JP3367491B2 - 電気光学装置取り付けユニットおよびこれを用いたプロジェクタ - Google Patents

電気光学装置取り付けユニットおよびこれを用いたプロジェクタ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の色光を画像
情報に応じて変調する電気光学装置をプリズムに取り付
ける電気光学装置取り付けユニットおよびこの電気光学
装置取り付けユニットを用いたプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】従来より、複数の色光を画像情報に応じて
変調する電気光学装置と、当該電気光学装置で変調され
た光を合成するクロスダイクロイックプリズムと、この
プリズムで合成された光を拡大投写する投写レンズとを
備えたプロジェクタが利用されている。
【0003】このようなプロジェクタは、会議、学会、
展示会等でのマルチメディアプレゼンテーションに広く
利用され、必要に応じて持ち込まれたり、終了後に他の
場所に移して移管する場合もあるので、小型化が促進さ
れている。
【0004】近年では、小型化に対応するとともに、構
造の簡素化を図るために、3つの光変調装置を固定部材
を介してクロスダイクロイックプリズムの側面に固定す
る構造が採用されている。以下、この構造を、「POP
(Panel On Prism)構造」という。
【0005】このPOP構造は、保持枠に保持した電気
光学装置を、プリズムの面に、所定の間隔を隔てて、半
田や接着剤で固定する構造である。本願の発明者は、未
だ公開されていない特許において、POP構造の例とし
て、電気光学装置の保持枠の四隅に設けた孔に、接着剤
を塗布したピンを挿入し、ピンの先端をプリズムに、ピ
ンの周辺部を電気光学装置保持枠に固定するものを提案
している(特願平11−25345号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プロジェク
タは、光源や電源等を備えており、使用に際しては高温
となる部位もある。そこで、冷却ファン、排気ファン等
が設けられ、装置内部が過熱しないように配慮されてい
る。
【0007】一方、電気光学装置の保持枠は樹脂製とな
っていることが多く、ガラス製のプリズムよりも熱膨張
率が高い。そのため、プロジェクタの使用時、熱によ
り、保持枠がプリズムよりも大きく膨張してしまう。保
持枠は、前述のように固定ピンを介して取り付けられて
いるため、保持枠の膨張は固定ピンに影響し、固定ピン
を押すようにして保持枠が所定の取付位置から変位して
しまう。その結果、画素ずれが生じて画質を損ねる可能
性が生じる。
【0008】本発明の目的は、プロジェクタの使用時に
発生する熱による液晶パネル等の電気光学装置の位置ず
れを防止することができる取り付けユニット、およびこ
の取り付けユニットを用いたプロジェクタを提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電気光学装置取
り付けユニットは、電気光学装置を保持する電気光学装
置保持枠と、前記電気光学装置保持枠とプリズムとを固
定するための固定ピンと、を備えた電気光学装置取り付
けユニットであって、前記固定ピンは、一方の端部が前
記プリズムに固定され、中央部が前記電気光学装置保持
枠に固定されてなり、前記固定ピンには、前記電気光学
装置保持枠の熱による変位をを吸収する吸収機構が設け
られていることを特徴とするものである。
【0010】このような本発明によれば、吸収機構が電
気光学装置保持枠の熱による変位を吸収することができ
るので、電気光学装置保持枠が熱によって膨張しても、
固定ピンがその影響をある程度吸収することができる。
よって、プロジェクタの使用時に発生する熱による液晶
パネル等の電気光学装置の位置ずれを防止することがで
きるようになる。
【0011】ここで、吸収機構は、固定ピンの部位によ
って断面積を変える等してばね性を持たせてもよく、あ
るいは固定ピンの一部にばね部材を使用してそのたわみ
を利用してもよく、その他、熱による変位を吸収できる
ものであればどのような機構でもよい。
【0012】本発明において、固定ピンは、単一部材で
形成されるとともに、少なくとも中央部の断面積がプリ
ズムに固定される端部の断面積よりも小さい構造とさ
れ、この構造が吸収機構を構成するようにすることが好
ましい。
【0013】このような本発明によれば、構造が簡単で
製作が容易である。
【0014】ここで、固定ピンは、両端部の断面積が大
きく中央部の断面積が小さい形状でも、プリズムに固定
される方の端部の断面積のみが大きく、その他の部位の
断面積が小さい形状でも良い。また、両端部の断面積を
中央部の断面積より大きくする場合、一方の端部と他方
の端部とでその断面積の大きさを変えるようにしても良
い。
【0015】本発明において、固定ピンのプリズムに固
定される端部の断面積をD、中央部の断面積をd、電気
光学装置保持枠の熱変形により生じる力をW、としたと
き、
【0016】数1 (d/D)4×(1/W)=一定 の条件を満たすことが好ましい。
【0017】このようにすれば、電気光学装置保持枠の
材質や大きさによって、固定ピンの大きさを予測するこ
とが可能となり、熱による電気光学装置保持枠の変位の
影響を最も少なくできる最適の形状の固定ピンを容易に
製作することができる。
【0018】本発明において、電気光学装置保持枠はカ
ーボンファイバを含有した樹脂によって形成されている
ことが好ましい。
【0019】このように、電気光学装置保持枠をカーボ
ンファイバを含有した樹脂によって形成すれば、成形が
比較的容易な樹脂を用いながらも熱膨張率を純粋な樹脂
材料を用いた場合よりも低くすることができる。したが
って、電気光学装置保持枠の熱膨張によって固定ピンに
作用する力を小さくすることができ、電気光学装置枠の
熱による変位をより確実に防止することが可能となる。
【0020】本発明において、電気光学装置保持枠の断
面積は40mm 以下であることが好ましい。
【0021】このようにすれば、電気光学装置保持枠の
熱膨張により固定ピンに作用する力を小さくすることが
できるので、電気光学装置枠の熱による変位をより確実
に防止することが可能となる。
【0022】以上述べたような電気光学装置取り付けユ
ニットは、複数の色光を画像情報に応じて変調する電気
光学装置と、この電気光学装置で変調された光を合成す
るプリズムと、このプリズムで合成された光を拡大投写
する投写レンズとを備えたプロジェクタに採用すること
が可能である。このようなプロジェクタに、以上述べた
ような電気光学装置取り付けユニットを採用すれば、プ
ロジェクタの使用時に発生する熱による電気光学装置の
位置ずれを防止することができ、長期間にわたって高い
画像品質を維持可能なプロジェクタを提供することがで
きる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。
【0024】(1)装置の全体構成 図1、図2には、本実施形態に係るプロジェクタ1の概
略斜視図が示され、図1は上面側から見た斜視図、図2
は下面側から見た斜視図である。
【0025】プロジェクタ1は、光源としての光源装置
から出射された光束を赤(R)、緑(G)、青(B)の
三原色に分離し、これらの各色光束を、変調系を構成す
る液晶パネルを通して画像情報に対応させて変調し、変
調した後の各色の変調光束をクロスダイクロイックプリ
ズムにより合成して、投写レンズ6を介して投写面上に
拡大表示する形式のものである。各構成部品は外装ケー
ス2の内部に収納されているが、投写レンズ6はそのズ
ーム機構により、必要に応じて外装ケース2から突出可
能に設けられている。
【0026】(2)外装ケースの構造 外装ケース2は、基本的には、装置上面を覆うアッパー
ケース3と、装置底面を構成するロアーケース4と、正
面部分を覆うフロントケース5とから構成され、アッパ
ーケース3およびロアーケース4がマグネシウムダイキ
ャスト製で、フロントケース5が樹脂製である。
【0027】アッパーケース3の上面右側(正面から見
て右側)には、樹脂製のフィルタ交換蓋241で覆われ
た空気取入口240が設けられている。このフィルタ交
換蓋241には、外部から取り入れた空気を装置内部へ
冷却空気として導入するためのスリット状の開口241
Aが形成され、当該フィルタ交換蓋241の内側には、
エアフィルタ242(図8)が設けられている。このフ
ィルタ交換蓋241をアッパーケース3の上面側から着
脱することで、内部のエアフィルタ242を交換するこ
とが可能である。
【0028】また、アッパーケース3の上面において、
フィルタ交換蓋241の前方には、スピーカ250(図
7)用の多数の連通孔251が穿設されている。連通孔
251の側方には、プロジェクタ1の画質等を調整する
ための操作パネル60が設けられている。これらのフィ
ルタ交換蓋241、連通孔251、および操作パネル6
0が設けられている部分は、図7、図8に示されるよう
に、アッパーケース3の一部が上方に膨出した膨出部3
Aになっており、この膨出部3Aによって形成される内
部空間に前述のエアフィルタ242や、スピーカ25
0、操作パネル60用の回路基板61等が収容されてい
る。
【0029】図2において、ロアーケース4の底面に
は、内部に収納される光源ランプユニット8(図3、図
4)を交換するためのランプ交換蓋27が設けられてい
る。ロアーケース4の底面前方側の角部にはフット31
R、31Lが設けられ、後方側の中央にはフット31C
が設けられている。なお、フット31R、31Lは、ダ
イヤル部分を回転させたり、レバー32R、32Lを操
作することで突出方向に進退する構成であり、その進退
量を調整することによって表示画面の高さや傾きを変更
することが可能である。
【0030】フロントケース5前面の向かって右側部分
には、図示略のリモートコントローラからの光信号を受
信するための受光部70が設けられている。フロントケ
ース5の略中央には、装置内部の空気を排出する排気口
160が設けられている。
【0031】このような外装ケース2の空気取入口24
0寄りの側面および背面には、外部電源との接続用のA
Cインレット50や各種の入出力端子群51が配置され
ている。
【0032】(3)装置の内部構造 図3〜図8には、プロジェクタ1の内部構造が示されて
いる。図3は装置内部の概略斜視図、図4は光学系を示
す斜視図、図5、図6は光学系の内部を示す斜視図、図
7、図8はプロジェクタ1の垂直断面図である。
【0033】これらの図において、外装ケース2の内部
には、光源ランプユニット8、電源としての電源ユニッ
ト9、光学ユニット10、ドライバーボード11(図
8)、メインボード12、AVボード13などが配置さ
れている。そして、本実施形態では、光源ランプユニッ
ト8、光学ユニット10、および前述した投写レンズ6
により、図9にも示されるように、本発明に係る平面U
字形状の光学系が構成され、各ボード11、12、13
で本発明に係る制御系が構成されている。
【0034】電源ユニット9は、光学系の投写レンズ6
側の側部に配置された第1電源ブロック9A、平面U字
型の光学系における中央の開口部14内、すなわち投写
レンズ6と光源ランプユニット8との間に配置された第
2電源ブロック9B、光学系の光源ランプユニット8側
の側部に配置された第3電源ブロック9Cで構成されて
いる。
【0035】第1電源ブロック9Aは、前記ACインレ
ット50を備えており、このACインレット50を通し
て得られる外部電源からの電力を第2電源ブロック9B
および第3電源ブロック9Cに分配供給している。
【0036】第2電源ブロック9Bは、第1電源ブロッ
ク9Aから得られる電力を変圧して主に前記制御系を構
成するメインボード12に供給している。この第2電源
ブロック9Bの排気口160側には、当該第2電源ブロ
ック9Bからの電力で駆動される補助排気ファン15が
取り付けられている。
【0037】第3電源ブロック9Cは、第1電源ブロッ
ク9Bから得られる電力を変圧して光源ランプユニット
8内の光源としての光源装置183(図9)に供給して
いる。すなわち、第3電源ブロック9Cは、最も消費電
力の大きい光源装置183に電力を供給する必要から、
第1、第2電源ブロック9A、9Bよりも大きく、装置
1の前後にわたる大きさに設けられている。
【0038】このような第1〜第3電源ブロック9A〜
9Cは、投写レンズ6や光学ユニット10に先がけてロ
アーケース4にネジ等によって固定される。なお、第1
電源ブロック9Aは、第2電源ブロック9Bにのみ電力
を供給し、第3電源ブロック9Cはその第2電源ブロッ
ク9Bから電力が分配されるようにしてもよい。
【0039】光源ランプユニット8は、プロジェクタ1
の光源部分を構成するものであり、図9に示されるよう
に、光源ランプ181および凹面鏡182からなる光源
装置183と、この光源装置183を収納するランプハ
ウジング184とを有している。
【0040】なお、ランプハウジング184には、光源
ランプ181の使用の有無を判別する使用有無判別部2
60が設けられている。
【0041】そして、ランプハウジング184におい
て、光源装置である光源ランプユニット8は、後述のラ
イトガイド900を構成する上ライトガイド901と一
体の収容部9021で覆われており、上述したランプ交
換蓋27を開けて取り外せるように構成されている。収
容部9021の前方には、排気口160に対応した位置
に補助排気ファン15よりも大きい主排気ファン16が
配置されている。そして、この主排気ファン16も第2
電源ブロック9Bからの電力で駆動される。
【0042】光学ユニット10は、光源ランプユニット
8から出射された光束を、光学的に処理して画像情報に
対応した光学像を形成するユニットであり、ライトガイ
ド900を備えている。このライトガイド900は、樹
脂製で箱状とされた上ライトガイド901と、マグネシ
ウム製で蓋状とされた下ライトガイド902とで構成さ
れ、その内部には照明光学系923、色光分離光学系9
24、変調系925、およびクロスダイクロイックプリ
ズム910が収容されている。また、下ライトガイド9
02には投写レンズ6が固定される鉛直なヘッド板90
3が設けられている。変調系925およびクロスダイク
ロイックプリズム910以外の光学ユニット10の光学
素子は、上下のライトガイド901、902の間に挟ま
れて保持された構成となっている。これらの上ライトガ
イド901、下ライトガイド902は一体とされて、ロ
アーケース4の側に固定されている。
【0043】クロスダイクロイックプリズム910は、
ヘッド板903を挟んで投写レンズ6とは反対側に配置
され、下ライトガイド902上に支持部材を介して固定
されている。変調系925を構成する各液晶パネル92
5R、925G、925Bは、クロスダイクロイックプ
リズム910の3側面と対向配置され、クロスダイクロ
イックプリズム910の対向する面に固定部材を介して
接着固定されている。なお、各液晶パネル925R、9
25G、925Bの互いの位置関係は、液晶パネル92
5Bと液晶パネル925Rとがクロスダイクロイックプ
リズム910を挟んで対向した位置に設けられ、液晶パ
ネル925Gがクロスダイクロイックプリズム910を
挟んで投写レンズ6と対向した位置に設けられている。
そして、これらの液晶パネル925R、925G、92
5Bは、クロスダイクロイックプリズム910の上方に
位置しかつ前述の空気取入口240に対応して設けられ
た吸気ファン17からの冷却用空気によって冷却され
る。この際、吸気ファン17駆動用の電力は、メインボ
ード12からドライバーボード11を介して供給され
る。
【0044】ドライバーボード11は、上述した変調系
925の各液晶パネル925R、925G、925Bを
制御するためのものであり、光学ユニット10の上方に
配置されている。
【0045】メインボード12は、プロジェクタ1全体
を制御する制御回路が形成されたものであり、光学ユニ
ット10の後方に立設されている。従って、メインボー
ド12とドライバーボード11とは互いに直角に配置さ
れてコネクタを介して電気的に接続されている。なお、
このメインボード12には、使用有無判別部260から
の情報を検出するランプ情報検出回路基板230が、ケ
ーブルを介して接続されている。
【0046】AVボード13は、前述の入出力端子群5
1を備えた回路基板であって、光学ユニット10とメイ
ンボード12との間に立設され、メインボード12に電
気的に接続されている。
【0047】以上の内部構造においては、吸気ファン1
7で吸引された冷却空気は、変調系925を冷却した
後、各排気ファン15、16の回転によって各ボード1
1、12、13を冷却しながら光源ランプユニット8側
に導かれる。そして、冷却空気は、ロアーケース4の底
面に設けられた吸入口4A(図2)からの新たな冷却空
気と共に、主に光源ランプユニット8に流れ込んで内部
の光源装置183を冷却する。また、冷却空気の一部は
第2電源ブロック9B側を流れ、他の一部は第3電源ブ
ロック9C側を流れ、それぞれを冷却する。この後、冷
却空気は各排気ファン15、16によって排気口160
から装置1の前全面側に排気される。
【0048】(4)光学系の構造 次に、図5、図9を参照して光学系の光学ユニット10
について詳細に説明する。
【0049】光学ユニット10は、それぞれ上ライトガ
イド901内に収容された照明光学系923と、色光分
離光学系924と、リレー光学系927と、下ライトガ
イド902に固定されたクロスダイクロイックプリズム
910と、下ライトガイド902のヘッド板903に固
定された投写レンズ6とで構成されている。
【0050】照明光学系923は、変調系925の3枚
の液晶パネル925R、925G、925Bの画像形成
領域をほぼ均一に照明するためのインテグレータ照明光
学系であり、光源装置183と、第1のレンズアレイ9
21と、第2のレンズアレイ922と、反射ミラー93
1と、重畳レンズ932とを備えている。これらのレン
ズアレイ921、922、重畳レンズ932、および反
射ミラー931は、上ライトガイド901の立上部分に
支持された状態で配置されているとともに、脱落防止部
材としてのクリップ7によって固定され、上ライトガイ
ド901を図3に示す状態から反転させても脱落しない
ようになっている。
【0051】照明光学系923を構成する光源装置18
3は、放射状の光線を出射する放射光源としての光源ラ
ンプ181と、光源ランプ181から出射された放射光
をほぼ平行な光線束として出射する凹面鏡182とを有
する。光源ランプ181としては、ハロゲンランプやメ
タルハライドランプ、または高圧水銀ランプが用いられ
ることが多い。凹面鏡182としては、放物面鏡や楕円
面鏡を用いることが好ましい。
【0052】第1のレンズアレイ921は、略矩形状の
輪郭を有する小レンズ9211がM行N列のマトリクス
状に配列された構成を有している。各小レンズ9211
は、光源から入射された平行な光束を複数の(すなわち
M×N個の)部分光束に分割し、各部分光束を第2のレ
ンズアレイ922の近傍で結像させる。各小レンズ92
11の輪郭の形状は、液晶パネル925R、925G、
925Bの画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすよう
に設定されている。例えば、液晶パネルの画像形成領域
のアスペクト比(横と縦の寸法の比率)が4:3である
ならば、各小レンズのアスペクト比も4:3に設定す
る。
【0053】第2のレンズアレイ922も、第1のレン
ズアレイ921の小レンズ9211に対応するように、
小レンズ9221がM行N列のマトリクス状に配列され
た構成を有している。第2のレンズアレイ922は、第
1のレンズアレイ921から出射された各部分光束の中
心軸(主光線)が重畳レンズ932の入射面に垂直に入
射するように揃える機能を有している。ここで、重畳レ
ンズ932は、複数の部分光束を3枚の液晶パネル92
5R、925G、925B上で重畳させる機能を有して
いる。また、第2のレンズアレイ922は、図5に示さ
れるように、反射ミラー931を挟んで第1のレンズア
レイ921に対して90度傾いて配置されている。
【0054】反射ミラー931は、第1のレンズアレイ
921から出射された光束を第2のレンズアレイ922
に導くためのミラーであり、照明光学系の構成によって
は、必ずしも必要としない。例えば、第1のレンズアレ
イ921および光源が第2のレンズアレイ922に平行
に設けられていれば不要である。
【0055】色光分離光学系924は、本発明に係る光
学部品としての2枚のダイクロイックミラー941、9
42と、反射ミラー943とを備え、照明光学系923
の重畳レンズ932から出射される光を、赤、緑、青の
3色の色光に分離する機能を有している。各ミラー94
1、942、943は、前述と同様に上ライトガイド9
01の立上部分に支持され、クリップ7によって上ライ
トガイド901に固定されている。
【0056】リレー光学系927は、入射側レンズ95
4、リレーレンズ973、および反射ミラー971、9
72を備えており、これらの反射ミラー971、972
もクリップ7によって上ライトガイド901に固定され
ている。
【0057】変調系925の液晶パネル925R、92
5G、925Bは、例えば、ポリシリコンTFTをスイ
ッチング素子として用いたものである。各液晶パネル9
25R、925G、925Bは、上ライトガイド901
の外側であって、上ライトガイド901の外周に設けら
れた凹状部904(図5)に対応して配置され、かつク
ロスダイクロイックプリズム910の三つの側面に対向
した状態でクロスダイクロイックプリズム910の対向
する面に固定部材を介して接着固定されている。各液晶
パネル925R、925G、925Bの光入出射面側に
は、入射側偏光板960R、960G、960Bが、光
出射面側には出射側偏光板961R、961G、961
Bがそれぞれ配置されている。
【0058】クロスダイクロイックプリズム910は、
3色の色光を合成してカラー画像を形成する機能を有
し、下ライトガイド902の上面に固定ネジにより固定
されている。クロスダイクロイックプリズム910に
は、赤光を反射する誘電体多層膜と、青光を反射する誘
電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略
X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つ
の色光が合成される。
【0059】また、クロスダイクロイックプリズム91
0には、図10に示すように、各液晶パネル925R、
925Bと、クロスダイクロイックプリズム910の側
面との間の隙間から投写レンズ6側に漏れる光を遮光す
る遮光部材83が設けられている。この遮光部材83
は、薄板状の金属を折曲加工して形成されているととも
に、その全面に光の反射を防止するための反射防止膜が
塗布され、遮蔽部84、位置決め部85、および整流部
86を備えている。
【0060】投写レンズ6は、プロジェクタ1の中でも
最も重量の大きい光学部品であり、その基端側に設けら
れたフランジ62を介して下ライトガイド902のヘッ
ド板903にネジ等で固定されている。
【0061】以上のように構成された光学ユニット10
は、以下のようにして組み立てられる。
【0062】先ず、箱状の上ライトガイド901をその
開口側が上向きとなるようにして置き、この上ライトガ
イド901内に照明光学系923、色光分離光学系92
4、およびリレー光学系927などを構成する各光学部
品(反射ミラー、各種のレンズ等)を配置し、それらの
光学部品をクリップ7で上ライトガイド901に固定す
る。
【0063】一方、蓋状の下ライトガイド902におい
ては、その上面に液晶パネル925R、925G、92
5Bを固定したクロスダイクロイックプリズム910を
固定し、ヘッド板903に投写レンズ6を固定してお
く。次いで、各光学部品が搭載された上ライトガイド9
01を持って反転させ、下ライトガイド902に被せる
ようにして取り付け、固定する。
【0064】最後に、このようにして完成したライトガ
イド900を、ロアーケース4にネジ等で固定する。
【0065】なお、液晶パネル925R、925G、9
25B、クロスダイクロイックプリズム910、および
投写レンズ6を搭載しておいた下ライトガイド902を
先にロアーケース4に固定しておき、その後、各光学部
品が搭載された上ライトガイド901を持って反転さ
せ、下ライトガイド902に被せるようにして取り付
け、しかる後、ネジ等によって、上ライトガイド901
をロアーケース4に固定するようにしてもよい。
【0066】さらに、下ライトガイド902のみを先に
ロアーケース4にネジ止めしておき、そこに液晶パネル
925R、925G、925Bおよびクロスダイクロイ
ックプリズム910を搭載したり、投写レンズ6を固定
したりし、その後、各光学部品が搭載された上ライトガ
イド901を持って反転させ、下ライトガイド902に
被せるようにして取り付け、しかる後、ネジ等によっ
て、上ライトガイド901をロアーケース4に固定する
ようにしてもよい。
【0067】また、本実施形態において、下ライトガイ
ド902へのクロスダイクロイックプリズム910や投
写レンズ6の固定、ロアーケース4への上下ライトガイ
ド901、902の固定は、ネジによって行われている
が、そのような固定を接着や嵌合形式など、他の適宜な
固定方法で行ってもよい。
【0068】(5)光学系の機能 図9に示す光学ユニット10において、光源装置183
から出射された略平行な光束は、インテグレータ光学系
(照明光学系923)を構成する第1と第2のレンズア
レイ921、922によって、複数の部分光束に分割さ
れる。第1のレンズアレイ921の各小レンズ9211
から出射された部分光束は、重畳レンズ932によっ
て、液晶パネル925R、925G、925Bの画像形
成領域上で概ね重畳される。その結果、各液晶パネル9
25R、925G、925Bは、面内分布がほぼ均一な
照明光によって照明される。
【0069】この際、色光分離光学系924の第1のダ
イクロイックミラー941では、照明光学系923から
出射された光束の赤色光成分が反射するとともに、青色
光成分と緑色光成分とが透過する。第1のダイクロイッ
クミラー941によって反射した赤色光は、反射ミラー
943で反射し、フィールドレンズ951を通って赤色
用の液晶パネル925Rに達する。このフィールドレン
ズ951は、第2のレンズアレイ922から出射された
各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束
に変換する。他の液晶パネル925G、925Bの前に
設けられたフィールドレンズ952、953も同様であ
る。
【0070】第1のダイクロイックミラー941を透過
した青色光と緑色光のうちで、緑色光は第2のダイクロ
イックミラー942によって反射し、フィールドレンズ
952を通って緑色用の液晶パネル925Gに達する。
一方、青色光は第2のダイクロイックミラー942を透
過してリレー光学系927を通り、さらにフィールドレ
ンズ953を通って青色光用の液晶パネル925Bに達
する。なお、青色光にリレー光学系927が用いられて
いるのは、青色光の光路の長さが他の色光の光路長さよ
りも長いため、光の拡散等による光の利用効率の低下を
防止するためである。すなわち、入射側レンズ954に
入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ953
に伝えるためである。
【0071】赤、緑、青の各色光は、液晶パネル925
R、925G、925Bに入射するにあたり、入射側偏
光板960R、960G、960Bで特定の偏光光のみ
とされる。この後、各偏光光は、各液晶パネル925
R、925G、925Bにおいて与えられた画像情報に
従って変調され、変調光として出射側偏光板961R、
961G、961Bに出射される。そして、出射側偏光
板961R、961G、961Bにおいては、変調光の
うち特定の偏光光のみが透過し、クロスダイクロイック
プリズム910に出射される。出射された各色光の偏光
光は、クロスダイクロイックプリズム910で合成され
て合成光となり、投写レンズ6の方向に出射される。こ
の合成光は、投写レンズ6により投写スクリーン等の投
写面上にカラー画像として投写される。
【0072】(6)電気光学装置取り付けユニットおよ
び固定ピンの構造 液晶パネル925R、925G、925Bのクロスダイ
クロイックプリズム910への取付構造は、図10に示
されるような構造となっている。
【0073】すなわち、各液晶パネル925R、925
G、925Bが、クロスダイクロイックプリズム910
の光入射面となる3つの側面と対向配置され、クロスダ
イクロイックプリズム910の対向する面(光入射面)
に固定ピン80と電気光学装置保持枠91を介して接着
固定されている。
【0074】なお、クロスダイクロイックプリズム91
0は、下ライトガイド902に固定されるクロスダイク
ロイックプリズム支持部材81上に載置・固定されてい
る。
【0075】各液晶パネル925R、925G、925
Bは、それぞれ電気光学装置保持枠91に保持されてい
る。この電気光学装置保持枠91は、間にゴミ防止用の
光透過性の板および液晶パネル925R、925G、9
25Bを挟み込む第1枠体92と第2枠体93とによっ
て構成されている。
【0076】電気光学装置保持枠91の四隅には孔91
Aが開けられており、この孔91Aには、固定ピン80
が挿入されるようになっている。固定ピン80は、図1
2にも示すように、中央部80Bに比べて両端部80A
の断面積が大きくなっている。固定ピン80のプリズム
910側先端面は、紫外線硬化型の接着剤によってプリ
ズムに固定され、中央部は同じく紫外線硬化型の接着剤
によって電気光学装置保持枠91に固定される。また、
固定ピン80は、アクリル系等の樹脂成形品からなる単
一部材で形成されている。
【0077】液晶パネル925R、925G、925B
は、例えば、次のような手順でプリズム910に固定さ
れる。まず、第1枠体92と第2枠体との間に液晶パネ
ル925R、925G、925Bを保持する。次に、固
定ピン80のプリズム910に固定する側の先端部と周
囲部に接着剤を塗布する。そして、接着剤を塗布した固
定ピン80を電気光学装置保持枠91の孔91Aに挿通
させ、ピン80の先端面をクロスダイクロイックプリズ
ム910の光入射面に当接させる。しかる後、投写レン
ズ6から拡大投写される投写画像を見ながら、液晶パネ
ル925R、925G、925Bが適切な位置となるよ
うに調整を行う。最後に、紫外線を照射して接着剤を硬
化させる。
【0078】電気光学装置保持枠91は、カーボンファ
イバ30%含有のポリフェニレンサルファイド(PP
S)で形成されている。そして、保持枠91の縦方向を
X軸、横方向をY軸としたとき、保持枠91は、熱膨張
によりX方向およびY方向に伸縮する。このため、固定
ピン80には、縦方向の力Wxと横方向の力Wyとの合
力Wが掛かることになる。この力WxおよびWyの大き
さは、保持枠91の材質、断面積により異なる。例え
ば、本実施形態のように保持枠がカーボンファイバ30
%含有のPPSで形成されている場合は、線膨張係数λ
は、2.0×10―5(流動の直角方向)とされてい
る。これに対して、グラスファイバ30%含有のPPS
では、線膨張係数λは、4.3×10―5(流動の直角
方向)とされ、カーボンファイバ30%含有のPPSの
方が膨張力は小さい。なお、合力Wは固定ピン80に大
きな負担を掛けないために可能な限り小さいことが好ま
しい。
【0079】今、保持枠を、Aタイプと、Bタイプとの
2種類揃え、図11に示すように、それらの断面積Sと
膨張力Wとを検査した結果を表1に示す。ここで、Sx
は、保持枠の長辺の断面積であり、Syは、保持枠の短
辺の断面積である。本実施形態の保持枠は、Bタイプで
あり、断面積が小さなものとなっている。
【0080】
【表1】
【0081】固定ピン80が保持枠91の熱膨張による
力を吸収するためには、固定ピン80のせん断強度が保
持枠91の膨張力以下となっていることが必要である。
本実施形態では、固定ピン80の中央部の断面積をプリ
ズムに固定される先端部の断面積より小さくすること
で、保持枠の熱による膨張力を吸収するためのばね部
分、すなわち吸収機構を形成している。
【0082】次に、本実施形態において、固定ピン80
の大きさを決定する手順を説明する。
【0083】まず、先端部80Aの径φDと、中心部8
0Bの径φdが異なる3種類の固定ピン80a〜80c
をサンプルとして準備した。そして、固定ピン80のば
ね力は、先端部80Aの径dと、中央部80Bの径Dの
比の4乗に比例すると考えられるため、(d/D)4
値をそれぞれ求めた。次に、表1のAタイプの保持枠を
各固定ピン80a〜80dでプリズム910の面に固定
して、低温−高温が定期的に切り換えられる雰囲気下に
所定時間放置する実験を行ない、その後、液晶パネル9
25R、925G、925Bの画素ずれ量を計測した。
その結果を、表2に示す。なお、画素ズレ量の結果の
「○」は、ズレ量が許容範囲内であること、「◎」は、
ズレ量が極めて少ないことを示す。
【0084】
【表2】
【0085】実験結果によれば、サンプルb、すなわ
ち、(d/D)4の値が1/2.93のときが、画素ず
れ量が最少であることが確認された。
【0086】次に、保持枠の膨張力Wと固定ピン80の
ばね力とは比例するとの仮定の下、Bタイプの保持枠に
使用する固定ピン80のばね力を予測した。すなわち、
(d/D)4×(1/W)=C(一定)となるように、
固定ピン80のばね力を決定した。表2の実験結果よ
り、Cの値は、約(9.62kg) -1である。また、表1
より、Bタイプの保持枠の膨張力Wは、10.9kgであ
るので、Bタイプの保持枠に最適な(d/D)4の値
は、約1/1.13となる。すなわち、先端部80Aの
径Dを、中央部80Bの径dの約1.03倍にすれば良
いことになる。
【0087】そして、以上の予測結果を、実験により確
認した。まず、先端部80Aの径φDと、中心部80B
の径φdが異なる4種類の固定ピン80d〜80gをサ
ンプルとして準備した。そして、(d/D)4の値をそ
れぞれ求めた。なお、予測値である(d/D)4=1/
1.13というサンプルを形成することが難しかったた
め、この値に一番近いサンプルとして、(d/D)4
1/1.26である固定ピン80fを準備した。次に、
表1のBタイプの保持枠を各の固定ピン80d〜gでプ
リズム910の面に固定して、低温−高温が定期的に切
り換えられる雰囲気下に所定時間放置するH/S(ヒー
トショック)試験および高温雰囲気に所定時間放置する
高温試験を行ない、その後、液晶パネル925R、92
5G、925Bの画素ずれ量を計測した。その結果を、
表3に示す。なお、画素ズレ量の結果の「○」は、ズレ
量が許容範囲内であること、「◎」は、ズレ量が極めて
少ないこと、「△」は、ズレ量が許容範囲よりも少し外
れていること、「×」は、ズレ量が許容範囲から著しく
外れていること、を示す。
【0088】
【表3】
【0089】この表からわかるように、 (d/D)4
値が1/1.26の固定ピン80fを用いた場合の画素
ずれ量が最も少なく、予測値と実験値がほぼ一致してい
ることが確認された。
【0090】このことから、所定の保持枠と固定ピンに
よって画素ずれがもっとも少ない(d/D)4×(1/
W)の値Cを求めておけば、(d/D)4×(1/W)
=C(一定)に従って、同じ材料で、大きさの異なる保
持枠に最適な固定ピンを作成できるという結論を導くこ
とができる。
【0091】(7)実施形態の効果 以上のような本実施形態では、次に述べるような効果が
得られる。
【0092】固定ピン80が、両端部80Aの断面積
が中央部80Bの断面積よりも大きいバネ性を有する構
造となっているので、すなわち、固定ピン80に電気光
学装置保持枠91の熱による変位を吸収する吸収機構を
設けているので、光源装置8等の熱により電気光学装置
保持枠91に熱膨張が生じても、その変形を吸収するこ
とができる。その結果、画素ずれを少なくでき、長時間
使用しても画質を損ねないプロジェクタとすることがで
きる。
【0093】固定ピン80は、アクリル系等の樹脂成
形品の単一部材で形成されているので、構造が簡単で製
作が容易である。
【0094】所定の保持枠と固定ピンによって画素ず
れがもっとも少ない(d/D)4×(1/W)の値Cを
求めておけば、(d/D)4×(1/W)=C(一定)
に従って、同じ材料で、大きさの異なる保持枠に最適の
固定ピンを容易に製作することができる。
【0095】電気光学装置保持枠91はカーボンファ
イバ30%含有のPPS製となっており、純粋な樹脂材
料を用いた場合よりも膨張率が小さいので、固定ピンに
作用する力を小さくすることができる。その結果、電気
光学装置保持枠91の熱による変位をより確実に防止す
ることができる。
【0096】電気光学装置保持枠91は、短辺の断面
積Sxが13.1mm2、長辺の断面積Syが19mm2とな
っており、断面積が小さいため、膨張量が比較的小さ
く、固定ピンに作用する力を小さくすることができる。
その結果、電気光学装置保持枠91の熱による変位をよ
り確実に防止することができる。なお、断面積Sx、S
yの値は、保持枠の機械的強度を保持しつつ、熱膨張の
量を低く抑えると言う観点から、40mm2以下であるこ
とが好ましい。
【0097】(8)本発明における実施形態の変形形態 なお、本発明は、前記各実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含み、以
下に示すような変形等も本発明に含まれる。
【0098】例えば、前記実施形態では、固定ピン80
は、両端部80Aの断面積が大きく、中央部80Bの断
面積が小さい構造となっているが、固定ピン80の形状
はこれに限らない。例えば、プリズムに固定される側の
端部の断面積のみを大きくして、他の部分の断面積は小
さくしても良い。また、両端部80Aの断面積を中央部
80Bの断面積よりも大きくする場合、一方の端部と他
方の端部とでその断面積の大きさを変えるようにしても
よい。
【0099】また、前記実施形態では、固定ピン80
は、アクリル系等の樹脂成形品からなり、その断面積を
変化させることによってばね性を持たせ、これを吸収機
構としていたが、これに限らない。例えば、固定ピンの
一部にばね部材を用いて、そのたわみを利用してもよ
く、その他、保持枠91の熱による変位を吸収できるも
のであれば、どのような機構でも良い。
【0100】さらに、前記実施形態では、変調系925
は、3枚の液晶パネル925R、925G、925Bか
ら構成されていたが、これに限らず、1枚、2枚の液晶
パネルから構成してもよい。
【0101】また、前記実施形態では、電気光学装置と
して液晶パネルを用いていたが、プラズマ素子や、マイ
クロミラーを用いたデバイスを電気光学装置として用い
たプロジェクタに本発明を採用してもよい。
【0102】また、前記各実施形態における液晶パネル
925R、925G、925Bは、光束R、G、Bを透
過して変調する形式のものであったが、これに限らず、
入射した光を反射しつつ変調して出射する反射型の電気
光学装置装置を備えたプロジェクタに本発明を採用して
もよい。
【0103】また、プリズムは、前記実施形態のよう
、4つの三角柱状プリズムの接着面に沿って二種類の
色選択面が形成されたクロスダイクロイックプリズムに
限られず、色選択面が一種類のダイクロイックプリズム
や、偏光ビームスプリッタであってもよい。また、3つ
の形状が異なるプリズムの界面に沿って二種類の色選択
面が形成されたダイクロイックプリズムであってもよ
い。その他、プリズムは、略六面体の光透過性の箱の中
に光選択面を配置し、そこに液体を充填したようなもの
であってもよい。
【0104】
【発明の効果】本発明の電気光学装置取り付けユニット
およびこの電気光学装置取り付けユニットを用いたプロ
ジェクタによれば、吸収機構が電気光学装置保持枠の熱
による変位を吸収することができるので、プロジェクタ
の使用時に発生する熱によって電気光学装置保持枠が膨
張しても、固定ピンがその影響をある程度吸収すること
ができる。よって、プロジェクタの使用時に発生する熱
による液晶パネル等の電気光学装置の位置ずれを防止す
ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプロジェクタの上面
側からの外観斜視図である。
【図2】前記実施形態におけるプロジェクタの下面側か
らの外観斜視図である。
【図3】前記実施形態におけるプロジェクタの内部構造
を示す斜視図である。
【図4】前記実施形態におけるプロジェクタの光学系を
示す斜視図である。
【図5】前記実施形態における光学系の構造を示す斜視
図である。
【図6】前記実施形態における光学系の構造を示す他の
斜視図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図であり、前記プロジェ
クタの垂直断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線断面図であり、前記プロジ
ェクタの別の垂直断面図である。
【図9】前記実施形態における光学系の機能を説明する
ための模式図である。
【図10】前記実施形態における電気光学装置取り付け
ユニットのクロスダイクロイックプリズムへの取付構造
を示す分解斜視図である。
【図11】前記実施形態における電気光学装置保持枠の
熱膨張による力の方向を示す模式図である。
【図12】図11におけるA−A線に沿った断面図であ
る。
【符号の説明】
1 プロジェクタ 8 光源装置である光源ランプユニット 80 固定ピン 80A 両端部 80B 中央部 90 電気光学装置取り付けユニット 91 電気光学装置保持枠 91A 孔 91B 開口 92 第1枠体 93 第2枠体

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気光学装置を保持する電気光学装置保
    持枠と、前記電気光学装置保持枠とプリズムとを固定す
    るための固定ピンと、を備えた電気光学装置取り付けユ
    ニットであって、 前記固定ピンは、一方の端部が前記プリズムに固定さ
    れ、中央部が前記電気光学装置保持枠に固定されてな
    り、 前記固定ピンには、前記電気光学装置保持枠の熱による
    変位を吸収する吸収機構が設けられ 前記吸収機構は、前記固定ピンが単一部材で形成される
    とともに、少なくとも中央部の断面積が前記一方の端部
    の断面積よりも小さい構造とされ、この構造が前記吸収
    機構を構成し ていることを特徴とする電気光学装置取り
    付けユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電気光学装置取り付け
    ユニットにおいて、 前記固定ピンは、樹脂成形品であることを特徴とする電
    気光学装置取り付けユニット。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の電気光学装置
    取り付けユニットにおいて、 固定ピンの前記一方の端部の断面の径;D、 固定ピンの前記中央部の断面の径;d、 前記電気光学装置保持枠の熱変形により生じる力;W、
    としたとき、 数1 (d/D)4×(1/W)=一定 の条件を満たすことを特徴とする電気光学装置取り付け
    ユニット。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の電気光
    学装置取り付けユニットにおいて、 前記電気光学装置保持枠は、カーボンファイバを含有し
    た樹脂によって形成されていることを特徴とする電気光
    学装置取り付けユニット。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の電気光
    学装置取り付けユニットにおいて、 前記電気光学装置保持枠の断面積は40mm 以下である
    ことを特徴とする電気光学装置取り付けユニット。
  6. 【請求項6】 複数の色光を画像情報に応じて変調する
    複数の電気光学装置と、前記電気光学装置で変調された
    光を合成するプリズムと、前記プリズムで合成された光
    を拡大投写する投写レンズとを備えたプロジェクタであ
    って、前記電気光学装置は、前記請求項1〜5のいずれ
    かに記載の電気光学装置取り付けユニットにより前記プ
    リズムの側面に取り付けられることを特徴とするプロジ
    ェクタ。
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