JP3369208B2 - スプレ塔式湿式排煙脱硫装置 - Google Patents
スプレ塔式湿式排煙脱硫装置Info
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Description
り、特にスプレ塔を用いた高効率吸収塔に関する。
中に含まれる硫黄酸化物を除去する、いわゆる排煙脱硫
装置としては、吸収剤として石灰石あるいは炭酸カルシ
ウムを使用し、副生品として石膏を回収する湿式石灰石
−石膏法が主流である。この湿式石灰石−石膏法の脱硫
装置の主要装置である吸収塔は、これまで種々の形式の
ものが開発され、実用化されているが、スプレ塔を用い
るものは最も多く採用されているものの一つである。
成を図3に示す。吸収塔下部のガス入口部31より吸収
塔内へ流入した排ガスが吸収塔上部のガス出口部32か
ら排出する。この間、吸収塔下部の吸収剤タンク33か
ら循環ポンプ34により循環配管35内を循環される吸
収剤がヘッダ36のスプレノズル37より噴霧され、排
ガスと向流接触する。この向流接触は並流接触に比べ吸
収効率が高いため、一般には向流方式が多く採用されて
いる。硫黄酸化物を除去された排ガスはガス出口部32
より系外へ流出するが、排ガスに同伴される吸収剤のミ
ストを除去するために、吸収塔内には通常ミストエリミ
ネータ38が設置されている。また、硫黄酸化物の除去
量に相当する吸収剤が消費されるので、それに見合った
量の吸収剤である炭酸カルシウム(石灰石−石膏法)な
どが吸収剤供給ライン39から吸収塔循環タンク33へ
補給される。
ヘッダー36より構成されるが、除去する硫黄酸化物の
量が大きくなる。すなわち所要脱硫率が高くなると、ス
プレヘッダー36の段数は多くなる。しかし、上段のス
プレヘッダー36からの噴霧吸収剤は下段のスプレヘッ
ダー36のそれに比べ、排ガス中の硫黄酸化物の濃度が
低くなるので吸収剤の吸収推進力は小さくなり、そのた
め、きわめて高い脱硫率を要求される場合には多数のス
プレ段数を要し、結果として吸収塔塔高が高くなる欠点
があった。またミストエリミネータ38の再飛散を押え
るため、塔内流速を一定値以下に保つため、ガス量によ
っては大きな塔径になるという欠点があった。
触式スプレ塔方式の吸収塔では、所要脱硫率に対しては
スプレ段数で対応しており、高脱硫率を要求される場合
には塔高が高くなること、またミストエリミネータの性
能を維持するため、塔内流速が例えば3m/s程度に制
限されるため、ガス量が大きくなった場合には塔径も大
きくなるという点に配慮がなされていなかった。本発明
の目的は、高脱硫率を要求された場合でも塔高を高くせ
ずに高性能スプレ塔方式の吸収塔を備えた湿式排煙脱硫
装置を提供することにある。
主構成によって構成される。すなわち、吸収剤スラリを
保有する循環タンクと、該循環タンクから循環供給され
る吸収剤スラリをスプレヘッダーのノズルから噴霧し
て、排ガス中の硫黄酸化物を除去する吸収塔を備えたス
プレ塔式湿式排煙脱硫装置において、前記吸収塔に吸収
塔内部のガス流れ方向がガス入口側領域とガス出口側領
域で逆向きとなるような仕切板と該仕切板で仕切られた
ガス入口側領域とガス出口側領域の吸収塔内にそれぞれ
吸収剤スラリ噴霧用のスプレヘッダのノズルを設け、前
記仕切板の下端部が吸収液内に浸漬し、かつ仕切板の下
端部より下方では前記ガス入口側領域とガス出口側領域
の各領域の下方に位置する吸収液貯留領域が連通してい
る吸収液貯留用の循環タンクを設け、吸収塔の前記ガス
出口側領域の外部に吸収塔内から排出するガスに同伴す
るミストを除去するためのミストエリミネータを設ける
ものである。さらに、好ましくは、ガス入口側領域にお
いて、ガスの流れ方向と吸収剤スラリの噴霧方向が向流
となり、ガス出口側領域において、ガスの流れ方向と吸
収剤スラリの噴霧方向が並流となるようにスプレヘッダ
のノズルを配置した構成、あるいは並流接触領域に供給
される吸収剤スラリは向流接触領域の吸収剤スラリに比
較して、吸収剤濃度が高くなる構成などとする。
接触スプレ段の一部を、たとえば並流接触部に移すこと
および従来技術で採用されていたミストエリミネータを
向流接触部に設置する必要がないことのため、吸収塔の
向流接触部の塔高が低くなるとともに、ミストエリミネ
ータ不設置のため塔内ガス流速をはやくすることができ
る。すなわち本発明は、吸収塔のスプレヘッダー設置部
におけるガス流れ方向がガス入口側領域とガス出口側領
域に二分されていることおよびミストエリミネータが吸
収塔内にないことで、吸収塔の塔高を低くすることがで
き、ミストエリミネータを吸収塔の外側に設けたため、
吸収塔の塔高を低くできるだけでなく、塔内のガスの流
速を大きくすることができる。
ガスはフレッシュなメークアップ吸収剤を多量に含む循
環スラリと接触するため、排ガス中の硫黄酸化物濃度は
低くても、吸収のための推進力を大きくすることがで
き、ガス出口側での脱硫率を向上させることができる。
こうして、結果的に合計のスプレ段数の低減と共に吸収
塔塔高を低くすることができる。また、補給吸収剤スラ
リの供給口を前記ガス出口側領域の吸収塔内に噴霧する
ための吸収剤スラリ循環ポンプのサクション近傍に設け
た場合には、吸収塔内のガス入口側領域に吸収剤スラリ
を循環させる循環タンク側に吸収剤スラリのブリードラ
インを接続することにより、メークアップ吸収剤を無駄
に系外に排出することがなくなる。 さらに、吸収塔の塔
頂部に洗浄装置を設けることにより、ミストエリミネー
タがガス出口部に設けられていても、吸収塔の塔頂部に
ミストが堆積することはない。また、吸収塔の塔頂部を
丸ダクトなどのように傾斜させることで、ミストが塔頂
部内面に付着することがほとんどなくなり、水洗装置な
どの設置を省略することができる。
スプレ塔吸収塔を示すもので、中仕切り17により、向
流接触領域15と並流接触領域16の2つの領域に吸収
部が分割されている。この吸収塔下部のガス入口部1よ
り吸収塔内へ流入した排ガスが吸収塔上部のガス出口部
2から排出する。向流接触領域15では吸収塔下部の吸
収剤タンク3から循環ポンプ4により循環配管5内を循
環される吸収剤がヘッダ6のスプレノズルより噴霧され
る。また、並流接触領域16では吸収塔下部の吸収剤タ
ンク3から循環ポンプ9により循環配管10内を循環さ
れる吸収剤がヘッダ11のスプレノズル12より噴霧さ
れる。また新しく調整された吸収剤(石灰石−石膏法で
は炭酸カルシウムなど)は並流接触領域16の循環ポン
プ9のサクション近傍の循環タンク3内にメークアップ
吸収剤供給ライン19より供給される。
は、ガス入口部1より、まず向流接触領域15に入り、
上向きに流れてスプレノズル7より下向きに噴霧された
吸収剤スラリと向流接触し、硫黄酸化物濃度がガス入口
部1よりも低くなった状態で、吸収塔塔頂部において、
並流接触領域16に流入する。並流接触領域16ではガ
スは下向きに流れ、スプレノズル12より下向きに噴霧
された吸収剤スラリと並流接触する。並流接触領域16
で排ガス中の硫黄酸化物はさらに除去され、所定の値以
下に低減された後、同伴された吸収剤のミストなどを塔
出口に設置したミストエリミネータ8で除去した後、ガ
ス出口部2より系外へ流出する。
より、除去された硫黄酸化物の量に見合った量のフレッ
シュな吸収剤が供給されているが、このメークアップ吸
収剤は循環ポンプ9のサクション近傍の循環タンク3内
に供給されるので、並流接触領域16に供給される吸収
剤スラリは向流接触領域15の吸収剤スラリに比較し
て、吸収剤の割合が多い。
が高い程大きく、低くなるにつれて推進力も小さくな
る。本実施例では向流接触領域15の出口、すなわち並
流接触領域16の入口における排ガス中の硫黄酸化物濃
度は向流接触領域15の入口よりも低い。そのため、並
流接触領域16では硫黄酸化物濃度が低くなり推進力が
低くなっているが、並流接触領域16の吸収剤スラリ中
にはフレッシュな吸収剤(炭酸カルシウムなど)がメー
クアップ吸収剤供給ライン19から多量に供給されてい
るため、向流接触領域15出口に比べ、脱硫反応の推進
力は大きい。したがって、同一の脱硫性能を得るための
並流接触領域16におけるスプレ段数すなわち吸収剤ス
ラリの循環量は、向流接触領域15のそれに比べて少な
くてすむ。
あるいは廃棄のために吸収剤スラリを抜き出すブリード
ラインの図示を省略している。このブリードラインは吸
収剤スラリのメークアップ吸収剤供給ライン19が配置
される並流接触領域16側とは反対側の向流接触領域1
5側の循環タンクに設けることによりメークアップ吸収
剤を無駄に系外に排出することはなくなる。
ず。)を設けておけば、ミストエリミネータ8がガス出
口部2に設けられていても、吸収塔の塔頂部にミストが
堆積することはない。しかし、図2に示すように吸収塔
塔高頂部を丸ダクト型にすると吸収塔塔頂部に水平部分
がないため、吸収剤ミストが付着停滞することはないの
で吸収塔の塔頂部の水洗装置が不要となる。
技術と比較して、同一の脱硫性能を得るための吸収剤ス
ラリの循環量の総量を小さくすることができ、そのた
め、総計のスプレ段数を少なくすることができる。
域15と並流接触領域16に内部を二分しているため、
例えば図3に示すような従来技術に比べ吸収塔の塔高を
低くすることができる。また、ミストエリミネータ8も
吸収塔の頂部に設けず、ガス出口部2に設置するため、
従来技術に比べ、吸収塔の塔高を低くすることができ
る。
いてはミストエリミネータ8がないためミスト再飛散に
よる塔内ガス流速の制限(通常3m/s程度)がなく、
従来技術に比べ流速を大きくすることができる。また、
並流接触領域16でも同様の理由により塔内のガス流速
を大きくすることができる。従って向流接触領域・並流
接触領域の両方を含んだ吸収塔の断面積は従来技術と比
べ同等かそれ以下に低減することが可能である。
(たとえば並流接触領域)においてフレッシュな吸収剤
を多く含む吸収剤スラリと排ガスが接触するため、脱硫
反応の推進力が大きくなり、循環する吸収剤スラリ量あ
るいはスプレ段数を低減することができる。また、吸収
塔内のスプレヘッダーの設置された部位(スプレ部)が
吸収塔内のガス入口側領域(たとえば向流接触領域)と
ガス出口側領域(たとえば並流接触領域)に二分されて
いることおよびミストエリミネータが吸収塔内にないこ
とも、吸収塔の塔高を低くすることに寄与する。
ないことは、前記したように吸収塔塔高を低くするばか
りでなく、塔内のガスの流速を大きくすることができる
ため吸収塔断面積を小さくすることができるという効果
もある。
す。
す。
3、33…循環タンク、4、9、34…循環ポンプ、
5、10、35…循環配管、6、11、36…ヘッダ
ー、 7、12、37…スプレノズル、8、38…ミス
トエリミネータ、15…向流接触領域、16…並流接触
領域、17…中仕切り、 19、39…吸収剤供給ライ
ン
Claims (7)
- 【請求項1】 吸収剤スラリを保有する循環タンクと、
該循環タンクから循環供給される吸収剤スラリをスプレ
ヘッダーのノズルから噴霧して、排ガス中の硫黄酸化物
を除去する吸収塔を備えたスプレ塔式湿式排煙脱硫装置
において、 前記吸収塔に吸収塔内部のガス流れ方向がガス入口側領
域とガス出口側領域で逆向きとなるような仕切板と該仕
切板で仕切られたガス入口側領域とガス出口側領域の吸
収塔内にそれぞれ吸収剤スラリ噴霧用のスプレヘッダの
ノズルを設け、前記仕切板の下端部が吸収液内に浸漬し、かつ仕切板の
下端部より下方では前記ガス入口側領域とガス出口側領
域の各領域の下方に位置する吸収液貯留領域が連通して
いる吸収液貯留用の循環タンクを設け、 吸収塔の前記ガス出口側領域の外部に吸収塔内から排出
するガスに同伴するミストを除去するためのミストエリ
ミネータを設けたことを特徴とするスプレ塔式湿式排煙
脱硫装置。 - 【請求項2】 ガス入口側領域において、ガスの流れ方
向と吸収剤スラリの噴霧方向が向流となり、ガス出口側
領域において、ガスの流れ方向と吸収剤スラリの噴霧方
向が並流となるようにスプレヘッダのノズルを配置した
ことを特徴とする請求項1記載のスプレ塔式湿式排煙脱
硫装置。 - 【請求項3】 並流接触領域に供給される吸収剤スラリ
は向流接触領域の吸収剤スラリに比較して、吸収剤濃度
が高くなる構成としたことを特徴とする請求項2記載の
スプレ塔式湿式排煙脱硫装置。 - 【請求項4】 循環タンク内にメークアップラインを設
け、該メークアップラインからの補給吸収剤スラリの供
給口を前記ガス出口側領域の吸収塔内に噴霧するために
配置される吸収剤スラリ循環ポンプのサクション近傍に
設けたことを特徴とする請求項1記載のスプレ塔式湿排
煙脱硫装置。 - 【請求項5】 吸収塔内のガス入口側領域に吸収剤スラ
リを循環させる循環タンク側に吸収剤スラリのブリード
ラインを接続することを特徴とする請求項1記載のスプ
レ塔式湿式排煙脱硫装置。 - 【請求項6】 吸収塔の塔頂部に洗浄装置を設けたこと
を特徴とする請求項1記載のスプレ塔式湿式排煙脱硫装
置。 - 【請求項7】 吸収塔の塔頂部を傾斜させ、洗浄装置の
設置を省略することを特徴とする請求項6記載のスプレ
塔式湿式排煙脱硫装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP02509792A JP3369208B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | スプレ塔式湿式排煙脱硫装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02509792A JP3369208B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | スプレ塔式湿式排煙脱硫装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05220331A JPH05220331A (ja) | 1993-08-31 |
JP3369208B2 true JP3369208B2 (ja) | 2003-01-20 |
Family
ID=12156429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02509792A Expired - Fee Related JP3369208B2 (ja) | 1992-02-12 | 1992-02-12 | スプレ塔式湿式排煙脱硫装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3369208B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190101663A (ko) * | 2018-02-23 | 2019-09-02 | 두산중공업 주식회사 | 습식배연 탈황장치 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106145230A (zh) * | 2016-08-30 | 2016-11-23 | 成都锐思环保技术股份有限公司 | 一种用烟气余热处理脱硫废水的系统及方法 |
CN114768497B (zh) * | 2022-05-06 | 2023-01-13 | 苍南伟明环保能源有限公司 | 一种分区喷淋脱硫塔及脱硫装置 |
-
1992
- 1992-02-12 JP JP02509792A patent/JP3369208B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
厚川麻須美 外4名,排煙脱硫装置の開発研究,三菱重工技報,日本,三菱重工業株式会社,1973年9月29日,第10巻 第5号(通巻58号),p.44〜51 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20190101663A (ko) * | 2018-02-23 | 2019-09-02 | 두산중공업 주식회사 | 습식배연 탈황장치 |
KR102048537B1 (ko) | 2018-02-23 | 2019-11-25 | 두산중공업 주식회사 | 습식배연 탈황장치 |
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---|---|
JPH05220331A (ja) | 1993-08-31 |
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