発生した
ガスを排気するように夫々構成されている。
また、第1及び第2のセパレータ3a、3bは、負極1及
び正極2のよりも長さ方向及び幅方向に若干大きく、第
1図に示すように負極1及び正極2のそれぞれの端部か
らわずかにはみ出ている。
また、上記非水電解質二次電池において、負極1の活
物質としてリチウム、リチウム合金、あるいは活物質担
持体としてポリアセチレンのような導電性ポリマー、コ
ークスのような炭素材などを用いることができ、これら
はいずれもリチウムをドープし脱ドープし得るものであ
る。一方、正極2の活物質としては二酸化マンガン、五
酸化バナジウムのような遷移金属化合物や、硫化鉄等の
遷移金属カルコゲン化合物、さらには遷移金属とリチウ
ムとの複合化合物を用いることができる。
また、電解液としては、例えばリチウム塩を電解質と
しこれを有機溶剤(非水溶媒)に溶解した非水電解液が
使用される。
ここで有機溶剤としては、特に限定されるものではな
いが、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボ
ネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタ
ン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−
ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、ジエ
チルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、アセト
ニトリル、プロピオニトリル等の単独もしくは2種以上
の混合溶剤が使用できる。
電解質も従来より公知のものがいずれも使用可能であ
り、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5、L
iCl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等がある。また、非水
電解質において、従来より公知の固体状の電解質を用い
ることもできる。
次に、帯状の負極1の長さ方向に沿った端部15におけ
る厚さt1を130μmに変えた以外は、上記電池Aと同様
にして円筒型非水電解質二次電池Bを作製した。
また、本発明の効果を確認するための比較例として、
帯状の負極1の長さ方向に沿って延びる端部15における
厚さt1を170μmに変えた以外は、上記電池Aと同様し
て円筒型非水電解質二次電池Cを作製した。
上記3種類の電池A、B、Cについて、夫々100個づ
つ作製し、組み立てた時点における未充電状態の二次電
池(未充電品)の内部短絡品の発生率を調査した。さら
にこれらの電池を460mAの電流で上限電圧4.1Vとして2
時間充電した充電状態の二次電池(充電品)の内部短絡
品の発生率を調査した。この結果を下記の第1表に示
す。
上記第1表からわかるように、比較例の電池Cでは、
電池を組み立てた時点において内部短絡品が発生し、充
電すると内部短絡品が増加した。
また電池Aでは、電池を組み立てた時点において内部
短絡品は見られ無かったが、充電すると内部短絡品がわ
ずかに発生した。
電池Bでは、充電しても内部短絡品は発生しなかっ
た。
上述のように本実施例1では、帯状の負極1の長さ方
向に沿った端部15における厚さがその中央部16よりも薄
いので、巻回電極体10を作製する際に負極1の端部15に
おいて負極1とセパレータ3a、3bとは互いに密着するこ
とがなく、それらの間に隙間18が形成されているので、
負極構成物質が端部15においてセパレータ3a、3bを貫通
する恐れがない。また、負極1の端部15においては剥離
や脱落を起こし易い電極構成物質がすでに少なくなって
いるから、電池の製造中及び使用中に、負極1の端部15
において電極構成物質が脱落したり剥離したりする恐れ
が極めて少ない。この結果、電池の内部短絡が効果的に
防止される。
なお、本実施例1においては、帯状の負極1の長さ方
向に沿って延びる端部15における厚さを薄くしたが、こ
れに加えて負極1の幅方向に沿って延びる端部17におけ
る厚さを同様に薄くしてもよく、これによって巻回電極
体10の最内周及び最外周に存在する負極1の端部17にお
いて、同様の効果が得られる。
また、正極2の端部における厚さを負極1の場合と同
様に薄くすればより効果的である。
また、本発明者らのさらなる研究によれば、複数種類
の物質から成る電極構成物質のうちの少なくとも1種類
が電極において粒状として存在する場合、その粒状の物
質の平均粒径をとし、その標準偏差をσとすると、電
極の中央平坦部16と電極の端部15との厚さの差(t2
t1)は、 t2−t1≧+5σ (3) を満足することが電池の内部短絡の防止の上で好まし
い。なお、複数種類の粒状の物質が電極において存在す
る場合、粒径の最も大きいものについて上記式(3)を
満足するようにすればよい。
上記式(3)から上記第1表における内部短絡品発生
率を考察すると、電池Aについての上記厚さの差は上記
式(3)を満足しないが、より効果のよい電池Bについ
ての上記厚さの差は式(3)を満足することがわかる。
従って、粒状の電極構成物質を含んで構成される電極の
端部を薄くする場合、その中央部と端部との厚さの差
(t2−t1)を式(3)を満足するように決定すると、電
池の内部短絡の防止の上で一層効果的である。
G2.実施例2 本実施例2は、帯状の電極の四隅をカットすることに
よって電極の隅部が欠如しているものである。
第4図は、本実施例の非水電解質二次電池の概略的な
縦断面図を示すものであるが、この電池を以下に述べる
ようにして作製した。
帯状の負極1aを作るために、実施例1と同様の負極合
剤(負極構成物質)のスラリーを負極集電体11としての
厚さ10μmの帯状の銅箔の両面に塗布して、乾燥し、そ
の後ローラプレス機により圧縮成型した。そして、この
四隅をカットすることによって帯状の負極1aを得た。
この帯状の負極1aの平面図を第5A図に示すが、帯状の
負極1aの四隅は直線状にカットされており、四隅に存在
した破線で示す隅部19はほぼ三角状に取り除かれて欠如
している。
次に、帯状の正極2aを作るために、実施例1を同様の
正極合剤(正極構成物質)のスラリーを正極集電体21と
しての厚さ20μmの帯状のアルミニウム箔の両面に塗布
して、乾燥し、その後ローラプレス機により圧縮成型し
た。そして、この四隅をカットすることによって帯状の
正極2aを得た。
この帯状の正極2aは、第5A図に示す帯状の負極1aと実
質的に同様の形状であって、その四隅に存在した隅部は
ほぼ三角形状に取り除かれて欠如している。
上記帯状の負極1a、上記帯状の正極2a及び厚さ25μm
の微孔性ポリプロピレンフィルムからなる帯状の第1及
び第2のセパレータ3a、3bを積層し、実施例1と同様に
渦巻状に多数回巻回することによって巻回電極体10aを
作成した。この巻回電極体10aの横断面の構造は、第3
図に示す巻回電極体10と実質的に同じであり、負極1aは
負極構成物質から成る内周層12及び外周層13を備え、正
極2aは正極構成物質から成る内周層22及び外周層23を備
えている。
上述の巻回電極体10aを用いて実施例1と同様にし
て、第4図に示すような直径14mm、高さ50mmの円筒型非
水電解質二次電池を作製した。この電池を、後掲の第2
表に示すように、便宜上電池Dとする。
次に、帯状の負極1aにおいて、その四隅をカットした
後の形状が第5B図に示すように円形状であるような帯状
の負極1aを電池Dの場合と同様にして得た。この帯状の
負極1aは、四隅に存在した破線で示す隅部19が同図のよ
うに取り除かれて欠如している。
また、帯状の正極2aを上記電池Dの場合と同様にして
得たが、この帯状の正極2aは、第5B図と実質的に同様の
形状であって、その四隅に存在した隅部は同図のように
取り除かれて欠如している。
以上のような帯状の負極1a及び帯状の正極2aを用いた
以外は、上記電池Dと同様の円筒型非水電解質二次電池
Eを作製した。
次に、本発明による効果を確認するための比較例とし
て、電極の四隅を取り除いていない帯状の負極及び帯状
の正極を用いた以外は、上記電池Dと同様にして円筒型
非水電解質二次電池Fを作製した。
上記3種類の電池D、F、Fについて、夫々50個づつ
作製し、組み立てた時点における未充電状態の二次電池
の内部短絡品の発生率を調査した。この結果を下記の第
2表示す。
上記第2表に示すように、比較例の電池Fでは、内部
短絡品の発生が認められたが、本実施例2の電池D及び
Eでは内部短絡品の発生が認められなかった。
上述のように本実施例2では帯状の両電極の四隅にお
いて隅部19が欠如しているから、巻回電極体10aを作製
する際に電極の四隅において電極構成物質がセパレータ
を貫通することはない。また、電池の製造中及び使用中
に電極の四隅において電極活物質が脱落したり剥離した
りすることはない。この結果、電池の内部短絡が効果的
に防止される。
なお、帯状の負極1a及び帯状の正極2aを作る際に、集
電体11、21を予め第5A図又は第5B図に示すような形状に
しておいてもよい。
また、本実施例2では、両電極の四隅において隅部を
取り除いているが、負極又は正極のいずれか一方におい
てのみその隅部を欠如させるようにしてもよい。
G3.実施例3 本実施例3は、電極の外周層における結着剤含有率を
その電極の内周層よりも高くしたものである。
本実施例3の非水電解質二次電池の縦断面は第4図に
示すものと同様であり、巻回電極体10bの横断面は第3
図に示すものと同様である。
最初に、負極外周層13における結着剤含有率を負極内
周層12よりも高くし、正極については外周層23と内周層
22とにおける結着剤含有率を等しくした電池を次のよう
に作製した。
帯状の負極1bを次のようにして得た。
粉砕したピッチコークスを負極活物質担持体として用
い、このピッチコークス88重量部及び結着剤としてのポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)12重量部を加え、混合し、
第1の負極合剤(負極構成物質)とした。
また、ピッチコークス90重量部及びPVDF10重量部を同
様に混合し、第2の負極合剤(負極構成物質)とした。
上述の第1及び第2の負極合剤から、夫々実施例1の
場合と同様にして第1及び第2の負極合剤のスラリーを
得た。
次に負極集電体11の一方の面(第3図に示す巻回電極
体10bにおける負極外周層13に相当する側)に上記第1
の負極合剤のスラリーを塗布し、そして他方の面(負極
内周層12に相当する側)に上記第2の負極合剤のスラリ
ーを塗布して乾燥し、その後ローラプレス機により圧縮
成型することによって、帯状の負極1bを得た。このと
き、負極外周層13側及び負極内周層12側の厚さは同一で
夫々80μmであり、帯状の負極1の幅は41.5mm、長さは
270mmであった。
この帯状の負極1bの外周層13及び内周層12における結
着剤としてのPVDFの含有率X a、X bは、第1及び第2の
負極合剤におけるPVDFの混合比(配合比)が上述の通り
であるから、それぞれ12重量%及び10重量%である。
次に、帯状の正極2bを実施例1の場合と同様の正極合
剤を用いて同様にして得た。このとき、正極外周層23側
及び正極内周層22側の厚さは同一で夫々80μmであり、
帯状の正極2bの幅は40.5mm、長さは230mmであった。
この帯状の正極2bの外周層23及び内周層22における結
着剤としてのPVDFの含有率X a′、X b′は同一で夫々3
重量%である。また、正極活物質としてのLiCoO2及び導
電剤としてのグラファイトの各含有率は91重量%及び6
重量%である。
上記帯状の負極1b、上記帯状の正極2b及び厚さ25μm
の微孔性ポリプロプレンフィルムからなる帯状の第1及
び第2のセパレータ3a、3bを用いて、実施例1と同様に
して第3図に示すものと同様の構造の巻回電極体10bを
作成した。
上述の巻回電極体10bを用いて実施例1と同様にし
て、第4図に示すような直径14mm、高さ50mmの円筒型非
水電解質二次電池を作製した。この電池を、後掲の第3
表に示すように便宜上、電池Gとする。
次に、上記第1及び第2の負極合剤におけるPVDFの配
合比を変えることによって、負極外周層13及び負極内周
層12におけるPVDF含有率X a、X bを第3表に示すように
二通りに変えた以外は、上記電池Gと同様にして円筒型
非水電解質二次電池H及びIを夫々作製した。
また、本発明の効果を確認するための比較例として、
第3表に示すように負極外周層13及び負極内周層12にお
けるPVDFの含有率X a、X bを二通りに等しくした以外
は、上記電池Gと同様にして円筒型非水電解質二次電池
J及びKを夫々作製した。
上記5種類の電池G〜Kについて、夫々50個づつ作製
し、夫々460mAの電流で上限電圧4.1Vとして2時間充電
し、続いて18Ωで放電終止電圧2.75Vまで放電させる充
放電サイクルを100回行った。そして、放電容量の安定
する10回目における電池の平均放電容量及び100回目に
おける電池の内部短絡品の発生率を調査した。この結果
を第4表に示す。
上記第3表及び第4表に示すように、負極外周層13に
おける結着剤としてのPVDFの含有率X aが負極内周層12
におけるPVDF含有率X bよりも高い電池G、H、Iは、
比較例の電池K(負極外周層13及び負極内周層12のPVDF
含有率X a、X bが等しくかつ最も低い)よりも内部短絡
品の発生率は低い。しかし、電池Iでは、負極外周層13
のPVDF含有率X aをかなり高くしたため放電容量が低下
してしまう。また、比較例の電池Jは、負極外周層13に
おけるPVDF含有率X aが電池Kよりも高いため内部短絡
品の発生率は低くなっている。
また、電池Jと電池Hとを比較すると両者の負極外周
層13におけるPVDF含有率X aは等しいが、電池Jの負極
内周層12におけるPVDF含有率X bが電池Hよりも高い
(ピッチコークスの含有率がより低い)ため、電池Jの
放電容量は低くなっている。
ここで結着剤含有率X a、X bの好ましい範囲を示す上
述した式(1)及び(2)から上記第3表及び第4表の
結果を見ると、電池G、Hの場合は式(1)及び(2)
を満足しているのに対し、電池Iの場合は式(1)を満
足しているものの式(2)を満足していない。従って、
電極の外周層における結着剤含有率X aをその電極の内
周層における結着剤含有率X bよりも高くする場合、上
述の式(1)及び(2)を満足するように結着剤含有率
X a及びX bを決定すれば、電池容量をさほど低下させる
ことなく電池の内部短絡防止に効果があることがわか
る。
次に、負極1bのみならず正極2bにおいても正極外周層
23における結着剤含有率X a′を正極内周層22における
結着剤含有率X b′よりも高くした電池を次のように作
製した。
負極1bの外周層13におけるPVDF含有率X aを14%と
し、負極内周層12におけるPVDF含有率X bを10%とした
以外は、上記電池Gと同様にして帯状の負極1bを得た。
帯状の正極2bを次のようにして得た。
上記電池Gにおける正極活物質(LiCoO2)、導電剤
(グラファイト)及び結着剤(PVDF)を夫々用いて、Li
CoO290重量部にグラファイト6重量部及びPVDF4重量部
を加え、混合し、第1の正極合剤(正極構成物質)とし
た。
次に上記電池Gにおいて用いた正極合剤を第2の正極
合剤とした。
上記第1及び第2の正極合剤から、夫々実施例1と同
様にして第1及び第2の正極合剤スラリーを得た。
次に正極集電体21の一方の面(第3図に示す巻回電極
体10bにおける正極外周層23に相当する側)に上記第1
の正極合剤のスラリーを塗布し、そして他方の面(正極
内周層22に相当する側)に上記第2の正極合剤のスラリ
ーを塗布し、続いて実施例1と同様にして電池Gと同様
の帯状の正極2bを得た。
この帯状の正極2bの外周層23におけるPVDF含有率X
a′は4重量%、LiCoO2含有率は90重量%及びグラファ
イト含有率6重量%である。また正極内周層22における
PVDF含有率X b′は3重量%である。
上述の帯状の負極1b及び帯状の正極2bを用いて上記電
池Gと同様にして巻回電極体10bを得てから上記電池G
と同様の円筒型非水電解質二次電池を作製した。この電
池を、後掲の第5表に示すように、便宜上、電池Lとす
る。
次に、上記第1の正極合剤におけるPVDF及びLiCoO2
配合比を変えることによって、正極外周層23におけるPV
DF含有率X a′を第5表に示すように四通りに変えた以
外は、上記電池Gと同様にして、円筒型非水電解質二次
電池M、N、O及びPを夫々作製した。
上記5種類の電池L〜Pについて、夫々50個づつ作製
し、上述したのと同様の充放電サイクルを100回行うこ
とによって、10回目における電池の平均放電容量及び10
0回目における電池の内部短絡品の発生率を調査した。
この結果を第6表に示す。
上記第5表及び第6表に示すように、負極1b及び正極
2bの各外周層13、23におけるPVDF含有率X a、X a′を各
内周層12、22におけるPVDF含有率X b、X b′よりも高く
した電池L〜Pにおいていずれも内部短絡の発生が認め
られなかった。しかも放電容量の減少も許容できる範囲
内であった。なお、上記電池L〜Pの場合は、いずれも
上記式(1)及び(2)を満足している。
以上のような本実施例3及び比較例における電池G〜
Pの結果から、負極1bにおいてだけ負極外周層13の結着
剤含有率X aを負極内周層12の結着剤含有率X bよりも高
くした場合でも電池の内部短絡の防止効果は得られると
ともに、正極2bにおいても正極外周層23の結着剤含有率
X a′を正極内周層の結着剤含有率X b′よりも高くする
と電池の内部短絡の防止効果が一層増大し、しかも電池
容量の低下も少ないことがわかる。そして、上記PVDFの
各含有率X a、X b、X a′、X b′が上述の式(1)及び
(2)を満足すれば、電池の内部短絡の防止及び電池容
量の低下の防止について満足できる結果を得ることがで
きる。
以上説明したように、本実施例3においては、電極の
外周層における結着剤含有率をその電極の内周層よりも
高くしたから、外周層における電極構成物質の結合力が
増大し、その結果、電極の巻回時に生じる伸び量が内周
層よりも多いため電極構成物質の脱落や剥離の生じ易い
外周層において、電池の特に使用中に電極構成物質の脱
落及び剥離を防止できる。従って、電池の内部短絡の防
止に効果的となりかつ充放電サイクル特性が向上する。
G4.実施例4 本実施例4は、特に電池の使用中におけるデンドライ
ト状の析出物による電池の内部短絡の防止及び電池容量
の低下の防止のために、上述した実施例1〜3において
使用した負極集電体11について改良を加えたものであ
り、第3図及び第4図に示す非水電解質二次電池と実質
的に同様のものである。
最初に、集電体に加える改良に関する本発明者らが得
た知見について説明する。
すなわち、第3図に示す構造の巻回電極体10におい
て、負極1のほぼ中央に集電体11が存在するため外周層
13と内周層12との間にはイオンの移動がないから、負極
1の最内周(1周目)における負極内周層27及び負極1
の最外周における負極外周層32は、実際の電池の充放電
反応に寄与しない。また、例えば負極1の最内周におけ
る外周層28では、特に充電反応において比較的負荷が重
く(負極1の2周目における内周層29と比較して活物質
担持体の量がより少ないため)、リチウムが電極表面に
偏って析出してそれがデンドライト状に成長し易い。そ
して、このデンドライト状の析出物がセパレータを貫通
して内部短絡を起こしてしまい易く、信頼性が損なわれ
てしまう。
負極内周層27及び負極外周層32は、充放電反応に寄与
せずに無駄であり、さらに電池の内容積は限られている
から、電池内における有効体積が減少し、この結果、電
池の容量が減少してしまう。
このような欠点をなくすために、巻回電極体における
電極最内周側の長さ部分、あるいは電極最内周の長さ部
分及び電極最外周側の長さ部分において、帯状の集電体
に孔を多数設けることが効果的であることを見い出し
た。
さらに、多数の孔を上記各部分に設ける場合、孔の空
孔率は3〜30%の範囲内にあることが好ましいことがわ
かった。空孔率が3%以下であるとイオンの移動が十分
に行なわれず、30%以上になると電極構成物質が脱落し
易くなって好ましくない。
これによって、例えば第3図に示す巻回電極体におい
て、最内周の負極内周層27と負極外周層28との間、及び
最外周の負極外周層32と負極内周層31との間で、リチウ
ムの移動が可能となる。従って、負極外周層28における
充電時の負荷が軽減されてデンドライト状に析出物が発
生しにくくなるから、電池内部短絡の防止に効果的とな
る。そして、負極内周層27及び負極外周層32が放電電反
応に寄与して、これらが無駄とならずに電池内における
有効体積が減少することはないから、電池容量の低下の
防止に効果的となる。
以上のような知見に基づいて本実施例4では、帯状の
負極集電体11aを次のように構成した。第6A図は帯状の
負極集電体11aの平面図である。
帯状の銅箔において、多数の円形の孔41を、負極1bの
最内周側の部分に長さl1の範囲内に空孔率が3%となる
ように設けることによって孔部38を形成して、帯状の負
極集電体11aを得た。このとき、負極集電体11aの幅方向
に沿った端部45及び長さ方向に沿った端部46には、負極
構成物質が設けられたとき、この負極構成物質の脱落防
止のため孔41を設けないことが望ましい。なお、上記l1
は約20mmであった。
以上のような負極集電体11aを用いた以外は、実施例
3における上記電池Kと同様の円筒型非水電解質二次電
池を作製した。この電池を、後掲の第7表に示すよう
に、便宜上、電池B′とする。
次に、上記負極集電体11aの孔部38の空孔率を第7表
に示すように五通りに変えた以外は、上記電池B′と同
様の円筒型非水電解質二次電池A′、C′、D′、E′
及びF′を作製した。
なお、電池F′における負極集電体11aの孔部38は、
第6B図に示すように四角形の多数の孔42から成ってい
る。
また、巻回電極体10bの外径は13mm、中心部の中空部
の内径は3.5mmであった。
また、本実施例4の効果を確認するための比較例とし
て、孔を設けていない負極集電体を用いた以外は上記電
池B′と同様の円筒型非水電解質二次電池G′を得た。
上記7種類の電池A′〜G′について、夫々10個づつ
作製し、実施例3において行ったのと同様の充放電サイ
クルを行って、10回目における電池の平均充放電容量を
求めた。この結果を第7表に示す。
上記第7表に示すように、孔部38を有する負極集電体
11aを用いた電池A′〜F′は、比較例の電池G′より
も放電容量が高くなっている。中でも電池B′、C′、
D′及びF′では空孔率Yが3%〜30%内であるから、
容量が400mAH以上あり良好な結果を示している。
また、充放電を繰返した上記電池A′〜G′を解体し
て調査したところ、電池B′、C′、D′及びF′では
負極集電体11aの孔部38の長さl1部分に相当する負極1b
の部分は電池反応をしており、デンドライト状のリチウ
ムは観察されなかった。また、比較例の電池G′では負
極1bの最内周の内周層27に相当する部分は電池反応をし
ておらず、また、電池E′では負極1bの孔部38において
孔41のところで負極構成物質が脱落しているのが観察さ
れた。
次に、巻回電極体の電極における集電体の最内周側の
孔部38だけでなく最外周側にも孔部39を設けた負極集電
体11bを用いた例について説明する。
第7A図に示すように、帯状の銅箔において、多数の円
形の孔41を、負極1bの最外周側の部分に長さl2の範囲内
に空孔率が3%となるように設けることによって、孔部
39を形成して、帯状の負極集電体11bを得た。このよう
な負極集電体11bを用いた以外は、上記電池B′と同様
の円筒型非水電解質二次電池I′を作製した。
なお、上記l2は約50mmであり、孔部38における空孔率
は孔部39と同一であった。
次に、上記負極集電体11bの孔部38及び孔部39におけ
る空孔率を下記第8表に示すように四通りに変えた以外
は、上記電池I′と同様の円筒型非水電解質二次電池
H′、J′、K′及びL′を作製した。
上記5種類の電池H′〜L′について夫々10個づつ作
製し、上述と同様の充放電サイクルを行って、10回目に
おける電池の平均放電容量を求めた。この結果を第8表
に示す。
上記第8表に示すように、負極集電体11bの孔部38及
び孔部39における空孔率が3%〜30%内である電池
I′、J′及びK′は容量が400mAH以上あり良好な結果
を示している。また、第8表における結果を第7表と比
較すると、第8表における電池はいずれも孔部38に加え
て孔部39を設けた負極集電体11bを用いているから容量
が大きくなっていることがわかる。
以上の結果から、巻回電極体における最内周側におい
て集電体に空孔率が3〜30%である孔部38を設けること
によってデンドライト状のリチウムの析出物が負極表面
に生じるのを防ぐことができて電池の内部短絡を防止で
きるとともに、電池容量の向上を達成することができ
る。また、好ましくは、最外周側においても集電体に空
孔率が3〜30%である孔部39を設けることによって、さ
らに電池容量の向上を達成できる。
この結果、金属箔を集電体とした高容量でかつ信頼性
のある円筒型非水電解質二次電池を得ることができる。
なお、本実施例4の電池では巻回電極体において最内
周及び最外周に位置する電極は負極であったが、正極が
最内周及び最外周に位置する場合は同様に正極集電体に
孔部を設けることによって、同様の効果が得られる。ま
た、金属箔集電体の材質としては特に限定しないが、ア
ルミニウム、銅、鉄、ステンレス、チタンが好ましい。
更に好ましくは、この中でもアルミニウムと銅である。
金属箔の厚さは200μm以下が好ましい。孔の形状も、
円形や四角形をあげることが出来るがこの中でも円形の
孔のほうが、機械的強度が強く望ましい。また電極から
電極構成物質の脱落を防止するために電極端部には孔を
設けないことが望ましい。
H.発明の効果 本発明は上述のように構成されているので、次のよう
な効果を奏する。
請求項1の二次電池では、帯状の電極の長さ方向に沿
って延びる両端部において、電極構成物質の脱落、剥離
及びセパレータへの貫通を夫々防ぐことができるから、
電池の製造中及び使用中における内部短絡を防止でき
る。
請求項3の二次電池では、巻回電極体の電極の外周層
における電極構成物質の結合力が増大してこの外周層に
おいて電極構成物質の脱落及び剥離を防ぐことができる
から、電池の製造中及び使用中における内部短絡を防止
できる。
従って、本発明によれば、信頼性が高く、重負荷特性
が優れた二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明による実施例を示すものであっ
て、第1図は実施例1の円筒型非水電解質二次電池の概
略的な縦断面図、第2図は第1図に示す二次電池に用い
た帯状の負極の斜視図、第3図は第1図及び第4図に示
す二次電池において用いた巻回電極体の概略的な一部横
断面図、第4図は実施例2、3及び4の円筒型非水電解
質二次電池の概略的な縦断面図、第5A図及び第5B図は実
施例2の第4図に示す二次電池において用いた帯状の負
極の平面図、第6A図、第6B図及び第7図は実施例3の第
4図に示す二次電池において用いた帯状の負極集電体の
平面図である。 なお図面に用いられた符号において、 1……帯状の負極 2……帯状の正極 3a、3b……第1及び第2のセパレータ 10……巻回電極体 11……負極集電体 12……負極内周層(負極構成物質層) 13……負極外周層(負極構成物質層) 15……負極の長さ方向に沿った端部(端部) 16……負極の中央平坦部(中央部) 19……負極の隅部 21……正極集電体 22……正極内周層(正極構成物質層) 23……正極外周層(正極構成物質層) である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−56871(JP,A) 特開 昭59−194363(JP,A) 実開 平2−50964(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/00 - 4/04 H01M 10/40 H01M 10/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムイオンをドープ、脱ドープできる
    物質を負極材料として用いた負極構成物質層又は正極構
    成物質層を帯状の箔からなる第1の集電体の両面に形成
    することにより構成された帯状の第1の電極と、正極構
    成物質層又はリチウムイオンをドープ、脱ドープできる
    物質を負極材料として用いた負極構成物質層を帯状の箔
    からなる第2の集電体の両面に形成することにより構成
    された帯状の第2の電極と、帯状のセパレータとが積層
    された状態でその長さ方向に沿って渦巻状に巻回され
    て、上記第1の電極と上記第2の電極との間に上記セパ
    レータが介在するように構成された巻回電極体を具備す
    る非水電解質二次電池において、 上記第1及び第2の電極のうちの少なくとも一方の帯状
    電極の長さ方向に沿って延びる両端部における厚さがこ
    の少なくとも一方の帯状電極の中央部における厚さより
    も薄いことを特徴とする非水電解質二次電池。
  2. 【請求項2】上記第1及び第2の電極の電極構成物質の
    うちの少なくとも1種類が上記第1又は第2の電極にお
    いて粒状として存在し、 この粒状の物質の平均粒径をX平均とし、その標準偏差
    をσとすると、電極の中央平坦部と電極の端部との厚さ
    の差(t中央−t端部)が、以下の関係: (t中央−t端部)≧X平均+5σ を満足することを特徴とする請求項1記載の非水電解質
    二次電池。
  3. 【請求項3】リチウムイオンをドープ、脱ドープできる
    物質を負極材料として用いた負極構成物質層又は正極構
    成物質層を帯状の箔からなる第1の集電体の両面に形成
    することにより構成された帯状の第1の電極と、正極構
    成物質層又はリチウムイオンをドープ、脱ドープできる
    物質を負極材料として用いた負極構成物質層を帯状の箔
    からなる第2の集電体の両面に形成することにより構成
    された帯状の第2の電極と、帯状のセパレータとが積層
    された状態でその長さ方向に沿って渦巻状に巻回され
    て、上記第1の電極と上記第2の電極との間に上記セパ
    レータが介在するように構成された巻回電極体を具備
    し、 上記巻回電極体における上記第1の電極が上記第1の集
    電体の内周面及び外周面に上記負極又は正極構成物質か
    ら成る内周層及び外周層を夫々備えるとともに、上記第
    2の電極が上記第2の集電体の内周面及び外周面に上記
    正極又は負極構成物質から成る内周層及び外周層を夫々
    備えるように、上記巻回電極体が構成された非水電解質
    二次電池において、 上記第1及び第2の電極のうちの少なくとも一方の帯状
    電極の電極構成物質が少なくとも活物質又は活物質担持
    体と結着剤とを含んでいるとともに、 この少なくとも一方の帯状電極の上記外周層における結
    着剤含有率がこの少なくとも一方の帯状電極の上記内周
    層における結着剤含有率よりも高く、 上記第1及び第2の電極の上記外周層における結着剤の
    含有率X a及びX a'(何れも重量%)と、上記第1及び
    第2の電極の上記内周層における結着剤の含有率X b及
    びX b'(何れも重量%)とが、以下の関係: 1.2≦X a/X b 1.2≦X a'/X b' X a−X b≦5 X a'−X b'≦5 を満足することを特徴とする非水電解質二次電池。
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