JP3365620B2 - 磁気センサーおよび磁気式エンコーダー - Google Patents

磁気センサーおよび磁気式エンコーダー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ドラムまたは
磁気スケールとを組み合わせて、位置あるいは速度検出
に使用される磁気センサーの構成に係わり、特に磁気ド
ラムや磁気スケールと磁気センサーとを接触させて用い
る磁気センサーと磁気式エンコーダーに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図7に示すように磁気式エンコーダーに
はドラムやスケール形状の磁気記録媒体1と磁気センサ
ー素子3、フレキシブルプリント回路4を備える磁気セ
ンサー2との間に適当な間隔(以下ギャップgと言う)
が必要である。一般的にはギャップgとは磁気抵抗効果
素子5と磁気記録媒体1の間隔を言うが、本発明におい
ては、図7に示す様に磁気抵抗効果素子5を保護する目
的で設けられた非磁性膜6の面と磁気記録媒体との間隔
を言う。
【0003】図5に磁気記録媒体の着磁ピッチλを40
μmとし、磁気センサーと磁気記録媒体の間隔を変化さ
せた時の、磁気センサーの出力電圧の関係を示す。ギャ
ップgが着磁ピッチλの約1/3以下では、磁気センサ
ーの出力波形は飽和して歪みを生じるため、ギャップg
を狭くしても磁気センサーの出力は大きくならない。ま
たギャップgを着磁ピッチλとほぼ同じ値まで大きくす
ると、磁気センサーの磁気抵抗効果素子5に届く磁界が
弱くなるため、磁気センサーの出力電圧は小さくなる。
このため実用的なギャップgの範囲は、g=λ/5〜λ
である。
【0004】従来の磁気式エンコーダーは、出力電圧波
形の歪みが小さくかつ出力が大きくなるように、磁気セ
ンサーの出力を測定しながらギャップgを調整し、組み
立てを行うものである。
【0005】磁気式エンコーダーの組立方法としてはギ
ャップgに相当する厚さを持った治具を作製し、磁気記
録媒体と磁気センサー間に治具を挿入し、磁気記録媒体
と治具、磁気センサーを密着させた状態で磁気センサー
を固定したあと、治具を除去する方法が多く用いられて
いる。
【0006】また、図8a)もしくは図8b)に示す方
式がある。図8a)は、ポリアミド系等の樹脂シート7
を磁気記録媒体1の外周に貼り付ける構成である。図8
b)は磁気センサー3にシート7を貼付け、前記シート
を介して磁気記録媒体1と磁気センサー2を接触、摺動
する方式である。
【0007】磁気センサー2と磁気記録媒体1を組み合
わせたドラム型磁気式エンコーダーを図6に示しながら
説明する。磁気センサー2は磁気抵抗効果素子5とフレ
キシブルプリント回路(以下FPCと言う)4を磁気セ
ンサー部の端子部半田とFPCの端子部半田を熱圧着し
た接合部8をもった構造となっている。磁気抵抗効果素
子5は導体10によって、磁気センサー素子の端子部半
田に接続されている。
【0008】磁気記録媒体1と磁気センサー2を組み合
わせた回転式磁気式エンコーダを図6の斜視図と図7の
側面図で示している。磁気記録媒体表面外周方向には磁
極がNSSNNSの様にNとN、SとSが対向する様に
着磁されており,NとSもしくはSとNの間隔を着磁ピ
ッチλで表している。磁気記録媒体1は軸9に固定され
軸9の回転と共に回転する。磁気センサー2と磁気記録
媒体1とはギャップgの間隔を持って対峙するように配
置されている。FPC4は磁気センサー素子3の磁気記
録媒体1側に配置されるのが多い。FPCの厚みとギャ
ップgとの関係から、磁気記録媒体端部よりFPC4が
外側に外れる位置に配置されるのが一般的である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】出力電圧波形の歪みが
小さく出力が大きくなるように、磁気センサーの出力を
測定しながらギャップを調整し、組立を行う方法は最適
のギャップ寸法が得られるため、磁気記録媒体や磁気セ
ンサーの特性ばらつきを吸収し、磁気式エンコーダーと
しての特性ばらつきは小さくすることが出来る。しかし
ながら、磁気式エンコーダー毎にギャップgを調整する
方法は、実際に磁気センサーの出力を見ながら最適ギャ
ップgに調整を行うため、組立工数がかかり原価低減を
進める上で妨げになっている。
【0010】ギャップgに相当する厚さを持った治具を
作製し、磁気記録媒体と磁気センサー間に治具を挿入
し、磁気記録媒体と治具、磁気センサーを密着させた状
態で磁気センサーを固定したあと、治具を除去する方法
を採用するには、ギャップgが大きな値であれば容易で
あるが、例えば30〜40μmという極小範囲に調整し
なければならない場合は、治具を除去する際、磁気セン
サーや磁気記録媒体の表面に傷を付ける危険性があるた
め採用が難しい。また、30〜40μmの厚の治具を作
ることも難しいものであった。
【0011】図8に、これらの欠点を解消する方法とし
て、ポリアミド系等の樹脂シート7を磁気記録媒体1も
しくは磁気センサー素子3に貼付け、前記シート7を介
して磁気記録媒体1と磁気センサー2を接触、摺動する
方式を示す。図8a)はシートを磁気記録媒体側に貼り
付けた構造、図8b)はシート7を磁気センサー側に貼
り付けた構造を示している。ポリアミド系等の樹脂シー
ト7を貼る工数は増加するが、前述した方法に比べシー
ト貼りは磁気エンコーダー組立時に行う必要がなく、別
工程で貼り付けできるため製造方法としては、採用し易
いものである。しかし、シート7の貼付け樹脂がシート
からはみ出した場合の処理等解決すべき問題は多い。
【0012】前記シート7を、磁気センサーに貼り付け
る場合磁気センサー一個一個の作業とならざるを得なか
った。磁気抵抗効果素子5や、導体10等は非磁性の基
板上に、フォトリソグラフィー、製膜、エッチング等の
技術を用い多数同時に形成されるものである。その後基
板を機械的に切断し、個々の磁気センサー素子3を得る
わけである。基板を切断する前にシート7を貼り付け、
その後切断することができれば工数は著しく低減でき
る。しかし、切断時に切削液をかけるため、シート接着
用接着材が膨潤したり剥がれたりすることがある。ま
た、硬質の基板と軟質のシートを同じ切断砥石で切るこ
とは難しく、砥石の目詰まり等の問題で基板の切断部に
欠けが発生したり、シートが剥がれたりする問題があ
り、シートと基板を同時に加工することができなかっ
た。
【0013】本発明は、磁気センサーの製造工程を煩雑
にせずに、かつ磁気式エンコーダーのギャップ調整の工
程を簡易化し、検出精度の良好な磁気式エンコーダーを
得ることを課題としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】課題を解決するため、本
発明の磁気センサーは、一定のピッチλで交互に逆向き
に磁化された所定磁気パターンを有する磁気記録媒体に
間隔を隔てて対向するように配設され、前記磁気パター
ンを電気抵抗変化として検出する磁気抵抗効果素子を備
えた磁気センサーであって、磁気センサー素子の磁気記
録媒体対向面の少なくとも一部に液状のスペーサー材を
塗布し、熱処理を行い揮発成分を除去し硬化させ、硬化
したスペーサー材が磁気センサー素子の少なくとも一部
を覆う構成である。
【0015】硬化したフッ素系樹脂のスペーサー材の表
面硬さは鉛筆硬度で2B〜Hであることを特徴とする。
鉛筆硬度の測定は、三菱鉛筆ユニを使用し荷重1kg、
角度45°で引っかき、被検査材の表面に傷が入るか否
かで測定する。例えばHの硬度の鉛筆を使用し、傷が入
れば硬度はH以下、傷が入らなければH以上と言う様
に、硬度の異なった鉛筆を順次用い測定する。
【0016】本発明の他の磁気センサーは、スペーサー
材の厚みが着磁ピッチλに対しλ/5〜λであり、磁気
センサーと磁気記録媒体とのギャップ間隔と同じである
ことを特徴とする。
【0017】前記スペーサー材の厚さを磁気センサーと
磁気記録媒体との間隔に等しくし、磁気記録媒体とスペ
ーサー材が磁気センサー素子の少なくとも一部を覆った
磁気センサーを押しつけるだけでギャップgが容易に得
られ、工数のかかるギャップ調整が不要となるだけでな
く、ギャップgを安定にかつ容易に実現できるものであ
る。
【0018】前記スペーサー材の厚さを着磁ピッチλに
対してλ/5〜λの値にすることにより、磁気センサー
からの出力波形の歪みを最小限に抑え十分な出力電圧を
得ることができる。
【0019】本発明の他の磁気センサーは、前記スペー
サー材表面の鉛筆硬度は、磁気記録媒体表面の鉛筆硬度
と同等かそれ以下であることを特徴とする。磁気記録媒
体表面の鉛筆硬度がスペーサー材表面の鉛筆硬度以下の
場合、スペーサー材より媒体側に多く傷が発生し、局所
的に信号欠落や抜け、出力の低下等が起こる。しかし、
スペーサー材の鉛筆硬度の方が小さい場合は、先にスペ
ーサー材側の傷が発生するため、傷が進行しスペーサー
厚みが薄くなったとしても、信号の欠落や出力の低下等
は起こり難いものである。
【0020】磁気センサーの磁気記録媒体対向面の少な
くとも一部に付加されたスペーサーの鉛筆硬度は、磁気
記録媒体の表面鉛筆硬度と同等かそれ以下(以下とは軟
らかいことを指す)であることである。
【0021】本発明の他の磁気センサーは、スペーサー
材表面の鉛筆硬度と、磁気記録媒体表面の鉛筆硬度の差
が3以内であることを特徴とする。
【0022】鉛筆硬度で6H以上あるような磁気記録媒
体と組み合わせるとスペーサー材の寿命が著しく短くな
る。記録媒体表面の鉛筆硬度と磁気センサーに付加され
たスペーサー材の鉛筆硬度の差は、3以内が良い。前記
硬度差が2以下であることがより好ましいものである。
磁気記録媒体とスペーサーの接触する面の鉛筆硬度を規
定することにより、磁気記録媒体やスペーサー表面に発
生する傷を防ぐことができる。
【0023】本発明に用いるスペーサー材は、スプレー
吹き付けや浸漬、刷毛塗り、スクリーン印刷法を用い
て、磁気センサー素子に塗布することができる。フッ素
系樹脂に混ぜられている揮発成分の割合に依って、塗布
方法を選ぶことができる。揮発成分を多くした粘性の低
いフッ素系樹脂を使用する場合は吹き付け、揮発成分を
少なくした粘性の高いフッ素系樹脂を使用する場合は、
スクリーン印刷法を採用することができる。
【0024】スペーサー材に用いるフッ素系樹脂は、フ
ッ素系樹脂顔料と熱処理時フッ素系樹脂顔料を一体化さ
せる接着剤と、フッ素系樹脂顔料と接着剤の混合性を上
げたり、粘度を下げるように調節するための溶剤が入っ
ている。前記溶剤は容易に揮発する成分であり、熱処理
後はフッ素系樹脂顔料と接着剤がスペーサー厚みを構成
する。揮発成分が多いほど熱処理前後のスペーサー厚み
の差は大きくなる。揮発成分が80〜90%程度含まれ
るフッ素系樹脂を使用する場合は、スペーサー厚を薄く
することが容易であり、揮発成分が60〜80%程度と
少ないフッ素系樹脂を使用する場合は、スペーサー厚を
厚くすることが容易である。
【0025】熱硬化後のスペーサー材表面の面粗さは、
Ra<8μmであることが必要である。特に局部的に凸
部が存在するとギャップ間隔が得られないばかりか、磁
気記録媒体表面に傷を付ける。局部的に凸部が出来てし
まった場合は、ナイフやサンドペーパー等で除去するこ
とで対処できる。部分的な凹部の発生は磁気記録媒体へ
の傷付きに対しての影響は小さいので、ギャップ間隔が
得られれば特に凹部を埋める必要はないものである。
【0026】フッ素系樹脂の熱処理前の厚みt1と熱処
理後の厚みt2の比である収縮率RがR>40%であれ
ば、熱処理後の厚みを精度良く得ることができる。R=
t2/t1*100%で求める。好ましくはR>50%
である。
【0027】磁気記録媒体と磁気センサーの媒体対抗面
の少なくとも一部に設けられたスペーサー材の摺動部に
シリコンオイル等の潤滑油を塗ることにより摩擦抵抗を
より低下させることもできる。
【0028】本発明の磁気センサーは、複数の磁気セン
サー素子が配された基板に液状のスペーサー材を塗布し
た後、熱処理を行いスペーサー材を硬化したの後、磁気
センサー素子を個々に分割したのち、FPCを付加する
ことで得られる。
【0029】前記スペーサー材の塗布は電極部分を除く
基板全面に行うこともできるし、電極部分と磁気センサ
ー素子を個別に分割する切断代を除く基板全面に行うこ
とができる。スペーサー材を塗布しない部分は、マスキ
ングテープ等により覆っておくことで、スペーサー材が
付着することを防止できる。マスキングテープは熱処理
を行う前に除去することが重要である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明する。以下、符号は判り易いように従来例と同じ
部品に付いては同じ符号を用いた。
【0031】図1に本発明の磁気センサーの実施例を示
す。図1a)は磁気センサー素子3のFPC4との接続
部を除くほぼ全面にスペーサー材14が付加されてい
る。図1b)は、磁気抵抗効果素子近傍のみにスペーサ
ー材が付加されたものである。
【0032】本発明の第1の実施例として、図2に示す
ように電極部分8を除く基板11全面に液状のスペーサ
ー材を塗布した。基板とはガラス板に磁気抵抗効果素
子、電極部等を多数形成したものであり、ダイヤモンド
砥石で切断して磁気センサー素子を得る。スペーサー材
にはスプレー塗布ができる、東洋ドライルーブ株式会社
製のドライルーブ#101Aを用いた。
【0033】電極部分8を除く基板11全面に液状のス
ペーサー材14(図示せず)を塗布するため、電極部分
にマスキングテープ12を貼り、スプレー塗布装置を用
い前記液状のスペーサー材14を、24μmの厚みにな
る様にスプレー塗布した。マスキングテープ12には接
着剤の付いた四弗化エチレン系樹脂シートを用いたが、
ポリアミド系樹脂シートやセロハン、紙テープ等を用い
ることも可能である。マスキングテープ12の厚みは5
00μm厚のものを用いた。
【0034】液状のスペーサー材を塗布したのち、約1
0分間自然乾燥したのちマスキングテープ12を除去し
た。マスキングテープを熱処理前に除去するのは次の理
由によるものである。第1の理由は、熱処理する温度で
マスキングテープに付いている接着剤が熱変質し除去で
きなくなるためである。第2の理由は、マスキングテー
プの側面つまり厚み方向にも液状のスペーサー材が付着
するため、そのまま熱処理を行うと側面付着したもの
は、バリの様になりスペーサー材の厚みを実質的に厚く
してしまい、ギャップ間隔を狂わしてしまうためであ
る。この様な問題を解決するため、マスキングテープは
熱処理前に除去することが望ましい。
【0035】図3a)にマスキングテープを貼り付けた
まま熱処理を行った時の、スペーサー材14の断面模式
図を示す。マスキングテープの側面についた液状のスペ
ーサー材が固化しバリの様な凸形状となる。図3b)に
マスキングテープを除去したのち熱処理を行った時の、
スペーサー材14の断面模式図を示す。マスキングテー
プを熱処理前に除去することで、スペーサー材14の端
部は丸みを帯びた形状となり、ギャップ間隔を狂わすこ
とはない。
【0036】液状スペーサー材を塗布しマスキングテー
プを除去したのち、大気中で190℃、45分熱処理を
行い、液状スペーサー材に含まれる揮発成分を除去し硬
化させた。硬化したスペーサー材の厚みは15μmと収
縮率Rは62.5%となった。マスキングテープを熱処
理前に除去しているため、硬化したスペーサー材の端部
の厚みはセンサー部のスペーサー材厚みと、差はなかっ
た。
【0037】基板11を、ダイヤモンド砥石を使い回転
数30000rpm、切断速度2mm/秒で切断した。
前記条件で基板のガラスとスペーサー材を同時に切断す
ることができた。切断時には切削液をかけているが、ス
ペーサー材が基板から剥がれたりすることなく切断する
ことができた。
【0038】第2の実施例として、スクリーン印刷法を
用いて、センサー部の周囲と電極部にマスクをかけ、液
状のスペーサー材を塗布した。使用したスクリーンの厚
みは30μmである。液状のスペーサー材は前述した東
洋ドライルーブ株式会社製のドライルーブ#101Aよ
り、揮発成分を少なくし粘度を上げたものを使用した。
液状のスペーサー材をスクリーン印刷法で塗布したあと
は、前述した温度で熱処理し揮発成分を除去、硬化しス
ペーサー材を得た。
【0039】図4に摺動試験方法を示す。磁気記録媒体
1と磁気センサー3をスペーサー材14を介して35g
の力Wで押し付けた。磁気センサーを、140mm/秒
の速度で、140mmの距離を往復させ、磁気記録媒体
もしくはスペーサー材に傷が入るまでの往復回数を求め
た。
【0040】摺動試験の結果を示す。表1は磁気記録媒
体の鉛筆硬度をHとしてスペーサー材の鉛筆硬度をBと
2H4H、H、HBの2種類の摺動試験結果。表2はス
ペーサー材の鉛筆硬度をBとして、磁気記録媒体の表面
硬度を4H、H、B、Bの3種類の摺動試験結果であ
る。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】表1および2の結果からも判るように、ス
ペーサー材の硬さは鉛筆硬度で2B〜Hが適当であり、
スペーサー材表面の鉛筆硬度は、磁気記録媒体表面の鉛
筆硬度と同等かそれ以下で、前記スペーサー材表面の鉛
筆硬度と、磁気記録媒体表面の鉛筆硬度の差が3以内で
あれば300万回以上の摺動特性が得られることが判
る。
【0044】本発明の構造を用いると、極小ピッチの磁
気記録媒体に対応した磁気センサーを得ることができ
る。磁気記録媒体のピッチλが極小の場合は、λの周期
で変化する磁気信号を正確に読みとり検出精度を良好に
するためには、磁気記録媒体と磁気センサー間のギャッ
プをある程度小さく、かつ一定に保つ必要がある。図5
の磁気センサーの出力特性の一例が示すように、本発明
の構成の磁気センサーを用いると、磁気センサー出力の
大きい極小ギャップ=10〜20μmの範囲でも安定し
て使用することができる。従来の磁気センサーは、ギャ
ップ自体を小さくすることに加えて、ギャップの長さの
誤差や組立時のズレによる出力変化を抑制することが困
難であった。これに比べて、本発明の構成を用いた磁気
センサーは、25μm以下のギャップにも対応可能で、
安定したセンサ出力電圧を得ることができる。
【0045】
【発明の効果】上記本発明の構成を用いれば、磁気式エ
ンコーダーを組み立てる際に、ギャップ調整を行わず
に、磁気センサーを接触させて用いることができる。こ
のような磁気式エンコーダーは検出精度が良好であり、
組立工程が単純で大量生産にも向き、かつ安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気センサーの外観図であ
る。
【図2】本発明のスペーサー材付加工程を説明する図で
ある。
【図3】本発明のスペーサー材の断面形状を示す模式図
である。
【図4】本発明の磁気記録媒体と磁気センサーの摺動試
験方法を説明する図である。
【図5】ギャップgと磁気センサー出力電圧の関係を説
明する図である。
【図6】従来の磁気エンコーダーの斜視図である。
【図7】従来の磁気エンコーダーの断面図である。
【図8】従来の磁気エンコーダーのギャップ調整を示す
図である。
【符号の説明】
1 磁気記録媒体、2 磁気センサー、3 磁気センサ
ー素子、4 FPC、5 磁気抵抗効果素子、6 非磁
性膜、7 樹脂シート、8 接合部、9 軸、10 導
体、11 基板、12 マスキングテープ、13 切断
代、14 スペーサー材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−209522(JP,A) 特開 平6−221868(JP,A) 特開 平8−25741(JP,A) 実開 昭61−135206(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/00 - 5/62 G01B 7/00 - 7/34 G01P 1/00 - 3/80

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定のピッチλで交互に逆向きに磁化さ
    れた所定磁気パターンを有する磁気記録媒体に対向する
    ように配設され、前記磁気パターンを電気抵抗変化とし
    て検出する磁気抵抗効果素子を備え、磁気記録媒体とス
    ペーサー材を介して接触して用いる磁気センサーに於い
    て、磁気センサーの磁気記録媒体対向面の少なくとも一
    部に、液状のスペーサー材を塗布した後熱処理を行いス
    ペーサー材を硬化し、硬化したスペーサー材の硬さは鉛
    筆硬度で2B〜Hであることを特徴とする磁気センサ
    ー。
  2. 【請求項2】 スペーサー材の厚みが着磁ピッチλに対
    しλ/5〜λであり、磁気センサーと磁気記録媒体との
    ギャップ間隔と同じであることを特徴とする請求項1に
    記載の磁気センサー。
  3. 【請求項3】 前記スペーサー材表面の鉛筆硬度は、磁
    気記録媒体表面の鉛筆硬度と同等かそれ以下であること
    を特徴とする、請求項1および2に記載の磁気センサ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記スペーサー材表面の鉛筆硬度と、磁
    気記録媒体表面の鉛筆硬度の差が3以内であることを特
    徴とする請求項1から3に記載の磁気式エンコーダー。
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