JP3370959B2 - 冷凍サイクル装置の更新方法及び運転方法 - Google Patents

冷凍サイクル装置の更新方法及び運転方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷凍サイクル装置
の更新方法及び運転方法に関するものである。さらに詳
しくは、熱源機のみ又は熱源機と室内機とを新規に交換
し、少なくとも熱源機と室内機とを接続する接続配管を
交換しないで、従前の冷媒を異なる種類の新規な冷媒に
交換する冷凍サイクル装置とその運転方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から一般に用いられているセパレー
ト形の冷凍サイクル装置を図12に示す。図12におい
て、Aは熱源機であり、圧縮機1、四方弁2、熱源機側
熱交換器3a、第1の操作弁4、第2の操作弁7、アキ
ュムレータ8を内蔵している。Bは室内機であり、流量
調整器5(あるいは流量制御弁5)、及び利用側熱交換
器6を備えている。熱源機Aと室内機Bは離れた場所に
設置され、第1の接続配管C、第2の接続配管Dにより
接続されて、冷凍サイクルを形成する。
【0003】第1の接続配管Cの一端は、第1の操作弁
4介して熱源機側熱交換器3aと接続され、第1の接続
配管Cの他の一端は流量調整器5と接続されている。第
2の接続配管Dの一端は、第2の操作弁7を介して四方
弁2と接続され、第2の接続配管の他の一端は利用側熱
交換器6と接続されている。また、アキュムレータ8の
U字管状の流出配管の下部には返油穴8aが設けられて
いる。
【0004】この冷凍サイクル装置の冷媒の流れを図1
2に添って説明する。図中、実線矢印が冷房運転の流れ
を、破線矢印が暖房運転の流れを示す。まず、冷房運転
の流れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガ
ス冷媒は四方弁2を経て、熱源機側熱交換器3aへと流
入し、ここで空気・水など熱源媒体と熱交換して凝縮液
化する。凝縮液化した冷媒は第1の操作弁4、第1の接
続配管Cを経て流量調整器5へ流入し、ここで低圧まで
減圧されて低圧二相状態となり、利用側熱交換器6で空
気などの利用媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発
・ガス化した冷媒は第2の接続配管D、第2の操作弁
7、四方弁2、アキュムレータ8を経て圧縮機1へ戻
る。
【0005】次に、暖房運転の流れを説明する。圧縮機
1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は四方弁2、第2の
操作弁7、第2の接続配管Dを経て、利用側熱交換器6
へと流入し、ここで空気など利用側媒体と熱交換して凝
縮液化する。凝縮液化した冷媒は流量調整器5へ流入
し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、第
1の接続配管C、第1の操作弁4を経て、熱源側熱交換
器3aで空気・水などの熱源媒体と熱交換して蒸発・ガ
ス化する。蒸発・ガス化した冷媒は四方弁2、アキュム
レータ8を経て圧縮機1へ戻る。
【0006】従来、このような冷凍サイクル装置の冷媒
として、CFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC
(ハイドロクロロフルオロカーボン)が用いられてきた
が、これらの分子に含まれる塩素が成層圏でオゾン層を
破壊するためCFCは既に全廃され、HCFCでも生産
規制が開始されている。
【0007】これらに替って、分子に塩素を含まないH
FC(ハイドロフルオロカーボン)を使用する冷凍サイ
クル装置が実用化されている。CFC・HCFCを用い
た冷凍サイクル装置が老朽化した場合、これらの冷媒は
全廃・生産規制されているため、HFC(R407C、
R410A等の冷媒)を用いた冷凍サイクル装置に入れ
替える必要がある。また、熱源機Aは、HFCで使用す
る冷凍機油・有機材料・熱交換器がCFC、HCFCと
は異なるため、HFC専用のものと交換する必要があ
り、かつ元々CFC・HCFC用の熱源機Aは老朽化し
ているため交換する必要があるものであり、交換も比較
的容易である。
【0008】一方、熱源機Aと室内機Bとを接続する第
1の接続配管Cと第2の接続配管Dは、配管長が長い場
合や、パイプシャフトや天井裏などの建物に埋設されて
いる場合には、新規配管に交換することは困難で、しか
も老朽化もしないため、CFC・HCFCを用いた冷凍
サイクル装置で使用していた第1の接続配管Cと第2の
接続配管Dをそのまま使用できれば、配管工事が簡略化
できる。さらに、室内機Bについても建物の中に数多く
設置されている場合には新規に交換することは困難なた
め、 CFC・HCFCを用いた冷凍サイクル装置で使
用していた室内機Bを使用することで、室内機Bの交換
工事が簡略化できる。
【0009】しかし、CFC・HCFCを用いた冷凍サ
イクル装置で使用していた室内機B、第1の接続配管C
と第2の接続配管Dには、CFC・HCFCを用いた冷
凍サイクル装置の冷凍機油である鉱油やCFC・HCF
Cや冷凍機油の劣化物がスラッジとなったものが残留し
ている。
【0010】図13は、鉱油混入時のHFC用冷凍機油
とHFC冷媒(R407C)との溶解性を示す臨界溶解
度曲線を示す図で、横軸は油量(wt%)、縦軸は温度
(℃)を示す。HFCを用いた冷凍サイクル装置の冷凍
機油(エステル油やエーテル油などの合成油)に鉱油が
一定以上混入すると図13に示すように、HFC冷媒と
の相溶性が失われ、アキュムレータ8に液冷媒が溜まっ
ている場合にHFC用冷凍機油が液冷媒の上に分離・浮
遊するため、アキュムレータ8の下部にある返油穴8a
から圧縮機へ冷凍機油が戻らず圧縮機の摺動部が焼き付
く。また、鉱油が混入するとHFC用冷凍機油が劣化す
る。また、CFC・HCFCが混入するとこれらに含ま
れる塩素成分によりHFC用冷凍機油が劣化する。ま
た、CFC・HCFC用冷凍機油の劣化物がスラッジと
なったものに含まれる塩素成分によりHFC用冷凍機油
が劣化する。
【0011】このため、従来はCFCやHCFCを用い
た冷凍サイクル装置で使用していた第1の接続配管Cと
第2の接続配管Dを、洗浄装置を用いて専用の洗浄液
(HCFC141bやHCFC225)で洗浄すること
が行われている(以下、これを洗浄方法1と称する)。
また、特開平7-83545号公報に開示された方法がある。
これは、図14に示すように、洗浄装置を用いずに、H
FC用熱源機A、HFC用室内機B、第1の接続配管
C、第2の接続配管Dを接続し(ステップ100)、H
FC、HFC用冷凍機油を充填し(ステップ101)、
その後に運転することで洗浄し(ステップ102)、さ
らにその後に冷凍サイクル装置内の旧冷媒と冷凍機油を
回収し新しい冷媒を充填してから(ステップ103)、
再度運転による洗浄を実施する、ということを所定回数
繰り返す(ステップ104、105)ことが提案されて
いる(以下、これを洗浄方法2と称する)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の洗浄方
法1では以下に示すような問題があった。第1に、使用
する洗浄液がHCFCであり、オゾン破壊係数がゼロで
ないため、冷凍サイクル装置の冷媒をHCFCからHF
Cへと代替することと矛盾する。特に、HCFC141
bはオゾン破壊係数が0.11と大きく問題である。
【0013】第2に、使用する洗浄液は可燃性・毒性が
完全に安全なものではないことがあげられる。HCFC
141bは可燃性で、低毒性である。HCFC225は
不燃性だが、低毒性である。第3に沸点が高く(HCF
C141bは32℃、HCFC225は51.1〜5
6.1℃)、外気温がこの沸点より低い場合、特に冬期
には、洗浄後に洗浄液が液状態で、第1の接続配管Cと
第2の接続配管Dに残留する。これら洗浄液はHCFC
であることから、塩素成分を含んでおり、HFC用冷凍
機油が劣化する。
【0014】第4に、洗浄液は環境上全量回収する必要
があり、かつ上記第3の問題点が発生しないように高温
の窒素ガスなどで再洗浄するなど、洗浄工事の手間がか
かる。
【0015】また、上記の従来の洗浄方法2では、以下
に示すような問題があった。第1に、HFC冷媒による
洗浄が、特開平7-83545号公報の実施例では3回必要で
あり、また各洗浄運転で使用したHFC冷媒は不純物を
含むため、回収後その場での再利用は不可能である。つ
まり、通常の充填冷媒量の3倍の冷媒が必要であり、コ
スト・環境上問題である。
【0016】第2に、冷凍機油も各洗浄後に入れ替える
ため、通常の充填冷凍機油量の3倍が必要であり、コス
ト・環境上問題である。また、HFC用冷凍機油はエス
テル油またはエーテル油であり、吸湿性が高いため、交
換用冷凍機油の水分管理も必要となる。また、冷凍機油
を、洗浄する人間が封入するため、過不足が生じる危険
性もあり、その後の運転において支障を来す可能性があ
る(過充填は油圧縮による圧縮機破壊、モータ過熱をき
たし、不足充填時は潤滑不良を起こす)。
【0017】この発明は、上述のような従来の課題を解
決するためになされたもので、環境保護上問題のないと
される冷媒に置換する冷凍サイクル装置の構成方法と冷
媒の置換方法とを示し、またその冷凍サイクル装置の洗
浄のための運転方法を提供しようとするものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1にかかる
冷凍サイクル装置の更新方法は、少なくとも圧縮機と熱
源機側熱交換器とを含む第1の熱源機と、少なくとも利
用側熱交換器と流量調整器とを含む室内機と、上記第1
の熱源機と上記室内機とを接続して冷媒回路を構成する
第1の接続配管と第2の接続配管とを備え第1の冷媒を
用いる冷凍サイクル装置に対して、少なくとも圧縮機と
熱源機側熱交換器とを含み第2の冷媒を用いる熱源機冷
媒回路と、この熱源機冷媒回路に挿入されこの冷媒回路
の冷媒から冷凍機油を分離して上記圧縮機に還流させる
油分離手段と、上記油分離手段で分離された冷凍機油か
ら異物を分離・補足する異物捕捉手段とを備えた第2の
熱源機を用意し、少なくとも上記第1の熱源機を上記第
2の熱源機で置換するとともに、上記第1の冷媒を上記
第2の冷媒で置換して新たな冷凍サイクル装置を構成す
ることを特徴とするものである。
【0019】請求項2にかかる冷凍サイクル装置の更新
方法は、請求項1に記載の方法において、上記第2の熱
源機が、上記熱源機冷媒回路から分流させた冷媒と上記
油分離手段で分離された冷凍機油とを合流させて上記異
物捕捉手段に流入させる分岐冷媒回路を備えたことを特
徴とするものである。
【0020】請求項3にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含む
第1の熱源機と、少なくとも利用側熱交換器と流量調整
器とを接続した室内機と、上記熱源機側熱交換器と上記
流量調整器とを接続する第1の接続配管と、上記利用側
熱交換器と上記熱源機とを接続する第2の接続配管とを
備え、上記の圧縮請求項機、第2の接続配管、利用側熱
交換器、利用側流量調整器、第1の接続配管、熱源機側
熱交換器を順次接続して上記圧縮機に戻る第1の冷媒回
路と、上記の圧縮機、熱源機側熱交換器、第1の接続配
管、利用側流量調整器、利用側熱交換器、第2の接続配
管を順次接続して上記圧縮機に戻る第2の冷媒回路との
少なくともいずれかを形成し第1の冷媒を用いる冷凍サ
イクル装置において、少なくとも圧縮機と熱源機側熱交
換器とを含み第2の冷媒を用いる熱源機冷媒回路と、こ
の冷媒回路に挿入されこの冷媒回路の冷媒から冷凍機油
を分離して上記圧縮機に還流させる油分離手段と、この
油分離手段で分離された冷凍機油から異物を分離・補足
する異物捕捉手段とを備えた第2の熱源機を用意し、上
記第1の熱源機を上記第2の熱源機で置換するとともに
上記第1の冷媒を上記第2の冷媒に置換し、冷媒置換後
に上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記第
1の冷媒回路、又は/及び、上記第2の冷媒回路に循環
させて洗浄運転をすることを特徴とするものである。
【0021】請求項4にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、冷媒置換後に
上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記の圧
縮機、第2の接続配管、利用側熱交換器、利用側流量調
整器、第1の接続配管、熱源機側熱交換器の順に循環さ
せて洗浄運転をすることを特徴とするものである。
【0022】請求項5にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、冷媒置換後に
上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記の圧
縮機、熱源機側熱交換器、第1の接続配管、利用側流量
調整器、利用側熱交換器、第2の接続配管の順に循環さ
せて洗浄運転をすることを特徴とするものである。
【0023】請求項6にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、冷媒置換後に
上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記利用
側熱交換器に対して、第1の接続配管と第2の接続配管
のうち、太径配管を上流側に細径配管を下流側にして循
環させることを特徴とするものである。
【0024】請求項7にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、冷媒置換後に
上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を、最初に
上記の圧縮機、第2の接続配管、利用側熱交換器、利用
側流量調整器、第1の接続配管、熱源機側熱交換器の順
に循環させ、次に上記の圧縮機、熱源機側熱交換器、第
1の接続配管、利用側流量調整器、利用側熱交換器、第
2の接続配管の順に循環させて洗浄運転をすることを特
徴とするものである。
【0025】請求項8にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、冷媒置換後に
上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記第1
の接続配管および上記第2の接続配管に所定値以上の質
量流速で循環させて洗浄運転をすることを特徴とするも
のである。
【0026】請求項9にかかる冷凍サイクル装置の運転
方法は、請求項3に記載の方法において、上記室内機を
複数並列に備え、冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
て、上記第2の冷媒を上記複数の室内機を順次に選択し
て循環させて洗浄運転をすることを特徴とするものであ
る。
【0027】請求項10にかかる冷凍サイクル装置の運
転方法は、請求項3〜9のいずれかに記載の方法におい
て、上記第1の冷媒が既設のCFC(クロロフルオロカ
ーボン)冷媒またはHCFC(ハイドロクロロフルオロ
カーボン)冷媒であって、上記第2の冷媒がHFC(ハ
イドロフルオロカーボン)冷媒であることを特徴とする
ものである。
【0028】請求項11にかかる冷凍サイクル装置は、
少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含む第1の熱
源機と、少なくとも利用側熱交換器と流量調整器とを含
む室内機と、上記第1の熱源機と室内機とを接続して冷
媒回路を構成する第1の接続配管と第2の接続配管とを
備え第1の冷媒を用いる冷凍サイクル装置に対して、少
なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含む冷媒回路
と、上記冷媒回路に挿入され上記冷媒回路の冷媒から冷
凍機油を分離する油分離器と、上記冷媒回路に接続され
上記冷媒回路の異物を捕捉する異物捕捉手段とを備え第
2の冷媒を用いる第2の熱源機を用意し、上記第1の熱
源機を上記第2の熱源機で置換するとともに、上記室内
機、上記第1の接続配管及び上記第2の接続配管を利用
し、上記第1の冷媒を上記第2の冷媒で置換して新たな
冷凍サイクル装置を形成することを特徴とするものであ
る。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
実施の形態について説明する。なお、各図中、同一又は
相当する部分については、同一符号を付してその説明を
適宜簡略化または省略する。 実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1による
冷凍サイクル装置の一例として、冷媒置換を行なう冷凍
サイクル装置の冷媒回路を示す図である。図1におい
て、Aは熱源機であり、圧縮機1、四方弁2、熱源機側
熱交換器3a、3b、第1の操作弁4、第2の操作弁
7、アキュムレータ8、油分離器9(油分離手段)、異
物捕捉手段13を内蔵している。
【0030】油分離器9は、圧縮機1の吐出配管21と
四方弁2への流入配管22との間に設けられ、圧縮機1
から冷媒とともに吐出される冷凍機油を分離し冷凍機油
の戻り配管23へ排出する。戻り配管23は、接続点2
4において分岐配管25と接続され、分岐配管25は、
四方弁2からアキュムレータ8に至る配管26に接続点
27で接続されている。したがって、配管23と25
は、油分離器9の底部により端を発し、アキュムレータ
8への本流の配管26に至るバイパス路である。配管2
3と25との接続点24に端を発する分岐配管28には
異物捕捉手段13が接続され、異物捕捉手段13の出口
配管29は、圧縮機1の吐出配管21と接触部29aで
接触させた後、四方弁2からアキュムレータ8に至る配
管26に、接続点30で接続されている。
【0031】油分離器9の出口側の配管22には、分岐
配管31を介して第2の熱源機側熱交換器3bが接続さ
れ、その出口配管32は、油分離器9から異物捕捉手段
13に至るバイパス路の配管28に接続点33で接続さ
れている。したがって、油分離器9で分離されて配管2
3と28を通ってくる冷凍機油と、油分離器9の下流か
ら第2の室外側熱交換器3bを通ってくる冷媒とは、接
続点33で合流して異物捕捉手段13に流入する。ま
た、油分離器9の冷凍機油の戻り配管23から接続点2
4で分岐し異物捕捉手段13に接続された分岐配管28
は、接続点24からアキュムレータ8に流入させる分岐
配管25よりも太くされ、異物捕捉手段13に多量に異
物が捕捉されるまでは、油分離器で分離されて冷凍機油
が容易に流入するようにしてある。また、アキュムレー
タ8のU字管状の流出配管の下部には返油穴8aが設け
られている。なお、分岐配管25,28,31などに必
要に応じて流量制御弁を設けてもよい。
【0032】Bは室内機であり、流量調整器5(あるい
は流量制御弁5)、及び利用側熱交換器6を備えてい
る。Cは、第1の接続配管であり、その一端は第1の操
作弁4を介して熱源機側熱交換器3aと接続され、他の
一端は流量調整器5と接続されている。Dは、第2の接
続配管であり、その一端は第2の操作弁7を介して四方
弁2と接続され、他の一端は利用側熱交換器6と接続さ
れている。熱源機Aと室内機Bは離れた場所に設置さ
れ、第1の接続配管C、第2の接続配管Dにより接続さ
れて、冷凍サイクルを形成する。なお、この冷凍サイク
ル装置は冷媒としてHFC(以下、適宜、新冷媒と称す
る)を使うものである。
【0033】次に、CFCやHCFCなど(以下、適
宜、旧冷媒と称する)を使った冷凍サイクル装置が老朽
化した場合の冷凍サイクル装置交換の手順を示す。既存
の冷凍サイクル装置から旧冷媒CFCまたはHCFCを
回収し、熱源機Aを図1に示す新冷媒HFCを用いるも
のに交換する。第1の接続配管C、室内機B及び第2の
接続配管Dは旧冷媒HCFCを使った冷凍サイクル装置
のものを再利用する。そして、図1に示す冷媒回路を形
成する。熱源機Aには予め新冷媒HFCが充填されてい
るので、第1の操作弁4と第2の操作弁7は閉じたま
ま、室内機B、第1の接続配管C及び第2の接続配管D
を接続状態で真空引きし、その後第1の操作弁4と第2
の操作弁7の開弁と新冷媒HFCの追加充填を実施す
る。その後、通常の空調運転兼洗浄運転を実施する。
【0034】次に通常の空調運転兼洗浄運転の内容を図
1に添って説明する。図中、実線矢印が冷房運転の流れ
を、破線矢印が暖房運転の流れを示す。まず、冷房運転
について説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガ
ス冷媒はHFC用冷凍機油と共に圧縮機1を吐出され、
油分離器9へ流入する。
【0035】油分離器9において、HFC用の冷凍機油
が分離されたガス冷媒は、四方弁2を経て、熱源機側熱
交換器3aへと流入し、空気・水など熱源媒体と熱交換
して凝縮液化する。このとき、油分離器9を出たガス冷
媒の一部は分流して第2の熱源機側熱交換器3bへ流入
し、同様に空気・水など熱源媒体と熱交換して凝縮液化
する。また、油分離器9において、HFC用の冷凍機油
は完全に分離され、高温の冷凍機油が油分離器9の底部
から冷凍機油の戻り配管23へ流出する。この油分離器
9からの高温の冷凍機油は、分岐配管28を通り、熱源
機側熱交換器3bで凝縮液化した、配管32からの冷媒
と合流して異物捕捉手段13に流入し、分離・捕捉され
る。異物捕捉手段13から流出した冷媒は、配管29の
接触部29aによって吐出配管21と熱交換させてガス
化させ、そのあと配管26で冷媒の本流と合流し、アキ
ュムレータ8に流入する。このように、残留異物を溶解
している冷凍機油に熱源側熱交換器3bからの液冷媒を
所定量注入することで冷凍機油内の冷媒濃度が上昇し、
異物捕捉手段13において、液中との界面で異物を析出
させる。異物捕捉手段13の具体例については後述する
が、析出した異物は、乱流拡散により壁面に移動し、フ
ィルタに付着、捕捉する。さらに、冷凍機油に溶解して
いない異物についても同様に異物捕捉手段13にて捕捉
する。
【0036】また、熱源機側熱交換器3aにて凝縮液化
した冷媒は第1の操作弁4を経て第1の接続配管Cに流
入する。HFCの液冷媒が第1の接続配管Cを流れると
きに、第1の接続配管Cに残留しているCFC・HCF
C・鉱油・鉱油劣化物(以下残留異物と称する)を少し
ずつ洗浄してHFCの液冷媒と共に流れ、流量調整器5
へ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態とな
り、第1の接続配管Cの残留異物と共に利用側熱交換器
6に流入する。利用側熱交換器6に残留している残留異
物は、第1の接続配管C同様少しずつ洗浄しながら空気
などの利用媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。
【0037】蒸発・ガス化した冷媒は、第1の接続配管
C、利用側熱交換器6の残留異物と共に第2の接続配管
Dに流入する。第2の接続配管に残留している残留異物
は、ここを流れる冷媒がガス状のため、配管内面に付着
した残留異物の一部はガス冷媒中にミスト状になって流
れるが、大半の液状の残留異物はガス冷媒の流速より遅
い流速で、ガス・液境界面に発生するせん断力によりガ
ス冷媒に引きずられる形で、配管内面を環状に流れるた
め、洗浄時間は第1の接続配管C、利用側熱交換器6よ
りは遅いが、確実に洗浄される。その後、ガス冷媒は、
第1の接続配管Cの残留異物、利用側熱交換器6の残留
異物及び第2の接続配管Dの残留異物と共に、第2の操
作弁7、四方弁2、アキュムレータ8を経て圧縮機1に
戻る。なお、冷房運転時の冷媒回路、すなわち、圧縮機
1から熱源機側熱交換器3と流量調整器5と利用側熱交
換器6とアキュムレータ8とを順次に経て再び圧縮機1
に戻る冷媒回路を、本明細書では、第1の冷媒回路とす
る。
【0038】油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離され
たHFC用冷凍機油は、配管23,28と異物捕捉手段
13を通り、さらにその下流の配管29を経て、配管2
6との接続点30で、冷媒の本流、すなわち第1の接続
配管C、利用側熱交換器6及び第2の接続配管Dに残留
していた残留異物を含む冷媒の本流と合流して、圧縮機
1に戻るので、 HFC用冷凍機油と残留異物は混合さ
れるが、HFC用冷凍機油の劣化は化学反応で、急激に
は進まない。その一例を図2に示す。図2は、HFC用
冷凍機油に塩素が混入している場合(175℃)の劣化
の時間変化で、横軸は時間(hr)、縦軸は全酸価(m
gKOH/g)を示す。異物捕捉手段13を1回通る間
に捕捉されなかった残留異物は、HFC冷媒の循環と共
に何回も異物捕捉手段13を通るので、HFC用冷凍機
油の劣化するよりも速く、異物捕捉手段13で捕捉すれ
ばよい。また、異物捕捉手段13の出入り口の圧力を測
定することで、その圧力差が所定値以上になれば、多量
の残留異物が捕捉されていること、つまり熱源機Aの冷
凍機油が劣化していると判断し、冷凍機油または異物捕
捉手段13交換の指標となる。
【0039】次に暖房運転の流れを説明する。圧縮機1
で圧縮された高温高圧のガス冷媒はHFC用冷凍機油と
共に圧縮機1を吐出され、油分離器9へ流入し、ここ
で、HFC用冷凍機油が完全に分離された後、四方弁2
へ流入する。このとき、油分離器9を出たガス冷媒の一
部は分流して第2の熱源機側熱交換器3bへ流入し、空
気・水など熱源媒体と熱交換して凝縮液化する。また、
油分離器9において分離されたHFC用の高温の冷凍機
油は、油分離器9の底部から配管23へ流出する。この
油分離器9からの高温の冷凍機油は、配管28を通り、
熱源機側熱交換器3bで凝縮液化した冷媒と合流して異
物捕捉手段13に流入する。このように、残留異物を溶
解している冷凍機油に熱源側熱交換器3bからの液冷媒
を所定量注入することで冷凍機油内の冷媒濃度が上昇
し、異物捕捉手段13において、液中との界面で異物を
析出させる。異物捕捉手段13の具体例については後述
するが、析出した異物は、乱流拡散により壁面に移動
し、フィルタに付着、捕捉する。さらに、冷凍機油に溶
解していない異物についても同様に異物捕捉手段13に
て捕捉する。
【0040】四方弁2に流入した冷媒は、第2の操作弁
7を経て、第2の接続配管Dへ流入する。第2の接続配
管Dに残留している残留異物は、ここを流れる冷媒がガ
ス状のため、配管内面に付着した残留異物の一部はガス
冷媒中にミスト状になって流れるが、大半の液状の残留
異物はガス冷媒の流速より遅い流速で、ガス・液境界面
に発生するせん断力によりガス冷媒に引きずられる形
で、配管内面を環状に流れるため、洗浄時間は冷房時に
おける第1の接続配管C、利用側熱交換器6よりは遅い
が、確実に洗浄される。
【0041】その後、ガス冷媒は、第2の接続配管Dの
残留物と共に利用側熱交換器6へと流入する。利用側熱
交換器6に残留している残留異物は、第2の接続配管D
同様少しずつ洗浄しながら空気などの利用媒体と熱交換
して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は流量調整器5へ
流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態とな
り、第1の接続配管Cに流入する。気液二相状態のた
め、流速も速く、かつ液冷媒と共に、残留異物は洗浄さ
れ、冷房運転時の第1の接続配管C、利用側熱交換器6
より速い速度で洗浄される。
【0042】第2の接続配管D、利用側熱交換器6及び
第1の接続配管Cから洗浄された異物と共に、気液二相
状態の冷媒は、第1の操作弁4を経て、熱源機側熱交換
器3aで空気・水などの熱源媒体と熱交換して蒸発・ガ
ス化する。蒸発・ガス化した冷媒は四方弁2、アキュム
レータ8を経て圧縮機1に戻る。
【0043】なお、暖房運転時の冷媒回路、すなわち、
圧縮機1から利用側熱交換器6と流量調整器5と熱源機
側熱交換器3とアキュムレータ8とを順次に経て再び圧
縮機1に戻る冷媒回路を、本明細書では、第2の冷媒回
路とする。
【0044】油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離され
たHFC用冷凍機油は、配管23,28と異物捕捉手段
13を通り、さらにその下流の配管29を経て、配管2
6との接続点30で、冷媒の本流、すなわち第2の接続
配管D、利用側熱交換器6及び第1の接続配管Cに残留
していた残留異物を含む冷媒の本流と合流して、圧縮機
1に戻るので、 HFC用冷凍機油と残留異物は混合さ
れるが、HFC用冷凍機油の劣化は化学反応で、急激に
は進まない。異物捕捉手段13を1回通る間に捕捉され
なかった残留異物は、HFC冷媒の循環と共に何回も異
物捕捉手段13を通るので、HFC用冷凍機油の劣化す
るよりも速く、異物捕捉手段13で捕捉すればよい。ま
た、異物捕捉手段13の出入り口の圧力を測定すること
で、その圧力差が所定値以上になれば、多量の残留異物
が捕捉されていること、つまり熱源機Aの冷凍機油が劣
化していると判断し、冷凍機油または異物捕捉手段13
交換の指標となる。
【0045】次に、異物捕捉手段13の一例について説
明する。図3は、異物捕捉手段13の一例の断面構造を
図示したものである。51は円筒状の容器、52は容器
51の上部に設けられフィルタ内に流入し、配管側面に
細孔を備えた流入配管、52aは流入配管52の配管側
面に設けられた細孔、53は容器51の内面に、円筒形
状に形成・設置されたフィルタ、54はフィルタ53と
流入配管52を接続するための継手、55は容器51の
下部側面に設けられた流出配管である。
【0046】フィルタ53は、例えば細線を編み込んだ
メッシュ状のものであったり、焼結金属で形成され、各
隙間は数ミクロンから数十ミクロンで、これ以上の異物
が通過することはできない。図1においては、流出配管
55は配管29にに、流入配管52は配管32と合流後
の配管28に接続されている。
【0047】流入配管52より流入した冷凍機油に溶解
している残留異物を含む冷媒は、流入配管52の細孔5
2aを通過後、残留異物はフィルタ53への衝突により
付着が加速され、フィルタ53の側面、下面に付着また
は沈殿捕捉される。また、冷媒は流出配管55より流出
する。また、残留異物のCFC、HCFCについても鉱
油に溶解しているため、フィルタ53により捕捉され
る。溶解の一例を図4に示す。図4(a)は鉱油とCF
Cとの溶解度曲線、図4(b)は鉱油とHCFCとの溶
解度曲線を示す図である。図において、横軸は温度
(℃)、縦軸はCFCまたはHCFCの圧力(kg/c
2) であり、CFCまたはHCFCの濃度(wt%)
をパラメータとして溶解度曲線を示している。このよう
にして、容器51の内部で残留異物は完全に分離され捕
捉される。また、CFC、HCFCも何回かこの部分を
通過する間に、大部分が溶解し捕捉される。
【0048】また、残留異物中のCFCやHCFC以外
の塩素成分は、冷媒回路中では回路内に存在する鉄イオ
ンもしくは銅イオンと結合して存在するので、フィルタ
53を通過することにより捕捉される。
【0049】次に、油分離器9について説明する。高性
能油分離器の例としては、実公平5-19721号公報に示さ
れたものがある。図5にその内部構造を断面図で示す。
71は上シェル71a及び下シェル71bにより構成さ
れる円筒胴体部を有する密閉容器、72は先端に網状体
73を有する入口配管であり、入口配管72は上シェル
71aの中央部を貫通して容器71内に吐出するように
取付けられ、冷媒を流入させる。78は網状体73の上
部に設けられた、多数の小孔を有するパンチングメタル
などにより構成される円形の均速板、79は均速板78
の上部に形成される上部空間であり、冷媒流出空間とな
るものである。74は冷媒流出空間79に端部を持つ冷
媒出口配管、77は排油管である。
【0050】このような、高性能油分離器を直列に複数
個接続することで、分離効率100%の油分離器を得る
ことができる。図6に、図5の構造の油分離器における
ガス冷媒の流速と分離効率の実験結果を示す。図におい
て、横軸は容器内平均流速(m/s)、縦軸は分離効率
(%)を示す。直列分離器の最初の油分離器の内径を最
大の速度が0.13m/s以下となるようにすること
で、一般に圧縮機1から吐出される冷凍機油は冷媒流量
比で0.05wt%以下となっている。
【0051】この比率では、ガス冷媒と冷凍機油の気液
二層流の流動様式は噴霧流となっているので、2番目の
油分離器も同径以上とし、かつ流入配管のメッシュを焼
結金属などの目を非常に細かくすることで、完全に冷凍
機油を分離することができる。このように、既存の油分
離器の寸法を調整したり、複数個組み合わせることで、
分離効率100%の油分離機を実現することは可能であ
り、図1に示す油分離器9はこのようなものである。図
1においては、直列に接続された複数個の油分離器の最
初の入口配管72が圧縮機1の下流の配管21に接続さ
れ、最後の出口配管74が四方弁2の上流の配管22に
接続される。
【0052】以上のように、油分離器9と異物捕捉手段
13を熱源機Aに内蔵することで、熱源機Aのみを新規
に交換し、室内機B、第1の接続配管C及び第2の接続
配管Dを交換しないで、老朽化した旧冷媒CFC、HC
FCを用いた冷凍サイクル装置を、新冷媒HFCを用い
る冷凍サイクル装置に入れ替えることができる。このよ
うな方法によれば、既設配管再利用方法として、前記の
従来の洗浄方法1とは違って、洗浄装置を用いて専用の
洗浄液(HCFC141bやHCFC225)で洗浄す
るということをしないので、オゾン層破壊の可能性は全
く無く、また可燃性・毒性も皆無で、洗浄液残留の懸念
も無く、洗浄液を回収する必要も無い。
【0053】また、前記の従来の洗浄方法2と違って、
洗浄運転を3回繰り返してHFC冷媒やHFC用冷凍機
油を3回入れ替える必要がないため、必要なHFCや冷
凍機油は1台分で済むためコスト・環境上有利である。
また、交換用冷凍機油の管理も不要で、かつ冷凍機油過
不足の危険性も全く発生しない。
【0054】以上説明したこの実施の形態では、熱源機
Aのみを新規に交換する方法を説明したが、熱源機Aと
室内機Bとを交換し、第1の接続配管C及び第2の接続
配管Dを交換しないようにすることもできる。また、こ
の実施の形態では、室内機Bが1台接続された例につい
て説明したが、室内機Bが並列または直列に複数台接続
された冷凍サイクル装置でも同様の効果を奏することは
言うまでもない。また、熱源機側熱交換器3と直列また
は並列に氷蓄熱槽や水蓄熱槽(湯を含む)が設置されて
も同様の効果を奏することは明らかである。また、熱源
機Aが複数台並列に接続された冷凍サイクル装置におい
ても同様の効果を奏することは明らかである。また、図
示したような冷凍サイクル装置に限らず、蒸気圧縮式の
冷凍サイクル応用品で、熱源機側熱交換器3が内蔵され
たユニットと利用側熱交換器6が内蔵されたユニットが
離れて設置されるものであれば、同様の効果を奏するこ
とは明らかである。
【0055】以上説明した実施の形態1の構成の一局面
を要約すると次のとうりである。この冷凍サイクル装置
は、圧縮機から油分離器と熱源機側熱交換器と流量調整
器と利用側熱交換器とアキュムレータとを順次に経て圧
縮機に冷媒を循環させる第1の冷媒回路を備えている。
また、上記圧縮機から上記油分離器と上記利用側熱交換
器と上記流量調整器と上記熱源機側熱交換器と上記アキ
ュムレータとを順次に経て上記圧縮機に冷媒を循環させ
る第2の冷媒回路を備えている。また、上記油分離手段
で分離された冷凍機油中に含まれる残留異物を分離・捕
捉する異物捕捉手段を備えている。また、既存の冷凍サ
イクル装置に対して、油分離器と異物捕捉手段とを備え
新冷媒を用いる新たな室外機を用意し、既存の室外機を
新たな室外機で置換するとともに、既存の冷媒を新たな
冷媒で置換する。
【0056】次に、この実施の形態1による冷凍サイク
ル装置について、冷媒置換後の洗浄運転の制御方法につ
いて説明する。 (1)第1の制御方法 実施の形態1の冷凍サイクル装置の洗浄時の第1の制御
方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った冷媒
回路(冷凍サイクル装置)の熱源機Aを、新冷媒HFC
を用いたものと置換し、さらに新冷媒HFCの追加充填
をした後、洗浄運転のステップAとして、冷房運転を実
施する。このステップAでは、図1の実線矢印に示すよ
うに、圧縮機1を駆動源として、冷媒を圧縮機1から油
分離器9および熱源機側熱交換器3aを経て第1の接続
配管Cに通し、流量調整器4と利用側熱交換器6を経て
第2の接続配管Dへ通し、さらにアキュムレータ8を経
て圧縮機1へと流して洗浄する。また、油分離器9で分
離された冷凍機油を、第2の熱源機側熱交換器3bを経
由してきた冷媒と合流させて異物捕捉手段13に流入さ
せ、冷凍機油及び冷媒中の異物を捕捉する。
【0057】冷媒交換前の旧冷媒CFCやHCFCを使
った冷凍サイクル装置では、第1の接続配管Cは冷房運
転でも暖房運転でも液冷媒単相状態もしくは気液二相状
態であり、ここには鉱油はあまりたくさん分布していな
い。一方、第2の接続配管Dは、冷房運転でも暖房運転
でもガス単相状態であり、鉱油は液膜状に管壁内部をガ
ス冷媒に引きずられるように流れるため、ここには鉱油
が多く分布する。したがって、前述のように洗浄運転の
最初に第1の接続配管Cを上流に、第2の接続配管Dを
下流になるようにすることで、第2の接続配管Dに多く
分布している鉱油を第1の接続配管Cに混入させること
なく、異物補捕捉手段13に回収することができる。こ
れにより、洗浄時間が短くできる上に、第1、第2の接
続配管C、Dに残留する鉱油の量を低減することができ
る。
【0058】(2)第2の制御方法 実施の形態1の冷凍サイクル装置の洗浄運転時の第2の
制御方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った
冷媒回路(冷凍サイクル装置)の熱源機Aを、新冷媒H
FCを用いたものと置換し、さらに新冷媒HFCの追加
充填をした後、洗浄運転のステップBとして、暖房運転
を実施する。このステップBでは、図1の破線矢印に示
すように、圧縮機1を駆動源として、冷媒を圧縮機1か
ら油分離器9および四方弁2を経て第2の接続配管Dへ
通し、利用側熱交換器6と流量調整器4を経て第1の接
続配管Cに通し、熱源機側熱交換器3aとアキュムレー
タ8を経て圧縮機1へと流して洗浄する。また、油分離
器9で分離された冷凍機油を、第2の熱源機側熱交換器
3bを経由してきた冷媒と合流させて異物捕捉手段13
に流入させ、冷凍機油及び冷媒中の異物を捕捉する。
【0059】このステップBでは、第2の接続配管D、
第1の接続配管Cの順に冷媒を流して洗浄することにな
る。一般に、実施の形態1の図1に示す冷凍サイクル装
置では、第1の接続配管Cの方が第2の接続配管Dより
も配管内径が小さい。これは、冷房運転において第2の
接続配管Dでの摩擦損失の大小は蒸発温度に関係し冷房
能力への影響が大きいため可能な限り太くするのに対し
て、第1の接続配管Cでの摩擦損失は蒸発温度や凝縮温
度へ直接与える影響はなく、むしろここを流れる冷媒が
液単相または気液二相であることから冷媒充填量を増加
させない観点から可能な限り細くするためである。
【0060】新冷媒HFCの一種であるR407Cを液また
は気液二相状態で配管内の鉱油を洗浄した場合の配管内
残留量を図11に示す。図11において、横軸は冷媒の
質量速度(kg/s/cm2)、縦軸は配管内鉱油残留量(mg/
m)を示す。この図11からも分かるように冷媒の質量
速度が大きいほど、洗浄効果は高い。したがって、暖房
運転をすると、配管内径の細い第1の接続配管Cでは冷
媒の質量速度が大きく、非常に高い洗浄効果が得られ
る。一方、第2の接続配管Dは配管内径が大きいため、
冷媒の質量速度が小さいので、この点では洗浄効果が小
さい。しかしながら、この流れ方向では第2の接続配管
Dの方が第1の接続配管Cよりも上流にあり、冷媒の温
度が高いため、鉱油への冷媒の溶解度が高くなり、鉱油
の粘度が小さくなることで、冷媒に引きずり易くなり、
洗浄効果が高くなる。
【0061】実施の形態2.図7は、この発明の実施の
形態2による冷凍サイクル装置の一例として、冷媒置換
を行なう冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す図である。
図7において、符号B、C、D、1〜9及び8aは、実
施の形態1と同様のものであるから、詳細な説明は省略
する。
【0062】次に、Aはこの実施の形態の熱源機であ
る。9aは油分離器9の底部より端を発する配管であ
り、四方弁2からアキュムレータ8に至る配管の途中に
接続されている。すなわち、符号9aは油分離器9の底
部により端を発しアキュムレータ8へ通じるバイパス路
である。また、12aは高温高圧のガス冷媒を冷却・液
化する冷却手段(冷却装置)、12bは低圧二相冷媒を
ガス化する加熱手段(加熱装置)、13は上記加熱手段
12bの出口部に直列に設けられた異物捕捉手段(異物
捕捉装置)である。14aは上記異物捕捉手段13の出
口部に設けられた第1の電磁弁、14bは上記加熱手段
12bの入口部に設けられた第2の電磁弁である。
【0063】10は第1の切替弁であり、熱源機側熱交
換器3aの冷房運転時の出口端、四方弁2の暖房運転の
出口端、上記冷却手段12aの入口端、上記電磁弁14
aの出口端の4個所のうち、運転モードに応じて、以下
のような接続切換を行なうものである。すなわち、冷房
洗浄運転時には熱源側熱交換器3aの冷房運転時の出口
端と冷却手段12aの入口端とを接続し、かつ電磁弁1
4aの出口端と四方弁2の冷房運転時の入口端(暖房運
転時の出口端)を接続する。また、暖房洗浄運転時に
は、四方弁2の暖房運転時の出口端と冷却手段12aの
入口端とを接続し、かつ電磁弁14aの出口端と熱源機
側熱交換器3aの暖房運転時の入口端(冷房運転時の出
口端)とを接続する。
【0064】11は第2の切換弁であり、冷房洗浄運転
時及び冷房通常運転時には、冷却手段12aの出口端を
第1の操作弁4に接続し、暖房洗浄運転時及び暖房通常
運転時には、冷却手段12aの出口端を第2の操作弁7
に接続し、かつ、冷房洗浄運転時には電磁弁14bの入
口端を第2の操作弁7に接続し、暖房洗浄運転時には電
磁弁14bの入口端を第1の操作弁4に接続するもので
ある。14cは第3の電磁弁であり、第1の切換弁10
の熱源機側熱交換器3aへの接続端と、第2の切換弁1
1の第1の操作弁4への接続端との間を接続する配管途
中に設けられた電磁弁である。14dは第4の電磁弁で
あり、第1の切換弁10の四方弁2への接続端と、第2
の切換弁11の第2の操作弁7への接続端との間を接続
する配管途中に設けられた電磁弁である。
【0065】上記第1の切換弁10は、熱源機側熱交換
器3aの冷房運転時の出口端から冷却手段12aの入口
端への冷媒の流通は許容するが、その逆は許容しないよ
うに設けられた逆止弁10a、四方弁2の暖房運転時の
出口端から冷却手段12aの入口端への冷媒の流通は許
容するがその逆は許容しないように設けられた逆止弁1
0b、第1の電磁弁14aの出口端から熱源機側熱交換
器3aの暖房運転時の入口端(冷房運転時の出口端)へ
の冷媒の流通は許容するがその逆は許容しないように設
けられた逆止弁10c、第1の電磁弁14aの出口端か
ら四方弁2の冷房運転時の入口端(暖房運転時の出口
端)への冷媒の流通は許容するがその逆は許容しないよ
うに設けられた逆止弁10dより構成されているため、
電気信号によらず各接続端の圧力により自己切替え可能
な切換弁である。上記冷却手段12aの冷却源は、空気
・水のいずれでもよく、上記加熱手段12bの加熱源も
空気・水のいずれでも、あるいはヒーターでもよい。ま
た、冷却手段12aと加熱手段12bは、第1の切換弁
10と第2の切換弁11に挟まれた、高温高圧側の配管
と低温低圧側の配管を熱的に接触させて、たとえば、二
重管の外側配管として高温高圧側の配管、内側配管とし
て低温低圧側の配管で構成することでもよい。すなわ
ち、加熱手段12bと冷却手段12aとの間で熱移動さ
せてもよい。
【0066】以上のような構成により、熱源機Aは、油
分離器9、分離油のバイパス路9a、冷却手段12a、
加熱手段12b、異物捕捉手段13、第1の切換弁1
0、第2の切換弁11、第1の電磁弁14a、第2の電
磁弁14b、第3の電磁弁14c、第4の電磁弁14d
を内蔵している。なお、加熱手段12b及び異物捕捉手
段13を含む冷媒回路部分を、本明細書では、第1のバ
イパス路とする。また、冷却手段12aを含む冷媒回路
部分を、本明細書では、第2のバイパス路とする。な
お、この冷凍サイクル装置は冷媒として新冷媒HFCを
使うものである。
【0067】次に、旧冷媒CFC、HCFCを使った冷
凍サイクル装置が老朽化した場合の冷凍サイクル装置交
換の手順を示す。既存の冷凍サイクル装置から旧冷媒C
FC又はHCFCを回収し、熱源機Aを図7に示す新冷
媒HFCを用いるものに交換する。第1の接続配管C、
室内機B及び第2の接続配管Dは、旧冷媒HCFCを使
った冷凍サイクル装置のものを再利用する。そして、図
7に示す冷媒回路を形成する。熱源機Aには予め新冷媒
HFCが充填されているので、第1の操作弁4と第2の
操作弁7は閉じたまま、室内機B、第1の接続配管C及
び第2の接続配管Dを接続状態で真空引きをし、その後
第1の操作弁4と第2の操作弁7の開弁と新冷媒HFC
の追加充填を実施する。その後、まず洗浄運転を実施
し、その後通常の空調運転を実施する。
【0068】次に、洗浄運転の内容を図7に添って説明
する。図中、実線矢印が冷房洗浄運転の流れを、破線矢
印が暖房洗浄運転の流れを示す。まず、冷房洗浄運転の
流れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス
冷媒は、新冷媒HFC用冷凍機油と共に圧縮機1を吐出
され、油分離器9へ流入する。ここで、HFC用冷凍機
油は完全に分離され、ガス冷媒のみが四方弁2を経て、
熱源機側熱交換器3aへと流入し、ここで空気・水など
熱源媒体と熱交換して凝縮液化する。
【0069】ある程度凝縮液化した冷媒は、第1の切換
弁10を経て冷却手段12aに流入し、ここで完全に凝
縮液化して、第2の切換弁11、第1の操作弁4を経て
第1の接続配管Cに流入する。新冷媒HFCの液冷媒が
第1の接続配管Cを流れるときに、第1の接続配管Cに
残留している旧冷媒CFC・HCFC及び鉱油・鉱油劣化物
(以下総称して残留異物と称する)を少しずつ洗浄して
新冷媒HFCの液冷媒と共に流れ、流量調整器5へ流入
し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、利
用側熱交換器6で空気などの利用媒体と熱交換してある
程度蒸発・ガス化する。
【0070】ある程度蒸発・ガス化した気液二相状態の
冷媒は第1の接続配管Cの残留異物とともに第2の接続
配管Dに流入する。第2の接続配管Dに残留している残
留異物は、ここを流れる冷媒が気液二相状態のため、流
速も速く、かつ液冷媒とともに、残留異物は洗浄され、
第1の接続配管Cより速い速度で洗浄される。
【0071】その後、ある程度蒸発・ガス化した気液二
相状態の冷媒は、第1の接続配管Cの残留異物と第2の
接続配管Dの残留異物と共に、第2の操作弁7、第2の
切換弁11、第2の電磁弁14bを経て、加熱手段12
bへ流入し、ここで、完全に蒸発・ガス化され、異物捕
捉手段13へ流入する。残留異物は、沸点の違いにより
相が異なり、固体異物・液体異物・気体異物の3種類に
分類される。異物捕捉手段13では、固体異物と液体異
物は完全にガス冷媒と分離され捕捉される。
【0072】気体異物はその一部が捕捉され、一部は捕
捉されない。その後、ガス冷媒は、異物捕捉手段13で
捕捉されなかった気体異物と共に第1の電磁弁14a、
第1の切換弁10、四方弁2、アキュムレータ8を経て
圧縮機1に戻る。油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離
されたHFC用冷凍機油は、バイパス路9aを経て、異
物捕捉手段13の下流で本流と合流して、圧縮機1に戻
るので、第1の接続配管Cや第2の接続配管Dに残留し
ていた鉱油と混ざることはなく、HFC用冷凍機油はH
FCに対して非相溶化することはなく、またHFC用冷
凍機油は鉱油により劣化することはない。
【0073】また、固形異物もHFC用冷凍機油と混合
することはなく、HFC用冷凍機油を劣化しない。ま
た、気体異物はHFC冷媒が冷媒回路を1サイクル循環
して、異物捕捉手段13を1回通る間には一部が捕捉さ
れるだけで、HFC用冷凍機油と気体異物は混合される
が、HFC用冷凍機油の劣化は化学反応で、急激には進
まない。その劣化の一例を図2に示す。異物捕捉手段を
1回通る間に捕捉されなかった気体異物は、HFC冷媒
の循環と共に何回も異物捕捉手段13を通るので、HF
C用冷凍機油の劣化するよりも速く、異物捕捉手段13
で捕捉すればよい。
【0074】次に暖房洗浄運転の流れを説明する(図
中、破線矢印)。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス
冷媒はHFC用冷凍機油と共に圧縮機1を吐出され、油
分離器9へ流入する。ここで、HFC用冷凍機油は完全
に分離され、ガス冷媒のみが四方弁2、第1の切換弁1
0を経て冷却手段12aへ流入する。
【0075】ここで、ガス冷媒は冷却され、ある程度凝
縮・液化された気液二相状態の冷媒は第2の切換弁1
1、第2に操作弁7を経て第2の接続配管Dへ流入す
る。第2の接続配管Dに残留している残留異物は、ここ
を流れる冷媒が気液二相状態のため、流速も速く、かつ
液冷媒とともに、残留異物は洗浄され、冷房運転時の第
1の接続配管Cより速い速度で洗浄される。
【0076】その後、ある程度凝縮・液化した冷媒は、
第2の接続配管Dの残留異物と共に、利用側熱交換器6
へと流入し、ここで空気など利用側媒体と熱交換して完
全に凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は流量調整器5へ
流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態とな
り、第1の接続配管Cに流入する。ここでは気液二相状
態のため、流速も速く、かつ液冷媒と共に、残留異物は
洗浄され、冷房運転時の第1の接続配管C、利用側熱交
換器6より速い速度で洗浄される。第2の接続配管D、
利用側熱交換器6及び第1の接続配管Cから洗浄された
異物と共に、気液二相状態の冷媒は、第1の操作弁4、
第2の切換弁11、第2の電磁弁14bを経て、加熱手
段12bで加熱され、蒸発・ガス化され、異物捕捉手段
13へ流入する。
【0077】残留異物は、沸点の違いにより相が異な
り、固体異物・液体異物・気体異物の3種類に分類され
る。異物捕捉手段13では、固体異物と液体異物は完全
にガス冷媒と分離され捕捉される。気体異物はその一部
が捕捉され、一部は捕捉されない。その後、ガス冷媒
は、異物捕捉手段13で捕捉されなかった気体異物と共
に第1の切換弁10を経て、熱源機側熱交換器3aへ流
入し、ここでは送風機など停止して熱交換させずに通過
させ、アキュムレータ8を経て圧縮機1へ戻る。
【0078】油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離され
たHFC用冷凍機油は、バイパス路9aを経て、異物捕
捉手段13の下流で本流と合流して、圧縮機1に戻るの
で、第1の接続配管Cや第2の接続配管Dに残留してい
た鉱油と混ざることはなく、HFC用冷凍機油はHFC
に対して非相溶化することはなく、またHFC用冷凍機
油は鉱油により劣化することはない。
【0079】また、固形異物もHFC用冷凍機油と混合
することはなく、HFC用冷凍機油を劣化しない。ま
た、気体異物はHFC冷媒が冷媒回路を1サイクル循環
して、異物捕捉手段13を1回通る間には一部が捕捉さ
れるだけで、HFC用冷凍機油と気体異物は混合される
が、HFC用冷凍機油の劣化は化学反応で、急激には進
まない。その劣化の一例を図2に示す。異物捕捉手段を
1回通る間に捕捉されなかった気体異物は、HFC冷媒
の循環と共に何回も異物捕捉手段13を通るので、HF
C用冷凍機油の劣化するよりも速く、異物捕捉手段13
で捕捉すればよい。異物捕捉手段13、油分離器9は、
実施の形態1に示すものと全く同一のため、ここでは説
明を省略する。
【0080】次に、通常空調運転について、図8に添っ
て説明する。図中、実線矢印が冷房運転の流れを、破線
矢印が暖房運転の流れを示す。まず、通常冷房運転の流
れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷
媒は、HFC用冷凍機油と共に圧縮機1を吐出され、油
分離器9へ流入する。ここで、HFC用冷凍機油は完全
に分離され、ガス冷媒のみが四方弁2を経て、熱源機側
熱交換器3aへと流入し、ここで空気・水など熱源媒体
と熱交換して凝縮液化する。
【0081】凝縮液化した冷媒は、その大部分が第3の
電磁弁14cを経由し、一方、一部が第1の切換弁1
0、冷却手段12a、第2の切換弁11を経由して、こ
れらが合流後、第1の操作弁4を経て第1の接続配管C
を通り、流量調整器5へ流入し、ここで低圧まで減圧さ
れて低圧二相状態となり、利用側熱交換器6で空気など
の利用媒体と熱交換してある程度蒸発・ガス化する。蒸
発・ガス化した冷媒は第2の接続配管D、第2の操作弁
7、第4の電磁弁14d、四方弁2、アキュムレータ8
を経て圧縮機1へ戻る。
【0082】油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離され
たHFC用冷凍機油は、バイパス路9aを経て、異物捕
捉手段13の下流で本流と合流して、圧縮機1に戻る。
第1の電磁弁14a及び第2の電磁弁14bは閉じられ
ているので、異物捕捉手段13は閉鎖空間として隔離さ
れており、洗浄運転中に捕捉した異物が、再び運転回路
中に戻ることがない。また、異物捕捉手段13を経由し
ないため、圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、能力の低
下が小さい。
【0083】次に、通常暖房運転の流れを説明する(図
8中、破線矢印)。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガ
ス冷媒は、新冷媒HFC用冷凍機油と共に圧縮機1を吐
出され、油分離器9へ流入する。ここで、HFC用冷凍
機油は完全に分離され、ガス冷媒のみが四方弁2を経
て、大部分が第4の電磁14dを経由して、一方、一部
が第1の切換弁10、冷却手段12a及び第2の切換弁
11を経由して、これらが合流後第2の操作弁7に流入
し、第2の接続配管Dを経て、利用側熱交換器6へと流
入し、ここで空気など利用側媒体と熱交換して凝縮液化
する。
【0084】凝縮液化した冷媒は流量調整器5へ流入
し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、第
1の接続配管C、第1の操作弁4、第3の電磁弁14c
を経て、熱源側熱交換器3aで空気・水などの熱源媒体
と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒
は四方弁2、アキュムレータ8を経て圧縮機1へ戻る。
【0085】油分離器9で、ガス冷媒と完全に分離され
たHFC用冷凍機油は、バイパス路9aを経て、圧縮機
1へ戻る。第1の電磁弁14a、第2の電磁弁14bは
閉じられているので、異物捕捉手段13は閉鎖空間とし
て隔離されており、洗浄運転中に捕捉した異物が、再び
運転回路中に戻ることがない。また、異物捕捉手段13
を経由しないため、圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、
能力の低下が小さい。
【0086】以上のように、油分離器9と異物捕捉手段
13を熱源機Aに内蔵することで、熱源機Aのみを新規
に交換し、室内機B、第1の接続配管C及び第2の接続
配管Dを交換しないで、老朽化した旧冷媒CFC、HC
FCを用いた冷凍サイクル装置を新冷媒を用いる冷凍サ
イクル装置に入れ替えることができる。このような方法
によれば、既設配管再利用方法として、前記の従来の洗
浄方法1とは違って、洗浄装置を用いて専用の洗浄液
(HCFC141bやHCFC225)で洗浄するとい
うことをしないので、オゾン層破壊の可能性は全く無
く、また可燃性・毒性も皆無で、洗浄液残留の懸念も無
く、洗浄液を回収する必要も無い。
【0087】また、前記の従来の洗浄方法2と違って、
洗浄運転を3回繰り返してHFC冷媒やHFC用冷凍機
油を3回入れ替える必要がないため、必要なHFCや冷
凍機油は1台分で済むためコスト・環境上有利である。
また、交換用冷凍機油の管理も不要で、かつ冷凍機油過
不足の危険性も全く発生しない。また、HFC用冷凍機
油の非相溶化や冷凍機油の劣化も無い。
【0088】また、第1の電磁弁14a、第2の電磁弁
14b、第3の電磁弁14c、第4の電磁弁14dを設
けたことで、洗浄運転時には異物捕捉手段13を通過し
て上記に示す洗浄効果を得つつ、洗浄運転後の通常時に
は、第1の電磁弁14a、第2の電磁弁14bは閉じ
て、異物捕捉手段13は閉鎖空間として隔離するので、
洗浄運転中に捕捉した異物が、再び運転回路中に戻るこ
とがない。また、異物捕捉手段13を経由しないため、
圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、能力の低下が小さ
い。
【0089】また、冷却手段12a、加熱手段12b、
第1の切換弁10、第2の切換弁11を設けたので、冷
房・暖房に関わらず、洗浄運転時に第1の接続配管C、
利用側熱交換器6及び第2の接続配管Dに液冷媒又は気
液二相冷媒が流れるので、残留異物を洗浄するのに、洗
浄効果が高く、洗浄時間を短くすることができる。ま
た、冷却手段12a、加熱手段12bにより熱交換量を
制御できるので、外気温度や室内の負荷に関係なく、任
意の条件にほぼ同一の洗浄運転が可能で、効果・手間が
一定化する。
【0090】以上説明したこの実施の形態では、熱源機
Aのみを新規に交換する方法を説明したが、熱源機Aと
室内機Bとを交換し、第1の接続配管C及び第2の接続
配管Dを交換しないようにすることもできる。また、こ
の実施の形態では、室内機Bが1台接続された例につい
て説明したが、室内機Bが並列または直列に複数台接続
された冷凍サイクル装置でも同様の効果を奏することは
言うまでもない。また、熱源機側熱交換器3aと直列ま
たは並列に氷蓄熱槽や水蓄熱槽(湯を含む)が設置され
ても同様の効果を奏することは明らかである。また、熱
源機Aが複数台並列に接続された冷凍サイクル装置にお
いても同様の効果を奏することは明らかである。また、
例示したような冷凍サイクル装置に限らず、蒸気圧縮式
の冷凍サイクル応用品で、熱源機側熱交換器3aが内蔵
されたユニットと利用側熱交換器6が内蔵されたユニッ
トが離れて設置されるものであれば、同様の効果を奏す
ることは明らかである。
【0091】以上説明した実施の形態2の構成の一局面
を要約すると次のとうりである。この冷凍サイクル装置
は、圧縮機から油分離器と熱源機側熱交換器と流量調整
器と利用側熱交換器とアキュムレータとを順次に経て上
記圧縮機に冷媒を循環させる第1の冷媒回路と、上記圧
縮機から上記油分離器と上記利用側熱交換器と上記流量
調整器と上記熱源機側熱交換器と上記アキュムレータと
を順次に経て上記圧縮機に冷媒を循環させる第2の冷媒
回路とを備えている。また、上記第1の冷媒回路の上記
利用側熱交換器と上記アキュムレータの間の冷媒回路を
バイパスし、かつ、上記第2の冷媒回路の上記流量調整
器と上記熱源機側熱交換器との間の冷媒回路をバイパス
すると共に、冷媒中の異物を捕獲する異物捕捉手段を有
する第1バイパス路を備えている。また、既存の冷凍サ
イクル装置に対して、油分離器と異物捕捉手段とを備え
新冷媒を用いる新たな室外機を用意し、既存の室外機を
新たな室外機で置換するとともに、既存の冷媒を新たな
冷媒で置換する。
【0092】次に、この実施の形態2による冷凍サイク
ル装置について、冷媒置換後の洗浄運転の制御方法につ
いて説明する。 (1)第1の制御方法 実施の形態2の冷凍サイクル装置の洗浄時の第1の制御
方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った冷媒
回路(冷凍サイクル装置)の熱源機を、新冷媒HFCを
用いた熱源機Aと置換し、さらに新冷媒HFCを追加充
填した後、洗浄運転のステップAとして、冷房洗浄運転
を実施する。このステップAでは、図7の実線矢印に示
すように、圧縮機1を駆動源として、冷媒を圧縮機1か
ら熱源機側熱交換器3aを経て第1の接続配管Cに通し
た後、利用側熱交換器6及び第2の接続配管Dへ通し、
さらに異物捕捉手段13を経てアキュムレータ8を通り
圧縮機1へと還流洗浄する。
【0093】冷媒交換前の旧冷媒CFCやHCFCを使
った冷凍サイクル装置では、第1の接続配管Cは冷房運
転でも暖房運転でも液冷媒単相状態もしくは気液二相状
態であり、ここには鉱油はあまりたくさん分布していな
い。一方、第2の接続配管Dは、冷房運転でも暖房運転
でもガス単相状態であり、鉱油は液膜状に管壁内部をガ
ス冷媒に引きずられるように流れるため、ここには鉱油
が多く分布する。したがって、前述のように洗浄運転の
最初に第1の接続配管Cを上流に、第2の接続配管Dを
下流になるようにすることで、第2の接続配管Dに多く
分布している鉱油を第1の接続配管Cに混入させること
なく、異物補捉手段13に回収することができる。これ
により、洗浄時間が短くできる上に、第1、第2の接続
配管C、Dに残留する鉱油の量を低減することができ
る。
【0094】(2)第2の制御方法 実施の形態2の冷凍サイクル装置の洗浄運転時の第2の
制御方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った
冷媒回路(冷凍サイクル装置)の熱源機Aを新冷媒HF
Cを用いたものと置換し、さらに新冷媒HFCを追加充
填した後、洗浄運転のステップBとして、暖房洗浄運転
を実施する。このステップBでは、図7の破線矢印に示
すように、圧縮機1を駆動源として、冷媒を圧縮機1か
ら第2の接続配管Dへ通した後、利用側熱交換器6及び
第1の接続配管Cに通し、さらに異物捕捉手段13を経
て熱源機側熱交換器3aを通り、アキュムレータ8を経
て圧縮機1へと還流させて洗浄する。
【0095】このステップBでは、第2の接続配管D、
第1の接続配管Cの順に冷媒を流して洗浄することにな
る。一般に、実施の形態2の図7に示す冷凍サイクル装
置では、第1の接続配管Cの方が第2の接続配管Dより
も配管内径が小さい。これは、冷房運転において第2の
接続配管Dでの摩擦損失の大小は蒸発温度に関係し冷房
能力への影響が大きいため可能な限り太くするのに対し
て、第1の接続配管Cでの摩擦損失は蒸発温度や凝縮温
度へ直接与える影響はなく、むしろここを流れる冷媒が
液単相または気液二相であることから冷媒充填量を増加
させない観点から可能な限り細くするためである。つま
り、このステップば、第1、第2の接続配管C、Dのう
ち太径配管が上流で細径配管が下流になるようにして冷
媒を流して洗浄することと換言することができる。
【0096】HFC冷媒の一種であるR407Cを液または
気液二相状態で配管内の鉱油を洗浄した場合の配管内残
留量を図11に示す。図11において、横軸は冷媒の質
量速度(kg/s・cm2)、縦軸は配管内鉱油残留量(mg/m)
を示す。この図11からも分かるように冷媒の質量速度
が大きいほど、洗浄効果は高い。したがって、暖房運転
をすると、配管内径の細い第1の接続配管Cでは冷媒の
質量速度が大きく、非常に高い洗浄効果が得られる。一
方、第2の接続配管Dは配管内径が大きいため、冷媒の
質量速度が小さいので、この点では洗浄効果が小さい。
しかしながら、この流れ方向では第2の接続配管Dの方
が第1の接続配管Cよりも上流にあり、冷媒の温度が高
いため、鉱油への冷媒の溶解度が高くなり、鉱油の粘度
が小さくなることで、洗浄効果が高くなる。
【0097】(3)第3の制御方法 実施の形態2の冷凍サイクル装置の洗浄運転時の第3の
制御方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った
冷媒回路(冷凍サイクル装置)の熱源機を、新冷媒HF
Cを用いた熱源機Aと置換し、さらに新冷媒HFCを追
加充填した後、まず上述のステップAの冷房洗浄運転、
次に上述のステップBの暖房洗浄運転の順で洗浄運転を
実施する。このように、ステップA、ステップBの順に
実施することで、第2の接続配管Dに多く分布している
鉱油を第1の接続配管Cに混入させることなく、異物捕
捉手段13に回収し、その後に質量速度、溶解度の面で
洗浄効果の高い洗浄を行なうことになり、より高い洗浄
効果が得られ、洗浄時間も短くすることができる。
【0098】(4)第4の制御方法 実施の形態2の冷凍サイクル装置の洗浄運転時の第4の
制御方法としては、旧冷媒CFCやHCFC等を使った
冷媒回路(冷凍サイクル装置)の熱源機Aを新冷媒HF
Cを用いたものに置換し、さらに新冷媒HFCを追加充
填をした後、洗浄運転のための圧縮機1の運転容量を、
洗浄対象である第1、第2の接続配管C、Dの配管径に
応じて制御し、洗浄運転の第1、第2の接続配管C、D
を流れる冷媒の質量速度を所定値以上に、あるいは所定
範囲に制御する。これにより、高い洗浄効果を確保する
ことができる。これは、ステップAの場合でも、ステッ
プBの場合でも同様である。既に説明したように、図1
1に冷媒の質量速度と配管内鉱油との関係の一例を示し
た。配管内の冷媒の質量速度が大きくなるほど、洗浄効
果は高いことが示されている。
【0099】以上説明したこの発明の冷凍サイクル装置
の清浄運転の方法を要約すると次のとおりである。圧縮
機、熱源機側熱交換器、利用側熱交換器、上記熱源機側
熱交換器と上記利用側熱交換器の一端とを接続する第1
の接続配管、上記利用側熱交換器の他端と上記圧縮機と
を接続する第2の接続配管を備えた冷媒回路を、旧冷媒
から新冷媒に置換する方法において、利用側熱交換器と
第1及び第2の接続配管の下流であって圧縮機の上流の
冷媒回路に冷媒中の異物を捕捉する異物捕捉手段を挿入
し、冷媒置換後に圧縮機を駆動源として、第1の接続配
管、利用側熱交換器及び第2の接続配管の順に新冷媒を
流して洗浄運転する。あるいは、冷媒置換後に圧縮機を
駆動源として、第2の接続配管、利用側熱交換器及び第
1の接続配管の順に新冷媒を流して洗浄運転する。ま
た、他の局面では、冷媒置換後に圧縮機を駆動源とし
て、第1の接続配管と第2の接続配管のうち太径配管を
上流に、細径配管を下流にして新冷媒を流して洗浄運転
する。また、他の局面では、冷媒置換後に圧縮機を駆動
源として、最初に第1の接続配管、利用側熱交換器、第
2の接続配管の順に置換後の新冷媒を流して洗浄運転を
し、次に第2の接続配管、利用側熱交換器、第1の接続
配管の順に新冷媒を流して洗浄運転する。また、他の局
面では、冷媒置換後に圧縮機を駆動源として、第1の接
続配管、利用側熱交換器及び第2の接続配管に所定値以
上の質量流速で置換後の新冷媒を流して洗浄運転する。
また、他の局面では、第1の接続配管と利用側熱交換器
と第2の接続配管とを接続した利用側冷媒回路部分を並
列に複数備えた冷媒回路有するものにおいて、冷媒置換
後に圧縮機を駆動源として、複数の利用側冷媒回路部分
を順次に選択して、置換後の新冷媒を流して洗浄運転す
る。
【0100】実施の形態3.図9及び図10はこの発明
の実施の形態3による冷凍サイクル装置の一例として、
冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す図である。これら
は、いずれも図1、図7の冷媒回路において、第1の接
続配管Cと室内機B(流量調整器5と利用側熱交換器6
を含む)と第2の接続配管Dとを含む利用側冷媒回路の
部分が複数並列に設置された場合を示している。まず、
図9の冷媒回路とその洗浄運転の制御について説明す
る。図9において、Ci、Bi、Di(いずれもi=1
〜n)はそれぞれ第i番目の利用側冷媒回路の第1の接
続配管、室内機、第2の接続配管を示す。また、18a
i( i=1〜n)は、第i番目の接続配管Ciと室内
機Biとの間に設けられた第5の電磁弁を示す。
【0101】このように、室内機Biが複数台並列接続
されたマルチエアコンの場合には、第1、第2の接続配
管Ci、Diに供給する冷媒が気液二相状態の場合、各
室内機Biに分岐する分岐部で気液が偏って分配される
のが一般的である(気液を等分配するには特別な構造が
必要だが、これは天井裏やパイプシャフトに埋設されて
おり、交換が不可能である)。したがって、ある室内機
Biには洗浄に十分な質量速度の冷媒が確保されるが、
別の室内機Biには洗浄に十分な質量速度の冷媒が確保
されないということが発生し得る。
【0102】そこで、1台の室内機Biの第5の電磁弁
18aiだけを開弁し、残りの室内機Biの第5の電磁
弁18aiを閉弁すると、開弁した室内機Biの配管に
はすべての冷媒が流れるので、その室内機Biには十分
な質量速度の冷媒が確保される。第5の電磁弁18ai
を各室内機Bi毎に個別に順次開弁していくことですべ
ての室内機Biに十分な質量速度の冷媒が確保されるこ
とになり、鉱油は十分に洗浄される。
【0103】次に、図10の冷媒回路とその洗浄運転の
制御について説明する。図10において、Ci、Bi、
Di(いずれもi=1〜n)はそれぞれ第i番目の利用
側冷媒回路の第1の接続配管、室内機、第2の接続配管
を示す。また、18ai( i=1〜n)は、第i番目
の接続配管Ciと室内機Biとの間に設けられた第5の
電磁弁を示す。このように、室内機Biが複数台並列接
続されたマルチエアコンの場合には、図9について上述
したように、1台の室内機Biの第5の電磁弁18ai
だけを開弁し、残りの室内機Biの第5の電磁弁18a
iを閉弁して洗浄する。第5の電磁弁18aiを各室内
機Bi毎に個別に順次開弁していくことですべての室内
機Biに十分な質量速度の冷媒が確保されることにな
り、鉱油は十分に洗浄される。
【0104】他の実施の形態.この発明については、い
ろいろの変形、要素の追加などが考えられる。以下に、
上述した以外のこの発明の他の実施の形態について説明
する。この発明の他の実施の形態の冷凍サイクルによれ
ば、圧縮機、熱源側熱交換器、利用側熱交換器、上記熱
源機側熱交換器と上記利用側熱交換器の一端とを接続す
る第1の接続配管、上記利用側熱交換器の他端と上記圧
縮機とを接続する第2の接続配管を備えた冷媒回路で、
旧冷媒CFCまたはHCFCから新冷媒HFCに置換す
る方法において、冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
て上記第1の接続配管と上記2の接続配管のうち置換前
の最後の運転で温度が高い方の配管を上流に、温度が低
い方の配管を下流に置換後の新冷媒HFCを流す運転を
実施する。これにより、洗浄効果を高めることができ
る。なお、以上実施の形態1〜3及び他の実施の形態に
ついて説明した。これらの実施の形態は相互に適切に組
み合わせて実施することが可能である。また、例えば、
実施の形態1〜3について制御方法を説明したが、これ
は他の実施の形態にも適用できるものである。
【0105】
【発明の効果】本願の請求項1〜2にかかる冷凍サイク
ル装置の更新方法では、既存の冷凍サイクル装置に対し
て、油分離器と異物捕捉手段とを備え新冷媒を用いる新
たな熱源機を用意し、既存の熱源機を新たな熱源機で置
換するとともに、既存の冷媒を新たな冷媒で置換するこ
とができる。これにより、旧冷媒を用いた既存の冷凍サ
イクル装置を、新冷媒を用いた新たな冷凍サイクル装置
に更新することができる。
【0106】請求項2にかかる冷凍サイクル装置の更新
方法では、油分離器で分離された冷凍機油と冷媒回路か
ら分流させた冷媒とを合流して油異物捕捉手段流入さ
せ、冷媒中の異物を補足する。これにより、冷媒中の残
留異物の分離・捕捉をさらに効率よく行うことができ
る。
【0107】本願の請求項3〜10にかかる冷凍サイク
ル装置の運転方法では、既存の冷凍サイクル装置に対し
て、油分離器と異物捕捉手段とを備え新冷媒を用いる新
たな熱源機を用意し、既存の熱源機を新たな熱源機で置
換するとともに、既存の冷媒を新たな冷媒で置換し、置
換した新冷媒により洗浄運転をすることができる。これ
により、新冷媒を用いた新たな冷凍サイクル装置の効果
的な洗浄運転することができる。
【0108】本願の請求項11にかかる冷凍サイクル装
置の更新方法では、既存の冷凍サイクル装置に対して、
油分離器と異物捕捉手段とを備え新冷媒を用いる新たな
熱源機を用意し、既存の熱源機を新たな熱源機で置換す
るとともに、既存の室内機と既存の冷媒配管を利用し、
さらに既存の冷媒を新たな冷媒で置換することができ
る。これにより、旧冷媒を用いた既存の冷凍サイクル装
置を、既存の室内機と既存の冷媒配管を利用し、熱源機
を置換するだけで、新冷媒を用いた新たな冷凍サイクル
装置に更新することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による冷凍サイクル装
置の一例として、冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す
図。
【図2】 HFC用冷凍機油に塩素が混入している場合
(175℃)の劣化の時間変化を示す図。
【図3】 本発明におけ異物捕捉手段の一例を示す断面
図。
【図4】 鉱油とCFCとの溶解度曲線、及び鉱油とH
CFCとの溶解度曲線を示す図。
【図5】 本発明における油分離器の一例の構造を示す
断面図。
【図6】 油分離器におけるガス冷媒の流速と分離効率
の関係を示す図。
【図7】 本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装
置の一例として、冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す
図。
【図8】 本発明の実施の形態2による冷凍サイクル装
置の通常空調運転の状態を示す図。
【図9】 本発明の実施の形態3による冷凍サイクル装
置の一例として、冷凍サイクル装置の冷媒回路を示す
図。
【図10】 本発明の実施の形態3による冷凍サイクル
装置の通常空調運転の状態を示す図。
【図11】 冷媒配管を流れる冷媒の質量速度と配管内
鉱油残留量の関係の一例を示す図。
【図12】 従来のセパレータ型の冷凍サイクル装置の
冷媒回路を示す図。
【図13】 鉱油混入時のHFC用冷凍機油とHFC冷
媒との溶解性を示す臨海溶解度曲線を示す図。
【図14】 従来の冷凍サイクルの洗浄方法を説明する
図。
【符号の説明】
A:熱源機、 B:室内機、 C:第1の接続配管、
D:第2の接続配管、1:圧縮機、 2:四方弁、 3
a,3b:熱源機側熱交換器、 4:第1の操作弁、
5:流量調整器、 6:利用側熱交換器、 7:第2の
操作弁、 8:アキュムレータ、 9:油分離器、 1
0:第1の切換弁、 11:第2の切換弁、 12a:
冷却手段、 12b:加熱手段、 13:異物捕捉手
段、 14a〜14d:第1〜4の電磁弁、 51:容
器、 52:流入配管、 52a:流入配管の細孔、
53:フィルタ、 54:継手、 55:流出配管。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開2000−329432(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F25B 45/00 F25B 43/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器と
    を含む第1の熱源機と、少なくとも利用側熱交換器と流
    量調整器とを含む室内機と、上記第1の熱源機と上記室
    内機とを接続して冷媒回路を構成する第1の接続配管と
    第2の接続配管とを備え第1の冷媒を用いる冷凍サイク
    ル装置に対して、 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含み第2の冷
    媒を用いる熱源機冷媒回路と、この熱源機冷媒回路に挿
    入されこの冷媒回路の冷媒から冷凍機油を分離して上記
    圧縮機に還流させる油分離手段と、上記油分離手段で分
    離された冷凍機油から異物を分離・補足する異物捕捉手
    段とを備えた第2の熱源機を用意し、 少なくとも上記第1の熱源機を上記第2の熱源機で置換
    するとともに、上記第1の冷媒を上記第2の冷媒で置換
    して新たな冷凍サイクル装置を構成することを特徴とす
    る冷凍サイクル装置の更新方法。
  2. 【請求項2】 上記第2の熱源機が、上記熱源機冷媒回
    路から分流させた冷媒と上記油分離手段で分離された冷
    凍機油とを合流させて上記異物捕捉手段に流入させる分
    岐冷媒回路を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    冷凍サイクル装置の更新方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器と
    を含む第1の熱源機と、少なくとも利用側熱交換器と流
    量調整器とを接続した室内機と、上記熱源機側熱交換器
    と上記流量調整器とを接続する第1の接続配管と、上記
    利用側熱交換器と上記熱源機とを接続する第2の接続配
    管とを備え、 上記の圧縮請求項機、第2の接続配管、利用側熱交換
    器、利用側流量調整器、第1の接続配管、熱源機側熱交
    換器を順次接続して上記圧縮機に戻る第1の冷媒回路
    と、 上記の圧縮機、熱源機側熱交換器、第1の接続配管、利
    用側流量調整器、利用側熱交換器、第2の接続配管を順
    次接続して上記圧縮機に戻る第2の冷媒回路との少なく
    ともいずれかを形成し第1の冷媒を用いる冷凍サイクル
    装置において、 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含み第2の冷
    媒を用いる熱源機冷媒回路と、この冷媒回路に挿入され
    この冷媒回路の冷媒から冷凍機油を分離して上記圧縮機
    に還流させる油分離手段と、この油分離手段で分離され
    た冷凍機油から異物を分離・補足する異物捕捉手段とを
    備えた第2の熱源機を用意し、 上記第1の熱源機を上記第2の熱源機で置換するととも
    に上記第1の冷媒を上記第2の冷媒に置換し、 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷
    媒を上記第1の冷媒回路、又は/及び、上記第2の冷媒
    回路に循環させて洗浄運転をすることを特徴とする冷凍
    サイクル装置の運転方法。
  4. 【請求項4】 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
    て、上記第2の冷媒を上記の圧縮機、第2の接続配管、
    利用側熱交換器、利用側流量調整器、第1の接続配管、
    熱源機側熱交換器の順に循環させて洗浄運転をすること
    を特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置の運転
    方法。
  5. 【請求項5】 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
    て、上記第2の冷媒を上記の圧縮機、熱源機側熱交換
    器、第1の接続配管、利用側流量調整器、利用側熱交換
    器、第2の接続配管の順に循環させて洗浄運転をするこ
    とを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置の運
    転方法。
  6. 【請求項6】 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
    て、上記第2の冷媒を上記利用側熱交換器に対して、第
    1の接続配管と第2の接続配管のうち、太径配管を上流
    側に細径配管を下流側にして循環させることを特徴とす
    る請求項3に記載の冷凍サイクル装置の運転方法。
  7. 【請求項7】 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
    て、上記第2の冷媒を、最初に上記の圧縮機、第2の接
    続配管、利用側熱交換器、利用側流量調整器、第1の接
    続配管、熱源機側熱交換器の順に循環させ、次に上記の
    圧縮機、熱源機側熱交換器、第1の接続配管、利用側流
    量調整器、利用側熱交換器、第2の接続配管の順に循環
    させて洗浄運転をすることを特徴とする請求項3に記載
    の冷凍サイクル装置の運転方法。
  8. 【請求項8】 冷媒置換後に上記圧縮機を駆動源とし
    て、上記第2の冷媒を上記第1の接続配管および上記第
    2の接続配管に所定値以上の質量流速で循環させて洗浄
    運転をすることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイ
    クル装置の運転方法。
  9. 【請求項9】 上記室内機を複数並列に備え、冷媒置換
    後に上記圧縮機を駆動源として、上記第2の冷媒を上記
    複数の室内機を順次に選択して循環させて洗浄運転をす
    ることを特徴とする請求項3に記載の冷凍サイクル装置
    の運転方法。
  10. 【請求項10】 上記第1の冷媒が既設のCFC(クロ
    ロフルオロカーボン)冷媒またはHCFC(ハイドロク
    ロロフルオロカーボン)冷媒であって、上記第2の冷媒
    がHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒であること
    を特徴とする請求項3〜9のいずれかに記載の冷凍サイ
    クル装置の運転方法。
  11. 【請求項11】 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器
    とを含む第1の熱源機と、少なくとも利用側熱交換器と
    流量調整器とを含む室内機と、上記第1の熱源機と室内
    機とを接続して冷媒回路を構成する第1の接続配管と第
    2の接続配管とを備え第1の冷媒を用いる冷凍サイクル
    装置に対して、 少なくとも圧縮機と熱源機側熱交換器とを含む冷媒回路
    と、 上記冷媒回路に挿入され上記冷媒回路の冷媒から冷凍機
    油を分離する油分離器と、 上記冷媒回路に接続され上記冷媒回路の異物を捕捉する
    異物捕捉手段とを備え第2の冷媒を用いる第2の熱源機
    を用意し、 上記第1の熱源機を上記第2の熱源機で置換するととも
    に、上記室内機、上記第1の接続配管及び上記第2の接
    続配管を利用し、上記第1の冷媒を上記第2の冷媒で置
    換して新たな冷凍サイクル装置を形成することを特徴と
    する冷凍サイクル装置の更新方法。
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