JP3369505B2 - 静電チャック - Google Patents
静電チャックInfo
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Description
においてシリコンウエハ等の被吸着物を固定、搬送、矯
正するために用いられる静電チャックに関する。
ハ等の固定、矯正あるいは搬送用治具として、電極上に
絶縁層を有し、電極に電圧を印加することにより絶縁層
上にウエハを静電吸着する静電チャックが使用されてい
る。
クは腐食性の高いガス、例えばフッ素系ガス(例えばS
F6、CF4、NF3等)、塩素系ガス(例えばBCl
3、Cl2、SiCl4等)を含む雰囲気中で使用され
る。これらのガスの他には必要に応じてO2ガスやAr
ガス等が混合される。このような腐食性の高い環境下で
用いられる静電チャックの絶縁層として、従来、耐腐食
性が高い高絶縁性セラミックスであるAlNやアルミナ
等が用いられている。
ナ等の高絶縁性材料を用いる場合、電極および被吸着体
に誘起された電荷の間に発生する静電吸着力(クーロン
力)を用いるため、高い吸着力を得るためには、絶縁層
の厚さを0.1mm以下にしなければならず、加工中に
破損する可能性が高い。
014Ω・cmに制御することにより、1〜2mmの厚
い絶縁層でも高い静電吸着力(ジョンセンラーベック
力)が得られることから、アルミナ等の絶縁層に導電性
セラミックスを添加して、絶縁層の体積抵抗率を下げ、
電荷の移動を可能として静電吸着力を向上させるという
ことが提案されている。
うな導電性セラミックスを添加した絶縁層を有する静電
チャックをプラズマ中で使用すると絶縁層表面に露出し
た導電性セラミックスがプラズマにより侵蝕され、半導
体ウエハを接触させた際に、半導体ウエハ裏面がパーテ
ィクルにより汚染されやすいという問題があった。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、周期律表3A族に
属する元素のうち少なくとも1種の元素を含む酸化物
と、TiO2−X(0≦X<2)とから実質的になり、
これらの少なくとも一部が複合酸化物を形成しているセ
ラミックス材料がプラズマ耐性に優れており、これを絶
縁層として用い、その体積抵抗率を適切な範囲に調整す
ることにより、被吸着体の汚染の問題を生じることなく
ジョンセン・ラーベック力によって高い吸着力を有する
静電チャックが得られることを知見し、本発明を完成す
るに至った。
けられた絶縁層とを有し、電極に電圧を印加することに
より、絶縁層上に被吸着体を静電吸着する静電チャック
であって、前記絶縁層は、周期律表3A族に属する元素
のうち少なくとも1種の元素を含む酸化物と、TiO
2−X(0≦X<2)とから実質的になり、これらの少
なくとも一部が複合酸化物を形成しているセラミックス
材料を主体とし、絶縁層の体積抵抗率が108〜10
14Ω・cmであることを特徴とする静電チャックを提
供するものである。
けられた絶縁層とを有し、電極に電圧を印加することに
より、絶縁層上に被吸着体を静電吸着する静電チャック
であって、前記絶縁層は、周期律表3A族に属する元素
のうち少なくとも1種の元素を含む酸化物と、TiO
2−X(0≦X<2)とを含有し、これらの少なくとも
一部が複合酸化物を形成しているセラミックス材料を主
体とし、絶縁層の体積抵抗率が108〜1014Ω・c
mであることを特徴とする静電チャックを提供するもの
である。
期律表3A族に属する元素がY、La、Yb、Dyのう
ち少なくとも1種であることが好ましい。
族に属する元素のうち少なくとも1種を含む酸化物がY
2O3であり、前記複合酸化物がY2TiO5−x(0
≦x<5)、Y2Ti2O7−x(0≦x<7)、また
はこれらの混合物であることが好ましい。
≦x<2)の量が全体の3〜15wt%であることが好
ましい。
明の実施の形態について説明する。図1および図2は、
本発明の実施形態に係る静電チャックを示す断面図であ
り、図1は単極型のものを示し、図2は双極型ものを示
す。
絶縁層3の間に電極2が設けられて構成されており、基
台4の上に固定されている。電極2には直流電源5が接
続されており、この直流電源5から電極2に給電される
ことにより、上の絶縁層3の吸着面3aに載置されてい
る被吸着体である半導体ウエハ10が静電吸着される。
うち少なくとも1種の元素含む酸化物とTiO
2−X(0≦X<2)とから実質的になり、これらの少
なくとも一部が複合酸化物を形成しているセラミックス
材料を主体とし、その体積抵抗率が108〜1014Ω
・cmである。絶縁層3をこのようなセラミックス材料
を主体としたものとするのは、このセラミックス材料が
高い耐プラズマ性を有するからである。ここで、「周期
律表3Aに属する元素のうち少なくとも1種の元素含む
酸化物とTiO2−X(0≦X<2)とは、一部が複合
酸化物を形成していてもよいし、全部が複合酸化物とな
っていてもよい。
うち少なくとも1種の元素含む酸化物とTiO
2−X(0≦X<2)とを含有し、これらの少なくとも
一部が複合酸化物を形成しているセラミックス材料を主
体とし、その体積抵抗率が108〜1014Ω・cmで
ある。絶縁層3をこのようなセラミックス材料を主体と
したものとするのは、このセラミックス材料が高い耐プ
ラズマ性を有するからである。ここで、「周期律表3A
に属する元素のうち少なくとも1種の元素含む酸化物と
TiO2−X(0≦X<2)とは、一部が複合酸化物を
形成していてもよいし、全部が複合酸化物となっていて
もよい。
のうち少なくとも1種の元素を含む酸化物とTiO
2−X(0≦X<2)の少なくとも一部が複合酸化物を
形成しているセラミックス材料において、周期律表3A
族に属する元素としては、Y、La、Yb、Dyのうち
少なくとも1種であることが好ましい。すなわち、Y、
La、Yb、Dyは、これらの酸化物Y2O3、La2
O3、Yb2O3、Dy2O3がTiO2−X(0≦X
<2)との間で、例えばY2TiO5−x(0≦x<
5)、Y2Ti2O7−x(0≦x<7)、La2Ti
O5−x(0≦x<5)、La2Ti2O7−x(0≦
x<7)、La4Ti9O24−x(0≦x<24)、
Yb2TiO5−x(0≦x<5)、Yb2Ti2O
7−x(0≦x<7)、Dy2TiO5−x(0≦x<
5)、Dy2Ti2O7−x(0≦x<7)等の耐食性
の高い複合酸化物を形成することができるためより好ま
しい。
A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素を含む酸
化物とTiO2−X(0≦X<2)とから実質的にな
り、これらの少なくとも一部が複合酸化物を形成してい
るセラミックス材料は、チタン酸化物に酸素欠損が存在
しない場合および酸素欠損が存在する場合の両方を含む
が、この酸素欠損が存在することにより導電性が付与さ
れる。そして、この酸素欠損を調整することにより導電
性が変化し、体積抵抗率を制御することが可能となる。
このような酸素欠損は周期律表3A族に属する元素のう
ち少なくとも1種の元素を含む酸化物とTiO2とを還
元雰囲気中で処理することにより形成することができ、
この際の組成および雰囲気を調整することにより酸素欠
損を変化させることができる。また、上述したように、
絶縁層3の体積抵抗率を108〜1014Ω・cmに調
整するためには、TiO2−X(0≦X<2)の量が、
酸化物換算で全体の3〜15wt%であることが好まし
い。
A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素を含む酸
化物とTiO2−X(0≦X<2)とを含有し、これら
の少なくとも一部が複合酸化物を形成しているセラミッ
クス材料は、チタン酸化物に酸素欠損が存在しない場合
および酸素欠損が存在する場合の両方を含むが、この酸
素欠損が存在することにより導電性が付与される。そし
て、この酸素欠損を調整することにより導電性が変化
し、体積抵抗率を制御することが可能となる。このよう
な酸素欠損は周期律表3A族に属する元素のうち少なく
とも1種の元素を含む酸化物とTiO2とを還元雰囲気
中で処理することにより形成することができ、この際の
組成および雰囲気を調整することにより酸素欠損を変化
させることができる。また、上述したように、絶縁層3
の体積抵抗率を108〜1014Ω・cmに調整するた
めには、TiO2−X(0≦X<2)の量が、酸化物換
算で全体の3〜15wt%であることが好ましい。
期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素
を含む化合物とTiO2−X(0≦X<2)とから実質
的になり、これらの少なくとも一部が複合酸化物を形成
しているセラミックス材料を主体とし、その体積抵抗率
108〜1014Ω・cmとしたので、電極に電圧を印
加して絶縁層上に被吸着体を吸着させる際に、ジョンセ
ン・ラーベック力に基づく高い静電吸着力を得ることが
できる。しかも、絶縁層の主体をなすこのようなセラミ
ックス材料は、プラズマに対する耐性が高く、アルミナ
にチタニアを添加した絶縁層を用いた場合のように、チ
タニアがプラズマにより侵蝕されて被吸着体の裏面をパ
ーティクルにより汚染するといった問題が生じない。
期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種の元素
を含む化合物とTiO2−X(0≦X<2)とを含有
し、これらの少なくとも一部が複合酸化物を形成してい
るセラミックス材料を主体とし、その体積抵抗率108
〜1014Ω・cmとしたので、電極に電圧を印加して
絶縁層上に被吸着体を吸着させる際に、ジョンセン・ラ
ーベック力に基づく高い静電吸着力を得ることができ
る。しかも、絶縁層の主体をなすこのようなセラミック
ス材料は、プラズマに対する耐性が高く、アルミナにチ
タニアを添加した絶縁層を用いた場合のように、チタニ
アがプラズマにより侵蝕されて被吸着体の裏面をパーテ
ィクルにより汚染するといった問題が生じない。
層の製造方法について説明する。絶縁層を構成するセラ
ミックス材料の出発原料の調合は、常法によって行うこ
とができる。例えば、所定の配合の原料粉末にアルコー
ル等の有機溶媒または水を加え、ボールミルで混合後、
乾燥する方法、所定の配合の塩類、アルコキシド等の溶
液から共沈物を分離する方法がある。これらの原料の混
合物には、より緻密化を容易にするため、SiO2、M
gOなどの焼結助剤を添加してもよい。焼結助剤の添加
形態に関しては、酸化物粉末、塩類、アルコキシド等、
どのような形態であってもよく、特に限定されない。
レスまたは冷間静水圧プレス(CIP)によって所定形
状に成形する。次いで1100〜1900℃で焼成す
る。焼成雰囲気は、大気中、真空中、不活性雰囲気中の
いずれでもよい。または、1100〜1900℃で焼成
した後、必要に応じて還元雰囲気中で、900〜190
0℃で還元処理を行う。これにより上記組成の耐食性に
優れたセラミックス焼結体が得られる。焼成温度が11
00℃未満であると、緻密化不十分となり、脱ガス量が
多くなり好ましくない。一方、1900℃を超えると分
解するおそれがあり好ましくない。還元処理温度が90
0℃未満では還元処理の効果が小さく好ましくなく、1
900℃を超えると分解するおそれがあり好ましくな
い。焼成および還元処理時間は特に限定しないが、2〜
4時間程度で十分である。
体に対し、必要に応じて適宜の加工を施すことにより、
所望形状の絶縁層が形成される。
るものではなく、図1、図2に示す絶縁層の内部に電極
を配置した構造の他に、一方の面に電極が形成された絶
縁層をセラミックス板あるいはAl台座に接着剤により
貼り付けた構造など、種々の構造を採用することができ
る。また、電極構造は特に限定されず、上述のように単
極型電極でも双極型電極でもよく、その形状も限定され
るものはでない。
素のうち少なくとも1種の元素を含む酸化物としてY2
O3粉末を用いて、TiO2粉末と97:3、95:
5、90:10、80:20の重量比で混合し、TiO
2粉末をY2O3粉末に均一に分散させた後、φ250
×6mmtに成形した。次いで、空気中、1600℃の
条件で常圧焼結した後、Ar中、1500℃で還元処理
を行い、得られた焼結体をφ200×2mmtに加工し
て絶縁層として用いた。なお、実施例1〜3および比較
例1では、このような焼結処理により、Y2O3とTi
O2の一部が複合酸化物となっていると考えられる。
型電極(単極としても使用できる)を、Agペースト印
刷・焼き付けにより形成し、他方の面(試料の吸着面)
を研磨して表面粗さ0.34μmとした。次いで表面を
アノーダイジング(陽極酸化)したAl台座に、焼結体
の電極を形成した面を接着剤により貼り付けて静電チャ
ックを完成させた。このようにして製造された静電チャ
ック(実施例1〜3、比較例1)における焼結体の添加
剤の種類および添加量、ならびに焼結体の体積抵抗率を
表1に示す。
は、周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1種
の元素を含む酸化物として、La2O3、Yb2O3、
Dy2O3粉末を用いて、TiO2粉末と、90:5の
重量比で混合し、実施例1〜3と同様にして静電チャッ
クを完成させた。このようにして製造された静電チャッ
ク(実施例5〜7)における焼結体の添加剤の種類およ
び添加量、ならびに焼結体の体積抵抗率を表1に示す。
なお、実施例5〜7では、焼結処理により、La
2O3、Yb2O 3、Dy2O3とTiO2の少なくと
も一部が複合酸化物となっていると考えられる。
は、それぞれ絶縁層としてTiO2添加Al2O3、T
iN添加AlNを用いて静電チャックを製造した。この
ようにして製造された静電チャック(比較例2〜4)に
おける焼結体の添加剤の種類および添加量、ならびに焼
結体の体積抵抗率を表1に示す。
ックをプラズマエッチング装置に組み込み、単極型静電
チャックに1kVを印加して、シリコンウエハが吸着さ
れるか否かを調査した。さらに、シリコンウエハ上に形
成された回路が破損するか否かを調査した。次に、CF
4+O2プラズマに静電チヤックを24時間曝した(静
電チャック表面温度:170℃)。プラズマ処理した
後、シリコンウエハを吸着させ、ウエハ裏面に付着した
パーテイクル数をパーティクルカウンターにより計測し
た。さらに絶縁層表面状態を観察した。
着性の欄の○はウエハ吸着したことを示し、×はウエハ
が吸着しなかったことを示す。また、回路の破壊の有無
の欄の○はウエハ上に形成された回路の破壊がないこと
を示し、×は破壊があったことを示す。
3、4においてはシリコンウエハを吸着したが、比較例
2においてはシリコンウエハを吸着しなかった。これ
は、比較例2では絶縁層の体積抵抗率が高いため、ジョ
ンセン・ラーベック力が得られなかったためと考えられ
る。
おいては、シリコンウエハ上に形成された回路に破損は
認められなかったが、比較例1においては、破損した回
路が存在した。回路が破損された比較例1の静電チャッ
クは、絶縁層の体積抵抗率が1.8×106Ωcmと低
いため、多量のリーク電流が発生したためと考えられ
る。
ハ裏面のパーテイクル数は50個/8inchウエハ以下で
あったのに対し、比較例3,4では、シリコンウエハ裏
面のパーテイクル数は、300個/8inchウエハ以上と
極めて多くなった。これは、比較例3ではAl2O3中
のTiO2が、比較例4ではAlN中のTiNがプラズ
マのより侵蝕されたためと考えられる。
絶縁層が、周期律表3A族に属する元素のうち少なくと
も1種の元素を含む酸化物とTiO2−X(0≦X<
2)とから実質的になり、これらの少なくとも一部が複
合酸化物を形成しているセラミックス材料を主体とし、
絶縁層の体積抵抗率が108〜1014Ω・cmである
ため、被吸着体の汚染の問題を生じることなくジョンセ
ン・ラーベック力に基づく高い静電吸着力を有する静電
チャックを得ることができる。
絶縁層が、周期律表3A族に属する元素のうち少なくと
も1種の元素を含む酸化物とTiO2−X(0≦X<
2)とを含有し、これらの少なくとも一部が複合酸化物
を形成しているセラミックス材料を主体とし、絶縁層の
体積抵抗率が108〜1014Ω・cmであるため、被
吸着体の汚染の問題を生じることなくジョンセン・ラー
ベック力に基づく高い静電吸着力を有する静電チャック
を得ることができる。
す断面図。
す断面図。
Claims (4)
- 【請求項1】 電極と、その上に設けられた絶縁層とを
有し、電極に電圧を印加することにより、絶縁層上に被
吸着体を静電吸着する静電チャックであって、前記絶縁
層は、周期律表3A族に属する元素のうち少なくとも1
種の元素を含む酸化物と、TiO2−X(0≦X<2)
とから実質的になり、これらの少なくとも一部が複合酸
化物を形成しているセラミックス材料を主体とし、絶縁
層の体積抵抗率が108〜1014Ω・cmであること
を特徴とする静電チャック。 - 【請求項2】 前記絶縁層において、前記周期律表3A
族に属する元素がY、La、Yb、Dyのうち少なくと
も1種であることを特徴とする請求項1に記載の静電チ
ャック。 - 【請求項3】 前記絶縁層において、周期律表3A族に
属する元素のうち少なくとも1種を含む酸化物がY2O
3であり、前記複合酸化物がY2TiO5−x(0≦x
<5)、Y2Ti2O7−x(0≦x<7)、またはこ
れらの混合物であることを特徴とする請求項2に記載の
静電チャック。 - 【請求項4】 前記絶縁層は、TiO2−x(0≦x<
2)の量が全体の3〜15wt%であることを特徴とす
る請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の静電
チャック。
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