JP3365709B2 - トラクタの補強枠構造体 - Google Patents

トラクタの補強枠構造体

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JP3365709B2 JP16337596A JP16337596A JP3365709B2 JP 3365709 B2 JP3365709 B2 JP 3365709B2 JP 16337596 A JP16337596 A JP 16337596A JP 16337596 A JP16337596 A JP 16337596A JP 3365709 B2 JP3365709 B2 JP 3365709B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、前方にフロントロ
ーダを装着するためのトラクタの補強枠構造体に関す
る。より詳細には、農業用トラクタ等の車体にその剛性
強度を増加させ、前部に作業機械を連結可能にするため
に着脱可能に構成された補強枠構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】そのような補強枠構造体の一例として
は、特開平6−32188に示されるように、前方にフ
ロントローダ、後方に後作業機を取付けるためにトラク
タ車体の左右方向に分割可能な補強枠構造体がある。こ
の補強枠構造体は後車軸ケースを保持する三角形状の板
がパイプ状の左右枠部材に固定連結されている。尚、後
車軸ケースの端部はこの三角形状のプレートを貫通した
状態で支持されているため、補強枠構造体は後輪を取付
ける前に後車軸ケースに側方から組み付ける必要があ
る。
【0003】さらなる補強枠構造体の一例としては、米
国特許第5,248,237号に開示された構造があ
り、これは前方にフロントローダ等の作業機、後方には
バックホー等の後作業機が装着可能に構成されている。
ここでは補強枠構造体はトラクタ車体の左右側の各々の
側に2組の補強フレームが設けられている。トラクタ車
体の左右方向外方を延設する第1補強フレームとその少
し内側を延設する第2補強フレームは共に、その前端部
が車体左右方向に延設するクロスバー部材に連結固定さ
れている。
【0004】補強枠構造体の他の例としては、独国特許
第2218891号に開示された構造があり、トラクタ
の前部にフロントローダ、後部にバックホーを連結した
状態が開示されている。ここでは、トラクタ車体の左右
側に一対の補強フレームが設けられている。この補強フ
レームは車体に2つのブラケットを介して連結されてい
る状態が開示されている。尚、補強フレームの前端部に
はフロントローダのマストを装着するためのマスト取付
台が形成されている。
【0005】さらに、米国特許第4,737,067号
には、トラクタに作業装置を取付けるための取付機構
(補強枠とは記載されていない)が開示されており、こ
こでは、その一例としてトラクタ車体の幅より狭く左右
方向に延設する一対のフレームを開示している。尚、こ
れらフレームの前端部はブラケットを介してトランスミ
ッションケースに取付けたり、又はエンジンに直接連結
する状態が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような上記最初の
3つの従来技術に共通していえることは、左右側のフレ
ーム各々を独立してトラクタ車体に連結する状態を開示
している。このように、上記従来技術に開示された補強
枠の構造では車体の左右側から補強フレームの各々をト
ラクタ車体あるいはトラクタ車体に連結された種々の部
材又はブラケットに連結するのであって、補強枠構造体
組立物として完成した状態ではトラクタの車体に装着す
ることができない。従って、補強枠構造体を完成車体に
組付ける場合の組付け性に関して言えば4番目の従来技
術も含めて多くの改善されるべき余地がある。
【0007】又、上記従来技術のいずれにおいても、補
強枠構造体をトラクタ車体に連結した状態において、フ
ロントローダの左右の連結部から補強枠構造体を介して
トラクタ車体に伝搬される力(応力)及びモーメントの
等級(大きさ)をいかに減少できるかの説明又は具体的
な開示がない。例えば、米国特許第5,248,237
号では、トラクタ車体の左右側に延設する筒状部材にフ
ロントローダのマスト取付台が設けられており、これら
マスト取付台は車体の左右方向に延設する一対の筒状部
材(又はクロスバー部材)に形成されている。左右方向
に延設するクロスバー部材の各々はブラケットを介して
車体に連結されている。従って、フロントローダの左右
側のマストに掛かる力はマスト取付台から筒状部材及び
ブラケットを介して車体に伝搬されるため、車体に掛か
る応力又はモーメントの等級は減少されると考えられる
が、前記クロスバー部材がトラクタ車体の全幅に亘って
延設されるものではないため、マスト取付台に生じる応
力又はモーメントに起因する歪みエネルギの大部分は、
実質的にはトラクタ車体の左右側面で吸収せざるを得な
い。
【0008】独国特許第2218891の構造では、ト
ラクタ車体の左右側面を延設する補強枠部材の前端部に
マストが直接取付けられており、その後端部近傍にて2
つのブラケットを介して車輌本体に連結されている。従
って、フロントローダの作業によって生じる力成分及び
モーメント成分は左右側の補強枠部材及びブラケットを
介して車体に伝搬される。
【0009】本発明の重要な目的は、フロントローダを
装着可能にするための補強枠構造体を一体物にしておい
て、取扱い及びトラクタ車体に対する取り付けが簡便に
でき、トラクタ車体にかかる荷重を減少でき、フロント
ローダのマストの装着も容易にできるようにすることで
ある。本発明の他の重要な目的は、フロントローダを装
着可能にするための補強枠構造体を一体物にしておい
て、その前部と後部とでトラクタ車体に対して下側から
簡単に取り付けることができ、トラクタ車体にかかる荷
重を減少でき、フロントローダのマストの装着も容易に
できるようにすることである。
【0010】本発明の他の目的は、補強枠構造体を軽量
化を図りながら一体物にでき、フロントローダからの荷
重を分散することができるようにすることである。本発
明の他の目的は、補強枠構造体の後部又は中途部を強固
なものにでき、前部の軽量化を図ることができるように
することである。本発明の他の目的は、前側連結機構の
構造及び取り付けを簡単かつ容易にでき、フロントロー
ダの装着も容易にできるようにすることである。
【0011】本発明の他の目的は、連結アームでフロン
トローダから受ける荷重による歪みエネルギを十分吸収
したり、かつ曲げモーメントを十分減少したりすること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決
のための第1の具体的手段は、エンジン2及びミッショ
ンケース3を前後方向に連結しかつエンジン2から前車
軸フレーム4を延設したトラクタ車体5に取り付け、前
部側のフロントローダ6を装着するための補強枠構造体
であって、前記トラクタ車体5の左右側で車体長手方向
に沿って延設する左右側枠部材13と、この左右側枠部
材13の前・後・中途部の内の少なくとも1ヵ所を連結
するクロスバー部材と、前部側をトラクタ車体5の前部
に連結するための前側連結機構16と、後部側をトラク
タ車体5の後部に連結可能な後側連結機構12と、フロ
ントローダ6を装着可能にするためのローダ装着機構9
とを有し、前記ローダ装着機構9はトラクタ車体5から
左右外側方に突出していてフロントローダ6のマスト2
8を装着する部位を有することである。
【0013】これによって、補強枠構造体8は左右側枠
部材13、クロスバー部材、前側連結機構16、後側連
結機構12並びにローダ装着機構9を有して一体物とな
り、取扱いが容易になり、トラクタ車体5に対する取り
付けが簡便になり、フロントローダ6から受ける荷重を
支持し、トラクタ車体5にかかる荷重を減少し、フロン
トローダ6のマスト28の装着が容易になる。
【0014】本発明における課題解決のための第2の具
体的手段は、エンジン2及びミッションケース3を前後
方向に連結しかつエンジン2から前車軸フレーム4を延
設したトラクタ車体5に取り付け、前部側のフロントロ
ーダ6を装着するための補強枠構造体であって、前記ト
ラクタ車体5の左右側で車体長手方向に沿って延設する
左右側枠部材13と、この左右側枠部材13の前・後・
中途部の内の少なくとも1ヵ所を剛体的に連結するクロ
スバー部材と、前部側をトラクタ車体5に連結するため
の前側連結機構16と、後部側をトラクタ車体5の後車
軸ケース18に連結可能な後側連結機構12と、フロン
トローダ6を装着可能にするためのローダ装着機構9と
を有し、前記ローダ装着機構9はトラクタ車体5から左
右外側方に突出していてフロントローダ6のマスト28
を装着する部位を有し、補強枠構造体をトラクタ車体5
に下側から着脱自在に装着するべく、前側連結機構16
はトラクタ車体5を左右から挟んで装着しており、後側
連結機構12は左右側枠部材13の後部を下側から装着
することにより後車軸ケース18を保持する保持手段1
7を有し、ローダ装着機構9を左右側枠部材13の前部
から左右に突出した部材に設けていることである。
【0015】これによって、補強枠構造体8は左右側枠
部材13、クロスバー部材、前側連結機構16、後側連
結機構12並びにローダ装着機構9を有して一体物とな
り、その前部と後部とでトラクタ車体5に対して下側か
ら簡単に取り付け、フロントローダ6から受ける荷重を
支持し、トラクタ車体5にかかる荷重を減少し、フロン
トローダ6のマスト28の装着が容易になる。
【0016】本発明における課題解決のための第3の具
体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、クロス
バー部材は左右側枠部材13の前・後・中途部の内の少
なくとも前部を連結しており、この前部クロスバー部材
15は側枠部材13より左右外方まで突出したパイプ材
で形成していることである。これによって、左右側枠部
材13を連結して軽量化を図りながら補強枠構造体8を
一体物にでき、フロントローダ6を装着した補強枠構造
体8にかかる荷重を分散する。
【0017】本発明における課題解決のための第4の具
体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、クロス
バー部材は左右側枠部材13の後部又は中途部を連結し
ており、左右各側枠部材13の前部には左右方向に突出
したパイプ材を有していることである。これによって、
フロントローダ6を装着する補強枠構造体8の後部又は
中途部を強固なものにし、前部の軽量化を図っている。
【0018】本発明における課題解決のための第5の具
体的手段は、第3又は4の具体的手段に加えて、前側連
結機構16はパイプ材から前方へ突出してエンジン2を
左右両側から挟んで取り付けられる左右一対の連結アー
ムであることである。これによって、前側連結機構16
を簡単に構成すると共に、トラクタ車体5に対する補強
枠構造体8前部の取り付けを簡単かつ容易にし、フロン
トローダ6の装着も容易にしている。
【0019】本発明における課題解決のための第6の具
体的手段は、第5の具体的手段の補強枠構造体におい
て、左右各連結アームはトラクタ車体左右方向で連結ア
ームの端部に作用する垂直方向の第1荷重に対する第1
弾性変形量と、パイプ材の断面に平行な仮想面内で連結
アームの端部に作用する垂直方向の第2荷重に対する第
2弾性変形量を比較した場合に次式を満たすように設定
することである。
【0020】式 第1弾性変形量<N×第2弾性変形量 但し、N=2、第1垂直荷重の大きさ=第2垂直荷重の
大きさ。 これによって、連結アームは補強枠構造体8がフロント
ローダ6から受ける荷重による歪みエネルギを十分吸収
し、トラクタ車体5側へ伝播する力及びモーメントを減
少する。
【0021】本発明における課題解決のための第7の具
体的手段は、第5の具体的手段の補強枠構造体におい
て、左右各連結アームはトラクタ車体側連結部16aと
パイプ材側連結部16bとその中間のアーム部16cと
を有し、前記アーム部16cの断面形状は次式を満たす
ように設定することである。 式 第1断面係数<第2断面係数/N 但し、N=2、第1断面係数=連結アームの断面中心を
垂直方向に通過する垂直軸vを基準としたアーム部16
cの断面係数、第2断面係数=連結アームの断面中心を
水平方向に通過する水平軸sを基準としたアーム部16
cの断面係数。
【0022】これによって、連結アームは水平軸s回り
よりも垂直軸v回りの方が容易に弾性変形し、補強枠構
造体8がフロントローダ6から受ける荷重による曲げモ
ーメントを減少する。本発明における課題解決のための
第8の具体的手段は、第3〜6のいずれかの具体的手段
に加えて、左右各連結アームは、トラクタ車体側連結部
16aとパイプ材側連結部16bとその中間のアーム部
16cとを有し、トラクタ車体進行方向をX軸方向、ト
ラクタ車体横断方向をY軸方向、トラクタ車体上方向を
Z軸方向とした場合に、アーム部16cは実質的にXZ
平面内で延設していることである。
【0023】これによって、曲げモーメントを十分減少
できる連結アームを簡単に形成する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に、トラクタ・フロントロー
ダ・バックホー(TLB)の全貌が示されている。トラ
クタ車体5の前方にはフロントローダ6が、後部には後
作業機の一例としてのバックホー7が連結されている。
【0025】トラクタ車体5はエンジン2、フライホイ
ールハウジング、クラッチハウジング及びミッションケ
ース3等を前後方向に連結して構成されている。さら
に、エンジン2の側面から前方に向けて前車軸フレーム
4が延設されている。符号21は前輪、22は後輪、2
3は後車軸、18は後車軸ケースをそれぞれ示してい
る。
【0026】トラクタ車体5の後部において、後車軸ケ
ース18がミッションケース3から左右側に延設し、さ
らに後車軸23が後車軸ケース18から車体の左右方向
に延設している。前記後車軸ケース18には左右後輪フ
ェンダ26が取付けられ、この左右後輪フェンダ26の
間のトラクタ車体5には運転席27が配置されている。
【0027】前部作業機としてのフロントローダ6は、
マスト28、ブーム29、ブームシリンダ30及びブレ
イス31、バケット32等によって構成されている。後
作業機としてのバックホー7は、基台34、その前部の
取付体35、その上部の操縦部36、基台34の後部に
枢支された旋回台37、旋回台37に横軸を介して枢支
されたブーム38、ブーム38の先端に設けられたバケ
ット、及びアウトリガー40などによって構成されてい
る。
【0028】符号41は後立枠装置を構成する後支柱を
示し、トラクタ車体5の後部に立設され、その上部には
天蓋42が取付けられている。前記天蓋42はその前方
部が前支柱43、後部が後支柱41によって支持されて
おり、これらによって日除け装置44が構成されてい
る。前記前支柱43はマスト28又はトラクタ車体5に
連結され、後支柱41は後述する補強枠構造体8の後部
に連結されている。
【0029】次に図1〜4を参照しながら補強枠構造体
8に関して説明する。補強枠構造体8は図1、2に示す
ように、その前方にフロントローダ6を装着可能に、且
つ、その後方に後作業機7を装着可能にしている。この
補強枠構造体8は、大別すると、平面視において四角形
状を構成するための左右側枠部材(ここでは角パイプ)
13;それら左右側枠部材13をその近傍で連結する前
部クロスバー部材15及び、その後部又は近傍で連結す
る後部クロスバー部材14;フロントローダ6を装着可
能にするためのローダ装着機構9;後部に後作業機7を
装着するための作業機装着機構11;並びに、トラクタ
車体5と補強枠構造体8を連結するための前側連結機構
16及び後側連結機構12等によって構成されている。
【0030】次に、図2、4を参照しながら枠体の基本
構造を説明する。前記左右側枠部材13A、13Bは、
トラクタ車体5の側面に沿って延設する角パイプ13を
有し、それらを前端部が前部クロスバー部材15にて連
結されている。さらに、左右角パイプ13の後部には後
方及び上方に延びる略三角形状のフレーム130が剛体
的に設けられており、この三角フレーム130はL形状
の受け部材131によって左右角パイプの後端部に剛体
的に連結されている。
【0031】前記左右一対の三角フレーム130は後部
クロスバー部材14によって連結され、後部クロスバー
部材14は上方の第1後部クロスバー部材14Uと下方
の第2後部クロスバー部材14Dを有し、各後部クロス
バー部材14U、14Dは、棒材又はパイプ材等の杆材
で形成されており、左右三角フレーム130の上下方向
3ヶ所以上を杆材で連結してもよい。
【0032】尚、第2後部クロスバー部材14Dは三角
フレーム130を直接連結しており、第1後部クロスバ
ー部材14Uは受け部材131の後方で三角フレーム1
30に平行な平板で形成された支持板54を連結する。
前記支持板54は、その前端部が受け部材131に溶接
等によって強固に連結されており、三角フレーム130
の剛性を増強している。
【0033】次に、図2、4、5を参照しながら補強枠
構造体8のローダ装着機構9に関して説明する。図2、
4より明らかなように、前部クロスバー部材15の両端
部は、左右側枠部材13の側面を左右方向外方に延設す
る延長部15A,15Bが形成されている。ここで、延
長部15A,15Bの端部にはフロントローダ6のマス
ト28を装着可能にするマスト取付用ブラケット91が
設けられ、マスト28を装着する部位が形成されてい
る。前記延長部15A,15B、ブラケット91等によ
ってローダ装着機構9が構成されている。
【0034】次に、図2、4、5を参照しながら、補強
枠構造体8の作業機装着機構11に関して説明する。バ
ックホー7のトラクタ車体側端部にはバックホー作業機
を車体側に連結するための前部取付体35が設けられて
いる。図2に示されるように、前部取付体35の上部に
は上下方向に開閉操作可能な連結具56が、下部には左
右方向に延設する連結ピン53がそれぞれ設けられてい
る。
【0035】前記三角フレーム130の下部の後端側に
は、上方に開口した凹部51を備えた下部連結体52が
設けられ、支持板54と三角フレーム130を連結する
上連結ピン(上部連結部材)55が設けられている。前
記凹部51、上連結ピン55等によって作業機装着機構
11が構成されている。前記バックホー側の下部連結ピ
ン53は下部連結体52の凹部51に係合可能であり、
この下部連結体52を揺動中心としてバックホー7の取
付体35を回動操作し、連結具56を上部連結ピン55
に上下方向から挟み込むように操作することによって、
バックホー7を補強枠構造体8に連結可能である。
【0036】上述のようにして、補強枠構造体8の前方
にフロントローダ6及びその後部にバックホー7を装着
可能となる。次に、図2、4を参照しながら、補強枠構
造体8をトラクタ車体5に連結する前側連結機構16及
び後側連結機構12に関して説明する。まず、前側連結
機構16は、補強枠構造体8の前部クロスバー部材15
の左右側枠部材13の内方に位置する中央部15Cから
延設される一対の連結アーム16を有している(この実
施の形態では、前側連結機構と一対の連結アームとは同
一になるので、共に符号16で示す。)。前記連結アー
ム16はクロスバー部材15に溶接等によって強固に連
結固定されており、トラクタ車体5の側面に沿って延設
しており、図4、5に示されるように、ボルト孔16a
(車体側連結部に相当する)に貫通するボルトを介して
前車軸フレーム4又はエンジン2に連結される。
【0037】前記連結アーム16はその前方部でトラク
タ車体5と連結される車体側連結部16aと、その後方
部で前部クロスバー部材15と連結される補強枠側連結
部16bを形成し、これら車体側連結部16aと補強枠
側連結部16bとの間のアーム部16cによって構成さ
れる。前記アーム部16cは所定のアーム長さを有し、
その断面は図示するように平板形状であり、車体の左右
方向の力に対しては比較的容易に弾性変形可能に構成さ
れている。
【0038】連結アーム16の形状はその重力方向の力
に対しては剛性が高いため、マスト取付ブラケット91
に作用する重力方向の力はトラクタ車体5側に直接伝搬
され、前輪21によって支持される。即ち、前記連結ア
ーム16は、前部クロスバー部材15の軸芯回りに作用
する曲げモーメントに対する弾性変形量は少ないように
構成されている。但し、連結アーム16は所定長さのア
ーム長16cを有するため、補強枠構造体8の前部クロ
スバー部材15が剛体的に車体5に組込まれた状態と比
較した場合は、その曲げモーメントに対する弾性変形量
は大である。
【0039】尚、前部クロスバー部材15の両端部にマ
スト28が取付けられた状態で、左右のマスト28の各
々に掛かる力又は各種のモーメントはまず、前部クロス
バー部材15が捻り変形又は曲げ変形することによって
その歪みエネルギの所定の割合が吸収され、アーム部1
6cが所定の方向に対して容易に弾性変形することによ
ってさらに歪みエネルギが吸収されるため、トラクタ車
体5側へ伝搬される力又はモーメントが一層減少され
る。
【0040】前記連結アーム16のアーム部16cの断
面形状に関して、図4、5から明らかなように、連結ア
ーム16の厚さh方向の中心を垂直方向に通過する垂直
軸vを基準とした断面係数Z1は、連結アーム16の幅
b方向の中心を水平方向に通過する水平軸sを基準とし
た断面係数Z2よりかなり小さい値になるように設定さ
れている。
【0041】図5bを参照しながら以下にその関係を例
示する。 Z1=bh2 /6 ──(1) Z2=hb2 /6 ──(2) Z2>Z1×N ここで、Z1は連結アーム16の厚さh方向中央部を通
る垂直軸vに対する断面係数、Z2は連結アーム16の
幅b方向中央部を通る水平軸sに対する断面係数、Nは
定数。
【0042】なお、前記連結アーム16の垂直軸vを基
準とした断面係数Z1は、左右各側枠部材(パイプ)1
3の対応する垂直軸v1を基準とした断面係数Z3又は
前部クロスバー部材15の対応する垂直軸v2を基準と
した断面係数Z4のより小さい方の関数(MIN)より
も、小さい値に設定されるべきである。以下に各々の断
面係数の関係を例示する。
【0043】 Z1<(1/N)×MIN(Z3:Z4) ──(3) ここで、Z3は側枠部材(パイプ)13の垂直軸v1を
基準とした断面係数、Z4は前部クロスバー部材15の
垂直軸v2を基準とした断面係数、Nは定数、MI
N(:)は括弧内のより小さいものを選択する関数。 上記(3)式において、Nは左右方向の力に対する連結
アーム16の変形を容易にするべく適切に選択される。
このように、連結アーム16の断面形状は、弾性変形量
を特定方向の力に対して多くなるように設定するべきで
あって、その形状は図4、5に示すような四辺形である
必要はない。
【0044】尚、特定の方向の力に対する弾性変形量を
他方の力に対する弾性変形量よりも意図的に非常に大き
く設定した構造、又は特定の方向の力成分に対しては一
切の反力が生じないようにした構造を自由(選択)構造
と定義し、ここで、連結アーム16は自由構造で構成さ
れており、連結アーム16とトラクタ車体側との連結状
態を自由連結と称する。
【0045】次に、前記補強枠構造体8の後側連結機構
12は、受け部材131及び三角フレーム130に形成
された上方に開口した凹部135(又はU型開口部)を
基本的な構成要素とし、図6、7に示すホルダ17aな
どを付け加えてトラクタ車体5の後車軸ケース18を支
持するように構成している。前記ホルダ17a及び受け
部材131等によって保持手段17が構成されている。
【0046】図6、7aに示すように、三角フレーム1
30には後車軸ケース18の端部から延設された後車軸
23を収納するように、凹部135が形成されている。
後車軸23を三角フレームの凹部135に嵌合した状態
で、後車軸ケース18は、その上方から当接されるホル
ダ17aと、このホルダ17aを受け部材131に取付
けるためのボルト171及びナット172等を使用し
て、受け部材131に固定される。
【0047】特に図7a、図7bに示すように、後車軸
ケース18の外周に形成された周溝部173の溝幅とボ
ルト171の外径との間には所定の隙間が形成されてお
り、ホルダ17aを受け部材131に取付けた状態にお
いて、後車軸ケース18の車体側方への変位を所定の範
囲で許容するように構成している。尚、図7cに示すよ
うに、ホルダ17aの内周に球軸受け体19等を備える
ことによって、三角フレーム130と後車軸ケース18
との相対的な変位の自由度を増すことも可能である。但
し、この場合は球軸受け体19を後車軸ケース18に軸
方向から予め嵌合装着しておく必要があり、また、ホル
ダ17aも環状部材で構成することが好ましい。
【0048】上述のようにして後車軸ケース18を後側
連結機構12に固定した状態で、図6に示す抜止めプレ
ート140を三角フレーム130に取付けることによっ
て、後車軸ケース18と補強枠構造対8との連結状態を
より確実なものとする。抜止めプレート140を三角フ
レーム130に連結するにあたり、図6で示すように抜
止めプレート140に形成された複数の固定孔137と
三角フレーム130に形成されたネジ穴139を適合さ
せてボルト(図示せず)止可能となる。
【0049】ここで、ホルダ17aを受け部材131に
ボルト等で固定した状態において、ホルダ17aと受け
部材131との垂直方向の間隔を、この空間に保持され
る後車軸ケース18の寸法よりやや大きくなるようにボ
ルト171の外周にスペーサー等を外嵌させることも可
能である。また、このような後車軸ケース18の上限部
分とホルダ17aの下面に形成される隙間を埋めるため
に、ホルダ17aの下面に弾性部材を介在させることも
可能であり、この隙間による振動等を吸収できる。
【0050】このように構成すると、後作業機(バック
ホー)7による三角フレーム130の後車軸回りの捻り
モーメントは、後車軸ケース18とホルダ17aとの相
対回動変位によってその大部分が吸収されるので、この
捻りモーメントはトラクタ車体5側にはかなり緩和され
た状態で伝搬される。上述の補強枠構造体8は、図3に
示すように、前側連結機構16と後側連結機構12によ
ってトラクタ車体5に連結可能になる。ここで、前側連
結機構16としての一対の連結アーム16の内側面通し
の幅は前車軸フレーム4の外側幅より若干広めに形成さ
れており、且つ、三角フレーム130の凹部135は上
方に開口しているため、補強枠構造体8をアッセブリの
状態で完成車としてのトラクタ車体5の下方から装着可
能となる。
【0051】図1、2に特に明らかなように、前記補強
枠8の前側連結機構としての連結アーム16のボルト穴
16aには、トラクタ車体5の側方から挟むようにアク
セスするのが非常に容易であるため、トラクタ車体への
組付けが容易に行える。後側連結機構12の方は組付け
作業の時にはトラクタ車体5の後輪22の内側で後車軸
23を凹部135に収納し、図6に示すようにホルダ1
7aを固定していく作業が必要となるため、後車軸ケー
ス18を三角フレーム130に迅速に仮止めできるよう
な簡単な機構を設けても良い。
【0052】このような仮止めの機構として、抜止めプ
レート140の一端を三角フレーム130に枢支可能な
状態で連結しておいて、補強枠構造体8の後部を持ち上
げて凹部135を後車軸23に嵌合し、その後に抜止め
プレート140の両端を三角フレーム130に固定し、
抜止めプレート140で補強枠構造体8後部を支持した
状態で、ホルダ17aを受け部材131に固定すること
などが考えられる。
【0053】次に、フロントローダ作業によって生じる
歪みエネルギの吸収について説明する。すなわち、上記
補強枠構造体8をトラクタ車体5に連結した状態で、フ
ロントローダ6の作業によってマスト28に応力が発生
した場合に、その力(即ち、その力に起因する歪みエネ
ルギ)がどのように補強枠構造体8に吸収されるか、又
はトラクタ車体5にどのように伝搬されるかを説明す
る。
【0054】例えば、マスト28に生じる力の一例とし
て、マスト28の上端部に図2、8において反時計方向
の力が生じた場合に関して説明する。この力によって、
補強枠構造体8のマスト取付ブラケット91には反時計
方向の曲げモーメントが生成され、この曲げモーメント
は前部クロスバー部材15を反時計方向に捻り、これに
よって生じるクロスバー部材15の捻り変形が生じる
が、この捻り変形は角パイプ13と連結アーム16によ
って規制される。
【0055】言い換えると、マスト取付ブラケット91
に発生する曲げモーメントは、前部クロスバー部材15
の捻り変形と角パイプ13の変形及び連結アーム16の
変形によって、そのかなりの部分が吸収されることにな
る。このように曲げモーメントの一部は前部クロスバー
部材15の捻り変形によって吸収され、さらに、角パイ
プ13の弾性変形をもきたすため、連結アーム16に伝
搬される部分はこの時点で既に減少されることになる。
【0056】さらに、連結アーム16は上記したように
所定の腕長さ16cを有するので、車体取付け部16a
に伝搬されるにせよ、この腕長さに起因する連結アーム
16の弾性変形によって微少であれ、曲げモーメントの
一部は吸収される。従って、前部クロスバー部材15を
直接にトラクタ車体5に連結した状態と比較した場合
は、本連結構造を採用した場合の方が車体5に伝搬され
る曲げモーメントは遙かに減少される。そして、トラク
タ車体5の強度アップをすることなしに、フロントロー
ダの作業時のパワーアップが可能となる。
【0057】本発明においては、この連結アーム16が
トラクタ車体5の例えばエンジン2の下方側面に左右か
ら挟むように、直接ボルト等で連結されても良い。但
し、連結アーム16を図1〜3のように前車軸フレーム
4に連結する場合は、前車軸フレーム4がさらに弾性変
形可能であるため、トラクタ車体5に伝搬される曲げモ
ーメントや力(応力)の大きさを減少することが可能と
なる。
【0058】但し、連結アーム16の形状が縦方向に非
常に剛性が強いため、フロントローダ6を装着すること
によって生じる重力方向の力成分の殆どは前輪21で受
けることになる。ところが、重力方向の力に対しては一
対の前輪21及び一対の後輪22、さらにはバックホー
の作業機に関しては、接地状態であればアウトリガ40
によって受ける必要があるため、補強枠構造体8の剛性
をいかにアップしたとしても、これら部材によって支持
されるべき力の絶対値が減少するわけではない。
【0059】さらに、角パイプ13の後端部は後部クロ
スバー部材14によってループ状に連結されているた
め、曲げ応力はトラクタ車体5の後端部に伝搬される割
合が非常に少なくなる。このようにマスト取付ブラケッ
ト91に生じる曲げ応力の大部分は、補強枠構造体8の
各部材の弾性変形によって歪みエネルギとして吸収され
るため、トラクタ車体5に伝搬される応力の絶対値を減
少させることが可能となる。このようにしてフロントロ
ーダの作業における作業機のパワーの上限をアップする
ことが可能となる。
【0060】次に、本発明の補強枠構造体8をトラクタ
車体5に装着することによって、後作業機7によって生
じる歪みエネルギをどのように吸収して、作業の出力ア
ップが可能になるかを説明する。ここで、再度図8を参
照しながら、下部連結体52を中心とする車軸回りの曲
げ応力(Fx2に相当する)が上部連結ピン55(ある
いは、上部連結ピン55を中心とする曲げモーメントが
下部連結体52)に作用した場合を想定して説明する。
【0061】このような曲げモーメントが作用した場合
には、この方向のモーメントに対する三角フレーム13
0の剛性が高いために、その歪みエネルギは三角フレー
ム130に吸収されることなしに三角フレーム130の
前端部の角パイプ13との連結部に実質的に直接伝搬さ
れ、左右角パイプ13の後端部に生じる曲げ応力として
角パイプ13を弾性変形させることになる。
【0062】但し、後車軸ケース18は図6で説明した
ように、三角フレーム130に対して回動が許容されて
いるので、曲げモーメントは実質的には後車軸ケース1
8に伝達されることはない。従って、三角フレーム13
0あるいは左右側枠部材(角パイプ13)を後車軸ケー
ス18に直接連結する構造と比較した場合、補強枠構造
体8を組付けることによって、このような曲げモーメン
トの大部分が吸収できるため、トラクタ車体5には殆ど
捻り力を伝達することはない。従って、この種のモーメ
ントに対応するバックホー7の作業の出力アップが可能
となる。
【0063】さらに、三角フレーム130の作業機装着
機構11に車軸方向の力(Fy2に相当する)が生じた
場合においては、後車軸ケース18が後側連結機構12
としての三角フレーム130に対して設定範囲内で車軸
方向に変位可能である場合、この方向の力は後車軸ケー
ス18に直接伝搬されることはない。上述したように、
図8に示すように、フロントローダ6及びバックホー7
から伝達される特定方向の力成分及び曲げモーメントに
対する補強枠構造体8の歪みエネルギの吸収の状態に関
しては、説明が比較的容易であるが、実際の作業におい
ては、もっと複雑な力がマスト取付ブラケット91及び
三角フレーム130等に作用すると考えられる。
【0064】しかしながら、如何なる力がマスト取付ブ
ラケット91に作用したところで、その力は3方向(x
方向、y方向、z方向:ここで図8に示すように、車体
の進行方向をx方向;車軸方向をy方向;車体上方をz
方向とする)の力成分(Fx;Fy;Fz)と、3軸回
りのモーメント(x軸回りのモーメントMx、y軸回り
のモーメントMy、z軸回りのモーメントMz)とに分
解することが可能であり、これら力成分(Fx1,Fy
2,Fz3)の各々は、前部クロスバー部材15の曲げ
による弾性変形によってある割合が吸収されるので、ト
ラクタ車体5に伝搬されるこれら力成分は減少すること
になる。
【0065】補足すると、Mx1は、前部クロスバー部
材15のx軸方向の曲げ力として作用するので、前部ク
ロスバー部材15のx軸方向の弾性変形をきたし、さら
に、左右側部材(角パイプ13)を引張り又は圧縮する
力としても作用するので、左右側枠部材13のx軸方向
の弾性変形をもたらす。Fy1は、前部クロスバー部材
15のy軸方向の引張り又は圧縮力として作用するの
で、前部クロスバー部材15のy軸方向の弾性変形をき
たし、さらに左右側枠部材13をy軸方向に変形させる
力としても作用するので、左右側枠部材13の弾性変形
をもたらす。同様に、Fz1は、前部クロスバー部材1
5をz軸方向に変形させ、さらに左右側枠部材13のx
軸方向の変形をもたらす力として作用する。
【0066】曲げモーメントの成分(Mx1,My2,
Mz3)に関しても前部クロスバー部材15の捻り変形
又はマスト取付ブラケット91自身のy軸回りの捻り変
形等によってある割合が吸収されるのでトラクタ車体5
に伝搬されるモーメントの大きさを減少することが可能
となる。補足すると、Mx1は、前部クロスバー部材1
5のz軸方向の曲げ力として作用するので、前部クロス
バー部材15のz軸方向の弾性変形をきたし、さらに、
左右側枠部材13は前部クロスバー部材15の弾性変形
に対する抵抗として作用するため、Mx1に対しては前
部クロスバー部材15及び左右側枠部材13の両部材に
よって該モーメントによって生じる歪みエネルギの一部
が吸収される。
【0067】My1は、前部クロスバー部材15のy軸
回りの捻りトルクとして作用するので、前部クロスバー
部材15のy軸回りの捻り変形をきたし、さらに左右側
枠部材13はその捻り変形を阻止する抵抗として作用す
るため、該モーメントに起因する歪みエネルギに対して
も部分的にクロスバー部材及び左右側枠部材13によっ
て吸収される。同様に、Mz1は、前部クロスバー部材
15をx軸方向に変形させ、さらに左右側枠部材13が
その変形を阻止するように作用するため、該モーメント
に起因する歪みエネルギに対しても部分的に前部クロス
バー部材15及び左右側枠部材13によって吸収され
る。
【0068】尚、ここで図示したFx,Fy,Fz及び
Mx,My,Mzに関する矢印の向きは説明上付随した
ものであり、実際の力によっては、そのいずれかの成分
が逆向きに作用する場合もある。作業機装着機構11の
上部連結ピン55及び下部連結体52に作用する力の成
分(Fx2,Fy2,Fz2)に関しても、同様の解析
が可能である。
【0069】例えば、Fx2は左右側枠部材13の端部
に作用する曲げ応力として作用し、この力成分によって
左右側枠部材13が弾性変形するので、その弾性変形量
に相当する歪みエネルギが、補強枠構造体8の吸収でき
る歪みエネルギの割合である。同様にしてFy2の力成
分に対しては、左右側枠部材13の後端部に作用する捻
りモーメントとして作用するが、この分力に対しても左
右側枠部材13が捻り変形することによって力成分のあ
る割合を吸収可能である。さらに、Fz2に関しても同
様に、左右側枠部材13の弾性変形によって、ある割合
の歪みエネルギの吸収が可能となる。
【0070】曲げモーメントの各種成分(Mx2,My
2,Mz2)に関しても各々、三角フレーム130、後
部クロスバー部材14U及び14D、及び左右側枠部材
13の弾性変形によって、所定の割合のモーメントが補
強枠構造体8によって吸収される。例えば、My2に関
しては、バックホー7の連結具56が上連結ピン55を
挟み込んでいるだけで、摺動摩擦で静止力が作用するだ
けなので、実質的には他のモーメント成分と比較した場
合はMy2に起因するトラクタ車体5の受ける反力又は
モーメントは無視できるレベルと考えられる。
【0071】尚、Mz2のモーメント成分に対しては、
実質的にその大部分は後部クロスバー部材14U及び1
4Dの曲げ変形及び三角フレーム130の変形によって
吸収される。さらにMy2に関しては、三角フレーム1
30の弾性変形及び左右側枠部材13の曲げ変形等によ
って所定の割合が吸収される。これら曲げモーメントの
成分に関しては、後車軸ケース18が三角フレーム13
0に対して所定の範囲で軸方向に変位が可能であること
と、回動が可能であることとによって、トラクタ車体5
に及ぼす影響はさらに少ないものとなる。
【0072】上記と同様の分析を、下部連結体52に作
用する3方向の力成分及び3軸回りのモーメント成分に
関しても実施可能である。上記した補強枠構造体8にお
いては、左右側枠部材13、後部クロスバー部材14及
び前部クロスバー部材15によって完全なループ状の枠
体構造を開示したが、図11に示すように前部クロスバ
ー部材15を省略し、左右の側枠部材13の前端部から
前側連結機構としての連結アーム16B、及び左右側枠
部材13の前端部から左右方向、外方に延設する延長部
にローダ装着装置としてのマスト取付ブラケット91B
を備える構造を採用しても良い。
【0073】この補強枠構造体8Bを採用する場合は、
上述の補強枠構造体8に比較して、前部クロスバー部材
15が存在しない分、フロントローダ6から伝搬される
力に起因する歪みエネルギの吸収量が減少し、より多く
の力成分又はモーメント成分がトラクタ車体5に伝搬さ
れると予想されるが、これらは左右の側枠部材13の剛
性力の増強等によって幾分緩和することも可能である。
【0074】即ち、力成分Fx3に対しては左右側枠部
材13の圧縮力又は引張り力として作用するので、これ
ら左右側枠部材13が軸方向に所定の量だけ変形するこ
とが可能であり、この弾性変形によってFx3に起因す
る歪みエネルギの一部が吸収されるため、トラクタ車体
5に直接この力成分が伝搬されることはない。さらに、
力成分Fy3に関しては、左右側枠部材13を外方又は
横方向内方に曲げる力として作用し、この左右側枠部材
13の変形及び連結アーム6Bの弾性変形によって、F
y3に起因する歪みエネルギの一部が吸収されるため、
トラクタ車体5に直接この力成分が伝搬されることはな
い。
【0075】又、主として後車輪22の弾性変形によっ
て、Fz3に起因する歪みエネルギのかなりの部分が吸
収される。モーメントの成分Mx3に関しては、連結ア
ーム16が車軸方向に弾性変形することによって、モー
メントに起因する歪みエネルギのかなりの部分が吸収さ
れる。
【0076】My3に関しては、部材の弾性変形が比較
的少ない状態で連結アーム16Bに伝搬され、この軸回
りのモーメントに対する連結アーム16Bの弾性変形は
あまり期待できないものの、この曲げモーメント成分M
y3に起因して前車軸フレーム4に生じる歪みエネルギ
は、主として前車輪21のタイヤの弾性変形で実質的に
吸収されるので、トラクタ車体5に対する実質的な負担
はさほど問題にはならない。
【0077】Mz3に関しては、連結アーム16Bを車
軸方向に変形させることが可能であるため、その変形量
が即ち、補強枠構造体8Bによる前記モーメントに起因
する歪みエネルギの吸収であるため、トラクタ車体5に
伝搬される分は減少される。後部装着機構11に関して
は、実質的に補強枠構造体8と同一であるため、バック
ホー7に起因する力成分及びモーメント成分は上記と同
様にその値を減少し、トラクタ車体5に伝搬する。
【0078】補強枠構造体の別実施形態8Cとしては図
12に示すように、後部クロスバー部材14を省略する
ことも可能である。この場合においては、力成分のFx
4,Fz4に関しては、三角フレーム130のxz平面
内z軸方向へ変形する角パイプ13の弾性変形に起因す
るために、トラクタ車体5にはその絶対値が減少して伝
搬される。ところが、力成分Fy4に対しては、後部ク
ロスバー部材14を省略したことによって、その部材の
圧縮変形及び引張り変形による力の吸収が期待できなく
なる。
【0079】従って、この構造を使用した場合には、特
にFy4に対する補強枠構造体8Cの歪みエネルギの吸
収が期待できるため、トラクタ車体5で支持すべき力を
その絶対値(Fx2 +Fy2 +Fz2 1/2 で考えた場
合は、減少されることになる。同様に曲げモーメントの
成分Mx4は、左右側枠部材13の車軸方向への変形に
寄与すると考えられる。即ち、このモーメント成分Mx
4は後部クロスバー部材14によってトラクタ車体5へ
の伝達を削減できるのであるが、本実施の形態のように
後部クロスバー部材を省略するため、このモーメント成
分がトラクタ車体5に伝搬されることが妨げられない。
しかし、上記力成分でも述べたように、モーメントの複
合体として考えた場合は、そのMy成分、Mz成分のエ
ネルギの吸収が期待できるため、トータルで考えるとト
ラクタ車体5の支持すべきモーメントによる歪みエネル
ギは減少される。
【0080】このようにして、特定の力成分及び特定の
モーメント成分が後部クロスバー部材を省略することに
よって、より直接的にトラクタ車体5で受けなければな
らないようになるが、それ以外の力成分及びモーメント
に対しては有効にその成分を吸収できるため、補強枠構
造体8C全体として見た場合は、本実施構造においても
十分に作業機のパワーアップを実施可能にする構造と理
解される。
【0081】上記の実施形態に加えて、図13に示すよ
うに、左右側枠部材13の長手方向の中腹近傍を中途部
クロスバー部材100で連結して、補強枠構造体8Dを
構成することも可能である。前記左右側枠部材13及び
後側連結機構12の共通の構成部材としての三角フレー
ム130は、凹部135を廃止し、図9に示すようなL
型のフレーム130Aとし、それに対応するホルダ17
Aを下方開口のU形状とすることも可能である。
【0082】前側連結部としての連結アーム16は、車
体側連結部16aを単に複数のボルト穴が形成された状
態を開示した。しかし、車体側連結部の他の形態として
は、図10に示すような、円形の開口部16dを連結ア
ーム16に形成し、前車軸フレーム4にもネジ切りされ
た対応開口部16d’を形成し、これら開口部16dと
開口部16d’を適合させて、円筒形状のねじ部材16
d”によって連結することも可能である。
【0083】このように構成することによって、連結ア
ーム16がトラクタ車体5に対してy軸回りに回動自在
に構成することも可能となり、補強枠構造体8と車体5
との連結状態のさらなる自由度を提供することが可能と
なる。なお、本発明は前記実施の形態に限定されるもの
ではなく、種々変形することができる。例えば、前部及
び後部クロスバー部材14、15の断面形状は円形であ
るが、これは円形に限定される必要はなく、四角形状又
は楕円形状の断面であっても良い。一対の連結アーム1
6が前部クロスバー部材15から延設した状態を開示し
たが、一対の連結アーム16の形状を変更し左右側枠部
材13の前端部近傍から延設させることも可能である。
【0084】左右側枠部材13の弾性変形による歪みエ
ネルギの吸収に関して述べたが、これは以下に示すカス
ティリアーノの定理(Castigliano's method)に基づ
く: Δ=dU/dQ トラクタ車体5が荷重の組み合わせにより弾力的に撓む
場合、その撓みはどの位置及びどの方向でも、その位置
にかかり、その方向に作用する荷重に対する歪みエネル
ギの偏導関数(総ての作用する荷重によって計算され
る)と等しい。
【0085】このようにして、通常の農業用トラクタに
補強枠構造体8を装着することによって、前方にフロン
トローダ6を後方にバックホー7等の作業機を取付けて
作業が実施可能となる。尚、補強枠構造体8によってフ
ロントローダ6の作業で発生する歪みエネルギの一部が
吸収されるため、トラクタ車体5に掛かる負荷が軽減さ
れるため車体の剛性を上げることなしにフロントローダ
6又はバックホー7による作業時の出力を上昇すること
が可能となる。
【0086】前述した補強枠構造体8の構成は次のよう
に集約される。エンジン2及びミッションケース3を前
後方向に連結しかつエンジン2から前車軸フレーム4を
延設したトラクタ車体5に取り付け、前部側のフロント
ローダ6及び後部側の後作業機7を装着、又はフロント
ローダ6のみを装着する。前記トラクタ車体5の左右側
で車体長手方向に沿って延設する左右側枠部材13と、
この左右側枠部材13の前・後・中途部の内の少なくと
も1ヵ所を連結するクロスバー部材と、前部側をトラク
タ車体5の前部に連結するための前側連結機構16と、
後部側をトラクタ車体5の後部に連結可能な後側連結機
構12と、フロントローダ6を装着可能にするためのロ
ーダ装着機構9とを有する。
【0087】左右側枠部材13の前・後・中途部の内の
少なくとも1ヵ所を連結するクロスバー部材は剛体的連
結状態にでき、また、板材を使用して撓み可能な連結状
態にもできる。前側連結機構16はトラクタ車体5を左
右から挟んで装着しており、後側連結機構12は左右側
枠部材13の後部を下側から装着することにより後車軸
ケース18を保持する保持手段17を有し、補強枠構造
体8をトラクタ車体5に下側から着脱自在に装着可能に
なっている。
【0088】前記左右各側枠部材13は後方へかつ上方
へ延びる板状のフレーム130を有し、フレーム130
は後車軸23に下方から嵌合する凹部135を有し、後
車軸23に嵌合した凹部135の開口側を塞いで後車軸
23の抜止めをする抜止め部材140を有している。ク
ロスバー部材は左右側枠部材13の前・後・中途部の内
の少なくとも前部を連結する場合、この前部クロスバー
部材15は側枠部材13より左右外方まで突出したパイ
プ材で形成し、左右側枠部材13の前・後・中途部の内
の少なくとも後部を連結する場合、この後部クロスバー
部材14を左右側枠部材13の後部の上下複数ヶ所をそ
れぞれ連結する上下複数本の杆材で形成し、クロスバー
部材が左右側枠部材13の後部又は中途部を連結する場
合、左右各側枠部材13の前部には左右方向に突出した
パイプ材を有する。
【0089】前記ローダ装着機構9はトラクタ車体5か
ら左右外側方に突出していてフロントローダ6のマスト
28を装着する部位(マスト取付用ブラケット91)を
有し、左右側枠部材13の前部から左右に突出した部材
に設けている。前側連結機構16はパイプ材から前方へ
突出してエンジン2を左右両側から挟んで取り付けられ
る左右一対の連結アームであり、左右各連結アームはト
ラクタ車体左右方向で連結アームの端部に作用する垂直
方向の第1荷重に対する第1弾性変形量と、パイプ材の
断面に平行な仮想面内で連結アームの端部に作用する垂
直方向の第2荷重に対する第2弾性変形量を比較した場
合に、第1弾性変形量<N×第2弾性変形量という式を
満たすように設定する。但し、N=2、第1垂直荷重の
大きさ=第2垂直荷重の大きさである。
【0090】また、左右各連結アームはトラクタ車体側
連結部16aとパイプ材側連結部16bとその中間のア
ーム部16cとを有し、前記アーム部16cの断面形状
は、第1断面係数<第2断面係数/Nという式を満たす
ように設定する。但し、N=2、第1断面係数=連結ア
ームの断面中心を垂直方向に通過する垂直軸vを基準と
したアーム部16cの断面係数、第2断面係数=連結ア
ームの断面中心を水平方向に通過する水平軸sを基準と
したアーム部16cの断面係数である。
【0091】さらに、左右各連結アームは、トラクタ車
体側連結部16aとパイプ材側連結部16bとその中間
のアーム部16cとを有し、トラクタ車体進行方向をX
軸方向、トラクタ車体横断方向をY軸方向、トラクタ車
体上方向をZ軸方向とした場合に、アーム部16cは実
質的にXZ平面内で延設している。後作業機7を装着す
るための作業機装着機構11を備えていてもよく、この
作業機装着機構11は後側連結機構12より後方に突出
して位置しており、後側連結機構12より後方に突出し
て位置し、左右に上下一対の連結部材を有する。
【0092】後側連結機構12は左右各側枠部材13の
後部に設けたフレーム130を有し、このフレーム13
0に保持手段17を取り付けており、保持手段17はフ
レーム130に固定されていて後車軸ケース18の下側
に位置する受け部材131と、この受け部材131に着
脱自在に固定されて受け部材131に対して後車軸ケー
ス18を保持するホルダ17aとを有し、ホルダ17a
は後車軸ケース18に対して上方から当接して受け部材
131に固定されるか、後車軸ケース18に対して軸方
向に嵌合した状態で受け部材131に固定される。
【0093】前記保持手段17は、後車軸ケース18に
対してトラクタ車体左右方向に所定の範囲内で変位可能
に構成することができる。前記作業機装着機構11は、
フレーム130の後下部に設けられていて上方開放の凹
部51を有する左右一対の下部連結部材52と、後上部
に設けられた左右一対の上部連結部材55とを有してい
る。
【0094】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば次のような
効果を奏する。請求項1によれば、補強枠構造体8は左
右側枠部材13、クロスバー部材、前側連結機構16、
後側連結機構12並びにローダ装着機構9を有して一体
物にでき、取扱いが容易になり、トラクタ車体5に対す
る取り付けが簡便になり、フロントローダ6から受ける
荷重を支持し、トラクタ車体5にかかる荷重を減少で
き、フロントローダ6のマスト28の装着が容易にでき
る。
【0095】請求項2によれば、補強枠構造体8は左右
側枠部材13、クロスバー部材、前側連結機構16、後
側連結機構12並びにローダ装着機構9を有して一体物
にでき、その前部と後部とでトラクタ車体5に対して下
側から簡単に取り付けることができ、フロントローダ6
から受ける荷重を支持し、トラクタ車体5にかかる荷重
を減少でき、フロントローダ6のマスト28の装着が容
易にできる。
【0096】請求項3によれば、左右側枠部材13を連
結して軽量化を図りながら補強枠構造体8を一体物にで
き、フロントローダ6を装着した補強枠構造体8にかか
る荷重を分散することができる。請求項4によれば、フ
ロントローダ6を装着する補強枠構造体8の後部又は中
途部を強固なものにでき、前部の軽量化を図ることがで
きる。
【0097】請求項5によれば、前側連結機構16を簡
単に構成すると共に、トラクタ車体5に対する補強枠構
造体8前部の取り付けを簡単かつ容易にでき、フロント
ローダ6の装着も容易にできる。請求項6によれば、連
結アームは補強枠構造体8がフロントローダ6から受け
る荷重による歪みエネルギを十分吸収でき、トラクタ車
体5側へ伝播する力及びモーメントを減少することがで
きる。
【0098】請求項7によれば、連結アームは水平軸s
回りよりも垂直軸v回りの方が容易に弾性変形し、補強
枠構造体8がフロントローダ6から受ける荷重による曲
げモーメントを減少することができる。請求項8によれ
ば、曲げモーメントを十分減少できる連結アームを簡単
に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の態様を示す全体側面図である。
【図2】同要部の側面図である。
【図3】トラクタ車体と補強枠構造体との関係を示す平
面図である。
【図4】補強枠構造体の側面方向の斜視図である。
【図5】(a)は補強枠構造体の正面斜視図であり、
(b)は補強枠構造体の前側連結機構としての連結アー
ムの断面図である。
【図6】補強枠構造体の後部と車軸ケースとの連結状態
を示す側面図である。
【図7】(a)は図6のX−X線断面図であり、(b)
は(a)の部分的拡大図であり、(c)は補強枠構造体
の後部と車軸ケースとの連結の別形態を示す図である。
【図8】補強枠構造体に生じる力及びモーメントの状態
を図式化した説明図である。
【図9】補強枠構造体の後側連結機構のホルダの別形態
を示す斜視図である。
【図10】補強枠構造体の前側連結機構の別形態を示す
分解斜視図である。
【図11】後部クロスバー部材のみを有する補強枠構造
体を示す斜視図である。
【図12】前部クロスバー部材のみを有する補強枠構造
体を示す斜視図である。
【図13】中途部クロスバー部材のみを有する補強枠構
造体を示す斜視図である。
【符号の説明】
2 エンジン 3 ミッションケース 4 前車軸フレーム 5 トラクタ車体 6 フロントローダ 7 バックホー(後作業機) 8 補強枠構造体 9 ローダ装着装置 11 作業機装着機構 12 後側連結機構 13 側枠部材(角パイプ) 14 後部クロスバー部材 15 前部クロスバー部材 16 前側連結機構(連結アーム) 17 保持手段 17a ホルダ 18 後車軸ケース 23 後車軸 130 フレーム(三角フレーム) 131 受け部材 135 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 21/18 B62D 49/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(2)及びミッションケース
    (3)を前後方向に連結しかつエンジン(2)から前車
    軸フレーム(4)を延設したトラクタ車体(5)に取り
    付け、前部側のフロントローダ(6)を装着するための
    補強枠構造体であって、 前記トラクタ車体(5)の左右側で車体長手方向に沿っ
    て延設する左右側枠部材(13)と、この左右側枠部材
    (13)の前・後・中途部の内の少なくとも1ヵ所を連
    結するクロスバー部材(14,15,100)と、左右
    側枠部材(13)の前部側をトラクタ車体(5)の前部
    に連結するための前側連結機構(16)と、左右側枠部
    材(13)の後部側をトラクタ車体(5)の後部に連結
    可能な後側連結機構(12)と、フロントローダ(6)
    を装着可能にするためのローダ装着機構(9)とを有
    し、 前記ローダ装着機構(9)は左右側枠部材(13)から
    左右外側方に突出していてフロントローダ(6)のマス
    ト(28)を装着する部位を有し、 前記前側連結機構(16)は、フロントローダ(6)か
    らトラクタ車体(5)側へと伝播する荷重を、その弾性
    変形により吸収可能とされている ことを特徴とするトラ
    クタの補強枠構造体。
  2. 【請求項2】 エンジン(2)及びミッションケース
    (3)を前後方向に連結しかつエンジン(2)から前車
    軸フレーム(4)を延設したトラクタ車体(5)に取り
    付け、前部側のフロントローダ(6)を装着するための
    補強枠構造体であって、 前記トラクタ車体(5)の左右側で車体長手方向に沿っ
    て延設する左右側枠部材(13)と、この左右側枠部材
    (13)の前・後・中途部の内の少なくとも1ヵ所を剛
    体的に連結するクロスバー部材(14,15,100)
    と、左右側枠部材(13)の前部側をトラクタ車体
    (5)に連結するための前側連結機構(16)と、左右
    側枠部材(13)の後部側をトラクタ車体(5)の後車
    軸ケース(18)に連結可能な後側連結機構(12)
    と、フロントローダ(6)を装着可能にするためのロー
    ダ装着機構(9)とを有し、 前記ローダ装着機構(9)は左右側枠部材(13)から
    左右外側方に突出していてフロントローダ(6)のマス
    ト(28)を装着する部位を有し、左右側枠部材(13)がクロスバー部材(14,15,
    100)により連結されて一体化された状態で該左右側
    枠部材(13)を トラクタ車体(5)に下側から着脱自
    在に装着できるように、前側連結機構(16)はトラク
    タ車体(5)を左右から挟んで装着され、後側連結機構
    (12)は後車軸ケース(18)を保持する保持手段
    (17)を介して後車軸ケース(18)に下側から組み
    付けられることを特徴とするトラクタの補強枠構造体。
  3. 【請求項3】 エンジン(2)及びミッションケース
    (3)を前後方向に連結しかつエンジン(2)から前車
    軸フレーム(4)を延設したトラクタ車体(5)に取り
    付け、前部側のフロントローダ(6)を装着するための
    補強枠構造体であって、 前記トラクタ車体(5)の左右側で車体長手方向に沿っ
    て延設する左右側枠部材(13)と、この左右側枠部材
    (13)の前・後・中途部の内の少なくとも1ヵ所を連
    結するクロスバー部材(14,15,100)と、前部
    側をトラクタ車体(5)の前部に連結するための前側連
    結機構(16)と、後部側をトラクタ車体(5)の後部
    に連結可能な後側連結機構(12)と、フロントローダ
    (6)を装着可能にするためのローダ装着機構(9)と
    を有し、 前記ローダ装着機構(9)はトラクタ車体(5)から左
    右外側方に突出していてフロントローダ(6)のマスト
    (28)を装着する部位を有し、 クロスバー部材(14,15,100)は、左右側枠部
    材(13)の前・後・中途部の内の少なくとも前部を連
    結しており、 この前部クロスバー部材(15)は、側枠部材(13)
    より左右外方まで突出したパイプ材で形成し、 前側連結機構(16)は前記パイプ材から前方へ突出し
    てエンジン(2)を左右両側から挟んで取り付けられる
    左右一対の連結アームであることを特徴とするトラクタ
    の補強枠構造体。
  4. 【請求項4】 エンジン(2)及びミッションケース
    (3)を前後方向に連結しかつエンジン(2)から前車
    軸フレーム(4)を延設したトラクタ車体(5)に取り
    付け、前部側のフロントローダ(6)を装着するための
    補強枠構造体で あって、 前記トラクタ車体(5)の左右側で車体長手方向に沿っ
    て延設する左右側枠部材(13)と、この左右側枠部材
    (13)の前・後・中途部の内の少なくとも1ヵ所を連
    結するクロスバー部材(14,15,100)と、前部
    側をトラクタ車体(5)の前部に連結するための前側連
    結機構(16)と、後部側をトラクタ車体(5)の後部
    に連結可能な後側連結機構(12)と、フロントローダ
    (6)を装着可能にするためのローダ装着機構(9)と
    を有し、 前記ローダ装着機構(9)は、トラクタ車体(5)から
    左右外側方に突出していてフロントローダ(6)のマス
    ト(28)を装着する部位を有し、 クロスバー部材(14,100)は、左右側枠部材(1
    3)の後部又は中途部を連結しており、左右各側枠部材
    (13)の前部には左右方向に突出したパイプ材を有
    し、 前側連結機構(16)は、前記パイプ材から前方へ突出
    してエンジン(2)を左右両側から挟んで取り付けられ
    る左右一対の連結アームであることを特徴とする トラク
    タの補強枠構造体。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載のトラクタの補強
    枠構造体において、左右各連結アームはトラクタ車体左
    右方向で連結アームの端部に作用する垂直方向の第1荷
    重に対する第1弾性変形量と、パイプ材の断面に平行な
    仮想面内で連結アームの端部に作用する垂直方向の第2
    荷重に対する第2弾性変形量を比較した場合に次式を満
    たすように設定することを特徴とする: (式)第1弾性変形量<N×第2弾性変形量 但し、N=2、第1垂直荷重の大きさ=第2垂直荷重の
    大きさ。
  6. 【請求項6】 請求項3又は4に記載のトラクタの補強
    枠構造体において、左右各連結アームはトラクタ車体側
    連結部(16a)とパイプ材側連結部(16b)とその
    中間のアーム部(16c)とを有し、前記アーム部(1
    6c)の断面形状は次式を満たすように設定することを
    特徴とする: (式)第1断面係数<第2断面係数/N 但し、N=2、第1断面係数=連結アームの断面中心を
    垂直方向に通過する垂直軸(v)を基準としたアーム部
    (16c)の断面係数、第2断面係数=連結アー ムの断
    面中心を水平方向に通過する水平軸(s)を基準とした
    アーム部(16c)の断面係数。
  7. 【請求項7】 左右各連結アームは、トラクタ車体側連
    結部(16a)とパイプ材側連結部(16b)とその中
    間のアーム部(16c)とを有し、トラクタ車体進行方
    向をX軸方向、トラクタ車体横断方向をY軸方向、トラ
    クタ車体上方向をZ軸方向とした場合に、アーム部(1
    6c)は実質的にXZ平面内で延設していることを特徴
    とする請求項3〜5のいずれかに記載のトラクタの補強
    枠構造体。
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