JP3370781B2 - 印刷インキ用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

印刷インキ用ポリアミド樹脂組成物

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JP3370781B2
JP3370781B2 JP15284394A JP15284394A JP3370781B2 JP 3370781 B2 JP3370781 B2 JP 3370781B2 JP 15284394 A JP15284394 A JP 15284394A JP 15284394 A JP15284394 A JP 15284394A JP 3370781 B2 JP3370781 B2 JP 3370781B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は印刷インキ用ポリアミド
樹脂に関する。さらに詳しくは、プラスチックフイルム
や金属箔を印刷対象物とする表刷り特殊グラビア印刷イ
ンキ(以下、グラビアインキと記す)用ポリアミド樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビアインキの組成は、通常ポリアミ
ド樹脂あるいはポリウレタン樹脂と、硝化綿、アルキル
チタネート等の有機金属配位化合物、着色料(顔料や染
料)及び必要によりワックス等の添加剤からなってい
る。近年、グラビアインキには高速自動包袋機の普及に
より、高温でのヒートシールに耐える耐熱性(以下、本
特性をヒートシール耐熱性と記す)、未処理ポリオレフ
インフイルムに対する接着性及び高速印刷適性等が要求
されるようになっている。従来から、グラビアインキに
用いられているポリアミド樹脂としては、一般的なポ
リアミド樹脂として、重合脂肪酸、炭素数2〜18の脂
肪族モノカルボン酸およびポリアミンからなる縮合重合
物が知られている。また、ヒートシール耐熱性を向上す
る手段としては、構成成分の1部にアルカノールアミ
ン、ポリオール、ヒドロキシ脂肪族モノカルボン酸等を
使用し、分子中に水酸基を導入してヒートシール耐熱性
や耐揉み性を向上させたポリアミド樹脂(例えば特開昭
63−90583号、特開昭63−90584号及び特
開平1−279985号各公報);樹脂分濃度35重
量%の溶液粘度が180〜1000CPS/25℃〔溶
剤:トルエン/イソプロパノール=2/1(重量比)〕
のポリアミド樹脂に硝化綿及びキレート剤を配合してヒ
ートーシール耐熱性および密着性を向上させた印刷イン
キ用ビヒクル(特開平5−295313号公報)等が知
られている。更に、コロナ処理等で表面処理をしない未
処理プラスチックフイルムに対する接着性の良いプラス
チック印刷インキ用ビヒクルとしては、ポリアミド樹
脂と硝化綿及びロジンエステル類を配合してなるもの
(特開昭58ー122976号公報)等が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
のポリアミド樹脂は、通常ヒートシール耐熱性を高くす
るには硝化綿を多く配合する必要があり、光沢が低下し
且つ、未処理ポリオレフインフイルムに対する接着性が
発現しなくなる;のポリアミド樹脂のヒートシール耐
熱性はより優れているが、高速印刷適性が劣る;の
ポリアミド樹脂を配合したインキ用ビヒクルはヒートシ
ール耐熱性に優れているが、粘度が高く、高速印刷を目
的としたインキのハイソリッド化が困難である;の印
刷インキ用ビヒクルは、未処理プラスチックフイルムに
対する接着性を向上させるが、通常のポリアミド樹脂を
使用した場合には、ヒートシール耐熱性の向上効果は認
められず、ロジンエステルの種類や配合量によっては低
下する;等の問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、カルボン酸成
分として重合脂肪酸、炭素数2および/または3の脂肪
族モノカルボン酸および炭素数12〜22の飽和脂肪族
モノカルボン酸を特定範囲の比率で組み合わせて用い、
且つ、微量融点測定法による融点および樹脂分濃度40
重量%溶液〔溶剤組成:トルエン/イソプロピルアルコ
ール=2/1(重量比)〕の20℃での粘度が特定の範
囲内にあるポリアミド樹脂組成物が、硝化綿やアルキル
チタネートと併用するグラビアインキにおいて、従来の
ポリアミド樹脂より優れたヒートシール耐熱性、乾燥
性、耐油性および未処理ポリオレフインフイルム対する
接着性を付与することを見い出し、本発明に到達した。
即ち本発明は、重合脂肪酸(A)、炭素数2および/ま
たは3の脂肪族モノカルボン酸(B)、炭素数12〜2
2の飽和脂肪族系モノカルボン酸(C)、ポリアミン
(D)からなるポリアミド樹脂において、〔(B)+
(C)〕の比率が全カルボン酸成分の15〜35当量%
であり、且つ、(C)の量が全モノカルボン酸成分の3
〜20当量%であって、110〜150℃の微量融点測
定法による融点と、30〜120CPS(20℃)の溶
液粘度〔樹脂濃度:40重量%,溶剤組成:トルエン/
イソプロピルアルコール=2/1(重量比)〕を有する
ことを特徴とする印刷インキ用ポリアミド樹脂組成物で
ある。
【0005】本発明において、重合脂肪酸(A)として
は、オレイン酸やリノール酸等の不飽和脂肪酸またはこ
れらの低級アルキル(炭素数1〜3)エステルを重合し
たもので、ダイマー酸とも呼ばれる下記のごとき組成の
ものが挙げられる。(数値は重量%) 炭素数18の一塩基酸 :0〜15%(好ましくは0〜10%) 炭素数36の二塩基酸 :60〜99%(好ましくは70〜99%) 炭素数54の三塩基酸 :0〜30%(好ましくは0〜20%) 該(A)を構成する重合脂肪酸の1部を他の二塩基酸ま
たはその低級アルキルジエステル(炭素数1〜3)に置
き換えても良い。この二塩基酸またはそのアルキルジエ
ステルとしては、下記一般式 R1OOCRCOOR1 (1) (式中、Rは炭素数2〜20の脂肪族、芳香族または脂
環族のジカルボン酸残基を表し、R1は水素または炭素
数1〜3のアルキル基を表す。)で示される化合物が挙
げられる。重合脂肪酸に対する該一般式(1)の化合物
の比率は通常20当量%以下、好ましくは10当量%以
下であり、20当量%を超えて使用すると溶解性や接着
性を低下させる。
【0006】本発明において、炭素数2〜3の脂肪族系
モノカルボン酸(B)としては酢酸およびプロピオン酸
が挙げられ、これらは単独もしくは任意の割合で併用す
ることができる。炭素数が2未満では耐水性が低下し3
を超えると耐油性およびヒートシール耐熱性が低下す
る。
【0007】炭素数12〜22の飽和脂肪族系モノカル
ボン酸(C)としては、ラウリン酸、トリデカン酸、ミ
リスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、マルガリ
ン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラギン酸、ベヘ
ン酸などが挙げられ、好ましいものは炭素数14〜18
の飽和脂肪族系モノカルボン酸である。(C)の炭素数
が12未満では乾燥性の向上効果が認められず、22を
超えると低温安定性が低下し、冬期にインキが固化する
問題が起こる。これらの飽和脂肪族系モノカルボン酸は
単独もしくは二種以上を任意の割合で併用することがで
きる。また、炭素数12〜22の飽和脂肪族モノカルボ
ン酸を多く含有する天然の動植物油類を原料とした混合
脂肪酸も使用でき工業用原料として有利である。好まし
いものとしては、炭素数12〜22の飽和脂肪族系モノ
カルボン酸を40重量%以上含有するもの、例えばパー
ム油脂肪酸、椰子油脂肪酸、カカオ脂脂肪酸、牛脂脂肪
酸等が挙げられる。炭素数12〜22の飽和脂肪族系モ
ノカルボン酸の含量が40重量%未満のものではヒート
シール耐熱性、乾燥性が低下する。
【0008】本発明における(B)と(C)の合計の使
用量は、全カルボン酸成分に対して通常15〜35当量
%、好ましくは20〜30当量%である。〔(B)+
(C)〕の使用量が15当量%未満では融点が低くな
り、且つ、40%溶液の粘度が高くなり、ヒートシール
耐熱性、乾燥性、未処理ポリオレフインフイルムに対す
る接着性の向上効果が低下し、35当量%を超えると耐
揉み性が損なわれる。また、(C)の使用量は、全モノ
カルボン酸に対して通常3〜20当量%、好ましくは5
〜15当量%である。(C)の使用量が、3当量%未満
ではヒートシール耐熱性、乾燥性、未処理ポリオレフイ
ンフイルムに対する接着性の向上効果が低下し、20当
量%を超えると耐油性や光沢が損なわれ、且つ、冬期に
インキが固化する問題が起こる。
【0009】本発明において、ポリアミン(D)として
は、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミンおよび芳香族
ポリアミンが挙げられる。脂肪族ポリアミンとしてはエ
チレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ン等が挙げられる。脂環式ポリアミンとしてはイソホロ
ンジアミン、シクロヘキシレンジアミン等が挙げられ、
芳香族ポリアミンとしてはジアミノフエニルメタン、キ
シリレンジアミン等が挙げられる。これらのポリアミン
のうち特に好ましいものはエチレンジアミンであり、他
のポリアミンと併用する場合は全ポリアミン中の70当
量%以上用いることが好ましい。エチレンジアミンが7
0当量%未満ではポリアミド樹脂の融点や溶解性を低下
させる。
【0010】本発明のポリアミド樹脂組成物は、酸価が
通常20以下、好ましくは18以下であり、全アミン価
が通常7以下、好ましくは5以下である。酸価が20を
超えたり、全アミン価が7を超えたポリアミド樹脂組成
物は、被膜強度や軟化点が低くなったり、ヒートシール
耐熱性や光沢が低下する傾向があり好ましくない。
【0011】本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常の
重合脂肪酸系ポリアミド樹脂の合成方法と同じ方法で製
造することができる。反応温度は、通常160〜250
℃、好ましくは180〜230℃である。アミド化縮合
重合反応は着色を防止するため窒素ガス等の不活性ガス
中で行うことが好ましく、反応末期には反応の完結ある
いは揮発性成分の除去を促進するため、反応を減圧下で
行ってもよい。また、アミド化縮合重合反応後に、トル
エンとメチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
芳香族系とアルコール系との混合溶剤で反応生成物を希
釈して溶液状にすることもできる。
【0012】このようにして得られたポリアミド樹脂組
成物は淡黄褐色の固体で、酸価が通常20以下、全アミ
ン価が通常7以下であり、微量融点測定法による融点
(以下、単に融点という)が通常110〜150℃、好
ましくは120〜140℃である。融点が110℃未満
ではヒートシール耐熱性、乾燥性が低下し、150℃を
超えるとインキにしたときの低温安定性が低下する。該
ポリアミド樹脂の40重量%溶液〔溶剤組成:トルエン
/イソプロピルアルコール=2/1(重量比)〕の粘度
(20℃)は通常30〜120CPS、好ましくは40
〜100CPSである。40重量%溶液の粘度が30C
PS未満では乾燥性が低下し、120CPSを超えると
ヒートシール耐熱性および未処理ポリオレフインフイル
ムに対する接着性が低下する。
【0013】本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常、
トルエンとメチルアルコール、イソプロピルアルコール
等の芳香族系とアルコール系の混合溶剤に溶解してワニ
ス状として用いたり、樹脂を顔料等と溶融混練してマス
ターバッチとして使用される。 本発明のポリアミド樹
脂組成物は、硝化綿及び有機金属配位化合物を併用する
ことにより、優れたヒートシール耐熱性、乾燥性、未処
理ポリオレフインフイルムに対する接着性及び耐酸化劣
化性をグラビアインキに付与することができる。グラビ
アインキは、例えば本発明のポリアミド樹脂組成物に、
着色剤(顔料や染料)、硝化綿の他に必要に応じて添加
剤としてロジン系、石油系もしくは芳香族系の樹脂類、
可塑剤、有機金属配位化合物、低分子量ポリオレフイン
系もしくは低分子量アミド系のワックス類等を添加し、
ボールミル、サンドミル、ロールミル等の公知のインキ
製造装置を用いて製造される。
【0014】本発明のポリアミド樹脂組成物を使用した
グラビアインキの配合処方の一例を示せば以下の通りで
ある(数値は重量%)。 ポリアミド樹脂組成物:通常10〜30(好ましくは15〜25) 硝化綿 :通常 1〜12(好ましくは2〜6) 顔料 :通常 5〜40(好ましくは10〜30) 添加剤 :通常 0〜15(好ましくは1〜10) 溶剤 :通常40〜70(好ましくは50〜70) 硝化綿とポリアミド樹脂組成物の比率は、通常5:95
〜40:60(重量比)好ましくは10:90〜30:
70(重量比)である。また、有機金属配位化合物の配
合量は、上記組成物の合計100重量部に対して通常
0.5〜3重量部、好ましくは1〜2重量部である。
【0015】本発明のポリアミド樹脂組成物を配合した
グラビアインキの印刷対象物としては、処理および未処
理ポリオレフインフイルム、ポリエステルフイルム、ナ
イロンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、アルミ蒸着
フイルム、金属箔等が挙げられる。これらのうち特に好
ましいものは、処理および未処理のポリオレフインフイ
ルム、ポリエステルフイルム、アルミ蒸着フイルムおよ
び金属箔である。
【0016】グラビアインキにおいて、本発明のポリア
ミド樹脂組成物と併用することのできる有機金属配位化
合物としては、有機チタン配位化合物、有機アルミニウ
ム配位化合物、有機ジルコニュウム配位化合物等が挙げ
られ、好ましいものはアルミニウムトリス(アセチルア
セトネート)、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノール
アミナート)チタン、ジ−iso−プロポキシビス(ア
セチルアセトナート)チタン等である。本発明のポリア
ミド樹脂組成物を用いたグラビアインキの印刷方法は、
プラスチックフイルムや金属箔を印刷対象物とする従来
のグラビアインキの場合と同じであってもよく、最新の
高濃度印刷方法に準ずるものであってもよい。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、特に断りのないかぎり「部」、「%」及び「比
率」は、それぞれ重量部、重量%及び重量比を示す。
【0018】実施例1 温度計、攪拌機、窒素導入管を備えた反応槽に、重合脂
肪酸〔一塩基酸:6〜8%、二塩基酸:74〜77%、
三塩基酸:17〜18%;ハリマ化成(株)製「ハリダ
イマー200」〕244.8部(0.85当量)、酢酸
8.55部(0.1425当量)、ミリスチン酸1.7
1部(0.0075当量)、エチレンジアミン30部
(1当量)を仕込み、窒素ガス雰囲気中、200℃で4
時間反応させ淡褐色固体のポリアミド樹脂組成物(PA
1)を得た。該PA1の分析値および物性値を表1に示
す。
【0019】実施例2 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
30.4部(0.8当量)、酢酸10.2部(0.17
当量)、パルミチン酸7.68部(0.03当量)、エ
チレンジアミン30部(1当量)を仕込み、実施例1と
同じ方法で淡褐色固体のポリアミド組成物(PA2)を
得た。該PA2の分析値および物性値を表1に示す。
【0020】実施例3 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
44.8部(0.850当量)、酢酸8.1g(0.1
35当量)、ステアリン酸4.26部(0.015当
量)、エチレンジアミン30部(1当量)を仕込み、実
施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミド組成物(P
A3)を得た。該PA3の分析値および物性値を表1に
示す。
【0021】実施例4 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
16部(0.75当量)、プロピオン酸14.8部
(0.2当量)、パルミチン酸12.8部(0.05当
量)、エチレンジアミン30部(1当量)を仕込み、実
施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミド組成物(P
A4)を得た。該PA4の分析値および物性値を表1に
示す。
【0022】実施例5 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
16部(0.75当量)、酢酸12部(0.2当量)、
パーム油脂肪酸13.45部(0.05当量)、エチレ
ンジアミン30部(1当量)を仕込み、実施例1と同じ
方法で淡褐色固体のポリアミド樹脂組成物(PA5)を
得た。該PA1の分析値および物性値を表1に示す。
【0023】比較例1 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
30.4部(0.8当量)、酢酸12部(0.2当
量)、エチレンジアミン30部(1当量)を仕込み、実
施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミド樹脂組成物
(PA6)を得た。該PA6の分析値および物性値を表
2に示す。
【0024】比較例2 実施例1と同様の反応槽に、「ハリダイマー200」2
30.4部(0.8当量)酢酸6部(0.1当量)パル
ミチン酸25.6部(0.1当量)、エチレンジアミン
30部(1当量)を仕込み、実施例1と同じ方法で淡褐
色固体のポリアミド樹脂組成物(PA7)を得た。該P
A7の分析値および物性値を表2に示す。
【0025】比較例3 実施例1と同じ反応槽に、「ハリダイマー200」25
9.2部(0.9当量)、酢酸4.8部(0.08当
量)、パルミチン酸5.12部(0.02当量)、エチ
レンジアミン30部(1当量)を仕込み、実施例1と同
じ方法で淡褐色固体のポリアミド樹脂組成物(PA8)
を得た。該PA8の分析値および物性値を表2に示す。
【0026】比較例4 実施例1と同じ反応槽に、「ハリダイマー200」23
0.4部(0.8当量)、オレイン酸56.4部(0.
2当量)、エチレンジアミン30部(1当量)を仕込
み、実施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミド樹脂
組成物(PA9)を得た。該PA9の分析値および物性
値を表2に示す。
【0027】比較例5 実施例1と同じ反応槽に重合脂肪〔一塩基酸:約3%,
二塩基酸:約79%,三塩基酸:約18%;ハリマ化成
(株)製「ハリダイマー250」〕288部(1当
量)、エチレンジアミン24部(0.8当量)を仕込
み、200℃で3時間反応させた。次いでモノエタノー
ルアミン11.3部(0.185当量)を加えて更に2
10℃で4時間反応後、210℃減圧下(10〜50m
mHg)で1時間反応させ、淡褐色固体のポリアミド樹
脂組成物(PA10)を得た。該PA10の分析値およ
び物性値を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 (注) *1および*2:当量% 融点測定方法:微量融点測定装置〔柳本製作所(株)
製〕 粘度測定用試料および測定方法:樹脂分40%〔溶剤組
成;トルエン/イソプロピルアルコール=2/1〕、ブ
ルックフイールド型粘度計〔東京計器(株)製,BL
型〕
【0030】試験例1 前記、実施例1〜5および比較例1〜5で得られた各ポ
リアミド樹脂組成物(PA1〜PA10)の40%溶液
〔溶剤組成;トルエン/イソプロピルアルコール=2/
1〕を作成し、下記の処方でグラビアインキを調製し
た。 (イ)各ポリアミド樹脂組成物40%溶液 : 40部 (ロ)硝化綿20%溶液(注1) : 10部 (ハ)ロジンエステル(注2) : 5部 (ニ)酸化チタン(注3) : 25部 (ホ)ステアリン酸アミド10%溶液(注4): 5部 (ヘ)メチルアルコール : 15部 合計 :100部 (ト)アルキルチタネート(注5) :上記組成物100部に対して 1部
【0031】(注1)硝化綿20%溶液:硝化綿〔ダイ
セル化学工業(株)製「RS−1/4」〕をトルエン/イソ
プロピルアルコール/酢酸エチル=2/1/1に溶解し
たもの。 (注2)ロジンエステル:ハリマ化成(株)製「ハリエ
スターKT2」 (注3)酸化チタン:石原産業(株)製「タイペークR
−630」 (注4)ステアリン酸アミド10%溶液:花王(株)製
「脂肪酸アマイドS」をトルエン/イソピルアルコール
=2/1に加熱溶解後室温に冷却し微分散状にしたも
の。 (注5)アルキルチタネート:日本曹達(株)製「TA
A」
【0032】前記処方に従い、(イ)120g、(ロ)
30g、(ハ)15g、(ニ)75g、(ホ)15g、
(ヘ)45gおよびガラスビーズ(直径約3mm)30
0gを、500mmlの丸缶に仕込み、ペイントコンデ
ショナー(米国、レッドデビル社製)で30分間振盪し
た後、ガラスビーズを取り除いたもの100部に対して
(ト)を1部の割合で配合したものを性能評価用インキ
とした。
【0033】各インキをバーコーター(25ミクロン)
で未処理無延伸ポリプロピレンフイルム(以下、未CP
Pと略記)、コロナ処理ポリエチレンフイルム(以下、
処PEと略記)、コロナ処理延伸ポリプロピレンフイル
ム(以下、処OPPと略記)及びコロナ処理無延伸ポリ
プロピレンフイルム(以下、処CPPと略記)に展色
し、ヘアードライヤー(小泉産業(株)製JD−120
0)で15秒間熱風乾燥後、室温で約20時間放置した
ものを性能評価用試験片とした。但し、乾燥性の評価に
ついては処OPPに熱風乾燥せずに2回重ねて展色した
ものを試験片とした。
【0034】これらの試験片について、下記方法で性能
評価を行った。結果を表3および表4に示した。 (1)ヒートシール耐熱性:処OPPのインキ展色面に
アルミ箔(15ミクロン)を合わせ、熱傾斜式ヒートシ
ーラー〔東洋精機(株)製;TYPE,HG−100〕
で3Kg/cm2×1秒間の条件でヒートシールした直
後にアルミ箔を剥し、インキが剥離しない最高温度を1
0℃間隔で測定した。 (2)乾燥性:処OPPにインキを2回重ねて展色し、
5秒間隔で指触乾燥時間を測定した。 (3)耐油性:処CPPのインキ展色物にサラダ油を塗
布し、室温静置24時間後に、学振型摩擦堅牢度試験機
で50回(荷重:200g)擦りインキの剥離の程度を
目視観察した。 (4)耐セロテープ性:各種フイルムのインキ展色面に
ニチバンセロテープを強く張り着けた直後に、高速でセ
ロテープを剥してインキの剥離の程度を目視観察した。 (5)耐ブロキング性:処OPPのインキ展色面同士を
合わせ、1Kg/cm2の荷重をかけ、50℃×24時
間後に剥し、インキの剥離の程度および剥離抵抗を観察
した。 (6)光沢:処OPPの展色物を光沢計〔日本電色工業
(株)製VG−1D〕を用いて、入射角/反射角=60
゜/60゜の条件で光沢を測定した。 (7)低温安定性:インキを70mlのガラス瓶〔マル
オ硝子(株)製,M−70〕に40g採取、密栓し0℃
に設定したインキュベーターに静置し15時間後流動性
を目視観察した。 各項目の評価結果の表示方法は以下の通りである。 (1)ヒートシール耐熱性:実測温度(℃) (2)乾燥性:実測時間(秒) (3)耐油性:5段階表示、5(良)〜1(不良) (4)耐セロテープ性:同上 (5)耐ブロッキング性:同上 (6)光沢:実測値(%) (7)低温安定性:○:流動性良 , △:半ゲル化状
,×:完全ゲル化状
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明の印刷インキ用ポリアミド樹脂組
成物は、硝化綿およびアルキルチタネート等の有機金属
配位化合物と併用する表刷りグラビアインキバインダー
として、下記の優れた性能をインキに付与する特長を有
する。 (1)ヒートシール耐熱性及び乾燥性が優れており、高
速自動製袋機や高速印刷に対応できるので、印刷のトー
タルコストダウンが可能となる。 (2)耐油性が優れており、バターや植物油を含む菓子
パン、スナック等の包装資材の印刷にも適している。 (3)未処理ポリオレフインフイルムに対する接着性が
優れており、ヒートシール接着強度の向上および包装資
材のコストダウンが可能となる。 上記の効果を奏することから、本発明のポリアミド樹脂
組成物は、特にプラスチックフイルムや金属箔の包装資
材等の印刷に用いられる表刷りグラビアインキ用バイン
ダーとして極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20 C08G 69/00 - 69/50 C08L 77/08

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合脂肪酸(A)、炭素数2および/ま
    たは3の脂肪族モノカルボン酸(B)、炭素数12〜2
    2の飽和脂肪族モノカルボン酸(C)およびポリアミン
    (D)を縮合重合せしめて得られるポリアミド樹脂にお
    いて、〔(B)+(C)〕の比率が全カルボン酸成分の
    15〜35当量%であり、且つ、(C)の量が全モノカ
    ルボン酸成分の3〜20当量%であって、110〜15
    0℃の微量融点測定法による融点と、30〜120CP
    S(20℃)の溶液粘度〔樹脂濃度:40重量%,溶剤
    組成:トルエン/イソプロピルアルコール=2/1(重
    量比)〕を有することを特徴とするグラビア印刷インキ
    用ポリアミド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のポリアミド樹脂組成物及
    び硝化綿を主要構成成分としてなることを特徴とするグ
    ラビア印刷インキ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリアミド樹脂組成物、
    及び芳香族系とアルコール系の混合溶剤を主要構成成分
    としてなることを特徴とするグラビア印刷インキ。
  4. 【請求項4】 プラスチックフイルム及び金属箔を印刷
    対象物とする請求項2または3記載のグラビア印刷イン
    キ。
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