JP3371602B2 - リニアガイド装置のボール保持器 - Google Patents
リニアガイド装置のボール保持器Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C29/00—Bearings for parts moving only linearly
- F16C29/04—Ball or roller bearings
- F16C29/06—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load
- F16C29/0633—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides
- F16C29/0635—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are provided as bores in a main body of the U-shaped carriage, e.g. the main body of the U-shaped carriage is a single part with end caps provided at each end
- F16C29/0638—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are provided as bores in a main body of the U-shaped carriage, e.g. the main body of the U-shaped carriage is a single part with end caps provided at each end with balls
- F16C29/0642—Ball or roller bearings in which the rolling bodies circulate partly without carrying load with a bearing body defining a U-shaped carriage, i.e. surrounding a guide rail or track on three sides whereby the return paths are provided as bores in a main body of the U-shaped carriage, e.g. the main body of the U-shaped carriage is a single part with end caps provided at each end with balls with four rows of balls
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Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、案内レール上にスラ
イダがボールの転動を介して相対移動自在に跨架されて
いるタイプのリニアガイド装置において、そのスライダ
の内部に装着されてボールを保持するボール保持器の改
良に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来のこの種のリニアガイド装置のボー
ル保持器としては、例えば本出願人が先に出願した実開
平１−１７４６２５号公報に示されるものがある。その
ボール保持器５が取り付けられるリニアガイド装置は、
図８に示すように案内レール１のボール転動溝３がレー
ル側面１ｂの中間部と上端部（すなわちレール稜部１
ｃ）とに形成されているタイプのものである。ボール保
持器５は、案内レール稜部１ｃのボール転動溝３とこれ
に対向してスライダ２の内面に形成さ４たボール転動溝
４とに案内されて転動するボールＢがスライダ２を案内
レール１から取り外した時に脱落しないように保持する
もので、案内レール１上に跨架されたスライダ２の凹所
の、案内レール上面１ａとこれに対向したスライダ内面
２ａとの間の空間に配設される。 【０００３】ボール保持器５の平面形状は、図９に示す
ように略長方形の枠形とされ、長手方向の両端に軸方向
に突出する係止部６を備えると共に、両側縁には図１０
に示すような横断面円弧状のボール保持溝７が形成され
ている。そして、前記係止部６をスライダ２の両端に接
合されたエンドキャップ２Ｂの接合端面に設けられた不
図示の差し込み凹部に嵌合させて取り付けるようになっ
ている。 【０００４】なお、図８に示すスライダ２の下方のボー
ル転動溝４内のボールＢの保持器５Ａはワイヤ状に形成
され、スライダ２が案内レール１に組み込まれると、案
内レール１の側面のボール転動溝３の底面に設けられて
いる保持器逃げ溝８に収納されるようになっている。９
は案内レール１に設けたレール取付けボルト孔である。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】上記実開平１−１７４
６２５号公報に示された、案内レール稜部１ｃのボール
転動溝３に対向するスライダ２の内面のボール転動溝４
内のボールＢ（以下、レール稜部溝転動ボールという）
を脱落しないように保持するための従来のボール保持器
は、合成樹脂成形品であり、リニアガイド装置が高温環
境で使用される場合には、合成樹脂製ボール保持器の耐
熱性により使用範囲が制限されてしまう。この点に鑑み
て、本出願人は金属製の耐熱用ボール保持器を提案した
（特願平６−１６８１８４号）。このものは、前記図１
０に示す横断面円弧状のボール保持溝７の代わりに長方
形の金属薄板の両側縁を断面コ字状に折り曲げ成形して
ボール保持部を形成したもので、両端の係止部をエンド
キャップに係合させてスライダに取り付けて使用され、
高温雰囲気中でも変形や劣化を生じることがなく、長期
間にわたって正常なボール保持機能を発揮できるもので
ある。 【０００６】しかしながら、金属薄板を折り曲げ成形し
てなるボール保持器は、曲げのかど位置近くに形成され
ているボール保持部の剛性が大きい。そのため、ボール
保持器を予めエンドキャップに係合させてスライダに組
み付けてしまった後では、レール稜部溝転動ボールＢを
スライダ２のボール転動溝４内へ直接に装填することは
困難である。したがって実際のボール装填作業は、片側
のエンドキャップをわざわざ取り外して行わねばなら
ず、ボール装填の作業能率が良くないという問題があ
る。 【０００７】そこでこの発明は、上記従来の金属薄板か
らなるボール保持器の問題点に着目してなされたもので
あり、レール稜部溝転動ボールを保持するボール保持部
を弾性変形可能にすることにより、片側のエンドキャッ
プをスライダから一々取り外さずにボール装填作業やボ
ール入れ換え作業が容易にできるボール保持器を安価に
提供することを目的としている。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
の発明は、側面に軸方向のボール転造溝を有する案内レ
ールと、該案内レールのボール転動溝に対向するボール
転動溝を内側面に有して案内レール上に軸方向相対移動
可能に跨架されたスライダと、対向する前記両ボール転
動溝内に装填された多数のボールとを備えてなるリニア
ガイド装置の前記スライダ内に、前記案内レールの上方
の空間に位置して取り付けられるボール保持器に係り、
前記ボール保持器は金属製板よりなり案内レールの上面
と平行な平面部をなす基体部と該基体部の幅方向の両端
部を折り曲げて形成され、前記スライダを前記案内レー
ルより取り外した際の前記スライダのボール転動溝内に
装填された多数のボールを保持するボール保持部とを備
えると共に、該ボール保持部と基体部との境界部または
境界部の近傍に境界部に沿った空間部を有し、かつ前記
基体部の長手方向の両端に傾斜して形成されたエンドキ
ャップとの係止部を有することを特徴とするものであ
る。 【０００９】ここで、前記空間部は、保持器の長手方向
の中央部に設けても良く、また両端部に設けても良く、
また片端部にのみ設けても良い。また、長手方向の中央
部に空間部を設けると共に、ボール保持部を長手方向に
二分割しても良い。また、ボール保持器の基体部はその
平面の一部または大部分をくり抜いても良い。 【００１０】 【作用】この発明のボール保持器をスライダに装着する
には、ボール保持器の長手方向の両端の係止部をスライ
ダのエンドキャップの裏面に設けられている係止部に嵌
合させて取付けるようにしても良い。または、スライダ
の凹部の天井面にネジ止めして取り付けるようにしても
良い。または、スライダに直接にスポット等の溶接によ
って取り付けるようにしても良い。 【００１１】このようにして、予めスライダにボール保
持器を装着したままで、ボールの装填，交換を行う。す
なわち、ボール保持部は、基体部との境界部で折り曲げ
て形成したままでは剛性が高いため容易には変形させら
れないが、境界部またはその近傍に空間部を設けたこと
により、保持器長手方向に対し直交方向に弾性変形可能
である。したがって、ボールを装填，交換する際は、そ
のボール保持部を保持器の内側へ押し広げて容易に行う
ことができる。 【００１２】この発明のボール保持器は金属製であるか
ら、耐熱性に優れ高温雰囲気での使用が可能である。ま
た、基体部をくり抜くと保持器を軽量化できる。 【００１３】 【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。なお、従来と同一または相当部分には同一の符
号を付してある。図１ないし図４は、この発明の一実施
例を示すもので、図１はボール保持器の斜視図、図２は
ボール保持器取付け構造を説明するもので（ａ）はエン
ドキャップの裏面図、（ｂ）はそのＸ−Ｘ断面図、図３
はボール保持器の装着状態を示したリニアガイド装置の
正面図、図４は一部を切り欠いて示したリニアガイド装
置の斜視図である。 【００１４】この実施例のボール保持器１０は金属板か
らのプレス成形品で、長方形の平面部をなす基体部１１
の幅方向の両端部をぼぼ直角に折り曲げて形成されたボ
ール保持部１２を備えている。基体部１１のボール保持
部１２との境界部１３である折り曲げのかど部には、長
手方向に細長い空間部としてのスリット１６が、保持器
の長手方向の中央から両端近傍まで形成されている。 【００１５】前記基体部１１には、さらにその長手方向
の両端に、それぞれ軸方向に比較的短く突出する係止部
６がやや内側に傾斜して形成され、後述するようにエン
ドキャップ２Ｂの裏面に係合するようになっている。上
記ボール保持器１０を装着するため、図２に示すよう
に、エンドキャップ２Ｂの裏面２Ｂｂに、保持器の係止
部６が係合する保持器取付け溝１５が形成されている。 【００１６】なお、図３に示される１７はエンドキャッ
プ２Ｂの表面に取付けたサイドシール、１８はスライダ
２の袖部下面に取り付けたアンダーシールである。次に
作用を述べる。ボール保持器１０は、図２〜図４に示す
ように、スライダ２の本体２Ａの端部にボルトで接合さ
れるエンドキャップ２Ｂの裏面２Ｂｂに形成した保持器
取付け溝１５にボール保持器１０の端部の係止部６を嵌
合して、案内レール１の上面と基体部１１の平面とが平
行になるようにスライダ２の凹所に装着する。 【００１７】こうしてボール保持器１０を装着した後、
ボールＢをスライダ２のボール転動溝４に装填する。そ
の装填に際して、ボール保持器１０のボール保持部１２
の弾性変形を利用する。すなわち、ボール保持部１２
は、境界部１３に設けたスリット１６により剛性の高い
折り曲げ部分から切り離されており、両端部を固定支持
された弾性板のように保持器長手方向に対し矢符号Ｙで
示す直交方向に弾性変形可能である。そこで、ボール保
持部１２を保持器１０の内側へ押し広げれば容易にボー
ルＢをボール転動溝４に装填することができる。傷んだ
ボールを交換するため、ボール転動溝４から取り出す場
合も同様にボール保持部１２を押し広げて弾性変形させ
る。 【００１８】かくして、この実施例のボール保持器１０
を用いれば、エンドキャップ２Ｂをわざわざ取り外すこ
となく、ボール転動溝４のボール装填，交換作業が容易
に行える。ボール転動溝４に充填されたボールＢは、ボ
ール保持器１０のボール保持部１２で支持してスライダ
２のボール転動溝４に確実に保持されるから、脱落する
ことはない。 【００１９】ボール保持器１０を装着し、かつボールＢ
を装填したスライダ２を図４に示すように案内レール１
に組み付ける。この実施例のボール保持器１０は、ボー
ル保持部１２も、エンドキャップ２Ｂも含めて全体が金
属製とされていることから、耐熱性に優れ高温環境下で
の使用が可能である。 【００２０】図５にボール保持器１０の第２の実施例を
示す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６
に直交するスリット２０により、ボール保持部１２をそ
の長手方向の中央部付近で二分割してある点が上記第１
の実施例と異なっている。例えばボール保持器１０の金
属板の板厚が厚くてスリット１６だけではボールＢの装
填，交換が容易に行えるほど十分に弾性変形させ難い場
合に有効に機能する利点がある。 【００２１】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図６にボール保持器１０の第３の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６を
基体部１１の長手方向の中央部ではなく片側端部の両側
に設けた点が上記実施例と異なっている。ボール保持部
１２の片側端のスリット１６で境界部１３から切り離さ
れた部分を弾性変形させてボールＢの装填，交換を行え
ば良く、スリット１６の長さを短くできる利点がある。
その他の作用・効果は第１の実施例と同様である。 【００２２】図７にボール保持器１０の第４の実施例を
示す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６
を基体部１１の長手方向の片側端部ではなく両端部に設
けた点が上記実施例と異なっている。ボール保持部１２
の両端のスリット１６で境界部１３から切り離されたい
ずれかの部分を弾性変形させてボールＢの装填，交換を
行えば良く、作業の都合に合わせてボールＢの装填，交
換位置を選定できる利点がある。 【００２３】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図８にボール保持器１０の第５の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６を
境界部１３ではなく保持部１２に設けた点が第１の実施
例と異なっており、保持部１２に剛性と弾性とを同時に
付与できる利点がある。 【００２４】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図９にボール保持器１０の第６の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、空間部１６をス
リット状に形成する代わりに、長方形の基体部１１の大
部分をくり抜いて形成した点が上記各実施例とは異なっ
ている。この場合はボール保持部１２の弾性変形機能を
有すると共に、ボール保持器１０全体の重量が軽くなる
利点がある。更に、中央部をくり抜いて空間部１６を設
けたことによって、案内レール上面とスライダ内面との
間の空間に押圧手段を設けてスライダ移動時の振動を低
減したり、スライダを案内レールに対して固定したりす
る場合にボール保持器が邪魔にならないという利点もあ
る。 【００２５】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の保持器
は、平面状の基体部とボール保持部との境界部またはそ
の近傍に境界部沿いに空間部を設けたため、ボール保持
部を保持器幅方向に容易に弾性変形させることが可能に
なり、その結果、ボール保持器を予めスライダに取り付
けた状態のままでもスライダのボール転動溝に対するボ
ールの装填，交換が自在にできて作業能率が大きく向上
するという実用上の大きな効果が得られる。 【００２６】また、金属板製のため耐熱性が高くて高温
環境下での使用に耐え得ると共に、量産性に優れ且つ安
価に製造できるという効果を奏する。上記効果に加え
て、以下のような効果を得ることもできる。空間部の形
状，大きさ，位置等を適宜に変更することにより、作業
現場の要求に応じた種々のタイプのボール保持器を提供
することができる。 【００２７】また、基体部をくり抜いて保持器を枠状に
することにより、ボール保持性、ボール装填，交換作業
性等を低下させることなく一層の軽量化を図ることがで
き、且つまた、スライダ内面と案内レールの上面との間
の空間に例えば押圧手段を設けて、スライダ移動 の振
動を低減したりスライダを案内レールに対して固定した
りすることが可能になる。
イダがボールの転動を介して相対移動自在に跨架されて
いるタイプのリニアガイド装置において、そのスライダ
の内部に装着されてボールを保持するボール保持器の改
良に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来のこの種のリニアガイド装置のボー
ル保持器としては、例えば本出願人が先に出願した実開
平１−１７４６２５号公報に示されるものがある。その
ボール保持器５が取り付けられるリニアガイド装置は、
図８に示すように案内レール１のボール転動溝３がレー
ル側面１ｂの中間部と上端部（すなわちレール稜部１
ｃ）とに形成されているタイプのものである。ボール保
持器５は、案内レール稜部１ｃのボール転動溝３とこれ
に対向してスライダ２の内面に形成さ４たボール転動溝
４とに案内されて転動するボールＢがスライダ２を案内
レール１から取り外した時に脱落しないように保持する
もので、案内レール１上に跨架されたスライダ２の凹所
の、案内レール上面１ａとこれに対向したスライダ内面
２ａとの間の空間に配設される。 【０００３】ボール保持器５の平面形状は、図９に示す
ように略長方形の枠形とされ、長手方向の両端に軸方向
に突出する係止部６を備えると共に、両側縁には図１０
に示すような横断面円弧状のボール保持溝７が形成され
ている。そして、前記係止部６をスライダ２の両端に接
合されたエンドキャップ２Ｂの接合端面に設けられた不
図示の差し込み凹部に嵌合させて取り付けるようになっ
ている。 【０００４】なお、図８に示すスライダ２の下方のボー
ル転動溝４内のボールＢの保持器５Ａはワイヤ状に形成
され、スライダ２が案内レール１に組み込まれると、案
内レール１の側面のボール転動溝３の底面に設けられて
いる保持器逃げ溝８に収納されるようになっている。９
は案内レール１に設けたレール取付けボルト孔である。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】上記実開平１−１７４
６２５号公報に示された、案内レール稜部１ｃのボール
転動溝３に対向するスライダ２の内面のボール転動溝４
内のボールＢ（以下、レール稜部溝転動ボールという）
を脱落しないように保持するための従来のボール保持器
は、合成樹脂成形品であり、リニアガイド装置が高温環
境で使用される場合には、合成樹脂製ボール保持器の耐
熱性により使用範囲が制限されてしまう。この点に鑑み
て、本出願人は金属製の耐熱用ボール保持器を提案した
（特願平６−１６８１８４号）。このものは、前記図１
０に示す横断面円弧状のボール保持溝７の代わりに長方
形の金属薄板の両側縁を断面コ字状に折り曲げ成形して
ボール保持部を形成したもので、両端の係止部をエンド
キャップに係合させてスライダに取り付けて使用され、
高温雰囲気中でも変形や劣化を生じることがなく、長期
間にわたって正常なボール保持機能を発揮できるもので
ある。 【０００６】しかしながら、金属薄板を折り曲げ成形し
てなるボール保持器は、曲げのかど位置近くに形成され
ているボール保持部の剛性が大きい。そのため、ボール
保持器を予めエンドキャップに係合させてスライダに組
み付けてしまった後では、レール稜部溝転動ボールＢを
スライダ２のボール転動溝４内へ直接に装填することは
困難である。したがって実際のボール装填作業は、片側
のエンドキャップをわざわざ取り外して行わねばなら
ず、ボール装填の作業能率が良くないという問題があ
る。 【０００７】そこでこの発明は、上記従来の金属薄板か
らなるボール保持器の問題点に着目してなされたもので
あり、レール稜部溝転動ボールを保持するボール保持部
を弾性変形可能にすることにより、片側のエンドキャッ
プをスライダから一々取り外さずにボール装填作業やボ
ール入れ換え作業が容易にできるボール保持器を安価に
提供することを目的としている。 【０００８】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するこ
の発明は、側面に軸方向のボール転造溝を有する案内レ
ールと、該案内レールのボール転動溝に対向するボール
転動溝を内側面に有して案内レール上に軸方向相対移動
可能に跨架されたスライダと、対向する前記両ボール転
動溝内に装填された多数のボールとを備えてなるリニア
ガイド装置の前記スライダ内に、前記案内レールの上方
の空間に位置して取り付けられるボール保持器に係り、
前記ボール保持器は金属製板よりなり案内レールの上面
と平行な平面部をなす基体部と該基体部の幅方向の両端
部を折り曲げて形成され、前記スライダを前記案内レー
ルより取り外した際の前記スライダのボール転動溝内に
装填された多数のボールを保持するボール保持部とを備
えると共に、該ボール保持部と基体部との境界部または
境界部の近傍に境界部に沿った空間部を有し、かつ前記
基体部の長手方向の両端に傾斜して形成されたエンドキ
ャップとの係止部を有することを特徴とするものであ
る。 【０００９】ここで、前記空間部は、保持器の長手方向
の中央部に設けても良く、また両端部に設けても良く、
また片端部にのみ設けても良い。また、長手方向の中央
部に空間部を設けると共に、ボール保持部を長手方向に
二分割しても良い。また、ボール保持器の基体部はその
平面の一部または大部分をくり抜いても良い。 【００１０】 【作用】この発明のボール保持器をスライダに装着する
には、ボール保持器の長手方向の両端の係止部をスライ
ダのエンドキャップの裏面に設けられている係止部に嵌
合させて取付けるようにしても良い。または、スライダ
の凹部の天井面にネジ止めして取り付けるようにしても
良い。または、スライダに直接にスポット等の溶接によ
って取り付けるようにしても良い。 【００１１】このようにして、予めスライダにボール保
持器を装着したままで、ボールの装填，交換を行う。す
なわち、ボール保持部は、基体部との境界部で折り曲げ
て形成したままでは剛性が高いため容易には変形させら
れないが、境界部またはその近傍に空間部を設けたこと
により、保持器長手方向に対し直交方向に弾性変形可能
である。したがって、ボールを装填，交換する際は、そ
のボール保持部を保持器の内側へ押し広げて容易に行う
ことができる。 【００１２】この発明のボール保持器は金属製であるか
ら、耐熱性に優れ高温雰囲気での使用が可能である。ま
た、基体部をくり抜くと保持器を軽量化できる。 【００１３】 【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。なお、従来と同一または相当部分には同一の符
号を付してある。図１ないし図４は、この発明の一実施
例を示すもので、図１はボール保持器の斜視図、図２は
ボール保持器取付け構造を説明するもので（ａ）はエン
ドキャップの裏面図、（ｂ）はそのＸ−Ｘ断面図、図３
はボール保持器の装着状態を示したリニアガイド装置の
正面図、図４は一部を切り欠いて示したリニアガイド装
置の斜視図である。 【００１４】この実施例のボール保持器１０は金属板か
らのプレス成形品で、長方形の平面部をなす基体部１１
の幅方向の両端部をぼぼ直角に折り曲げて形成されたボ
ール保持部１２を備えている。基体部１１のボール保持
部１２との境界部１３である折り曲げのかど部には、長
手方向に細長い空間部としてのスリット１６が、保持器
の長手方向の中央から両端近傍まで形成されている。 【００１５】前記基体部１１には、さらにその長手方向
の両端に、それぞれ軸方向に比較的短く突出する係止部
６がやや内側に傾斜して形成され、後述するようにエン
ドキャップ２Ｂの裏面に係合するようになっている。上
記ボール保持器１０を装着するため、図２に示すよう
に、エンドキャップ２Ｂの裏面２Ｂｂに、保持器の係止
部６が係合する保持器取付け溝１５が形成されている。 【００１６】なお、図３に示される１７はエンドキャッ
プ２Ｂの表面に取付けたサイドシール、１８はスライダ
２の袖部下面に取り付けたアンダーシールである。次に
作用を述べる。ボール保持器１０は、図２〜図４に示す
ように、スライダ２の本体２Ａの端部にボルトで接合さ
れるエンドキャップ２Ｂの裏面２Ｂｂに形成した保持器
取付け溝１５にボール保持器１０の端部の係止部６を嵌
合して、案内レール１の上面と基体部１１の平面とが平
行になるようにスライダ２の凹所に装着する。 【００１７】こうしてボール保持器１０を装着した後、
ボールＢをスライダ２のボール転動溝４に装填する。そ
の装填に際して、ボール保持器１０のボール保持部１２
の弾性変形を利用する。すなわち、ボール保持部１２
は、境界部１３に設けたスリット１６により剛性の高い
折り曲げ部分から切り離されており、両端部を固定支持
された弾性板のように保持器長手方向に対し矢符号Ｙで
示す直交方向に弾性変形可能である。そこで、ボール保
持部１２を保持器１０の内側へ押し広げれば容易にボー
ルＢをボール転動溝４に装填することができる。傷んだ
ボールを交換するため、ボール転動溝４から取り出す場
合も同様にボール保持部１２を押し広げて弾性変形させ
る。 【００１８】かくして、この実施例のボール保持器１０
を用いれば、エンドキャップ２Ｂをわざわざ取り外すこ
となく、ボール転動溝４のボール装填，交換作業が容易
に行える。ボール転動溝４に充填されたボールＢは、ボ
ール保持器１０のボール保持部１２で支持してスライダ
２のボール転動溝４に確実に保持されるから、脱落する
ことはない。 【００１９】ボール保持器１０を装着し、かつボールＢ
を装填したスライダ２を図４に示すように案内レール１
に組み付ける。この実施例のボール保持器１０は、ボー
ル保持部１２も、エンドキャップ２Ｂも含めて全体が金
属製とされていることから、耐熱性に優れ高温環境下で
の使用が可能である。 【００２０】図５にボール保持器１０の第２の実施例を
示す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６
に直交するスリット２０により、ボール保持部１２をそ
の長手方向の中央部付近で二分割してある点が上記第１
の実施例と異なっている。例えばボール保持器１０の金
属板の板厚が厚くてスリット１６だけではボールＢの装
填，交換が容易に行えるほど十分に弾性変形させ難い場
合に有効に機能する利点がある。 【００２１】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図６にボール保持器１０の第３の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６を
基体部１１の長手方向の中央部ではなく片側端部の両側
に設けた点が上記実施例と異なっている。ボール保持部
１２の片側端のスリット１６で境界部１３から切り離さ
れた部分を弾性変形させてボールＢの装填，交換を行え
ば良く、スリット１６の長さを短くできる利点がある。
その他の作用・効果は第１の実施例と同様である。 【００２２】図７にボール保持器１０の第４の実施例を
示す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６
を基体部１１の長手方向の片側端部ではなく両端部に設
けた点が上記実施例と異なっている。ボール保持部１２
の両端のスリット１６で境界部１３から切り離されたい
ずれかの部分を弾性変形させてボールＢの装填，交換を
行えば良く、作業の都合に合わせてボールＢの装填，交
換位置を選定できる利点がある。 【００２３】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図８にボール保持器１０の第５の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、スリット１６を
境界部１３ではなく保持部１２に設けた点が第１の実施
例と異なっており、保持部１２に剛性と弾性とを同時に
付与できる利点がある。 【００２４】その他の作用・効果は第１の実施例と同様
である。図９にボール保持器１０の第６の実施例を示
す。この実施例のボール保持器１０は、空間部１６をス
リット状に形成する代わりに、長方形の基体部１１の大
部分をくり抜いて形成した点が上記各実施例とは異なっ
ている。この場合はボール保持部１２の弾性変形機能を
有すると共に、ボール保持器１０全体の重量が軽くなる
利点がある。更に、中央部をくり抜いて空間部１６を設
けたことによって、案内レール上面とスライダ内面との
間の空間に押圧手段を設けてスライダ移動時の振動を低
減したり、スライダを案内レールに対して固定したりす
る場合にボール保持器が邪魔にならないという利点もあ
る。 【００２５】 【発明の効果】以上説明したように、この発明の保持器
は、平面状の基体部とボール保持部との境界部またはそ
の近傍に境界部沿いに空間部を設けたため、ボール保持
部を保持器幅方向に容易に弾性変形させることが可能に
なり、その結果、ボール保持器を予めスライダに取り付
けた状態のままでもスライダのボール転動溝に対するボ
ールの装填，交換が自在にできて作業能率が大きく向上
するという実用上の大きな効果が得られる。 【００２６】また、金属板製のため耐熱性が高くて高温
環境下での使用に耐え得ると共に、量産性に優れ且つ安
価に製造できるという効果を奏する。上記効果に加え
て、以下のような効果を得ることもできる。空間部の形
状，大きさ，位置等を適宜に変更することにより、作業
現場の要求に応じた種々のタイプのボール保持器を提供
することができる。 【００２７】また、基体部をくり抜いて保持器を枠状に
することにより、ボール保持性、ボール装填，交換作業
性等を低下させることなく一層の軽量化を図ることがで
き、且つまた、スライダ内面と案内レールの上面との間
の空間に例えば押圧手段を設けて、スライダ移動 の振
動を低減したりスライダを案内レールに対して固定した
りすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明のボール保持器の第１の実施例の斜視
図である。 【図２】４エンドキャップのボール保持器取付け構造を
説明する図で、（ａ）は裏面図、（ｂ）はそのＸ−Ｘ線
断面図である。 【図３】図１のボール保持器の装着状態を示したリニア
ガイド装置の正面図で、エンドキャップの一部を切り欠
いてある。 【図４】一部を切り欠いて示した図３のリニアガイド装
置の斜視図である。 【図５】この発明のボール保持器の第２の実施例の斜視
図であ。 【図６】この発明のボール保持器の第３の実施例の斜視
図である。 【図７】この発明のボール持器の第４の実施例の斜視図
である。 【図８】この発明のボール持器の第５の実施例の斜視図
である。 【図９】この発明のボール持器の第６の実施例の斜視図
である。 【図１０】従来のボール保持器を取り付けたリニアガイ
ド装置の正面図で、エンドキャップの一部を切り欠いて
ある。 【図１１】従来のボール保持器の平面図である。 【図１２】図１１に示したものの正面図である。 【符号の説明】 １ 案内レール ２ スライダ ３ 案内レールのボール転動溝 ４ スライダのボール転動溝 ６ 保持器の係止部 Ｂ ボール １０ ボール保持器 １１ 基体部 １２ ボール保持部 １３ 境界部 １６ 空間部
図である。 【図２】４エンドキャップのボール保持器取付け構造を
説明する図で、（ａ）は裏面図、（ｂ）はそのＸ−Ｘ線
断面図である。 【図３】図１のボール保持器の装着状態を示したリニア
ガイド装置の正面図で、エンドキャップの一部を切り欠
いてある。 【図４】一部を切り欠いて示した図３のリニアガイド装
置の斜視図である。 【図５】この発明のボール保持器の第２の実施例の斜視
図であ。 【図６】この発明のボール保持器の第３の実施例の斜視
図である。 【図７】この発明のボール持器の第４の実施例の斜視図
である。 【図８】この発明のボール持器の第５の実施例の斜視図
である。 【図９】この発明のボール持器の第６の実施例の斜視図
である。 【図１０】従来のボール保持器を取り付けたリニアガイ
ド装置の正面図で、エンドキャップの一部を切り欠いて
ある。 【図１１】従来のボール保持器の平面図である。 【図１２】図１１に示したものの正面図である。 【符号の説明】 １ 案内レール ２ スライダ ３ 案内レールのボール転動溝 ４ スライダのボール転動溝 ６ 保持器の係止部 Ｂ ボール １０ ボール保持器 １１ 基体部 １２ ボール保持部 １３ 境界部 １６ 空間部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
F16C 29/04 - 29/06
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 側面に軸方向のボール転造溝を有する案
内レールと、該案内レールのボール転動溝に対向するボ
ール転動溝を内側面に有して案内レール上に軸方向相対
移動可能に跨架されたスライダと、対向する前記両ボー
ル転動溝内に装填された多数のボールとを備えてなるリ
ニアガイド装置の前記スライダ内に、前記案内レールの
上方の空間に位置して取り付けられるボール保持器にお
いて、 前記ボール保持器は金属製板よりなり案内レールの上面
と平行な平面部をなす基体部と該基体部の幅方向の両端
部を折り曲げて形成され、前記スライダを前記案内レー
ルより取り外した際の前記スライダのボール転動溝内に
装填された多数のボールを保持するボール保持部とを備
えると共に、該ボール保持部と基体部との境界部または
境界部の近傍に境界部に沿った空間部を有し、かつ前記
基体部の長手方向の両端に傾斜して形成されたエンドキ
ャップとの係止部を有することを特徴とするリニアガイ
ド装置のボール保持器。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08952895A JP3371602B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | リニアガイド装置のボール保持器 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08952895A JP3371602B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | リニアガイド装置のボール保持器 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08284954A JPH08284954A (ja) | 1996-11-01 |
| JP3371602B2 true JP3371602B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=13973318
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08952895A Expired - Lifetime JP3371602B2 (ja) | 1995-04-14 | 1995-04-14 | リニアガイド装置のボール保持器 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3371602B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100496892B1 (ko) * | 2004-12-20 | 2005-06-23 | 주식회사 에스비씨리니어 | 슬라이더 및 이 슬라이더가 채택된 직선 미끄럼 볼 베어링 |
| KR100496893B1 (ko) * | 2004-12-20 | 2005-06-23 | 주식회사 에스비씨리니어 | 슬라이더 및 이 슬라이더가 채택된 직선 미끄럼 볼 베어링 |
-
1995
- 1995-04-14 JP JP08952895A patent/JP3371602B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08284954A (ja) | 1996-11-01 |
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