JP2005190534A

JP2005190534A - サスペンション、ヘッドジンバルアセンブリ及び該ヘッドジンバルアセンブリを備えたディスクドライブ装置

Info

Publication number: JP2005190534A
Application number: JP2003429289A
Authority: JP
Inventors: Kazumasa Shiraishi; 白石　一雅; Muneyori Kobashi; 宗順小橋; Hiroyoshi Nakajima; 弘喜中島
Original assignee: SAE Magnetics HK Ltd
Current assignee: SAE Magnetics HK Ltd
Priority date: 2003-12-25
Filing date: 2003-12-25
Publication date: 2005-07-14
Also published as: US20050141138A1

Abstract

【課題】接続パッドの汚れ発生を引き起こすことなく接着工程の簡易化が可能であり、しかも磁気ヘッドスライダのサスペンションへの確実な固着を実現できるサスペンション、ＨＧＡ及びこのＨＧＡを備えたディスクドライブ装置を提供する。
【解決手段】少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダを接着支持するための弾性を有するフレクシャと、フレクシャを支持するロードビームと、別個に形成されてフレクシャ及びロードビーム上に固着されており、ヘッドスライダの前記少なくとも１つのヘッド素子に電気的に接続される複数の接続パッド及び複数の接続パッドに一端が導通している複数のトレース導体を有するＦＰＣ部材とを備えたサスペンション、このサスペンション及び上述のヘッドスライダを備えたＨＧＡ、並びにこのＨＧＡを備えたディスクドライブ装置を提供する。特に、ＦＰＣ部材は、ヘッドスライダが接着される側であって、複数の接続パッドの近傍に少なくとも１つの溝を備えている。
【選択図】図３

Description

本発明は、磁気ヘッド素子又は光学ヘッド素子などのヘッド素子を有する浮上型ヘッドスライダ用のサスペンション、ヘッドジンバルアセンブリ（ＨＧＡ）及びこのＨＧＡを備えたディスクドライブ装置に関する。

ハードディスクドライブ（ＨＤＤ）装置に使用されるサスペンションとしては、磁気ヘッドスライダを搭載する金属フレクシャ上に薄膜技術によってトレース導体を一体的に形成し、このようなトレース導体一体型のフレクシャとロードビームとをレーザ溶接で互いに固着した構造が一般的であった。

最近、このような高価なトレース導体一体型のフレクシャを用いることなく、安価である小さな金属フレクシャとロードビームとをレーザ溶接で互いに固着し、その上に、別個に製造した一般電気部品で使用する通常のＦＰＣ（フレクシブルプリント配線基板）部材を樹脂接着した構造が用いられるようになった（例えば特許文献１）。このような構造によれば、フレクシャ及びＦＰＣ部材が共に安価であるため、製造コストを大幅に低減することが可能である。

特開２００２−９２８３４号公報

特許文献１に記載されたようなＦＰＣ部材を貼り付けたサスペンション構造によると、以下のような問題が発生する。

通常、磁気ヘッドスライダのサスペンションへの固着は、磁気ヘッドスライダとサスペンションとの導通をとるために銀（Ａｇ）ペーストを一部使用し、接着をより確実にするため紫外線（ＵＶ）硬化樹脂接着剤又はエポキシ樹脂接着剤を使用してＵＶ硬化又は熱硬化することによって行う。しかしながら、これら樹脂接着剤が、磁気ヘッドスライダとの電気的接続のためにＦＰＣ部材に設けられた接続パッドにまで浸みだして、この接続パッドを汚してしまう現象の生じることがある。

一般に、ＡｇペーストはＡｇの粒子を含むことから磁気ヘッドスライダの底面にＡｇペーストを塗布すると、その部分が持ち上がってしまう。このため、ＦＰＣ部材には、Ａｇペーストを押しつぶしてその部分が持ち上がらないようにするための段差が設けられている。樹脂接着剤もこの段差の部分に塗布されるが、ＦＰＣ部材の基材であるポリイミド部材がサスペンションへの貼り付けを良好にするために非常に「ぬれ性」に優れていること及び磁気ヘッドスライダのサイドエッジによる毛細管現象が働くことから、接着樹脂の一部が磁気ヘッドスライダの先に設けられた接続パッドまで容易に到達する場合があり、これが接続パッド部分の汚れ（コンタミ）を引き起こしてしまう。

このような汚れ発生を防止するために、樹脂接着剤の使用量を極端に少なくすると、接着力低下により、最悪の場合、磁気ヘッドスライダがサスペンションから離脱する恐れがある。

このような不都合を引き起こさないためには、樹脂接着剤の使用量やその塗布位置の微妙な制御が要求され、これは接着工程を困難かつ煩雑なものとしてしまう。

従って、本発明の目的は、接続パッドの汚れ発生を引き起こすことなく接着工程の簡易化が可能であり、しかも磁気ヘッドスライダのサスペンションへの確実な固着を実現できるサスペンション、ＨＧＡ及びこのＨＧＡを備えたディスクドライブ装置を提供することにある。

本発明は、少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダを接着支持するための弾性を有するフレクシャと、フレクシャを支持するロードビームと、別個に形成されてフレクシャ及びロードビーム上に固着されており、ヘッドスライダの前記少なくとも１つのヘッド素子に電気的に接続される複数の接続パッド及び複数の接続パッドに一端が導通している複数のトレース導体を有するＦＰＣ部材とを備えたサスペンション、このサスペンション及び上述のヘッドスライダを備えたＨＧＡ、並びにこのＨＧＡを備えたディスクドライブ装置を提供するものである。特に本発明によれば、ＦＰＣ部材が、ヘッドスライダが接着される側であって、複数の接続パッドの近傍に少なくとも１つの溝を備えている。

ＦＰＣ部材が、接着剤の流れ止めとなるこのような少なくとも１つの溝を備えていることにより、接着剤の使用量やその塗布位置の微妙な制御を行わずとも、接着剤が接続パッドまで到達するような不都合がなくなり、その汚れ発生を確実に防止することができる。従って、接着工程の簡易化が可能となる。しかも、充分な量の接着剤が使用できるので、磁気ヘッドスライダのサスペンションへの確実な固着が可能となり、信頼性の高いＨＧＡやディスクドライブ装置を提供することができる。

少なくとも１つの溝が、ＦＰＣ部材を貫通する少なくとも１つの貫通溝又は貫通しない少なくとも１つの凹溝であることが好ましい。

少なくとも１つの溝が、サスペンション又はＨＧＡの横方向に伸長する１つの溝であることも好ましい。この場合、１つの溝が、複数の接続パッドの全横幅より長い全長を有していることがより好ましい。

フレクシャ及びロードビームが、金属板部材で形成されていることも好ましい。

ＨＧＡにおいては、ヘッドスライダが、導電ペーストによってフレクシャに導通していることが好ましい。このヘッドスライダが、熱硬化型樹脂接着剤又はＵＶ硬化型樹脂接着剤などの樹脂接着剤によりフレクシャに接着していることも好ましい。

本発明によれば、接着剤の使用量やその塗布位置の微妙な制御を行わずとも、接着剤が接続パッドまで到達するような不都合がなくなり、その汚れ発生を確実に防止することができ、従って、接着工程の簡易化が可能となる。しかも、充分な量の接着剤が使用できるので、磁気ヘッドスライダのサスペンションへの確実な固着が可能となり、信頼性の高いＨＧＡやディスクドライブ装置を提供することができる。

図１は本発明の一実施形態として、ＨＤＤ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図２はＨＧＡ全体を表す平面図であり、図３は本実施形態におけるＦＰＣ部材、フレクシャ及びＨＧＡの先端部の構成を拡大して示す平面図である。なお、図３において、（Ａ）はＦＰＣ部材のみを、（Ｂ）はフレクシャのみを、（Ｃ）はフレクシャにＦＰＣ部材を取り付けた状態を、（Ｄ）はロードビームに、フレクシャ及びＦＰＣ部材を取り付けさらに磁気ヘッドスライダを装着したＨＧＡをそれぞれ示している。

図１において、１０は軸１１の回りを回転する複数の磁気ディスク、１２は磁気ヘッドスライダをトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置をそれぞれ示している。アセンブリキャリッジ装置１２は、軸１３を中心にして角揺動可能なキャリッジ１４と、このキャリッジ１４を角揺動駆動する例えばボイスコイルモータ（ＶＣＭ）からなるアクチュエータ１５とから主として構成されている。

キャリッジ１４には、軸１３の方向にスタックされた複数の駆動アーム１６の基部が取り付けられており、各駆動アーム１６の先端部にはＨＧＡ１７が固着されている。各ＨＧＡ１７は、その先端部に設けられている磁気ヘッドスライダが、各磁気ディスク１０の表面に対して対向するように駆動アーム１６の先端部に設けられている。

図２及び図３（Ｄ）に示すように、ＨＧＡは、サスペンション２０の先端部に、磁気ヘッド素子を有する磁気ヘッドスライダ２１を固着して構成される。

サスペンション２０は、ロードビーム２２と、このロードビーム２２の先端部に設けられた弾性を有するフレクシャ２３と、ロードビーム２２の後端部に固着されたベースプレート２４と、配線部材であるＦＰＣ部材２５とから主として構成されている。

ロードビーム２２は、フレクシャ２３を介して磁気ヘッドスライダ２１を磁気ディスク方向に押えつける荷重を発生するための弾性を有するステンレス鋼板（例えばＳＵＳ３０４ＴＡ）によって構成されている。

フレクシャ２３は、図３（Ｂ）により明確に示すように、ロードビーム２２に設けられたディンプル（図示なし）によって押圧される適切なスティフネスを有する舌部２３ａを有しており、この舌部２３ａ上には、ＦＰＣ部材２５を介して磁気ヘッドスライダ２１が固着されている。フレクシャ２３は、ステンレス鋼板（例えばＳＵＳ３０４ＴＡ）によって構成されており、舌部２３ａで磁気ヘッドスライダ２１を柔軟に支えるような弾性を持っている。なお、フレクシャ２３とロードビーム２２との固着は、複数の溶接点によるピンポイント固着によってなされている。

ベースプレート２４は、剛性の高いステンレス鋼板又は鉄板で構成されており、ロードビーム２２の基部に溶接によって固着されている。このベースプレート２４が図１に示した駆動アーム１６に取り付けられる。

ロードビーム２２及びフレクシャ２３上には、一般電気部品で使用するものと同様の構造を有しており別個に形成されたＦＰＣ部材２５が接着固定されている。

このＦＰＣ部材２５は、ポリイミド等の樹脂材料による絶縁性材料層上に、パターン化されたトレース導体２６ａ〜２６ｄを形成し、その上にポリイミド等の樹脂材料による絶縁性材料層をオーバーコートした構造を有している。

トレース導体２６ａ〜２６ｄの一端は、ＦＰＣ部材２５の先端部に設けられた磁気ヘッド素子用の接続パッド２７ａ〜２７ｄにそれぞれ電気的に接続されている。接続パッド２７ａ〜２７ｄは、磁気ヘッドスライダ２１の端子電極に金ボールボンディング又はソルダーボールボンディング等により電気的に接続されている。トレース導体２６ａ〜２６ｄの他端は、ＦＰＣ部材２５の後端部に設けられた外部回路用の接続パッド２８ａ〜２８ｄにそれぞれ電気的に接続されている。

図３（Ａ）及び（Ｃ）に示すように、本実施形態では、特に、ＦＰＣ部材２５に、サスペンション２０の横方向（軸を横断する方向）に伸長する１つの溝２９が形成されている。この溝２９は、ＦＰＣ部材２５を貫通する貫通溝又は貫通しない凹溝であり、その形成位置は、接続パッド２７ａ〜２７ｄの近傍のこれより後方（基部側）であって磁気ヘッドスライダ２１の接着部より前方（先端側）に、即ち接続パッド２７ａ〜２７ｄと磁気ヘッドスライダ２１の接着部との間である。さらに、この溝２９の全長は、接続パッド２７ａ〜２７ｄの全横幅より長くなっている。

図４は図３（Ｄ）のIV−IV線断面図である。

同図に示すように、このような溝２９がＦＰＣ部材２５に形成されているため、Ａｇペーストなどの導電ペースト４０によって磁気ヘッドスライダ２１とフレクシャ２３との導通をとり、熱硬化型樹脂接着剤又はＵＶ硬化型樹脂接着剤などの樹脂接着剤４１を滴下し硬化させることによって磁気ヘッドスライダ２１のフレクシャ２３への固着を行う場合、比較的多量の接着剤を与えても余分な接着剤４２は溝２９内に留まり、接続パッド２７ｄの部分まで到達しない。即ち、接着剤の使用量やその塗布位置の微妙な制御を行わずとも、接着剤が接続パッドまで到達するような不都合がなくなり、この接続パッドの汚れ発生を確実に防止することができる。従って、接着工程を簡易化できる。しかも、充分な量の接着剤が使用できるので、磁気ヘッドスライダのサスペンションへの確実な固着が可能となり、信頼性の高いＨＧＡやディスクドライブ装置を提供することができる。

上述の実施形態においては、ＦＰＣ部材に横方向に伸長する１つの溝を設けているが、本発明の溝はこれに限定されるものではなく、接着剤が接続パッドに流れることを抑止できる流れ止め用の溝であればいかなる形状及び寸法の溝であっても良い。また、溝の数も１つに限定されるものではなく、複数であっても良い。

さらに、本発明におけるサスペンションの構造は、以上述べた構造に限定されるものでもない。

以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。

本発明の一実施形態として、ＨＤＤ装置の要部の構成を概略的に示す斜視図である。図１の実施形態におけるＨＧＡ全体を表す平面図である。図１の実施形態における（Ａ）ＦＰＣ部材、（Ｂ）フレクシャ、（Ｃ）フレクシャ及びＦＰＣ部材、並びに（Ｄ）ＨＧＡの先端部の構成を拡大して示す平面図である。図３（Ｄ）のIV−IV線断面図である。

符号の説明

１０磁気ディスク
１１、１３軸
１２アセンブリキャリッジ装置
１４キャリッジ
１５アクチュエータ
１６駆動アーム
１７ＨＧＡ
２０サスペンション
２１磁気ヘッドスライダ
２２ロードビーム
２３フレクシャ
２３ａ舌部
２４ベースプレート
２５ＦＰＣ部材
２６ａ〜２６ｄトレース導体
２７ａ〜２７ｄ磁気ヘッド素子用接続パッド
２８ａ〜２８ｄ外部回路用接続パッド
２９溝

Claims

少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダを接着支持するための弾性を有するフレクシャと、該フレクシャを支持するロードビームと、別個に形成されて前記フレクシャ及び前記ロードビーム上に固着されており、前記ヘッドスライダの前記少なくとも１つのヘッド素子に電気的に接続される複数の接続パッド及び該複数の接続パッドに一端が導通している複数のトレース導体を有するＦＰＣ部材とを備えたサスペンションであって、前記ＦＰＣ部材が、前記ヘッドスライダが接着される側であって、前記複数の接続パッドの近傍に少なくとも１つの溝を備えていることを特徴とするサスペンション。
前記少なくとも１つの溝が、前記ＦＰＣ部材を貫通する少なくとも１つの貫通溝であることを特徴とする請求項１に記載のサスペンション。
前記少なくとも１つの溝が、前記ＦＰＣ部材を貫通しない少なくとも１つの凹溝であることを特徴とする請求項１に記載のサスペンション。
前記少なくとも１つの溝が、当該サスペンションの横方向に伸長する単一の溝であることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載のサスペンション。
前記単一の溝が、前記複数の接続パッドの全横幅より長い全長を有していることを特徴とする請求項４に記載のサスペンション。
前記フレクシャ及び前記ロードビームが、金属板部材で形成されていることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載のサスペンション。
少なくとも１つのヘッド素子を有するヘッドスライダと、該ヘッドスライダを接着支持する弾性を有するフレクシャと、該フレクシャを支持するロードビームと、別個に形成されて前記フレクシャ及び前記ロードビーム上に固着されており、前記ヘッドスライダの前記少なくとも１つのヘッド素子に電気的に接続されている複数の接続パッド及び該複数の接続パッドに一端が導通している複数のトレース導体を有するＦＰＣ部材とを備えたヘッドジンバルアセンブリであって、前記ＦＰＣ部材が、前記ヘッドスライダが接着される側であって、前記複数の接続パッドの近傍に少なくとも１つの溝を備えていることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
前記少なくとも１つの溝が、前記ＦＰＣ部材を貫通する少なくとも１つの貫通溝であることを特徴とする請求項７に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記少なくとも１つの溝が、前記ＦＰＣ部材を貫通しない少なくとも１つの凹溝であることを特徴とする請求項７に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記少なくとも１つの溝が、当該ヘッドジンバルアセンブリの横方向に伸長する単一の溝であることを特徴とする請求項７から９のいずれか１項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記単一の溝が、前記複数の接続パッドの全横幅より長い全長を有していることを特徴とする請求項１０に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記フレクシャ及び前記ロードビームが、金属板部材で形成されていることを特徴とする請求項７から１１のいずれか１項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記ヘッドスライダが、導電ペーストによって前記フレクシャに導通していることを特徴とする請求項７から１２のいずれか１項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記ヘッドスライダが、樹脂接着剤により前記フレクシャに接着していることを特徴とする請求項７から１３のいずれか１項に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記樹脂接着剤が、熱硬化型樹脂接着剤であることを特徴とする請求項１４に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
前記樹脂接着剤が、紫外線硬化型樹脂接着剤であることを特徴とする請求項１４に記載のヘッドジンバルアセンブリ。
請求項７から１６のいずれか１項に記載のヘッドジンバルアセンブリを備えたことを特徴とするディスクドライブ装置。