JP3371546B2 - 磁性流体の製造方法 - Google Patents

磁性流体の製造方法

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JP3371546B2
JP3371546B2 JP14116094A JP14116094A JP3371546B2 JP 3371546 B2 JP3371546 B2 JP 3371546B2 JP 14116094 A JP14116094 A JP 14116094A JP 14116094 A JP14116094 A JP 14116094A JP 3371546 B2 JP3371546 B2 JP 3371546B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体の製造方法に
関する。更に詳しくは、低蒸気圧基油中にフェライト類
微粒子を高濃度で安定に分散せしめ、これにより飽和磁
化を向上せしめた磁性流体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト類微粒子は、粉砕法、共沈
法、蒸着法などによって製造されているが、これらの方
法の中、純度、粒径制御、生産性などの点から、一般に
共沈法が用いられている。ところで、共沈法は、鉄イオ
ンを含む水溶液からの沈殿反応であるため、生成した磁
性微粒子は水溶液中にけん濁した水性サスペンションの
状態で得られる。
【0003】一方、磁性流体用の磁性微粒子は、凝集し
ていることなく、1個1個が分散していることが望まし
い。そのため、共沈法磁性微粒子の場合には、微粒子同
志の固着凝集の危険性を含む乾燥工程を経ることなく、
分散液状態で固着凝集防止用の界面活性剤を微粒子表面
に吸着させることが必要となり、従って水溶性の界面活
性剤が用いられている。
【0004】このように水溶性界面活性剤を吸着させた
磁性微粒子を分散させた磁性流体にあっては、その分散
基油がケロシン、トルエンなどの比較的揮発性に富む溶
媒に限定され、しかるに磁性流体が磁性流体シール、磁
性流体研磨などに用いられる場合には、基油の蒸発は磁
性流体の機能そのものを損う重要な問題としてとらえら
れる。
【0005】磁性流体は、このように一般にフェライト
類微粒子を高級脂肪酸塩、ソルビタンエステルの如き分
散剤を用いて基油中に分散せしめたものである。ところ
が、低蒸気圧の基油中にフェライト類微粒子を単に分散
させようとしても高い分散性が得られず、とても実用に
は供せられない。
【0006】 かかる低蒸気圧基油への分散において、
かりに良い分散性が得られたとしても、低蒸気圧基油は
一般の有機溶媒や水が1cSt以下の動粘度(40℃)
を示すのに対し約8〜50cSt(40℃)という高い
動粘度を有するため、均一なサスペンションの形成に非
常な長時間を要する。しかも、分散さるべきフェライト
類微粒子すべてが安定なサスペンションを形成する訳で
はなく、かなりの割合のフェライト類微粒子が遠心分離
などの精製時にとり除かれ、効率が非常に悪いという問
題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題点を解決す
るために、本出願人は先に、フェライト類微粒子の水性
サスペンションに、N−ポリアルキレンポリアミン置換
アルケニルコハク酸イミドを水に不溶性乃至難溶性の有
機溶媒の溶液として添加し、N−ポリアルキレンポリア
ミン置換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒
子に吸着させた後、水および有機溶媒を留去し、残渣の
N−ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸
イミド吸着フェライト類微粒子を、25℃において0.
1mmHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散
させて磁性流体を製造する方法を提案している(特開平
4−122,793号公報)。
【0008】 また、フェライト類微粒子の水性サスペ
ンションに、N−ポリアルキレンポリアミン置換アルケ
ニルコハク酸イミドの水混和性有機溶媒溶液を、N−ポ
リアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド
が溶液から分離せず、液相が均一相を形成し得る割合で
添加し、N−ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させた後、
水および水混和性有機溶媒を留去し、残渣のN−ポリア
ルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド吸着
フェライト類微粒子を、25℃において0.1mmHg
以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散させて磁性
流体を製造する方法を提案している(特開平5−19
8,420号公報)。
【0009】本発明の目的は、上記提案のフェライト類
微粒子を低蒸気圧基油中に安定にかつ高濃度で分散させ
た磁性流体を効率良く製造する方法において、更に飽和
磁化を高めた磁性流体を製造する方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
フェライト類微粒子の水性サスペンションに、無機リン
のアルカリ金属塩またはアンモニウム塩を添加し、該
リン酸をフェライト類微粒子に吸着させた後、そこに
N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イ
ミドの炭化水素溶液を添加し、N-ポリアルキレンポリア
ミン置換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒
子に吸着させた後、水および炭化水素溶媒を留去し、残
渣のN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク
酸イミド吸着フェライト類微粒子を、25℃において0.1m
mHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散せしめ
て磁性流体を製造する方法あるいは、フェライト類微粒
子の水性サスペンションに、無機リン酸のアルカリ金属
塩またはアンモニウム塩を添加し、該リン酸をフェラ
イト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポリアルキレン
ポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの水混和性有
機溶媒溶液を、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケ
ニルコハク酸イミドが溶液から分離せず、液相が均一相
を形成し得る割合で添加し、N-ポリアルキレンポリアミ
ン置換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒子
に吸着させた後、水および水混和性有機溶媒を留去し、
残渣のN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハ
ク酸イミド吸着フェライト類微粒子を、25℃において0.
1mmHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散せし
めて磁性流体を製造する方法によって達成される。
【0011】フェライト類微粒子としては、純度、粒径
制御、そして何よりも生産性の点において有利である共
沈法によって製造されたものが、水性サスペンションそ
のままの形で用いられる。即ち、共沈法での水性サスペ
ンションの形成は、鉄塩混合物水溶液へのNaOH水溶液の
滴下、熟成、冷却および塩のデカンテーションという一
連の工程を経ることにより行われ、そこに粒径約50〜30
0Å、好ましくは約70〜120Åのフェライト類を約0.1〜5
0重量%、好ましくは約1〜30重量%の濃度で分散させたサ
スペンションが得られる。
【0012】形成されたフェライト類微粒子の水性サス
ペンションには、無機リン酸のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩が添加される。具体的には、オルトリン酸
を始めとし、直鎖状のポリリン酸、環状のメタリン酸な
どの縮合リン酸を含む広義のリン酸のアルカリ金属塩
たはアンモニウム塩が、無機リン酸イオン形成物質とし
て用いられる。
【0013】より具体的には、オルトリン酸(リン酸)、
二リン酸(ピロリン酸)、三リン酸(トリポリリン酸)、四
リン酸(テトラポリリン酸)、トリメタリン酸、テトラメ
タリン酸、ペンタメタリン酸、ヘキサメタリン酸、ヘプ
タメタリン酸、オクタメタリン酸等の水溶性塩、例えば
ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等が用いら
れる。これらのリン酸塩は、約0.05〜1M濃度の水溶液と
して添加され、リン酸イオン濃度として約0.005〜0.1M
になるようにする。これらのリン酸イオンをフェライト
類微粒子上に吸着させるために、ホモジナイザなどによ
る撹拌が約0.5〜3時間程度行われ、必要に応じてこの後
超音波照射や加熱処理も行われる。
【0014】リン酸イオンが微粒子表面上に吸着され、
その吸着が完了すると、吸着されたリン酸イオンの反発
力により、フェライト類微粒子は水中に良好に分散する
ようになる。このとき、加えるリン酸イオンの量が多す
ぎても、また少なすぎても、微粒子が凝集して沈降する
ようになる。そして、最適の濃度は、上述した約0.005
〜0.1Mである。
【0015】このようにしてリン酸イオンをフェライト
類微粒子上に吸着させた水性サスペンションは、吸着処
理後直ちにN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドの炭化水素溶液と混合される。
【0016】N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドとしては、次のようなものが用いられ
る。 R:炭素数12〜24の炭化水素基 分子量約300〜2000のポリブテニル基 R´:炭素数1〜6のアルキレン基 R´が2個以上くり返される時互いに同一または異なり得
る n:1〜5 m:0〜4
【0017】N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドは、それを沸点約60〜200℃の脂肪
族、脂環状または芳香族の炭化水素溶媒、例えばn-ヘキ
サン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、n-デカ
ン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、ナフサ
などに、約0.01〜0.5モル、好ましくは約0.1〜0.5モル
の濃度で溶解させた溶液として用いられる。
【0018】そして、これらの有機溶媒溶液は、水性サ
スペンションに対し、一般に容積比で約0.01〜100、好
ましくは約1〜100の割合で用いられる。これら両者の混
合は、ホモジナイザなどを用い、エマルジョンが形成さ
れるような撹拌条件下で行われる。このような撹拌条件
下で撹拌することにより、N-ポリアルキレンポリアミン
置換アルケニルコハク酸イミドがエマルジョンの界面に
おいてフェライト類微粒子に吸着されるが、この吸着を
迅速に行わせるために、約40〜90℃の温度条件下で撹拌
処理されることが望ましく、そのような処理は約30〜60
分間行われる。
【0019】その後、水および炭化水素溶媒は留去さ
れ、残渣をトルエン-アセトン、トルエン-メタノール、
n-ヘキサン-アセトン、イソオクタン-アセトンなどの混
合溶媒、一般には等量混合溶媒で洗浄される。このよう
な洗浄により、磁性流体に調製したときに粘度を増大さ
せたり、あるいはフェライト類微粒子の分散濃度低下の
原因となる余分のN-ポリアルキレンポリアミン置換アル
ケニルコハク酸イミドを除去する。洗浄後は、フェライ
ト類微粒子は、必要に応じて乾燥させる。
【0020】また、N-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミドは、それを水混和性有機溶媒に
溶解させた溶液として、フェライト類微粒子の水性サス
ペンションに添加される。水混和性有機溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが用い
られ、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハ
ク酸イミドはこれらの溶媒に約0.01〜5モル、好ましく
は約0.1〜0.5モルの濃度で溶解させた溶液として用いら
れる。
【0021】これらの水混和性有機溶媒溶液は、フェラ
イト類微粒子の水性サスペンションに添加されたとき、
N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イ
ミドが溶液から分離せず、液相が均一相を形成し得るよ
うな割合で用いられる。この割合は、N-ポリアルキレン
ポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの濃度や用い
られた水混和性有機溶媒の種類によっても変わり得るの
で、一般的な混合割合の範囲を特定することは概して困
難であるが、例えばN-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミドが0.1モル濃度のテトラヒドロ
フラン溶液の場合、容積比で水性サスペンションに対し
てテトラヒドロフラン溶液は15倍以上で用いられる。N-
ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミ
ド溶液の濃度がこれより小さくなれば、この上限値は小
さくなり、溶液濃度がこれより大きくなれば、この上限
値は大きくなる。
【0022】混合物を一定時間撹拌した後、磁石上に静
置して上澄液(水および水混和性有機溶媒)を取り除き、
残渣はトルエン-アセトン、トルエン-メタノール、n-ヘ
キサン-アセトン、イソオクタン-アセトンなどの混合溶
媒、一般には等量混合溶媒で洗浄される。このような洗
浄により、磁性流体に調製したときに粘度を増大させた
り、あるいはフェライト類微粒子の分散濃度低下の原因
となる余分のN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドを除去する。洗浄後は、フェライト類
微粒子は、必要に応じて乾燥させる。
【0023】これらの方法によって得られたN-ポリアル
キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドで被覆
されたフェライト類微粒子は、そこに低蒸気圧基油を添
加して分散処理されるが、それの低蒸気圧基油への分散
性は良好な状態となっている。
【0024】低蒸気圧基油としては、25℃において0.1m
mHg以下、好ましくは0.01mmHg以下の蒸気圧を有する液
体、例えば天然油であるホワイトオイル(流動パラフィ
ン)、鉱油、スピンドル油など、あるいは合成油である
高級アルキルベンゼン、高級アルキルナフタレン、ポリ
ブテン(分子量約300〜2000)など、更に酸化防止剤、耐
摩耗剤、油性剤、清浄分散剤などのいわゆる潤滑添加剤
を含んだ潤滑油が、最終的に得られる磁性流体中のフェ
ライト類微粒子の分散濃度が約10〜50重量%となるよう
な割合で用いられる。
【0025】低蒸気圧基油を添加しての分散処理は、常
法での如く、ホモジナイザ、超音波、振動ミルなどの少
なくとも一種を用いて行われる。分散処理後は、遠心分
離あるいは磁場勾配中への静置による精製が行われる。
吸着処理および洗浄後に乾燥工程を経ずに分散処理する
こともでき、その場合には磁性流体の分散濃度や蒸発成
分の制御などの観点から、得られた磁性流体を減圧下で
加熱処理し、低沸点成分を留去することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明方法により、フェライト類微粒子
の水性サスペンションに予め無機リン酸のアルカリ金属
塩またはアンモニウム塩を添加し、リン酸をフェライ
ト類微粒子に吸着させて微粒子の水中での分散性を向上
させた後、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドの炭化水素溶液を添加し、撹拌条件下で
エマルジョンを形成させて、N-ポリアルキレンポリアミ
ン置換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒子
に吸着させることにより、磁性流体シールを始めとする
各種用途にとって必要な条件である、低蒸気圧基油に安
定にかつ簡単に磁性微粒子を分散させた磁性流体を好率
よく製造することができる。しかも、約40〜50重量%の
高濃度で磁性微粒子を低蒸気圧基油中に分散させること
ができるので、磁性流体の飽和磁化も高めることができ
る。
【0027】また、フェライト類微粒子の水性サスペン
ションに、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドの水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリアル
キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドが溶液
から分離せず、液相が均一相を形成し得る割合で添加
し、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク
酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させて磁性流体を
製造する方法においても、フェライト類微粒子の水性サ
スペンションに、無機リン酸のアルカリ金属塩またはア
ンモニウム塩を添加し、このようなリン酸をフェライ
ト類微粒子に予め吸着させた上で用いると、得られる磁
性流体の飽和磁化を一段と高めることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0029】実施例1 FeCl2・4H2O 184gおよびFeCl3・6H2O 500gを溶解させた水
溶液1850mlに、撹拌しながら6N NaOH水溶液をpHが11に
なる迄滴下し、その後80℃で30分間熟成、冷却し、塩を
デカンテーションで除去して、マグネタイトのサスペン
ション(マグネタイト濃度10重量%)を得た。
【0030】このサスペンション45mlに、0.1Mテトラポ
リリン酸ナトリウム水溶液20mlを加える。この溶液(テ
トラポリリン酸イオンとして0.03M)を、ホモジナイザで
60分間処理した後、そこに0.1モル濃度のポリブテニル
コハク酸イミドテトラエチレンペンタミン-トルエン溶
液100mlを加え、60℃で60分間、容量300mlの丸底セパラ
ブルフラスコ中において50mm径のプロペラを用いて800r
pmで撹拌してエマルジョンを形成させた。その後、ロー
タリエバポレータを用いて、減圧下に50℃に加熱しなが
ら、水およびトルエンを留去し、残渣のマグネタイト微
粒子をトルエン-アセトン(1:1)混合溶媒で5回洗浄して
乾燥させた。
【0031】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト3.0gに、アルキ
ルナフタレン5.0gを加えた後、ホモジナイザ(日本精機
製作所製エクセルオートホモジナイザ DX型)を用いて撹
拌(10000rpm、60分間)し、更に12時間超音波による分散
処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降物を
除去し、飽和磁化(16K Oe)280Gの磁性流体を得た。
【0032】実施例2 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション60mlに、0.05Mピロリン酸カリウム水溶液40mlを
加える。この溶液(ピロリン酸イオンとして0.02M)を、
ホモジナイザで90分間処理した後、そこに0.2モル濃度
のポリブテニルコハク酸イミドテトラエチレンペンタミ
ン-n-ヘキサン溶液100mlを加え、40℃で60分間、実施例
1と同様の撹拌条件下で撹拌してエマルジョンを形成さ
せた。その後、エバポレータを用いて、減圧下に60℃に
加熱しながら、水およびn-ヘキサンを留去し、残渣のマ
グネタイト微粒子をキシレン-アセトン(1:1)混合溶媒
で5回洗浄し、乾燥させた。
【0033】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、アルキ
ルナフタレン5.0gを加えた後、24時間超音波照射による
分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降
物を除去し、飽和磁化450Gの磁性流体を得た。
【0034】比較例1 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション15mlに、0.005モル濃度のポリブテニルコハク酸
イミドテトラエチレンペンタミン-トルエン溶液100mlを
加え、撹拌した。エマルジョンは形成されなかったが、
そのまま60℃で60分間処理し、その後エバポレータを用
いて、減圧下に50℃に加熱しながら、水およびトルエン
を留去し、残渣のマグネタイト微粒子をトルエン-アセ
トン(1:1)混合溶媒で5回洗浄して乾燥させた。
【0035】得られたマグネタイト微粒子3.0gに、アル
キルナフタレン5.0gを加えた後、ホモジナイザを用いて
撹拌(10000rpm、60分間)し、更に12時間超音波照射によ
る分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈
降物を除去したところ、殆んど透明の上澄みとなった。
【0036】比較例2 実施例1において、テトラポリリン酸ナトリウム水溶液
の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理を行わな
かった。得られた磁性流体の飽和磁化は250Gであった。
【0037】比較例3 実施例2において、ピロリン酸カリウム水溶液の添加お
よびそれに引き続くホモジナイザ処理を行わなかった。
得られた磁性流体の飽和磁化は400Gであった。
【0038】実施例3 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション50mlに、0.1Mテトラポリリン酸ナトリウム水溶液
20mlを加える。この溶液(テトラポリリン酸イオンとし
て0.03M)を、ホモジナイザで60分間処理した後、そこに
0.05モル濃度のポリブテニルコハク酸イミドテトラエチ
レンペンタミン-テトラヒドロフラン溶液800mlを加える
と、溶解しているポリブテニルコハク酸イミドテトラエ
チレンペンタミンは溶液から分離することなく、そこに
液相が均一な混合物が形成された。この混合物を、60℃
で60分間、容量1000mlの邪魔板付セパラブルフラスコ中
において70mm径のプロペラを用いて500rpmで撹拌した。
その後、磁石上に60分間静置して上澄液を取り除き、残
渣のマグネタイト微粒子をトルエン-アセトン(1:1)混合
溶媒で5回洗浄して乾燥させた。
【0039】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、高級ア
ルキルナフタレン8.0gを加えた後、30時間超音波による
分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降
物を除去し、飽和磁化(15K Oe)290Gの磁性流体を得た。
【0040】実施例4 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション60mlに、0.05Mピロリン酸ナトリウム水溶液40ml
を加える。この溶液(ピロリン酸イオンとして0.02M)
を、ホモジナイザで60分間処理し、次いで超音波照射を
60分間行った後、そこに0.15モル濃度のポリブテニルコ
ハク酸イミドテトラエチレンペンタミン-ジメチルスル
ホキシド溶液700mlを加えると、ポリブテニルコハク酸
イミドテトラエチレンペンタミンは溶液から分離するこ
となく、そこに液相が均一な混合物が形成された。この
混合物を、70℃で60分間、実施例1と同様の撹拌条件下
で撹拌した。その後、磁石上に60分間静置して上澄液を
取り除き、残渣のマグネタイト微粒子をキシレン-アセ
トン(1:1)混合溶媒で5回洗浄し、乾燥させた。
【0041】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、高級ア
ルキルナフタレン5.0gを加えた後、60時間超音波照射に
よる分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して
沈降物を除去し、飽和磁化450Gの磁性流体を得た。
【0042】比較例4 実施例3において、テトラポリリン酸ナトリウム水溶液
の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理を行わな
かった。得られた磁性流体の飽和磁化は260Gであった。
【0043】比較例5 実施例4において、ピロリン酸ナトリウム水溶液の添加
およびそれに引き続くホモジナイザ処理−超音波処理
行わなかった。得られた磁性流体の飽和磁化は410G
であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 125:10 C10M 125:24 125:24 133:16 133:16 133:56 133:56) C10M 149:02 (C10M 161/00 149:22 125:10 C10N 10:02 125:24 10:16 149:02 20:00 A 149:22) 40:14 C10N 10:02 70:00 10:16 20:00 40:14 70:00 (56)参考文献 特開 平5−67514(JP,A) 特開 平5−198420(JP,A) 特開 平4−122793(JP,A) 特開 平4−221808(JP,A) 特開 平4−221809(JP,A) 特開 平5−41316(JP,A) 特開 平5−267041(JP,A) 特開 平5−239488(JP,A) 特許3316989(JP,B2) 特許3321964(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/44 H01F 1/34 C10M 125/10 C10M 125/24 C10M 133/16 C10M 133/56 C10M 141/06 C10M 149/02 C10M 149/22 C10M 177/00 C10N 10:02 C10N 10:16 C10N 20:00 C10N 40:14 C10N 70:00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、無機リン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム
    を添加し、該リン酸をフェライト類微粒子に吸着さ
    せた後、そこにN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケ
    ニルコハク酸イミドの炭化水素溶液を添加し、N-ポリア
    ルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドをフ
    ェライト類微粒子に吸着させた後、水および炭化水素溶
    媒を留去し、残渣のN-ポリアルキレンポリアミン置換ア
    ルケニルコハク酸イミド吸着フェライト類微粒子を、25
    ℃において0.1mmHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油
    中に分散せしめることを特徴とする磁性流体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、無機リン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム
    を添加し、該リン酸をフェライト類微粒子に吸着さ
    せた後、そこにN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケ
    ニルコハク酸イミドの炭化水素溶液を添加し、撹拌条件
    下でエマルジョンを形成させることにより、N-ポリアル
    キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドをフェ
    ライト類微粒子に吸着させることを特徴とする請求項1
    記載の磁性流体の製造方法。
  3. 【請求項3】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、無機リン酸のアルカリ金属塩またはアンモニウム
    を添加し、該リン酸をフェライト類微粒子に吸着さ
    せた後、そこにN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケ
    ニルコハク酸イミドの水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリ
    アルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドが
    溶液から分離せず、液相が均一相を形成し得る割合で添
    加し、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハ
    ク酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させた後、水お
    よび水混和性有機溶媒を留去し、残渣のN-ポリアルキレ
    ンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド吸着フェラ
    イト類微粒子を、25℃において0.1mmHg以下の蒸気圧を
    有する低蒸気圧基油中に分散せしめることを特徴とする
    磁性流体の製造方法。
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