JP2004293945A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】旧冷媒を用いる冷凍装置の既設配管を利用して新冷媒の冷凍装置を設置すると共に、既設配管中に残留している旧潤滑油を確実に分離回収し、新潤滑油の劣化防止と信頼性向上を図る。
【解決手段】旧冷媒と旧潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管13、14を利用して新冷媒と新潤滑油を用いる冷凍装置において、圧縮機1及び凝縮器2間に接続され、圧縮機1から吐出された新冷媒と熱交換するブラインタンク6と、凝縮器及び減圧装置3間に接続され、ブラインタンク6から出た新冷媒の流路を凝縮器または減圧装置に切替える第1の電磁弁7、8と、蒸発器4及び気液分離器5間に油分離手段11と共に接続され、蒸発器から出た新冷媒を、油分離手段に流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て油分離手段に流入させる流路を切替える第2の電磁弁10とを備えた構成とする。
【選択図】 図2
【解決手段】旧冷媒と旧潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管13、14を利用して新冷媒と新潤滑油を用いる冷凍装置において、圧縮機1及び凝縮器2間に接続され、圧縮機1から吐出された新冷媒と熱交換するブラインタンク6と、凝縮器及び減圧装置3間に接続され、ブラインタンク6から出た新冷媒の流路を凝縮器または減圧装置に切替える第1の電磁弁7、8と、蒸発器4及び気液分離器5間に油分離手段11と共に接続され、蒸発器から出た新冷媒を、油分離手段に流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て油分離手段に流入させる流路を切替える第2の電磁弁10とを備えた構成とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等で使用される冷凍装置、特に従来から使用されているCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)を作動冷媒とする冷凍装置において、既設の冷媒配管を使用しながら作動冷媒をオゾン層保護に寄与するHFC(ハイドロフルオロカーボン)に入れ替えることができる冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フロンガスによるオゾン層破壊の問題への関心が高まり、CFCやHCFC冷媒の使用量が規制される動きがある。そのような背景のなか塩素を含まず、オゾン層を破壊しないHFC冷媒を作動冷媒とした冷凍装置やその負荷装置(ショーケースやユニットクーラ)の開発が進められ、販売も開始されている。
新規に開店する店舗・倉庫などではこのHFC冷媒の機器を採用するケースが徐々にではあるが増えてきている。
【0003】
しかしながら、HFC冷媒用の冷凍装置やその負荷装置では、使用する潤滑油・有機材料等がHCFC用のものとは異なり、HFC専用のものが必要であるため、既設のHCFCを使用した冷凍装置をHFC用の機器に置き換える場合には、潤滑油・有機材料等もHFC用に交換する必要がある。一方,冷凍装置と負荷装置間を接続する冷媒配管は配管長が長い場合や、天井裏あるいは床下にはり巡らされている場合には新規配管に交換することは困難であるため,HCFC等の冷媒で使用していた既設の冷媒配管をそのまま使用し、配管工事を簡略化することが求められている。しかし、HCFC等で用いた冷媒配管にはHCFCを用いた冷凍装置の潤滑油である鉱物油やその劣化物がスラッジとなって残留していることが多い。
【0004】
HFCを用いた冷凍装置の潤滑油(エステル油やエーテル油などの合成油)にHCFCを用いた場合の潤滑油である鉱物油が一定量以上混入すると、HFC用潤滑油とHCFC用潤滑油とが混合され、潤滑油の特性が変化することにより、HFC用潤滑油の潤滑特性が低下し劣化する。また、CFCやHCFCが混入すると、これらに含まれている塩素成分によってもHFC用潤滑油が劣化する。
更に、CFC・HCFC用潤滑油の劣化物がスラッジとなったものに含まれている塩素成分によってHFC用冷凍装置が劣化する。したがって、冷凍・空調装置を既設の冷媒配管を利用してHFC冷媒を用いる機器に置き換えた場合には、冷媒配管を含む冷媒回路に残留している旧潤滑油である鉱物油を速やかに除去する必要がある。
【0005】
CFC系やHCFC系冷媒を用いた既設の冷凍・空調装置の一部を利用してHFC系の新冷媒を使用する冷凍・空調装置に置き換える技術は種々提案されている。例えば、家庭用エアコンやカーエアコンを対象にしたもので、HCFCやCFC等の旧冷媒(以下、第1の冷媒という)と鉱物油やハードアルキルベンゼン油等の旧潤滑油(以下、第1の潤滑油という)で運転していた冷凍・空調装置の圧縮機、凝縮器、延長配管等の全てを新冷媒であるHFC冷媒(以下、第2の冷媒という)とエステル油やエーテル油等の合成油である新潤滑油(以下、第2の潤滑油という)を用いて共洗いするものである。この場合、スーパーマーケットや食品倉庫に用いられている冷凍装置では圧縮機と負荷装置(ショーケースなど)を接続する延長配管の長さが100mを超えるものもあり、また、負荷側にさまざまな装置を用いていて複雑な冷媒回路を構成している上、第1の冷媒用の機器に使用する第1の潤滑油はその特性から冷凍サイクル内の蒸発器(ユニットクーラやショーケース)やガス管に滞留しやすいため、冷凍サイクル中の第1の潤滑油及び第1の冷媒の濃度が規定値以下になるまで何回も第2の冷媒や第2の潤滑油を交換して共洗いを行なう。(例えば特許文献1及び2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−273007号公報(段落0024−0026、図1)
【特許文献2】
特開平6−249551号公報(段落0017)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍・空調装置において、第1の冷媒、第1の潤滑油用の機器から第2の冷媒、第2の潤滑油用の機器に置き換える手順は以上のようになされていたため、非常に長い複雑な延長配管内を全て共洗いするためには膨大な冷媒及び潤滑油が必要となるだけでなく、この方法では気液二層に分離した第1の潤滑油と第1の冷媒を目視確認しながら分離しなければならないため、第1の潤滑油の濃度を一定値以下にするのが容易ではなかった。また、第2の冷媒は非常に高価であるため、この冷媒を大量に何度も交換して冷凍サイクル内の洗浄を実施することは、交換コストの増大を招く他、貴重な資源である冷媒を多量に無駄にすることとなり、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、冷凍倉庫などの大型店舗における冷凍・空調装置のリプレース方法としては不向きであるという問題点があった。
【0008】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、第1の冷媒と第1の潤滑油を用いる既設の冷凍・空調装置で使用されていた延長配管を利用して、第2の冷媒と第2の潤滑油を用いた冷凍・空調装置を設置すると共に、冷凍サイクル内で混合した第1の潤滑油と第2の潤滑油を確実に分離し、第2の潤滑油の劣化を防止して信頼性を向上させることができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷凍装置は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管を利用して第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器及び気液分離器をその順序に連結した冷凍装置において、上記圧縮機及び凝縮器間に接続され、上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換するブラインタンクと、上記凝縮器及び減圧装置間に接続され、上記ブラインタンクから出た第2の冷媒の流路を上記凝縮器または上記減圧装置に切替える第1の電磁弁と、上記蒸発器及び気液分離器間に油分離手段と共に接続され、上記蒸発器から出た第2の冷媒を、上記油分離手段に直接流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路に切替える第2の電磁弁とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、冷凍装置は熱源機を収容する室外機100と、ショーケースやユニットクーラ等が複数系列並列接続された負荷装置200(図は1系統のみ表示)と、室外機100と負荷装置200との間に設けられ、冷媒配管によって室外機100に接続されると共に、液側延長配管13及びガス側延長配管14によって負荷装置200に接続された油回収装置300とから構成されている。
【0011】
図2は、室外機100、負荷装置200及び油回収装置300の詳細構成並びに各装置間の接続関係を示す冷媒回路図である。即ち、室外機100は圧縮機1、凝縮器2、及び圧縮機1の吸入側に接続された気液分離器5から構成され、負荷装置200は減圧装置となる絞り装置3、蒸発器4及び絞り装置3の凝縮器側に接続された電磁弁9から構成されている。また、油回収装置300は、圧縮機1の吐出側に接続され、タンク内に収納されたエチレングリコール等の不凍液からなるブライン(図示せず)と熱交換する第1の熱交換器6Aを有するブラインタンク6、このブラインタンク6から出た冷媒の流路を凝縮器2または絞り装置3に切替える第1の電磁弁7、8、蒸発器4の圧縮機側に接続された第2の電磁弁10、第2の電磁弁10と気液分離器5との間に接続された油分離器11、蒸発器4と第2の電磁弁10との接続部から分岐された減圧弁12、及びこの減圧弁に接続され、上記ブラインタンク6内の不凍液と熱交換して上記第2の電磁弁10と油分離器11との接続部に供給する第2の熱交換器6Bから構成されている。
【0012】
なお、液側延長配管13及びガス側延長配管14は第1の冷媒及び第1の潤滑油が用いられていた既存の冷凍装置の冷媒配管をそのまま利用するものであり、室外機100は第2の冷媒及び第2の潤滑油を用いる機器によって構成されており、油回収装置300は新室外機100の設置時に新設されたものである。
なお、室外機100を第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに置換する場合に、負荷装置200も第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに置換することもある。
【0013】
図3は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられていた既存の冷凍装置を第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる冷凍装置に置き換える場合の交換手順を示すフローチャートである。以下、図3にもとづいて冷凍装置の置換手順について説明する。
ステップS1で既存の冷凍装置から第1の冷媒を第1の潤滑油と共に回収し、ステップS2で室外機100を第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに交換する。この時、上述のように負荷装置200も同様に交換してもよいが、ここでは室外機100のみを新設した場合について説明する。室外機100の新設時には、液側延長配管13とガス側延長配管14及び負荷装置200には第1の潤滑油が残留している。次いで、ステップS3で室外機100及び負荷装置200に油回収装置300を接続し、ステップS4で冷凍サイクル内の真空引きを行なうと共に、第2の冷媒、第2の潤滑油を封入する。
【0014】
その後、ステップS5で液側延長配管13内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ち液側延長配管13の洗浄を行なう。以下、その手順について説明する。
先ず、図2における各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち、第1の電磁弁としての電磁弁7は閉、電磁弁8は開、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は開とする。圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた周知の油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は凝縮器2で空気等と熱交換し過冷却液冷媒となる。この液冷媒は電磁弁8を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内を流れる。この時に液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油、例えば鉱物油を液冷媒と共に押し流して洗浄する。
【0015】
液側延長配管13を流れた第2の液冷媒は負荷装置200に入り、電磁弁9を経て絞り装置3で絞られ、低温の気液二相状態となり蒸発器4に流入する。
蒸発器4内にて空気等と熱交換し蒸発・気化すると共にガス側延長配管14に流入する。ガス側延長配管14を流れるガス冷媒はせん断力により壁面に付着した鉱物油を引きずるように流していく。しかし、ガス冷媒によるせん断力でスーパーマーケット等の長い延長配管全ての鉱物油を引きずり後述する油分離器まで流すことには限界がある。このためガス側延長配管14に残留した鉱物油のうちせん断力で引きずれる分だけガス冷媒と共に流し、引きずれない分は残したまま油分離器11に流入する。油分離器11内では第1の潤滑油である鉱物油と第2の冷媒とが分離され第1の潤滑油は油分離器11内に回収される。第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0016】
その後一定時間、上記の運転を継続することにより液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油が絞り装置3、蒸発器4、ガス側延長配管14を介して油分離器11内に回収されることになる。しかし、蒸発器4、ガス側延長配管14内の第1の潤滑油は、上述のように、十分に洗浄しきれていない状態となっている。加えて、洗浄した液側延長配管13の第1の潤滑油を蒸発器4やガス側延長配管14内に再度残留させてしまう可能性もある。
このため、一定時間、上記の運転を継続した後に、ステップS6でガス側延長配管14内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ちガス側延長配管14の洗浄を行なう。
【0017】
以下、その手順について説明する。先ず、各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち第1の電磁弁としての電磁弁7は開、電磁弁8は閉、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は閉とする。圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた周知の油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は電磁弁7を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内をガス冷媒として流れる。
この時に上記の液側延長配管洗浄運転で残留していた第1の潤滑油をせん断力で押し流しながら、負荷装置200に入り、電磁弁9を経て絞り装置3に流入し、この絞り装置3で減圧されて蒸発器4へ流入する。第2の冷媒は蒸発器4内で空気等と熱交換されて凝縮し、液冷媒としてガス側延長配管14内へ流入する。
【0018】
液冷媒がガス側延長配管14内を流れることによって上述の洗浄運転で流しきれなかった第1の潤滑油を押し流すことができ、ガス側延長配管14内を洗浄することができる。ガス側延長配管14を流れた第2の液冷媒は油回収装置300の減圧弁12を経て低圧の気液二相の冷媒となりブラインタンク6の第2の熱交換器6Bに流入する。ここでタンク内のブラインと熱交換することにより第2の冷媒は低圧の過熱蒸気となる。その後、油分離器11に流入し、ここで蒸発器4及びガス側延長配管14内から回収した第1の潤滑油を分離して回収する。
油分離器11を出た第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0019】
このように、実施の形態1では、ステップS5で先ず液側延長配管13内に滞留している第1の潤滑油を液冷媒によって押し流して油分離器11に回収し、その後、ステップS6で蒸発器4及びガス側延長配管14内を液冷媒により洗浄し、短時間で油分離器11に第1の潤滑油を回収するものである。
従来の方法では、ガス側延長配管14の洗浄はガス冷媒のせん断力による洗浄のみであったため、洗浄時間がかかるばかりでなく、複雑な負荷装置全ての洗浄は容易でなかったが、この実施の形態ではガス側延長配管14内の洗浄を上述のように、蒸発器で凝縮した液冷媒によって行なうため、非常に短時間で、かつ、複雑な延長配管内及び負荷装置を隅々まで洗浄することができる。
【0020】
また、蒸発器4内で凝縮した液冷媒が油回収装置300のブラインタンク6内の第2の熱交換器6Bでタンク内のブラインと熱交換し、低圧の過熱蒸気となって圧縮機へ帰るため、圧縮機が液冷媒を圧縮することによるシリンダーや弁部の圧縮機故障を防ぐこともできる。なお、ステップS7で油回収運転の終了後に油回収装置300を取外すことも可能である。油回収装置300を取外すようにすれば、油回収装置300からの第1の潤滑油の再流出を防ぎ、その分離を確実に行なうことができるため、冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【0021】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図4は、実施の形態2による冷凍装置の概略構成を示す冷媒回路図である。この図において、図2と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。
図2と異なる点は、絞り装置3と電磁弁9との直列接続体と並列に第3の電磁弁15を設け、電磁弁9と共に液側延長配管13からの冷媒を絞り装置3を経ずに蒸発器4に流入させ得るようにした点である。
【0022】
以下、追加された第3の電磁弁15の制御に関して説明する。ステップS5で液側延長配管13内を洗浄する際には、第1の電磁弁としての電磁弁7は閉、電磁弁8は開、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は開、第3の電磁弁15は閉じた状態とする。
圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は凝縮器2で空気等と熱交換し過冷却液冷媒となる。この液冷媒は電磁弁8を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内を流れる。この時に液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油、例えば鉱物油を液冷媒と共に押し流して洗浄する。
【0023】
液側延長配管13を流れた第2の液冷媒は電磁弁9を経て絞り装置3で絞られ、低温の気液二相状態となり蒸発器4に流入する。蒸発器4内にて空気等と熱交換し蒸発・気化すると共にガス側延長配管14に流入する。ガス側延長配管14を流れるガス冷媒はせん断力により壁面に付着した鉱物油を引きずるように流していく。しかし、ガス冷媒によるせん断力でスーパーマーケット等の長い延長配管全ての鉱物油を引きずり後述する油分離器まで流すことには限界がある。
このためガス側延長配管14に残留した鉱物油のうちせん断力で引きずれる分だけガス冷媒とともに流し、引きずれない分は残したまま油分離器11に流入する。油分離器11内では第1の潤滑油である鉱物油と第2の冷媒とが分離され、第1の潤滑油は油分離器11内に回収される。第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0024】
その後一定時間、上記の運転を継続することにより液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油が絞り装置3、蒸発器4、ガス側延長配管14を介して油分離器11内に回収されることになる。しかし、蒸発器4、ガス側延長配管14内の第1の潤滑油は上述したように、十分に洗浄しきれていない状態となっている。加えて、洗浄した液側延長配管13の第1の潤滑油を蒸発器4やガス側延長配管14内に再度残留させてしまう可能性もある。
このため、一定時間、上記の運転を継続した後に、ステップS6でガス側延長配管14内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ちガス側延長配管14の洗浄を行なう。
【0025】
以下、その手順について説明する。先ず、各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち第1の電磁弁としての電磁弁7は開、電磁弁8は閉、電磁弁9は閉、第2の電磁弁10は閉、第3の電磁弁15は開とする。
圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は電磁弁7を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内をガス冷媒として流れる。この時に上記の液側延長配管洗浄運転で残留していた第1の潤滑油をせん断力で流しながら、電磁弁15を経て蒸発器4内へ流入する。第2の冷媒は蒸発器4内で空気等と熱交換され凝縮液冷媒としてガス側延長配管14内へ流入する。液冷媒がガス側延長配管14内を流れることによって上述の洗浄運転で流しきれなかった第1の潤滑油を押し流すことができ、ガス側延長配管14内を洗浄することができる。
【0026】
ガス側延長配管14を流れた第2の液冷媒は減圧弁12を経て低圧の気液二相の冷媒となりブラインタンク6の第2の熱交換器6Bに流入する。ここでタンク内のブラインと熱交換することにより第2の冷媒は低圧の過熱蒸気となる。
その後、油分離器11に流入し、ここで蒸発器4及びガス側延長配管14内から回収した第1の潤滑油を分離して回収する。油分離器11を出た第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0027】
このように液側延長配管13の液冷媒による洗浄運転及びガス側延長配管14の液冷媒による洗浄運転を行なう点では実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、ガス側延長配管14の洗浄運転時に電磁弁9を閉、第3の電磁弁15を開にしてガス冷媒を絞り装置3を介さずに蒸発器4に流入させているため、実施の形態1で述べた効果に加えてガス側延長配管14の洗浄効果を一段と向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】
この発明に係る冷凍装置は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管を利用して第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器及び気液分離器をその順序に連結した冷凍装置において、上記圧縮機及び凝縮器間に接続され、上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換するブラインタンクと、上記凝縮器及び減圧装置間に接続され、上記ブラインタンクから出た第2の冷媒の流路を上記凝縮器または上記減圧装置に切替える第1の電磁弁と、上記蒸発器及び気液分離器間に油分離手段と共に接続され、上記蒸発器から出た第2の冷媒を、上記油分離手段に直接流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路に切替える第2の電磁弁とを備えたため、液側延長配管及びガス側延長配管をそれぞれ液冷媒によって洗浄することができ、それぞれの延長配管内に滞留する第1の潤滑油を押し流して移動させ、短時間で油分離器内に回収することができる。
また、蒸発器内で凝縮した液冷媒はブラインタンク内でブラインと熱交換させることにより、低圧の過熱蒸気として圧縮機へ帰すことができるため、液圧縮による圧縮機故障も防ぐことができる。更に、油回収装置を冷凍サイクルから切り離し可能としているため、油回収装置からの第1の潤滑油の再流出を防ぐと共に、その分離を確実に行ない冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の概略構成を示す冷媒回路図である。
【図3】この発明における新冷媒用冷凍装置への交換手順を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2の概略構成を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 絞り装置、 4 蒸発器、
5 気液分離器、 6 ブラインタンク、 7、8 第1の電磁弁、
9 電磁弁、 10 第2の電磁弁、 11 油分離器、
12 減圧弁、 13 液側延長配管、 14 ガス側延長配管、
15 第3の電磁弁、 100 室外機、 200 負荷装置、
300 油回収装置。
【発明の属する技術分野】
この発明は、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等で使用される冷凍装置、特に従来から使用されているCFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)を作動冷媒とする冷凍装置において、既設の冷媒配管を使用しながら作動冷媒をオゾン層保護に寄与するHFC(ハイドロフルオロカーボン)に入れ替えることができる冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、フロンガスによるオゾン層破壊の問題への関心が高まり、CFCやHCFC冷媒の使用量が規制される動きがある。そのような背景のなか塩素を含まず、オゾン層を破壊しないHFC冷媒を作動冷媒とした冷凍装置やその負荷装置(ショーケースやユニットクーラ)の開発が進められ、販売も開始されている。
新規に開店する店舗・倉庫などではこのHFC冷媒の機器を採用するケースが徐々にではあるが増えてきている。
【0003】
しかしながら、HFC冷媒用の冷凍装置やその負荷装置では、使用する潤滑油・有機材料等がHCFC用のものとは異なり、HFC専用のものが必要であるため、既設のHCFCを使用した冷凍装置をHFC用の機器に置き換える場合には、潤滑油・有機材料等もHFC用に交換する必要がある。一方,冷凍装置と負荷装置間を接続する冷媒配管は配管長が長い場合や、天井裏あるいは床下にはり巡らされている場合には新規配管に交換することは困難であるため,HCFC等の冷媒で使用していた既設の冷媒配管をそのまま使用し、配管工事を簡略化することが求められている。しかし、HCFC等で用いた冷媒配管にはHCFCを用いた冷凍装置の潤滑油である鉱物油やその劣化物がスラッジとなって残留していることが多い。
【0004】
HFCを用いた冷凍装置の潤滑油(エステル油やエーテル油などの合成油)にHCFCを用いた場合の潤滑油である鉱物油が一定量以上混入すると、HFC用潤滑油とHCFC用潤滑油とが混合され、潤滑油の特性が変化することにより、HFC用潤滑油の潤滑特性が低下し劣化する。また、CFCやHCFCが混入すると、これらに含まれている塩素成分によってもHFC用潤滑油が劣化する。
更に、CFC・HCFC用潤滑油の劣化物がスラッジとなったものに含まれている塩素成分によってHFC用冷凍装置が劣化する。したがって、冷凍・空調装置を既設の冷媒配管を利用してHFC冷媒を用いる機器に置き換えた場合には、冷媒配管を含む冷媒回路に残留している旧潤滑油である鉱物油を速やかに除去する必要がある。
【0005】
CFC系やHCFC系冷媒を用いた既設の冷凍・空調装置の一部を利用してHFC系の新冷媒を使用する冷凍・空調装置に置き換える技術は種々提案されている。例えば、家庭用エアコンやカーエアコンを対象にしたもので、HCFCやCFC等の旧冷媒(以下、第1の冷媒という)と鉱物油やハードアルキルベンゼン油等の旧潤滑油(以下、第1の潤滑油という)で運転していた冷凍・空調装置の圧縮機、凝縮器、延長配管等の全てを新冷媒であるHFC冷媒(以下、第2の冷媒という)とエステル油やエーテル油等の合成油である新潤滑油(以下、第2の潤滑油という)を用いて共洗いするものである。この場合、スーパーマーケットや食品倉庫に用いられている冷凍装置では圧縮機と負荷装置(ショーケースなど)を接続する延長配管の長さが100mを超えるものもあり、また、負荷側にさまざまな装置を用いていて複雑な冷媒回路を構成している上、第1の冷媒用の機器に使用する第1の潤滑油はその特性から冷凍サイクル内の蒸発器(ユニットクーラやショーケース)やガス管に滞留しやすいため、冷凍サイクル中の第1の潤滑油及び第1の冷媒の濃度が規定値以下になるまで何回も第2の冷媒や第2の潤滑油を交換して共洗いを行なう。(例えば特許文献1及び2参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−273007号公報(段落0024−0026、図1)
【特許文献2】
特開平6−249551号公報(段落0017)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷凍・空調装置において、第1の冷媒、第1の潤滑油用の機器から第2の冷媒、第2の潤滑油用の機器に置き換える手順は以上のようになされていたため、非常に長い複雑な延長配管内を全て共洗いするためには膨大な冷媒及び潤滑油が必要となるだけでなく、この方法では気液二層に分離した第1の潤滑油と第1の冷媒を目視確認しながら分離しなければならないため、第1の潤滑油の濃度を一定値以下にするのが容易ではなかった。また、第2の冷媒は非常に高価であるため、この冷媒を大量に何度も交換して冷凍サイクル内の洗浄を実施することは、交換コストの増大を招く他、貴重な資源である冷媒を多量に無駄にすることとなり、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、冷凍倉庫などの大型店舗における冷凍・空調装置のリプレース方法としては不向きであるという問題点があった。
【0008】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、第1の冷媒と第1の潤滑油を用いる既設の冷凍・空調装置で使用されていた延長配管を利用して、第2の冷媒と第2の潤滑油を用いた冷凍・空調装置を設置すると共に、冷凍サイクル内で混合した第1の潤滑油と第2の潤滑油を確実に分離し、第2の潤滑油の劣化を防止して信頼性を向上させることができる冷凍装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る冷凍装置は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管を利用して第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器及び気液分離器をその順序に連結した冷凍装置において、上記圧縮機及び凝縮器間に接続され、上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換するブラインタンクと、上記凝縮器及び減圧装置間に接続され、上記ブラインタンクから出た第2の冷媒の流路を上記凝縮器または上記減圧装置に切替える第1の電磁弁と、上記蒸発器及び気液分離器間に油分離手段と共に接続され、上記蒸発器から出た第2の冷媒を、上記油分離手段に直接流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路に切替える第2の電磁弁とを備えたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。図1は、実施の形態1による冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。この図に示すように、冷凍装置は熱源機を収容する室外機100と、ショーケースやユニットクーラ等が複数系列並列接続された負荷装置200(図は1系統のみ表示)と、室外機100と負荷装置200との間に設けられ、冷媒配管によって室外機100に接続されると共に、液側延長配管13及びガス側延長配管14によって負荷装置200に接続された油回収装置300とから構成されている。
【0011】
図2は、室外機100、負荷装置200及び油回収装置300の詳細構成並びに各装置間の接続関係を示す冷媒回路図である。即ち、室外機100は圧縮機1、凝縮器2、及び圧縮機1の吸入側に接続された気液分離器5から構成され、負荷装置200は減圧装置となる絞り装置3、蒸発器4及び絞り装置3の凝縮器側に接続された電磁弁9から構成されている。また、油回収装置300は、圧縮機1の吐出側に接続され、タンク内に収納されたエチレングリコール等の不凍液からなるブライン(図示せず)と熱交換する第1の熱交換器6Aを有するブラインタンク6、このブラインタンク6から出た冷媒の流路を凝縮器2または絞り装置3に切替える第1の電磁弁7、8、蒸発器4の圧縮機側に接続された第2の電磁弁10、第2の電磁弁10と気液分離器5との間に接続された油分離器11、蒸発器4と第2の電磁弁10との接続部から分岐された減圧弁12、及びこの減圧弁に接続され、上記ブラインタンク6内の不凍液と熱交換して上記第2の電磁弁10と油分離器11との接続部に供給する第2の熱交換器6Bから構成されている。
【0012】
なお、液側延長配管13及びガス側延長配管14は第1の冷媒及び第1の潤滑油が用いられていた既存の冷凍装置の冷媒配管をそのまま利用するものであり、室外機100は第2の冷媒及び第2の潤滑油を用いる機器によって構成されており、油回収装置300は新室外機100の設置時に新設されたものである。
なお、室外機100を第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに置換する場合に、負荷装置200も第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに置換することもある。
【0013】
図3は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられていた既存の冷凍装置を第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる冷凍装置に置き換える場合の交換手順を示すフローチャートである。以下、図3にもとづいて冷凍装置の置換手順について説明する。
ステップS1で既存の冷凍装置から第1の冷媒を第1の潤滑油と共に回収し、ステップS2で室外機100を第2の冷媒、第2の潤滑油用のものに交換する。この時、上述のように負荷装置200も同様に交換してもよいが、ここでは室外機100のみを新設した場合について説明する。室外機100の新設時には、液側延長配管13とガス側延長配管14及び負荷装置200には第1の潤滑油が残留している。次いで、ステップS3で室外機100及び負荷装置200に油回収装置300を接続し、ステップS4で冷凍サイクル内の真空引きを行なうと共に、第2の冷媒、第2の潤滑油を封入する。
【0014】
その後、ステップS5で液側延長配管13内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ち液側延長配管13の洗浄を行なう。以下、その手順について説明する。
先ず、図2における各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち、第1の電磁弁としての電磁弁7は閉、電磁弁8は開、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は開とする。圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた周知の油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は凝縮器2で空気等と熱交換し過冷却液冷媒となる。この液冷媒は電磁弁8を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内を流れる。この時に液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油、例えば鉱物油を液冷媒と共に押し流して洗浄する。
【0015】
液側延長配管13を流れた第2の液冷媒は負荷装置200に入り、電磁弁9を経て絞り装置3で絞られ、低温の気液二相状態となり蒸発器4に流入する。
蒸発器4内にて空気等と熱交換し蒸発・気化すると共にガス側延長配管14に流入する。ガス側延長配管14を流れるガス冷媒はせん断力により壁面に付着した鉱物油を引きずるように流していく。しかし、ガス冷媒によるせん断力でスーパーマーケット等の長い延長配管全ての鉱物油を引きずり後述する油分離器まで流すことには限界がある。このためガス側延長配管14に残留した鉱物油のうちせん断力で引きずれる分だけガス冷媒と共に流し、引きずれない分は残したまま油分離器11に流入する。油分離器11内では第1の潤滑油である鉱物油と第2の冷媒とが分離され第1の潤滑油は油分離器11内に回収される。第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0016】
その後一定時間、上記の運転を継続することにより液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油が絞り装置3、蒸発器4、ガス側延長配管14を介して油分離器11内に回収されることになる。しかし、蒸発器4、ガス側延長配管14内の第1の潤滑油は、上述のように、十分に洗浄しきれていない状態となっている。加えて、洗浄した液側延長配管13の第1の潤滑油を蒸発器4やガス側延長配管14内に再度残留させてしまう可能性もある。
このため、一定時間、上記の運転を継続した後に、ステップS6でガス側延長配管14内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ちガス側延長配管14の洗浄を行なう。
【0017】
以下、その手順について説明する。先ず、各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち第1の電磁弁としての電磁弁7は開、電磁弁8は閉、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は閉とする。圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた周知の油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は電磁弁7を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内をガス冷媒として流れる。
この時に上記の液側延長配管洗浄運転で残留していた第1の潤滑油をせん断力で押し流しながら、負荷装置200に入り、電磁弁9を経て絞り装置3に流入し、この絞り装置3で減圧されて蒸発器4へ流入する。第2の冷媒は蒸発器4内で空気等と熱交換されて凝縮し、液冷媒としてガス側延長配管14内へ流入する。
【0018】
液冷媒がガス側延長配管14内を流れることによって上述の洗浄運転で流しきれなかった第1の潤滑油を押し流すことができ、ガス側延長配管14内を洗浄することができる。ガス側延長配管14を流れた第2の液冷媒は油回収装置300の減圧弁12を経て低圧の気液二相の冷媒となりブラインタンク6の第2の熱交換器6Bに流入する。ここでタンク内のブラインと熱交換することにより第2の冷媒は低圧の過熱蒸気となる。その後、油分離器11に流入し、ここで蒸発器4及びガス側延長配管14内から回収した第1の潤滑油を分離して回収する。
油分離器11を出た第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0019】
このように、実施の形態1では、ステップS5で先ず液側延長配管13内に滞留している第1の潤滑油を液冷媒によって押し流して油分離器11に回収し、その後、ステップS6で蒸発器4及びガス側延長配管14内を液冷媒により洗浄し、短時間で油分離器11に第1の潤滑油を回収するものである。
従来の方法では、ガス側延長配管14の洗浄はガス冷媒のせん断力による洗浄のみであったため、洗浄時間がかかるばかりでなく、複雑な負荷装置全ての洗浄は容易でなかったが、この実施の形態ではガス側延長配管14内の洗浄を上述のように、蒸発器で凝縮した液冷媒によって行なうため、非常に短時間で、かつ、複雑な延長配管内及び負荷装置を隅々まで洗浄することができる。
【0020】
また、蒸発器4内で凝縮した液冷媒が油回収装置300のブラインタンク6内の第2の熱交換器6Bでタンク内のブラインと熱交換し、低圧の過熱蒸気となって圧縮機へ帰るため、圧縮機が液冷媒を圧縮することによるシリンダーや弁部の圧縮機故障を防ぐこともできる。なお、ステップS7で油回収運転の終了後に油回収装置300を取外すことも可能である。油回収装置300を取外すようにすれば、油回収装置300からの第1の潤滑油の再流出を防ぎ、その分離を確実に行なうことができるため、冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【0021】
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。図4は、実施の形態2による冷凍装置の概略構成を示す冷媒回路図である。この図において、図2と同一または相当部分にはそれぞれ同一符号を付して説明を省略する。
図2と異なる点は、絞り装置3と電磁弁9との直列接続体と並列に第3の電磁弁15を設け、電磁弁9と共に液側延長配管13からの冷媒を絞り装置3を経ずに蒸発器4に流入させ得るようにした点である。
【0022】
以下、追加された第3の電磁弁15の制御に関して説明する。ステップS5で液側延長配管13内を洗浄する際には、第1の電磁弁としての電磁弁7は閉、電磁弁8は開、電磁弁9は開、第2の電磁弁10は開、第3の電磁弁15は閉じた状態とする。
圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は凝縮器2で空気等と熱交換し過冷却液冷媒となる。この液冷媒は電磁弁8を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内を流れる。この時に液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油、例えば鉱物油を液冷媒と共に押し流して洗浄する。
【0023】
液側延長配管13を流れた第2の液冷媒は電磁弁9を経て絞り装置3で絞られ、低温の気液二相状態となり蒸発器4に流入する。蒸発器4内にて空気等と熱交換し蒸発・気化すると共にガス側延長配管14に流入する。ガス側延長配管14を流れるガス冷媒はせん断力により壁面に付着した鉱物油を引きずるように流していく。しかし、ガス冷媒によるせん断力でスーパーマーケット等の長い延長配管全ての鉱物油を引きずり後述する油分離器まで流すことには限界がある。
このためガス側延長配管14に残留した鉱物油のうちせん断力で引きずれる分だけガス冷媒とともに流し、引きずれない分は残したまま油分離器11に流入する。油分離器11内では第1の潤滑油である鉱物油と第2の冷媒とが分離され、第1の潤滑油は油分離器11内に回収される。第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0024】
その後一定時間、上記の運転を継続することにより液側延長配管13内に残留していた第1の潤滑油が絞り装置3、蒸発器4、ガス側延長配管14を介して油分離器11内に回収されることになる。しかし、蒸発器4、ガス側延長配管14内の第1の潤滑油は上述したように、十分に洗浄しきれていない状態となっている。加えて、洗浄した液側延長配管13の第1の潤滑油を蒸発器4やガス側延長配管14内に再度残留させてしまう可能性もある。
このため、一定時間、上記の運転を継続した後に、ステップS6でガス側延長配管14内に残留した第1の潤滑油の回収運転、即ちガス側延長配管14の洗浄を行なう。
【0025】
以下、その手順について説明する。先ず、各電磁弁を制御して次のような開閉状態とする。即ち第1の電磁弁としての電磁弁7は開、電磁弁8は閉、電磁弁9は閉、第2の電磁弁10は閉、第3の電磁弁15は開とする。
圧縮機1から吐出された第2の冷媒と第2の潤滑油は圧縮機1の吐出側に設けられた油分離器(図示せず)により第2の潤滑油が分離され、分離された第2の吐出ガス冷媒はブラインタンク6の第1の熱交換器6Aでタンク内のブライン、例えばエチレングリコール等の不凍液を過熱する。ブラインタンク6の第1の熱交換器6Aを出た第2の冷媒は電磁弁7を経て室外機100から流出し、液側延長配管13内をガス冷媒として流れる。この時に上記の液側延長配管洗浄運転で残留していた第1の潤滑油をせん断力で流しながら、電磁弁15を経て蒸発器4内へ流入する。第2の冷媒は蒸発器4内で空気等と熱交換され凝縮液冷媒としてガス側延長配管14内へ流入する。液冷媒がガス側延長配管14内を流れることによって上述の洗浄運転で流しきれなかった第1の潤滑油を押し流すことができ、ガス側延長配管14内を洗浄することができる。
【0026】
ガス側延長配管14を流れた第2の液冷媒は減圧弁12を経て低圧の気液二相の冷媒となりブラインタンク6の第2の熱交換器6Bに流入する。ここでタンク内のブラインと熱交換することにより第2の冷媒は低圧の過熱蒸気となる。
その後、油分離器11に流入し、ここで蒸発器4及びガス側延長配管14内から回収した第1の潤滑油を分離して回収する。油分離器11を出た第2の冷媒は気液分離器5を介して圧縮機1に戻る。
【0027】
このように液側延長配管13の液冷媒による洗浄運転及びガス側延長配管14の液冷媒による洗浄運転を行なう点では実施の形態1と同様であるが、実施の形態2では、ガス側延長配管14の洗浄運転時に電磁弁9を閉、第3の電磁弁15を開にしてガス冷媒を絞り装置3を介さずに蒸発器4に流入させているため、実施の形態1で述べた効果に加えてガス側延長配管14の洗浄効果を一段と向上させることができる。
【0028】
【発明の効果】
この発明に係る冷凍装置は、第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管を利用して第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器及び気液分離器をその順序に連結した冷凍装置において、上記圧縮機及び凝縮器間に接続され、上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換するブラインタンクと、上記凝縮器及び減圧装置間に接続され、上記ブラインタンクから出た第2の冷媒の流路を上記凝縮器または上記減圧装置に切替える第1の電磁弁と、上記蒸発器及び気液分離器間に油分離手段と共に接続され、上記蒸発器から出た第2の冷媒を、上記油分離手段に直接流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路に切替える第2の電磁弁とを備えたため、液側延長配管及びガス側延長配管をそれぞれ液冷媒によって洗浄することができ、それぞれの延長配管内に滞留する第1の潤滑油を押し流して移動させ、短時間で油分離器内に回収することができる。
また、蒸発器内で凝縮した液冷媒はブラインタンク内でブラインと熱交換させることにより、低圧の過熱蒸気として圧縮機へ帰すことができるため、液圧縮による圧縮機故障も防ぐことができる。更に、油回収装置を冷凍サイクルから切り離し可能としているため、油回収装置からの第1の潤滑油の再流出を防ぐと共に、その分離を確実に行ない冷凍サイクルの信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による冷凍装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1の概略構成を示す冷媒回路図である。
【図3】この発明における新冷媒用冷凍装置への交換手順を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2の概略構成を示す冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 絞り装置、 4 蒸発器、
5 気液分離器、 6 ブラインタンク、 7、8 第1の電磁弁、
9 電磁弁、 10 第2の電磁弁、 11 油分離器、
12 減圧弁、 13 液側延長配管、 14 ガス側延長配管、
15 第3の電磁弁、 100 室外機、 200 負荷装置、
300 油回収装置。
Claims (6)
- 第1の冷媒と第1の潤滑油が用いられた冷凍サイクルの冷媒配管を利用して第2の冷媒と第2の潤滑油を用いる圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器及び気液分離器をその順序に連結した冷凍装置において、上記圧縮機及び凝縮器間に接続され、上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換するブラインタンクと、上記凝縮器及び減圧装置間に接続され、上記ブラインタンクから出た第2の冷媒の流路を上記凝縮器または上記減圧装置に切替える第1の電磁弁と、上記蒸発器及び気液分離器間に油分離手段と共に接続され、上記蒸発器から出た第2の冷媒を、上記油分離手段に直接流入させる流路または別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路に切替える第2の電磁弁とを備えた冷凍装置。
- 上記第1の電磁弁を凝縮器側に切替え、上記第2の電磁弁を上記油分離手段に直接流入させる流路側に切替えた状態で所定時間運転した後、上記第1の電磁弁を減圧装置側に切替え、上記第2の電磁弁を別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路側に切替えた状態で運転することを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 上記第2の冷媒が上記減圧装置を経由せずに上記蒸発器に流入し得るように冷媒流路を切替える第3の電磁弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の冷凍装置。
- 上記第1の電磁弁を凝縮器側に切替え、上記第2の電磁弁を上記油分離手段に直接流入させる流路側に切替えた状態で所定時間運転した後、上記第1の電磁弁を減圧装置側に切替え、上記第2の電磁弁を別の減圧装置及びブラインタンクを経て上記油分離手段に流入させる流路側に切替え、上記第3の電磁弁を上記第2の冷媒が上記減圧装置を経由せずに上記蒸発器に流入するように切替えた状態で運転することを特徴とする請求項3記載の冷凍装置。
- 上記圧縮機から吐出された第2の冷媒と熱交換する上記ブラインタンク、上記油分離手段、上記別の減圧装置、及び別の減圧装置に接続された上記ブラインタンク並びに上記第1、第2の電磁弁によって油回収装置を構成し、この油回収装置を上記冷凍サイクルから切り離し得るようにしたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の冷凍装置。
- 上記第1の冷媒はクロロフルオロカーボンまたはハイドロクロロフルオロカーボン系冷媒であり、上記第1の潤滑油は鉱物油であり、上記第2の冷媒はハイドロフルオロカーボン系冷媒であり、上記第2の潤滑油はエステル油またはエーテル油であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の冷凍装置。
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