JP4375925B2 - 空気調和装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置、特に既設の配管等を再利用しながら冷凍機油等が異なる圧縮機・熱源機、室内機への交換を実施する際に異物を除去する空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に用いられているセパレート形の空気調和装置の冷媒回路を図6に示す。この図において、Aは熱源機であり、圧縮機1,四方弁2,熱源機側熱交換器3,第1の操作弁4,第2の操作弁5,アキュムレータ6を内蔵している。
Bは室内機であり、流量調整器7(あるいは流量制御弁7)、及び利用側熱交換器8を備えている。熱源機Aと室内機Bは離れた場所に設置され、第1の接続配管C、第2の接続配管Dにより接続されて、冷凍サイクルを形成する。
第1の接続配管Cの一端は熱源機側熱交換器3と第1の操作弁4を介して接続され、第1の接続配管Cの他の一端は流量調整器7と接続されている。
第2の接続配管Dの一端は四方弁2と第2の操作弁5を介して接続され、第2の接続配管Dの他の一端は利用側熱交換器8と接続されている。
また、アキュムレータ6のU字管状の流出配管の下部には返油穴6aが設けられている。
【0003】
この空気調和装置の冷媒回路と冷媒の流れを図6によって説明する。図中、実線矢印が冷房運転の流れを、破線矢印が暖房運転の流れを示す。
まず、冷房運転の流れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は四方弁2を経て、熱源機側熱交換器3へと流入し、ここで空気・水など熱源媒体と熱交換して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は第1の操作弁4,第1の接続配管Cを経て流量調整器7へ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、利用側熱交換器8で空気などの利用側媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は第2の接続配管D、第2の操作弁5,四方弁2,アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
【0004】
次に、暖房運転の流れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は四方弁2、第2の操作弁5,第2の接続配管Dを経て、利用側熱交換器8へと流入し、ここで空気など利用側媒体と熱交換して凝縮液化する。
凝縮液化した冷媒は流量調整器7へ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、第1の接続配管C、第1の操作弁4を経て、熱源機側熱交換器3で空気・水などの熱源媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は四方弁2,アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
【0005】
従来、このような空気調和装置の冷媒として、CFC(クロロフルオロカーボン)やHCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)が用いられてきたが、これらの分子に含まれる塩素が成層圏でオゾン層を破壊するため、CFCは既に全廃され、HCFCも生産規制が開始されている。
これらに代わって、分子に塩素を含まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)を使用する空気調和装置が実用化されている。CFCやHCFCを用いた空気調和装置が老朽化した場合、これらの冷媒は全廃あるいは生産規制されているため、HFCを用いた空気調和装置に入れ替える必要がある。
熱源機Aと室内機Bは、HFCで使用する冷凍機油・有機材料・熱交換器がHCFCとは異なるため、HFC専用のものと交換する必要があるが、元々CFC・HCFC用の熱源機Aと室内機Bは老朽化しているため交換する必要があるものであり、交換も比較的容易である。
【0006】
一方、熱源機Aと室内機Bを接続する第1の接続配管Cと第2の接続配管Dは配管長が長い場合や、パイプシャフトや天井裏など建物に埋設されている場合には、新規配管に交換することは困難で、しかも老朽化もしないため、CFCやHCFCを用いた空気調和装置で使用していた第1の接続配管Cと第2の接続配管Dをそのまま使用できれば、配管工事が簡略化できる。
しかし、CFCやHCFCを用いた空気調和装置で使用していた第1の接続配管Cと第2の接続配管Dには、CFCやHCFCを用いた空気調和装置の冷凍機油である鉱油やCFC・HCFCや冷凍機油の劣化物がスラッジとなったものが残留している。
このため、従来はCFCやHCFCを用いた空気調和装置で使用していた第1の接続配管Cと第2の接続配管Dを、洗浄装置(図示せず)を用いて専用の洗浄液(HCFC141bやHCFC225)で洗浄することが行われている(以下、これを洗浄方法1という)。
【0007】
また、特開平7−83545号公報に開示された方法は、図7にフロー図を示すように、ステップS10で、洗浄装置を用いずに、HFC用熱源機A、HFC用室内機Bを交換して、第1の接続配管C、第2の接続配管Dと接続し、ステップS11で、真空引きしてHFC、HFC用冷凍機油を充填した後、ステップS12で装置を運転することにより洗浄し、その後ステップS13で空気調和装置内の冷媒と冷凍機油を回収すると共に、新しい冷媒と冷凍機油を充填し、その後ステップS14で、再度運転による洗浄を実施し、ステップS12とS13を3回繰り返すことが行なわれている(以下、これを洗浄方法2という)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の洗浄方法1では以下に述べるような問題点があった。
第1に、使用する洗浄液がHCFCであり、オゾン層破壊係数がゼロでないため、空気調和装置の冷媒をHCFCからHFCへと代替することと矛盾する。
特に、HCFC141bはオゾン破壊係数が0.11と大きいため問題である。第2に、使用する洗浄液は可燃性・毒性が完全に安全なレベルではないことがあげられる。HCFC141bは可燃性で、低毒性である。HCFC225は不燃性であるが、低毒性である。第3に、沸点が高く(HCFC141bは32℃、HCFC225は51.1〜56.1℃)、外気温度がこの沸点より低い場合、特に冬期には、洗浄後に洗浄液が液状態で、第1の接続配管Cと第2の接続配管Dに残留する。これら洗浄液はHCFCであることから、塩素成分を含んでおり、HFC用冷凍機油が劣化する。
第4に、洗浄液は環境上全量回収する必要があり、かつ上記第3の問題点が発生しないように高温の窒素ガスなどで再洗浄するなど、洗浄工事に手間がかかる。
【0009】
また、従来の洗浄方法2では、以下に述べるような問題点があった。
第1に、HFC冷媒による洗浄が、特開平7−83545号公報の場合には3回必要であり、また各洗浄運転で使用したHFC冷媒は不純物を含むため、回収後その場での再利用は不可能である。つまり、通常の充填冷媒量の3倍の冷媒が必要であり、コスト・環境上の問題がある。
第2に、冷凍機油も各洗浄運転後に入れ替えるため、通常の充填冷凍機油量の3倍の冷凍機油が必要であり、コスト・環境上の問題がある。また、HFC用冷凍機油はエステル油またはエーテル油であり、吸湿性が高いため、交換用冷凍機油の水分管理も必要となる。また、冷凍機油を、洗浄する人間が封入するため、過不足が生じる危険性もあり、その後の運転において支障を来たす可能性がある(過充填時は油圧縮による圧縮機破壊、モータ過熱を来たし、不足充填時は潤滑不良を来たす)。
第3に、洗浄作業と冷媒・冷凍機油の交換作業を行なうための設定を人手で行なわなければならないので、手間と人件費を要する。特に、同じ作業を繰り返し行なうため、更に手間がかかることになる。
【0010】
この発明は、上述した問題点を解消するためになされたもので、環境保護上問題があるとされる冷媒を用いた既設の冷媒回路を、環境保護上問題がないとされる冷媒にコスト・環境上有利に置換することができると共に、置換のための労力を削減し、短時間でスムーズに作業を行なうことができる空気調和装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和装置は、圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転を禁止するものである。
【0012】
この発明に係る空気調和装置は、圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転としての上記圧縮機の運転を禁止するものである。
【0013】
この発明に係る空気調和装置は、また、終了情報保持部は不揮発性メモリからなり、熱源機制御器は洗浄運転の実施による異物捕捉動作の終了後に終了情報を上記終了情報保持部に保持させるものである。
【0014】
この発明に係る空気調和装置は、また、熱源機または洗浄装置の運転状況をパソコンに出力するための入出力部を備えたものである。
【0015】
この発明に係る空気調和装置は、また、LANを介してパソコンに接続し、信号の入出力を上記パソコンと行なうものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図にもとづいて説明する。
図1は、実施の形態1の構成を示す冷媒回路図で、洗浄装置を接続した状態を示すものである。なお、この冷媒回路は、冷媒としてCFCやHCFC(以下、旧冷媒という)を使用しているものである。
この図において、Aは熱源機であり、圧縮機1,四方弁2,熱源機側熱交換器3,第1の操作弁4,第2の操作弁5,アキュムレータ6を内蔵している。
Bは室内機であり、流量調整器7(あるいは流量制御弁7)、及び利用側熱交換器8を備えている。熱源機Aと室内機Bは離れた場所に設置され、第1の接続配管Cと、これに接続された第3の接続配管CC、及び第2の接続配管Dと、これに接続された第4の接続配管DDにより接続されて、冷凍サイクルを形成する。第3の接続配管CCの端部は、熱源機側熱交換器3と第1の操作弁4及び第3の操作弁9aを介して接続され、第1の接続配管Cの端部は、流量調整器7と接続されている。第4の接続配管DDの端部は、四方弁2と第2の操作弁5及び第4の操作弁9bを介して接続され、第2の接続配管Dの端部は、利用側熱交換器8と接続されている。
また、アキュムレータ6のU字管状の流出配管の下部には返油穴6aが設けられている。
【0023】
Eは冷媒回路を洗浄するための洗浄装置で、熱源機Aの近傍に設けられ、以下に述べる各装置によって構成されている。即ち、10a、10b、10c、10dはそれぞれ洗浄装置の冷媒流入部あるいは流出部を構成する電磁弁で、10aと10bは第3の操作弁9aの両側で第3の接続配管CCに接続され、10cと10dは第4の操作弁9bの両側で第4の接続配管DDに接続されている。
11は電磁弁10aと10cとの間に接続された第1の切換弁で、熱源機側熱交換器3の冷房運転時の出口端、即ち、第1の操作弁4及び電磁弁10aから洗浄装置内への冷媒の流通は許容するが、その逆は許容しないように設けられた逆止弁11aと、四方弁2の暖房運転時の出口端、即ち、第2の操作弁5及び電磁弁10cから洗浄装置内への冷媒の流通は許容するが、その逆は許容しないように設けられた逆止弁11bと、後述する異物捕捉装置の出口端から電磁弁10aへの冷媒の流通は許容するが、その逆は許容しないように設けられた逆止弁11cと、異物捕捉装置の出口端から電磁弁10cへの冷媒の流通は許容するが、その逆は許容しないように設けられた逆止弁11dとから構成され、電気信号によらず、各接続端の圧力により自己切換を行なう切換弁である。
【0024】
12は油分離器で、圧縮機1から冷媒とともに吐出される冷凍機油を分離する。12aは油分離器12の底部より端を発するバイパスである。
13は高温高圧のガス冷媒を冷却・液化する冷却装置、14は冷却装置13に接続された第1の流量調整装置、15は四方弁からなる第2の切換弁、16は第2の切換弁15に接続され冷媒を低圧まで減圧する第2の流量調整装置、17は低圧二相冷媒をガス化する加熱装置、18は上記加熱装置17の出口部に直列に設けられた異物捕捉装置である。
なお、上記冷却装置13の冷却源は、空気、水のいずれでもよく、上記加熱装置17の加熱源は空気、水のいずれでも、あるいはヒーターでもよい。
また、冷却装置13と加熱装置17は、第1の切換弁11と第2の切換弁15に挟まれた高温高圧側の配管と低温低圧側の配管を熱的に接触させて、例えば、二重管の外側を高温高圧側の配管、内側を低温低圧側の配管で構成し、加熱装置17と冷却装置13との間で熱移動させるようにしてもよい。
【0025】
洗浄装置Eは以上のように構成され、電磁弁10a〜10dにより、第3及び第4の接続配管CC及びDDを経て冷凍サイクル装置に着脱可能に接続されている。また、Fは室内機Bの近傍で室内機Bに並列的に接続されるバイパス路で、以下に述べる各装置によって構成されている。即ち、19aは第1の接続配管Cと流量調整器7との間に設けられた流量調整器側電磁弁、19bは第2の接続配管Dと利用側熱交換器8との間に設けられた熱交換器側電磁弁、19cは流量調整器側電磁弁19aの第1の接続配管C側の接続端と熱交換器側電磁弁19bの第2の接続配管D側の接続端とを接続するバイパス用電磁弁である。
【0026】
また、20は熱源機Aを制御する熱源機制御器で、制御部21と通信部22とを有し、制御部21は熱源機A全体の制御、例えば圧縮機1、熱源機側熱交換器3の送風機、四方弁2の弁切り換え等の運転制御を行なう。
また、通信部22は後述する洗浄装置制御器、室内機制御器及びバイパス路制御器にそれぞれ設けられる通信部と伝送線によって接続され、各制御器との間で相互に制御情報を伝達し得るようにされている。30は洗浄装置Eを制御する洗浄装置制御器で、制御部31と通信部32と外部信号源60に接続された入出力部33とを有し、制御部31は洗浄装置Eの電磁弁10a〜10dの開閉等の運転制御を行なう。入出力部33は外部信号源60から与えられる洗浄運転のコマンド信号を受け、この信号を通信部32を介して制御部31に伝達すると共に、熱源機制御器20の通信部22及び後述する他の制御器の通信部を介してそれぞれの制御部に洗浄運転のコマンド信号を伝達し、それぞれの制御部で洗浄運転に関係する部分の運転制御を行なうものである。
【0027】
40は室内機Bを制御する室内機制御器で、制御部41と通信部42とを有し、制御部41は利用側熱交換器8の送風機や流量調整器7等の運転制御を行なう。通信部42は洗浄装置制御器30からの洗浄運転のコマンド信号を受けて制御部41に伝達するものである。
50はバイパス路Fを制御するバイパス路制御器で、制御部51と通信部52とを有し、制御部51は洗浄装置制御器30からの洗浄運転のコマンド信号を通信部52経由で受けて、流量調整器側電磁弁19a、熱交換器側電磁弁19b及びバイパス用電磁弁19cの制御を行なうものである。なお、61は各制御器の通信部間を接続する伝送線である。
【0028】
次に、図1に示す冷媒回路の旧冷媒をHFC(以下、新冷媒という)に置換する手順について説明する。
まず、図1に示す冷媒回路から旧冷媒を回収し、熱源機Aと室内機Bを取り外す。この場合、旧冷媒と新冷媒の制御信号の伝送手段や伝送用配線が異なる場合には、旧冷媒で冷媒回路の運転切換スイッチとして使用していたリモコン及び伝送用配線も取り外す。
【0029】
次いで、熱源機A、室内機B及びリモコン並びに伝送用配線を新冷媒用のものに取り換える。しかし、第1の接続配管C及び第2の接続配管Dは旧冷媒の冷媒回路のものを再利用し、第3の接続配管CCと第4の接続配管DDは新規に敷設する。次いで、洗浄装置Eを冷媒回路に接続すると共に、バイパス路Fを室内機Bに接続する。洗浄装置Eの接続は電磁弁10a、10bを第3の接続配管CCに、かつ、電磁弁10c、10dを第4の接続配管DDに接続し、バイパス路Fは第1の接続配管C、第2の接続配管Dをそれぞれ流量調整器側電磁弁19a、熱交換器側電磁弁19bを介して室内機Bに接続すると共に、バイパス用電磁弁19cを流量調整器側電磁弁19aの第1の接続配管C側の接続端及び熱交換器側電磁弁19bの第2の接続配管D側の接続端に接続してバイパス冷媒回路を形成する。
【0030】
更に、洗浄運転のコマンド信号供給源として、また、洗浄運転及び冷媒回路の試運転状況を即時に把握するため、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)を洗浄装置制御器30の外部信号源60に接続する。
熱源機Aには予め新冷媒が充填されているので、第1の操作弁4と第2の操作弁5は閉じたまま、室内機B、第1の接続配管C、第2の接続配管D、第3の接続配管CC、第4の接続配管DD、洗浄装置E及びバイパス路Fを接続状態で真空引きした後、第1の操作弁4と第2の操作弁5の開弁と新冷媒の追加充填を実施する。その後、PCを操作して洗浄運転のコマンド信号を与えることにより、この信号が洗浄装置制御器30の通信部32から各制御器の通信部22、42、52を経て各制御器の制御部21、31、41、51に与えられ、第3、第4の操作弁9a、9bを閉弁し、洗浄装置Eの各電磁弁10a〜10dを開弁し、流量調整器側電磁弁19a及び熱交換器側電磁弁19bを閉弁し、バイパス用電磁弁19cを開弁して所定時間、洗浄運転を実施する。
【0031】
以下、図1にもとづいて洗浄運転について説明する。図中、実線矢印は冷房洗浄運転の流れを、また、破線矢印は暖房洗浄運転の流れを示す。
まず、冷房洗浄運転について説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は新冷媒用の冷凍機油と共に圧縮機1から吐出され、四方弁2を経て熱源機側熱交換器3へと流入し、ここで空気・水等の熱源媒体と熱交換せずに通過し、第1の操作弁4、洗浄装置の電磁弁10a及び第1の切換弁11の逆止弁11aを経て油分離器12へ流入する。ここで、新冷媒用の冷凍機油は完全に分離され、ガス冷媒のみが冷却装置13に流入し、ここで凝縮液化して第1の流量調整装置14で少し減圧されて気液二相状態となる。この気液二相状態の冷媒は、第2の切換弁15、電磁弁10bを経て第1の接続配管Cに流入する。
【0032】
気液二相状態の新冷媒が第1の接続配管Cを流れる時に、 第1の接続配管Cに残留している旧冷媒・鉱油・鉱油劣化物(以下、残留異物という)を気液二相状態のため比較的早く洗浄し、気液二相の新冷媒と共に流れ、 バイパス用電磁弁19cを経て、 第1の接続配管Cの残留異物と共に第2の接続配管Dに流入する。第2の接続配管Dに残留している残留異物は、ここを流れる冷媒が気液二相状態のため、流速も早く、かつ液冷媒と共に残留異物は洗浄され、比較的早い速度で洗浄される。その後、気液二相状態の冷媒は、第1の接続配管Cの残留異物と第2の接続配管Dの残留異物と共に、電磁弁10d、第2の切換弁15を経て第2の流量調整装置16で低圧まで減圧されて、加熱装置17へ流入し、ここで蒸発・ガス化され、異物捕捉装置18へ流入する。
【0033】
残留異物は、沸点の違いにより相が異なり、固体異物・液体異物・気体異物の3種類に分類される。異物捕捉装置18では、固体異物と液体異物は完全にガス冷媒分離され捕捉される。気体異物はその一部が捕捉され、一部は捕捉されない。その後、ガス冷媒は、異物捕捉装置18で捕捉されなかった気体異物と共に第1の切換弁11の逆止弁11d、電磁弁10c、第2の操作弁5、四方弁2,アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。油分離器12で、ガス冷媒と完全に分離された新冷媒用冷凍機油は、バイパス12aを経て、異物捕捉装置18の下流側で本流と合流して圧縮機1へ戻るので、第1の接続配管Cや第2の接続配管Dに残留していた固体・液体異物と混ざることはなく、新冷媒用冷凍機油は新冷媒に対して非相溶化することはなく、また新冷媒用冷凍機油は固体・液体異物により劣化することはない。
【0034】
また、気体異物は新冷媒が冷媒回路を1サイクル循環して、異物捕捉装置18を1回通る間には一部が捕捉されるだけで、新冷媒用冷凍機油と気体異物は混合されるが新冷媒用冷凍機油の劣化は化学反応で急激には進まない。
従って、異物捕捉装置18を1回通る間に捕捉できなかった気体異物は新冷媒の循環と共に何回も異物捕捉装置18を通るので、新冷媒用冷凍機油の劣化するよりも早く異物捕捉装置18で捕捉すればよい。
【0035】
冷房洗浄運転が終了すると、所定時間経過後に洗浄装置制御器30は暖房洗浄運転に切り換える。即ち、洗浄装置制御器30の制御部31は通信部32を経由して熱源機制御器20に四方弁2の切り換え信号を送る。熱源機制御器20の制御部21は圧縮機1を一旦停止させた後、四方弁2を暖房用に切り換え、再度圧縮機1を起動させて暖房洗浄運転に移行する。
【0036】
次に、暖房洗浄運転の流れを説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は新冷媒用冷凍機油と共に圧縮機1から吐出され、四方弁2,第2の操作弁5,電磁弁10c、第1の切換弁11の逆止弁11bを経て、油分離機12へ流入する。ここで、新冷媒用の冷凍機油は完全に分離され、ガス冷媒のみが冷却装置13に流入し、ここで凝縮液化して、第1の流量調整装置14で少し減圧されて気液二相状態となる。この気液二相状態の冷媒は、第2の切換弁15、電磁弁10dを経て第2の接続配管Dに流入する。第2の接続配管Dに残留している残留異物は、ここを流れる冷媒が気液二相状態のため、流速も早く、かつ液冷媒と共に残留異物は洗浄され、比較的早い速度で洗浄される。その後、気液二相状態の冷媒は、第2の接続配管Dの残留異物と共にバイパス用電磁弁19cを経て、第1の接続配管Cに流入する。ここでは、気液二相状態のため、流速も早く、かつ液冷媒と共に残留異物は洗浄され、比較的早い速度で洗浄される。 第2の接続配管Dと第1の接続配管Cの残留異物と共に、気液二相状態の冷媒は、電磁弁10b、第2の切換弁15を経て、第2の流量調整装置16で低圧まで減圧されて、加熱装置17へ流入し、ここで蒸発・ガス化され、異物捕捉装置18へ流入する。
【0037】
残留異物は、沸点の違いにより相が異なり、固体異物・ 液体異物・ 気体異物の3種類に分類される。異物捕捉装置18では、固体異物と液体異物は完全にガス冷媒分離され捕捉される。気体異物はその一部が捕捉され、一部は捕捉されない。その後、ガス冷媒は、異物捕捉装置18で捕捉されなかった気体異物と共に第1の切換弁11の逆止弁11c、電磁弁10aを経て、熱源機側熱交換器3へ流入し、熱交換させずに通過させ、アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
油分離器12で、ガス冷媒と完全に分離された新冷媒用冷凍機油は、バイパス12aを経て、異物捕捉装置18の下流側で本流と合流して圧縮機1へ戻るので、第1の接続配管Cや第2の接続配管Dに残留していた固体・液体異物と混ざることはなく、新冷媒用冷凍機油は新冷媒に対して非相溶化することはなく、また新冷媒用冷凍機油は固体・液体異物により劣化することはない。
また、気体異物は新冷媒が冷媒回路を1サイクル循環して、異物捕捉装置18を1回通る間には一部が捕捉されるだけで、新冷媒用冷凍機油と気体異物は混合されるが新冷媒用冷凍機油の劣化は化学反応で急激には進まない。
従って、異物捕捉装置18を1回通る間に捕捉できなかった気体異物は新冷媒の循環と共に何回も異物捕捉装置18を通るので、新冷媒用冷凍機油の劣化するよりも早く異物捕捉装置18で捕捉すればよい。
【0038】
暖房洗浄運転が終了すると、所定時間経過後に洗浄装置制御器30は試運転を行なう。即ち、洗浄装置制御器30は制御部31によって第3、第4の操作弁9a、9bを開弁すると共に、洗浄装置Eの各電磁弁10a〜10dを閉弁し、また、通信部32からバイパス路制御器50の通信部52を経て制御部51からの信号によりバイパス路Fの電磁弁19a、19bを開弁し、バイパス用電磁弁19cを閉弁して新冷媒による冷媒回路の試運転が行なえるようにする。
【0039】
以下、試運転及び通常空調運転について図1にもとづいて説明する。
まず、冷房試運転及び空調運転について説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は新冷媒用冷凍機油と共に圧縮機1から吐出され、四方弁2を経て、熱源機側熱交換器3へと流入し、ここで空気・水等の熱源媒体と熱交換して凝縮液化する。凝縮液化した冷媒は、第1の操作弁4,第3の操作弁9a、第3及び第1の接続配管CC、C、流量調整器側電磁弁19aを経て、流量調整器7へ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、利用側熱交換器8で空気等の利用側媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は、熱交換器側電磁弁19b、第2及び第4の接続配管D、DD、第4の操作弁9b、第2の操作弁5,四方弁2,アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
また、電磁弁10a〜10dは閉じられており、異物捕捉装置18は閉鎖空間として隔離されているので、 洗浄運転中に捕捉した残留異物が再び冷媒回路中に戻ることがなく、また、冷媒が異物捕捉装置18を経由していないため、圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、能力の低下が小さい。
【0040】
次に、暖房試運転及び空調運転について説明する。圧縮機1で圧縮された高温高圧のガス冷媒は新冷媒用冷凍機油と共に圧縮機1から吐出され、四方弁2を経て第2の操作弁5に流入し、第4の操作弁9b、第4及び第2の接続配管DD、D、熱交換器側電磁弁19bを経て利用側熱交換器8へと流入し、ここで空気等の利用側媒体と熱交換して凝縮液化する。
凝縮液化した冷媒は、流量調整器7へ流入し、ここで低圧まで減圧されて低圧二相状態となり、流量調整器側電磁弁19a、第1及び第3の接続配管C、CC、第3の操作弁9a、第1の操作弁4,熱源機側熱交換器3へ流入し、ここで空気・水等の熱源側媒体と熱交換して蒸発・ガス化する。蒸発・ガス化した冷媒は、四方弁2,アキュムレータ6を経て圧縮機1へ戻る。
【0041】
また、電磁弁10a〜10dは閉じられており、異物捕捉装置18は閉鎖空間として隔離されているので、 洗浄運転中に捕捉した残留異物が再び冷媒回路中に戻ることがなく、また、冷媒が異物捕捉装置18を経由していないため、圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、能力の低下が小さい。また、冷却装置13へは冷媒が流れないので、暖房能力のロスもない。
なお、第3、第4の操作弁9a、9b及び流量調整器側電磁弁19a並びに熱交換器側電磁弁19bは電気信号により閉路する電磁弁であるため、洗浄運転時のみ通電し、試運転及び空調運転時には通電しない。また、バイパス用電磁弁19cは電気信号により開路する電磁弁であるため、これも洗浄運転時にのみ通電すればよいことから弁の切換が最低限ですむことになる。
また、PCに接続していることで冷房・暖房の運転状態に異常がないか容易に把握することが出来る。
【0042】
次に、洗浄装置E内の冷媒を回収し、洗浄装置Eを電磁弁の部分で冷媒回路から取り外し、異物捕捉装置18内の残留異物を排出することで洗浄装置Eを再利用する。そして、電磁弁10a〜10dの接続端に異物流入防止のため、キャップをする。バイパス路Fは、冷媒回路に接続したままとする。
その後、通常空調運転を1週間程度経過した後、熱源機Aから少量の新冷媒用冷凍機油を採取し、新冷媒用冷凍機油の汚染状況を測定し、所定の基準値を越えていれば新冷媒用冷凍機油を追加あるいは交換をする。新冷媒用冷凍機油の劣化は化学反応であり希釈することで、反応を抑制することが出来る。
【0043】
実施の形態1は、以上のように、油分離器12と異物捕捉装置18とを洗浄装置Eに内蔵することで、熱源機Aと室内機Bのみを新規に交換し、 第1の接続配管Cと第2の接続配管Dを交換しないで、 老朽化した旧冷媒を用いた冷媒回路を新冷媒を用いた冷媒回路に入れ替えることができる。
この実施の形態では、既設配管の再利用方法として、従来の洗浄方法1とは違って、洗浄装置を用いて専用の洗浄液(HCFC141bやHCFC225)で洗浄するということをしないので、オゾン層破壊の恐れは全くなく、また、可燃性・毒性も皆無で、洗浄液残留の懸念もなく、洗浄液を回収する必要もない。
また、従来の洗浄方法2と違って、洗浄運転を3回繰り返して新冷媒や新冷媒用冷凍機油を入れ替える必要がないため、 必要な新冷媒や冷凍機油は1台分で済み、コスト・環境上も有利である。また、交換用冷凍機油の管理も不要で、かつ冷凍機油過不足の危険性も全く発生しない。また、新冷媒用冷凍機油の非相溶化や冷凍機油の劣化の恐れもない。
更に、洗浄装置制御器が各制御器の操作を指示するので、一度運転を開始した後は一切人手が不要となり、作業効率が向上する。
【0044】
また、洗浄装置Eの冷媒流入部及び流出部に電磁弁10a〜10dを設けたことにより、洗浄運転時には異物捕捉装置18を通過して上述した洗浄効果を得つつ、洗浄運転後の試運転時には、電磁弁10a〜10dを閉じ、異物捕捉装置18を閉鎖空間として隔離することができるので、 洗浄運転中に捕捉した異物が再び冷媒回路中に戻ることがない。
また、洗浄装置の流入部、流出部に設けた電磁弁10a〜10dがそれぞれ電気的に開閉されるため、洗浄装置制御器の指示にもとづいて、洗浄運転から試運転まで自動的に冷媒回路の切換をすることができる。また、冷媒が異物捕捉装置18を経由しないため、圧縮機1の吸入圧力損失が小さく、能力低下も小さい。
更に、洗浄装置Eに冷却装置13、加熱装置17、第1及び第2の切換弁11、15を設けたことにより、冷房・暖房に係わらず、洗浄運転時に第1の接続配管C、第2の接続配管Dに気液二相冷媒もしくは液冷媒を流すことができるため、残留異物の洗浄効果が高く、洗浄時間を短くすることができる。
【0045】
また、冷却装置13、加熱装置17により熱交換量を制御できるので、外気温度や室内の負荷に関係なく、任意の条件でほぼ同一の洗浄運転が可能であり、効果・手間が一定化する。
また、第1の流量調整装置14と第2の流量調整装置16を設けたので、第1の接続配管C、第2の接続配管Dを流れる冷媒を必ず気液二相状態とすることができ、更に、残留異物を洗浄するのに洗浄効果が高く、洗浄時間を短くすることができる。また、第1の接続配管C、第2の接続配管Dを流れる気液二相冷媒の圧力と乾き度も制御できるので、さらに任意の条件でほぼ同一の洗浄運転が可能であり、効果・手間が一定化する。
また、バイパス路Fを設けたので、第1の接続配管C、第2の接続配管Dを流れる冷媒の状態をほぼ同じにすることができ、均一な洗浄運転が可能で、効果・手間が一定化する。また、残留異物が新しい室内機Bに流入することがないので、室内機Bの汚染を防ぐことができる。
【0046】
また、油分離器12、バイパス12a、冷却装置13、加熱装置17、異物捕捉装置18、第1の切換弁11、第2の切換弁15、第1の流量調整装置14、第2の流量調整装置16を洗浄装置Eに内蔵したため、熱源機Aを小型化・低コスト化することができる。また、熱源機Aは、第1の接続配管C、第2の接続配管Dを新規に敷設する場合にも共通の熱源機とすることができる。
また、 洗浄装置Eは、電磁弁10a〜10dの部分で冷媒回路から着脱可能になっているので、 洗浄運転後にこれら電磁弁を閉じてから洗浄装置Eの内部の冷媒を回収して冷媒回路から取り外し、他の同様の冷媒回路に取り付けて繰り返し洗浄運転を実施することができる。これらの電磁弁は自動的に開閉させることが可能なため、洗浄運転と試運転時の切換ミスをすることが少なくなり、手間を省くことができる。
【0047】
なお、上述の実施の形態1では、室内機Bが1台接続された例について説明したが、室内機Bが並列または直列に複数台接続された冷媒回路でも同様の効果を奏することは言うまでもない。また、熱源機側熱交換器3と直列または並列に氷蓄熱槽や水蓄熱槽(湯を含む)が設置されても同様の効果を奏することは明らかである。また、 熱源機Aが複数台並列に接続された冷媒回路においても同様の効果を期待することができる。更に、この実施の形態は、蒸気圧縮式の冷凍サイクル応用品で、熱源機側熱交換器が内蔵されたユニットと利用側熱交換器が内蔵されたユニットが離れて設置されているような場合にも適用することができ、同様な効果を期待することができる。
また、この実施の形態では、洗浄装置Eは一つの冷媒回路に1個だけ設置されるケースを示したが、複数個設置されていても同様の効果を奏することは明らかである。
【0048】
実施の形態2.
次に、 この発明の実施の形態2を図にもとづいて説明する。
図2は、実施の形態2の構成を示すものであるが、冷媒回路は図1と同様であるため省略して制御器の構成のみを示すブロック図である。図2において、図1と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図2において、23は異物除去を含む洗浄運転の実施終了情報を記憶する不揮発性メモリ等からなる終了情報保持部、24は終了情報保持部23における実施終了情報の有無をチェックする運転禁止指令部で、実施終了情報がない場合に冷媒回路の通常運転あるいは圧縮機の運転のみを禁止する指令を発するものである。また、25はS/Wによって構成され、外部からのコマンド信号にもとづいて各種センサ(図示せず)の検出値を返送したり、洗浄装置の運転時に弁等のアクチュエータを動作させるためのプログラムを備えた特殊モード設定部である。
また、34は異物除去を含む洗浄運転全体を司る洗浄運転制御部、43は室内機制御器40に設けられた特殊モード設定部で、上述した熱源機制御器20の特殊モード設定部25と同様に構成されている。
【0049】
次に、実施の形態2の制御動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
ステップS10にて運転を開始し、ステップS11で外部信号源60からのコマンド信号による洗浄運転を実施するか否か判断する。
洗浄運転する場合は、ステップS12で各制御器の特殊モード設定部25、43を動作させて必要な弁等の開閉を行い、ステップS13で洗浄装置制御器40の洗浄運転制御部34を動作させて洗浄運転を実施する。ステップS14で正常に洗浄運転が完了した場合は、ステップS15で熱源機制御器20の終了情報保持部23の不揮発性メモリ等に洗浄終了情報を保持し、ステップS16で試運転終了とする。また、ステップS14で正常に洗浄運転が完了しなかった場合はステップS13に戻る。また、ステップS11で洗浄運転でない場合には、ステップS17で熱源機制御器20の終了情報保持部23の不揮発性メモリ等に洗浄終了情報が保持されているかどうかを確認し、洗浄終了情報が保持されている場合にはステップS18で通常空調運転を行なう。ステップS17で洗浄終了情報が保持されていない場合には、ステップS19で熱源機制御器20の運転禁止指令部24を動作させて冷媒回路の運転禁止、または圧縮機のみを運転禁止とする。このように構成することにより、洗浄装置制御器が各制御器に操作を指示するため、一度運転を開始した後は、一切人手が不要となり作業効率が向上する他、最小限の制御機器で洗浄運転が実施可能となる。
また、このように動作させることにより、洗浄運転正常終了前に通常の冷暖制御運転をすることを防止し、機器の損傷を防止することが可能である。
【0050】
実施の形態3.
次に、この発明の実施の形態3を図にもとづいて説明する。図4は、実施の形態3の構成を示すものであるが、冷媒回路は図1と同様であるため省略して制御器の構成のみを示すブロック図である。図4において、図2と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図2と異なる点は、PC等を接続した外部制御器70を設け、この制御器70の通信部71を洗浄装置制御器30の通信部32に接続すると共に、図2では洗浄装置制御器30に設けていた洗浄運転制御部34を外部制御器70内に設け、通信部71及び32を介して各制御器と接続するようにした点である。
このような構成とすることにより、外部制御器70から特殊モード設定部25及び43を含む各制御器を操作することが可能となり、洗浄運転を実施することができる。また、このように動作させることにより、洗浄運転正常終了前に通常の冷暖制御運転をすることを防止し、機器の損傷を防止することが可能である。更に、洗浄運転のアルゴリズムを外部制御器70に備えることにより、洗浄対象が異なる場合にも同じ洗浄装置及びバイパス装置を適用することができる。
【0051】
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図にもとづいて説明する。図5は、実施の形態4の構成を示すものであるが、冷媒回路は図1と同様であるため省略して制御器の構成のみを示すブロック図である。図5において、図4と同一または相当部分には同一符号を付して説明を省略する。
図4と異なる点は、洗浄装置制御器30に第2通信部35を設けて通信部32に接続すると共に、外部制御器70にも第2通信部72を設け、これを洗浄装置制御器30の第2通信部35と接続し、外部制御器70の洗浄運転制御部34からのコマンド信号を与えるようにした点である。
このような構成とすることにより、第2通信部72を汎用のLAN等のBOS系統に接続することができ、このBOS系統からインターネット等を介して洗浄運転のコマンド信号を与えることができるため、遠隔操作で洗浄運転を実施することが可能となる。なお、第2通信部を設ける制御器は、洗浄装置制御器30に限られるものではなく、その他のいずれかの制御器、即ち、熱源機制御器20、室内機制御器40またはバイパス路制御器50に設けても同様な効果を期待することができる。
また、異なる通信手段体系をもつ空調機システムに対しても適用可能であるため、外部制御器の汎用性を高めることができる。
【0052】
【発明の効果】
この発明に係る空気調和装置は、圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転を禁止するようにされているため、既設の配管等を再利用しながら冷凍機油等が異なる圧縮機、熱源機への交換を実施する際に、洗浄運転を行なって配管内の異物を捕捉することができる他、少ない制御機器で洗浄運転を実施することができる。
【0053】
この発明に係る空気調和装置は、また、圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転としての上記圧縮機の運転を禁止するようにされているため、洗浄装置制御器が各制御器を操作する結果、一度運転を開始した後は一切人手が不要となり、作業効率が向上する。
【0055】
この発明に係る空気調和装置は、また、熱源機制御器に、不揮発性メモリ等からなる終了情報保持部を設け、洗浄運転の実施による異物捕捉動作の終了後に、終了情報を終了情報保持部に保持させるようにしたため、洗浄運転の正常終了前に通常の冷暖制御運転をすることを防止し、機器の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の構成を示す冷媒回路図である。
【図2】 この発明の実施の形態2の制御器の構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態2の制御動作を示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態3の制御器の構成を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態4の制御器の構成を示すブロック図である。
【図6】 従来の空気調和装置の構成を示す冷媒回路図である。
【図7】 従来の空気調和装置における洗浄方法を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
A 熱源機、 B 室内機、 C 第1の接続配管、 CC 第3の接続配管、 D 第2の接続配管、 DD 第4の接続配管、 E 洗浄装置、 F バイパス路、 1 圧縮機、 3 熱源機側熱交換器、 4四方弁、 7 流量調整器、 8 利用側熱交換器、 18 異物捕捉装置、 20 熱源機制御器、 21、31、41、51 制御部、 22、32、42、52、71 通信部、 23 終了情報保持部、 24 運転禁止指令部、 25、43 特殊モード設定部、 30 洗浄装置制御器、 33 入出力部、 34 洗浄運転制御部、 35、72 第2通信部、 40 室内機制御器、 50 バイパス路制御器、 60 外部信号源、 61 伝送線、 70 外部制御器。
Claims (5)
- 圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および
流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、
上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を 上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、
外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転を禁止することを特徴とする空気調和装置。 - 圧縮機と熱源機側熱交換機と上記圧縮機で圧縮された冷媒の流路を冷房運転時と暖房運転時とで切換え、上記冷媒が上記熱源機側熱交換器へ流入し得るようにされた四方弁と上記圧縮機および熱源機側熱交換器の制御並びに上記四方弁の切換制御を行なうと共に、洗浄運転の終了情報を記憶する終了情報保持部を有する熱源機制御器とを有し配管を介して室内機に接続された熱源機、および
流入した冷媒の異物を捕捉する異物捕捉手段と洗浄装置制御器とを有し、上記配管に設けられた洗浄装置を備えた空気調和装置であって、
上記熱源機制御器および上記洗浄装置制御器は、外部から洗浄運転開始の指示が与えられると上記熱源機と上記室内機とを接続する配管の弁を閉じ、上記熱源機と上記洗浄装置とを接続する配管の弁及び上記洗浄装置と上記室内機とを接続する配管の弁をそれぞれ開くと共に、上記室内機に流入する冷媒をバイパスさせるバイパス路を形成して上記冷媒を上記洗浄装置及びバイパス路を経て上記圧縮機に流入させる洗浄運転を行ない、
外部から洗浄運転開始の指示が与えられず、かつ、上記終了情報保持部に上記終了情報が保持されていない場合には通常の冷暖房運転としての上記圧縮機の運転を禁止することを特徴とする空気調和装置。 - 終了情報保持部は不揮発性メモリからなり、熱源機制御器は洗浄運転の実施による異物捕捉動作の終了後に終了情報を上記終了情報保持部に保持させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気調和装置。
- 熱源機または洗浄装置の運転状況をパソコンに出力するための入出力部を備えた請求項1または請求項2記載の空気調和装置。
- LANを介してパソコンに接続し、信号の入出力を上記パソコンと行なうことを特徴とする請求項4記載の空気調和装置。
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