JP3367961B2 - 光ディスク - Google Patents

光ディスク

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JP3367961B2
JP3367961B2 JP05129792A JP5129792A JP3367961B2 JP 3367961 B2 JP3367961 B2 JP 3367961B2 JP 05129792 A JP05129792 A JP 05129792A JP 5129792 A JP5129792 A JP 5129792A JP 3367961 B2 JP3367961 B2 JP 3367961B2
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Hitachi Maxell Energy Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,音声,画像,情報など
の保存,記録,再生をするのに好適な光ディスク及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、サーボトラック用などの
溝状又は穴状の凹凸を有するガラス、透明プラスチック
などの透明レプリカ基板上に、記録用金属膜を向かい合
わせにして一定間隔で接着剤を用いて貼り合せて形成さ
れている。これらの光ディスクに対し、記録する情報量
の増大や処理速度の高速化などの要求が近年急速に高ま
りつつある。これらの要求を満足するためには、記憶容
量を増大し、かつ高速でディスクを回転する必要があ
る。
【0003】そこで、従来の光ディスクにおいては、製
造作業性の簡素化、低コスト化などの理由により、上記
処理基板を(1)熱可塑性のホットメルト系接着剤や、デ
ィスクの変形を抑えるために化学反応型接着剤として、
特開昭61−151853号公報に記載されているよう
な(2)1液性嫌気性硬化型接着剤、あるいは特開昭61
−50231公報に記載されているような(3)2液性非
混合型接着剤が使用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
では次のような問題点を有していた。即ち、(1)熱可
塑性のホットメルト系接着剤は、接着剤塗布時の熱や貼
り合せ時の圧力による欠陥、又は高速回転時の塑性、弾
性変形、保管時の経時的変化による変形や剥がれの何れ
かが生じてしまう。また、化学反応型接着剤について、
(2)1液性嫌気性硬化型接着剤では、その硬化時間が
秒オ−ダ−で硬化しかつ常圧下で貼り合わせ硬化させる
ために、気泡が混入し易く抜けにくくなり、気泡を混入
したまま硬化しその硬化物が固いために気泡を十分に吸
収緩和できずディスク平坦性不良、又は気泡部分の未硬
化物が記録層に腐食などの欠陥をもたらす。(3)2液
性非混合型接着剤は、2液を別々に数十μm膜厚で塗布
し貼り合わせる。その際に塗膜が液状で厚膜であるた
め、貼り合わせ時の圧力により接合界面に接着剤の流れ
が生じ不均一に混じりあうため硬化むらとなり、さらに
硬化物が固いことによる記録層にシワが発生し記録再生
不良の原因になる。
【0005】このように、従来の(1)では光ディスク
製造時、又は光ディスク使用時、光ディスク保管時の何
れかにおいて不良が発生するという問題点がある。従来
の(2)、(3)では光ディスク製造時に不良が発生する
という問題点がある。
【0006】本発明の目的は、上述した従来技術におけ
る問題点を解消するものであって、光ディスク製造時の
欠陥、光ディスク使用時の高速アクセス、高速回転によ
る変形、かつ光ディスク保管時の経時変化による変形や
剥がれを低減した光ディスク及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、光ディス
ク製造時の欠陥、光ディスク使用時の高速アクセス、高
速回転による変形、かつ光ディスク保管時の経時変化に
よる変形や剥がれを低減するという観点で光ディスクの
仕様について検討を行なった。
【0008】その結果、光ディスクの仕様として、(A)
情報パタ−ン面に少なくとも一層の記録膜を形成した透
明基板の一対を接着剤で貼りあわせた断面構造をもつ光
ディスクであって、常温にて上下振れ加速度測定値<2
G、常温にて傾き角測定値<5mrad、80℃に加熱して
1時間放置後の傾き角測定値<5mradである光ディスク
により本発明の目的が達成できるとの知見を得た。ま
た、(B)前記80℃に加熱して1時間放置後の傾き角測
定値<5mradをずれ量で表現して、80℃に加熱して1
時間放置後のずれ量測定値<20μmと言い換えること
もできる。この本発明の仕様を満足する光ディスクは、
光ディスク製造時の欠陥、光ディスク使用時の高速アク
セス、高速回転による変形、かつ光ディスク保管時の経
時変化による変形や剥がれのない光ディスクである。次
に、本発明の光ディスクの仕様について説明する。
【0009】上下振れ加速度は、光ディスク表面の凹凸
欠陥の程度に応じて光ディスクを回転した際の光ディス
ク面が上下振れする加速度のことであり、上下振れ加速
度の測定値が大きいほど凹凸欠陥が多いことを示すこと
から光ディスク製造時の欠陥について把握できるもので
ある。傾き角は、レ−ザ光の入射光と反射光とのずれ角
のことであり、傾き角測定値が大きいほど変形や剥がれ
の程度が大きいことを示すことから光ディスク使用時の
高速アクセス、高速回転による変形、光ディスク保管時
の経時変化による変形や剥がれについて把握できるもの
である。ずれ量は、情報パタ−ン面に少なくとも一層の
記録膜を形成した透明基板の一対のずれのことであり、
ずれ量測定値が大きいほど変形や剥がれの程度が大きい
ことを示すことから光ディスク使用時の高速アクセス、
高速回転による変形、光ディスク保管時の経時変化によ
る変形や剥がれについて把握できるものである。このた
め、光ディスクの変形や剥がれについては、傾き角、ず
れ量の何れか一方で把握できることとなる。
【0010】更に、上下振れ加速度、傾き角、ずれ量の
数値について説明する。これらの数値は光ヘッドを用い
ての記録再生ができるか否か、及び目視により欠陥、変
形、剥がれが確認できるか否かから定めたものである。
光ディスクに情報をレ−ザで記録再生するヘッド側で
は、ヘッドの集光レンズが光ディスク面にレ−ザ光の焦
点を合わせて記録再生をするが、光ディスクの欠陥、変
形、剥がれの影響によりレ−ザ光の焦点を合わせられな
くなった場合、記録再生不良を引き起こす。このため、
光ディスクの特性と光ヘッドの特性とは密接な関連があ
り、光ディスクの特性の良否は光ヘッドの特性を考慮し
た上で判断されるものである。よって、本発明では光ヘ
ッドの特性として、焦点深度:約2μmの光ヘッドを用
いて記録再生が可能であるか否かを実験し、常温にて上
下振れ加速度測定値<2G、常温にて傾き角測定値<5
mrad、80℃に加熱して1時間放置後の傾き角測定値<
5mrad、80℃に加熱して1時間放置後のずれ量測定値
<20μmの光ディスクについては記録再生が可能であ
るとの結果が得られた。なお、焦点深度は、レンズの開
口数をNA、レ−ザ光源波長をλとすると、λ/(NA)
2で与えられる。一方、目視については、光ディスク面
に光を照射し、反射光を拡大投影し光ディスクの欠陥、
変形、剥がれの有無を確認した。また、上下振れ加速
度、傾き角、ずれ量の測定は常温で行なうが、傾き角、
ずれ量の測定については、常温と、80℃に加熱して1
時間放置後とについて行なう。即ち、上下振れ加速度の
測定については、光ディスク製造時の欠陥について把握
するため常温のみで行なうこととしたが、傾き角、ずれ
量の測定については、光ディスク使用時の高速アクセ
ス、高速回転時の光ディスク装置の発熱温度、光ディス
ク保管時の温度が50℃程度の場合が考えられるため、
80℃に加熱して1時間放置後にも測定を行なった。本
発明では短時間で評価するために、50〜60℃で10
00h放置した場合にほぼ対応する80℃に加熱して1
時間放置後の光ディスクについて測定を行なった。これ
によって、光ディスク使用時の高速アクセス、高速回転
による変形、光ディスク保管時の経時変化による変形や
剥がれについて把握できる。これらについての具体的な
実験例については後述する。そして、これらの結果か
ら、本発明の光ディスクの仕様により目的が達成できる
ことを確認できたと同時に、本発明の光ディスクの仕様
を満足するには、接着剤が化学反応型接着剤であり、か
つ接着剤の硬化した際のショア硬度がA30〜A80で
ある接着剤を用いればよいという別の知見も得られた。
【0011】ここで、この別の知見について詳細に説明
すると、光ディスク製造時の欠陥が生じないためには、
光ディスクの仕様が上下振れ加速度測定値<2Gを満足
すればよいが、ここで接着剤に注目すると、これらの仕
様を満足するものは接着剤が化学反応型接着剤であり、
かつ接着剤の硬化した際のショア硬度がA80より小さ
い値のものに限られるという結果が得られた。一方、光
ディスク使用時の高速アクセス、高速回転による変形、
光ディスク保管時の経時変化による変形や剥がれが生じ
ないためには、光ディスクの仕様が、常温の傾き角測定
値<5mrad及び80℃に加熱して1時間放置後の傾き角
測定値<5mradを満足すればよいが、ここで接着剤に注
目すると、これらの仕様を満足するものは接着剤が化学
反応型接着剤であり、かつ接着剤の硬化した際のショア
硬度がA30より大きい値のものに限られるという結果
が得られた。なお、また、前記80℃に加熱して1時間
放置後の傾き角測定値<5mradをずれ量で表現して、8
0℃に加熱して1時間放置後のずれ量測定値<20μm
と言い換えることもできる。よって、(C)光ディスク製
造時の欠陥、光ディスク使用時の高速アクセス、高速回
転による変形、かつ、光ディスク保管時の経時変化によ
る変形や剥がれが生じないためには、接着剤が化学反応
型接着剤であり、かつ接着剤の硬化後の硬度がショア硬
度でA30〜A80であればよいとの結果が得られる。
【0012】次に、前記仕様の光ディスクの製造方法を
次の(D)〜(F)に示す。
【0013】(D)(1)スタンパの情報パタ−ン面上に紫
外線硬化樹脂を形成し、前記紫外線硬化樹脂の上に透明
基板を形成する工程 (2)紫外線を照射し、露光し、スタンパの情報パタ−ン
を紫外線硬化樹脂及び透明基板に転写する工程、 (3)スタンパの情報パタ−ン面上の紫外線硬化樹脂及び
透明基板を剥がし、レプリカ基板を得る工程、 (4)レプリカ基板の情報パタ−ン面上に記録膜を形成す
る工程、 (5)記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜側に向かい
合わせ、硬化後の硬度がショア硬度でA30〜A80の
化学反応型接着剤で貼り合わせる工程 からなることを特徴とする光ディスクの製造方法。
【0014】(E)(1)スタンパの情報パタ−ン面上に透
明基板を形成し、スタンパの情報パタ−ンを透明基板に
転写する工程、(2)スタンパの情報パタ−ン面上の透明
基板を剥がし、レプリカ基板を得る工程、(3)レプリカ
基板の情報パタ−ン面上に記録膜を形成する工程、(4)
記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜側に向かい合わ
せ、硬化後の硬度がショア硬度でA30〜A80の化学
反応型接着剤で貼り合わせる工程からなることを特徴と
する光ディスクの製造方法。
【0015】(F)レプリカ基板の情報パタ−ン面上に記
録膜を形成し、記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜
側に向かい合わせ、硬化後の硬度がショア硬度でA30
〜A80の化学反応型接着剤で貼り合わせることを特徴
とする光ディスクの製造方法。
【0016】ここで、本発明の光ディスクの製造方法に
ついて詳細に説明する。本発明のスタンパは、情報パタ
−ンに相当する凹凸形状が形成され、この凹凸表面が、
離型性に優れる複写の型であれば特に種類は限定しな
い。例えば、電鋳スタンパ、樹脂スタンパ、ガラススタ
ンパ等がある。
【0017】透明基板は、記録再生のためのレーザが透
過する媒体であるため光学的に等方性で、光学特性の目
安となる光学歪が50nm以下の特性を有していればよ
く、特に種類は限定されないが、例示すると、ガラス基
板、ポリメチルメタクリレ−ト基板、ポリカ−ボネ−ト
基板、ポリオレフィン基板、熱又は光硬化樹脂基板など
である。
【0018】記録膜は、0.6〜1μm程度の光スポッ
ト径に対応し、相変化や光磁気等のように記録膜の形状
が変化しない、記録ドメインを形成し、C/N比が60
dB以上の特性が得られるものであればよく、特に種類
は限定されないが、例示すると、テルル酸化膜(TeO
x)、SbSe/BiTe積層膜、希土類−遷移金属ア
モルファス合金、TbFeCo系酸化膜、GdTbFe
系酸化膜、DyFeCo系酸化膜、TbDyFeCo系
酸化膜、ガ−ネット系酸化膜、Pt/Co積層材料、G
eSbTe、InSeTeCo、InSbTe、In−
Sb系合金などである。
【0019】化学反応型接着剤として硬化促進プライマ
−と1液性嫌気硬化型接着剤からなる場合、貼り合わせ
については、一対のうち一方の透明基板の記録面に硬化
促進プライマ−成分、一対うち他方の透明基板の記録面
に1液性嫌気硬化型接着剤成分をそれぞれ分割塗布して
貼り合わせると、貼り合わせが容易にできる。
【0020】貼り合わせ工程を脱酸素雰囲気にすると、
化学反応型接着剤が均一に硬化反応により硬化し、未硬
化物の発生を防止できる。これは、酸素雰囲気では、硬
化反応の際に生じるラジカルと酸素とが反応することに
より、均一に硬化せず、未硬化物が発生するという悪影
響を及ぼすためである。また、脱酸素雰囲気であれば、
他に、窒素、不活性ガスなどが存在していても影響はな
い。
【0021】次に、本発明の光ディスクに用いた化学反
応型接着剤について詳細に説明する。化学反応型接着剤
は接着する対象物と接着剤とが化学反応により結合する
ものであり、熱可塑性のホットメルト系接着剤に比較
し、接着力、耐熱性、機械的強度の面で優れ、光ディス
クの接着剤に用いた場合、接着力が優れているため信頼
性が高く、耐熱性が優れているため様々な環境に適し、
機械的強度が優れているため高速回転にも耐えうる光デ
ィスクを得ることができる。後述する実験例では化学反
応型接着剤のうち硬化促進プライマ−を併用した1液性
嫌気硬化型接着剤を用いた。硬化促進プライマ−は、前
記1液性嫌気硬化型接着剤の硬化反応に対し、反応開始
の作用をするもので、更にその量が硬化過程に影響しな
いものであれば特に限定されない。ここで例示すると、
有機金属化合物、塩化第2鉄、クロム酸塩、フェロセ
ン、ナフテン酸コバルトなどがある。更に、硬化促進プ
ライマ−の薄膜を容易に形成し、かつ硬化むらによるス
ジの発生を防止するためには、その粘度が1〜100c
pであることが好ましい。また、硬化促進プライマ−の
塗布膜厚は、反応開始の作用が十分であり、かつ貼り合
わせ時のプライマの流れを防ぐために、0.01〜1μ
mであることが好ましい。この硬化促進プライマ−の塗
布方法は、膜厚が0.01〜1μmにできるものであれ
ば特に限定されない。例えば、スプレイ塗布,スピン塗
布,ロールコート,ディップ塗布などがある。
【0022】1液性嫌気硬化型接着剤は、接着面の材質
により硬化速度が変化せず、単品での硬化速度が遅いこ
とが望ましく、更に、硬化促進プライマと接触すること
で、その硬化速度は製造プロセスの速度に対応して速く
なるように調節できるものであれば特に限定しない。具
体的には、単品での硬化時間が1〜2時間のものが硬化
促進プライマと接触することで30秒〜2分で硬化する
特性を有していれば、透明基板の一対の位置合わせが可
能でかつ作業性がよい。また、1液性嫌気硬化型接着剤
の構成は、ポリメタクリレート単量体(モノマ、オリゴ
マ)を主剤とし、硬化剤、促進剤、保存安定剤などを好
適に配合する。ここで、ポリメタクリレート単量体(モ
ノマ、オリゴマ)とは、多官能アクリルモノマ、単官能
アクリルモノマの何れか単独又は2種以上混合したもの
である。多官能アクリルモノマについて例示すると、多
価アルコールのアクリレート、多価アルコールのメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
トリメチロールプロパントリメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、エポキシアクリレート、エポキシメタク
リレート、ウレタンポリアクリレート、ウレタンポリメ
タクリレート、1.6ヘキサンジオールジアクリレー
ト、1.6ヘキサンジオールジメタクリレート、1.1
0デカンジーオルジアクリレート、1.10デカンジー
オルジメルクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタルク
リレートなどがある。次に単官能アクリルモノマについ
て例示すると、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、テトラフルフリルアクリレーシ、テトラフルフリル
メタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベン
ジルメタクリレート、メトキシポリエチレングリコーロ
アクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタク
リレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタア
クリレート、イソボルニルアクリレート、イソボルニル
メタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェ
ノキシエチルメタクリレート、フェノキシポリエチレン
グリコールアクリレート、フェノキシポリエチレングリ
コールメタクリレートなどがある。前記硬化型について
例示すると、t−ブチルハイドロパーオキサイド、p−
メタンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼハイドロパーオキサイ
ドなどがある。前記促進剤について例示すると、エタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、N,Nジメチルアニリン、ベンゼンスルホンアミ
ド、シクロヘキシルアミン、トリエチルアミン、ブチル
アミンなどがある。前記安定剤について例示すると、ベ
ンゾキノン、ハイドロキノンなどがある。さらに、増粘
剤、可塑剤等を適量添加することも可能である。
【0023】また、前記1液性嫌気硬化型接着剤が紫外
線で硬化する1液性嫌気紫外線硬化型接着剤であっても
貼り合わせ時に混入した気泡により欠陥や記録膜腐食が
発生しないものであれば差し支えない。この1液性嫌気
紫外線硬化型接着剤には、光重合開始剤を主剤の硬化反
応を促進させ、かつ主剤の硬化反応に悪影響を及ぼさな
い量である1〜5wt%加える。この光重合開始剤につ
いて例示すると、ベンジル,メチル−o−ベンゾエート
などのベンジル類、ベンゾイン,ベンゾインエチルエー
テル,ベンゾインイソプロピルエーテル,ベンゾインイ
ソブチルエーテルなどのベンゾイン類、ベンゾフェノ
ン,4−メトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン
類、アセトフェノン,2.2−ジエトキシアセトフェノ
ンなどのアセトフェノン類、ベンジルメチルケタール、
1−4−(イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−
2−メチルプロパノール−1−オンなどがあり、これら
を単独もしくは2種以上混合して用いられる。
【0024】
【作用】以上の説明から明らかなように、光ディスクの
仕様として、(A)情報パタ−ン面に少なくとも一層の記
録膜を形成した透明基板の一対を接着剤で貼りあわせた
断面構造をもつ光ディスクであって、常温にて上下振れ
加速度測定値<2G、常温にて傾き角測定値<5mrad、
80℃に加熱して1時間放置後の傾き角測定値<5mrad
である光ディスクを満足する光ディスクは、光ディスク
製造時の欠陥、光ディスク使用時の高速アクセス、高速
回転による変形、かつ光ディスク保管時の経時変化によ
る変形や剥がれのないものである。ここで、(B)前記8
0℃に加熱して1時間放置後の傾き角測定値<5mradを
ずれ量で表現して、80℃に加熱して1時間放置後のず
れ量測定値<20μmと言い換えることもできる。
【0025】また、同時に本発明の光ディスクの仕様を
満足するには、接着剤が化学反応型接着剤であり、かつ
接着剤の硬化した際のショア硬度がA30〜A80であ
る接着剤を用いればよい。
【0026】さらに、前記仕様の光ディスクは次の(D)
〜(F)の製造方法により、光ディスク製造時の欠陥、光
ディスク使用時の高速アクセス、高速回転による変形、
かつ光ディスク保管時の経時変化による変形や剥がれの
ない光ディスクが得られる。
【0027】(D)(1)スタンパの情報パタ−ン面上に紫
外線硬化樹脂を形成し、前記紫外線硬化樹脂の上に透明
基板を形成する工程 (2)紫外線を照射し、露光し、スタンパの情報パタ−ン
を紫外線硬化樹脂及び透明基板に転写する工程、 (3)スタンパの情報パタ−ン面上の紫外線硬化樹脂及び
透明基板を剥がし、レプリカ基板を得る工程、 (4)レプリカ基板の情報パタ−ン面上に記録膜を形成す
る工程、 (5)記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜側に向かい
合わせ、硬化後の硬度がショア硬度でA30〜A80の
化学反応型接着剤で貼り合わせる工程、 からなることを特徴とする光ディスクの製造方法。
【0028】(E)(1)スタンパの情報パタ−ン面上に透
明基板を形成し、スタンパの情報パタ−ンを透明基板に
転写する工程、(2)スタンパの情報パタ−ン面上の透明
基板を剥がし、レプリカ基板を得る工程、(3)レプリカ
基板の情報パタ−ン面上に記録膜を形成する工程、(4)
記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜側に向かい合わ
せ、硬化後の硬度がショア硬度でA30〜A80の化学
反応型接着剤で貼り合わせる工程、からなることを特徴
とする光ディスクの製造方法。
【0029】(F)レプリカ基板の情報パタ−ン面上に記
録膜を形成し、記録膜付きレプリカ基板の一対を記録膜
側に向かい合わせ、硬化後の硬度がショア硬度でA30
〜A80の化学反応型接着剤で貼り合わせることを特徴
とする光ディスクの製造方法。
【0030】
【実施例】以下に本発明の一実施例を挙げ、図面を引用
してさらに詳細に説明する。
【0031】(実施例1,2)図1に本発明の光ディス
クの外観図を示した。この図1のAB断面図について図
2に示す。この図2を説明すると、本発明の光ディスク
は、記録層付レプリカ板3の一対をショア硬度でA30
〜A80である接着層4を介して構成されている。前記
記録膜が形成されたレプリカ板3は、レプリカ板1と記
録層2からなる。 前記ショア硬度でA30〜A80の
接着層は、表1に示すようにベースモノマにプロピレン
グリコールジアクリレート(分子量約2000)45重
量部,希釈モノマに1,10デカンジオールジアクリレ
ート25重量部,接着促進モノマにヒドロキシブチルメ
タクリレート30重量部,過酸化物2重量部から成る配
合アクリル系嫌気硬化型接着剤及び市販のアクリル系嫌
気硬化型接着剤(ロックタイト社製601)とアクリル
系嫌気紫外線硬化型接着剤(ロックタイト社製326)
以上3種を成分aとして選び、これにアクリルモノマを
成分bとして配合した各種接着剤と硬化促進プライマ
(ロックイックプライマ:ロックタイト社製)を用い
た。
【0032】
【表1】
【0033】本実施例では、表1の実施例1,2の接着
剤を用いて、本発明に係る光ディスクを得るためのスタ
ンパを図3のa〜fのスタンパ製造方法に従って作成し
た。
【0034】(a)両面が研磨されたガラス円盤1(外
径:350mm,内径:10mm,厚さ:10mm)を
用意し、(b)ガラス円盤1の研磨された一方にポジ型
フォトレジスト2をスピン塗布(膜厚:0.14μm)
したフォトレジストが形成されたガラス円盤3を作成す
る。ついで、(c)前記フォトレジストが形成されたガ
ラス円盤3のフォトレジスト側にArレーザ(波長:4
58nm)を用いた記録機にて情報信号を書き込み、フ
ォトレジスト面を現像し、情報信号がグルーブやピット
の凹凸が形成されたガラス原盤4を得る。(d)ガラス
原盤4のフォトレジスト面に真空蒸着法によりNi膜5
(膜厚:40nm)を形成し、(e)そのNi膜5を電
極にして電解メッキ法にてNi電鋳膜6(膜厚:300
μm)を形成し、ついで、(f)ガラス円盤1とNi膜
5の間を剥離しNi製スタンパ7を作成した。
【0035】スタンパ7をもとに、図4のg−1〜n−
1に示す光ディスク製造方法に従って光ディスクを作成
した。
【0036】(g−1)前記スタンパ7を成形型8に取
付け、(h−1)成形型内の空間9(外径:300m
m,中心孔径:35mm,厚さ:1.2mm)にポリカ
ーボネート樹脂10(分子量:約15000)を加熱溶
融させて注入し,(i−1)スタンパのグルーブやピッ
トの凹凸が転写されたレプリカ基板11(外径:300
mm,中心孔径:35mm,厚さ:1.2mm)を作成
した。ついで、(j−1)作成したレプリカ基板11の
情報パターン面に、SiNエンハンス膜12(厚さ:3
0nm),TbFeCo磁性膜13(厚さ:30n
m),AlN反射膜14(厚さ:30nm),SiN保
護膜15(厚さ:30nm)をスパッタ法により順次成
膜して記録膜16を有する記録膜付レプリカ基板17を
用意した。(k−1)2枚の前記記録膜付レプリカ基板
17の一方に反応型接着剤18をスピンコート法により
塗布(膜厚:30μm)した接着剤塗布記録膜付レプリ
カ基板19と、もう一方の記録膜付レプリカ基板17に
は、プライマ20をスピンコート法(回転数:2000
rpm)により塗布(膜厚:0.1μm)したプライマ
塗布記録膜付レプリカ基板21を作成した。(l−1)
密閉空間22内に上記2枚のレプリカ基板19,21を
基板間が5mmに成るように塗布面を向かい合わせにし
て配置し、その空間22を脱酸素雰囲気を得るために6
0秒間窒素ガス23置換し、(m−1)その後2枚のレ
プリカ基板19,21を移動させ貼り合せた。(n−
1)更に紫外線照射装置24により紫外線強度:30m
W/cm2,照射時間:10秒の条件でディスク内外周
側面にはみ出た接着剤に紫外線照射し本発明に係る光デ
ィスクを作成した。
【0037】(実施例3,4)本実施例では、表1の実
施例3,4の接着剤を用いて、実施例1,2のスタンパ
製造方法と同様にスタンパを作成し、図5のg−2〜m
−2の光ディスク製造方法により光ディスクを作成し
た。
【0038】(g−2)前記スタンパ7を成形型にし
て、(h−2)スタンパ7の凹凸面に紫外線硬化性樹脂
25(粘度:200cp)を滴下しプラスチック板26
(外形:300mm,内径:35mm,厚さ:1.1m
m)で紫外線硬化性樹脂25の膜厚が80μmになるよ
うに押し広げた後、紫外線照射装置27によりプラスチ
ック板側より紫外線を照射し前記紫外線硬化性樹脂25
を硬化(硬化条件:紫外線強度:100mW/cm2
30秒)させ(i−2)スタンパ7と紫外線硬化性樹脂
25の間を剥離させスタンパ7のグルーブやピットの凹
凸が転写されたレプリカ基板28を作成した。(j−
2)前記レプリカ基板28の情報パターン面に、GeS
bTe記録膜29(厚さ:30nm),SbBi反射膜
30(厚さ:20nm),SiN保護膜31(厚さ:3
0nm)をスパッタ法により順次成膜して記録膜32が
形成された記録膜付レプリカ基板33を用意した。(k
−2)2枚の前記記録膜付レプリカ基板33の一方に反
応型接着剤18をスピンコート法により塗布(膜厚:3
0μm)した接着剤塗布記録膜付レプリカ基板34と、
もう一方の記録膜付レプリカ基板33には、プライマ2
0をスピンコート法(回転数:2000rpm)により
塗布(膜厚:0.1μm)したプライマ塗布記録膜付レ
プリカ基板35を作成した。(l−2)密閉空間22内
に上記2枚のレプリカ基板34,35を基板間が5mm
に成るように塗布面を向かい合わせにして配置し、その
空間22を脱酸素雰囲気を得るために20mTorrに
減圧し、(m−2)次いで減圧された空間を窒素ガス2
3により大気圧にもどした後配置した2枚のレプリカ基
板34,35を貼り合わせて本発明に係る光ディスクを
作成した。
【0039】(実施例5,6)本実施例では、表1の実
施例5,6の接着剤を用いて、実施例1,2のスタンパ
製造方法と同様にスタンパを作成し、図6のg−3〜m
−3の光ディスク製造方法により光ディスクを作成し
た。
【0040】(g−3)前記スタンパ7を成形型8に取
付け、(h−1)成形型内の空間9(外径:300m
m,中心孔径:35mm,厚さ:1.2mm)にポリカ
ーボネート樹脂10(分子量:約15000)を加熱溶
融させて注入し、(i−3)スタンパのグルーブやピッ
トの凹凸が転写されたレプリカ基板11(外径:300
mm,中心孔径:35mm,厚さ:1.2mm)を作成
した。ついで、(j−3)前記レプリカ基板11の情報
パターン面に、GeSbTe記録膜29(厚さ:30n
m),SbBi反射膜30(厚さ:20nm),SiN
保護膜31(厚さ:30nm)をスパッタ法により順次
成膜して記録膜32が形成された記録膜付レプリカ基板
36を用意した。(k−3)2枚の前記記録膜付レプリ
カ基板36の一方に反応型接着剤18をスピンコート法
により塗布(膜厚:30μm)した接着剤塗布記録膜付
レプリカ基板37と、もう一方の記録膜付レプリカ基板
36には、プライマ20をスピンコート法(回転数:2
000rpm)により塗布(膜厚:0.1μm)したプ
ライマ塗布記録膜付レプリカ基板38を作成した。(l
−3)密閉空間22内に上記2枚のレプリカ基板37,
38を基板間が5mmに成るように塗布面を向かい合わ
せにして配置し、その空間22を脱酸素雰囲気を得るた
めに60秒間窒素ガス23置換し、(m−3)その後2
枚のレプリカ基板37,38を移動させ貼り合せた。
(n−3)更に紫外線照射装置24により紫外線強度:
30mW/cm2,照射時間:10秒の条件でディスク
内外周側面にはみ出た接着剤に紫外線照射し本発明に係
る光ディスクを作成した。
【0041】(実施例7)本実施例では、表1の実施例
7の接着剤を用いて、実施例1,2のスタンパ製造方法
と同様にスタンパを作成し、図7のg−4〜m−4の光
ディスク製造方法により光ディスクを作成した。
【0042】(g−4)前記スタンパ7を成形型にし
て、(h−4)スタンパ7の凹凸面に紫外線硬化性樹脂
25(粘度:200cp)を滴下しプラスチック板26
(外形:300mm,内径:35mm,厚さ:1.1m
m)で紫外線硬化性樹脂25の膜厚が80μmになるよ
うに押し広げた後、紫外線照射装置27によりプラスチ
ック板側より紫外線を照射し前記紫外線硬化性樹脂25
を硬化(硬化条件:紫外線強度:100mW/cm2
30秒)させ(i−4)スタンパ7と紫外線硬化性樹脂
25の間を剥離させスタンパ7のグルーブやピットの凹
凸が転写されたレプリカ基板28を作成した。ついで、
(j−4)作成したレプリカ基板28の情報パターン面
に、SiNエンハンス膜12(厚さ:30nm),Tb
FeCo磁性膜13(厚さ:30nm),AlN反射膜
14(厚さ:30nm),SiN保護膜15(厚さ:3
0nm)をスパッタ法により順次成膜して記録膜16を
有する記録膜付レプリカ基板39を用意した。(k−
4)2枚の前記記録膜付レプリカ基板39の一方に反応
型接着剤18をスピンコート法により塗布(膜厚:30
μm)した接着剤塗布記録膜付レプリカ基板40と、も
う一方の記録膜付レプリカ基板39には、プライマ20
をスピンコート法(回転数:2000rpm)により塗
布(膜厚:0.1μm)したプライマ塗布記録膜付レプ
リカ基板41を作成した。(l−4)密閉空間22内に
上記2枚のレプリカ基板40,41を基板間が5mmに
成るように塗布面を向かい合わせにして配置し、その空
間22を脱酸素雰囲気を得るために20mTorrに減
圧し、(m−4)次いで減圧された空間を窒素ガス23
により大気圧にもどした後配置した2枚のレプリカ基板
40,41を貼り合わせて本発明に係る光ディスクを作
成した。
【0043】(比較例1,2)本比較例では、表1の比
較例1,2の接着剤を用いて、実施例1,2と同様な光
ディスク製造方法により光ディスクを作成した。
【0044】(比較例3,4)本比較例では、表1の比
較例3,4の接着剤を用いて、実施例3,4と同様な光
ディスク製造方法により光ディスクを作成した。
【0045】(比較例5,6)本比較例では、表1の比
較例5と表2の比較例6の接着剤を用いて、実施例5,
6と同様な光ディスク製造方法により光ディスクを作成
した。
【0046】
【表2】
【0047】(比較例7,8)本比較例では、表2の比
較例7,8の接着剤を用いて、実施例7と同様な光ディ
スク製造方法により光ディスクを作成した。
【0048】(比較例9,10)本比較例では、表3の
比較例9,10のホットメルト接着剤を用い、実施例
1,2の図4i−1で得られた記録膜が形成されたレプ
リカ基板2枚を用意し、2枚のレプリカ基板の記録膜面
にホットメルトコータによりホットメルト接着剤を膜厚
30μmになるように塗布し、接着剤塗布面を向い合わ
せにして、2kg/cm2の荷重で貼り合わせた比較例
9の光ディスクと20kg/cm2の荷重で貼り合わせ
た比較例10の光ディスクを作成した。
【0049】
【表3】
【0050】比較例11 本比較例では、表3の比較例11の1液性嫌気硬化型接
着剤を用い、実施例1,2の図4i−1で得られた記録
膜が形成されたレプリカ基板2枚を用意し、2枚のレプ
リカ基板の一方の記録膜面に1液性嫌気硬化型接着剤を
スピン塗布し、2枚のレプリカ基板を20mTorrの
減圧下で貼り合わせ光ディスクを作成した。
【0051】(比較例12)本比較例では、表3の比較
例12の2液非混合接着剤を用い、実施例1,2の図4
i−1で得られた記録膜が形成されたレプリカ基板2枚
を用意し、2枚のレプリカ基板の一方の記録膜面に2液
非混合接着剤のA剤を、もう一方のレプリカ基板の記録
面にB剤をそれぞれスピン塗布し、2枚のレプリカ基板
を20mTorrの減圧下で貼り合わせ光ディスクを作
成した。
【0052】以上、硬度の異なる種々の接着剤を用いて
貼り合わせた実施例1〜7及び比較例1〜12の光ディ
スクについて、貼り合わせ後の凹凸欠陥の発生状況と
対応する上下振れ加速度、ディスクの変形状態と対応
する傾き角、80℃の加熱雰囲気中で、貼り合わせた
2枚の基板間のずれ量、及び80℃/1hの加熱処理
後のディスク傾き角,貼り合わせ後(製造時)と加熱
処理後の(使用,保管時)のディスク表面の凹凸欠陥や
反り等の不良の有無(目視観察)ついて検討し、表4,
5に示す。
【0053】
【表4】
【0054】
【表5】
【0055】尚、前記特性の測定方法は、下記に示す。
【0056】上下振れ加速度と傾き角の機械特性
は、光ディス機械特性測定装置(レーザ波長:780n
m,測定回転数:2400rpm,測定位置:φ290
mm)により測定した。
【0057】ずれ量は、ディスク片(膜厚:30μ
m、接着面積:6cm2)に500gの剪断荷重を加え
たときの変位量を測定した。
【0058】目視観察による不良の有無は、被照射物
に光を当てその反射光を拡大投影する装置(シャドウグ
ラフ)により判別した。例えば、光ディスクの表面に凹
凸や反りが生じている場合、投影物に光の明暗や投影の
大きさが異なって拡大投影される。
【0059】表4,5の結果から、図8に示す接着剤硬
度と光ディスクの傾き角,上下振れ加速度との関係が得
られた。
【0060】図8より、接着剤硬度がショアA30以上
の光ディスクの傾き角は、80℃の加熱処理後であって
も目標の5mrad以内である。又、接着剤硬度がショ
アA80以下の光ディスクの上下振れ加速度は、目標の
2G以内である。実施例1〜7の硬度がショアA30〜
A80の接着剤で貼り合わせた光ディスクは、傾き角及
び上下振れ加速度の目標を同時に満足する。一方比較例
の光ディスクは、どちらか一方の特性のみ満足する。更
に、目視観察による不良の有無をディスク製造時と加熱
処理後について見ると、実施例1〜7の光ディスクは、
製造時、熱処理後でも不良が発生していなかった。それ
に対し比較例の光ディスクは、比較例1〜8,11〜1
2では製造時に不良が発生し、比較例9では加熱放置後
に不良が発生し、さらに比較例10では製造時,加熱放
置後共に不良が発生している。
【0061】更に、実施例1〜7の光ディスクについて
記録再生装置(680nmのレーザを光源として開口数
0.55,焦点深度約2μmの集光レンズを用いた光ヘ
ッド)によりディスク回転数2400rpmで記録再生
を行った結果、記録再生不良が発生しなかった。
【0062】このことより本発明の接着剤(ショア硬度
A30〜A80)で貼り合わせた光ディスクは、平坦性
に優れ加熱雰囲気でも凹凸や変形の少ない高精度なもの
である。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
製造時に生ずる凹凸欠陥が低減され、また、高速アクセ
ス、高速回転による変形保管時の経時変化による変形
や剥がれを低減されて、良好な記録再生が可能となり、
精度や信頼性に優れた光ディスクを実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク模式図である。
【図2】本発明の光ディスク断面図である。
【図3】本発明のスタンパの製造工程図である。
【図4】本発明の光ディスク製造工程図である。
【図5】本発明の光ディスク製造工程図である。
【図6】本発明の光ディスク製造工程図である。
【図7】本発明の光ディスク製造工程図である。
【図8】本発明及び比較例の接着剤硬度と傾き角、接着
剤硬度と上下振れ加速度の関係図である。
【符号の説明】
1…ガラス円盤、2…フォトレジスト、3…フォトレジ
スト付ガラス円盤、4…ガラス原盤、5…Ni膜、6…
Ni電鋳膜、7…スタンパ、8…成形型、9…成形型内
空間、10…ポリカーボネート樹脂、11…レプリカ基
板、12…SiNエンハンス膜、13…TbFeCo磁
性膜、14…AlN反射膜、15…SiN保護膜、16
記録膜、17…記録膜付レプリカ基板、18…反応型接
着剤、19…接着剤塗布記録膜付レプリカ基板、20…
プライマ、21…プライマ塗布記録膜付レプリカ基板、
22…密閉空間、23…窒素ガス、24…紫外線照射装
置、25…紫外線硬化性樹脂、26…プラスチック板、
27…紫外線照射装置、28…レプリカ基板、29…G
eSbTe記録膜、30…SbBi反射膜、31…Si
N保護膜、32…記録膜、33…記録膜付レプリカ基
板、34…接着剤塗布記録膜付レプリカ基板、35…プ
ライマ塗布記録膜付レプリカ基板、36…記録膜付レプ
リカ基板、37…接着剤塗布記録膜付レプリカ基板、3
8…プライマ塗布記録膜付レプリカ基板、39…記録膜
付レプリカ基板、40…接着剤塗布記録膜付レプリカ基
板、41…プライマ塗布記録膜付レプリカ基板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田嶋 哲夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所 生産技術研究所内 (72)発明者 小山 栄二 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立 マクセル株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−54444(JP,A) 特開 平2−223031(JP,A) 特開 平1−251346(JP,A) 特開 昭63−206926(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/24 - 7/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焦点深度が約2μmの光ヘッドを用いて
    記録再生を行なうための記録膜が設けられた一対の基板
    を、前記記録膜が向かい合うようにして、互いに対向す
    る面のほぼ全面にわたって貼り合わせた構造を有する光
    ディスクであって、前記 一対の基板の貼り合わせに用いた接着剤が、硬化後
    の硬度がショア硬度でA36〜A76であり、かつ化学
    反応型接着剤であることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 化学反応型接着剤が硬化促進プライマを
    併用した1液性嫌気硬化型接着剤であることを特徴とす
    る請求項1に記載の光ディスク。
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