JP3369749B2 - 窒化アルミニウム製パッケージ - Google Patents

窒化アルミニウム製パッケージ

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JP3369749B2 JP23557794A JP23557794A JP3369749B2 JP 3369749 B2 JP3369749 B2 JP 3369749B2 JP 23557794 A JP23557794 A JP 23557794A JP 23557794 A JP23557794 A JP 23557794A JP 3369749 B2 JP3369749 B2 JP 3369749B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウム焼結
体からなる半導体用パッケージに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体素子のパッケージには、
プラスチックパッケージ、メタルパッケージ、セラミッ
クスパッケージが使用されている。これらのうち、特に
セラミックスパッケージは、優れた絶縁性、放熱性、気
密性、耐湿性等を有することから、コンピュータの演算
部に用いるCMOSゲートアレイやECLゲートアレイ
等のパッケージングに使用されている。
【0003】上述したセラミックスパッケージの材質と
しては、従来、酸化アルミニウムが主に用いられてきた
が、最近の半導体素子の高集積化、高周波化、高機能化
等に伴って、半導体素子から発生する熱量は年々増加す
る傾向にあるため、酸化アルミニウムを用いたセラミッ
クスパッケージでは放熱性等の点が限界が生じてきた。
そこで、酸化アルミニウムに比べて熱伝導率が約10倍程
度高く、さらに熱膨張率がSiに近似する窒化アルミニウ
ムが、パッケージ材料として注目されている。窒化アル
ミニウム製パッケージは、通常、以下のようにして製造
されている。すなわち、まず窒化アルミニウム粉末に、
酸化イットリウムや酸化ユーロピウム等の希土類酸化物
や酸化カルシウムや炭化カルシウム等のアルカリ土類化
合物等を焼結助剤として適量添加し、さらに有機バイン
ダや必要に応じて各種添加剤、溶媒等を加え、十分に混
合する。この混合物をドクターブレード法等の成形法を
適用して、シート状の成形体(窒化アルミニウムグリー
ンシート)を作製する。次に、窒化アルミニウムグリー
ンシートにスルーホール形成等の所望の加工を施すと共
に、 Wペースト等の導体ペーストをスルーホール内に充
填したり、また内部配線パターンに応じて印刷層を形成
した後、所望枚数のグリーンシートを積層する。この
後、グリーンシートの積層体を窒素雰囲気中等で脱脂お
よび焼成して、窒化アルミニウム焼結体からなるパッケ
ージ基体を作製する。
【0004】上述した窒化アルミニウム製のパッケージ
基体は、そのまま半導体用パッケージとして使用する場
合もあるが、近年の半導体素子の入出力数の増加に対応
するために、表面配線層のみは薄膜形成法で形成するこ
とも行われている。この場合には、まずパッケージ基体
の表面に研磨処理等を施して基体表面を平坦化した後、
この平坦面上にTi/Ni/Au等の薄膜積層膜を表面配線層と
して所望の配線パターンを形成する。
【0005】ところで、窒化アルミニウム粉末に添加す
る焼結助剤は、窒化アルミニウム原料粉末に含まれる不
純物酸素や酸化アルミニウムと反応して液相を形成し、
焼結体を緻密化すると共に、不純物酸素を粒界相として
固定して、窒化アルミニウム焼結体(パッケージ)の高
熱伝導率化に寄与するものである。この焼結助剤による
高熱伝導率化に伴って、一般的に窒化アルミニウム結晶
粒の粒成長が進行し、粒子径は 5〜10μm 程度と粗大化
する。
【0006】上述した窒化アルミニウム結晶粒の粗大化
は、パッケージの高熱伝導率化には寄与するものの、そ
の反面パッケージ(窒化アルミニウム焼結体)の機械的
強度を低下させる要因となっている。パッケージの機械
的強度の低下は、例えばパッケージをプリント基板等に
実装した際に、繰り返し曲げ応力等によりパッケージが
損傷するというような問題の発生原因となっている。さ
らに、上述したような薄膜表面配線層を窒化アルミニウ
ム製パッケージに形成する場合に、研磨工程時において
結晶粒の脱粒を招き、この脱粒が薄膜表面配線層の断線
等の原因となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】半導体素子からの発熱
量は年々増大する傾向にあるため、それを搭載する窒化
アルミニウム製パッケージの熱伝導率は向上させる必要
がある。しかしながら、前述したように窒化アルミニウ
ム製パッケージの高熱伝導率化は結晶粒の粗大化を招
き、この結晶粒の粗大化に伴ってパッケージの機械的強
度が低下し、取扱い性が悪化したり、また表面研磨時に
脱粒等が生じるという問題を招いていた。
【0008】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、窒化アルミニウム焼結体からなるパ
ッケージの高熱伝導性を損うことなく、結晶粒の粗大化
を抑制して機械的強度を高めることを可能にした窒化ア
ルミニウム製パッケージを提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の窒化アル
ミニウム製パッケージにおいて、請求項1記載の窒化ア
ルミニウム製パッケージは、窒化アルミニウム焼結体か
らなる半導体素子用のパッケージにおいて、前記窒化ア
ルミニウム焼結体は、3A族元素、Ca、SrおよびBaから選
ばれた少なくとも 1種の酸化物を 1〜10質量% の範囲で
含有すると共に、Si成分濃度が0.01〜 0.2質量% の範囲
であることを特徴としている。
【0010】請求項3記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージは、窒化アルミニウム焼結体からなる半導体素子用
のパッケージにおいて、前記窒化アルミニウム焼結体
は、3A族元素、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくとも
1種の酸化物を 1〜10質量% の範囲で含有すると共に、
Si成分濃度が0.01〜 0.2質量% の範囲である表層部と、
3A族元素、Ca、SrおよびBaから選ばれた少なくとも 1種
の酸化物を 1〜10質量%の範囲で含有する内層部とを有
することを特徴としている。
【0011】請求項1記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージ、および請求項3記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージの表層部は、3A族元素、Ca、SrおよびBaから選ばれ
た少なくとも 1種の酸化物を 1〜10質量% の範囲で含有
すると共に、Si成分濃度が0.01〜 0.2質量% の範囲であ
る窒化アルミニウム焼結体からなるものである。
【0012】3A族元素、Ca、SrおよびBaから選ばれた少
なくとも 1種の酸化物は、窒化アルミニウムの焼結助剤
として機能するものであり、窒化アルミニウム焼結体の
高密度化並びに高熱伝導率化に寄与する。上記3A族元素
としては Y、Sc、Ce、Dy等の希土類元素が例示される。
これらの酸化物は、窒化アルミニウム原料粉末に対して
酸化物もしくは焼結時に酸化物となる炭酸塩等の化合物
として添加され、特に酸化イットリウム、酸化セリウ
ム、酸化カルシウム等を焼結助剤として用いることが好
ましい。
【0013】上記した酸化物の含有量が 1質量% 未満で
あると、焼結性の改善効果を十分に得ることができず、
焼結体が緻密化されず低強度の焼結体となると共に、窒
化アルミニウム結晶粒中に酸素が固溶して高熱伝導率化
することができない。一方、上記酸化物の含有量が10質
量% を超えても、それ以上の焼結助剤としての効果を得
ることができないばかりでなく、逆に熱伝導率の低下を
招く。
【0014】Si成分は、焼結性を向上させると共に焼結
温度を低下させる効果を有するが、特に本発明では上述
した焼結助剤としての酸化物と複合含有させることによ
って、窒化アルミニウム結晶粒の粒成長を抑止する成分
であり、本発明において特徴的な成分である。
【0015】すなわち、窒化アルミニウム原料粉末に上
述した焼結助剤と共に、微量のSi成分を複合的に微量添
加することによって、焼結助剤による窒化アルミニウム
焼結体の高熱伝導率化機構を阻害することなく、窒化ア
ルミニウム結晶粒の粗大化を抑制することができる。こ
れにより、微細な結晶組織が得られ、窒化アルミニウム
焼結体の高強度化を図ることができる。また、Si成分は
窒化アルミニウム内に固溶しやすいため、Si成分を含む
粒界相と窒化アルミニウム結晶粒とは強固に結合し、窒
化アルミニウム焼結体の高強度化に寄与する。
【0016】ただし、上述したようにSi成分は窒化アル
ミニウムに固溶しやすく、反応性のよい成分であるた
め、窒化アルミニウム中に多量に固溶すると、窒化アル
ミニウム内でのフォノンの散乱に寄与し、窒化アルミニ
ウム焼結体の熱伝導率を低下させる。そこで、本発明で
は窒化アルミニウム焼結体中のSi成分濃度を 0.2質量%
以下と規定している。窒化アルミニウム焼結体中のSi成
分濃度が 0.2質量% を超えると、熱伝導率が低下すると
共に、曲げ強度等の機械的強度も低下する。言い換えれ
ば、窒化アルミニウム焼結体中のSi成分濃度が 0.2質量
% 以下であれば、熱伝導率をあまり低下させることな
く、機械的強度を向上させることができる。一方、Si成
分濃度があまり少なすぎても粒成長の抑止効果等を十分
に得ることができないため、窒化アルミニウム焼結体中
のSi成分濃度は0.01質量% 以上とする。窒化アルミニウ
ム焼結体中のSi成分濃度のより好ましい範囲は0.05〜
0.1質量% の範囲である。
【0017】上記Si成分は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、
炭化ケイ素および酸窒化ケイ素から選ばれる少なくとも
1種のケイ素化合物として窒化アルミニウム原料粉末に
添加することが好ましい。
【0018】上述した3A族元素、Ca、SrおよびBaから選
ばれる少なくとも 1種の酸化物を1〜10質量% の範囲で
含有すると共に、Si成分濃度が0.01〜 0.2質量% の範囲
の窒化アルミニウム焼結体は、例えば150W/m K以上の高
熱伝導率を維持した上で、平均結晶粒径が 1〜 4μm 程
度の微細組織が実現できるため、例えば 3点曲げ強度が
490MPa以上の高強度を達成することができる。
【0019】また、上述したSi成分含有の窒化アルミニ
ウム焼結体には、上記焼結助剤としての酸化物やSi成分
の他に、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、Moおよび Wから選ばれた
少なくとも 1種を酸化物換算で 0.1〜 0.5質量% の範囲
で含有させてもよい。これらの酸化物は、焼結温度を下
げて焼結性を向上させると共に、着色して不透明な焼結
体を形成するため、半導体素子用のパッケージとして好
適な窒化アルミニウム焼結体が得られる。上記金属元素
の含有量が酸化物換算で 0.1質量% 未満であると、上記
特性改善効果を十分に得ることができず、また 0.5質量
% を超えると窒化アルミニウム焼結体の熱伝導率の低下
要因となる。
【0020】さらに、3A族元素、Ca、Sr、BaやTi、Zr、
Hf、Nb、Ta、Mo、 W以外の不純物陽イオン、例えばFeや
Mg等は、窒化アルミニウム焼結体の熱伝導を阻害する化
合物を形成しやすいため、窒化アルミニウム焼結体中の
含有量を 0.2質量% 以下とすることが好ましい。
【0021】請求項1記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージは、上述した高熱伝導率および高強度を有するSi成
分含有の窒化アルミニウム焼結体により構成したもので
ある。上述したように、適量のSi成分を含有する窒化ア
ルミニウム焼結体は150W/m K以上の高熱伝導性と高強度
とを満足するため、このような窒化アルミニウム焼結体
を用いることによって、表面研磨時等における脱粒を防
止したり、取扱い性を向上させることができると共に、
放熱特性に優れた半導体素子用のパッケージが構成でき
る。
【0022】ところで、適量のSi成分は、窒化アルミニ
ウム焼結体の熱伝導率にあまり悪影響を与えることがな
いものの、例えば 170W/m K 以上というような熱伝導率
の窒化アルミニウム焼結体を得ようとする場合には、障
害となる恐れがある。そこで、請求項3記載の窒化アル
ミニウム製パッケージにおいては、特に機械的強度が影
響する表層部のみ、すなわちパッケージの表裏両主面の
みに前述した高強度のSi成分含有の窒化アルミニウム焼
結体を用い、内層部には実質的にSi成分を含有しない窒
化アルミニウム焼結体を用いている。
【0023】パッケージの表層部のみに高強度のSi成分
含の有窒化アルミニウム焼結体を用いた場合において
も、表面研磨時等における脱粒等を防止することができ
る。そして、内層部を例えば熱伝導率が 170W/m K 以上
というような高熱伝導性のSi成分を実質的に含有しない
窒化アルミニウム焼結体で構成することによって、より
一層パッケージの熱伝導性を向上させることができる。
【0024】表層部のみに用いられる高強度のSi成分含
有窒化アルミニウム焼結体の形状は、パッケージの構造
や形状等によっても異なるが、表面研磨時の脱粒等を防
止するためには厚さ 0.3mm以上に設定することが好まし
い。
【0025】パッケージの内層部を構成するSi成分を実
質的に含有しない窒化アルミニウム焼結体は、Si成分含
有の窒化アルミニウム焼結体と同様に、3A族元素、Ca、
SrおよびBaから選ばれた少なくとも 1種の酸化物を 1〜
10質量% の範囲で含有するものであり、これら酸化物の
配合理由や含有量の規定理由等は前述した通りである。
また、このSi成分を実質的に含有しない窒化アルミニウ
ム焼結体においても、FeやMg等の不純物陽イオンの含有
量を 0.2質量% 以下とすることが好ましい。
【0026】本発明の窒化アルミニウム製パッケージ
は、単層基板状であっても、また多層基板状であっても
よく、パッケージ内の配線構造等に限定されるものでは
ない。また、パッケージ構造自体も種々の構造に適用す
ることができ、QFP、PGA、BGA等に好適であ
る。
【0027】請求項1記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージは、例えば以下のようにして作製される。
【0028】例えば、窒化アルミニウム原料粉末に、 1
〜10質量% の範囲の3A族元素、Ca、SrおよびBaから選ば
れる少なくとも 1種の酸化物もしくは酸化物に変換する
化合物と共に、酸化ケイ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素お
よび酸窒化ケイ素から選ばれる少なくとも 1種のSi化合
物をSi換算量で0.01〜 0.2質量% の範囲で添加し、さら
に有機バインダや各種添加剤等を必要に応じて加えて十
分に混合する。この混合物をドクターブレード法等の成
形法を適用して、シート状の成形体(窒化アルミニウム
グリーンシート)を作製する。窒化アルミニウム原料粉
末としては、不純物陽イオン量が 0.2質量% 以下のもの
を用いることが好ましい。
【0029】次に、窒化アルミニウムグリーンシートに
スルーホール形成等の所望の加工を施すと共に、導体ペ
ーストをスルーホール内に充填し、また内部配線パター
ンに応じて印刷層を形成した後、所望枚数のグリーンシ
ートを積層する。この後、グリーンシートの積層体を窒
素雰囲気中等で脱脂および焼成して、窒化アルミニウム
焼結体からなるパッケージを作製する。なお、単層基板
状のパッケージを作製する場合には、そのまま脱脂、焼
成を施せばよい。
【0030】また、パッケージ表面に薄膜形成法等で表
面配線層を形成する場合には、パッケージ表面に研磨処
理を施して平坦化した後に、表面配線層を形成する。表
面研磨処理を施しても、パッケージが機械的強度に優
れ、脱粒等がほとんど起こらないため、断線等のない健
全な表面配線層を形成することができる。
【0031】請求項3記載の窒化アルミニウム製パッケ
ージは、例えば以下のようにして作製される。
【0032】上述したパッケージの製造方法と同様に、
Si成分含有の窒化アルミニウムグリーンシートを作製す
る。一方、Si成分を添加しないことを除いて、同様に実
質的にSi成分を含有しない窒化アルミニウムグリーンシ
ートを作製する。そして、各窒化アルミニウムグリーン
シートにスルーホール形成等の所望の加工を施すと共
に、導体ペーストをスルーホール内に充填したり、また
内部配線パターンに応じて印刷層を形成した後、内層部
用の実質的にSi成分を含有しない窒化アルミニウムグリ
ーンシート(またはその積層体)の表裏両主面に、Si成
分含有の窒化アルミニウムグリーンシートが位置するよ
うに、所望枚数のグリーンシートを積層する。この後、
グリーンシートの積層体を窒素雰囲気中等で脱脂および
焼成して、窒化アルミニウム焼結体からなるパッケージ
を作製する。
【0033】また、パッケージ表面に薄膜形成法等で表
面配線層を施す場合には、パッケージ表面に研磨処理を
施して平坦化した後に、表面配線層を形成する。表面研
磨処理を施しても、パッケージ表面層が機械的強度に優
れ、脱粒等がほとんど起こらないため、断線等のない健
全な表面配線層を形成することができる。
【0034】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0035】実施例1 まず、不純物として酸素を 0.8質量% 含有し、平均粒径
が 1μm の AlN粉末(不純物陽イオン量=0.15質量% )
に対して、 3質量% の Y2 O 3 粉末と 0.3質量% のWO3
粉末とを加え、さらにSi成分として SiO2 粉末をSi換算
量で 0.1質量%加えて、エチルアルコールを分散媒とし
てボールミルで20時間混合して原料混合粉末を調製し
た。
【0036】次いで、上記原料混合粉末に適量のポリビ
ニルアルコールを加えて十分に混練した後、ドクターブ
レード法で厚さ 0.3mmの AlNグリーンシートを 9枚作製
した。これら各 AlNグリーンシートに貫通孔の形成、並
びに Wペーストによる貫通孔の充填と内部配線パターン
に応じた印刷層の形成を行った後、これら 9枚の AlNグ
リーンシートを積層した。次に、上記 AlNグリーンシー
トの積層体を窒素雰囲気中で脱脂処理した後、窒素雰囲
気中にて 2033Kの条件で焼成して、窒化アルミニウム製
パッケージを得た。
【0037】また、本発明との比較例として、原料混合
粉末中に SiO2 粉末を添加せずに、2073Kで焼成して窒
化アルミニウム製パッケージ(比較例1)を作製した。
また、上記実施例と同一の AlN粉末に 2質量% のCaCO3
粉末のみを加えて原料混合粉末を調製し、 2073Kで焼成
して窒化アルミニウム製パッケージ(比較例2)を作製
した。さらに、原料混合粉末中に SiO2 粉末をSi換算量
で 0.3質量% 添加し、2033Kで焼成して窒化アルミニウ
ム製パッケージ(比較例3)を作製した。
【0038】これら実施例1および比較例1、2、3に
よる各窒化アルミニウム製パッケージを用いて、熱伝導
率、平均結晶粒径(D50) 、抗折強度(3点曲げ強度)、金
属顕微鏡により表面研磨した後の脱粒の程度を測定評価
した。それらの結果を表1に示す。なお、抗折強度は各
例と同一条件で作製した試験片の測定結果である。
【0039】
【表1】 表1から明らかなように、適量のSi成分を含有させた実
施例1による窒化アルミニウム製パッケージは、比較例
に比べて熱伝導率が僅かに低下しているものの、熱抵抗
シュミレーション上はほとんど影響しないレベルであ
り、その上で微細結晶組織が実現されているため、抗折
強度に優れることが分かる。よって、表面研磨後におい
てもほとんど脱粒は発生しておらず、これにより例えば
薄膜形成法等により表面配線層を形成する場合において
も、断線等の不良発生を大幅に低減することが可能とな
る。また、取扱い時における破損等を抑制することが可
能となるため、パッケージの製造歩留りや実装歩留り等
を向上させることができる。 実施例2〜8 実施例1と同一の窒化アルミニウム粉末に表2に示す添
加剤(焼結助剤およびSi成分)を添加して原料混合粉末
を調製し、表2に示す焼成温度で焼成する以外は、それ
ぞれ実施例1と同一条件で窒化アルミニウム製パッケー
ジを作製した。これら各窒化アルミニウム製パッケージ
の熱伝導率、平均結晶粒径、抗折強度(3点曲げ強度)、
表面研磨後の脱粒の程度を実施例1と同様に測定評価し
た。それらの結果を併せて表2に示す。
【0040】
【表2】 実施例9 まず、不純物として酸素を 0.8質量% 含有し、平均粒径
が 1μm の AlN粉末(不純物陽イオン量=0.15質量% )
に対して、 5質量% の Y2 O 3 粉末と 0.3質量% のWO3
粉末とを加え、さらにSi成分として SiO2 粉末をSi換算
量で 0.1質量%加えて、エチルアルコールを分散媒とし
てボールミルで20時間混合して、表層部用原料混合粉末
を作製した。次いで、上記原料混合粉末に適量のポリビ
ニルアルコールを加えて十分に混練した後、ドクターブ
レード法で厚さ 0.3mmの表層部用AlNグリーンシートを
2枚作製した。
【0041】また、不純物として酸素を 0.8質量% 含有
し、平均粒径が 1μm の AlN粉末(不純物陽イオン量=
0.15質量% )に対して、 5質量% の Y2 O 3 粉末と 0.3
質量% のWO3 粉末とを加えて、エチルアルコールを分散
媒としてボールミルで20時間混合して、内層部用原料混
合粉末を作製した。次いで、上記原料混合粉末に適量の
ポリビニルアルコールを加えて十分に混練した後、ドク
ターブレード法で厚さ0.3mmの内層部用 AlNグリーンシ
ートを 7枚作製した。
【0042】上述した各 AlNグリーンシートに貫通孔の
形成、並びに Wペーストによる貫通孔の充填と内部配線
パターンに応じた印刷層の形成を行った後、まず 7枚の
内層部用 AlNグリーンシートを積層し、その表裏両面に
表層部用 AlNグリーンシートをそれぞれ積層した。次
に、上記 AlNグリーンシートの積層体を窒素雰囲気中で
脱脂処理した後、窒素雰囲気中にて 2043Kの条件で焼成
して、窒化アルミニウム製パッケージを得た。
【0043】また、比較例4として、上記実施例におけ
る内層部用原料混合粉末による AlNグリーンシートのみ
を用いて、 2073Kで焼成して窒化アルミニウム製パッケ
ージを作製した。なお、参考例として、表層部用原料混
合粉末による AlNグリーンシートのみを用いた窒化アル
ミニウム製パッケージを作製した。
【0044】これら実施例9、比較例4および参考例に
よる各窒化アルミニウム製パッケージを用いて、熱伝導
率、平均結晶粒径(D50)、抗折強度(3点曲げ強度)、金
属顕微鏡により表面研磨した後の脱粒の程度を測定評価
した。それらの結果を表3に示す。なお、抗折強度は各
例と同一条件で作製した試験片の測定結果である。
【0045】
【表3】 表3から明らかなように、適量のSi成分を含有させた窒
化アルミニウム焼結体を表層部のみに用いた窒化アルミ
ニウム製パッケージは、高熱伝導率が得られていると共
に、抗折強度に優れることが分かる。よって、表面研磨
後においてもほとんど脱粒は発生しておらず、これによ
り例えば薄膜形成法等により表面配線層を形成する場合
においても、断線等の不良発生を大幅に低減することが
可能となる。また、取扱い時における破損等を抑制する
ことが可能となるため、パッケージの製造歩留りや実装
歩留り等を向上させることができる。
【0046】実施例10〜15 実施例9と同一の窒化アルミニウム粉末に表4に示す焼
結助剤およびSi成分を添加して表層部用原料混合粉末お
よび内層部用原料混合粉末を調製する以外は、それぞれ
実施例9と同一条件で窒化アルミニウム製パッケージを
作製した。なお、焼成温度はそれぞれ表4に示すとおり
とした。これら各窒化アルミニウム製パッケージの熱伝
導率、平均結晶粒径、抗折強度(3点曲げ強度)、表面研
磨後の脱粒の程度を実施例9と同様に測定評価した。そ
れらの結果を表5に示す。
【0047】
【表4】
【表5】
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の窒
化アルミニウム製パッケージによれば、窒化アルミニウ
ム焼結体からなるパッケージの高熱伝導性を損うことな
く、結晶粒の粗大化を抑制することができるため、機械
的強度を高めることができる。よって、取扱い性に優れ
ると共に、表面研磨時等においても脱粒がなく、健全な
表面配線層を安定して形成することが可能な高放熱性の
半導体用パッケージを提供することができる。
【0049】また、請求項3記載の窒化アルミニウム製
パッケージによれば、機械的強度に優れる窒化アルミニ
ウム焼結体を表層部のみに用いているため、取扱い性の
向上や表面研磨時における脱粒の防止等を達成した上
で、より一層放熱性に優れる半導体用パッケージを提供
することができる。
【0050】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−196582(JP,A) 特開 平4−92867(JP,A) 特開 平4−92864(JP,A) 特開 昭54−148010(JP,A) 特開 平8−81267(JP,A) 特開 昭63−310772(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 23/08 C04B 35/581

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウム焼結体からなる半導体
    素子用のパッケージにおいて、 前記窒化アルミニウム焼結体は、3A族元素、Ca、Srおよ
    びBaから選ばれた少なくとも 1種の酸化物を 1〜10質量
    % の範囲で含有すると共に、Si成分濃度が0.01〜 0.2質
    量% の範囲であることを特徴とする窒化アルミニウム製
    パッケージ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の窒化アルミニウム製パッ
    ケージにおいて、 前記窒化アルミニウム焼結体は、Ti、Zr、Hf、Nb、Ta、
    Moおよび Wから選ばれた少なくとも 1種を酸化物換算で
    0.1〜 0.5質量% の範囲で含有することを特徴とする窒
    化アルミニウム製パッケージ。
  3. 【請求項3】 窒化アルミニウム焼結体からなる半導体
    素子用のパッケージにおいて、 前記窒化アルミニウム焼結体は、3A族元素、Ca、Srおよ
    びBaから選ばれた少なくとも 1種の酸化物を 1〜10質量
    % の範囲で含有すると共に、Si成分濃度が0.01〜 0.2質
    量% の範囲である表層部と、3A族元素、Ca、SrおよびBa
    から選ばれた少なくとも 1種の酸化物を 1〜10質量% の
    範囲で含有する内層部とを有することを特徴とする窒化
    アルミニウム製パッケージ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の窒化アルミニウム製パッ
    ケージにおいて、 前記窒化アルミニウム焼結体の表層部は、Ti、Zr、Hf、
    Nb、Ta、Moおよび Wから選ばれた少なくとも 1種を酸化
    物換算で 0.1〜 0.5質量% の範囲で含有することを特徴
    とする窒化アルミニウム製パッケージ。
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