JP3365084B2 - 抗菌性フィルム - Google Patents

抗菌性フィルム

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JP3365084B2 JP23647394A JP23647394A JP3365084B2 JP 3365084 B2 JP3365084 B2 JP 3365084B2 JP 23647394 A JP23647394 A JP 23647394A JP 23647394 A JP23647394 A JP 23647394A JP 3365084 B2 JP3365084 B2 JP 3365084B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、風呂、トイレタリー、
室内など住環境における殺菌性或いは抗菌性を有するフ
ィルムに関し、特に殺菌或いは抗菌のための薬品などを
用いることのない抗菌性フィルムおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、家庭、ビルなどの住環境を改
善することを目的として、とくに清潔な環境を提供する
ために様々な工夫がなされている。例えば住宅設備機器
に対しては、殺菌叉は抗菌性を付与する手段として、紫
外線ランプによる紫外線照射法、オゾン酸化法、次亜塩
素酸ナトリウム溶液による洗浄法などによる各種方法が
あり、目的に応じてそれぞれ選択されている。
【0003】また、家具や商品とくに衛生上殺菌叉は抗
菌性を必要とするものには、プラスチックシートや樹脂
成形物の場合は、薬品などのの抗菌剤を樹脂に練り込
む、叉は表面に塗工することにより、殺菌性叉は抗菌性
を保持させている。
【0004】また、銀ゼオライト、金属材料を抗菌剤と
して樹脂に練り込む、叉は、表面に塗工することにより
物品に同様に殺菌叉は抗菌性を付与していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
紫外線照射法、オゾン酸化法は紫外線の発生やオゾンの
発生に特別の装置を必要としており、また、殺菌対象と
なる物品の樹脂の表面変色や劣化を引き起こしたり、長
時間に渡って使用する場合には人体への影響も無視でき
ない問題点を有している。
【0006】また、抗菌剤を予め樹脂に練り込んでお
き、それを素材として利用する場合は、物品の表面にブ
リードアウトした抗菌剤のみが有効となるため、樹脂内
部に存在する抗菌剤はその効果を発揮することができな
いだけでなく、表面に露出する抗菌剤を多くするため
に、多量に混ぜる必要があり、また、抗菌剤の添加は樹
脂の機械的強度、耐候性、耐久性などの物性の低下をも
たらし、さらに薬品を用いるため、人体への安全性も考
慮する必要があった。
【0007】物品に塗工する場合は、抗菌剤の殺菌、抗
菌性の効果を有効に保持、発揮させるために、その表面
に抗菌剤が高濃度で露出させることが必要となるため、
上記したように薬品の安全性など人体への影響を考慮す
る必要があった。
【0008】さらに、薬品以外の無機物を抗菌剤として
同様に樹脂に練り込む、塗工する場合でも樹脂への添加
による物性の低下が生じ、塗工も物品の使用時での剥離
の問題などがあった。
【0009】そこで本発明は、外部環境、とくに人体に
対し安全性が高く、しかも抗菌性を長時間保持可能とす
る抗菌性フィルムを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決すべくなされたものであり、請求項1に記載の発明
は、基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性金属酸化
物と金属からなる薄膜、開孔径が0.1μm〜数十μm
程度、孔密度が10〜500個/cm2の多孔性樹脂を
順次積層してなるとともに、その金属酸化物と金属から
なる薄膜における金属が、基材フィルムとの界面から離
れるに従って濃度が増加する濃度勾配を有することを特
徴とする抗菌性フィルムである。請求項2に記載の発明
は、基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性金属酸化
物と金属塩からなる薄膜、開孔径が0.1μm〜数十μ
m程度、孔密度が10〜500個/cm2の多孔性樹脂
を順次積層してなるとともに、金属酸化物と金属塩から
なる薄膜における金属塩が、基材フィルムとの界面から
離れるに従って濃度が増加する濃度勾配を有することを
特徴とする抗菌性フィルムである。請求項3に記載の発
明は、基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性金属酸
化物と金属と金属塩からなる薄膜、開孔径が0.1μm
〜数十μm程度、孔密度が10〜500個/cm2の多
孔性樹脂を順次積層してなるとともに、金属酸化物と金
属と金属塩からなる薄膜における金属と金属塩の中の金
属原子数の合計が、基材フィルムとの界面から離れるに
従って濃度が増加する濃度勾配を有することを特徴とす
る抗菌性フィルムである。請求項4に記載の発明は、請
求項2に記載の発明は、前記金属酸化物がSixOy
(X=1〜2,Y=0〜3)からなることを特徴とする
請求項1〜3何れかに記載の抗菌性フィルムである。請
求項5に記載の発明は、前記金属が銀または銅のいずれ
か一方、または両方からなることを特徴とする請求項
1,3,4何れかに記載の抗菌性フィルムである。請求
項6に記載の発明は、前記金属塩が銀または銅のいずれ
か一方の塩、または両方の塩からなることを特徴とする
請求項2,3,4何れかに記載の抗菌性フィルムであ
る。請求項7に記載の発明は、前記金属と前記金属塩が
銀または銅のいずれか一方およびその塩、または一方お
よび他方の塩、または両方および一方の塩、または一方
および両方の塩、または両方およびその塩、からなるこ
とを特徴とする請求項3,4何れかに記載の抗菌性フィ
ルムである。請求項8に記載の発明は、前記薄膜にはバ
インダーを含まないことを特徴とする請求項1〜7何れ
かに記載の抗菌性フィルムである。請求項9に記載の発
明は、多孔質性金属酸化物がドライプロセス法により形
成されたものであることを特徴とする請求項1〜8何れ
かに記載の抗菌性フィルムである。
【0011】
【作用】請求項1,2,3における発明は、基材フィル
ムの少なくとも片面に多孔質性金属酸化物と金属または
その塩からなる薄膜を形成することにより、金属酸化物
の多孔質性、言い換えるとネットワーク構造に金属が取
り込まれ、該金属またはその塩から遊離した金属イオン
が金属酸化物と化学的な相互作用し、吸着・貯蔵され、
少しずつ膜表面に溶出しこれにより抗菌性を示す。
【0012】多孔質性の金属酸化物薄膜構造に金属また
はその塩がイオンの形で吸着・貯蔵されるので、金属ま
たはその塩が序々に表面へ溶出するので、安全性ととも
に長期安定した抗菌性を維持出来る。
【0013】また、前記金属酸化物と金属またはその塩
からなる薄膜の金属またはその塩が、基材フィルムとの
界面から該薄膜の最外層に向かって濃度が増加するよう
な濃度勾配を有するような薄膜組成になっているので、
該金属またはその塩が表面へ連続的に溶出しやすくなり
抗菌性が長時間安定維持出来る。さらに、基材フィルム
の少なくとも片面に金属酸化物と金属またはその塩から
なる薄膜、多孔性樹脂、該順次積層したので、薄膜内部
から溶出してきた金属またはその塩が多孔性樹脂の小孔
を介して、表面に一定濃度に制御されて溶出し抗菌性を
与えるために、安全性とともに長期間安定した抗菌性を
維持することが出来る。
【0014】請求項に記載の発明によれば、前記金属
酸化物がSixOy(X=1〜2,Y=0〜3)からな
るので、微小の多孔質性の薄膜構造であり、金属または
その塩がイオンの形で高濃度に吸着・貯蔵され、金属ま
たはその塩が序々に表面へ溶出するので、安全性ととも
に長期安定した抗菌性を維持出来る。
【0015】請求項5,6,7に記載の発明によれば、
金属またはその塩に銀、銅を用いているので、細菌・バ
クテリアなどの増殖抑制効果により抗菌性を示すことが
出来る。
【0016】
【0017】請求項に記載の発明によれば、前記薄膜
にはバインダーを含まないため、高い抗菌性を維持する
ことが出来、その分だけ極めて薄く形成出来る。
【0018】請求項に記載の発明によれば、多孔質性
金属酸化物がドライプロセス法により形成されたもので
あることにより、抗菌剤の見掛けの密度を上げる事が出
来、同じ体積で多くの金属またはその塩を保持すること
が出来る。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0024】図1は、本発明の抗菌性フィルムの一実施
例を示す断面図である。図1の本発明の抗菌性フィルム
は、基材フィルム1の少なくとも片面に金属酸化物と金
属が混在した薄膜2が形成され、必要に応じて微小の孔
4を有する多孔性樹脂3が順次積層されている。
【0025】基材フィルム1は、主に各種天然,合成プ
ラスチツク樹脂からなるフィルムあるいはシート状をさ
し、特に限定したものではない。
【0026】例えば、薄紙、コート紙、上質紙等の紙;
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリビニルアルコー
ル,ポリエチレンテレフタレート,ポリナフタレンテレ
フタレート,ポリ塩化ビニル,ポリフッカビニリデン,
ポリアミド,ポリイミド,ポリカーボネート,ポリ塩化
ビニル、セルロース,メチルセルロース,メチルエチル
セルロース,カルボキシメチルセルース等の汎用プラス
チック、ポリエーテルエーテルケトン,ポリエーテルス
ルフォン,ポリエーテルエーテルイミド,ポリフェニレ
ンスルファイド等のエンジニアプラスチック等が利用で
きる。
【0027】基材フィルムの厚みは特に限定しないが、
6μm〜1mm程度のフィルム状のものからシート状の
ものまで、該薄膜を支持できるものであればいずれも利
用出きる。
【0028】本発明のにおける金属酸化物薄膜2の形成
方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズ
マ蒸着法、イオンプレーテイング法等公知のドライプロ
セスが利用出きる。
【0029】金属酸化物薄膜2材料とは、珪素、マグネ
シウム、アルミニウム、ジルコニウム、チタン、亜鉛、
クロム、ニッケル、コバルト、マンガン、ガリウム、ゲ
ルマニウム、スズ、銀等から選ばれる単一成分もしくは
二以上成分からなる多成分の酸化物薄膜であり、上記特
性を有するものであれば特に限定されない。好ましく
は、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムで
ある。
【0030】金属酸化物薄膜の膜厚としては、2〜20
00nmの範囲であり、好ましくは10〜500nmで
ある。500nmより厚くなると薄膜にクラックが入
り、薄膜が基材フィルムから脱落してしまい好ましくな
い。
【0031】2nmより薄いと後で述べるように、該薄
膜内に混在する金属濃度が低くなるため抗菌効果が不十
分になり好ましくない。
【0032】次に本発明における金属酸化物と混在する
金属材料としては、銀、銅、チタン、亜鉛、ジルコニウ
ム、金、鉄、錫の金属から選ばれる抗菌性材料からな
る。好ましくは、銀、或いは銅いずれか一方または、両
方を含むものである。
【0033】金属酸化物と金属または金属塩からなる薄
膜の金属または金属塩の濃度については、金属酸化物に
対して、0.1%〜数%(重量比)である。
【0034】0.1%未満の濃度であると、抗菌性が不
十分である。数%より高濃度になっても抗菌性は有する
が、高濃度に混在させても抗菌性に向上しない。
【0035】実際の抗菌に対する有効な金属濃度として
は、上記の薄膜から表面へ溶出した0.01〜数ppm
であり、極端に高濃度の金属成分を有する膜にする必要
はない。
【0036】次に金属を金属酸化物薄膜中に混在させる
方法としては、金属材料と金酸化物材料をそれぞれ独立
に所定の蒸発速度に制御して蒸発させて、基材フィルム
上に所定の金属濃度を有する金属酸化物薄膜を得る共蒸
着法、所定の金属濃度を有するスパッタターゲットを用
いて、対向する基材フィルム上に同様に薄膜形成するス
パッタリング法等上記のドライプロセス法が利用出来
る。
【0037】この様に、金属材料と金酸化物材料をそれ
ぞれ独立に所定の蒸発速度に制御して蒸発させて、また
は金属材料と金酸化物材料の混合材料を所定の蒸発速度
に制御して蒸発させて、基材フィルム上に所定の金属濃
度を有する金属酸化物薄膜を得る共蒸着法、所定の金属
濃度を有するスパッタターゲットを用いて、対向する基
材フィルム上に同様に薄膜形成するスパッタリング法、
金属材料と金酸化物材料をそれぞれ独立に所定の蒸発速
度に制御して蒸発させて、成膜過程に公知のプラズマを
発生させ、基材フィルム上に所定の金属濃度を有する金
属酸化物薄膜を得るプラズマ共蒸着法、所定の金属濃度
を有するターゲットを用いてイオンをぶつける、あるい
はイオンプレーテイング法等公知の共ドライプロセスが
利用出きる。
【0038】金属塩は、塩の形をした化合物の事で、イ
オン化が金属酸化物薄膜中で起こってその金属イオンが
溶出する性質のものである必要がある。
【0039】これについては、AgClO2、AgCl
O3、AgClO4、AgNO2、AgNO3、Ag2SO
4、AgSO3NH2、CuCl2、CuBr2、Cu(C
lO3)2、Cu(NO3)2、CuSO4、AgBr、A
gBrO3、AgCN、AgCNO、AgCl、Cu
O、Cu(OH)2、CuSCN、Cu2O等のなかから
選ばれる無機塩を含む水溶液、或いはメタノール、エタ
ノール、プロパノールのアルコール,ノルマルヘキサ
ン、トルエン、キシレン等の脂肪族及び芳香族系炭化水
素,酢酸エチル、メチル−イソブチルケトン、メチル−
エチルケトン等のエステル等の有機溶剤に溶解或いは分
散したもの該金属酸化物薄膜上に公知の方法でコーティ
ング或いは含浸することで、本発明の薄膜を形成するこ
とが出きる。
【0040】例えば、その付与方法としては、グラビア
−コーティング法、ロールコーティング法、エアーナイ
フ法、スピンコート法等いずれの方法でもよく、特に限
定したものではない。本発明における金属酸化物に金属
を混在した薄膜の製造方法については、特に限定したも
のではなく上記の方法以外でも本発明の主旨の範囲であ
ればどのような方法であってもよい。
【0041】次に多孔性樹脂3について説明すると、本
発明における多孔樹脂は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル等の熱可
塑性樹脂或いはポリ尿素、メラミン等が利用できる。
【0042】また塗膜適性を向上させるために、シリ
カ、アルミナ、炭酸カルシウム等の無機充填剤、紫外線
吸収剤、安定剤等の公知の助剤を添加してもいっこうに
かまわない。
【0043】上記樹脂の厚みについいては、0.1〜1
0μmの範囲であり、使用する樹脂の硬度、機械適性等
の特性を考慮して宜選択される。
【0044】上記の樹脂からなるフィルム或いはシート
をレーザー開孔装置や、熱針貫入方式、ダイヤモンドロ
ール方式等による開孔したのち、該薄膜上に積層させる
か、積層した後最外層の樹脂層のみを上記の方法により
開孔して本発明の抗菌性フィルムを得てもよい。
【0045】開孔径とては、0.1μm〜数十μm程
度が必要である。0.1μm以下では、金属薄膜層から
の溶出が少なく抗菌性が不十分になる。他方、数十μm
より大きくなると金属薄膜層からの溶出速度が大きくな
り、初期の抗菌性はあるものの、時間とともに効力が低
下してしまう問題がある。
【0046】また、孔数は、孔密度を基準とし、孔密度
が10〜500個/cm2である。10個未満では抗菌
性が不十分であり、また、500個を越えると樹脂の機
械的強度が低下し、剥離・脱落を引き起こすことがあ
【0047】本発明において、付加的に最外層の基材フ
ィルム上に各種界面活性剤や着色顔料、充填剤を含む樹
脂層をコーティングしたり、文字、絵柄等の印刷層を公
知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、シルク印刷法
で設けてもいっこうにかまわない。
【0048】さらに具体的な実施例について説明する。 (参考例1) 図2に示すような装置を用いて、巻き取りロール11か
ら供給される長尺状の基材フィルム12として二軸延伸
ポリエステルフィルム12μmを用いて、金属酸化物と
して酸化珪素を、金属材料として銀をそれぞれ別の坩堝
A,Bにセットし独立に加熱蒸発させて銀と酸化珪素か
らなる50nmの薄膜を基材フィルム上に連続的に形成
した。
【0049】得られた混合薄膜の銀と酸化珪素の比率を
蛍光X線法により分析したところ、銀が5%含まれてい
た。
【0050】また、X線光電子分光法(ESCA)によ
り膜の厚み方向の銀の分布を調べたところ膜の内部に行
くほど銀の濃度が低くなっていた。
【0051】(実施例2)参考 例1で得たフィルムの薄膜形成面に機械式針により
連続的に孔径0.5μm〜0.8μmの孔密度を120
〜160個/cm2になるように開孔したポリエチレン
フィルム30μmを二液硬化型のポリエステルウレタン
系接着剤を用いて張り合わせた。
【0052】(参考例3) 金属酸化物材料として酸化珪素だけを参考例1と同様に
蒸着させて、片面に50nmのSixOy(X=1〜
2,Y=0〜3)の蒸着フィルムを得た。ついで、この
蒸着フィルムの蒸着面に硝酸銀(AgNO3)を10%
含む水溶液をロールコーティングにより塗布し、乾燥さ
せた。
【0053】(参考例4) 塩化銅(CuCl2)を10%含む水溶液用いて参考
3と同様に試験した。
【0054】(実施例5) 金属酸化物材料として酸化珪素だけを参考例1と同様に
蒸着させて、片面に50nmのSixOy(X=1〜
2,Y=0〜3)の蒸着フィルムを得た。
【0055】ついで、この蒸着フィルムの蒸着面に硝酸
銀(AgNO3)を10%含むポリエチレンイミンのア
ルコール水溶液をアンカー剤に用いて、ポリエチレンを
Tダイ下温度を320℃で熱溶融押し出しコーティング
した。
【0056】得られた複合フィルムのポリエチレン面に
レーザー式開孔装置を用いて孔径1〜3μm、孔密度5
0〜70個/cm2の開孔した。
【0057】(参考例6〜7) 蒸発材料に酸化アルミニウムと酸化マグネシウムを用い
参考例3と同様の試験を実施した。
【0058】(比較例1)参考 例1の基材フィルム上に銀の薄膜50nmをDC
(直流式スパッタリング)スパッタリング法により膜形
成した。
【0059】(比較例2)参考 例1の基材フィルム上に銀ゼオライトを10重量%
含む塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂を3μmの層
厚にグラビアコート法によりコーティングして複合フィ
ルムを得た。
【0060】(比較例3)参考 例1と同様の装置を用いて、市販のゼオライト(ア
ルミノ珪酸塩)を蒸発材料に用いて、同様の試験を実施
したが、蒸着時の真空度が不安定で薄膜形成ができなか
った。
【0061】<試験1> 実施例2、5、参考例1、3、4、6、7および比較例
1〜4で得た試験片を100cm2切り取った。この試
験片の金属薄膜を設けた側の基材フィルム表面と比較例
2においては銀ゼオライトをコーティングした表面を界
面活性剤(TWEEN80)0.1%を添加した滅菌済
みの蒸留水100mlで無菌的に洗った。この洗液の菌
数を普通寒天培地を用いた混釈法により測定した。
【0062】<試験2> さらに、同様に各試験片100cm2を用いて、黄色ブ
ドウ球菌(Staphylococcus aureu
s)の洗浄菌体を100cm2当たり105個となるよう
に塗布した。
【0063】このように放置した試験片を室内で24時
間放置後の菌数を測定した。同様に、一ヶ月後、1年後
の抗菌性を評価した。試験結果を
【0064】
【表1】
【0065】および
【0066】
【表2】
【0067】に示す。
【0068】試験結果からわかるように、実施例2、
5、参考例1、3、4、6、7のものは、初期、一ヶ
月、一年後いずれも良好な抗菌性をしめして、特に実施
例2、5が好ましい
【0069】また、比較例1のものについては初期の抗
菌性はあるものの、時間変化とともに基材2フィルムか
ら銀が脱落し抗菌性が低下している。比較例2のもの
は、初期の抗菌性はあるものの、時間経過とともに抗菌
性が低下している。
【0070】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基材フ
ィルム上に金属酸化物に金属またはもしくは金属塩が混
在する薄膜を形成し、必要に応じて多孔性樹脂を積層し
てなる抗菌性フィルムであることから、公知のゼオライ
ト(結晶性アルミノ珪酸塩)を塗工したものと異なり、
微孔を有する金属酸化物薄膜からなる構造の中に金属元
素が高い含有率で取り込まれ、化学的な相互作用により
吸着・貯蔵された薄膜になっているので、遊離した金属
イオンの溶出を長時間維持できるばかりでなく、実用性
の高い抗菌性を有するフィルムを低コストの方法で提供
できる。
【0071】また、従来の金属が最外層から露出したも
のや銀ゼオライト等の抗菌剤のコーティングや樹脂への
練り込みしたものと異なり、安全性とともに長時間安定
した抗菌性を維持できる。
【0072】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の抗菌性フィルムの断面図
【図2】薄膜形成装置の一例
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 金属酸化物と金属からなる混合膜 3 多孔樹脂層 4 孔 11 巻出しロール 12 基材フィルム 13 巻き取りロール A,B 蒸発坩堝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−226343(JP,A) 特開 平3−75142(JP,A) 特開 平6−79834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性
    金属酸化物と金属からなる薄膜、開孔径が0.1μm〜
    数十μm程度、孔密度が10〜500個/cm2の多孔
    性樹脂を順次積層してなるとともに、その金属酸化物と
    金属からなる薄膜における金属が、基材フィルムとの界
    面から離れるに従って濃度が増加する濃度勾配を有する
    ことを特徴とする抗菌性フィルム。
  2. 【請求項2】基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性
    金属酸化物と金属塩からなる薄膜、開孔径が0.1μm
    〜数十μm程度、孔密度が10〜500個/cm2の多
    孔性樹脂を順次積層してなるとともに、金属酸化物と金
    属塩からなる薄膜における金属塩が、基材フィルムとの
    界面から離れるに従って濃度が増加する濃度勾配を有す
    ることを特徴とする抗菌性フィルム。
  3. 【請求項3】基材フィルムの少なくとも片面に多孔質性
    金属酸化物と金属と金属塩からなる薄膜、開孔径が0.
    1μm〜数十μm程度、孔密度が10〜500個/cm
    2の多孔性樹脂を順次積層してなるとともに、金属酸化
    物と金属と金属塩からなる薄膜における金属と金属塩の
    中の金属原子数の合計が、基材フィルムとの界面から離
    れるに従って濃度が増加する濃度勾配を有することを特
    徴とする抗菌性フィルム。
  4. 【請求項4】前記金属酸化物がSixOy(X=1〜
    2,Y=0〜3)からなることを特徴とする請求項1〜
    3何れかに記載の抗菌性フィルム。
  5. 【請求項5】前記金属が銀または銅のいずれか一方、ま
    たは両方からなることを特徴とする請求項1,3,4何
    れかに記載の抗菌性フィルム。
  6. 【請求項6】前記金属塩が銀または銅のいずれか一方の
    塩、または両方の塩からなることを特徴とする請求項
    2,3,4何れかに記載の抗菌性フィルム。
  7. 【請求項7】前記金属と前記金属塩が銀または銅のいず
    れか一方およびその塩、または一方および他方の塩、ま
    たは両方および一方の塩、または一方および両方の塩、
    または両方およびその塩、からなることを特徴とする請
    求項3,4何れかに記載の抗菌性フィルム。
  8. 【請求項8】前記薄膜にはバインダーを含まないことを
    特徴とする請求項1〜7何れかに記載の抗菌性フィル
    ム。
  9. 【請求項9】多孔質性金属酸化物がドライプロセス法に
    より形成されたものであることを特徴とする請求項1〜
    8何れかに記載の抗菌性フィルム。
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