JP3366549B2 - 水素・酸素発生装置及びこれに用いる電解セル - Google Patents

水素・酸素発生装置及びこれに用いる電解セル

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JP3366549B2
JP3366549B2 JP06409897A JP6409897A JP3366549B2 JP 3366549 B2 JP3366549 B2 JP 3366549B2 JP 06409897 A JP06409897 A JP 06409897A JP 6409897 A JP6409897 A JP 6409897A JP 3366549 B2 JP3366549 B2 JP 3366549B2
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清司 平井
信一 安井
宏子 小林
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/36Hydrogen production from non-carbon containing sources, e.g. by water electrolysis

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  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固体電解質膜を備
えた電解セルに電流を通電し、純水を電気分解して水素
ガスと酸素ガスとを製造する水素・酸素発生装置及びこ
れに用いる電解セルに関するものであり、特に通常より
も低電流で運転を行った場合でも酸素ガスの発生効率が
高く、しかも固体電解質膜が破損や劣化を起こすことが
少なく寿命の長い水素・酸素発生装置及びこれに用いる
電解セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水を電気分解して純度の高い水素ガスや
酸素ガスを多量に製造する装置として、従来例えば図4
に示す電解セル20を備えた水素・酸素発生装置が用い
られている。図4の電解セル20は多数の固体電解質膜
ユニット10を並列させたものであり、両端に通電用の
端部電極板17を備えている。
【0003】固体電解質膜ユニット10は、主として固
体電解質膜11と、その固体電解質膜11の両面に添設
される多孔質給電体12、12と、その多孔質給電体1
2、12の外側に配設される複極式電極板13、13と
から構成されている。固体電解質膜11はイオン導電性
材料からなる膜である。多孔質給電体12としては、例
えば白金族金属等でメッキされたチタン等からなる多孔
質でメッシュ状のものが用いられる。複極式電極板13
は、通電により片面が陽極に、他面が陰極になるもので
ある。1つの複極式電極板13をとってみれば、それは
左右両側の固体電解質膜ユニット10、10に共通の構
成部材となっている。
【0004】図6には、1つの固体電解質膜ユニット1
0の分解断面図が示されている。固体電解質膜11の両
側には、この固体電解質膜11と複極式電極板13、1
3と環状のガスケット23で囲まれてシールされた空間
が形成され、このそれぞれが後述の陰極室C及び陽極室
D(図6中二点鎖線で示される)となる。この陰極室C
及び陽極室Dのそれぞれに多孔質給電体12が収容され
ている。
【0005】両端部電極板17、17間に図4中左側が
陽極、右側が陰極となるように電流を通電すると、各複
極式電極板13は左側に陰極、右側に陽極を生じさせ
る。このため、1つの複極式電極板13はその複極式電
極板13の図中左側の固体電解質膜ユニット10では陰
極側18の構成部材となり、図中右側の固体電解質ユニ
ット10では陽極側19の構成部材となる。こうして1
つの固体電解質膜ユニット10には固体電解質膜11よ
りも右側の陰極室Cと固体電解質膜11よりも左側の陽
極室Dとが形成される。陰極室Cには水素取出経路15
が連結されており、陽極室Dには純水供給経路14と酸
素取出経路16とが連結されている。
【0006】この状態で純水供給経路14を通じて純水
を陽極室Dに供給すれば、陽極室Dでは、 2H2O → O2 + 4H+ + 4e- の反応が起こり、酸素ガスが発生する。この反応により
陽極室Dで生じた水素イオンはイオン導電性である固体
電解質膜11内を少量の水を伴って移動し、陰極室Cに
到達する。陰極室Cではこの到達した水素イオンに、 4H+ + 4e- → 2H2 の反応が起こり、水素ガスが発生する。なお、この反応
中陰極室C及び陽極室Dは、発生するガスをそのユース
ポイントに輸送するため、又はユースポイントで必要と
される範囲である程度加圧状態となっている。
【0007】このような電解セル20を備えた水素・酸
素発生装置の経路図が図5に示されている。図5の水素
・酸素発生装置は、主として純水製造ユニットAとガス
発生ユニットBとからなる。
【0008】純水製造ユニットAは、主として純水タン
ク6とポンプ7と熱交換ユニット8とイオン交換器9と
から構成されている。純水タンク6には後述するように
ガス発生ユニットBから環流経路2を通じて環流させら
れて再利用される環流水と、水補給経路3を通じて補給
される純水とが蓄えられる。環流水はガス発生ユニット
Bにおいて熱を受けて高温であるため、この環流水を含
む純水タンク6中の水もある程度高温となる。この水は
ポンプ7によりまず熱交換ユニット8に送られ、ここで
熱交換が行われて水が冷却される。冷却された水はイオ
ン交換樹脂が充填されたイオン交換器9に送られ、ガス
発生ユニットBで生じたイオンが除去される。このよう
にして純水製造ユニットAにて冷却、清浄された純水
が、ガス発生ユニットBへ供給される。なお、装置の冷
却のため、ガス発生ユニットBへは電気分解される量よ
り多い量の水が送られる。
【0009】ガス発生ユニットBは、主として図4に示
すような電解セル20と水素分離タンク4と酸素分離タ
ンク5とスクラバー24とから構成されている。純水製
造ユニットAから供給された純水は純水供給経路14
(図4参照)を通じて電解セル20内の固体電解質膜ユ
ニット10の陽極室Dに供給され、上記したようにこの
固体電解質膜ユニット10内で水が電気分解され、水素
ガスと酸素ガスとが発生する。
【0010】陰極室Cで発生した水素ガスは、水素イオ
ンに伴って固体電解質膜11を移動してきた比較的少量
の水とともに(すなわち水素ガス中に水が含まれた状態
で)水素ガス取出経路15を通じて水素分離タンク4に
送られ、ここで水素ガスと水とが分離されて水素ガスが
取り出される。陽極室Dで発生した酸素ガスは、比較的
多量の冷却用の水とともに(すなわち水の中に酸素ガス
が含まれた状態で)酸素ガス取出経路16(図3参照)
を通じて酸素分離タンク5に送られ、ここで酸素ガスと
水とが分離されて酸素ガスが取り出される。水素分離タ
ンク4及び酸素分離タンク5でそれぞれガスと分離され
た水は廃棄される場合もあるし、図5に示すように環流
経路2を通じて純水製造ユニットAの純水タンク6に環
流されて再利用される場合もある。なお、水素分離タン
ク4から環流させられる水は防爆処理のためスクラバー
で残存水素ガスを除去されてから酸素分離タンク5から
環流させられる水と混合される。
【0011】このような水素・酸素発生装置では、電解
セル20に通電される電流値が充分高い場合には陽極室
Dで多量の酸素ガスが発生し、この酸素ガスと酸素ガス
が溶解して飽和状態となった水とが酸素分離タンク5に
送られる。
【0012】このような水素・酸素発生装置は様々な規
模のものが実用化されているが、例えば固体電解質膜ユ
ニット10及び酸素分離タンク5の内圧が4kg/cm
2G(ゲージ圧)で、陽極室Dに供給される純水の量が
電解セル20全体で45L/min(リッター/分)
で、電解セル20に通電される電流が最大で数百アンペ
アで、このときの水素ガス発生量が10Nm3/h(ノ
ルマル立方メートル/時間)であるタイプのもの(以下
標準タイプと称する)等が知られている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した水
素・酸素発生装置は最大負荷電流に対して0%から10
0%の範囲の電流負荷率での運転が可能であるという長
所を有しており、例えば夜間や休日等ガスの使用量が少
量で足りる場合には、ガスの発生量を少量とするため電
流負荷率を最大負荷電流の10%以下(例えば2%程
度)に設定して運転されることがある。このようにガス
発生量が少ない場合、たとえ大気圧下で酸素ガス飽和状
態の純水が固体電解質膜ユニット10に供給されたとし
ても、この固体電解質膜ユニット10内は加圧状態であ
るため、陽極室Dの水は酸素ガス不足により酸素ガス不
飽和状態となる。例えば上記の標準タイプの水素・酸素
発生装置において、電解セル20全体で45L/min
供給される摂氏20度の純水を飽和させるには18mo
l/h(モル/時間)の酸素ガス発生が必要であるのに
対し、電流負荷率が2%の通電では酸素ガスは4.5m
ol/hしか発生せず、陽極室Dの水は酸素ガス不飽和
状態となる。
【0014】このため、発生した酸素ガスとともに酸素
ガス不飽和状態の水が酸素分離タンク5に送られると、
固体電解質膜ユニット10の陽極室Dと連結されて陽極
室Dとほぼ同圧となっている(すなわち加圧状態となっ
ている)酸素分離タンク5内では水に酸素ガスが溶解
し、この水に溶解した酸素が水とともに排出されるため
に酸素ガスの発生効率を低下させてしまうという問題が
ある。
【0015】また、このように酸素ガスを溶解した酸素
分離タンク5内の水は、例えば水面レベルコントロール
等の手段により定期的に排出されて環流又は廃棄される
ので、この水が酸素分離タンク5内の酸素を外部に持ち
出すこととなる。このため酸素分離タンク5の内圧が徐
々に低下し、酸素分離タンク5と連結された電解セル2
0内の陽極室Dの内圧も徐々に低下する。この結果、固
体電解質膜ユニット10の右左(つまり陰極室Cと陽極
室D)に圧力差が生じ、この圧力差が大きくなると固体
電解質膜11を損傷させたり、固体電解質膜11の劣化
を促進し寿命を短くしてしまうおそれがある。
【0016】なお、酸素分離タンク5から排出された水
を廃棄せずに純水タンク6に環流させて再利用するタイ
プの水素・酸素発生装置(図5に示したタイプ)であっ
ても、低電流負荷率で運転された場合に酸素分離タンク
5の内圧が低下することは避けられない。すなわち、こ
のタイプの水素・酸素発生装置においては純水タンク6
は大気と連通されており純水タンク6の内圧は大気圧と
なっているため、加圧状態でかつ酸素ガスが多量に溶解
した環流水がこの純水タンク6内に移動させられると、
圧力低下によってこの水が酸素ガス過飽和となり、この
過飽和の酸素がガスとして発生して大気中に放出され
る。このように大気圧下で平衡状態となった水が再び加
圧され、酸素ガス発生量の少ないガス発生ユニットB内
では酸素ガス飽和状態に達せられないまま酸素分離タン
ク5に送られ、この水に酸素分離タンク5内で酸素ガス
が再度溶解する。このサイクルを繰り返すうちに、この
タイプの水素・酸素発生装置においてもやはり酸素分離
タンク5内の内圧が徐々に低下し、固体電解質膜ユニッ
ト10の右左で圧力差が生じ、固体電解質膜11を損傷
させたり、固体電解質膜11の劣化を促進し寿命を短く
してしまうおそれがある。
【0017】本発明は上記した問題に鑑みてなされたも
のであり、低電流で運転された場合でも酸素ガスの発生
効率を低下させることがなく、しかも固体電解質膜11
の陰極室Cと陽極室Dとの圧力差が大きくなることがな
く、従って固体電解質膜11を損傷させたり劣化させて
しまうおそれが少ない水素・酸素発生装置及びこれに用
いる電解セルを提供することをその目的とするものであ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記した問題を解決する
ため本発明は、純水製造ユニットとガス発生ユニットと
を備えており、そのガス発生ユニット内には電流が通電
される電解セルが配設されており、その電解セルは略中
央に固体電解質膜を備えた固体電解質膜ユニットを備え
ており、その固体電解質膜ユニットは固体電解質膜を挟
んで位置し加圧状態となっている陰極室及び陽極室を備
えており、陰極室に純水製造ユニットで製造された純水
が供給されて電気分解され、陰極室では水素ガスが発生
して水とともに取り出され、陽極室では酸素ガスが発生
して取り出される水素・酸素発生装置、を提供するもの
である(請求項1)。
【0019】この発明においては、水素・酸素発生装置
の陽極室に純水を供給して電気分解を行う従来の水素・
酸素発生装置と異なり、陰極室に純水が供給される。こ
の純水は少量ずつ固体電解質膜を通過して陽極室に至
り、この陽極室で従来の水素・酸素発生装置と同様 2H2O → O2 + 4H+ + 4e- の反応が起こり、酸素ガスが発生する。この反応により
陽極室で発生した水素イオンはイオン導電性である固体
電解質膜内を移動し、陰極室に到達する。陰極室では従
来の水素・酸素発生装置と同様、この到達した水素イオ
ンに 4H+ + 4e- → 2H2 の反応が起こり、水素ガスが発生する。
【0020】陽極室は従来の水素・酸素発生装置と異な
り水がほとんど存在しないので、発生した酸素ガスがこ
の陽極室やその後の経路において水に溶解してしまうこ
とがなく、従って陽極室の内圧が低下してしまうことが
ない。
【0021】一方、陰極室には発生した水素ガスととも
に水が存在する。低電流負荷率で水素・酸素発生装置が
運転されて水素ガスの発生量が充分多くない場合は、こ
の水は水素ガス不飽和となり、陰極室の下流に位置する
水素分離タンクにおいて水素ガスが水に溶解する。しか
し、水素ガスの飽和溶解度は酸素ガスの飽和溶解度に比
べて半分程度であるため水に溶解する水素ガスは少量で
ある。しかも水素ガスの発生量は酸素ガスの発生量の2
倍と多いので、水素ガスがある程度水に溶解しても陰極
室の内圧は大きくは低下しない。このため陰極室と陽極
室とで圧力差は生じるものの無視できる程度であり、固
体電解質膜の損傷や劣化を防ぐことができ、水素・酸素
発生装置の寿命を長くすることが可能となる。なお、陰
極室に純水を供給するには、電解セルの構造を純水供給
経路が陰極室に連結されたものとすればよい(請求項
4)。
【0022】この発明において、電解セルを水素分離タ
ンク内に配設してもよい(請求項2)。これにより水素
・酸素発生装置のコンパクト化を図ることができる。ま
た、上記のように水素分離タンク内は電解セルの陰極室
及び陽極室とほぼ同等の加圧状態とされているため、こ
の水素分離タンク内に電解セルを位置させれば電解セル
の内外での圧力差を少なくすることができ、電解セルを
特に耐圧性に優れる構造とせずとも電解セルのシールを
維持することが可能となる。
【0023】なお、後述のように高純度のガスを効率よ
く取り出すために固体電解質膜を固体高分子電解質膜と
することが好ましいが、この固体高分子電解質膜は高分
子であるが故に強度が充分でないため、陰極室と陽極室
との圧力差を低減できる本発明を適用することにより、
顕著にその寿命を延ばすことが可能となる(請求項3、
5)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ本発明を
詳説する。
【0025】図1は本発明の水素・酸素発生装置に用い
られる電解セル1の一部を省略した断面図である。この
電解セル1の純水供給経路23以外の構造は、図4に示
した従来の電解セル20と同様である。従来の電解セル
20の純水供給経路14は陽極室D(以下図6参照)に
連結されていたが、図1の電解セル1では純水供給経路
23は陰極室C(以下図6参照)に連結されている。
【0026】この純水供給経路23を通じて陰極室Cに
純水が供給される。この純水は少量ずつ固体電解質膜1
1を通過して陽極室Dに至り、ここで分解されて酸素ガ
スと水素イオンが発生する。水素イオンはイオン導電性
である固体電解質膜11内を移動し、陰極室Cに到達す
る。陰極室Cではこの水素イオンが還元されて水素ガス
が発生する。
【0027】この電解セル1を用いた水素・酸素発生装
置の経路図が図2に示されている。この水素・酸素発生
装置は主として純水製造ユニットAとガス発生ユニット
Bとから構成されている。純水製造ユニットAの構成は
図5に示した従来の水素・酸素発生装置と同様である
が、ガス発生ユニットBは主として電解セル1と水素分
離タンク4とからのみ構成されている。
【0028】電解セル1の陽極室Dでは上記のように固
体電解質膜11を少量ずつ通過してきた水が分解される
ため、従来の水素・酸素発生装置と異なり水はほとんど
存在しない。従って陽極室Dから酸素取出経路16を通
じて取り出される酸素ガスに関しては、気体と液体とを
分離するためのタンク(従来例を示す図5における酸素
分離タンク5に相当するもの)は必要とされない。ま
た、従来の水素・酸素発生装置と異なり、発生した酸素
ガスが水と接触することがないので、酸素ガスが水に溶
解して酸素ガス発生効率が低下してしまうことがない。
なお、本水素・酸素発生装置では陽極室の内圧維持のた
め、圧力調節弁22が設けられている。
【0029】一方、陰極室Cからは発生した水素ガスが
多量の水とともに(すなわち水の中に水素ガスが含まれ
た状態で)水素取出経路15を通じて取り出され、水素
分離タンク4内で水素ガスと水とが分離される。低電流
負荷率状態で水素・酸素発生装置が運転される場合、陰
極室Cで発生する水素ガスの量が不足し、ここから取り
出される水の水素ガス溶解度は低いものとなる。従っ
て、陰極室Cと同様に加圧状態とされている水素分離タ
ンク4内では水素ガスが水に溶解する。しかし、水素ガ
スの飽和溶解度は酸素ガスの飽和溶解度の半分程度であ
るため水に溶解する水素ガスは少量である。しかも水素
ガスの発生量は酸素ガスの発生量の2倍と多いので、水
素ガスがある程度水に溶解しても陰極室Cの内圧は大き
くは低下しない。このため、陰極室Cと陽極室Dとで圧
力差は生じるものの無視できる程度であり、固体電解質
膜11の破損や劣化を抑えることが可能となる。
【0030】本水素・酸素発生装置では図2に示したよ
うに陰極室Cから取り出され水素ガスと分離された水を
純水製造ユニットAに環流させて再利用しているが、水
素ガスと分離された水はそのまま廃棄してもよい。ま
た、図2に示した水素・酸素発生装置では、水補給経路
3を通じて純水タンク6に補給水を補給しているが、補
給経路3を設ける位置はここには限られず、例えば純水
タンク6の上流、純水タンク6とポンプ7との間、ポン
プ7と熱交換ユニット8との間、熱交換ユニット8とイ
オン交換器9との間、イオン交換器9の下流等に設けて
も良い。また、この水素・酸素発生装置において純水タ
ンク6、ポンプ7、熱交換ユニット8、イオン交換器
9、水素分離タンク4又は圧力調整弁22の種類、構
造、材質等は特に限定されるものではない。
【0031】本水素・酸素発生装置の電解セル1に用い
られる固体電解質膜11としては、固体高分子電解質を
膜状に成形したものの両面に貴金属、特に白金族金属か
らなる多孔質層を化学的に無電解メッキによって形成し
た固体高分子電解質膜を使用するのが好ましい。前記固
体高分子電解質膜としては、カチオン交換膜(フッ素樹
脂系スルフォン酸カチオン交換膜であり、例えばデュポ
ン社製「ナフィオン117」)が好ましい。また、この
場合前記多孔質メッキ層としては白金族金属のうち白金
が好ましく、特に白金とイリジウムとからなる二層構造
とすれば、80゜Cにおいて200A/dm2の高電流
密度で四年間の長期にわたって電気分解をすることが可
能である。なお、前記イリジウムの他に、二種類以上の
白金族金属をメッキした多層構造の固体電解質膜11も
使用することができる。ちなみに例えば電極を物理的に
イオン交換膜に接触させた構造の固体電解質膜11で
は、その電流密度は50〜70A/dm2程度でしかな
い。
【0032】また、以上のごとく構成された固体電解質
膜11では固体高分子電解質と多孔質メッキ層との間に
は水は存在しないので、溶液抵抗やガス抵抗を少なくす
ることができる。従って、固体高分子電解質と両多孔質
メッキ層との間の接触抵抗を低くすることができ、電圧
降下を少なくでき、電流分布を均一とできる。その結
果、高電流密度化、高温水電解、高圧水電解が可能とな
り、高純度の水素ガス及び酸素ガスを効率よく得ること
が可能となる。
【0033】なお、固体電解質膜11として上記した固
体高分子電解質膜の他に、例えばセラミック膜等の他の
固体電解質膜11を使用することも可能である。
【0034】本水素・酸素発生装置の電解セル1は図1
に示すように複数個の固体電解質膜ユニット10を積層
させたものであるが、積層させる固体電解質膜ユニット
10の数は、必要とされるガス発生量等に応じて1又は
2以上の任意の積層数から適宜選択される。
【0035】図3には本発明の水素・酸素発生装置の他
の実施形態の経路図が表されている。この水素・酸素発
生装置の水素分離タンク21は、図2に示した水素・酸
素発生装置の水素分離タンク4よりも若干大容積とされ
ている。この水素・酸素発生装置においても図1に示し
た構造の電解セル1が用いられており、この電解セル1
は水素分離タンク21の内部に配設されている。純水は
水素分離タンク21の側壁を貫通する配管を通じて電解
セル1に供給される。陰極室で発生した水素ガスはその
まま水素分離タンク21内に放出される。陽極室Dで発
生した酸素ガスは水素分離タンク21の側壁を貫通する
配管を通じて水素分離タンク21の外部へ取り出され
る。
【0036】この水素・酸素発生装置においても、純水
は純水供給経路23を通じて電解セル1の陰極室Cに供
給される。このため、陽極室Dには水がほとんど存在せ
ず、陽極室Dで発生した酸素ガスはほとんど水に溶解す
ることがない。また、陰極室Cで発生した水素ガスは過
剰の水に溶解するがその程度は少量であり、しかも水素
ガスの発生量は酸素ガスの発生量の2倍と多いので、水
素ガスがある程度水に溶解しても陰極室Cの内圧はさほ
どは低下しない。従って陰極室Cと陽極室Dとの圧力差
は無視できる程度となる。
【0037】上記のように陽極室Dには水がほとんど存
在しないため、この水素・酸素発生装置においても図2
に示した水素・酸素発生装置と同様酸素ガスと水とを分
離するためのタンクは設けられていない。また、上記の
ように電解セル1は水素分離タンク21の内部に配設さ
れている。さらに水素分離タンクから環流させられる水
は従来の水素・酸素発生装置(図5に示したもの)のよ
うに酸素分離タンク5から環流させられる水と混合され
ることがなく防爆のための処理が不要となるので、スク
ラバー24を設ける必要もない。このためガス発生ユニ
ットBは外観上は主として水素分離タンク21のみから
構成されており、電解セル20、水素分離タンク4、酸
素分離タンク5及びスクラバーの4つの部材から構成さ
れている従来の水素・酸素発生装置に比べて極めてコン
パクトで省スペースを達成でき、取り扱いも容易とな
る。
【0038】また、水素分離タンク21内は電解セル1
の陰極室C及び陽極室Dとほぼ同等の加圧状態とされて
いるため、この水素分離タンク21の内部に電解セル1
を位置させることによって電解セル1の内外での圧力差
を少なくすることができ、電解セル1を特に耐圧性に優
れる構造とせずとも電解セル1のシールを維持すること
が可能となる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば低
電流で運転された場合でも酸素ガスの発生効率を低下さ
せることがなく、しかも固体電解質膜ユニットの陰極室
と陽極室とで圧力差が生じてしまうことが少なく、従っ
て固体電解質膜を損傷させたり劣化により寿命を低下さ
せたりするおそれが少ない水素・酸素発生装置を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる電解セルを表す一
部が省略された断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる水素・酸素発生装
置を表す経路図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる水素・酸素発生
装置を表す経路図である。
【図4】従来の電解セルを表す一部が省略された断面図
である。
【図5】従来の水素・酸素発生装置を表す経路図であ
る。
【図6】図4に示された電解セルの固体電解質膜ユニッ
トの分解された断面図である。
【符号の説明】
1、20・・・電解セル 2・・・環流経路 3・・・水補給経路 4、21・・・水素分離タンク 5・・・酸素分離タンク 6・・・純水タンク 7・・・ポンプ 8・・・熱交換ユニット 9・・・イオン交換器 10・・・固体電解質膜ユニット 11・・・固体電解質膜 12・・・多孔質給電体 13・・・複極式電極板 14、23・・・純水供給経路 15・・・水素取出経路 16・・・酸素取出経路 17・・・端部電極板 18・・・陰極側 19・・・陽極側 22・・・圧力調節弁 23・・・ガスケット 24・・・スクラバー A・・・純水製造ユニット B・・・ガス発生ユニット C・・・陰極室 D・・・陽極室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 宏子 兵庫県神戸市長田区名倉町5丁目8番11 号 (72)発明者 森岡 輝行 兵庫県加古川市平岡町土山934−4 (56)参考文献 特開 平9−3680(JP,A) 特開 平8−260180(JP,A) 特開 平4−191387(JP,A) 実開 平4−44370(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C25B 1/00 - 15/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純水製造ユニットとガス発生ユニットと
    を備えており、 そのガス発生ユニット内には電流が通電される電解セル
    が配設されており、 その電解セルは略中央に固体電解質膜を備えた固体電解
    質膜ユニットを備えており、 その固体電解質膜ユニットは固体電解質膜を挟んで位置
    し加圧状態となっている陰極室及び陽極室を備えてお
    り、 陰極室に純水製造ユニットで製造された純水が供給され
    て電気分解され、陰極室では水素ガスが発生して水とと
    もに取り出され、陽極室では酸素ガスが発生して取り出
    される水素・酸素発生装置。
  2. 【請求項2】上記陰極室で取り出された水素ガスと水と
    を分離するための水素分離タンクを備えており、上記電
    解セルがその水素分離タンクの内部に配設されている請
    求項1に記載の水素・酸素発生装置。
  3. 【請求項3】 上記固体電解質膜が固体高分子電解質膜
    である請求項1又は2に記載の水素・酸素発生装置。
  4. 【請求項4】 固体電解質膜ユニットと、 その固体電解質膜ユニットの略中央に位置する固体電解
    質膜と、 固体電解質膜ユニット内の固体電解質膜を挟んで片側に
    位置する陰極室と、 固体電解質膜ユニット内の固体電解質膜を挟んで他側に
    位置する陽極室と、 陰極室に純水を供給するためにその陰極室に連結されて
    いる純水供給経路と、 陰極室から水素ガスと水とを取り出すためにその陰極室
    に連結されている水素取出経路と、 陽極室から酸素ガスを取り出すためにその陽極室に連結
    されている酸素取出経路と、を備えてなる水素・酸素発
    生装置用の電解セル。
  5. 【請求項5】 上記固体電解質膜が固体高分子電解質膜
    である請求項4に記載の電解セル。
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