JP3369991B2 - 光ファイバ融着接続装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は２本の光ファイバを
融着接続するための光ファイバ融着接続装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】通信用光ファイバの敷設や光部品の製作
等においては光ファイバ同士を融着接続する必要があ
り、そのための光ファイバ融着接続装置が既に各種開発
されている。それらは一般的に２本の光ファイバの接続
端部同士を突き合わせて融着接続するための融着接続機
構と、同融着接続機構によって融着接続される２本の光
ファイバを観察する観察機構とを備えており、観察機構
は少なくとも光ファイバを撮影するテレビカメラと、同
テレビカメラによる撮影画像を表示するテレビモニタを
備えている。

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の光ファ
イバ融着接続装置には次のような課題があった。 １）観察機構のテレビモニタが本体に固定されている
か、又は僅かに俯角を変更できる程度であるため、日光
や照明光がテレビモニタの視角（視野角）と一致する
と、テレビモニタが見にくい。これはテレビモニタに反
射防止用のフィルタを設けたり、ノングレア処理を施し
た場合も同様である。 ２）光ファイバの融着接続作業は、柱上やマンホール内
等の狭かったり、障害物が多数存在したりする場所が多
いため、テレビモニタが作業者に正対する向きで当該融
着接続装置を設置することができない場合が多く、テレ
ビモニタが見にくく作業がし難いこと間々ある。 ３）前記２）の場合、テレビモニタを他の部分から分離
可能とすることも考えられるが、それでは当該融着接続
装置がテレビモニタとそれ以外の部分の２つから構成さ
れることになり、前記柱上やマンホール内等では使いに
くいものとなってしまう。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本件発明の目的は単体の
装置として纏まっており、且つ当該装置の設置状況に拘
わらず、作業者に最も見易い観察（監視）画像を提供す
ることが可能な観察機構を備えた光ファイバ融着接続装
置を提供することにある。

【０００４】本件出願の第１の光ファイバ融着接続装置
は、本体に、２本の光ファイバを融着接続するための融
着接続機構と、融着接続される２本の光ファイバを観察
する観察機構とを設けてなる光ファイバ融着接続装置で
あって、前記観察機構はテレビカメラと、画像処理装置
と、テレビモニタとから構成され、テレビカメラは融着
接続される２本の光ファイバを撮影可能であり、画像処
理装置はテレビカメラの撮影画像を９０度回転させてテ
レビモニタに出力可能であり、且つ、テレビカメラから
の画像を９０度回転させた画像と、回転させていない画
像とをテレビモニタに任意に切替出力可能であり、テレ
ビモニタは本体に対する向きを自由に変更可能であり、
且つ、画像処理装置から出力される画像を、上下反転・
左右反転・上下及び左右反転させて、任意に切替表示可
能とする反転表示機能を備えているものである。

【０００５】本件出願の第２の光ファイバ融着接続装置
は、テレビモニタの向きに応じて、同テレビモニタの画
面構成が自動で、又は手動で変更可能なものである。

【０００６】本件出願の第３の光ファイバ融着接続装置
は、画像処理装置はテレビカメラからの画像を９０度回
転させた画像と、回転させていない画像とをテレビモニ
タに切替出力可能な走査変換部を備えてなるものであ
る。

【０００７】本件出願の第４の光ファイバ融着接続装置
は、走査変換部は入力される画像を記憶する走査変換用
画像記憶部を備え、同走査変換用画像記憶部におけるデ
ータ読み書きアドレスの変換により、同走査変換用画像
記憶部から９０度回転された画像又は回転されていない
画像が読み出されて出力されるようにしたものである。

【０００８】本件出願の第５の光ファイバ融着接続装置
は、走査変換部はデジタルシグナルプロセッサ等の情報
処理プロセッサと同情報処理プロセッサによる情報処理
方法を記述したソフトウエアプログラムとを備え、情報
処理プロセッサは入力された画像を９０度回転させて又
は回転させないで出力するものである。

【０００９】本件出願の第６の光ファイバ融着接続装置
は、画像処理装置は画像の縦倍率、横倍率、縦オフセッ
ト量、横オフセット量について、そのうちの１つ又は２
つ以上を変更する機能を有するものである。

【００１０】本件出願の第７の光ファイバ融着接続装置
は、テレビカメラで撮影された画像に所望の情報を画像
合成してなる信号をテレビモニタに出力可能としたもの
である。

【００１１】

【発明の実施の形態】（実施形態１） 本発明の光ファイバ融着接続装置の第１の実施形態を図
１〜図１３に基づいて詳細に説明する。図１に示すのは
本発明の光ファイバ融着接続装置の概要である。当該光
ファイバ融着接続装置は、本体に、２本の光ファイバ
１、２を融着接続するための融着接続機構３と、融着接
続される２本の光ファイバ１、２を観察する観察機構４
とを設けてなるものである。前記融着接続機構３は光フ
ァイバ１、２を夫々セット可能な位置決め台座１２、１
３を有し、位置決め台座１２、１３のうち一方の台座１
２をモータ１５によって駆動させることによって、両光
ファイバ１、２の位置合わせが自動的に行われるように
してある。尚、モータ１５は後述する画像処理装置６か
らの信号に基づいて駆動制御装置１８により制御される
ようにしてある。

【００１２】また、融着接続機構３は１対の放電電極
（図示しない）を有している。この放電電極は前記位置
決め台座１２、１３にセットされた光ファイバ１、２の
光軸と直交する向きに対向するように配置されており、
位置決め台座１２、１３によって２本の光ファイバ１、
２の先端同士が突き合わされると、同突き合わせ部分に
放電熱を付与して、溶融状態とし、同突き合わせ部分を
融着接続するようにしてある。

【００１３】前記観察機構４は、前記融着接続機構３の
位置決め台座１２、１３にセットされた光ファイバ１、
２を撮影可能なテレビカメラ５と、テレビカメラ５の撮
影画像を処理する画像処理装置６と、画像処理装置６か
ら出力される処理済の画像を表示するテレビモニタ７と
から構成されている。

【００１４】前記テレビカメラ５はアナログのビデオ信
号を出力可能であり、接続される２本の光ファイバ１、
２の突き合わせ部分を撮影可能な位置に、当該テレビカ
メラ５の解像度の高い向き、即ち、光ファイバ１、２の
光軸と走査線の方向が直交する向きでセットされて、撮
影視野が図２に点線で示される様な縦長になっている。
また、図１に示す様にテレビカメラ５の先端には光ファ
イバ１、２を拡大して撮影するために顕微鏡２１が取付
けてある。このテレビカメラ５は２本の光ファイバ１、
２を撮影可能であれば撮象管によるものであっても、固
体撮象素子によるものであってもよく、その方式もＮＴ
ＳＣ、ＰＡＬ、ＳＥＣＡＭ、ＶＧＡ、ＳＶＧＡ等の何れ
であってもよい。また、位置決め台座１２、１３を挟ん
でテレビカメラ５の反対側には光ファイバ１、２を照明
するための光源２４が設けられている。

【００１５】前記画像処理装置６はテレビカメラ５から
の画像を９０度回転させた画像と、回転させていない画
像とをテレビモニタ７に切替出力可能としたものであ
り、具体的には図３に示す様にＡ／Ｄ変換器２７と、合
成回路３０と、データメモリ３３と、走査変換部８と、
演算器３５と、エンコーダ３８と、グラフィック回路４
１と、ビデオスイッチ４４とを備えている。この画像処
理装置６ではテレビカメラ５からのビデオ信号は分配さ
れて前記Ａ／Ｄ変換器２７と合成回路３０とに夫々入力
される。合成回路３０は入力されたビデオ信号に、前記
グラフィック回路４１から送られたグラフィック信号を
合成して、テレビカメラ５の画像に前記演算器３５によ
る演算処理結果や操作指示等の情報がオーバーレイ表示
された画像（非走査変換画像）を生成する。一方、Ａ／
Ｄ変換器２７は入力されたビデオ信号をデジタル信号化
して前記データメモリ３３及び走査変換部８に夫々入力
する。デジタル化されたビデオ信号が入力された走査変
換部８は、同ビデオ信号を９０度回転させてから前記エ
ンコーダ３８に入力し、エンコーダ３８は入力されたビ
デオ信号に前記グラフィック回路４１から送られたグラ
フィック信号を合成して、テレビカメラ５の画像を９０
度回転させた画像に、前記演算器３５による演算処理結
果や操作指示等の情報がオーバーレイ表示された画像
（走査変換画像）を生成する。前記ビデオスイッチ４４
は前記非走査変換画像と走査変換画像とをテレビモニタ
７に切替出力する。以下、前記各部の詳細を説明する。

【００１６】前記データメモリ３３は画像を記録するた
めのビデオメモリであり、少なくとも１画面分の画像を
記憶できるメモリ容量を有する。このデータメモリ３３
には１／３０秒毎に新しい画像が記憶されて更新され
る。

【００１７】前記演算器３５は前記データメモリ３３に
記憶された画像の画像処理を行って、図１の駆動制御装
置１８と前記グラフィック回路４１とに信号を出力する
ようにしてある。演算器３５における処理の内容につい
てここで詳しくは説明しないが、データメモリ３３で画
像が更新される度にその画像を読み出して画像処理を行
って、画像中から光ファイバ１、２の光軸のずれ等に関
する情報を算出し、その情報を図１の駆動制御装置１８
に出力する。図１の駆動制御装置１８はこの信号に基づ
いてモータ１５を駆動して位置決め台座１２を移動さ
せ、この移動と前記画像処理とが何度か繰り返えされ
て、位置決め台座１２、１３に夫々セットされた光ファ
イバ１、２の光軸が徐々に一致されるようにしてある。

【００１８】前記走査変換部８は図４に示す回路構成と
してあり、前記Ａ／Ｄ変換器２７によりＡ／Ｄ変換され
たビデオ信号を少なくとも１画面分蓄積可能な容量を有
する走査変換用画像記憶部（以下、メモリと記載する）
９を有し、さらにこのメモリ９への画像の書き込みとメ
モリ９からの画像の読み出しを制御する各種回路を備え
ている。以下、このメモリ９への画像（画像データ）の
書き込みとメモリ９からの画像データの読み出しに関わ
る部分を説明をする。

【００１９】図４に示す書き込みアドレスカウンタ５０
はテレビカメラ５の制御に使用される同期信号ＨＳＹＮ
Ｃ１（水平同期信号）及びＶＳＹＮＣ１（垂直同期信
号）を用いてメモリ９への画像データの書き込みアドレ
スを発生する。具体的には図５に示す様に、当該書き込
みアドレスカウンタ５０はメモリ９への下位アドレスを
発生する第１カウンタ５２と上位アドレスを発生する第
２カウンタ５４とを備えており、下位アドレスを発生す
る第１カウンタ５２はＨＳＹＮＣ１でクリアされ、ＷＣ
ＬＫ（データ書き込み信号）を計数することによって水
平方向の座標を示し、上位アドレスを発生する第２カウ
ンタ５４はＶＳＹＮＣ１でクリアされ、ＨＳＹＮＣ１を
計数することによって垂直方向の座標を示している。

【００２０】図４に示す読み出しアドレスカウンタ５６
はテレビモニタ７の制御に使用される同期信号ＨＳＹＮ
Ｃ２（水平同期信号）及びＶＳＹＮＣ２（垂直同期信
号）を用いてメモリ９からの画像データの読み出しアド
レスを発生する。具体的には図５に示す様に、当該読み
出しアドレスカウンタ５６はメモリ９への下位アドレス
を発生する第３カウンタ５９と上位アドレスを発生する
第４カウンタ６１を備え、下位アドレスを発生する第３
カウンタ５９はＶＳＹＮＣ２でクリアされＨＳＹＮＣ２
を計数することによって垂直方向の座標を示し、上位ア
ドレスを発生する第４カウンタ６１はＨＳＹＮＣ２でク
リアされ、ＲＣＬＫ（データ読み出し信号）を計数する
ことによって水平方向の座標を示している。尚、前記各
種信号は図示されていない同期信号発生回路から発生さ
れる。

【００２１】以上の様にして発生する書き込みアドレス
と読み出しアドレスがセレクタ６３（図４）で切り替え
られてメモリ９に与えられる。一方、画像データは書込
み時は書込みデータバッファ６５（図４）を通ってメモ
リ９に入り、読み出し時にはメモリ９より出て、読み出
しデータバッファ６７（図４）を通ってゆく。これによ
って９０度の座標変換が行われて、テレビカメラ５から
の画像を９０度回転させた画像をテレビモニタ７に出力
可能となる。

【００２２】また、当該走査変換部８は図４に示す様に
データラッチ７０を備えている。このデータラッチ７０
は、そこに記憶された画像倍率設定情報に基づいて前記
読み出しアドレスカウンタ５６に信号を出力して、同カ
ウンタ５６のデータ読み出しアドレスを変更することに
より、メモリ９から任意の倍率で画像を読み出すことが
できるようにしてある。これにより例えば、図６に示す
ようにテレビカメラ５の撮影視野（点線）をテレビモニ
タ７の表示画面（実線）に縮小して全体が表示されるよ
うにすることができる。また、データラッチ７０は同デ
ータラッチ７０に記憶された画像オフセット設定情報に
基づいて加算器７３（図４）に信号を出力して、この画
像オフセット設定情報に応じたオフセット値を読み出し
アドレスカウンタ５６からのアドレスに加算させること
によって、メモリ９から任意にオフセットさせた画像を
読み出すことができるようにしてある。これにより例え
ば図７に示すようにテレビカメラ５の撮影視野（点線）
がテレビモニタ７の表示画面（実線）上で左側にオフセ
ットして表示することができる。尚、データラッチ７０
に記憶された前記画像倍率設定情報や画像オフセット設
定情報等は図示されていない操作ボタンやキーボード等
の入力デバイスから演算器７３にデータを入力すること
により行うことができるようにしてある。また、図４の
７６はＲＷ（リード・ライト）制御回路である。このＲ
Ｗ制御回路７６は図示されていない同期信号発生器から
の同期信号ＨＳＹＮＣ及びＶＳＹＮＣと前記データラッ
チ７０に記憶された設定情報に基づいて当該走査変換部
８の制御に要する各種信号を発生する。この場合、ビデ
オ信号データ読み出し信号ＲＣＬＫ、書き込み信号ＷＣ
ＬＫ、テレビカメラ５の同期信号ＨＳＹＮＣ１、ＶＳＹ
ＮＣ１、テレビモニタ７の同期信号ＨＳＹＮＣ２、ＶＳ
ＹＮＣ２、メモリアドレスの切替え信号ＳＥＬ、メモリ
の読み書き切替え信号Ｒ／Ｗを発生する。そして、一画
素単位時間内にメモリ９への書き込みと読み出しを各１
回行う。このＲＷ制御回路７６から出力される信号によ
りテレビカメラ５からの画像データは書き込みデータバ
ッファ６５を介してメモリ９に転送され、また、テレビ
モニタ７への表示用の画像データが読み出しデータバッ
ファ６７を介してメモリ９から読みだされる。この書き
込みデータバッファ６５と読み出しデータバッファ６７
でのデータの読み書きタイミングは読み書き切替え信号
Ｒ／Ｗによって夫々制御されるようにしてある。

【００２３】前記グラフィック回路４１（図３）は、同
図の演算器３５から画像処理の進行情報や画像処理結果
等の情報がデータとして出力されると、このデータに基
づいてテキスト（文字）やグラフィックス（図形）等を
生成し、これをビデオ信号として前記エンコーダ３８又
は／及び合成回路３０に出力する。例えば図７に示すよ
うに、画像処理の内容や状況を示すテキスト情報と、各
光ファイバ１、２の計測ラインを表すグラフィック情報
をエンコーダ３８又は／及び合成回路３０に出力する。

【００２４】前記エンコーダ３８（図３）は走査変換部
８から出力されるビデオ信号にこれとは別のビデオ信号
を合成して１つのビデオ信号を出力するものであり、こ
の場合、走査変換部８から出力される画像に前記グラフ
ィック回路４１で発生されたビデオ信号を合成できるよ
うにしてある。以上により主として走査変換部８、エン
コーダ３８、グラフィック回路４１によって、テレビカ
メラ５の画像を９０度回転させた画像に、各種文字情報
や図形情報等がオーバーレイ表示された画像（走査変換
画像）が生成され、テレビモニタ７に表示可能となる。

【００２５】前記の合成回路３０（図４）はテレビカメ
ラ５からのビデオ信号に前記グラフィックス回路４１に
よって生成されたビデオ信号を合成して、テレビモニタ
７に出力可能とするものである。グラフィックス回路４
１によって生成されるビデオ信号は前記と同様である。
これによって主として合成回路３０及びグラフィックス
回路４１により、テレビカメラ５の画像（９０度回転さ
れていない）に各種文字情報や図形情報等がオーバーレ
イ表示された画像（非走査変換画像）が生成され、テレ
ビモニタ７に表示可能となる。

【００２６】前記ビデオスイッチ４４（図３）は前記の
様にして生成された走査変換画像と非走査変換画像とを
テレビモニタ７に切替出力するものであり、作業者は当
該ビデオスイッチ４４を切り替えることによって、走査
変換画像と非走査変換画像とを任意に切り替えてテレビ
モニタ７に表示させることができる。

【００２７】前記テレビモニタ７は本体に、同本体に対
する向きを自由に変更可能なるように取付けられてい
る。具体的には図８に示す様にテレビモニタ７を、図中
の矢印ａ、ｂ、ｃ方向に回動自在なるように支持可能な
アームやブラケット９０を介して本体に取付けてある。
また、当該テレビモニタ７は反転表示機能を備えてお
り、前記画像処理装置６から出力された画像を、上下反
転・左右反転・上下及び左右反転させて表示可能として
ある。これによって、当該テレビモニタ７の向きに応じ
て、前記画像処理装置６から出力された前記非走査変換
画像及び走査変換画像（正立画像：図９ａ、図１０ａ）
の他、同非走査変換画像及び走査変換画像を夫々上下反
転させた画像（図９ｂ、図１０ｂ）、左右反転させた画
像（図９ｃ、図１０ｃ）、上下及び左右反転させた画像
（図９ｄ、図１０ｄ）の合計８つの画像のうちから、最
適な画像を任意に選択して表示することができる。尚、
図９、図１０では、反転状態を分かりやすくするため、
テレビモニタ７に光ファイバに替えて人形を表示した。

【００２８】具体的には本実施形態では前記テレビモニ
タ７としてＬＣＤパネル（液晶表示パネル）を使用し
た。ＬＣＤパネル７は図１１に示す様にマトリクス構造
を有し、適当なセルの駆動電極を制御する素子（図１１
ではＴＦＴ）を働かせることによって表示を行うもので
ある。セルの指定は図１２に示す信号制御基板で制御さ
れている。具体的には信号制御基板からの指示によって
ＶドライバとＨドライバを駆動して１個のセルを特定す
る。ここで信号制御基板には多数の入力信号があるが、
そのうちＲ／Ｌ、Ｄ／Ｕによってパネル７のどこから走
査を行うかが決定される。

【００２９】さらに本実施形態では、図１３に示す様に
前記ＬＣＤパネル７に傾斜スイッチ７８を設け、当該パ
ネル７の向きが画像処理装置６に入力されると、同画像
処理装置６が走査変換部８の走査の向きを設定すると共
に、パネル７のＲ／Ｌ、Ｄ／Ｕ信号を設定するようにし
てある。また、操作スイッチ７９からの入力に基づいて
画像処理装置６が走査変換部８の走査の向きと、当該パ
ネル７のＲ／Ｌ、Ｄ／Ｕ信号を設定するようにもしてあ
る。これにより、常にパネル７の向きに応じて前記８つ
の表示画像のうちから最適な画像を自動的に表示させる
ことができ、さらには、手動操作によって任意の画像を
表示させることもできる。

【００３０】（実施形態２） 本発明の光ファイバ融着接続装置の第２の実施形態を説
明する。本実施形態に示す光ファイバ融着接続装置の基
本構成は前記実施形態１に示すものと同一である。異な
るのは観察機構４における画像処理装置６の構成であ
る。

【００３１】具体的には、図１４、１５に示す様に前記
図４、図５に示す走査変換部８と同一の走査変換部８
に、読み出しアドレスカウンタ５６のアドレスを９０度
回転した場合と、回転しない場合とに切り替えることが
できる制御線切替器８０を設けることによって、前記図
３に示す合成回路３０を設けることなく、テレビカメラ
５からの画像を９０度回転させた画像と、回転させてい
ない画像とを切替出力可能とした。即ち、読み出しアド
レスカウンタ５６の第３カウンタ５９にＨＳＹＮＣ２と
ＶＳＹＮＣ２が与えられているときには垂直方向座標を
表し、ＲＣＬＫとＨＳＹＮＣ２が与えられているときに
は水平方向座標を表す。一方、第４カウンタ６１にＲＣ
ＬＫとＨＳＹＮＣ２が与えられているときには水平方向
座標を表し、ＨＳＹＮＣ２とＶＳＹＮＣ２が与えられて
いるときには垂直方向座標を表す。何れの場合にも、走
査変換部８から出力されるビデオ信号にグラフィック回
路４１で発生されたビデオ信号を合成できるようにして
あることは前記と同様である。従って、制御線切替器８
０によって読み出しアドレスカウンタ５６のアドレスを
９０度回転した場合と、回転しない場合とに切り替える
ことによって、非走査変換画像と走査変換画像とをテレ
ビモニタ７に切替出力することができる。

【００３２】前記と同様のことは図１６に示す様に制御
線切替器８０を書き込みアドレスカウンタ５０側に設け
ることによっても実現可能である。また、図１７に示す
様に前記制御線切替器８０の代わりに読み出しアドレス
カウンタ５６の後段にセレクタ８１を設け、読み出し側
の上位アドレスと下位アドレスを切り替えることによっ
ても実現可能である。また、図示しないがセレクタ８１
によって、書き込み側の上位アドレスと下位アドレスを
切り替えることによっても実現可能である。

【００３３】（他の実施形態） 本件発明の光ファイバ観察用画像処理装置における走査
変換部８はデジタルシグナルプロセッサ（情報処理プロ
セッサ）とソフトウエアプログラムとを用いて構成する
こともできる。デジタルシグナルプロセッサは音声や画
像等のデジタル化された情報を処理するのに特化したプ
ロセッサであり、入力される画像を９０度回転させ、尚
且つ画像のサイズ変更や、オフセット変更を行うことが
できる。この場合、処理性能の高いデジタルシグナルプ
ロセッサを用いることにより、前記グラフィックス回路
４１の機能もデジタルシグナルプロセッサにより行うこ
とができる。なお、デジタルシグナルプロセッサには画
像処理に必要な分のメモリを設ける。

【００３４】走査変換部８をエンコーダ３８の後段に設
け、画像合成をした後に画像の９０度回転やサイズ調
整、オフセット調整を行なえるようにしても良い。この
場合、グラフィック回路４１ではテキストやグラフィッ
クス等を予め９０度回転させた状態で作り出し、走査変
換部８で画像が９０度回転された時にテキストやグラフ
ィックスが普通に表示されるようにすると良い。

【００３５】画像処理装置は、２台のビデオカメラを接
続し、これらテレビカメラから出力されるビデオ信号を
１台のテレビモニタに出力できるようにすることもでき
る。この場合は、ビデオカメラの信号入力系統を２つ設
け、夫々に入力処理回路とＡ／Ｄ変換器とを設け、夫々
のＡ／Ｄ変換器でデジタル化されたビデオ信号は２画面
分の画像を記憶できるデータメモリに蓄積し、この画像
が演算器により処理されて、２台のテレビカメラで撮影
される画像から光ファイバ融着接続装置の駆動制御装置
の制御に必要な信号を発生することができるようにす
る。また、前記２つの信号入力系統の夫々にテレビカメ
ラからの画像を９０度回転させた画像と、回転させてい
ない画像を切替出力可能な前記走査変換部を設ける。こ
のようにすると、２台のテレビカメラで撮影された各々
の画像を１台のテレビモニタに２枚並列させて表示させ
たり、２枚の画像を上下に並べて表示させたりすること
ができる。

【００３６】

【発明の効果】本件出願の第１の発明は、次のような効
果を有する。 １）テレビモニタに、テレビカメラからの画像を９０度
回転させた画像と、回転させていない画像とを切替出力
可能としたのでテレビモニタの設置状況に応じて画面の
向きを変えることができる。 ２）画面の向きを任意に変えることができるので、画面
構成の自由度が高まる。従って、テレビモニタの設置状
況、カメラの数、撮影対象の光ファイバの数、光ファイ
バの接続態様等に応じて、最適な画面構成を実現でき
る。 ３）テレビモニタが反転表示機能を有するので、更に画
面構成の自由度が高まり、テレビモニタの向きに応じて
作業者が最も見易い画像を提供することができる。 ４）テレビモニタが本体に対する向きを自由に変更可能
であるため、障害物がある場合や画面に光が直射してし
まう場合等に、これらを避けてテレビモニタを最も見易
き向きにセットすることができる。さらに前記走査変換
機能及び反転表示機能との組み合わせにより、テレビモ
ニタを最も見易い向きにセットしても、常に画像を作業
者に正対させることができる。５）テレビカメラからの画像を９０度回転させた画像
と、回転させていない画像とを切替切出力可能としたの
で、９０度回転させた画像と回転させていない画像の夫
々について、上下反転又は左右反転又は上下及び左右反
転させて、合計８つの画面を任意に選択表示することが
でき、さらに画面構成の自由度が高くなる。

【００３７】本件出願の第２の発明は、次のような効果
を有する。 １）テレビモニタの向きに応じて、同テレビモニタの画
面構成が自動で、又は手動で変更されるので、表示可能
な複数の画像のうちから最適な画像を常に表示させるこ
とができる。

【００３８】本件出願の第３の発明は、次のような効果
を有する。 １）テレビカメラからの画像を９０度回転させた画像
と、回転させていない画像とを切替切出力可能な走査変
換部を設けたので、簡潔な回路構成によって上記と同様
の効果を得ることができる。

【００３９】本件出願の第４の発明は、次のような効果
を有する。 １）画像の回転が走査変換用画像記憶部を備えた走査変
換部によりハードウエア的に行われるので、容易に高速
処理が可能である。

【００４０】本件出願の第５の発明は、次のような効果
を有する。 １) 画像の回転が情報処理プロセッサとソフトウエアプ
ログラムとによりソフトウエア的に行われるので、ソフ
トウエアプログラムしだいで様々な処理機能を追加した
り、変更したりすることができる。従って、ソフトウエ
アプログラムの書き換えによって常に最新の機能を持た
せることができる。また、画像処理プロセッサにグラフ
ィックス情報の作成とその合成を行わせることも可能で
あり、処理能力の高い情報処理プロセッサを用いれば、
回路を簡素化して装置のコスト低減を図ることも可能で
ある。

【００４１】本件出願の第６の発明は、次のような効果
を有する。 １）走査変換部で画像の縦倍率、横倍率、縦オフセット
量、横オフセット量についての変更が可能であるため、
作業者にとって作業し易い画面を構成することができ
る。

【００４２】本件出願の第７の発明は、次のような効果
を有する。 １）テレビカメラで撮影された画像に所望の情報を合成
してなる画像信号をテレビモニタに出力可能としたの
で、作業者にとって有用な情報がテレビモニタに表示さ
れ、非常に便利である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光ファイバ融着接続装置の概略を示す
説明図。

【図２】テレビカメラの撮影視野とテレビモニタの表示
画面の関係を示す説明図。

【図３】画像処理装置の構成の一例を示す説明図。

【図４】図３に示す画像処理装置における走査変換部の
回路構成を示す説明図。

【図５】書き込みアドレスカウンタ及び読み出しアドレ
スカウンタの構成を示す説明図。

【図６】テレビモニタの画面構成の一例を示す説明図。

【図７】テレビモニタの画面構成の一例を示す説明図。

【図８】テレビモニタの取付け状態を示す説明図。

【図９】テレビモニタの画面構成の一例を示す説明図で
あり、（ａ）は非走査変換画像の正立画像、（ｂ）は同
上下反転画像、（ｃ）は同左右反転画像、（ｄ）は同上
下及び左右反転画像。

【図１０】テレビモニタの画面構成の一例を示す説明図
であり、（ａ）は走査変換画像の正立画像、（ｂ）は同
上下反転画像、（ｃ）は同左右反転画像、（ｄ）は同上
下及び左右反転画像。

【図１１】テレビモニタの一例であるＬＣＤパネルの構
造を示す説明図。

【図１２】ＬＣＤパネルの制御方法を示すブロック図。

【図１３】テレビモニタにＬＣＤパネルを使用した場合
の本発明における表示制御の構成を示す説明図。

【図１４】本発明の光ファイバ融着接続装置の画像処理
装置の他の構成を示す説明図。

【図１５】図１４に示す画像処理装置における走査変換
部の回路構成を示す説明図。

【図１６】走査変換部の他の回路構成を示す説明図。

【図１７】走査変換部の他の回路構成を示す説明図。

【符号の説明】

１ 光ファイバ ２ 光ファイバ ３ 融着接続機構 ４ 観察機構 ５ テレビカメラ ６ 画像処理装置 ７ テレビモニタ ８ 走査変換部 ９ 走査変換用画像記憶部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−144004（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−104889（ＪＰ，Ａ) 特開 平５−128246（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−222206（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−26973（ＪＰ，Ａ) 特開 平10−65946（ＪＰ，Ａ) 特開 平７−92939（ＪＰ，Ａ) 特開 昭54−47671（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G02B 6/24 - 6/255

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体に、２本の光ファイバ（１、２）を融
   着接続するための融着接続機構（３）と、融着接続され
   る２本の光ファイバ（１、２）を観察する観察機構
   （４）とを設けてなる光ファイバ融着接続装置であっ
   て、前記観察機構（４）はテレビカメラ（５）と、画像
   処理装置（６）と、テレビモニタ（７）とから構成さ
   れ、テレビカメラ（５）は融着接続される２本の光ファ
   イバ（１、２）を撮影可能であり、画像処理装置（６）
   はテレビカメラ（５）からの画像を９０度回転させた画
   像と、回転させていない画像とをテレビモニタ（７）に
   任意に切替出力可能であり、テレビモニタ（７）は本体
   に対する向きを自由に変更可能であり、且つ、画像処理
   装置（６）から出力される画像を上下反転又は左右反転
   又は上下及び左右反転させて画像を切替表示可能とする
   反転表示機能を備えていることを特徴とする光ファイバ
   融着接続装置。
2. 【請求項２】テレビモニタ（７）の向きに応じて、同テ
   レビモニタ（７）の画面構成を自動で、又は手動で変更
   可能であることを特徴とする請求項１記載の光ファイバ
   融着接続装置。
3. 【請求項３】画像処理装置（６）はテレビカメラ（５）
   からの画像を９０度回転させた画像と、回転させていな
   い画像とをテレビモニタ（７）に切替出力可能な走査変
   換部（８）を備えてなることを特徴とする請求項１又は
   請求項２に記載の光ファイバ融着接続装置。
4. 【請求項４】走査変換部（８）は入力される画像を記憶
   する走査変換用画像記憶部（９）を備え、同走査変換用
   画像記憶部（９）におけるデータ読み書きアドレスの変
   換により、同走査変換用画像記憶部（９）から９０度回
   転された画像又は回転されていない画像が読み出されて
   出力されるようにしたことを特徴とする請求項３記載 の
   光ファイバ融着接続装置。
5. 【請求項５】走査変換部（８）はデジタルシグナルプロ
   セッサ等の情報処理プロセッサと同情報処理プロセッサ
   による情報処理方法を記述したソフトウエアプログラム
   とを備え、情報処理プロセッサは入力された画像を９０
   度回転させて又は回転させないで出力することを特徴と
   する請求項３記載の光ファイバ融着接続装置。
6. 【請求項６】画像処理装置（６）は画像の縦倍率、横倍
   率、縦オフセット量、横オフセット量について、そのう
   ちの１つ又は２つ以上を変更する機能を有することを特
   徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに記載の光フ
   ァイバ融着接続装置。
7. 【請求項７】テレビカメラ（５）で撮影された画像に所
   望の情報を画像合成してなる信号をテレビモニタ（７）
   に出力可能としたことを特徴とする請求項１乃至請求項
   ６のいずれかに記載の光ファイバ融着接続装置。