JP3060100B2 - 印刷インキ用バインダー - Google Patents

印刷インキ用バインダー

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JP3060100B2
JP3060100B2 JP15786297A JP15786297A JP3060100B2 JP 3060100 B2 JP3060100 B2 JP 3060100B2 JP 15786297 A JP15786297 A JP 15786297A JP 15786297 A JP15786297 A JP 15786297A JP 3060100 B2 JP3060100 B2 JP 3060100B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は印刷インキ用ポリア
ミド樹脂に関する。さらに詳しくは、特にプラスチック
フイルムや金属箔を印刷対象物とする表刷り特殊グラビ
ア印刷インキ(以下、グラビア印刷インキと称する。)
用のポリアミド樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】グラビア印刷インキの組成は、通常ポリ
アミド樹脂、硝化綿、ロジンエステル等のタッキフアイ
ヤー、アルキルチタネート等の有機金属配位化合物、着
色料(染料や顔料)および必要によりワックス等の添加
剤からなっており、溶剤には良好な流動性を保持するた
めに、ポリアミド樹脂、硝化綿およびタッキフアイヤー
の良溶媒である芳香族系溶剤、アルコールおよびエステ
ルからなる混合溶剤(例えばトルエン、イソプロピルア
ルコールおよび酢酸エチルの混合溶剤)が多く使用され
ている。しかし近年、労働安全衛生や大気汚染防止等の
環境保全の観点から、芳香族系溶剤を使用しない、例え
ばアルコールとエステルの混合溶剤を用いても安定なグ
ラビア印刷インキの開発が強く要望され、主バインダー
として使用されるポリアミド樹脂はアルコールとエステ
ルとの混合溶剤に対し優れた溶解性と溶液低温安定性と
を有することが必要とされている。このような、非芳香
族溶剤型グラビア印刷インキに使用される溶剤として主
バインダーであるポリアミド樹脂と硝化綿の双方に対す
る溶解性、沸点、蒸発速度および価格等の観点からイソ
プロピルアルコールと酢酸エチルとの混合溶剤が一般的
に使用されている。従来から、アルコール可溶性ポリア
ミド樹脂は、主にフレキソ印刷インキ用バインダーとし
て知られており、重合脂肪酸とエチレンジアミンを主原
料としてポリアミド樹脂を製造するに際し、変性剤とし
て、ヒドロキシカルボン酸を用いたもの(例えば特公
昭38−11293号公報);低級脂肪族モノカルボ
ン酸を用いたもの(例えば特公昭40−10068号公
報);長鎖ジアミンを用いたもの(例えば特公平6−
89136号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のポリアミド樹脂は、イソプロピルアルコール単独溶剤
には優れた溶解性と溶液低温安定性を示すが、イソプロ
ピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤において硝化綿
を溶解させるのに必要な酢酸エチルを30重量%以上含
有する混合溶剤に対しては溶解性と溶液低温安定性が不
十分であり、グラビア印刷インキ用バインダーとしては
使用できないという問題点がある。本発明の目的は、酢
酸エチルの含有量が30重量%以上であるイソプロピル
アルコールとの混合溶剤に対して優れた溶解性と溶液低
温安定性を示し、しかも優れたインキ性能をグラビア印
刷インキに付与するポリアミド樹脂を提供することにあ
る。
【0004】本発明者らは、上記課題を解決するグラビ
ア印刷インキ用ポリアミド樹脂について鋭意研究を重ね
た結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、重合脂
肪酸(A)、炭素数1〜4の脂肪族モノカルボン酸
(B)、ポリアミン(C)および(ポリ)ラクトン
(D)を縮合重合せしめて得られるポリアミド樹脂から
なる印刷インキ用バインダー;並びに、バインダーと溶
剤からなる印刷インキにおいて、バインダーとして前記
のポリアミド樹脂からなるバインダーを用い、溶剤とし
て、イソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤を
用いてなることを特徴とする印刷インキである。
【0005】
【発明実施の形態】本発明において、ポリアミド樹脂を
構成する重合脂肪酸(A)としては、例えばオレイン酸
やリノール酸等の不飽和脂肪酸またはこれらの低級アル
キルエステル(炭素数1〜3)を重合した後蒸留精製し
たもので、ダイマー酸とも呼ばれる下記のごとき組成の
ものが挙げられる(数値は重量%)。 炭素数18の一塩基酸:0〜15%(好ましくは0〜1
0%) 炭素数36の二塩基酸:60〜99%(好ましくは70
〜99%) 炭素数54の三塩基酸:0〜30%(好ましくは0〜2
0%) また、重合脂肪酸(A)の不飽和結合にラネーニッケル
等を触媒として水素添加したものも使用できる。該
(A)を構成する重合脂肪酸の一部を必要により他の二
塩基酸またはその低級ジアルキル(炭素数1〜3)エス
テルに置き換えてもよい。この二塩基酸またはその低級
ジアルキルエステルとしては、下記一般式(1)で示さ
れる化合物が挙げられる。 R1OOCRCOOR2 (1) (式中、Rは炭素数2〜20の脂肪族、芳香族または脂
環族のジカルボン酸残基を表し、R1およびR2はそれぞ
れ水素原子または炭素数1〜3のアルキル基を表す。) 重合脂肪酸に対する該一般式(1)で示される化合物の
比率は通常20当量%以下、好ましくは10当量%以下
である。20当量%を超えて使用すると得られるポリア
ミド樹脂の溶解性が低下する。
【0006】本発明において、炭素数1〜4の脂肪族系
モノカルボン酸(B)としては、蟻酸、酢酸、プロピオ
ン酸および酪酸が挙げられ、これらはそれぞれ単独もし
くは任意の割合で混合して使用することができる。該
(B)として特に好ましいものは酢酸およびプロピオン
酸である。また、必要により該(B)の一部を、炭素数
5以上の直鎖もしくは分岐の飽和もしくは不飽和脂肪
酸、天然油脂から得られる混合脂肪酸、芳香族モノカル
ボン酸等に置き換えてもよい。その比率は通常全モノカ
ルボン酸の30当量%以下、好ましくは20当量%以下
である。30当量%を超えて使用すると得られるポリア
ミド樹脂の溶解性が低下する。
【0007】本発明において、ポリアミン(C)として
は、脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミンおよび芳香族
ポリアミンが挙げられる。脂肪族ポリアミンとしては、
エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、プロピレン
ジアミン、イミノビスプロピルアミン、ヘキサメチレン
ジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチルペンタ
メチレンジアミン等が挙げられる。脂環式ジアミンとし
ては、イソホロンジアミン、シクロヘキシレンジアミン
およびジアミノシクロヘキサン等が挙げられる。芳香族
ポリアミンとしては、ジアミノフエニルメタンおよびキ
シリレンジアミン等が挙げられる。これらのポリアミン
のうち特に好ましいものはエチレンジアミンであり、他
のポリアミンと併用する場合は、エチレンジアミンを全
ポリアミン中の50当量%以上用いることが好ましい。
50当量%未満では得られるポリアミド樹脂の熱軟化点
が低下し、印刷物の耐ブロッキング性やヒートシール耐
熱性が低下する。
【0008】本発明において、(ポリ)ラクトン(D)
としては、β−プロピオラクトン、γ−ブチロラクト
ン、δ−バレロラクトン、β−メチル−δ−バレロラク
トン、ε−カプロラクトンおよびこれらのラクトンから
誘導されるポリラクトンが挙げられる。ポリラクトンは
末端基にヒドロキシル基およびカルボキシル基から選ば
れる官能基を少なくとも2個有するものであり、数平均
分子量が通常2000以下であり、好ましくは1000
以下のものである。ポリラクトンの数平均分子量が20
00を超えると、得られるポリアミド樹脂のアルコール
とエステルの混合溶剤に対する溶解性向上効果が低下す
る。上記ラクトンのうち好ましいものは、ε−カプロラ
クトン、δ−バレロラクトンおよびβ−メチル−δ−バ
レロラクトンであり、特に好ましいものはε−カプロラ
クトンである。また、ポリラクトンのうち好ましいもの
は、低分子ジオール(エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、ネオペンチルグリコール等)とε−カプロ
ラクトン、δ−バレロラクトンおよびβ−メチル−δ−
バレロラクトンの1種以上との開環付加重合反応によっ
て得られるポリラクトンジオールであり、特に好ましい
ものはポリカプロラクトンジオールである。本発明にお
ける(D)の使用量は、(A)、(B)、(C)および
(D)の合計重量に基づいて3〜25重量%、好ましく
は5〜20重量%である。(D)の使用量が3重量%未
満では得られるポリアミド樹脂のアルコールとエステル
の混合溶剤に対する溶解性や溶液低温安定性の向上効果
がなく、25重量%を超えると印刷物の耐セロテープ性
やヒートシール耐熱性が低下する。
【0009】本発明の印刷インキ用バインダーに用いる
ポリアミド樹脂(以下、「本発明のポリアミド樹脂」と
記載する)は、酸価が通常20以下、好ましくは15以
下であり、全アミン価が通常7以下、好ましくは5以下
である。酸価が20を超えたり、全アミン価が7を超え
ると得られるポリアミド樹脂の軟化点が低下し、印刷物
の耐ブロッキング性やヒートシール耐熱性が低下する。
【0010】本発明のポリアミド樹脂は、環球式軟化点
測定方法による軟化点が通常80〜170℃であり、好
ましくは90〜150℃である。軟化点が80℃未満で
は印刷物の耐ブロキング性やヒートシール耐熱性が低下
し、170℃を超えると耐セロテープ性が低下する。ま
た、ポリアミド樹脂の重量平均分子量は通常3000〜
30000、好ましくは5000〜20000である。
重量平均分子量が3000未満では印刷物のヒートシー
ル耐熱性が低下し、30000を超えると溶液低温安定
性が低下したり、インキの粘度が高くなるので好ましく
ない。
【0011】本発明のポリアミド樹脂は、通常の重合脂
肪酸系ポリアミド樹脂の合成法と同じ方法で製造するこ
とができる。縮合重合反応の反応温度は、通常160〜
250℃、好ましくは180〜230℃である。反応は
着色を防止するため窒素ガス等の不活性ガス中で行うこ
とが好ましく、反応末期には反応の完結あるいは揮発性
成分の除去を促進するため、反応を減圧下で行ってもよ
い。ポリアミド樹脂の合成に際してのカルボン酸成分と
アミン成分の当量比(カルボキシル基/アミノ基)は、
通常(0.7〜0.97)/1、好ましくは(0.75
〜0.95)/1である。
【0012】本発明のポリアミド樹脂は、通常、炭素数
1〜4の脂肪族アルコール、または該アルコールと酢酸
エステル類、ケトン類、炭素数6〜20の非芳香族系炭
化水素等との混合溶剤に溶解して用いられるが、好まし
い溶剤組成はイソプロピルアルコール:酢酸エチル=
7:3〜3:7(重量比)の混合溶剤である。該イソプ
ロピルアルコールや酢酸エチルの1部を必要により酢酸
プロピル、酢酸ブチル、ケトン類(メチルエチケトン、
メチルイソブチルケトン等)および炭素数6〜20の非
芳香族系炭化水素(シクロヘキサン、N−ヘプタン、パ
ラフイン、イソパラフイン等)に置き換えてもよい。な
お、溶剤にトルエンやキシレン等の芳香族系炭化水素も
併用できるが本発明の趣旨に合致しない。
【0013】また、本発明のポリアミド樹脂は、3本ロ
ール等で顔料等と溶融混練してマスターバッチとしても
使用できる。本発明のポリアミド樹脂は、酢酸エチルの
含有量が通常30重量%以上、好ましくは30〜70重
量%の酢酸エチルを含有するイソプロピルアルコールと
の混合溶剤に対して優れた溶解性と溶液低温安定性とを
示し、硝化綿と併用することにより、優れたインキ性能
を有するグラビア印刷インキを得ることができる。ま
た、本発明のポリアミド樹脂は、前記の非芳香族系溶剤
に可溶であるので、従来のアルコール可溶性ポリアミド
樹脂と同じくフレキソ印刷インキバインダーとしても使
用できる。
【0014】本発明のポリアミド樹脂を用いたグラビア
印刷インキは、着色剤(顔料や染料)および硝化綿の他
に必要に応じてロジン系、石油系もしくは芳香族系の樹
脂類、可塑剤、有機金属配位化合物、低分子量ポリオレ
フイン系もしくは低分子量アミド系のワックス類等を添
加し、ボールミル、サンドミル、ロールミル等の公知の
インキ製造装置を用いて製造される。
【0015】本発明のポリアミド樹脂を使用したグラビ
ア印刷インキの配合処方の一例を示せば以下の通りであ
る(数値は重量%)。 ポリアミド樹脂:通常 18〜27%(好ましくは21〜27%) 硝化綿 :通常 3〜12%(好ましくは3〜9%) 顔料 :通常 5〜40%(好ましくは10〜30%) 添加剤 :通常 0〜15%(好ましくは1〜10%) 溶剤 :通常40〜65%(好ましくは50〜60%) 硝化綿とポリアミド樹脂の重量比率は、通常10:90
〜40:60、好ましくは10:90〜30:70であ
る。また、有機金属配位化合物の配合量は、上記組成物
の合計100重量部に対して通常0.5〜3重量部、好
ましくは1〜2重量部である。
【0016】本発明のポリアミド樹脂を用いたグラビア
印刷インキの印刷対象物としては、コロナ放電処理およ
び未処理ポリオレフインフイルム、ポリエステルフイル
ム、ナイロンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、アル
ミ蒸着フイルム、金属箔等が挙げられる。これらのうち
特に好ましいものは、コロナ放電処理ポリオレフインフ
イルム、ポリエステルフイルム、アルミ蒸着フイルムお
よび金属箔である。
【0017】グラビア印刷インキにおいて、本発明のポ
リアミド樹脂と併用することのできる有機金属配位化合
物としては、有機チタン配位化合物、有機アルミニウム
配位化合物、有機ジルコニウム配位化合物等が挙げら
れ、好ましいものはアルミニウムトリス(アセチルアセ
トネート)、ジ−n−ブトキシビス(トリエタノールア
ミナート)チタンおよびジ−iso−プロポキシビス
(アセチルアセトナート)チタンである。本発明のポリ
アミド樹脂を用いたグラビア印刷インキの印刷方法は、
プラスチックフイルムや金属箔を印刷対象物とする従来
のグラビア印刷インキの場合と同じでよく、また最新の
高濃度印刷方法に準ずるものであってもよい。
【0018】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて、特に断りのないかぎり「部」、「%」および「比
率」は、それぞれ重量部、重量%および重量比を示す。
【0019】実施例1 温度計、攪拌機、窒素導入管、脱水排気管を備えた四ツ
口フラスコに、重合脂肪酸〔一塩基酸:約5%、二塩基
酸:約75%、三塩基酸:約20%:ヘンケルジャパン
製「バーサダイム216」〕172.8部(0.6当
量)、酢酸12部(0.2当量)、オレイン酸14部
(0.05当量)、エチレンジアミン22.5部(0.
75当量)、イソホロンジアミン21.3部(0.25
当量)およびポリカプロラクトンジオール〔水酸基価:
212±5、ダイセル化学工業(株)製「プラクセル2
05」〕22.5部を仕込み、窒素ガス雰囲気中、21
0〜220℃で4時間反応させ淡褐色固体のポリアミド
樹脂(PA1)を得た。該PA1の分析値、物性値およ
び溶液低温安定性を表1に示す。
【0020】実施例2 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
167部(0.58当量)、酢酸13.2部(0.22
当量)、エチレンジアミン24部(0.8当量)、イソ
ホロンジアミン17部(0.2当量)および「プラクセ
ル205」40部)を仕込み、実施例1と同じ方法で淡
褐色固体のポリアミド樹脂(PA2)を得た。該PA2
の分析値、物性値および溶液低温安定性を表1に示す。
【0021】実施例3 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
216部(0.75当量)、蟻酸4.6部(0.1当
量)、酢酸9部(0.15当量)、エチレンジアミン2
7部(0.9当量)、ジエチレントリアミン3.4部
(0.1当量)およびε−カプロラクトン11.4部を
仕込み、実施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミド
樹脂(PA3)を得た。該PA3の分析値、物性値およ
び溶液低温安定性を表1に示す。
【0022】実施例4 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
172.8部(0.6当量)、酢酸9部(0.15当
量)、プロピオン酸3.7部(0.05当量)、エチレ
ンジアミン24部(0.8当量)、イソホロンジアミン
17部(0.2当量)および「プラクセル205」3
9.8部を仕込み、実施例1と同じ方法で淡褐色固体の
ポリアミド樹脂(PA4)を得た。該PA4の分析値、
物性値および溶液低温安定性を表1に示す。
【0023】実施例5 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
158.4部(0.55当量)、酢酸12部(0.2当
量)、iso−酪酸4.4部(0.05当量)、エチレ
ンジアミン24部(0.8当量)、イソホロンジアミン
17部(0.2当量)およびε−カプロラクトン40部
を仕込み、実施例1と同じ方法で淡褐色固体のポリアミ
ド樹脂(PA5)を得た。該PA5の分析値、物性値お
よび溶液低温安定性を表1に示す。
【0024】比較例1 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
230.4部(0.8当量)、酢酸12部(0.2当
量)、エチレンジアミン22.5部(0.75当量)お
よびイソホロンジアミン21.3部(0.25当量)を
仕込み、実施例1と同じ方法で淡褐色固体の比較のポリ
アミド樹脂(PA6)を得た。該PA6の分析値、物性
値および溶液低温安定性を表2に示す。
【0025】比較例2 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
216部(0.75当量)、酢酸15部(0.25当
量)、エチレンジアミン27部(0.9当量)およびジ
エチレントリアミン3.4部(0.1当量)を仕込み、
実施例1と同じ方法で淡褐色固体の比較のポリアミド樹
脂(PA7)を得た。該PA7の分析値、物性値および
溶液低温安定性を表2に示す。
【0026】比較例3 実施例1と同様の反応装置に、「ハリダイマー216」
244.8部(0.85当量)、12−ヒドロキシオレ
イン酸44.7部(0.15当量)、エチレンジアミン
29.4部(0.98当量)を仕込み、実施例1と同じ
方法で淡褐色固体の比較のポリアミド樹脂(PA8)を
得た。該PA8の分析値、物性値および溶液低温安定性
を表2に示す。
【0027】比較例4 実施例1と同様の反応装置に、「バーサダイム216」
158.4部(0.55当量)、酢酸18部(0.3当
量)、オレイン酸42部(0.15当量)、エチレンジ
アミン17.4部(0.58当量)およびヘキサメチレ
ンジアミン22.1部(0.38当量)を仕込み、実施
例1と同じ方法で淡褐色固体の比較のポリアミド樹脂
(PA9)を得た。該PA9の分析値、物性値および溶
液低温安定性を表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 注)12−OH−オレイン酸:12−ヒドロキシオレイン酸の略称
【0030】表1および表2に記載の軟化点、溶液低温
安定性の測定方法は以下の通りである。 軟化点:ボール&リング法(JIS K2531−19
60) 溶液低温安定性:樹脂濃度25%(溶剤組成:イソプロ
ピルアルコール:酢酸エチル=7:3)を70mlのガ
ラス瓶に約50g採取し、密栓後5℃で静置し溶液が固
化する時間を調べた。
【0031】試験例1 前記、実施例1〜5および比較例1〜4で得られた各ポ
リアミド樹脂(PA1〜PA9)の30%溶液(溶剤組
成:イソプロピルアルコール:酢酸エチル=7:3)を
作成し、下記の処方でグラビア印刷インキを調製した。 (イ)各ポリアミド樹脂30%溶液 :46.7部 (ロ)硝化綿21.2%溶液(注1) :28.3部 (ハ)酸化チタン(注2) :25部 合計 :100 部 (ニ)アルキルチタネート(注3) :上記組成物100部に対して 2部
【0032】(注1)硝化綿21.2%溶液:硝化綿
〔ダイセル化学工業(株)「RS1/4秒」〕をイソプ
ロピルアルコール:酢酸エチル=7:3の混合溶剤に溶
解したもの (注2)酸化チタン:石原産業(株)製「タイペークR
−630」 (注3)アルキルチタネート:日本曹達(株)製「TA
A」
【0033】前記処方に従い、(イ)46.7g、
(ロ)28.3g、(ハ)25gおよびガラスビーズ
(直径約3mm)120gを240mlのガラス瓶に採
取し、ペイントコンデショナー(米国、レッドデビル社
製)で30分間振盪した後、ガラスビーズを取り除き、
このもの100部に対して(ニ)を2部の割合で配合し
たものを性能評価用インキとした。
【0034】各インキをバーコーター(約25ミクロ
ン)でコロナ放電処理ポリエチレンフイルム(以下、P
Eと称す)、コロナ放電処理二軸延伸ポリプロピレンフ
イルム(以下、OPPと称す)およびコロナ放電処理無
延伸ポリプロピレンフイルム(以下、CPPと称す)に
展色し、ヘアードライヤー〔小泉産業(株)製JD−1
200〕で15秒間熱風乾燥後、室温で約20時間放置
したものを性能評価用試験片とした。
【0035】これらの各試験片について、下記方法でイ
ンキの性能評価を行った。その結果を表3および表4に
示した。 ヒートシール耐熱性:OPPのインキ展色面にアルミ箔
(15ミクロン)を合わせ、熱傾斜式ヒートシーラー
〔東洋精機(株)製;TYPE,HG−100〕で2K
g/cm2×0.5秒間の条件でヒートシールした直後
にアルミ箔を剥し、インキが剥離しない最高温度を10
℃間隔で測定した。 耐油性:CPPのインキ展色面にサラダ油を塗布し、室
温で静置1日後に手揉み試験(10回)を行いインキの
剥離の程度を目視観察した。 判定基準;5段階表示 5(良)〜1(不良) 耐水性:インキを展色したPEを水道水に浸漬し、室温
で静置1日後に水中で手揉み試験(30回)を行いイン
キの剥離の程度および剥離抵抗を観察した。 判定基準;5段階表示 5(良)〜1(不良)
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂は、グラビア印
刷インキ用樹脂として下記の効果を有する。 (1)イソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤
に対して優れた溶解性と溶液低温安定性を示し、冬期の
インキの凍結によるトラブルを防止でき、且つ従来のア
ルコール可溶性ポリアミド樹脂よりも優れたインキ性能
を表刷りグラビア印刷インキに付与する。 (2)芳香族系溶剤を用いる必要がないので、労働安全
衛生や大気汚染防止等の環境保全に対応できる。 上記の効果を奏することから本発明のポリアミド樹脂
は、特にプラスチッックフイルムや金属箔の包装資材等
の印刷に用いられる表刷りグラビア印刷インキ用バイン
ダーとして極めて有用である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−166276(JP,A) 特公 昭43−25999(JP,B1) 米国特許3253940(US,A) 英国特許1118172(GB,B) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 11/00 - 11/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合脂肪酸(A)、炭素数1〜4の脂肪族
    モノカルボン酸(B)、ポリアミン(C)および(ポ
    リ)ラクトン(D)を縮合重合せしめて得られるポリア
    ミド樹脂からなる印刷インキ用バインダー。
  2. 【請求項2】(D)が、分子末端にヒドロキシル基およ
    びカルボキシル基から選ばれる官能基を少なくとも2個
    有し、且つ数平均分子量が2000以下のポリラクトン
    である請求項1記載のバインダー。
  3. 【請求項3】(D)の量が、(A)、(B)、(C)お
    よび(D)の合計重量に基づいて3〜25重量%である
    請求項1または2に記載のバインダー。
  4. 【請求項4】バインダーと溶剤からなる印刷インキにお
    いて、バインダーとして請求項1〜3のいずれか記載の
    ポリアミド樹脂からなるバインダーを用い、溶剤とし
    て、イソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤を
    用いてなることを特徴とする印刷インキ。
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