JP3624627B2 - 磁気ヘッド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の薄膜磁気ヘッドが組み合わされて構成される磁気ヘッドに関し、特に耐環境性及び耐溶剤性の向上を図った磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録にはより高密度な記録が求められており、これに対応すべく、磁気ヘッドの狭トラック化及び低インダクタンス化が進められている。このような高密度記録に適した磁気ヘッドとしては、特に高転送速度の面において有利な、薄膜工程を適用して作製される薄膜磁気ヘッドの需要が伸びてきている。
【0003】
特に、薄膜磁気ヘッドが用いられた磁気ヘッドとしては、例えば、データカートリッジ用の磁気記録装置等に使用される、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを組み合わせた複合型の磁気ヘッドが挙げられる。この複合型の磁気ヘッドでは、記録用磁気ヘッドとしてインダクティブ型磁気ヘッドが用いられ、再生用磁気ヘッドとして磁気抵抗効果型磁気ヘッドが用いられている。
【0004】
一般に、薄膜磁気ヘッドは、微細な薄膜パターンにより磁気回路が形成されていることから、記録及び/又は再生時に必要な外部電源との直接の接続が困難である。
【0005】
そこで、薄膜磁気ヘッドにおいては、外部電源との接続のために、ヘッド基板上にCu等の膜により外部接続用端子を形成し、この外部接続用端子にフレキシブルケーブルを圧着させて半田付けし、フレキシブルケーブルが外部回路と接続するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、薄膜磁気ヘッドでは、上述のフレキシブルケーブルが圧着された後に、各種溶剤による洗浄等の加工プロセスが加えられる。このため、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部には、溶剤による洗浄やその他の加工に対する十分な信頼性が要求される。このため、通常の磁気ヘッドには、図9に示すように、上記の接合部101と、磁気ヘッド100を構成するガード部材102の媒体摺動面とは反対側の面102aとを被覆するように、つまり図中E部分を埋めるように適当な樹脂が配されて封止されている。
【0007】
また、フレキシブルケーブル103と外部接続用端子との接合部101の接着強度を補強するために、磁気ヘッドを構成するヘッド基板104の媒体摺動面とは反対側の面104aを被覆するように、つまり図中F部分を埋めるように適当な樹脂が配されている。
【0008】
上述のE部分及びF部分に配される樹脂としては、アセトン等に対する耐溶剤性及びフェライト、アルティックAl2O3・TiC等のセラミックに対する接着強度が要求される。そのため、これら条件を満足する樹脂としては、エポキシ樹脂が提案されている。特に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気抵抗効果素子を破損させない約150℃以下で硬化するエポキシ樹脂が、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合上に配されて封止されている。
【0009】
ところで、記録用や再生用の薄膜磁気ヘッドを有する複合型の磁気ヘッドにおいては、実際の使用環境下における十分な信頼性が要求される。特に、コンピュータの記憶装置用として使用される場合に、この薄膜磁気ヘッドが満たすべき環境試験条件は、非常に厳しく、例えば、40℃で湿度93%にて21日間保持した際に初期特性や寸法を維持していなければならないという条件である。
【0010】
しかしながら、上述したように、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面上の少なくとも一部、つまり図9中のE部分に、エポキシ樹脂が配された複合型磁気ヘッドにおいては、高湿環境下にさらされるとエポキシ樹脂が膨潤してしまう。
【0011】
エポキシ樹脂は、耐溶剤性及び接着強度を向上させるために配されており、特に補強の観点から硬度がかなり高いものが使われている。このため、上述したように、エポキシ樹脂が膨潤すると、図10に示すように、この膨潤により生じる外力が、分散して作用せず、上記ヘッド基板104の側面に対向するように配されたガード部材102に対して、このガード部材102を押し出す方向、つまり図中I方向に作用してしまう。その結果、ガード部材102が押し上げられ、ガード部材102とヘッド基板104との接着面が破壊されてしまい、記録や再生に支障をきたしてしまうといった問題があった。
【0012】
特に、再生ヘッドでは、ヘッド基板とガード部材との接着面が、ヘッド基板上に形成された磁気抵抗効果素子の再生ギャップを構成している。よって、再生用ヘッドにおいては、上述したようにガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されると、再生ギャップが破壊されることになり、再生特性が劣化してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、十分な強度が保持されるとともに、優れた耐溶剤性を有し、しかも高湿度等に対する耐環境性の向上が図られ、記録及び/又は再生が良好に行われる高品質な磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る磁気ヘッドは、ヘッド基板と、ヘッド基板上に形成されたヘッド素子と、ヘッド素子をヘッド基板と挟むように配されたガード部材と、ヘッド素子から導出された外部接続用端子と、一端が外部接続用端子に接合され、かつ他端が外部回路に接続されたフレキシブルケーブルとを有する。しかも、本発明に係る磁気ヘッドは、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、エラストマー系樹脂により被覆されていることを特徴とする。
【0015】
以上のように構成された本発明に係る磁気ヘッドによれば、フレキシブルケーブルと外部接合端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、エポキシ樹脂のように硬度が高くなく優れた弾力性を有するエラストマー系樹脂により被覆されていることにより、このエラストマー系樹脂が、高湿度下において膨潤しても、膨潤により生ずる外力を分散させる方向に容易に変形する。これにより、樹脂の膨潤により生ずる外力を吸収することができ、外力がガード部材に直接作用するのを回避することができる。したがって、本発明に係る磁気ヘッドによれば、ガード部材と磁気ヘッドとの接着面が破壊されるのを防ぐことができる。
【0016】
さらに、上記エラストマー系樹脂がシリコン樹脂である場合、耐溶剤性の更なる向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気ヘッドの好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、本発明を適用した磁気ヘッドとして、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを有する複合型の磁気ヘッドを取り挙げて説明する。なお、本発明に係る磁気ヘッドとしては、この複合型の磁気ヘッドに限らず、一般の薄膜磁気ヘッドに適用される。
【0018】
本発明に係る磁気ヘッド1は、図1に示すように、記録用磁気ヘッド2(以下、単に記録ヘッド2と呼ぶ。)と、この記録ヘッド2の両脇に平行に配設された一対の再生用磁気ヘッド3A、3B(以下、単に再生ヘッド3A、3Bと呼ぶ。)とを有する複合型の磁気ヘッドである。また、この複合型の磁気ヘッド1は、再生ヘッド3Bの一方の脇に配設される消去用磁気ヘッド5(以下、単に消去ヘッド5と称する)と、再生ヘッド3Aの一方の脇に配設されるアウトリガ4とを備える。
【0019】
さらに、この複合型の磁気ヘッド1は、記録ヘッド2と一対の再生ヘッド3A、3Bと消去ヘッド5とアウトリガ4とを一体に支持する支持部材6を備える。そして、複合型の磁気ヘッド1は、支持部材6を介してアクチュエータ7が接続されている。すなわち、本実施の形態に係る磁気ヘッド1は、アウトリガ4、再生ヘッド3B、記録ヘッド2、再生ヘッド3A及び消去ヘッド5がこの順序で支持部材6に取り付けられている。
【0020】
そして、この複合型の磁気ヘッド1では、再生ヘッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこの順序で一体に接合された状態で、これらヘッドの一方の主面が媒体摺動面8とされる。この媒体摺動面8は、その断面形状が曲面とされてなる。
【0021】
記録ヘッド2は、磁気信号を記録する際、その内部に配されたコイルに対して所望の電流が供給されることによって、磁気ギャップを介して漏れ磁界を発生する。記録ヘッド2は、この漏れ磁界をテープ状磁気記録媒体Tに印加することによって、磁気信号を記録する。
【0022】
一方、再生ヘッド3A、3Bでは、磁気信号を再生する際、テープ状磁気記録媒体Tに記録された磁気信号から生ずる漏れ磁界をヘッド素子が検出する。これにより、再生ヘッド3A、3Bは、テープ状磁気記録媒体Tの磁気信号を再生する。
【0023】
複合型の磁気ヘッド1では、上述の再生ヘッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこの順序で接合されている。このため、複合型の磁気ヘッド1では、テープ状磁気記録媒体Tがいずれの方向に走行された場合でも、記録ヘッド2で記録された磁気信号が記録された直後に、再生ヘッド3A、3Bのいずれか一方で磁気信号が再生される。
【0024】
消去ヘッド5は、媒体摺動面8に露出した幅広な磁気ギャップを有しており、その内部に図示しないコイルが配されている。この消去ヘッド5では、一定の直流電流が上記コイルに供給される。これにより、消去ヘッド5には、上記コイルから磁界が発生して、磁気ギャップを介して一様な漏れ磁界が発生する。消去ヘッド5は、この漏れ磁界をテープ状磁気記録媒体Tに印加することにより磁気信号を消去する。
【0025】
アウトリガ4は、上述した消去ヘッド5とは反対の端部に配設され、テープ状磁気記録媒体Tを安定に走行させるためのものである。複合型の磁気ヘッド1では、このアウトリガ4によりテープ状磁気記録媒体Tと媒体摺動面8との当たり面積が大きくなり、テープ状磁気記録媒体Tが安定的に走行する。
【0026】
この複合型の磁気ヘッド1では、テープ状磁気記録媒体Tに対して情報信号を磁気信号として記録し、テープ状磁気記録媒体Tに記録された磁気信号を再生する。このテープ状磁気記録媒体Tは、その長手方向が図1中矢印G及びHで示す方向と平行になるように複合型の磁気ヘッド1に当接する。このとき、テープ状磁気記録媒体Tは、複合型の磁気ヘッド1を介して配設された図示しない付勢手段によって、複合型磁気ヘッド1に押圧するように付勢される。
【0027】
以上のように構成された本発明を適用した複合型の磁気ヘッド1は、テープ状磁気記録媒体Tにデータを記録する際に、データの信頼性を確保するため、記録ヘッド2によりテープ状磁気記録媒体Tにデータを記録すると同時に、記録されたデータを再生ヘッド3Aまたは再生ヘッド3Bにより再生し、記録されたデータを検証する。
【0028】
すなわち、テープ状磁気記録媒体Tを複合型の磁気ヘッド1に対して図1中矢印Gで示す方向に摺動させて記録する際には、記録ヘッド2によって記録するとともに、記録した直後に、記録されたデータを再生ヘッド3Aにより再生し、記録されたデータを検証する。また、テープ状磁気記録媒体Tを複合型の磁気ヘッド1に対して図1中矢印H方向で示す方向に摺動させて記録する際には、記録ヘッド2によって記録するとともに、記録した直後に、記録されたデータを再生ヘッド3Bにより再生し、記録されたデータを検証する。
【0029】
上述のように構成された複合型の磁気ヘッド1における再生ヘッド3A、3Bは、図2に示すように、ヘッド基板9と、その側面上に形成された図示しない薄膜磁気回路と、ヘッド基板9と対向して上記薄膜磁気回路をヘッド基板9と挟むように配設されたガード部材10とを有する。
【0030】
特に、本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bには、図2に示すように、フレキシブルケーブル11が薄膜磁気回路から導出された外部接続用端子12と接合した状態で配設されている。このフレキシブルケーブル11は、図示しない外部回路に接続している。
【0031】
このように構成された再生ヘッド3A、3Bは、再生のために必要な外部回路からの電流を、フレキシブルケーブル11を介して、ガード部材10とヘッド基板9とに挟まれた薄膜磁気回路に導いて、ヘッド素子に供給するようになされている。
【0032】
本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bの薄膜磁気回路15としては、図3に示すように、薄膜工程によってヘッド基板9上に一体形成されている4個のヘッド素子13と、各ヘッド素子13から導出された一対の引き出し導体14と、引き出し導体14の先端部に形成された外部接続用端子12とを有する。このとき、外部接続用端子12は、Cu等の薄膜から形成されてなる。
【0033】
ここで、再生ヘッド3A、3Bは、磁気抵抗効果を利用して記録媒体からの信号を検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、ヘッド素子13として磁気抵抗効果素子が用いられている。
【0034】
上述したように、上記再生ヘッド3A、3Bにおいては、引き出し導体14の先端部に形成された外部接続用端子12が、フレキシブルケーブル11と接合している。ここで、外部接続用端子12とフレキシブルケーブル11との接合部分の様子を図4に示す。
【0035】
図4に示すように、外部接続用端子12は、フレキシブルケーブル11との接触部分12aを半田付けされて接合されている。このとき、フレキシブルケーブル11には、外部接続用端子12との接触部分12a以外の部分に、隙間16が形成されており、外部接続用端子12が隣同士互いに電気的に接続しないようにされている。
【0036】
また、特に本発明に用いられるフレキシケーブル11は、その両側面の近傍部の一部がエラストマー系樹脂により被覆されている。ここで、このエラストマー系樹脂により被覆されている様子を図5に示す。
【0037】
図5に示すように、フレキシブルケーブル11と外部接合用端子12との接合部11a、及びガード部材10の媒体摺動面とは反対側の面10aを含む部分、つまり図5中のCで示す部分が、エラストマー系樹脂により被覆されている。なお、ここで用いられるエラストマー系樹脂としては、シリコン樹脂が耐溶剤性の点から好ましい。
【0038】
さらに、ヘッド基板9側のフレキシブルケーブル面11b、及びヘッド基板9上の媒体摺動面8とは反対側の面9aを含む部分、つまり図5中のDで示す部分は、熱硬化性樹脂により被覆されている。これら樹脂が配されていることにより、フレキシブルケーブル11と外部接合用端子12との接着強度が補強されている。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。
【0039】
特に、上記再生ヘッド3A、3Bにおいては、エラストマー系樹脂が上述のC部分に配されていることにより、高湿環境下においても、エポキシ樹脂が配された従来の再生ヘッドのように、樹脂が膨潤してガード部材を押し上げるといった現象を回避することができる。
【0040】
すなわち、エラストマー系樹脂の硬度がエポキシ樹脂の硬度よりも小さいことから、エラストマー系樹脂が、高湿環境下で膨潤しても、図6に示すように、膨潤により生ずる外力を分散する方向に容易に変形することができる。その結果、樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材10に直接働くのではなく、エラストマー系樹脂自体がその外力を吸収するようになる。そのため、樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材10に直接影響しないことから、ガード部材10とヘッド基板9との接着面9bの破壊を回避することができて、安定な再生が可能となる。
【0041】
特に、再生ヘッド3A、3Bでは、ヘッド基板9とガード部材10とが樹脂により接着されている接着面9bが、ヘッド基板9上に形成されたヘッド素子13の再生ギャップの一部を構成している。従来の再生ヘッドでは、高湿環境下において、C部分に配された樹脂が膨潤すると、樹脂がガード部材10を押し上げて、ガード部材10とヘッド基板9との接着面9a、つまり再生ギャップが破壊されてしまった。
【0042】
よって、本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bにおいては、このような従来の再生ヘッドに見られた、樹脂の膨潤による再生ギャップの破壊現象を回避することができる。これにより、再生特性における更なる信頼性を得ることができる。
【0043】
なお、C部分及びD部分に用いられる樹脂は、ヘッド素子13を破壊しないために熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつアセトンによる洗浄等に耐える耐溶剤性が必要である。つまり、D部分に配される樹脂は、熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつ耐溶剤性に優れ、しかも外部接続端子12とフレキシブルケーブル11との接着強度を補強するものであれば良い。
【0044】
また、C部分に配される樹脂は、熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつ耐溶剤性に優れ、しかもガード部材10に樹脂の膨潤による外力を及ぼさないものであれば良い。
【0045】
なお、本発明に用いられる記録ヘッド2は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、ヘッド基板と、ガード部材と、薄膜工程によってヘッド基板上に一体形成された4個のヘッド素子と、各ヘッド素子から導出される引き出し導体と、この引き出し導体の先端部に形成された外部接続用端子とを有する。そして、記録ヘッド2は、この外部接続用端子にフレキシブルケーブルが接合されている。ここで、記録ヘッド2は、電磁誘導を利用して記録媒体に信号を書き込むインダクティブ型磁気ヘッドであり、磁気ギャップを有する磁気コアと、磁気コアに巻回された巻線コイルとを備えている。
【0046】
特に、本発明に用いられる記録ヘッド2は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、フレキシブルケーブルと外部接合用端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面を含む部分、つまり再生ヘッドにおけるC部分に相当する部分が、エラストマー系樹脂で覆われている。
【0047】
従来の記録ヘッドでは、高湿環境下において、C部分に配された樹脂が膨潤すると、樹脂がガード部材を押し上げて、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されてしまい、媒体摺動面8を一定に保てず、安定な記録が得られなかった。本発明に用いられる記録ヘッド2においては、このような従来の記録ヘッドに見られた、ガード部材とヘッド基板との接着面の破壊現象を回避することができる。これにより、媒体摺動面8を一定に保つことができ、記録特性における更なる信頼性を得ることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0049】
実施例1
再生ヘッドとして、Ni−Znフェライトからなるヘッド基板に、Ni−Znフェライトからなるガード部材を樹脂で接着したものを用いた。
【0050】
また、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊現象は、フレキシブルケーブル近傍に配された樹脂の特質だけでなく、ガード部材のアスペクト比(高さ/厚さ)にも依存する。つまり、アスペクト比が小さいと、接着面の破壊が生じやすい。これは、樹脂の膨潤によって発生した外力が、ガード部材にトルクとしてかかることに起因している。
【0051】
再生ヘッドとしては、図7に示すようなガード部材のアスペクト比が約0.79(0.604/0.762)に設定されたものを用いた。
【0052】
また、この再生ヘッドにおいては、図5のC部分に相当する部分を以下に示すシリコン樹脂で、130℃〜150℃に1時間保持して硬化させ被覆させた。 なお、図5のD部分に相当する部分は、従来の再生ヘッドと同様にエポキシ樹脂で被覆させた。
【0053】
<本実施例で用いたシリコン樹脂の特性>
種類 ゴムタイプ、2液型
粘度 8000cp〜15000cp
固形分 100%
比重 1.0
硬度(硬化後) 21(ゴム状JISA)
硬化条件 130℃〜150℃、1hr
この再生ヘッドを40℃、湿度93%とした高湿環境Aの下に保持して、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊発生率を10日後及び20日後にて測定し、経時安定性を調べた。
【0054】
また、同様にして、この再生ヘッドを、12時間毎に25℃と40℃とに交互に変換させ、かつ湿度95%とした高湿環境Bの下に保持して、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊発生率を10日後及び20日後にて測定し、経時安定性を調べた。
【0055】
実施例2
記録ヘッドとして、Al2O3・TiC(アルティック)からなるヘッド基板に、アルミナ系セラミックからなるガード部材を樹脂で接着したものを用いた。
【0056】
ここで、ガード部材は、アスペクト比が約1.27(0.604/0.475)のものを用いた。
【0057】
また、この記録ヘッドにおいては、図5中のC部分に相当する部分を実施例1と同様なシリコン樹脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0058】
このような記録ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0059】
比較例1
再生ヘッドとして、フレキシブルケーブルの上側部分を以下に示すエポキシ樹脂を90℃にて1時間保持して硬化させて被覆された以外は、実施例1と同様なものを用いた。
【0060】
<比較例で用いたエポキシ樹脂の特性>
種類 無溶剤タイプ、一液型
粘度 20000cp、(25℃、5rpm)
ガラス転位温度 129℃
硬度 約90(ショアーD)
硬化条件 90℃、1hr
このような再生ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0061】
比較例2
記録ヘッドとして、図8に示すように、Al2O3・TiC(アルティック)からなるヘッド基板9dに、アルミナ系セラミックからなるガード部材10dを樹脂で接着したものを用いた。
【0062】
ここで、ガード部材10dとしては、図8に示すように、アスペクト比が約1.27(0.604/0.475)のものを用いた。
【0063】
また、この記録ヘッドにおいては、図5中のC部分に相当する部分を比較例1と同様なエポキシ樹脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0064】
このような記録ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0065】
以上の測定結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1の結果から、実施例1の再生ヘッド及び実施例2の記録ヘッドは、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及び上記ガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被覆されているため、ガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が全く発生しないことがわかった。
【0068】
一方、従来のように、エポキシ樹脂が配された比較例1の再生ヘッド及び比較例2の記録ヘッドでは、10日後に既にかなりガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が発生していた。特に、再生ヘッドは、表1からも明らかなように、10日後には接着面の破壊発生率が50%に、20日後には80%以上にも及んだ。これは、再生ヘッドが、記録ヘッドよりもアスペクト比が小さいため、接着面の破壊が生じ易いからである。
【0069】
以上の結果から、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被覆されることによって、高湿環境下においてガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が発生するのを回避することができることが判明した。その結果、耐環境性を向上することができ、しかも記録再生の更なる安定化を図ることが可能となることがわかった。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る磁気ヘッドにおいては、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面がエラストマー系樹脂により被覆されることによって、エラストマー系樹脂の硬度が従来用いられていたエポキシ樹脂の硬度よりも小さいため、エラストマー系樹脂が、高湿度下で膨潤しても、膨潤により生ずる外力を分散させる方向に容易に変形することができる。このため、この樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材に直接作用することを回避することができ、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されるのを防止することができる。したがって、本発明によれば、耐環境性に優れ、しかも記録再生特性の安定化が図られた磁気ヘッドを提供することが可能となる。
【0071】
さらに、本発明に係る磁気ヘッドにおいては、上記エラストマー系樹脂としてシリコン樹脂が用いられることによって、耐溶剤性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した複合型磁気ヘッドの一例を示す側面図である。
【図2】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す要部正面図である。
【図4】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおけるフレキシブルケーブルの一例を示す要部正面図である。
【図5】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける、高湿環境下での再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図7】実施例に用いた再生ヘッドの側面図である。
【図8】実施例に用いた記録ヘッドの側面図である。
【図9】従来の複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図10】従来の複合型磁気ヘッドの再生ヘッドにおいて、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊される様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合型磁気ヘッド、2 記録ヘッド、3A、3B 再生ヘッド、9 ヘッド基板、10 ガード部材、11 フレキシブルケーブル、12 外部接続用端子、13 ヘッド素子、14 引き出し導体
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数個の薄膜磁気ヘッドが組み合わされて構成される磁気ヘッドに関し、特に耐環境性及び耐溶剤性の向上を図った磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、磁気記録にはより高密度な記録が求められており、これに対応すべく、磁気ヘッドの狭トラック化及び低インダクタンス化が進められている。このような高密度記録に適した磁気ヘッドとしては、特に高転送速度の面において有利な、薄膜工程を適用して作製される薄膜磁気ヘッドの需要が伸びてきている。
【0003】
特に、薄膜磁気ヘッドが用いられた磁気ヘッドとしては、例えば、データカートリッジ用の磁気記録装置等に使用される、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを組み合わせた複合型の磁気ヘッドが挙げられる。この複合型の磁気ヘッドでは、記録用磁気ヘッドとしてインダクティブ型磁気ヘッドが用いられ、再生用磁気ヘッドとして磁気抵抗効果型磁気ヘッドが用いられている。
【0004】
一般に、薄膜磁気ヘッドは、微細な薄膜パターンにより磁気回路が形成されていることから、記録及び/又は再生時に必要な外部電源との直接の接続が困難である。
【0005】
そこで、薄膜磁気ヘッドにおいては、外部電源との接続のために、ヘッド基板上にCu等の膜により外部接続用端子を形成し、この外部接続用端子にフレキシブルケーブルを圧着させて半田付けし、フレキシブルケーブルが外部回路と接続するようになされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、薄膜磁気ヘッドでは、上述のフレキシブルケーブルが圧着された後に、各種溶剤による洗浄等の加工プロセスが加えられる。このため、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部には、溶剤による洗浄やその他の加工に対する十分な信頼性が要求される。このため、通常の磁気ヘッドには、図9に示すように、上記の接合部101と、磁気ヘッド100を構成するガード部材102の媒体摺動面とは反対側の面102aとを被覆するように、つまり図中E部分を埋めるように適当な樹脂が配されて封止されている。
【0007】
また、フレキシブルケーブル103と外部接続用端子との接合部101の接着強度を補強するために、磁気ヘッドを構成するヘッド基板104の媒体摺動面とは反対側の面104aを被覆するように、つまり図中F部分を埋めるように適当な樹脂が配されている。
【0008】
上述のE部分及びF部分に配される樹脂としては、アセトン等に対する耐溶剤性及びフェライト、アルティックAl2O3・TiC等のセラミックに対する接着強度が要求される。そのため、これら条件を満足する樹脂としては、エポキシ樹脂が提案されている。特に、磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいては、磁気抵抗効果素子を破損させない約150℃以下で硬化するエポキシ樹脂が、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合上に配されて封止されている。
【0009】
ところで、記録用や再生用の薄膜磁気ヘッドを有する複合型の磁気ヘッドにおいては、実際の使用環境下における十分な信頼性が要求される。特に、コンピュータの記憶装置用として使用される場合に、この薄膜磁気ヘッドが満たすべき環境試験条件は、非常に厳しく、例えば、40℃で湿度93%にて21日間保持した際に初期特性や寸法を維持していなければならないという条件である。
【0010】
しかしながら、上述したように、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面上の少なくとも一部、つまり図9中のE部分に、エポキシ樹脂が配された複合型磁気ヘッドにおいては、高湿環境下にさらされるとエポキシ樹脂が膨潤してしまう。
【0011】
エポキシ樹脂は、耐溶剤性及び接着強度を向上させるために配されており、特に補強の観点から硬度がかなり高いものが使われている。このため、上述したように、エポキシ樹脂が膨潤すると、図10に示すように、この膨潤により生じる外力が、分散して作用せず、上記ヘッド基板104の側面に対向するように配されたガード部材102に対して、このガード部材102を押し出す方向、つまり図中I方向に作用してしまう。その結果、ガード部材102が押し上げられ、ガード部材102とヘッド基板104との接着面が破壊されてしまい、記録や再生に支障をきたしてしまうといった問題があった。
【0012】
特に、再生ヘッドでは、ヘッド基板とガード部材との接着面が、ヘッド基板上に形成された磁気抵抗効果素子の再生ギャップを構成している。よって、再生用ヘッドにおいては、上述したようにガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されると、再生ギャップが破壊されることになり、再生特性が劣化してしまう。
【0013】
そこで、本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、十分な強度が保持されるとともに、優れた耐溶剤性を有し、しかも高湿度等に対する耐環境性の向上が図られ、記録及び/又は再生が良好に行われる高品質な磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明に係る磁気ヘッドは、ヘッド基板と、ヘッド基板上に形成されたヘッド素子と、ヘッド素子をヘッド基板と挟むように配されたガード部材と、ヘッド素子から導出された外部接続用端子と、一端が外部接続用端子に接合され、かつ他端が外部回路に接続されたフレキシブルケーブルとを有する。しかも、本発明に係る磁気ヘッドは、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、エラストマー系樹脂により被覆されていることを特徴とする。
【0015】
以上のように構成された本発明に係る磁気ヘッドによれば、フレキシブルケーブルと外部接合端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、エポキシ樹脂のように硬度が高くなく優れた弾力性を有するエラストマー系樹脂により被覆されていることにより、このエラストマー系樹脂が、高湿度下において膨潤しても、膨潤により生ずる外力を分散させる方向に容易に変形する。これにより、樹脂の膨潤により生ずる外力を吸収することができ、外力がガード部材に直接作用するのを回避することができる。したがって、本発明に係る磁気ヘッドによれば、ガード部材と磁気ヘッドとの接着面が破壊されるのを防ぐことができる。
【0016】
さらに、上記エラストマー系樹脂がシリコン樹脂である場合、耐溶剤性の更なる向上を図ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る磁気ヘッドの好適な実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。ここで、本発明を適用した磁気ヘッドとして、記録用磁気ヘッドと再生用磁気ヘッドとを有する複合型の磁気ヘッドを取り挙げて説明する。なお、本発明に係る磁気ヘッドとしては、この複合型の磁気ヘッドに限らず、一般の薄膜磁気ヘッドに適用される。
【0018】
本発明に係る磁気ヘッド1は、図1に示すように、記録用磁気ヘッド2(以下、単に記録ヘッド2と呼ぶ。)と、この記録ヘッド2の両脇に平行に配設された一対の再生用磁気ヘッド3A、3B(以下、単に再生ヘッド3A、3Bと呼ぶ。)とを有する複合型の磁気ヘッドである。また、この複合型の磁気ヘッド1は、再生ヘッド3Bの一方の脇に配設される消去用磁気ヘッド5(以下、単に消去ヘッド5と称する)と、再生ヘッド3Aの一方の脇に配設されるアウトリガ4とを備える。
【0019】
さらに、この複合型の磁気ヘッド1は、記録ヘッド2と一対の再生ヘッド3A、3Bと消去ヘッド5とアウトリガ4とを一体に支持する支持部材6を備える。そして、複合型の磁気ヘッド1は、支持部材6を介してアクチュエータ7が接続されている。すなわち、本実施の形態に係る磁気ヘッド1は、アウトリガ4、再生ヘッド3B、記録ヘッド2、再生ヘッド3A及び消去ヘッド5がこの順序で支持部材6に取り付けられている。
【0020】
そして、この複合型の磁気ヘッド1では、再生ヘッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこの順序で一体に接合された状態で、これらヘッドの一方の主面が媒体摺動面8とされる。この媒体摺動面8は、その断面形状が曲面とされてなる。
【0021】
記録ヘッド2は、磁気信号を記録する際、その内部に配されたコイルに対して所望の電流が供給されることによって、磁気ギャップを介して漏れ磁界を発生する。記録ヘッド2は、この漏れ磁界をテープ状磁気記録媒体Tに印加することによって、磁気信号を記録する。
【0022】
一方、再生ヘッド3A、3Bでは、磁気信号を再生する際、テープ状磁気記録媒体Tに記録された磁気信号から生ずる漏れ磁界をヘッド素子が検出する。これにより、再生ヘッド3A、3Bは、テープ状磁気記録媒体Tの磁気信号を再生する。
【0023】
複合型の磁気ヘッド1では、上述の再生ヘッド3Bと記録ヘッド2と再生ヘッド3Aとがこの順序で接合されている。このため、複合型の磁気ヘッド1では、テープ状磁気記録媒体Tがいずれの方向に走行された場合でも、記録ヘッド2で記録された磁気信号が記録された直後に、再生ヘッド3A、3Bのいずれか一方で磁気信号が再生される。
【0024】
消去ヘッド5は、媒体摺動面8に露出した幅広な磁気ギャップを有しており、その内部に図示しないコイルが配されている。この消去ヘッド5では、一定の直流電流が上記コイルに供給される。これにより、消去ヘッド5には、上記コイルから磁界が発生して、磁気ギャップを介して一様な漏れ磁界が発生する。消去ヘッド5は、この漏れ磁界をテープ状磁気記録媒体Tに印加することにより磁気信号を消去する。
【0025】
アウトリガ4は、上述した消去ヘッド5とは反対の端部に配設され、テープ状磁気記録媒体Tを安定に走行させるためのものである。複合型の磁気ヘッド1では、このアウトリガ4によりテープ状磁気記録媒体Tと媒体摺動面8との当たり面積が大きくなり、テープ状磁気記録媒体Tが安定的に走行する。
【0026】
この複合型の磁気ヘッド1では、テープ状磁気記録媒体Tに対して情報信号を磁気信号として記録し、テープ状磁気記録媒体Tに記録された磁気信号を再生する。このテープ状磁気記録媒体Tは、その長手方向が図1中矢印G及びHで示す方向と平行になるように複合型の磁気ヘッド1に当接する。このとき、テープ状磁気記録媒体Tは、複合型の磁気ヘッド1を介して配設された図示しない付勢手段によって、複合型磁気ヘッド1に押圧するように付勢される。
【0027】
以上のように構成された本発明を適用した複合型の磁気ヘッド1は、テープ状磁気記録媒体Tにデータを記録する際に、データの信頼性を確保するため、記録ヘッド2によりテープ状磁気記録媒体Tにデータを記録すると同時に、記録されたデータを再生ヘッド3Aまたは再生ヘッド3Bにより再生し、記録されたデータを検証する。
【0028】
すなわち、テープ状磁気記録媒体Tを複合型の磁気ヘッド1に対して図1中矢印Gで示す方向に摺動させて記録する際には、記録ヘッド2によって記録するとともに、記録した直後に、記録されたデータを再生ヘッド3Aにより再生し、記録されたデータを検証する。また、テープ状磁気記録媒体Tを複合型の磁気ヘッド1に対して図1中矢印H方向で示す方向に摺動させて記録する際には、記録ヘッド2によって記録するとともに、記録した直後に、記録されたデータを再生ヘッド3Bにより再生し、記録されたデータを検証する。
【0029】
上述のように構成された複合型の磁気ヘッド1における再生ヘッド3A、3Bは、図2に示すように、ヘッド基板9と、その側面上に形成された図示しない薄膜磁気回路と、ヘッド基板9と対向して上記薄膜磁気回路をヘッド基板9と挟むように配設されたガード部材10とを有する。
【0030】
特に、本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bには、図2に示すように、フレキシブルケーブル11が薄膜磁気回路から導出された外部接続用端子12と接合した状態で配設されている。このフレキシブルケーブル11は、図示しない外部回路に接続している。
【0031】
このように構成された再生ヘッド3A、3Bは、再生のために必要な外部回路からの電流を、フレキシブルケーブル11を介して、ガード部材10とヘッド基板9とに挟まれた薄膜磁気回路に導いて、ヘッド素子に供給するようになされている。
【0032】
本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bの薄膜磁気回路15としては、図3に示すように、薄膜工程によってヘッド基板9上に一体形成されている4個のヘッド素子13と、各ヘッド素子13から導出された一対の引き出し導体14と、引き出し導体14の先端部に形成された外部接続用端子12とを有する。このとき、外部接続用端子12は、Cu等の薄膜から形成されてなる。
【0033】
ここで、再生ヘッド3A、3Bは、磁気抵抗効果を利用して記録媒体からの信号を検出する磁気抵抗効果型磁気ヘッドであり、ヘッド素子13として磁気抵抗効果素子が用いられている。
【0034】
上述したように、上記再生ヘッド3A、3Bにおいては、引き出し導体14の先端部に形成された外部接続用端子12が、フレキシブルケーブル11と接合している。ここで、外部接続用端子12とフレキシブルケーブル11との接合部分の様子を図4に示す。
【0035】
図4に示すように、外部接続用端子12は、フレキシブルケーブル11との接触部分12aを半田付けされて接合されている。このとき、フレキシブルケーブル11には、外部接続用端子12との接触部分12a以外の部分に、隙間16が形成されており、外部接続用端子12が隣同士互いに電気的に接続しないようにされている。
【0036】
また、特に本発明に用いられるフレキシケーブル11は、その両側面の近傍部の一部がエラストマー系樹脂により被覆されている。ここで、このエラストマー系樹脂により被覆されている様子を図5に示す。
【0037】
図5に示すように、フレキシブルケーブル11と外部接合用端子12との接合部11a、及びガード部材10の媒体摺動面とは反対側の面10aを含む部分、つまり図5中のCで示す部分が、エラストマー系樹脂により被覆されている。なお、ここで用いられるエラストマー系樹脂としては、シリコン樹脂が耐溶剤性の点から好ましい。
【0038】
さらに、ヘッド基板9側のフレキシブルケーブル面11b、及びヘッド基板9上の媒体摺動面8とは反対側の面9aを含む部分、つまり図5中のDで示す部分は、熱硬化性樹脂により被覆されている。これら樹脂が配されていることにより、フレキシブルケーブル11と外部接合用端子12との接着強度が補強されている。上記熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂が好ましい。
【0039】
特に、上記再生ヘッド3A、3Bにおいては、エラストマー系樹脂が上述のC部分に配されていることにより、高湿環境下においても、エポキシ樹脂が配された従来の再生ヘッドのように、樹脂が膨潤してガード部材を押し上げるといった現象を回避することができる。
【0040】
すなわち、エラストマー系樹脂の硬度がエポキシ樹脂の硬度よりも小さいことから、エラストマー系樹脂が、高湿環境下で膨潤しても、図6に示すように、膨潤により生ずる外力を分散する方向に容易に変形することができる。その結果、樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材10に直接働くのではなく、エラストマー系樹脂自体がその外力を吸収するようになる。そのため、樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材10に直接影響しないことから、ガード部材10とヘッド基板9との接着面9bの破壊を回避することができて、安定な再生が可能となる。
【0041】
特に、再生ヘッド3A、3Bでは、ヘッド基板9とガード部材10とが樹脂により接着されている接着面9bが、ヘッド基板9上に形成されたヘッド素子13の再生ギャップの一部を構成している。従来の再生ヘッドでは、高湿環境下において、C部分に配された樹脂が膨潤すると、樹脂がガード部材10を押し上げて、ガード部材10とヘッド基板9との接着面9a、つまり再生ギャップが破壊されてしまった。
【0042】
よって、本発明に用いられる再生ヘッド3A、3Bにおいては、このような従来の再生ヘッドに見られた、樹脂の膨潤による再生ギャップの破壊現象を回避することができる。これにより、再生特性における更なる信頼性を得ることができる。
【0043】
なお、C部分及びD部分に用いられる樹脂は、ヘッド素子13を破壊しないために熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつアセトンによる洗浄等に耐える耐溶剤性が必要である。つまり、D部分に配される樹脂は、熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつ耐溶剤性に優れ、しかも外部接続端子12とフレキシブルケーブル11との接着強度を補強するものであれば良い。
【0044】
また、C部分に配される樹脂は、熱硬化温度が150℃以下のものであり、かつ耐溶剤性に優れ、しかもガード部材10に樹脂の膨潤による外力を及ぼさないものであれば良い。
【0045】
なお、本発明に用いられる記録ヘッド2は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、ヘッド基板と、ガード部材と、薄膜工程によってヘッド基板上に一体形成された4個のヘッド素子と、各ヘッド素子から導出される引き出し導体と、この引き出し導体の先端部に形成された外部接続用端子とを有する。そして、記録ヘッド2は、この外部接続用端子にフレキシブルケーブルが接合されている。ここで、記録ヘッド2は、電磁誘導を利用して記録媒体に信号を書き込むインダクティブ型磁気ヘッドであり、磁気ギャップを有する磁気コアと、磁気コアに巻回された巻線コイルとを備えている。
【0046】
特に、本発明に用いられる記録ヘッド2は、再生ヘッド3A、3Bと同様に、フレキシブルケーブルと外部接合用端子との接合部及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面を含む部分、つまり再生ヘッドにおけるC部分に相当する部分が、エラストマー系樹脂で覆われている。
【0047】
従来の記録ヘッドでは、高湿環境下において、C部分に配された樹脂が膨潤すると、樹脂がガード部材を押し上げて、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されてしまい、媒体摺動面8を一定に保てず、安定な記録が得られなかった。本発明に用いられる記録ヘッド2においては、このような従来の記録ヘッドに見られた、ガード部材とヘッド基板との接着面の破壊現象を回避することができる。これにより、媒体摺動面8を一定に保つことができ、記録特性における更なる信頼性を得ることができる。
【0048】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について実験結果に基づいて説明する。
【0049】
実施例1
再生ヘッドとして、Ni−Znフェライトからなるヘッド基板に、Ni−Znフェライトからなるガード部材を樹脂で接着したものを用いた。
【0050】
また、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊現象は、フレキシブルケーブル近傍に配された樹脂の特質だけでなく、ガード部材のアスペクト比(高さ/厚さ)にも依存する。つまり、アスペクト比が小さいと、接着面の破壊が生じやすい。これは、樹脂の膨潤によって発生した外力が、ガード部材にトルクとしてかかることに起因している。
【0051】
再生ヘッドとしては、図7に示すようなガード部材のアスペクト比が約0.79(0.604/0.762)に設定されたものを用いた。
【0052】
また、この再生ヘッドにおいては、図5のC部分に相当する部分を以下に示すシリコン樹脂で、130℃〜150℃に1時間保持して硬化させ被覆させた。 なお、図5のD部分に相当する部分は、従来の再生ヘッドと同様にエポキシ樹脂で被覆させた。
【0053】
<本実施例で用いたシリコン樹脂の特性>
種類 ゴムタイプ、2液型
粘度 8000cp〜15000cp
固形分 100%
比重 1.0
硬度(硬化後) 21(ゴム状JISA)
硬化条件 130℃〜150℃、1hr
この再生ヘッドを40℃、湿度93%とした高湿環境Aの下に保持して、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊発生率を10日後及び20日後にて測定し、経時安定性を調べた。
【0054】
また、同様にして、この再生ヘッドを、12時間毎に25℃と40℃とに交互に変換させ、かつ湿度95%とした高湿環境Bの下に保持して、ヘッド基板とガード部材との接着面の破壊発生率を10日後及び20日後にて測定し、経時安定性を調べた。
【0055】
実施例2
記録ヘッドとして、Al2O3・TiC(アルティック)からなるヘッド基板に、アルミナ系セラミックからなるガード部材を樹脂で接着したものを用いた。
【0056】
ここで、ガード部材は、アスペクト比が約1.27(0.604/0.475)のものを用いた。
【0057】
また、この記録ヘッドにおいては、図5中のC部分に相当する部分を実施例1と同様なシリコン樹脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0058】
このような記録ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0059】
比較例1
再生ヘッドとして、フレキシブルケーブルの上側部分を以下に示すエポキシ樹脂を90℃にて1時間保持して硬化させて被覆された以外は、実施例1と同様なものを用いた。
【0060】
<比較例で用いたエポキシ樹脂の特性>
種類 無溶剤タイプ、一液型
粘度 20000cp、(25℃、5rpm)
ガラス転位温度 129℃
硬度 約90(ショアーD)
硬化条件 90℃、1hr
このような再生ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0061】
比較例2
記録ヘッドとして、図8に示すように、Al2O3・TiC(アルティック)からなるヘッド基板9dに、アルミナ系セラミックからなるガード部材10dを樹脂で接着したものを用いた。
【0062】
ここで、ガード部材10dとしては、図8に示すように、アスペクト比が約1.27(0.604/0.475)のものを用いた。
【0063】
また、この記録ヘッドにおいては、図5中のC部分に相当する部分を比較例1と同様なエポキシ樹脂を用いて、硬化させ被覆させた。
【0064】
このような記録ヘッドについて、実施例1と同様な高湿環境A及び高湿環境Bの下で、実施例1と同様な測定を行った。
【0065】
以上の測定結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
表1の結果から、実施例1の再生ヘッド及び実施例2の記録ヘッドは、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及び上記ガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被覆されているため、ガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が全く発生しないことがわかった。
【0068】
一方、従来のように、エポキシ樹脂が配された比較例1の再生ヘッド及び比較例2の記録ヘッドでは、10日後に既にかなりガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が発生していた。特に、再生ヘッドは、表1からも明らかなように、10日後には接着面の破壊発生率が50%に、20日後には80%以上にも及んだ。これは、再生ヘッドが、記録ヘッドよりもアスペクト比が小さいため、接着面の破壊が生じ易いからである。
【0069】
以上の結果から、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面が、エラストマー系樹脂により被覆されることによって、高湿環境下においてガード部材とヘッド基板との接着面の破壊が発生するのを回避することができることが判明した。その結果、耐環境性を向上することができ、しかも記録再生の更なる安定化を図ることが可能となることがわかった。
【0070】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る磁気ヘッドにおいては、フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及びガード部材の媒体摺動面とは反対側の面がエラストマー系樹脂により被覆されることによって、エラストマー系樹脂の硬度が従来用いられていたエポキシ樹脂の硬度よりも小さいため、エラストマー系樹脂が、高湿度下で膨潤しても、膨潤により生ずる外力を分散させる方向に容易に変形することができる。このため、この樹脂の膨潤により生じた外力がガード部材に直接作用することを回避することができ、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊されるのを防止することができる。したがって、本発明によれば、耐環境性に優れ、しかも記録再生特性の安定化が図られた磁気ヘッドを提供することが可能となる。
【0071】
さらに、本発明に係る磁気ヘッドにおいては、上記エラストマー系樹脂としてシリコン樹脂が用いられることによって、耐溶剤性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した複合型磁気ヘッドの一例を示す側面図である。
【図2】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す斜視図である。
【図3】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す要部正面図である。
【図4】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおけるフレキシブルケーブルの一例を示す要部正面図である。
【図5】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図6】本発明を適用した複合型磁気ヘッドにおける、高湿環境下での再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図7】実施例に用いた再生ヘッドの側面図である。
【図8】実施例に用いた記録ヘッドの側面図である。
【図9】従来の複合型磁気ヘッドにおける再生ヘッドの一例を示す断面図である。
【図10】従来の複合型磁気ヘッドの再生ヘッドにおいて、ガード部材とヘッド基板との接着面が破壊される様子を示す断面図である。
【符号の説明】
1 複合型磁気ヘッド、2 記録ヘッド、3A、3B 再生ヘッド、9 ヘッド基板、10 ガード部材、11 フレキシブルケーブル、12 外部接続用端子、13 ヘッド素子、14 引き出し導体
Claims (5)
- ヘッド基板と、
上記ヘッド基板上に形成されたヘッド素子と、
上記ヘッド素子をヘッド基板と挟むように配されたガード部材と、
上記ヘッド素子から導出された外部接続用端子と、
一端が上記外部接続用端子に接合され、他端が外部回路に接続されたフレキシブルケーブルとを備え、
上記フレキシブルケーブルと外部接続用端子との接合部、及び上記ガード部材上の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、エラストマー系樹脂により被覆されていること
を特徴とする磁気ヘッド。 - 上記エラストマー系樹脂は、シリコン樹脂であること
を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 少なくとも1つの記録用磁気ヘッドと、
上記記録用磁気ヘッドの近傍に配された少なくとも1つの再生用磁気ヘッドとを備える複合型の磁気ヘッドであること
を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 上記フレキシブルケーブル上のヘッド基板側の主面の一部、及びヘッド基板上の媒体摺動面とは反対側の面の少なくとも一部が、熱硬化性樹脂により被覆されていること
を特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。 - 上記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂であること
を特徴とする請求項4記載の磁気ヘッド。
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