JP3331764B2 - 磁性流体の製造方法 - Google Patents

磁性流体の製造方法

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JP3331764B2
JP3331764B2 JP22567994A JP22567994A JP3331764B2 JP 3331764 B2 JP3331764 B2 JP 3331764B2 JP 22567994 A JP22567994 A JP 22567994A JP 22567994 A JP22567994 A JP 22567994A JP 3331764 B2 JP3331764 B2 JP 3331764B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F1/00Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
    • H01F1/44Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids
    • H01F1/445Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of magnetic liquids, e.g. ferrofluids the magnetic component being a compound, e.g. Fe3O4

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁性流体の製造方法に
関する。更に詳しくは、低蒸気圧基油中にフェライト類
微粒子を高濃度で安定に分散せしめ、これにより飽和磁
化を向上せしめた磁性流体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト類微粒子は、粉砕法、共沈
法、蒸着法などによって製造されているが、これらの方
法の中、純度、粒径制御、生産性などの点から、一般に
共沈法が用いられている。ところで、共沈法は、鉄イオ
ンを含む水溶液からの沈殿反応であるため、生成した磁
性微粒子は水溶液中にけん濁した水性サスペンションの
状態で得られる。
【0003】一方、磁性流体用の磁性微粒子は、凝集し
ていることなく、1個1個が分散していることが望まし
い。そのため、共沈法磁性微粒子の場合には、微粒子同
志の固着凝集の危険性を含む乾燥工程を経ることなく、
分散液状態で固着凝集防止用の界面活性剤を微粒子表面
に吸着させることが必要となり、従って水溶性の界面活
性剤が用いられている。
【0004】このように水溶性界面活性剤を吸着させた
磁性微粒子を分散させた磁性流体にあっては、その分散
基油がケロシン、トルエンなどの比較的揮発性に富む溶
媒に限定され、しかるに磁性流体が磁性流体シール、磁
性流体研磨などに用いられる場合には、基油の蒸発は磁
性流体の機能そのものを損う重要な問題としてとらえら
れる。
【0005】磁性流体は、このように一般にフェライト
類微粒子を高級脂肪酸塩、ソルビタンエステルの如き分
散剤を用いて基油中に分散せしめたものである。ところ
が、低蒸気圧の基油中にフェライト類微粒子を単に分散
させようとしても高い分散性が得られず、とても実用に
は供せられない。
【0006】かかる低蒸気圧基油への分散において、か
りに良い分散性が得られたとしても、低蒸気圧基油は一
般の有機溶媒や水が1Cst以下の動粘度(40℃)を示すの
に対し約8〜50Cst(40℃)という高い動粘度を有するた
め、均一なサスペンションの形成に非常な長時間を要す
る。しかも、分散さるべきフェライト類微粒子すべてが
安定なサスペンションを形成する訳ではなく、かなりの
割合のフェライト類微粒子が遠心分離などの精製時にと
り除かれ、効率が非常に悪いという問題もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かかる問題点を解決す
るために、本出願人は先に、フェライト類微粒子の水性
サスペンションに、N-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミドを水に不溶性乃至難溶性の有機
溶媒の溶液として添加し、N-ポリアルキレンポリアミン
置換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒子に
吸着させた後、水および有機溶媒を留去し、残渣のN-ポ
リアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド
吸着フェライト類微粒子を、25℃において0.1mmHg以下
の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散させて磁性流体
を製造する方法を提案している(特開平4-122,793号公
報)。
【0008】また、フェライト類微粒子の水性サスペン
ションに、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドの水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリアル
キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドが溶液
から分離せず、液相が均一相を形成し得る割合で添加
し、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク
酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させた後、水およ
び水混和性有機溶媒を留去し、残渣のN-ポリアルキレン
ポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド吸着フェライ
ト類微粒子を、25℃において0.1mmHg以下の蒸気圧を有
する低蒸気圧基油中に分散させて磁性流体を製造する方
法を提案している(特開平5-198,420号公報)。
【0009】本発明の目的は、上記提案のフェライト類
微粒子を低蒸気圧基油中に安定にかつ高濃度で分散させ
た磁性流体を効率良く製造する方法において、更に飽和
磁化を高めた磁性流体を製造する方法を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
フェライト類微粒子の水性サスペンションに、4級アン
モニウム塩を添加し、該4級アンモニウム塩をフェライ
ト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポリアルキレンポ
リアミン置換アルケニルコハク酸イミドの炭化水素溶液
を添加し、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させた後、
水および炭化水素溶媒を留去し、残渣のN-ポリアルキレ
ンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド吸着フェラ
イト類微粒子を、25℃において0.1mmHg以下の蒸気圧を
有する低蒸気圧基油中に分散せしめて磁性流体を製造す
る方法あるいは、フェライト類微粒子の水性サスペンシ
ョンに、4級アンモニウム塩を添加し、該4級アンモニウ
ム塩をフェライト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポ
リアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミド
の水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリアルキレンポリアミ
ン置換アルケニルコハク酸イミドが溶液から分離せず、
液相が均一相を形成し得る割合で添加し、N-ポリアルキ
レンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドをフェラ
イト類微粒子に吸着させた後、水および水混和性有機溶
媒を留去し、残渣のN-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミド吸着フェライト類微粒子を、25
℃において0.1mmHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油
中に分散せしめて磁性流体を製造する方法によって達成
される。
【0011】フェライト類微粒子としては、純度、粒径
制御、そして何よりも生産性の点において有利である共
沈法によって製造されたものが、水性サスペンションそ
のままの形で用いられる。即ち、共沈法での水性サスペ
ンションの形成は、鉄塩混合物水溶液へのNaOH水溶液の
滴下、熟成、冷却および塩のデカンテーションという一
連の工程を経ることにより行われ、そこに粒径約50〜30
0Å、好ましくは約70〜120Åのフェライト類を約0.1〜5
0重量%、好ましくは約1〜30重量%の濃度で分散させたサ
スペンションが得られる。
【0012】形成されたフェライト類微粒子の水性サス
ペンションには、4級アンモニウム塩が添加される。用
いられる4級アンモニウム塩は、一般式R1R2R3R4NX(ここ
で、R1〜R4はそれぞれ同一または異なった低級アルキル
基またはアラルキル基であり、Xは水酸基またはハロゲ
ン原子である)で表わされる化合物であり、例えばテト
ラメチルアンモニウムハイドロオキサイドまたはハライ
ド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドまた
はハライド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキ
サイドまたはハライド、ベンジルトリメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイドまたはハライド、ベンジルトリエ
チルアンモニウムハイドロオキサイドまたはハライド等
が用いられ、ハライドとしては一般にクロライドまたは
ブロマイドが用いられる。
【0013】これらの4級アンモニウム塩は、約0.01〜1
M濃度の水溶液として添加され、4級アンモニウム塩濃度
として約0.005〜0.1Mになるようにする。これらの4級ア
ンモニウム塩をフェライト類微粒子上に吸着させるため
に、ホモジナイザなどによる撹拌が約0.5〜3時間程度行
われ、必要に応じてこの後超音波照射や加熱処理も行わ
れる。
【0014】4級アンモニウム塩が微粒子表面上に吸着
され、その吸着が完了すると、吸着された4級アンモニ
ウム塩の反発力により、フェライト類微粒子は水中に良
好に分散するようになる。このとき、加える4級アンモ
ニウム塩の量が多すぎても、また少なすぎても、微粒子
が凝集して沈降するようになる。そして、最適の濃度
は、上述した約0.005〜0.1Mである。
【0015】このようにして4級アンモニウム塩をフェ
ライト類微粒子上に吸着させた水性サスペンションは、
吸着処理後直ちにN-ポリアルキレンポリアミン置換アル
ケニルコハク酸イミドの炭化水素溶液と混合される。
【0016】N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドとしては、次のようなものが用いられ
る。 R:炭素数12〜24の炭化水素基 分子量約300〜2000のポリブテニル基 R´:炭素数1〜6のアルキレン基 R´が2個以上くり返される時互いに同一または異なり得
る n:1〜5 m:0〜4
【0017】N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドは、それを沸点約60〜200℃の脂肪
族、脂環状または芳香族の炭化水素溶媒、例えばn-ヘキ
サン、n-ヘプタン、n-オクタン、イソオクタン、n-デカ
ン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、メシチレ
ン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、ナフサ
などに、約0.01〜0.5モル、好ましくは約0.1〜0.5モル
の濃度で溶解させた溶液として用いられる。
【0018】そして、これらの有機溶媒溶液は、水性サ
スペンションに対し、一般に容積比で約0.01〜100、好
ましくは約1〜100の割合で用いられる。これら両者の混
合は、ホモジナイザなどを用い、エマルジョンが形成さ
れるような撹拌条件下で行われる。このような撹拌条件
下で撹拌することにより、N-ポリアルキレンポリアミン
置換アルケニルコハク酸イミドがエマルジョンの界面に
おいてフェライト類微粒子に吸着されるが、この吸着を
迅速に行わせるために、約40〜90℃の温度条件下で撹拌
処理されることが望ましく、そのような処理は約30〜60
分間行われる。
【0019】その後、水および炭化水素溶媒は留去さ
れ、残渣をトルエン-アセトン、トルエン-メタノール、
n-ヘキサン-アセトン、イソオクタン-アセトンなどの混
合溶媒、一般には等量混合溶媒で洗浄される。このよう
な洗浄により、磁性流体に調製したときに粘度を増大さ
せたり、あるいはフェライト類微粒子の分散濃度低下の
原因となる余分のN-ポリアルキレンポリアミン置換アル
ケニルコハク酸イミドを除去する。洗浄後は、フェライ
ト類微粒子は、必要に応じて乾燥させる。
【0020】また、N-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミドは、それを水混和性有機溶媒に
溶解させた溶液として、フェライト類微粒子の水性サス
ペンションに添加される。水混和性有機溶媒としては、
例えばテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが用い
られ、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハ
ク酸イミドはこれらの溶媒に約0.01〜5モル、好ましく
は約0.1〜0.5モルの濃度で溶解させた溶液として用いら
れる。
【0021】これらの水混和性有機溶媒溶液は、フェラ
イト類微粒子の水性サスペンションに添加されたとき、
N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イ
ミドが溶液から分離せず、液相が均一相を形成し得るよ
うな割合で用いられる。この割合は、N-ポリアルキレン
ポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの濃度や用い
られた水混和性有機溶媒の種類によっても変わり得るの
で、一般的な混合割合の範囲を特定することは概して困
難であるが、例えばN-ポリアルキレンポリアミン置換ア
ルケニルコハク酸イミドが0.1モル濃度のテトラヒドロ
フラン溶液の場合、容積比で水性サスペンションに対し
てテトラヒドロフラン溶液は15倍以上で用いられる。N-
ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミ
ド溶液の濃度がこれより小さくなれば、この上限値は小
さくなり、溶液濃度がこれより大きくなれば、この上限
値は大きくなる。
【0022】混合物を一定時間撹拌した後、磁石上に静
置して上澄液(水および水混和性有機溶媒)を取り除き、
残渣はトルエン-アセトン、トルエン-メタノール、n-ヘ
キサン-アセトン、イソオクタン-アセトンなどの混合溶
媒、一般には等量混合溶媒で洗浄される。このような洗
浄により、磁性流体に調製したときに粘度を増大させた
り、あるいはフェライト類微粒子の分散濃度低下の原因
となる余分のN-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニ
ルコハク酸イミドを除去する。洗浄後は、フェライト類
微粒子は、必要に応じて乾燥させる。
【0023】これらの方法によって得られたN-ポリアル
キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドで被覆
されたフェライト類微粒子は、そこに低蒸気圧基油を添
加して分散処理されるが、それの低蒸気圧基油への分散
性は良好な状態となっている。
【0024】低蒸気圧基油としては、25℃において0.1m
mHg以下、好ましくは0.01mmHg以下の蒸気圧を有する液
体、例えば天然油であるホワイトオイル(流動パラフィ
ン)、鉱油、スピンドル油など、あるいは合成油である
高級アルキルベンゼン、高級アルキルナフタレン、ポリ
ブテン(分子量約300〜2000)など、更に酸化防止剤、耐
摩耗剤、油性剤、清浄分散剤などのいわゆる潤滑添加剤
を含んだ潤滑油が、最終的に得られる磁性流体中のフェ
ライト類微粒子の分散濃度が約10〜50重量%となるよう
な割合で用いられる。
【0025】低蒸気圧基油を添加しての分散処理は、常
法での如く、ホモジナイザ、超音波、振動ミルなどの少
なくとも一種を用いて行われる。分散処理後は、遠心分
離あるいは磁場勾配中への静置による精製が行われる。
吸着処理および洗浄後に乾燥工程を経ずに分散処理する
こともでき、その場合には磁性流体の分散濃度や蒸発成
分の制御などの観点から、得られた磁性流体を減圧下で
加熱処理し、低沸点成分を留去することが好ましい。
【0026】
【発明の効果】本発明方法により、フェライト類微粒子
の水性サスペンションに予め4級アンモニウム塩を添加
し、4級アンモニウム塩をフェライト類微粒子に吸着さ
せて微粒子の水中での分散性を向上させた後、N-ポリア
ルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの炭
化水素溶液を添加し、撹拌条件下でエマルジョンを形成
させて、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコ
ハク酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させることに
より、磁性流体シールを始めとする各種用途にとって必
要な条件である、低蒸気圧基油に安定にかつ簡単に磁性
微粒子を分散させた磁性流体を好率よく製造することが
できる。しかも、約40〜50重量%の高濃度で磁性微粒子
を低蒸気圧基油中に分散させることができるので、磁性
流体の飽和磁化も高めることができる。
【0027】また、フェライト類微粒子の水性サスペン
ションに、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニル
コハク酸イミドの水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリアル
キレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドが溶液
から分離せず、液相が均一相を形成し得る割合で添加
し、N-ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク
酸イミドをフェライト類微粒子に吸着させて磁性流体を
製造する方法においても、フェライト類微粒子の水性サ
スペンションに、4級アンモニウム塩を添加し、このよ
うな4級アンモニウム塩をフェライト類微粒子に予め吸
着させた上で用いると、得られる磁性流体の飽和磁化を
一段と高めることができる。
【0028】
【実施例】次に、実施例について本発明を説明する。
【0029】実施例1 FeCl2・4H2O 184gおよびFeCl3・6H2O 500gを溶解させた水
溶液1850mlに、撹拌しながら6N NaOH水溶液をpHが11に
なる迄滴下し、その後80℃で30分間熟成、冷却し、塩を
デカンテーションで除去して、マグネタイトのサスペン
ション(マグネタイト濃度10重量%)を得た。
【0030】このサスペンション45mlに、0.1Mテトラメ
チルアンモニウムクロライド水溶液20mlを加える。この
溶液(テトラメチルアンモニウムクロライドとして0.03
M)を、ホモジナイザで60分間処理した後、そこに0.1モ
ル濃度のポリブテニルコハク酸イミドテトラエチレンペ
ンタミン-トルエン溶液100mlを加え、60℃で60分間、容
量300mlの丸底セパラブルフラスコ中において50mm径の
プロペラを用いて800rpmで撹拌してエマルジョンを形成
させた。その後、ロータリエバポレータを用いて、減圧
下に50℃に加熱しながら、水およびトルエンを留去し、
残渣のマグネタイト微粒子をトルエン-アセトン(1:1)
混合溶媒で5回洗浄して乾燥させた。
【0031】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト3.0gに、アルキ
ルナフタレン5.0gを加えた後、ホモジナイザ(日本精機
製作所製エクセルオートホモジナイザ DX型)を用いて撹
拌(10000rpm、60分間)し、更に12時間超音波による分散
処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降物を
除去し、飽和磁化(16K Oe)285Gの磁性流体を得た。
【0032】比較例1 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション15mlに、0.005モル濃度のポリブテニルコハク酸
イミドテトラエチレンペンタミン-トルエン溶液100mlを
加え、撹拌した。エマルジョンは形成されなかったが、
そのまま60℃で60分間処理し、その後エバポレータを用
いて、減圧下に50℃に加熱しながら、水およびトルエン
を留去し、残渣のマグネタイト微粒子をトルエン-アセ
トン(1:1)混合溶媒で5回洗浄して乾燥させた。
【0033】得られたマグネタイト微粒子3.0gに、アル
キルナフタレン5.0gを加えた後、ホモジナイザを用いて
撹拌(10000rpm、60分間)し、更に12時間超音波照射によ
る分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈
降物を除去したところ、殆んど透明の上澄みとなった。
【0034】比較例2 実施例1において、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド水溶液の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理
を行わなかった。得られた磁性流体の飽和磁化は250Gで
あった。
【0035】実施例2 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション60mlに、0.05Mテトラエチルアンモニウムクロラ
イド水溶液40mlを加える。この溶液(テトラエチルアン
モニウムクロライドとして0.02M)を、ホモジナイザで90
分間処理した後、そこに0.2モル濃度のポリブテニルコ
ハク酸イミドテトラエチレンペンタミン-n-ヘキサン溶
液100mlを加え、40℃で60分間、実施例1と同様の撹拌
条件下で撹拌してエマルジョンを形成させた。その後、
エバポレータを用いて、減圧下に60℃に加熱しながら、
水およびn-ヘキサンを留去し、残渣のマグネタイト微粒
子をキシレン-アセトン(1:1)混合溶媒で5回洗浄し、乾
燥させた。
【0036】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、アルキ
ルナフタレン5.0gを加えた後、24時間超音波照射による
分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降
物を除去し、飽和磁化430Gの磁性流体を得た。
【0037】比較例3 実施例2において、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド水溶液の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理
を行わなかった。得られた磁性流体の飽和磁化は400Gで
あった。
【0038】実施例3 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション50mlに、0.05Mテトラメチルアンモニウ
ムハイドロオキサイド水溶液50mlを加える。この溶
液(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドとし
0.025M)を、ホモジナイザで30分間処理した
後、そこに0.4モル濃度のポリブテニルコハク酸イミ
ドテトラエチレンペンタミン−リグロイン溶液100m
lを加え、70℃で30分間、実施例1と同様の撹拌条
件下で攪拌してエマルジョンを形成させた。その後、エ
バポレータを用いて、減圧下に60℃に加熱しながら、
水およびリグロインを留去し、残渣のマグネタイト微粒
子をトルエン−メタノール(1:1)混合溶媒で5回洗
浄し、乾燥させた。
【0039】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト4.0gに、アルキ
ルナフタレン4.0gを加えた後、24時間超音波照射による
分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降
物を除去し、飽和磁化410Gの磁性流体を得た。
【0040】比較例4 実施例3において、テトラメチルアンモニウムハイドロ
オキサイド水溶液の添加およびそれに引き続くホモジナ
イザ処理を行わなかった。得られた磁性流体の飽和磁化
は390Gであった。
【0041】実施例4 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション50mlに、0.1Mテトラメチルアンモニウムクロライ
ド水溶液20mlを加える。この溶液(テトラメチルアンモ
ニウムクロライドとして0.03M)を、ホモジナイザで60分
間処理した後、そこに0.05モル濃度のポリブテニルコハ
ク酸イミドテトラエチレンペンタミン-テトラヒドロフ
ラン溶液800mlを加えると、溶解しているポリブテニル
コハク酸イミドテトラエチレンペンタミンは溶液から分
離することなく、そこに液相が均一な混合物が形成され
た。この混合物を、60℃で60分間、容量1000mlの邪魔板
付セパラブルフラスコ中において70mm径のプロペラを用
いて500rpmで撹拌した。その後、磁石上に60分間静置し
て上澄液を取り除き、残渣のマグネタイト微粒子をトル
エン-アセトン(1:1)混合溶媒で5回洗浄して乾燥させ
た。
【0042】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、高級ア
ルキルナフタレン8.0gを加えた後、30時間超音波による
分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して沈降
物を除去し、飽和磁化(15K Oe)295Gの磁性流体を得た。
【0043】比較例5 実施例4において、テトラメチルアンモニウムクロライ
ド水溶液の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理
を行わなかった。得られた磁性流体の飽和磁化は260Gで
あった。
【0044】実施例5 実施例1記載の方法で得られたマグネタイトのサスペン
ション60mlに、0.05Mテトラエチルアンモニウムクロラ
イド水溶液40mlを加える。この溶液(テトラエチルアン
モニウムクロライドとして0.02M)を、ホモジナイザで60
分間処理し、次いで超音波照射を60分間行った後、そこ
に0.15モル濃度のポリブテニルコハク酸イミドテトラエ
チレンペンタミン-ジメチルスルホキシド溶液700mlを加
えると、ポリブテニルコハク酸イミドテトラエチレンペ
ンタミンは溶液から分離することなく、そこに液相が均
一な混合物が形成された。この混合物を、70℃で60分
間、実施例1と同様の撹拌条件下で撹拌した。その後、
磁石上に60分間静置して上澄液を取り除き、残渣のマグ
ネタイト微粒子をキシレン-アセトン(1:1)混合溶媒で5
回洗浄し、乾燥させた。
【0045】得られたポリブテニルコハク酸イミドテト
ラエチレンペンタミン被覆マグネタイト5.0gに、高級ア
ルキルナフタレン5.0gを加えた後、60時間超音波照射に
よる分散処理を行ない、遠心分離(5000G、30分間)して
沈降物を除去し、飽和磁化445Gの磁性流体を得た。
【0046】比較例6 実施例5において、テトラエチルアンモニウムクロライ
ド水溶液の添加およびそれに引き続くホモジナイザ処理
-超音波処理を行わなかった。得られた磁性流体の飽和
磁化は410Gであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/12 - 1/375

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、4級アンモニウム塩を添加し、該4級アンモニウム
    塩をフェライト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポリ
    アルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの
    炭化水素溶液を添加し、N-ポリアルキレンポリアミン置
    換アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒子に吸
    着させた後、水および炭化水素溶媒を留去し、残渣のN-
    ポリアルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミ
    ド吸着フェライト類微粒子を、25℃において0.1mmHg以
    下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中に分散せしめること
    を特徴とする磁性流体の製造方法。
  2. 【請求項2】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、4級アンモニウム塩を添加し、該4級アンモニウム
    塩をフェライト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポリ
    アルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの
    炭化水素溶液を添加し、撹拌条件下でエマルジョンを形
    成させることにより、N-ポリアルキレンポリアミン置換
    アルケニルコハク酸イミドをフェライト類微粒子に吸着
    させることを特徴とする請求項1記載の磁性流体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 フェライト類微粒子の水性サスペンショ
    ンに、4級アンモニウム塩を添加し、該4級アンモニウム
    塩をフェライト類微粒子に吸着させた後、そこにN-ポリ
    アルキレンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドの
    水混和性有機溶媒溶液を、N-ポリアルキレンポリアミン
    置換アルケニルコハク酸イミドが溶液から分離せず、液
    相が均一相を形成し得る割合で添加し、N-ポリアルキレ
    ンポリアミン置換アルケニルコハク酸イミドをフェライ
    ト類微粒子に吸着させた後、水および水混和性有機溶媒
    を留去し、残渣のN-ポリアルキレンポリアミン置換アル
    ケニルコハク酸イミド吸着フェライト類微粒子を、25℃
    において0.1mmHg以下の蒸気圧を有する低蒸気圧基油中
    に分散せしめることを特徴とする磁性流体の製造方法。
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