JP3369721B2 - 電着塗膜形成方法 - Google Patents

電着塗膜形成方法

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JP3369721B2 JP11014794A JP11014794A JP3369721B2 JP 3369721 B2 JP3369721 B2 JP 3369721B2 JP 11014794 A JP11014794 A JP 11014794A JP 11014794 A JP11014794 A JP 11014794A JP 3369721 B2 JP3369721 B2 JP 3369721B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラスチツク物品上への
電着塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、自動車車体などにおいて、軽量化のため金属部材が
プラスチツク部材に置換えられつつあり、金属部材とプ
ラスチツク部材とを組合せて車体を形成する場合が多く
なつてきている。
【0003】現在、金属部材とプラスチツク部材とが組
合された車体においては、金属部材とプラスチツク部材
とを別々に前処理、塗装を行ない、塗装後に組合せて車
体を形成する方法が一般に採用されている。しかしなが
ら、そのような方法では、金属部材とプラスチツク部材
が別々に塗装されるため工程が複雑となり、また塗色を
一致させるのに大きな労力を必要とする。また、プラス
チツクの塗装は、効率的でかつ美しい塗装仕上げをする
ために、一般に静電スプレー塗装によつて行なわれる
が、このためには前もつてプラスチツク部材表面に導電
性を付与しておくことが必要であり、導電性プライマが
この目的で塗布されることが多いが、塗布工数が増大す
るという問題がある。
【0004】金属部材とプラスチツク部材との一体化塗
装に関しては、プラスチツク材料にカーボンを混入して
表面抵抗率101Ω以下のプラスチツク部材を成形し、
このプラスチツク部品を車体に組付けた後、金属部材と
プラスチツク部材が一体化した車体に下塗−中塗−上塗
の全塗装工程に亘つて同一の塗装を施す技術が知られて
いる。しかしながら、この技術においては、プラスチツ
ク部材の表面抵抗率を101Ω以下とするために、プラ
スチツク材料に多量のカーボンを混入する必要があり、
その結果成形されたプラスチツク部材は衝撃強度が著る
しく低下し実用上問題がある。また、電着塗膜の仕上り
性が悪いという問題もある。
【0005】本発明の目的は、プラスチツク物品上に良
好な外観の電着塗膜を形成することができ、プラスチツ
ク物品の衝撃強度を大幅に低下させることがなく、しか
もプラスチツク物品と金属部品とを同時に電着塗装し、
次いで順次塗装仕上げを行なつた場合にも、プラスチツ
ク部と金属部との間に仕上り外観の差がほとんど認めら
れないプラスチツク部品の電着塗膜形成方法を開発する
ことである。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、DBP吸油量が100ml/100g以上の導電性
カーボンブラツクを含有する、表面抵抗率が1.5×1
1〜1×105Ωであるプラスチツク物品上に、電着塗
料を電着塗装して塗膜形成することを特徴とする電着塗
膜形成方法が提供される。
【0007】本発明の方法において基材として使用され
る「プラスチツク物品」は、JISK 6221−19
82 6.1.2 A法(機械練り法)によるDBP吸油
量(ジブチルフタレート吸油量)が100ml/100
g以上の導電性カーボンブラツクを含有する、表面抵抗
率が1.5×101〜1×105Ωであるプラスチツク物
品である。
【0008】ここで、「表面抵抗率」とは、試験片の表
面に沿つて流れる電流と平行方向の電位傾度を、表面の
単位幅当たりの電流で除した数値を意味し、JIS K
6911−1979 5.13.1によつて求められる表
面抵抗率を意味する。
【0009】上記プラスチツク物品に使用される樹脂と
しては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであつて
もよいが、射出成形法、押出成形法等の簡便な成形法に
よつて成形しやすい等の観点から一般には熱可塑性樹脂
が好ましい。ただし、電着塗膜の焼付けは、通常、約1
00〜約200℃の温度で10〜60分間程度の条件下
で行なわれるので、使用する熱可塑性樹脂は、この焼付
条件において成形物品として要求される寸法精度を実質
的に維持し得るだけの耐熱性をしていることが望まし
い。耐熱性の具体的指標としては、熱可塑性樹脂の荷重
たわみ温度(JIS K 7207−1983、A法)
が、挙げられ、その温度が一般に設定管理する電着塗膜
の焼付温度と同等またはそれ以上であることが好まし
い。
【0010】上記耐熱性という観点から好適な熱可塑性
樹脂としては、例えば、耐熱性ポリプロピレン、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリフエニレンサルフアイド樹脂、ポリエーテ
ルエーテルケトン樹脂、シンジオタクチツク・ポリスチ
レン樹脂等の結晶性樹脂;ABS樹脂、耐熱ABS樹
脂、ポリカーボネート樹脂、イミド化樹脂、ポリフエニ
レンエーテル樹脂、ポリサルフオン樹脂、ポリエーテル
サルフオン樹脂等の非結晶性樹脂;およびこれらの樹脂
の変性樹脂から選ばれる樹脂の1種又はこれらの樹脂の
2種以上の混合物を挙げることができる。上記変性樹脂
としては、繰返し構造の一部に上記結晶性樹脂又は上記
非結晶性樹脂を構成する樹脂構造を有する共重合体や、
上記結晶性樹脂又は上記非結晶性樹脂と、他の1種以上
の汎用樹脂との混合物を挙げることができる。
【0011】上記変性樹脂の具体例としては、例えば、
プロピレン−エチレンブロツク共重合体、ポリブチレン
テレフタレート−ポリアミド・ブレンド物、ポリサルフ
オン−ポリエーテルサルフオン・ブレンド物、ポリフエ
ニレンサルフアイド−ポリエーテルサルフオン・ブレン
ド物、ポリカーボネート−ABS・ブレンド物、ポリフ
エニレンエーテル−ポリスチレン・ブレンド物などを挙
げることができる。また上記変性樹脂は、オレフイン系
エラストマーなどの各種エラストマーを少量配合して改
質したものであつてもよい。
【0012】本発明においては、以上に述べた熱可塑性
樹脂以外に、さらに、ポリウレタン樹脂、ポリユリア樹
脂、ポリフエノール樹脂等の熱硬化性樹脂も使用するこ
とができる。
【0013】一方、本発明に従いプラスチツク物品に含
有させることができる導電性カーボンブラツクとして
は、DBP吸油量が100ml/100g以上、好まし
くは120ml/100g〜360ml/100g、さ
らに好ましくは、150ml/100g〜240ml/
100gの範囲内にあるものを使用することができ、具
体的には、例えば、石炭フアーネスブラツク、石油フア
ーネスブラツク、アセチレンブラツク等が挙げられる。
プラスチツク物品の強度保持という観点から、なかで
も、BET比表面積が100m2/g以上、特に110
2/g以上でかつX線解析により測定された結晶子の
厚み(Lc)が35オングストローム以上、殊に40〜
60オングストロームの範囲内にある導電性カーボンブ
ラツクを使用するのが好都合である。また、得られるプ
ラスチツク物品の表面平滑性、樹脂劣化の抑制等の点か
ら不純物のできるだけ少ないものが好適である。これら
の要件を満足しうる導電性カーボンブラツクとしては、
アセチレンブラツクを挙げることができる。
【0014】本発明の方法において使用するプラスチツ
ク物品は、前記樹脂、上記導電性カーボンブラツク並び
に必要に応じて、炭酸カルシウム、タルク、マイカなど
の無機質フイラーおよび滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤などのプラスチツク用添加剤をそれ自体既知の混練方
法、例えば、単軸押出機、二軸押出機、加圧ニーダ等で
溶融混練する方法等によつて混練して十分混合し、成形
することによつて得ることができる。カーボンブラツク
の分散度を高めるには、二軸押出機または加圧ニーダに
て高混練することが好ましい。樹脂材料として熱可塑性
樹脂を用いる場合には、混練された混合物を通常ペレツ
ト状に裁断し、そのペレツトを射出成形、押出成形等の
成形に供することによつてプラスチツク物品が得られ
る。樹脂と導電性カーボンブラツクとの混合割合は、成
形されるプラスチツク物品の表面抵抗率が1.5×101
〜1×105Ω、好ましくは5×102〜1×105Ωの
範囲内となるように選択される。なお、樹脂中に混合し
てプラスチツク物品に導電性を付与し得るものとして、
導電性カーボンブラツク以外に、銅、ステンレスなどの
金属製フイラー;酸化亜鉛、酸化チタンなどの導電性を
発現し得る金属酸化物;炭素繊維などを挙げることがで
きるが、上記金属製フイラーや金属酸化物は一般に樹脂
との密着性が悪く、得られるプラスチツク物品の衝撃強
度や剛性が低くなるため不適であり、また、炭素繊維を
含有するプラスチツク物品は高い曲げ弾性率を示すが物
性の異方性が顕著であり、特に繊維方向に対して垂直方
向からの衝撃に弱いという欠点を有し、さらに炭素繊維
の樹脂中への分散性が悪いため、電着塗装によつて形成
される塗膜に塗布むらが生じやすいので不適である。
【0015】本発明において、プラスチツク物品の表面
抵抗率が1×105Ωより大きくなると、電着塗装時に
印加電圧を500ボルトまで上昇させてもプラスチツク
物品表面に塗料粒子が析出しなかつたり、或いは析出し
ても積層困難で所望の塗膜厚が得られなかつたり、電極
端子付近にのみ塗料が析出するという問題が生ずる。一
方、表面抵抗率が1.5×101Ω未満では、この表面抵
抗率とするために多量の導電性カーボンブラツクを含有
させることになるため、プラスチツク物品の衝撃強度な
どが著るしく低下し、実用的でなくなるという問題を生
ずる。なお、実用的に許容しうるプラスチツク物品の強
度は、アイゾツト衝撃強度(JIS K7110−19
84)で3kg−cm/cm以上であると考えられる。
【0016】プラスチツク物品の表面抵抗率を1.5×
101〜1×105Ωの範囲内に設定するための導電性カ
ーボンブラツクの配合量は、カーボンブラツクの種類、
樹脂の種類、混練分散方法、成形方法などによつて影響
されるが、例えば、非結晶性熱可塑性樹脂とアセチレン
ブラツクとを二軸押機で混練、溶融一体化し、射出成形
法で成形する場合には、樹脂とアセチレンブラツクとの
合計量に基いてアセチレンブラツク量は大体12〜28
重量%の範囲内とすることができる。
【0017】本発明においては、以上に述べた如くして
形成されるプラスチツク物品上に電着塗料を電着塗装し
て電着塗膜が形成される。本発明の方法で使用される電
着塗料は、アニオン型、カチオン型のいずれであつても
よいが、プラスチツク物品と金属物品とを同時に電着す
る時の金属部の耐食性等の点から通常、カチオン型が好
ましい。また、電着塗料の基体樹脂としては、エポキシ
系、アクリル系、ポリブタジエン系、アルキド系、ポリ
エステル系のいずれの樹脂であつてもよいが、一般には
アミン付加エポキシ樹脂に代表されるポリアミン樹脂が
好ましい。
【0018】上記アミン付加エポキシ樹脂としては、例
えば、(i)ポリエポキシド化合物と1級モノ−もしく
はポリアミン、2級モノ−もしくはポリアミン又は1,
2級混合ポリアミンとの付加物(例えば、米国特許第
3,984,299号明細書参照);(ii)ポリエポキ
シド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有する2
級モノ−またはポリアミンとの付加物(例えば米国特許
第4,017,438号明細書参照);(iii)ポリエ
ポキシド化合物とケチミン化された1級アミノ基を有す
るヒドロキシ化合物とのエーテル化により得られる反応
物(例えば特開昭59−43013号公報参照)などが
挙げられる。
【0019】上記アミン付加エポキシ樹脂の製造に使用
されるポリエポキシド化合物は、エポキシ基を1分子中
に2個以上有する化合物であり、一般に少なくとも20
0、好ましくは400〜4,000、更に好ましくは8
00〜2,000の範囲内の数平均分子量を有し、また
エポキシ当量が一般に少なくとも100、好ましくは2
00〜3000、更に好ましくは400〜1500の範
囲内にあるものが適しており、特にポリフエノール化合
物とエピクロルヒドリンとの反応によつて得られるもの
が好ましい。該ポリエポキシド化合物の形成のために用
いうるポリフエノール化合物としては、例えば、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−2,2−プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフエニル)−メタン、4,4′−ジヒ
ドロキシベンゾフエノン、ビス(4−ヒドロキシフエニ
ル)−1,1−エタン、ビス−(4−ヒドロキシフエニ
ル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−t
ert−ブチル−フエニル)−2,2−プロパン、ビス
(2−ヒドロキシナフチル)メタン、1,5−ジヒドロ
キシナフタレン、ビス(2,4−ジヒドロキシフエニ
ル)メタン、テトラ(4−ヒドロキシフエニル)−1,
1,2,2−エタン、4,4′−ジヒドロキシジフエニル
スルホン、フエノールノボラツク、クレゾールノボラツ
ク等が挙げられる。
【0020】該ポリエポキシド化合物は、ポリオール、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポ
リアミドアミン、ポリカルボン酸、ポリイソシアネート
化合物などと一部反応させたものであつてもよく、更に
また、ε−カプロラクトン、アクリルモノマーなどをグ
ラフト重合させたものであつてもよい。
【0021】上記基体樹脂は、外部架橋型及び内部(又
は自己)架橋型のいずれのタイプのものであつてもよ
く、外部架橋型の樹脂の場合に併用される硬化剤として
は、例えば、(ブロツク)ポリイソシアネート化合物や
アミノ樹脂等の従来から既知の架橋剤であることがで
き、特にブロツクポリイソシアネート化合物が好まし
い。また、内部架橋型の樹脂としてはブロツクイソシア
ネート基を導入したものが好適である。
【0022】上記外部架橋型で使用しうるブロツクイソ
シアネート化合物は、各々理論量のポリイソシアネート
化合物とイソシアネートブロツク剤との付加反応生成物
であることができる。このポリイソシアネート化合物と
しては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、フエニレンジイソシアネート、ビ
ス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート、メチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネートなどの芳香族、脂環族または脂肪族のポリイソ
シアネート化合物、これらのポリイソシアネート化合物
の重合体及びこれらのポリイソシアネート化合物の過剰
量にエチレングリコール、プロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ヘキサントリオール、ヒマシ油な
どの低分子活性水素含有化合物を反応させて得られる末
端イソシアネート含有化合物が挙げられる。
【0023】一方、前記イソシアネートブロツク剤はポ
リイソシアネート化合物のイソシアネート基に付加して
ブロツクするものであり、そして付加によつて生成する
ブロツクイソシアネート化合物は常温において安定で且
つ約100〜200℃、好ましくは約100〜160℃
の温度に加熱した際、ブロツク剤を解離して遊離のイソ
シアネート基を再生しうるものであることが望ましい。
このような要件を満たすブロツク剤としては、例えば、
ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタ
ム系化合物;メチルエチルケトオキシム、シクロヘキサ
ノンオキシムなどのオキシム系化合物;フエノール、パ
ラ−t−ブチルフエノール、クレゾールなどのフエノー
ル系化合物等が挙げられる。
【0024】これらのうち、オキシム系及びラクタム系
のブロツク剤は、比較的低温で解離するブロツク剤であ
るため、電着塗料組成物の硬化性の点から特に好適であ
る。ブロツクイソシアネート基を基体樹脂分子中に有し
ていて自己架橋するタイプにおける基体樹脂中へのブロ
ツクイソシアネート基の導入方法は従来既知の方法を用
いることができ、例えば、部分ブロツクしたポリイソシ
アネート化合物中の遊離のイソシアネート基と基体樹脂
中の活性水素含有部とを反応させることによつて導入す
ることができる。
【0025】基体樹脂の中和・水性化は、カチオン系樹
脂の場合には通常、該樹脂をギ酸、酢酸、乳酸などの水
溶性有機酸で中和して水溶化または水分散化することに
よつて行なうことができ、また、アニオン系樹脂の場合
には水溶性有機酸のかわりにアミン、アルカリ金属水酸
化物などのアルカリで中和して、水溶化または水分散化
することによつて行なうことができる。
【0026】本発明の電着塗料組成物には、必要に応じ
て、有機溶剤、添加樹脂、顔料、顔料分散樹脂、顔料分
散剤、塗面調整剤、硬化触媒などの塗料添加物を配合す
ることができる。
【0027】上記添加樹脂としては、例えばアミノ基含
有高分子量ポリウレタン樹脂などが挙げられ、電着塗装
時の塗膜の破壊(プレーグ)の発生防止や耐チツピング
性付与の効果を有する。
【0028】硬化触媒としては、有機錫化合物などが挙
げられ、例えば、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫
オキサイドなどの有機錫酸化物;ジブチル錫ジラウレー
ト、ジオクチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ベンゾエ
ートオキシ、ジブチル錫ベンゾエートオキシ、ジオクチ
ル錫ジベンゾエート、ジブチル錫ジベンゾエートなどの
脂肪族あるいは芳香族カルボン酸のアルキル錫化合物等
が挙げられる。かかる有機錫化合物の配合量や配合法等
は従来一般に採用されているものと同様とすることがで
きる。
【0029】上記顔料や有機錫化合物粉末の電着塗料中
への配合は、これらを顔料分散剤や顔料分散樹脂ととも
に分散してペーストを調製し、このものを電着塗料と混
合することによつて行なうことができる。
【0030】本発明において、プラスチツク物品上への
上記電着塗料の塗装は、一般に、電着塗料の固形分濃度
が約5〜約40重量%そしてpHが5.5〜9.0の範囲
内となるように脱イオン水、中和剤などで調整した電着
浴を、通常、浴温15〜35℃、印加電圧100〜40
0Vの条件で操作することにより行なうことができる。
電着塗膜の膜厚は特に制限されるものではないが、一般
には、硬化塗膜に基づいて10〜40μmの範囲内が好
ましい。また、使用する電着塗料は低温焼付け型が好ま
しく、電着塗膜は、プラスチツク物品の耐熱性等の観点
から、100〜200℃の温度に10〜60分間保持す
る条件で焼付けることが好ましく、さらには100〜1
60℃の温度に10〜30分間保持する条件で焼付ける
ことがより好適である。
【0031】プラスチツク物品の電着塗装は、プラスチ
ツク物品のみを被塗物として行なつてもよいが、プラス
チツク物品と金属部品とを同時に或いは両部品が一体と
して組立てることができる場合には、両者を組立て一体
として同時に電着塗装することによつて工程を簡略化す
ることができ、それによつて金属部品とプラスチツク部
品に同じ種類の電着塗膜を形成することができるので両
者の外観の差が少なくなる。
【0032】本発明の電着塗膜形成方法によつて得られ
る電着塗膜の上には、適宜、それ自体既知の方法によつ
てチツピングプライマ、中塗塗料、上塗塗料などを形成
することができる。
【0033】
【実施例】実施例によつて本発明をさらに具体的に説明
する。
【0034】以下、「部」および「%」はいずれも重量
基準によるものである。
【0035】製造例1(電着塗料の製造例) エポン1004(*1)1,900部をブチルセロソル
ブ1,012部に溶解し、その中にジエチルアミン12
4部を滴下後120℃で2時間保持して、アミン価47
をもつエポキシ樹脂−アミン付加物を得た。
【0036】次にアミン価100をもつダイマー酸タイ
プポリアミド樹脂[商品名「バーサミド460」、ヘン
ケル白水(株)製]1,000部をメチルイソブチルケ
トン429部に溶かし、130〜150℃に加熱還流
し、生成水を留去して該アミド樹脂の末端アミノ基をケ
チミンに変えた。このものを150℃で約3時間保持
し、水の留出が停止してから60℃に冷却した。ついで
このものを前記エポキシ樹脂−アミン付加物に加えて1
00℃に加熱し、1時間保持後室温に冷却して固形分6
8%及びアミン価65のエポキシ樹脂−アミノ−ポリア
ミド付加樹脂のワニスを得た。
【0037】上記のようにして得たワニス103部(樹
脂固形分で70部)、キシリレンジイソシアネートのオ
キシムブロツク化物30部(固形分で)、10%酢酸1
5部を配合し、均一に撹拌した後、脱イオン水150部
を強く撹拌しながら約15分間かけて滴下し、固形分3
3.6%のカチオン電着用クリヤーエマルジヨンを得
た。このクリヤーエマルジヨン298部に下記表1に示
す処方の顔料ペースト69.7部を撹拌しながら加え、
脱イオン水271.3部で希釈して固形分21%のカチ
オン電着塗料を得た。
【0038】(*1)エポン1004:油化シエルエポ
キシ社製、エポキシ当量約950を有するビスフエノー
ルA型エポキシ樹脂。
【0039】 製造例2(プラスチツク物品の作成例) 樹脂として、荷重たわみ温度(JIS K 7207−1
983、A法による)が160℃の変性ポリフエニレン
エーテル樹脂(以下、後記表2中などにおいて「M−P
PE」と略記する)、荷重たわみ温度が130℃のポリ
カーボネート樹脂(以下、後記表2中などにおいて「P
C」と略記する)、または荷重たわみ温度が120℃の
ポリカーボネート/アクリロニトリル・ブタジエン・ス
チレン共重合体アロイ樹脂(以下、後記表2中などにお
いて「PC/ABS」と略記する)を用い、導電性カー
ボンブラツクなどの導電材として、デンカブラツク(商
品名、電気化学工業(株)製、製法分類:アセチランブ
ラツク、X線解析による結晶の大きさLa 56.8オン
グストローム、Lc 41.9オングストローム、DBP
吸油量190ml/100g)、バルカンXC−72
(商品名、キヤブラツク(株)製、製法分類:フアーネ
スブラツク、DBP吸油量178ml/100g)およ
びケツチエンブラツクEC(商品名、ライオンアクゾ
(株)製、製法分類:フアーネスブラツク、DBP吸油
量340ml/100g)を用いて導電材の配合割合を
変えて各種配合物を得た。
【0040】これらの配合物はそれぞれ、タンブラーミ
キサーで混合され、続いて同方向2軸押出機を用いて溶
融混練し、ついでペレツト化した。
【0041】上記溶融混練したペレツトから、それぞれ
射出成形法によつて、大きさ70×150×3mmの平
板である各種の導電性の異なるプラスチツク物品を得
た。得られたプラスチツク物品の表面抵抗率を後記表2
に示す。
【0042】実施例1〜8および比較例1〜6 上記製造例2において得たプラスチツク物品を前記製造
例1で得た固形分21%のカチオン電着塗料の浴中に浸
漬し、プラスチツク物品をカソードとして電着塗装を行
なつた。電着塗装条件は、浴温28℃、印加電圧を15
0V、200V、250Vの3水準、電着時間3分間と
した。それぞれの電着塗装板は電着塗装後、浴から引上
げ、水洗し、ついで焼付けた。プラスチツク物品の樹脂
種がM−PPEの場合には、焼付温度150℃で20分
間保持する条件にて、また、プラスチツク物品の樹脂種
がPC又はPC/ABSの場合には、焼付温度120℃
で30分間保持する条件にて乾燥器中で焼付けた。得ら
れた電着塗装板の膜厚および印加電圧250Vにおける
電着塗装板の塗面状態を後記表2に示す。
【0043】上記電着塗装板の塗面状態を目視によつて
塗面の平滑性、光沢、ブツ、ヘコミについて評価した。
評価基準は下記のとおりである。
【0044】◎:非常に良好 ○:良好 △:不良 ×:非常に不良 試験例 上記実施例1〜8および比較例1〜6で得た、焼付けた
電着塗装板のそれぞれの電着塗面上に、関西ペイント社
製アミノアルキド系中塗塗料「アミラツクTP−37グ
レー」をスプレー塗装により乾燥膜厚が約35ミクロン
となるように塗装し、140℃で20分間焼付けた後、
さらに、その上に関西ペイント社製アミノアルキド系上
塗塗料「アミラツクTM13白」をスプレー塗装により
乾燥膜厚が約35ミクロンとなるよう塗装し、150℃
で20分間焼付けた。
【0045】上記のようにして得られた塗装板の総合塗
膜について、塗面状態、色差(△E)、塗色の目視感の
試験を行なつた。試験結果を後記表2に示す。試験は下
記の試験方法に従つて行なつた。
【0046】(1)塗面状態:総合塗膜の塗面の平滑
性、光沢を下記の基準で評価した。
【0047】◎:非常に良好 ○:良好 △:不良 ×:非常に不良 (2)色差(△E):リン酸亜鉛処理した70×150
×0.8mmの冷延鋼板を前記製造例1で得た固形分2
1%のカチオン電着塗料の浴中にて膜厚が20μmとな
るように電着塗装を行ない、水洗後、焼付温度150℃
で20分間保持する条件にて焼付けた。次いで得られた
電着塗装板に、上記試験例と同様にして中塗塗料および
上塗塗料を塗装し焼付けて塗装板を得た。この塗装板を
基準として、それぞれの塗装板の色差(△E)を色差計
にて測定した。
【0048】(3)塗色の目視感:総合塗膜の塗面と上
記(2)の基準塗装板との合致性を目視により評価し
た。
【0049】◎:良好、 ○:ほぼ良好、 △:不良、 ×:非常に不良、
【0050】
【表1】
【0051】実施例9 実施例1で使用したと同じプラスチツク物品とリン酸亜
鉛処理した70×150×0.8mmの冷延鋼板とをイ
ンサート射出成形法によつて組合せた。この組立体を前
記製造例1で得た固形分21%のカチオン電着塗料の浴
中に浸漬し、この組立体をカソードとして電着塗装を行
なつた。電着塗装条件は浴温28℃、印加電圧250
V、電着時間3分間とした。塗装後、水洗し、ついで焼
付温度150℃で20分間保持する条件にて電気熱風乾
燥器中で焼付けた。得られた電着塗装組立体において冷
延鋼板部の電着膜厚は20μm、プラスチツク物品部の
電着膜厚は19μmであつた。また、この組立体の電着
塗面状態は冷延鋼板部およびプラスチツク物品部の両者
とも良好であつた。
【0052】次いで上記電着塗膜を有する組立体に、前
記試験例と同様にして中塗塗料および上塗塗料を塗装し
焼付けて塗装物品を得た。得られた塗装物品は、冷延鋼
板部およびプラスチツク部の両者とも塗面の平滑性、光
沢が良好で異常がなく、両部における塗色の目視による
差異はほとんど認められず、また冷延鋼板部とプラスチ
ツク部との塗面の色差(△E)は0.3より小さかつ
た。以上のように冷延鋼板部とプラスチツク部との仕上
りは良好であり、また両部の仕上り外観の差はほとんど
認められなかつた。
【0053】
【発明の効果】本発明の方法によれば、プラスチツク物
品の衝撃強度を大きく低下させることなく、プラスチツ
ク部品に良好な外観の電着塗膜が形成することができ
る。さらに、本発明の方法によれば、プラスチツク物品
と金属とを組立てて両者を同時に電着塗装し、次いで順
次塗装仕上げをすることによつて塗装工程を簡略化でき
るとともに、同時に塗装できることから塗色のばらつき
をなくすことができ、プラスチツク部と金属部との仕上
り外観の差をほとんどなくすことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 力 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 横山 聡 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気 化学工業株式会社内 (72)発明者 鍋田 健司 東京都町田市旭町3丁目5番1号 電気 化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭54−4967(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25D 13/12 C08J 7/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DBP吸油量が100ml/100g以
    上の導電性カーボンブラツクを含有する、表面抵抗率が
    1.5×101〜1×105Ωであるプラスチツク物品上
    に、電着塗料を電着塗装して塗膜形成することを特徴と
    する電着塗膜形成方法。
  2. 【請求項2】 プラスチツク物品の表面抵抗率が5×1
    2〜1×105Ωである請求項1記載の電着塗膜形成方
    法。
  3. 【請求項3】 導電性カーボンブラツクが、100m2
    /g以上のBET比表面積を有し、X線解析により測定
    された結晶子の厚み(Lc)が35オングストローム以
    上であることを特徴とする請求項1または2記載の電着
    塗膜形成方法。
  4. 【請求項4】 導電性カーボンブラツクがアセチレンブ
    ラツクである請求項1〜3のいずれか一項に記載の電着
    塗膜形成方法。
  5. 【請求項5】 プラスチツク物品を形成する樹脂が、耐
    熱性ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート
    樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフエニレ
    ンサルフアイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
    脂、シンジオタクチツク・ポリスチレン樹脂、ABS樹
    脂、耐熱ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、イミド化
    樹脂、ポリフエニレンエーテル樹脂、ポリサルフオン樹
    脂、ポリエーテルサルフオン樹脂およびこれらの樹脂の
    変性樹脂から選ばれる少なくとも一種の樹脂である請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の電着塗膜形成方法。
  6. 【請求項6】 電着塗料がアミン付加エポキシ樹脂を基
    体樹脂とするカチオン型電着塗料である請求項1〜5の
    いずれか一項に記載の電着塗膜形成方法。
  7. 【請求項7】 電着塗料が低温焼付け型であり、電着塗
    装後、被塗物を100〜160℃の温度に10〜30分
    間保持する条件で焼付けることを特徴とする請求項1〜
    6のいずれか一項に記載の電着塗膜形成方法。
  8. 【請求項8】 プラスチツク物品と金属部品とを同時に
    電着塗装することを特徴とする請求項1〜7のいずれか
    一項に記載の電着塗膜形成方法。
  9. 【請求項9】 プラスチツク物品と金属部品とを組立て
    一体化して同時に電着塗装することを特徴とする請求項
    8記載の電着塗膜形成方法。
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