JP4453058B2 - 磁気式エンコーダー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサーを磁気記録媒体と摺動させる磁気式エンコーダーに関する。特に、磁気センサーと磁気記録媒体の正確な位置決めを行う構成に係わる。
【0002】
【従来の技術】
エンコーダーの磁気記録媒体は、モーター等の軸に取り付けられる。この磁気記録媒体の回転をMRセンサーで検出する。従来のエンコーダーの概略構成を図14に示す。まず、モーター101のシャフト102の一端に磁気記録媒体103が固着されている。この磁気記録媒体103は、いわゆるドラムの形状をしている。そのドラムの側面には、一様に薄い硬質な磁性体膜が被膜として形成されている。この磁性体膜を着磁することで形成した磁気信号の並びをトラックという。
【0003】
図14では、インクリメント信号用トラック(INCとも称する)107、基準点位置信号用トラック108、及びアブソリュート信号用トラック(磁極位置信号用トラック、またはABSともいう)109について、磁極N,Sの着磁の状態を矢印で模式的に示す。この磁気記録媒体103に対応してMRセンサー104が、ある適当な距離(すなわちギャップg)を介して図14のごとく近接して配置されている。INC107の点線は、磁極がドラムの外周を連続的に周回している様を示す。ABS109は周回した同じ磁極を重複して示している。位置情報であるそれぞれのトラックの磁気信号はMRセンサー104によって電気信号に変換され、FPC(フレキシブルプリント基板)105を通じて波形成形回路基板106に接続される。波形成形回路基板106ではMRセンサーの出力電圧を増幅し、矩形状の電圧信号に変換する。さらに、波形成形回路基板106の出力は図示していない制御操作回路にフィードバックされ、所望の制御が行われるようになっている。ギャップgは信号ピッチλの長さのおよそ0.7〜0.8倍程度に設定して使用されている。検出される信号波形の傾きが急峻で検出精度が向上する為である。
【0004】
なお、インクリメント信号は同じ信号の繰り返しで、磁極のSとNが交互にドラムの外周に沿って着磁され、その磁界がインクリメント検出部により検出される。その磁界信号の数をカウントすることにより回転数や位置を知ることができる。アブソリュート信号は絶対位置信号とも呼ばれ、複数本のトラックに書かれた位置の情報を信号として読み取り、その信号をカウントすることなく位置を知ることができる。着磁の並びはドラムの外周に沿っているが、信号毎の磁化の向きはインクリメント信号の磁化と直交する向きにある。
【0005】
一般にピッチの0.7から0.8倍程度のギャップを設けて、磁気センサーと磁気
記録媒体を設置する。ピッチλが狭くなった場合に、磁気センサーと磁気記録媒体の間隔を狭く設定しなければならない。そこで、所定の厚さのスペーサ材を挟んで磁気センサーを摺動させる方法も用いられてきた。図12にスペーサ材を用いたエンコーダの概略図を示す。MRセンサー62は、複数の磁気抵抗効果素子のパターン63,64を有する側に、スペーサ材66を貼り付けた構成である。ギャップに相当する厚さのスペーサ材を回転する磁気記録媒体に接触させる。この様にすることにより、ギャップを調整することなく、信号を簡便に得られる磁気式エンコーダを構成できる。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
磁気センサーの表面にスペーサ材を貼り、磁気記録媒体(ドラム)と摺動させる従来の磁気式エンコーダは、ピッチλ=80μmおよびドラムの外径=φ50mmであり、ドラムの外径が大きい。このため、磁気センサーがドラムの外周に対して、多少の傾きを持っても信号に与える影響は少なかった。本発明者等は、従来の磁気記録媒体よりも外径が小さいシャフト状の磁気記録媒体を磁気センサーと組み合わせる磁気式エンコーダを検討している。外径の小型化による課題を次に説明する。
【0007】
図13は磁気センサーとドラムの位置ズレを説明する断面図である。磁気センサーの表面には、感磁素子であるパターンが所定の間隔をおいて配置される。図13の(a)は、磁気記録媒体61と磁気センサー62が正常に配置されている状態を示す。中央部のパターン63とドラム間のギャップg1と、端部のパターン64とドラム間のギャップg2の差は、ドラムの径が小さくても信号に影響を与えない。図13の(b)は、磁気センサー62が磁気記録媒体に対して位置ズレを生じている状態を示す。ギャップg1よりもギャップg2がかなり大きい。各々のパターンが受ける磁界は異なるため、信号に影響を及ぼす。外径の大きなドラムであればg1とg2の差は小さいため、大きな問題とはならなかった。しかしながら、ドラムの径が小さくなればなるほど、g1とg2の差が出力信号に与える影響は大きくなる。発明者らが検討したドラムの径はおよそ14mmであり、g1とg2の差が無視できない。また、磁気センサーに図13(b)のような傾きがある場合、パターン全体に磁界がかからなくなってしまう。これは(a)の構成で磁気センサー全体がドラム接線方向(矢印x5)に沿って、ずれたことと等価となる。(b)のような位置ずれは、組立て工程の誤差、ドラムと磁気センサーの摺動によって起こりうる。そこで、本発明の目的は、磁気センサーとドラムの中心にズレを生じないように組み立てて用いることができる磁気式エンコーダを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁気式エンコーダーは、磁気記録媒体と磁気センサーの間にスペーサ材を挟んで押し付け、摺動させて用いる磁気式エンコーダーであって、磁気記録媒体の円周方向に、磁気記録媒体の着磁ピッチと平行な位置ズレ防止ガイドを設けたことを特徴とする。位置ズレ防止ガイドは、ドラムの回転時に磁気センサーが横方向にずれないようにする。スペーサ材には、シートあるいはコーティングした膜などを用いることができる。前記位置ズレ防止ガイドは、弾性を有する材料であって、かつ金属あるいは樹脂で構成されていることが望ましい。また、この位置ズレ防止ガイドは、少なくとも磁気記録媒体と対向する側が、非磁性材料で構成されていることが望ましい。また、前記位置ズレ防止ガイドは、磁気記録媒体の円周の10〜60%で媒体と対向するものであって、位置ズレ防止ガイドの奥行きは、磁気センサーの奥行きに対して30〜200%であることを特徴とする。ここで、奥行きとは、シャフト状の磁気記録媒体の軸線方向に沿った向きをいう。
【0009】
上記本発明は、所定のギャップを隔てた状態で、磁気センサーを磁気記録媒体に追従させることにより、ギャップの精度を確保するために位置ズレ防止ガイドを設ける。位置ズレ防止ガイドには、磁気センサーを媒体に押し付ける力が発生するように、弾性を有する部材で構成する。また、磁気センサーを媒体に押し付ける力が発生するように、位置ズレ防止ガイドを支持するアームに弾性を持たせてもよい。
【0010】
上記本発明において、前記位置ズレ防止ガイドと前記磁気センサーとが、回路基板と一体に構成されていることを特徴とする。また、前記位置ズレ防止ガイドと前記磁気センサーと回路基板をプラスチックモールドで一体にする場合、プラスチックモールドの材料にガラス繊維を含ませて潤滑性、強度を向上させることが望ましい。また、前記位置ズレ防止ガイドと磁気センサーと回路基板とを一体に固定するモールド材を有し、前記磁気センサーの表面に被覆されたモールド材の厚さが、磁気センサーと磁気記録媒体間のギャップ寸法に相当する構成とすることが望ましい。
【0011】
本発明の他の磁気式エンコーダーは、磁気記録媒体と磁気センサーの間にスペーサ材を介在させ、摺動させて用いる磁気式エンコーダーであって、磁気センサーを磁気記録媒体と対向させる位置ズレ防止手段を有し、前記位置ズレ防止手段は、磁気記録媒体を取り囲むスリーブとスリーブの空隙に配置した磁気センサーを磁気記録媒体に押し付けるホルダーで構成されていることを特徴とする。前記スリーブは、前記ホルダーには、板バネをアルファベットのC字のように加工したものを用いることができる。C字型のホルダーの空隙は、磁気センサーが収まる程度の寸法にすることが望ましい。スペーサ材には、シートあるいはコーティングした膜などを用いることができる。前記位置ズレ防止ガイドは、非磁性材料で構成されていることが望ましい。ホルダーは、磁気センサーとスリーブの一部を覆う円弧状の非磁性材であり、その両端をスリーブに固定することで、磁気センサーを磁気記録媒体と対向させる弾力性を備える材料で構成することが望ましい。
【0012】
本発明の磁気式エンコーダーにおいて、一定の径を有する媒体を使用する場合、表面実装型の磁気センサーを用いることが望ましい。表面実装型は、基板の感磁面側の表面が平坦であり、回転軸と磁性体の部分で径が同等である媒体と摺接させることができる。これは、基板の側面もしくは内部の孔に配線を通して、基板の反感磁面(裏側)にハンダ端子(電極)を設けるためである。また、磁気センサーを構成する感磁素子として、MR素子、GMR素子、ホール素子などを用いることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一例の磁気式エンコーダーを説明する斜視図である。この磁気式エンコーダーは、スペーサ材を介して位置ずれ防止ガイドつきのMRセンサーを媒体と摺動させるものである。MRセンサーは磁気抵抗効果素子を用いたセンサーである。分かり易くするために、同図のは分解斜視図としたが、実際には、磁気記録媒体にMRセンサーを接触させた状態で使用する。ここで、磁気記録媒体は回転軸(シャフト)1と、その周囲に設けた磁性体2を有する。磁性体2には、所定のピッチλで複数の磁極(磁気信号を出す単位)を付与した。媒体は、回転軸の周囲に設けた溝に磁性体を埋め込み、磁性体を研磨して、磁性体の径と回転軸の径を同等にして構成した。MRセンサー3aは、その感磁面側にスペーサ材4を有し、その背面側を位置ずれ防止ガイドとなるかしめ部6とつば5で支持した。感磁面側とは、所定のギャップを介して媒体と対応する側をいう。
【0014】
図示は省略したが、MRセンサー3aの詳細を説明する。MRセンサー3aは、ガラス基板上に磁気抵抗効果素子を形成し、これらの磁気抵抗効果素子をブリッジ回路に組むための配線と、磁気抵抗効果素子や配線を被覆するSiO保護膜と、配線の終端となってSiO保護膜から露出するハンダ端子(電極端子ともいう)を有する。SiO保護膜の上には、スペーサ材4として、厚さ20μmのカプトンシートを貼った。ガラス基板の背面を回路基板上に接着で固定する。前記ハンダ端子は、回路基板の配線とワイヤーボンダーで接続させた。磁気抵抗効果素子と媒体の磁極の距離は、媒体表面の保護膜とスペーサ材とMRセンサーの保護膜の厚さの和といえる。但し、本発明では、MRセンサー表面と媒体表面の距離、すなわちスペーサ材の厚さをギャップgと称す。なお、図1及び2の実施例では、ガラス基板と回路基板を一体にしたものをMRセンサー3aと称す。要は、回路基板つきのMRセンサーといえる。
【0015】
次に、位置ズレ防止ガイドの詳細を説明する。位置ズレ防止ガイドは、りん青銅からなる板ばねを打ち抜いて作製した。その構成は、MR素子3aを保持するかしめ部6と、かしめ部6の両端につけたつば5と、かしめ部6を後ろで支持するアーム7を有する。一対のつば5は、MRセンサーと媒体の相対角度のズレを防止するよう機能する。アーム7は、一方の端でかしめ部とつながり、磁気式エンコーダを設ける装置の筐体に他方の端を固定するものとした。固定の際には、MRセンサーを媒体に押し付ける向きに弾性を持たせた。この弾性はギャップgを一定に保持するよう機能する。
【0016】
MRセンサー3aは、凹んだ形状のかしめ部6に嵌めこむことで固定した。固定した後、MRセンサー3aの感磁面とかしめ部6にわたって、スペーサ材4を貼り付けた。位置ズレ防止ガイドを設けたMRセンサー3aは、スペーサ材4の表面と一対のつば5からなる3つの面で、媒体の磁性体2と摺動する。このとき、ストライプの長手方向と媒体の軸方向は平行になる。3つの面で媒体と接することによって、MRセンサーと媒体の摺動面積が最小限に抑えられ、摩擦も抑制された。
【0017】
各部の寸法は、次のようにした。媒体の磁性体2の径はφ14mmとした。MRセンサー3aのガラス基板の寸法は、幅3.4mm×奥行き4.7mmとした。位置ズレ防止ガイドのつば5は、幅5mmかつ奥行き3mmとした。また、一対のつば5とかしめ部6が為す3つの面は、媒体の円周の30%を覆うものとした。
【0018】
位置ズレ防止ガイドは、MRセンサーのストライプと媒体の磁極間で、相対角度のずれを防止する。相対角度はゼロとすることが望ましい。相対角度が0°より大きくなると、出力信号の劣化を招く。相対角度がゼロでない状態とは次のことをいう。まず、媒体の中心軸の方向(X2)に対して、ストライプの長手方向(X1)が平行とならず、傾斜した状態をいう。あるいは、MRセンサーの中心軸(Y)が媒体の軸と交わらない状態をいう。MRセンサーの中心軸とは、ストライプ並びの中心を通り、ストライプ長手方向に平行な仮想線をいう。
【0019】
(実施形態2)
本発明の他の磁気式エンコーダーを、図2と図3で説明する。この磁気式エンコーダーは、MRセンサーと媒体をアタッチメントで取り巻くように保持して、MRセンサーを媒体に摺動させるものである。図2の斜視図は、磁気式エンコーダーの構成部品であるアタッチメントとMRセンサーを分解した様子を示す。図3の斜視図は、図2の構成を組立てて、媒体に装着した後の様子を示す。
【0020】
まず、図2で、媒体の磁性体を有する側に被せるアタッチメントを説明する。媒体の記載は省略した。アタッチメントは、回路基板18とスペーサ材14を設けたMRセンサー13を磁気記録媒体に押し付けるためのホルダー11とガイド16を有する。ホルダー11は管状の非磁性スリーブであり、その外周面の一個所にフラット面11c(軸に平行な平坦面)と、フラット面の一方の端を切り欠いて形成した空隙11aと、スリーブの空隙側の端に設けた溝11bを有する。
【0021】
空隙11aは、スペーサ材をつけたMRセンサー13を落とし込むのに適した幅と奥行きで形成され、MRセンサーの位置合わせ用の手段としても機能する。フラット面11cは、回路基板18と対向して、アタッチメントからMRセンサー13が落ちないように保持する手段として機能する。一対の溝11bは、空隙から等距離に形成した。MRセンサー13は、回路基板18上の一方の端に近接して固定されるとともに、その感磁面側にスペーサ材を接着で貼付した。ガイド16は、ホルダーより曲率半径が大きいアーチ状のバンドであり、その両端には溝11bに嵌めるためのつめ15を有する。
【0022】
ホルダーの空隙11aに、回路基板18付きのMRセンサー13を、感磁面側を媒体側に向けて落とし込む。このMRセンサー13を抑えるようにガイド16を被せ、先端のつめ15を溝11bに嵌めた。MRセンサー13はガイド16によってホルダーの内側向きの力を受けるため、ホルダー11とガイド16からなるアタッチメントは、位置ズレ防止手段として機能する。空隙側とは反対の側からこのアタッチメントに媒体1を挿入した様子を図3に示す。媒体1の径はホルダーの内径より若干小さい。しかし、MRセンサー13が媒体の磁性体(図示は省略)と摺接するため、MRセンサーと媒体の配置や相対角度がずれることはない。図3では記載を省略したが、この磁気式エンコーダーには、回路基板18を制御回路と接続する配線や、アームを設けた。アームはホルダーが媒体と共に回転することを防ぐ。アームは一方の端でホルダーを支持し、他方の端を磁気式エンコーダを収める装置の筐体に接続した。
【0023】
(実施形態3)
本発明の他の磁気式エンコーダーを図4の斜視図に示す。この磁気式エンコーダーは、図3の構成と同様である。但し、MRセンサーと回路基板を一体化したものに置き換えた点で異なる。MRセンサー3aをフラット面に引っかける手段がないため、アタッチメントは構成しない。従って、媒体に設ける手順も異なる。この手順を説明する。まず、媒体1に非磁性ホルダー11を被せる。次に空隙内に現われた磁性体に、MRセンサー3aを載せる。MRセンサー3aを押さえるようにガイド16bを被せて、その先端のつめを溝に嵌めた。この構成は、空隙に収まる寸法の回路基板付きMRセンサーを用いることで、ホルダー11とガイド16間の隙間を図3の構成よりも小さくすることができる。もちろん、ガイド16bの曲率半径は、前記ガイド16よりも小さくした。
【0024】
(実施形態4)
本発明の他の磁気式エンコーダーを図5と図6の斜視図に示す。この磁気式エンコーダーは、凹面のガイド24とアーム27を有するMRセンサー23を、回転軸1に磁性体2を塗布した媒体に摺接させる。凹面のガイド24は、非磁性のスペーサ材として機能するとともに位置ずれ防止機能を有するため、MRセンサー23と媒体の相対角度はずれることがない。また、アームは凹面のガイド24が媒体から離れないで摺動するように押さえる力を加えるものとした。図6の構成の工程を説明する。まず、回路基板26の上にMRセンサー23を設けてから双方の配線を接続した。次に、MRセンサー23を覆うようにプラスチックのモールドを施した。MRセンサーの感磁面側を被覆するモールドは凹面とした。この凹面は、媒体の外周面に密着することができ、樋状の溝あるいは円弧状の溝とも言える。モールドの外形は、前記溝を有する直方体、あるいは長手方向に沿って半分に割った円筒とした。モールドの材質は、媒体との摺動性がよいフッ素樹脂やポリアセタール系の樹脂を用いる。フッ素樹脂は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)FEP、FPA等が挙げられる。フッ素樹脂に充填材(ガラス繊維など)を混ぜたものを用いることもできる。図6に示すように、MRセンサー23のストライプ並びの中心線(Y)で凹部の断面をみると、その厚さはギャップgに相当する。
【0025】
(実施形態5)
本発明の他の磁気式エンコーダーを、図7の斜視図に示す。この磁気式エンコーダーは、位置ずれ防止ガイドつきのMRセンサーをスペーサ材を介して媒体と摺動させるものである。ここで、媒体は回転軸(シャフト)1aと、その周囲に設けた磁性体2aを有する。磁性体2aの径は回転軸1aの径よりも大きい。磁性体2aは所定のピッチλで複数の磁極(磁気信号を出す単位)を付与されている。この媒体は、アルミニウムの回転軸1aにプラスチックマグネットの磁性体2aをモールド技術で被覆させたものとした。図7の媒体において、軸の端面のハッチングは断面を表し、磁性体2aの斜線は、個々の磁極の境界を表している。MRセンサー3は、その感磁面側にスペーサ材4を有し、その背面側を位置ずれ防止ガイドであるかしめ部6と一対のつば5で支持する。感磁面側とは、所定のギャップを介して媒体と対応する側をいう。
【0026】
位置ずれ防止ガイドを設けたMRセンサーの構成は、実施例1とほぼ同様であるが、次の点で異なる。その違いを図8で説明する。図8は、図7のMRセンサーと媒体を摺接させた様子を説明する側面図である。回転軸1aより径の大きい磁性体2aは同軸の関係にある。この磁性体2aにスペーサ材4を介してMRセンサー3を対向させた、磁性体2aと摺動するスペーサ材4の厚さは、ギャップgと同等にした。MRセンサー3は、その背面でかしめ部6とアーム7に支持されている。MRセンサーの表面の端にはハンダ端子があり、そのハンダ端子は導電材8と接続させた。このハンダ端子と導電材の接合箇所は、MRセンサーの表面から突出するため、磁性体2aとは接触しないようにした。図8中、MRセンサーの様子を見やすくするために、つば5の部分は点線の透視図にした。実際には、MRセンサー3は、非磁性のつば5の陰に隠れて見えない。
【0027】
(実施形態6)
本発明の他の磁気式エンコーダーを、図9と図10で説明する。この磁気式エンコーダーは、MRセンサーと媒体をアタッチメントで取り巻くように保持して、MRセンサーを媒体に摺動させるものである。図9の斜視図は、図2と同様のアタッチメントとMRセンサーを分解した様子である。図10の側面図は、図9の構成を組立てて、媒体に装着した後の様子を示す。
【0028】
図9の構成は図2とほぼ同様であるが、MRセンサーの向きを逆向きにした。両者の違いを図10で説明する。媒体は、回転軸1bと、回転軸1bと同径の磁性体2bと、回転軸1bより径の小さい回転軸1cからなる。図10では、わかり易くするために、非磁性のホルダー11とガイド16は点線にして透視し、磁性体2bとMRセンサー13の関係を実線で示す。この磁性体2bにはスペーサ材4を介してMRセンサー13を対向させた。磁性体2bと摺動するスペーサ材4の厚さは、ギャップgと同等にした。MRセンサー3は、その背面で回路基板18に支持されている。MRセンサー13の表面の端にはハンダ端子があり、そのハンダ端子はリード線18bを介して回路基板18の配線と接続させた。このハンダ端子とリード線18bの接合箇所は、MRセンサーの表面から突出するため、磁性体2bとは接触しないように、磁性2bと回転軸1cによる段差の部分に入り込ませた。
【0029】
図11は本発明に係るMRセンサーの側面図と正面図である。このMRセンサーは、図8や図10のように、MRセンサーの感磁面の近傍に複数のハンダ端子(電極)を有する構成の一例である。同図中、(a)はばね材を設けたMRセンサーの側面図であり、(b)は(a)を矢印x4の向きから見た正面図である。ばね材37は、その一方の端にかしめ部38を有し、かしめ部の両側には一対のつば38bを有する。MRセンサー33は、その背面をかしめ部38で支持される。MRセンサーのハンダ端子36bの各々には、配線36を設けた。スペーサ材34は、ハンダ端子を避けて、MRセンサーの感磁面に貼り付けた。ばね材37とかしめ部38とつば38bを非磁性材で構成した。なお、MRセンサーが磁気記録媒体以外の磁界(外乱磁界)をひろってしまう場合、かしめ部やつばを軟磁性材で構成することにより、磁気シールドとして機能させることもできる。
【0030】
【発明の効果】
以上で説明したように、磁気記録媒体の円周方向に沿ったガイドを有する磁気センサーを用いることにより、径の小さい磁気記録媒体にMRセンサーを摺動させても、位置ズレを生じない磁気式エンコーダーを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気式エンコーダーの斜視図である。
【図2】本発明の他の磁気式エンコーダーの斜視図である。
【図3】図2の構成を組み立てた様子を説明する斜視図である。
【図4】本発明の他の磁気式エンコーダーの分解斜視図である。
【図5】本発明の他の磁気式エンコーダーの斜視図である。
【図6】図5中のMRセンサーを拡大した斜視図である。
【図7】本発明の他の磁気式エンコーダーの斜視図である。
【図8】図7の構成を説明する側面図である。
【図9】本発明の他の磁気式エンコーダーの分解斜視図である。
【図10】図9の構成を説明する側面図である。
【図11】本発明に係るMRセンサーの側面図と正面図である。
【図12】スペーサ材を用いたエンコーダの断面図である。
【図13】磁気センサーの位置ズレを説明する概略図である。
【図14】従来の磁気式エンコーダーの斜視図である。
【符号の説明】
1 回転軸、1a 回転軸、1b 回転軸、1c 回転軸、2 磁性体、
2a 磁性体、2b 磁性体、3 MRセンサー、3a MRセンサー、
4 スペーサ材、5 つば、6 かしめ部、7 アーム、8 導電材、
10 アタッチメント、11 ホルダー、11a 空隙(スリット)、
11b 溝、11c フラット面、13 MRセンサー、14 スペーサ材、
15 つめ、16 ガイド、16b ガイド、18 回路基板、
23 MRセンサー、24 凹面のガイド、25 モールド材、
26 回路基板、27 ばね材、33 MRセンサー、34 スペーサ材、
36 配線、36b ハンダ端子、37 ばね材、38 かしめ部、
38b つば、61 磁気記録媒体、62 MRセンサー、63 パターン、
64 パターン、66 スペーサ材

Claims (6)

  1. 磁気記録媒体と磁気センサーの間にスペーサ材を介在させ、摺動させて用いる磁気式エンコーダーであって、磁気センサーを磁気記録媒体と対向させる位置ズレ防止手段を有し、
    前記位置ズレ防止手段は、磁気記録媒体を取り囲むスリーブと、スリーブの空隙に配置した磁気センサーを磁気記録媒体に押し付けるホルダーで構成されていることを特徴とする磁気式エンコーダー。
  2. 磁気記録媒体と磁気センサーの間にスペーサ材を介在させ、摺動させて用いる磁気式エンコーダーであって、磁気記録媒体の円周方向に、磁気記録媒体の磁気ピッチと平行な位置ズレ防止ガイドを設け、前記位置ズレ防止ガイドと前記磁気センサーとが、回路基板と一体に構成されていることを特徴とする磁気式エンコーダー。
  3. 前記位置ズレ防止ガイドは、弾性を有する材料であって、かつ金属あるいは樹脂で構成されていることを特徴とする請求項2に記載の磁気式エンコーダー。
  4. 前記位置ズレ防止ガイドは、磁気記録媒体の円周の10〜60%で磁気記録媒体と対向するものであって、位置ズレ防止ガイドの奥行きは、磁気センサーの奥行きに対して30〜200%であることを特徴とする請求項2または3のいずれかに記載の磁気式エンコーダー。
  5. 前記位置ズレ防止ガイドと前記磁気センサーと回路基板がプラスチックモールドで一体に結合され、前記プラスチックモールドの材料にガラス繊維を含ませることを特徴とする請求項4に記載の磁気式エンコーダー。
  6. 前記位置ズレ防止ガイドと磁気センサーと回路基板とを一体に固定するモールド材を有し、前記磁気センサーの表面に被覆されたモールド材の厚さが、磁気センサーと磁気記録媒体間のギャップ寸法に相当することを特徴とする請求項4または5のいずれかに記載の磁気式エンコーダー。
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