JP3370929B2 - 光応答型高電子移動度トランジスタ - Google Patents

光応答型高電子移動度トランジスタ

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JP3370929B2 JP09899498A JP9899498A JP3370929B2 JP 3370929 B2 JP3370929 B2 JP 3370929B2 JP 09899498 A JP09899498 A JP 09899498A JP 9899498 A JP9899498 A JP 9899498A JP 3370929 B2 JP3370929 B2 JP 3370929B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はマイクロ波やミリ
波などの超高周波帯の電波を扱うトランジスタに関し、
特に光に反応する特性をもたせたトランジスタに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】情報化社会を推進する技術として、高速
・大容量の通信技術がある。現在、有線の通信としては
光ファイバを用いた通信網が整備されており、広く利用
されている。一方、移動体に対する通信のためには、有
線通信は不向きであり、無線通信が必要である。無線通
信において、光ファイバの有線通信並の速度と容量を確
保する場合には、マイクロ波やミリ波などの超高速周波
帯を用いる必要がある。このように、有線では光ファイ
バが、無線ではマイクロ波やミリ波の通信がそれぞれ主
力である。
【0003】ところで、実際に通信システムを構成する
場合には、有線と無線で別々の通信網を構成するのは好
ましくなく、有線と無線間のインターフェースを実現す
ることが重要である。このうち有線から無線へのインタ
ーフェースとしては、マイクロ波やミリ波の回路の中
に、光に応答する素子を設けて、光によりマイクロ波等
を変調する方法が考えられている。
【0004】光に応答する素子の中で最も代表的な素子
は、いわゆるフォトダイオードであり、光センサとして
広く利用されている。しかしながら、マイクロ波を扱う
回路にそのまま応用すると、応答速度の面で限界があ
り、通信速度の高速化を図る上での障害となる。
【0005】この問題を解決するために、光によって特
性の変動するトランジスタをマイクロ波回路に利用する
技術がある。例えば、IEEE Transactions on M
icrowave Theory and Techniques, Vol. MTT−
35, No.12,1987のP.1444−1455
(文献1)には、AlGaAs/GaAsの高電子移動
度トランジスタ(HEMT)や、GaAsのMESFE
Tを光ファイバから照射される光で制御する技術が掲載
されている。
【0006】ここで、半導体に光を照射した場合の吸収
特性について考える。一般に知られているように、光の
波長で決まるエネルギーと、半導体のバンドギャップと
の大小関係によりその半導体が光を吸収するか、あるい
は透過するかが決まる。すなわち、光の波長をλとした
場合、プランク定数をh、光の速度をc、半導体のバン
ドギャップエネルギーをEgとすると、 Eg>h〔c/λ〕 ・・・(1) の関係にある場合には、光は半導体において吸収されず
に透過し、 Eg<h〔c/λ〕 ・・・(2) の関係にある場合には、光は半導体によって吸収され
る。
【0007】マイクロ波やミリ波のトランジスタで、一
般に用いられることの多い材質のバンドギャップをまと
めると、以下のようになる。
【0008】
【表1】 また、光通信で用いられる半導体レーザでよく用いられ
ている、光の波長とエネルギーをまとめると以下のよう
になる。
【0009】
【表2】 このうち、波長が635および820nmの可視光領域
の光は、主として近距離の比較的低速の光通信に用いら
れており、波長が1310および1550nmの赤外光
領域の光は、光ファイバの材料である石英の光伝搬損失
が極めて少なくなる波長帯であるため、長距離の大容量
通信に広く用いられている。
【0010】ところで、先に説明した文献1では、用い
ているトランジスタの材質はGaAsやAlGaAsで
あり、バンドギャップと光の波長から考えると、波長が
635や820nmの可視光の光しか吸収できず、波長
が1310や1550nmの赤外光は吸収できず透過し
てしまう。従って、可視光をトランジスタに照射した場
合には確かに光により高周波特性を制御することができ
るが、赤外光を照射しても制御できず、高速な光通信と
のインターフェースには使えないことが分かる。実際、
文献1でも実験に用いた光の波長は820nmであると
記述されている。
【0011】以上のバンドギャップと光のエネルギーか
ら考えると、高速な光通信で用いられる、波長1310
や1550nmの赤外光を吸収して、高周波特性を制御
可能なトランジスタを形成するにはIn0.53Ga0.47
sやIn0.80Ga0.20Asなどの材料を用いる必要があ
る。
【0012】これらの材料を用いた、マイクロ波やミリ
波に利用できるトランジスタとしては、例えば特開平6
−140435号公報(文献2)に記載されているよう
なInAlAs/InGaAsのpseudomorphic HEM
Tがある。この文献2に記載されている技術を用いて、
ミリ波領域で動作するトランジスタを構成すると、例え
ば図10に示すようなトランジスタを作製することがで
きる。つまり、InP基板61上に、In0.52Al0.48
Asバッファ層62、In0.8 Ga0.2 Asチャネル層
63、In0.53Ga0.47Asスペーサ層64、In0.52
Al0.48Asスペーサ層65、In0.52Al0.48Asプ
レーナドープ層66、In0.52Al0.48Asショットキ
ー層67、In0.53Ga0.47Asキャップ層68が順に
積層されている。さらに、表面の溝(リセス)69内に
ゲート電極70が配置されるとともに溝69を挟むよう
にソースおよびドレイン電極71,72がキャップ層6
8の上に配置されている。
【0013】図10から分かるように、このトランジス
タ(HEMT)はチャネル層63にIn0.8 Ga0.2
sを、スペーサ層64やキャップ層68にIn0.53Ga
0.47Asを用いており、これらの層のバンドギャップは
波長1310や1550nmの赤外光のエネルギーより
も小さいため、これら赤外光を吸収することができる。
このため、高速な光通信で用いられる赤外光によってト
ランジスタの高周波特性を制御できる可能性がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述したト
ランジスタは、あくまでも通常のマイクロ波やミリ波で
用いることを前提にしたトランジスタであり、本来、光
を照射することを考慮して作製されたものではない。
【0015】従って、光を照射して高周波特性を制御で
きる可能性はあるものの、光を効果的に吸収し、高周波
特性の変動に結び付ける効率が低いという課題がある。
より詳しくは、光通信からマイクロ波/ミリ波の無線通
信へのインターフェースでは、光ファイバを伝搬する光
の点滅信号を用いて、マイクロ波やミリ波に変調を加え
るわけであるが、長距離を伝搬してきた光は強度が弱い
ため、このインターフェース回路は光に対する感度を高
く保つ必要がある。
【0016】従って、上記インターフェース回路実現の
ためには、何らかの方法でトランジスタにおける光に対
する感度を高くする工夫が必要となる。また、上記文献
1に記載の例では、トランジスタのマイクロ波帯の高周
波特性を測定する一般的な測定装置にセットした状態
で、トランジスタの上方から光ファイバの光を照射して
いるにすぎず、照射方法に適した設計がなされているわ
けではない。
【0017】さらに、光ファイバの接続方法により、例
えばトランジスタの上方ではなく下方(裏面)から光を
入射させる方が、インターフェース回路の部品配置や、
光の伝導に有利な場合も考えられ、照射方法により最適
なトランジスタの設計を行うことも、光に対する感度向
上には必要な課題である。
【0018】そこで、この発明の目的は、光の吸収効率
を高め、光による高周波特性制御の感度を高めることが
できる光応答型高電子移動度トランジスタを提供するこ
とにある。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【課題を解決するための手段】請求項に記載の光応答
型高電子移動度トランジスタは、裏面から光が照射され
る半導体基板を、バンドギャップが照射する光の波長に
よって決まるエネルギーよりも大きくし、半導体基板上
においてチャネル層に隣接して配置され、バンドギャッ
プが照射する光の波長によって決まるエネルギーよりも
小さい光吸収層を備え、前記各々の層を、前記半導体基
板から表面に向かって、電子供給層、チャネル層、光吸
収層の順で積層し、裏面から照射した光の少なくとも一
部が光吸収層に到達して当該光により電子とホールが生
成するようにしたことを特徴としている。つまり、半導
体基板のバンドギャップを照射する光のエネルギーより
も大きくして光が透過するように設計しトランジスタの
裏面から光を照射できるようにし、さらに光吸収層を配
置し、裏面から照射した光の少なくとも一部がこの光吸
収層に達するように構成する。また、光吸収層のバンド
ギャップは、照射する光のエネルギーよりも小さくし
て、確実に光を吸収できるように構成する。
【0023】このような構成をとることにより、光の吸
収効率を高め、光による高周波特性制御の感度を高める
ことができることとなるという作用・効果に加え、図1
0に示す従来のトランジスタに比べ、光による高周波特
性制御の感度を高めるとともに、トランジスタの裏面か
ら光を照射することができるため、光通信からマイクロ
波/ミリ波通信へのインターフェースを作製する場合
に、素子を配置しやすくなる。
【0024】
【0025】
【0026】また、請求項に記載のように、請求項
記載の光応答型高電子移動度トランジスタにおいて、
半導体基板はInP基板であり、前記電子供給層はIn
AlAsであり、前記チャネル層および光供給層はIn
GaAsであるものとすると、従来から周波数の高いミ
リ波帯で特に優れた性能を持つInAlAs/InGa
As HEMTの特性を活かして、光で制御できるトラ
ンジスタを作製することができる。
【0027】請求項に記載のように、請求項1に記載
の光応答型高電子移動度トランジスタにおいて、前記チ
ャネル層と前記光吸収層との間に、両方の層よりもバン
ドギャップが大きく、かつ、電子がトンネルによって通
過できる厚みのバリア層を挿入したものとする。つま
り、チャネル層と光吸収層との間にバンドギャップの大
きいバリア層を挿入し、このバリア層の膜厚を電子がト
ンネルによって通過できる厚みに設定する。この構成を
とることにより、光の照射によって光吸収層内に生成さ
れた電子とホールのうち、ホールがチャネル層に移動す
る現象を抑制することができる。その結果、ホールが電
子と再結合し、電子の量を減少させて高周波性能を悪化
させる現象や、あるいは電子に比べて移動度の低いホー
ルが信号の伝達に携わることによって、光に対する応答
速度が低下する現象等を防止することができる。
【0028】請求項に記載のように、請求項に記載
の光応答型高電子移動度トランジスタにおいて、前記半
導体基板はInP基板であり、前記電子供給層およびバ
リア層はInAlAsであり、前記チャネル層および光
供給層はInGaAsであるものとすると、請求項
記載の発明と同様に、InAlAs/InGaAsHE
MTの優れた高周波特性を活かして、光で制御できるト
ランジスタを作製することができる。
【0029】請求項に記載のように、請求項1〜
いずれか1項に記載の光応答型高電子移動度トランジス
タにおいて、前記半導体基板上に受動回路と共に集積さ
れるモノリシックマイクロ波集積回路に用いたものとす
る。つまり、請求項1〜に記載のトランジスタを用い
て、モノリシックマイクロ波集積回路を作製する。この
構成をとることにより、光通信からマイクロ波/ミリ波
の通信へのインターフェース回路をより小型に、簡便
に、低コストで作製することが可能となる。
【0030】請求項に記載のように、請求項に記載
の光応答型高電子移動度トランジスタにおいて、前記モ
ノリシックマイクロ波集積回路における光応答型高電子
移動度トランジスタの形成部分のみに光を選択的に照射
したものとすると、集積回路上に位置するトランジスタ
以外の素子が光によって特性変動を受け、集積回路の光
による変調特性に悪影響を及ぼす現象を防止することが
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、この
発明を具体化した実施の形態を図面に従って説明する。
【0032】図1には、本実施の形態における光応答型
HEMTの断面模式図を示す。半導体基板としてのIn
P基板1上に、In0.52Al0.48Asバッファ層2、I
0.53Ga0.47As光吸収層3、In0.8 Ga0.2 As
チャネル層4、In0. 53Ga0.47Asスペーサ層5、I
0.52Al0.48Asスペーサ層6、電子供給層としての
In0.52Al0.48Asプレーナドープ層7、In0.52
0.48Asショットキー層8、In0.53Ga0.47Asキ
ャップ層9が順に積層されている。In 0.52Al0.48
sバッファ層2の厚さは100nm、In0.53Ga0.47
As光吸収層3の厚さは20nm、In0.8 Ga0.2
sチャネル層4の厚さは16nm、In0.53Ga0.47
sスペーサ層5の厚さは4nm、In0.52Al0.48As
スペーサ層6の厚さは5nmである。In0.52Al0.48
Asプレーナドープ層7は、In0.52Al0.48Asスペ
ーサ層6を形成した後にSiをシートキャリア濃度ns
=8×1012cm-2だけドープすることにより形成したも
のである。また、In0.52Al0.48Asショットキー層
8の厚さは20nm、In0.53Ga0.47Asキャップ層
9の厚さは20nmである。In0.53Ga0.47Asキャ
ップ層9はSiがnd =1×1019cm-3だけn型ドープ
されている。プレーナドープ層7およびキャップ層9以
外の層は全てノンドープとしている。
【0033】ここで、チャネル層4の構成材料であるI
0.8 Ga0.2 Asと、プレーナドープ層7の構成材料
であるIn0.52Al0.48Asとは、表1で示したよう
に、そのバンドギャップがIn0.8 Ga0.2 As(チャ
ネル層4)の方が小さく、プレーナドープ層7より供給
された電子が走行することができるようになっている。
【0034】また、図1のInP基板1の表面からは光
(赤外光)L1,L2が、また、裏面からは光(赤外
光)L3が照射されるようになっている。ここで、基板
1の構成材料であるInPはそのバンドギャップが照射
する赤外光の波長によって決まるエネルギーよりも大き
くなっている。また、チャネル層4に隣接して配置され
る光吸収層3においては、その構成材料であるIn0.53
Ga0.47Asのバンドギャップが照射する赤外光L1〜
L3の波長によって決まるエネルギーよりも小さく、赤
外光L1〜L3の少なくとも一部が到達した際にはこの
光により電子とホールが生成するようになっている。
【0035】この積層体の上面には溝(リセス)10が
形成され、この溝10はその深さ方向においてIn0.53
Ga0.47Asキャップ層9を貫通しIn0.52Al0.48
sショットキー層8に達している。つまり、溝10の底
部にはIn0.52Al0.48Asショットキー層8が露出し
ている。より詳しい溝10の底部の位置は、ショットキ
ー層8の表面から5nm下である。この溝10の底部に
はゲート電極11が配置されている。
【0036】また、In0.53Ga0.47Asキャップ層9
の上面においてゲート電極11を挟むようにソース電極
12とドレイン電極13とが配置されている。次に、こ
のように構成した光応答型HEMTの作用を説明する。
【0037】トランジスタに、波長1310nmや15
50nmの赤外光L1〜L3を入射させた場合、バンド
ギャップと光のエネルギーの関係から、InAlAsで
構成された層2,6,7,8およびInP基板1は光が
透過し、InGaAsで構成された層3,4,5,9は
光が吸収される。
【0038】より詳しくは、表面から赤外光L1が入射
すると、つまり、ゲート電極11の近傍からトランジス
タに入射した場合には、光はまずInGaAsスペーサ
層5とチャネル層4で一部が吸収され、残りの光はIn
GaAs光吸収層3に達し、吸収される。また、表面か
ら赤外光L2が入射すると、つまり、InGaAsキャ
ップ層9から入射した場合には、光は、一部がこのキャ
ップ層9で吸収された後、残りの光がスペーサ層5とチ
ャネル層4で一部が吸収され、その残りの光が光吸収層
3で吸収される。
【0039】これとは別に、裏面から赤外光L3が入射
すると、光は、InP基板1およびInAlAsバッフ
ァ層2に関しては光を透過し、InGaAs光吸収層3
によって吸収される。さらに、光吸収層3にて吸収され
なかった光は、InGaAsチャネル層4およびInG
aAsスペーサ層5、さらにはInGaAsキャップ層
9によっても吸収することができる。
【0040】ここで、裏面から光L3を入射させる本例
においては、基板1の裏面の加工状態を良好に保つべ
く、基板表面と同様に裏面に関しても鏡面研磨加工を施
し、光の乱反射を防止している。
【0041】図1の構造体に対し、光が照射された場合
のトランジスタ特性の変動について、図5を用いてさら
に詳しく説明する。図5は、図1のゲート電極11直下
のバンド構造を模式的に示したものである。照射する波
長が1310nmや1550nmの赤外光の場合、前述
したようにInGaAsで構成されたチャネル層4、ス
ペーサ層5、光吸収層3の各層によって光が吸収され、
他の層では透過する。
【0042】ここで、光吸収層3で光が吸収された場合
を例にとると、光の吸収により電子とホールが生成され
る。生成された電子とホールは、それぞれポテンシャル
の低い部分に移動するため、この構造においては主とし
てチャネル層4内に移動することになる。その結果、元
々チャネル層4に蓄積されているキャリアの量を増加さ
せることになり、トランジスタ内部の電位分布を変動さ
せるとともに、チャネルのコンダクタンスにも影響を与
える。これらの現象は、トランジスタ外部から観察する
と、ゲート容量の変化や増幅率の変動等、高周波特性の
変動となって現れることになる。
【0043】図5では、便宜上、光吸収層3で光が吸収
された場合のメカニズムについて説明したが、チャネル
層4やスペーサ層5で光が吸収された場合にも、同じ現
象が発生し、トランジスタの高周波特性が変動する。
【0044】なお、光吸収層3の膜厚に関しては、膜厚
が厚いほど光の吸収効率が高くなることはいうまでもな
いが、あまり厚くすると、図10に示した従来の構造の
トランジスタに比べてピンチオフ電圧が負側にずれた
り、相互コンダクタンスが低下して高周波利得の減少を
もたらしたりするデメリットが発生するため、このトラ
ンジスタを用いる回路の性能を満足する範囲でなるべく
厚く設定すればよい。
【0045】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)高電子移動度トランジスタ(HEMT)に、照射
した光を吸収できる光吸収層3を設け、HEMTの表面
から照射した光L1,L2の少なくとも一部が、該光吸
収層3に達するように構成し、さらに、この光吸収層3
のバンドギャップを、照射する光のエネルギーよりも小
さくして、確実に光を吸収できるように構成した。よっ
て、光吸収層3に光が達すると、光吸収層3内では電子
とホールが生成され、生成された電子はトランジスタ内
部の電界によってチャネル層4内に移動し、チャネル層
4に蓄積される電子量を増加させる。その結果、トラン
ジスタの増幅率の変動や、ゲート電極11に発生するキ
ャパシタンス容量の変動が発生し、高周波特性を変動さ
せることができる。
【0046】従って、このような構成をとることによ
り、従来の光照射を考慮しないトランジスタに比べ、光
の吸収効率を高め、光による高周波特性制御の感度を高
めることができる。 (ロ)InP基板1のバンドギャップを照射する光のエ
ネルギーよりも大きくして光が透過するように設計しト
ランジスタの裏面から光L3を照射できるようにした。
さらに光吸収層3を配置し、裏面から照射した光L3の
少なくとも一部がこの光吸収層3に達するように構成し
た。また、光吸収層3のバンドギャップは、照射する光
のエネルギーよりも小さくして、確実に光を吸収できる
ように構成した。このような構成をとることにより、
(イ)の作用・効果に加え、従来のトランジスタに比
べ、光による高周波特性制御の感度を高めるとともに、
トランジスタの裏面から光を照射することができるた
め、光通信からマイクロ波/ミリ波通信へのインターフ
ェースを作製する場合に、素子を配置しやすくなる。 (ハ)InP基板1から表面に向かって、光吸収層3、
チャネル層4、プレーナドープ層(電子供給層)7の順
で積層した。この構成をとることにより、マイクロ波や
ミリ波回路で一般に用いられている従来構造のHEMT
の膜構成と類似の構成でトランジスタを作製できるた
め、従来構造の高周波特性をほとんど損なうことなく、
光に対する制御感度のみを高くすることができる。 (ニ)半導体基板1をInPで、プレーナドープ層(電
子供給層)7をInAlAsで、チャネル層4および光
吸収層3をInGaAsで、それぞれ構成した。この構
成をとることにより、従来から周波数の高いミリ波帯で
特に優れた性能を持つInAlAs/InGaAs H
EMTの特性を活かして、光で制御できるトランジスタ
を作製することができる。 (第2の実施の形態)次に、第2の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0047】図2には、本実施の形態における光応答型
HEMTの断面模式図を示す。トランジスタの構成要素
と膜厚は図1に示した第1の実施形態と同じであり、膜
を積層する順番が異なっている。以下にはこの膜の積層
順のみ説明する。
【0048】InP基板1上に、InAlAsバッファ
層2、InAlAsプレナードープ層7、InAlAs
スペーサ層6、InGaAsスペーサ層5、InGaA
sチャネル層4、InGaAs光吸収層3、InAlA
sショットキー層8、n−InGaAsキャップ層9が
順に積層されている。ソース電極12およびドレイン電
極13はキャップ層9上に、ゲート電極11はショット
キー層8を5nmエッチングした表面上にそれぞれ配置
されている。
【0049】このように、本実施形態は、図1の第1の
実施形態の構造をほぼ逆さに重ねた構造をとり、いわゆ
る逆HEMTを構成したものである。従って、トランジ
スタの動作原理や光を入射した場合の高周波特性の変動
等も第1の実施形態とほぼ同じ原理で動作する。
【0050】第2の実施形態が第1の実施形態に対して
有利な点は、プレーナドープ層7がゲート電極11から
見て遠い側に位置するため、ゲートのリーク電流が少な
く、耐圧が増加する点、および、光をL1やL2のよう
に表面から入射させた場合に、光吸収層3が表面に近い
側に位置するため、吸収効率が高くなる点である。ま
た、不利な点は、逆HEMT構造をとることにより相互
コンダクタンスがやや低下する点、および裏面から光L
3を入射させた場合には、吸収効率が悪くなる点であ
る。従って、トランジスタを使う目的や、光の照射方法
などによって適宜、第1の実施形態と第2の実施形態の
構造を使い分ければよい。
【0051】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)InP基板1から表面に向かって、プレナードー
プ層(電子供給層)7、チャネル層4、光吸収層3の順
で積層した。この構成をとることにより、光に対する制
御感度を高くできることに加えて、いわゆる逆HEMT
といわれる構造を実現できるために、トランジスタの耐
圧を高くすることができる。 (第3の実施の形態)次に、第3の実施の形態を、第1
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0052】図3には、本実施の形態における光応答型
HEMTの断面模式図を示す。トランジスタを構成する
膜の種類や膜厚、積層の順番、電極の形成方法などは図
1の第1の実施形態とほとんど同じであり、唯一InG
aAs光吸収層3とInGaAsチャネル層4との間
に、膜厚5nmのInAlAsバリア層20が挿入され
ている点が異なる。このバリア層20は、In0.52Al
0.48Asよりなり、In0.8 Ga0.2 Asチャネル層4
とIn0.53Ga0.47As光吸収層3の両方の層よりもバ
ンドギャップが大きく(表1参照)、かつ、電子がトン
ネルによって通過できる厚みとなっている。
【0053】照射する光が赤外線の場合には、このIn
AlAsバリア層20は光を透過するため、光吸収の面
ではなんら特性に影響することはなく、主として電子と
ホールの分布を制御し、トランジスタの高周波動作の妨
げとなるホールがチャネル層4に流入するのを防止する
効果がある。
【0054】図5の第1の実施形態に関する説明で述べ
たように、半導体層で光が吸収された場合には電子とと
もに同数のホールも生成される。ここで、移動度の高い
電子は、トランジスタ(HEMT)の多数キャリアとし
て振る舞い、チャネル内を高速に移動して高周波信号を
伝達する役割を担う。これに対しホールは電子に比べて
移動度が低いため、チャネル内に多数存在するとチャネ
ル内のキャリアの平均的な移動速度を下げてしまう。さ
らに、チャネル層4以外、例えば光吸収層3内で発生し
たホールがチャネル層4に移動する速度も遅いため、光
を受けてから、高周波特性に影響を及ぼすまでの時間も
長くかかってしまう。また、一部のホールがチャネル内
で電子と再結合してキャリアの量を減少させてしまうと
いう問題も発生する可能性がある。以上の現象は、特に
光が強く、光吸収層3内で多数のホールが発生する場合
に顕著になる問題である。
【0055】第3の実施形態のバリア層20は、このよ
うな第1の実施形態で懸念される問題を解決する構造で
ある。この点を、図6を用いてさらに詳しく説明する。
この図6は図3に示した本例において、ゲート電極11
直下のバンド構造を模式的に示したものである。
【0056】バリア層20の膜厚は、予め電子がトンネ
ルできる程度の膜厚に設定されている。従って、光を照
射することによって、光吸収層3内で発生した電子とホ
ールのうち電子はバリア層20をトンネルしてチャネル
層4に到達する。一方、ホールは電子に比べて有効質量
が大きく、トンネル確率が低いため、バリア層20をほ
とんど透過することができず、光吸収層3内にとどま
る。従って、光吸収層3内で発生したホールがチャネル
層4に達することはなく、上述したようなホールによる
悪影響を防止することができる。
【0057】もちろん、チャネル層4やInGaAsス
ペーサ層5で光が吸収された場合には、ホールが発生す
るが、予め光吸収層3で十分光を吸収するように設計し
ていれば、全体のキャリア量から考えればホールの影響
を小さく保つことができる。
【0058】以上のことから、この第3の実施形態は、
光吸収層3を厚めに設定するか、あるいは光の強度を強
く設定し、光吸収層3でのホールの発生量が多い場合、
特に、光を裏面から入射させることにより、入射した光
の大半を光吸収層3で吸収する場合に有効となる構造で
ある。
【0059】このように、本実施の形態は、下記の特徴
を有する。 (イ)チャネル層4と光吸収層3との間にバンドギャッ
プの大きいバリア層20を挿入し、このバリア層20の
膜厚を電子がトンネルによって通過できる厚みに設定し
た。よって、光の照射によって光吸収層3内に生成され
た電子とホールのうち、ホールがチャネル層4に移動す
る現象を抑制することができる。その結果、ホールが電
子と再結合し、電子の量を減少させて高周波性能を悪化
させる現象や、あるいは電子に比べて移動度の低いホー
ルが信号の伝達に携わることによって、光に対する応答
速度が低下する現象等を防止することができる。 (ロ)半導体基板1をInPで、プレーナドープ層(電
子供給層)7およびバリア層20をInAlAsで、チ
ャネル層4および光吸収層3をInGaAsで、それぞ
れ構成した。この構成をとることにより、InAlAs
/InGaAsHEMTの優れた高周波特性を活かし
て、光で制御できるトランジスタを作製することができ
る。 (第4の実施の形態)次に、第4の実施の形態を、第3
の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0060】図4には、本実施の形態における光応答型
HEMTの断面模式図を示す。この第4の実施形態は、
図3で説明した第3の実施形態の膜の積層順を逆にし
て、逆HEMTを構成した例に相当する。すなわち、第
1の実施形態の膜積層順を逆にして第2の実施形態を構
成したのと同様の効果を狙ったものであり、第4の実施
形態は、第3の実施形態の積層順を逆にしたもの、ある
いは第2の実施形態において光吸収層3とチャネル層4
との間にバリア層20を挿入したものと考えることがで
きる。
【0061】第4の実施形態における膜の構成要素は、
第3の実施形態と同じため、バリア層20の効果も第3
の実施形態と同じく、光吸収層3で発生したホールが、
チャネル層4に達することによる悪影響を回避すること
ができる。
【0062】また、第4の実施形態が第3の実施形態に
対して有利な点は、逆HEMT構造をとることによる耐
圧の向上と、表面から光L1,L2を当てた場合の光吸
収効率が優れる点であり、不利な点は、相互コンダクタ
ンスがやや低下する点と、裏面から光L3を当てた場合
の効果が少ない点である。やはり、このトランジスタを
使う用途に応じて、第3の実施形態と第4の実施形態と
を使い分ければよい。
【0063】さらに、バリア層20を入れた構造(第3
および第4の実施形態)とバリア層20を入れない構造
(第1および第2の実施形態)との比較に関しては、上
述したように光吸収層3が厚い場合や光の強度が強い場
合など、光吸収層3でのホール発生量が多い場合に、バ
リア層20を入れた構造が有効である。これに対し、バ
リア層20を電子がトンネルするときの確率を完全に1
00%にはできない(すなわち一部の電子がチャネルに
達することができない)ことを考えると、光が弱く、光
吸収層3内であまり多数の電子およびホールが生成され
ない場合には、バリア層20がない方がかえって電子の
寄与率が多くなり、光に対する高周波特性の制御感度が
高くなることも考えられる。 (第5の実施の形態)次に、第5の実施の形態を、第1
〜第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0064】この第5の実施形態は、第1〜第4の実施
形態で説明したような、光による高周波の制御効率を改
善したトランジスタを用いて、電圧制御発振器(VC
O)のモノリシックマイクロ波IC(MMIC)を作製
した例である。この実施形態の回路図を図7に示す。
【0065】図7に示すように、VCOは発振回路30
にバッファアンプ40を接続した構成をなし、発振回路
30にはトランジスタ31が、バッファアンプ40には
トランジスタ41が接続されている。また、周波数を制
御するための電圧は、抵抗32を介してトランジスタ3
1に加わるようにしている。
【0066】トランジスタ31および41には、光によ
って高周波特性が制御可能なトランジスタで、かつ光吸
収層を用いて光に対する制御効率を高めたトランジスタ
を用いており、例えば図1〜図4に示したような、第1
〜第4の実施形態のものを用いている。
【0067】以下では、このうち、トランジスタとして
図1のトランジスタ、あるいは図3のトランジスタを用
いた場合の特性について説明する。図8は、図7で説明
したVCOのMMICにおいて、発振回路30に内蔵さ
れたトランジスタ31に、半導体基板の裏面より光L3
(図1,3参照)を照射した場合の、発振周波数の変動
量を測定した結果である。トランジスタとしては、図1
のトランジスタ、図3のトランジスタに加え、比較のた
めに図10の従来のトランジスタについても測定を行っ
た。照射した光は、半導体レーザの光をシングルモード
の光ファイバを用いて半導体基板の裏面に導いたもので
あり、波長は1550nm、強度は2mW、ビームの径
は10μm程度である。
【0068】図8において、横軸はVCOに加える制御
電圧、縦軸は発振周波数の変動量(光を当てない場合の
発振周波数−光を当てた場合の発振周波数)を示す。な
お、これらのVCOの光を当てない場合の発振周波数は
おおよそ38GHzである。
【0069】図8から分かるように、図10のトランジ
スタを用いた場合、光を当てた場合の周波数の変動量が
−20〜−40MHz程度であるのに対し、図1,3の
トランジスタを用いた場合には、いずれのトランジスタ
でも周波数変動量が−100〜−180MHz程度と、
飛躍的に大きくなっており、図1,3のトランジスタを
用いることにより、光によるミリ波の変調効率を高くで
きることが分かる。
【0070】なお、上記の実験では、発振回路30のト
ランジスタ31に光を照射することにより、光によって
ミリ波の周波数を制御する、即ち周波数変調を行う場合
について示したが、回路の構成や、光を照射する場所に
よっては他の変調方式を実現することも可能である。例
えば、図7の回路において、バッファアンプ40のトラ
ンジスタ41に光を照射した場合には、振幅変調や位相
変調を加えることができる。 (第6の実施の形態)次に、第6の実施の形態を、第1
〜第5の実施の形態との相違点を中心に説明する。図9
は、本実施形態における光/高周波信号処理装置を示す
図である。光/高周波信号処理装置は、光を照射するこ
とにより特性が変動する素子を有するモリノリシックマ
イクロ波集積回路(MMIC)50と、このMMIC5
0の表面より光を照射するための光ファイバ(光照射部
材)54を備えている。
【0071】モリノリシックマイクロ波集積回路(MM
IC)50には、光によって特性が変動する素子として
のトランジスタ51と、このトランジスタ51の半導体
膜の構造と同様の材質を用いた抵抗52,53等が配置
されている。トランジスタ51は図1〜図4に示した構
造となっている。このトランジスタ51と受動回路構成
素子としての抵抗52,53がInP基板1上に集積さ
れている。
【0072】図9において、MMIC50のトランジス
タ51の上方には光ファイバ54が配置され、光ファイ
バ54の下端(開口部)がトランジスタ51を向いてい
る。光ファイバ54の先端には、球状に加工した先球レ
ンズ55が取り付けられている。この先球レンズ55に
より、光ファイバ54から放出された光L10はトラン
ジスタ51のみに集光され(トランジスタ51のみに光
が照射され)、他の素子(例えば、抵抗52,53)等
には照射されないようになっている。
【0073】このように、第1〜第4の実施形態のトラ
ンジスタを用いて、アンプや位相器等の回路を備えたM
MICを作製した場合でも、トランジスタ部分に光を照
射することにより、それぞれ振幅変調や位相変調を加え
ることが可能となる。
【0074】なお、図9において、高周波用のコネクタ
56によりMMIC50と外部とが接続されている。こ
のように本実施形態は、下記の特徴を有する。 (イ)図1〜図4のいずれかの構成のHEMTを用い
て、InP基板1上に受動回路と共に集積されるモノリ
シックマイクロ波集積回路を作製したので、光通信から
マイクロ波/ミリ波の通信へのインターフェース回路を
より小型に、簡便に、低コストで作製することが可能と
なる。 (ロ)モノリシックマイクロ波集積回路における光応答
型HEMTの形成部分のみに光を選択的に照射したの
で、集積回路上に位置するトランジスタ51以外の素子
52,53が光によって特性変動を受け、集積回路の光
による変調特性に悪影響を及ぼす現象を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態における光応答型HEMT
の断面図。
【図2】 第2の実施の形態における光応答型HEMT
の断面図。
【図3】 第3の実施の形態における光応答型HEMT
の断面図。
【図4】 第4の実施の形態における光応答型HEMT
の断面図。
【図5】 第1の実施の形態における光応答型HEMT
の動作原理説明図。
【図6】 第3の実施の形態における光応答型HEMT
の動作原理説明図。
【図7】 第5の実施の形態における光応答型HEMT
を備えたVCOの回路構成図。
【図8】 第5の実施の形態における周波数変動量の測
定結果を示す図。
【図9】 第6の実施の形態における装置を示す図。
【図10】 従来技術によるHEMTの断面図。
【符号の説明】
1…InP基板、2…In0.52Al0.48Asバッファ
層、3…In0.53Ga0. 47As光吸収層、4…In0.8
Ga0.2 Asチャネル層、5…In0.53Ga0.47Asス
ペーサ層、6…In0.52Al0.48Asスペーサ層、7…
In0.52Al0.48Asプレーナドープ層、8…In0.52
Al0.48Asショットキー層、9…In0. 53Ga0.47
sキャップ層、20…InAlAsバリア層、50…モ
リノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)、51…
トランジスタ、52…抵抗、53…抵抗
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−140435(JP,A) 特開 平1−114082(JP,A) 特開 平7−131056(JP,A) IEEE TRANSACTIONS ON MICROWAVE THEO RY AND TECHNIQUES, 米国,Vol.MTT−35,No.12, p.1444−1455 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 27/095 H01L 29/778 H01L 29/812 H01L 31/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 裏面から光が照射され、バンドギャップ
    が照射する光の波長によって決まるエネルギーよりも大
    きい半導体基板と、 前記半導体基板上に形成され、不純物をドープした電子
    供給層と、 前記半導体基板上に形成され、前記電子供給層よりもバ
    ンドギャップが小さい材質で構成され、電子供給層より
    供給された電子が走行するチャネル層と、 前記半導体基板上において前記チャネル層に隣接して配
    置され、バンドギャップが照射する光の波長によって決
    まるエネルギーよりも小さい光吸収層と、 を備え、 前記各々の層を、前記半導体基板から表面に向かって、
    電子供給層、チャネル層、光吸収層の順で積層し、裏面 から照射した光の少なくとも一部が前記光吸収層に
    到達して当該光により電子とホールが生成するようにし
    たことを特徴とする光応答型高電子移動度トランジス
    タ。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板はInP基板であり、前
    記電子供給層はInAlAsであり、前記チャネル層お
    よび光吸収層はInGaAsであることを特徴とする請
    求項1に記載の光応答型高電子移動度トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記チャネル層と前記光吸収層との間
    に、両方の層よりもバンドギャップが大きく、かつ、電
    子がトンネルによって通過できる厚みのバリア層を挿入
    したことを特徴とする請求項1に記載の光応答型高電子
    移動度トランジスタ。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板はInP基板であり、前
    記電子供給層およびバリア層はInAlAsであり、前
    記チャネル層および光供給層はInGaAsであること
    を特徴とする請求項3に記載の光応答型高電子移動度ト
    ランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記半導体基板上に受動回路と共に集積
    されるモノリシックマイクロ波集積回路に用いたことを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光応答
    型高電子移動度トランジスタ。
  6. 【請求項6】 前記モノリシックマイクロ波集積回路に
    おける光応答型高電子移動度トランジスタの形成部分の
    みに光を選択的に照射したことを特徴とする 請求項5
    記載の光応答型高電子移動度トランジスタ。
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