JP3363528B2 - 光電変換装置及びその駆動方法 - Google Patents

光電変換装置及びその駆動方法

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JP3363528B2
JP3363528B2 JP17622193A JP17622193A JP3363528B2 JP 3363528 B2 JP3363528 B2 JP 3363528B2 JP 17622193 A JP17622193 A JP 17622193A JP 17622193 A JP17622193 A JP 17622193A JP 3363528 B2 JP3363528 B2 JP 3363528B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電変換装置及びその駆
動方法に係り、特に光電変換された信号をトランジスタ
構成部で増幅して出力することが可能な増幅型の光電変
換素子を用いた光電変換装置及びその駆動方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光電変換素子の高精細化に伴っ
て、光電変換信号出力が低下すること等から、光電変換
された信号を増幅して出力することが可能な増幅型の光
電変換素子が注目されている。このような増幅型の光電
変換素子の中には、ユニポーラトランジスタ又はバイポ
ーラトランジスタと同様な構成を有し、制御電極領域と
なるベース又はゲート領域に光照射により生成された電
荷を蓄積し、主電極領域となるエミッタ又はソース領域
から増幅された信号を出力する光電変換素子がある。
【0003】このうち、図27は従来のバイポーラ型セ
ンサを用いた画素の平面図である。同図において、21
はエミッタ領域、22はALなどで形成される出力線、
23はエミッタ領域21と出力線22とを接続するため
のコンタクトホール、24は光電荷を蓄積するところの
ベース領域、25は画素のセンサ動作を行わせるための
polySiなどで形成される駆動線、26はベース領
域24と駆動線25との間に形成される容量COX、27
は隣接する画素のベース領域24をソース、ドレイン領
域として形成されるP型MOSトランジスタのゲート電
極で、駆動線25の一部分から成る。28は画素と画素
とを分離するための厚い酸化膜である。
【0004】図28は図27をX−X′で切った時の断
面図、図29は図27をY−Y′で切った時の断面図で
ある。図28及び図29において、29は薄い酸化膜、
30はY−Y′方向の画素信号を分離するために設けら
れた高不純物濃度のn+ 層、31は空乏層が拡がる低不
純物濃度のn- 層、32はコレクタ領域、33は配線2
2,25を分離するための層間絶縁膜である。
【0005】なお、図28に示されるように、リセット
用のP型MOSトランジスタM(図中、破線領域)は各
画素の水平分離領域に形成されている。P型MOSトラ
ンジスタMのゲートがONすると隣接する画素のベース
領域24が導通しリセットが行われる。反対にゲートが
OFFの時は、P型MOSトランジスタMは画素分離領
域としての役割を担う。
【0006】さらに、図30は上記画素を2次元に並べ
て構成した二次元光電変換装置の等価回路図である。
【0007】図30において、41はバイポーラ型セン
サ(等価的にバイポーラトランジスタ)T、ベースに接
続する容量COX、P型MOSトランジスタMから成る画
素、42は画素41のエミッタに接続する垂直出力線、
43は垂直出力線42をリセットするためのMOSトラ
ンジスタ、44は画素41からの出力信号を蓄積するた
めの蓄積容量、45は出力信号を蓄積容量44へ転送す
るためのMOSトランジスタ、46は水平シフトレジス
タの出力を受け、出力信号を水平出力線47へ転送する
ためのMOSトランジスタ、48は水平出力線27をリ
セットするためのMOSトランジスタ、49はプリアン
プ、50は水平駆動線、51は垂直シフトレジスタの出
力を受けセンサ駆動パルスを通すバッファ用MOSトラ
ンジスタ、52は画素41のクランプ動作を行うため
に、P型MOSトランジスタのソース電位を設定するエ
ミッタフォロワ回路、53はエミッタフォロワ回路52
のベース電位を設定するためのP型MOSトランジス
タ、54はMOSトランジスタ43のゲートにパルスを
印加するための端子、55は転送用のMOSトランジス
タ45のゲートにパルスを印加するための端子、56は
センサ駆動パルスを印加するための端子、57はP型M
OSトランジスタ53のゲートにパルスを印加するため
の端子、58はプリアンプ49に接続される出力端子で
ある。
【0008】図30に示した二次元固体撮像装置は、全
画素が一度にリセットされるタイプのものであり、スチ
ルビデオ用などに利用することができる。
【0009】以下、その動作について説明する。
【0010】最初に、図30の端子57にLowレベル
のパルスを加えてP型MOSトランジスタ53をON状
態とし、エミッタフォロワ回路52の出力を正電位にす
る。このエミッタフォロワ回路52の出力は画素41の
P型MOSトランジスタMのソースに接続しており、ソ
ース電位がゲート電位に比べて、P型MOSトランジス
タMを十分ON状態にするほど高くなれば、P型MOS
トランジスタMを通して、画素のバイポーラ型センサT
のベースにホールが注入される。
【0011】次に端子57にHighレベルのパルスを
加えて、P型MOSトランジスタ53をOFF状態と
し、エミッタフェロワ回路の52の出力をGNDとす
る。
【0012】次に、図30の端子54にHighレベル
のパルスを加えてトランジスタ43をON状態とし、垂
直出力線42をGNDとする(ここまでを第1リセット
と呼ぶ)。
【0013】次に、この状態のまま、垂直シフトレジス
タを駆動し、また端子56に画素のリセットパルスを印
加することで、各行毎に順次画素のリセットを行い、す
べての画素のバイポーラ型センサTのベースを一定電
位、かつ逆バイアス状態にする(ここまでを第2リセッ
トと呼ぶ)。
【0014】次に、光キャリアの蓄積動作を行った後、
図30の端子54にLowレベルのパルスを加えて、M
OSトランジスタ43をOFF状態にし、垂直シフトレ
ジスタの出力によって選択された行毎に、読み出しパル
スを端子56から印加し、MOSトランジスタ45を通
して、蓄積容量44に信号出力を蓄積する。蓄積容量4
4に蓄積された信号出力は、水平シフトレジスタによっ
て選択された転送用のMOSトランジスタ46を通して
水平出力線47に転送され、プリアンプ49を通して出
力端子58から出力される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】まず、上記従来の光電
変換素子の第1の課題について説明する。
【0016】上記光電変換素子はその優れた光電変換特
性を利用してカメラ、FAX用のセンサー素子として実
用化されている。しかしながらセンサー素子の微細化に
伴って (1)受光部面積の減少に伴う光発生キャリア数の減
少。 (2)寄生容量成分の増加に伴う容量分割比の低下。 が生じ、結果として信号成分の減少を生じS/N比の低
下を招いていた。
【0017】従って更なる微細化を進めていくためには
信号成分を可能な限り大きく維持しなければならない。
上記光電変換素子の感度と寄生容量などには次の式で与
えられる関係がある。
【0018】
【数1】 S:感度 Ip:光電流発生密度 Ae:開口面積 ts:蓄積時間 COX:MISゲート電極と制御電極の重なり容量 Cbc:ベース・コレクタ間の接合容量 hFE:Trの電流増幅率 CT :一時電荷蓄積容量 Cvl:垂直ラインによる寄生容量 (1)式から明らかなように開口面積、光電流発生密
度、蓄積時間、hFEが一定であれば感度をできるだけ大
きくするためには前段ではCbc+COXをできるだけ小さ
く、後段ではCvl+CT の値を出来るだけ小さく、Cbc
+COXを前段とは反対にできるだけ大きくすることが望
ましいことが分かる。画素サイズが比較的大きいときは
レイアウトの自由度が高く、各容量値を容易に制御でき
るため、感度は十分高くすることができた。ところが微
細化の進行に伴って画素サイズが小さくなってくるとレ
イアウト自由度はアライメント精度、接合容量成分の増
加などのプロセス的な制約や開口率の低下によって小さ
くなる。デバイス動作上CT の値は最終的に読み出す際
の制約から、COXは飽和電圧を決定する点からそれぞれ
下限値が存在し、またCOXには開口率を維持する点から
上限値が存在している。またCbcに対しては読み出し時
のベース電位をできるだけ高くするために小さく、読み
出し動作による容量分割による電位低下を最小限にする
ためにはより大きいという矛盾した要求がある。従って
感度を最大にするためには、COX、CT 、の値を動作上
の要求から決定し、Cbcの最適値を設定し、Cvlを最小
にすることが望ましいが従来の構造ではCvlを決定する
主要因である、Cbeはエミッタサイズによって決定され
るためほとんど減少させることができず結果として画素
サイズが小さくなると感度が低下していくという傾向が
あった。
【0019】次に上記従来の光電変換素子の第2の課題
について説明する。また、図30に示した二次元光電変
換装置は、既に説明したように、第1のリセットは同時
に行われるが、その後の画素のバイポーラ型センサTの
ベースを一定電位、かつ逆バイアス状態にする第2のリ
セット動作は各行の画素毎に順次行われるため、蓄積動
作の開始は各行の画素によって異なることになる。また
蓄積動作は読み出し動作の開始直前に終了するが、読み
出し動作は各行の画素毎に順次行われるため、蓄積動作
の終了も各行の画素によって異なることになる。
【0020】従って、各行毎に蓄積時間の開始時、終了
時にズレを生じ、高速な動画を撮像する場合、出力画素
がゆがむことがあった。特に動画をスチル画像として読
み取る場合、この傾向が著しかった。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、光エネルギー
を受けることによりキャリアを生成する複数の画素を2
次元状に配置した光電変換装置において、各画素は、前
記キャリアを蓄積するキャリア蓄積領域と、信号読み出
し用トランジスタと、前記キャリア蓄積領域に蓄積され
たキャリアを前記信号読み出し用トランジスタに転送す
る転送スイッチと、を有し、前記転送スイッチによって
前記キャリア蓄積領域に蓄積された前記キャリアを前記
信号読み出し用トランジスタに全画素一括転送させるこ
とを特徴とする。
【0022】
【0023】また本発明は、光エネルギーを受けること
によりキャリアを生成する複数の画素が2次元状に配置
され、各画素は、前記キャリアを蓄積するキャリア蓄積
領域と、信号読み出し用トランジスタと、前記キャリア
蓄積領域から蓄積されたキャリアを前記信号読み出し用
トランジスタに転送する転送スイッチと、を有する光電
変換装置の駆動方法において、 リセットスイッチと前記
転送スイッチとを導通させて、前記キャリア蓄積領域及
び前記信号読み出し用トランジスタの制御電極領域を初
期電位に全画素一括リセットするリセット動作と、前記
キャリアを前記キャリア蓄積領域に全画素同時に蓄積を
開始する蓄積動作と、前記転送スイッチを導通させて、
前記キャリア蓄積領域に蓄積された前記キャリアを前記
信号読み出し用トランジスタの前記制御電極領域に全画
素一括転送する動作と、転送されたキャリアに基づく信
号を前記信号読み出し用トランジスタから読み出す動作
と、を行うことを特徴とする。
【0024】なお上記本発明の光電変換装置において、
特に上記第2の課題を解決する構成としては、光エネル
ギーを受けることにより生成されるキャリアを蓄積する
光信号蓄積手段(キャリア蓄積領域)と、該光信号蓄積
手段から転送されたキャリアを保持する光信号保持手段
と、該光信号蓄積手段と該光信号保持手段との間の導通
を制御する第1のスイッチ手段(第2のトランジスタ)
と、前記光信号蓄積手段を所定の電圧源に接続する第2
のスイッチ手段(第3のトランジスタ)とを有する光電
変換セルを複数備えるとともに、前記第1のスイッチ手
段を全光電変換セル一括して動作させる第1の制御手段
と、前記第2のスイッチ手段を全光電変換セル一括して
動作させる第2の制御手段と、を備えた光電変換装置で
あって、前記第1の制御手段は前記光信号蓄積手段から
前記光信号保持手段へキャリアを転送する手段であり、
前記第2の制御手段は前記光信号蓄積手段を所定の電位
にリセットする手段である構成が望ましい。
【0025】
【作 用】本発明は、図27〜図30に示したような光
電変換装置の更なる微細化に寄与しようとするものであ
り、従来画素ごとにトランジスタを設けて、制御電極領
域に光発生キャリアを蓄積し、該制御電極領域に接する
主電極領域の一つから信号を読み出していたものを、本
発明では、光発生キャリアを蓄積するキャリア蓄積領域
を、読み出し動作を行うトランジスタの制御電極領域と
は別に設けて、該キャリア蓄積領域に蓄積したキャリア
を該制御電極領域に転送するようにした。ここで、制御
電極領域に対して線対称にキャリア蓄積領域を配置すれ
ば、信号を出力する主電極の数は従来の1/2、つまり
2画素に対して一個の主電極を共用することができ、C
vlの値は従来に比較して50〜70%程度にすることが
可能となる。また従来一画素の中心部分に存在した信号
を出力する主電極領域を画素の分離部にずらすことによ
り有効開口面積が20〜30%前後増大する。これらの
効果の集積として感度の上昇が図れる。
【0026】本発明は、 第1のリセット動作で、複
数のキャリア蓄積領域及び前記制御電極領域を初期電位
に設定し、 次の蓄積動作で、光照射により生成され
るキャリアをキャリア蓄積領域に蓄積し、 次の転送
動作で、複数の絶縁ゲート型トランジスタの一つを導通
させて、キャリア蓄積領域の一つに蓄積されたキャリア
を制御電極領域に転送し、 次の読み出し動作で転送
されたキャリアによって一義的に決定される前記制御電
極領域の電位を読み出し、 読み出した後に第2のリ
セット動作で、前記制御電極領域の電位を初期化し、
他のキャリア蓄積領域について、〜の動作によ
り、転送、読み出し、リセットの各動作を行う。
【0027】本発明において、少なくとも、キャリアを
蓄積する光信号蓄積手段と、該光信号蓄積手段からのキ
ャリアを保持する光信号保持手段と、該光信号蓄積手段
と該光信号保持手段との間の導通を制御する第1のスイ
ッチ手段と、前記光信号蓄積手段を所定の電圧源に接続
する第2のスイッチ手段とで光電変換セルを構成し、第
1の制御手段により前記光信号蓄積手段から前記光信号
保持手段へキャリアを全光電変換セル一括して転送して
蓄積動作を終了させるとともに、前記光信号蓄積手段を
全光電変換セル一括して所定の電位にリセットした後蓄
積動作を開始させることで、蓄積動作の開始と終了とを
全画素一致させることができる。なお、前記光信号保持
手段のリセットは光信号蓄積手段のリセットと同時に行
われても、個別に行われても良い。
【0028】以下、本発明の実施態様例について説明す
る。図24は本発明の一実施態様を示す模式図であり、
(a)は光電変換装置の上面を、(b)はXX′線によ
る断面を、(c)は等価回路をそれぞれ示している。受
光部はp領域12とn- 領域3とからなるホトダイオー
ドPDで構成され、第1のトランジスタはn+ 領域2と
- 領域3とをコレクタ、p領域9をベース、n領域1
0をエミッタとするバイポーラトランジスタQで構成さ
れている。
【0029】そして、ホトダイオードPDとバイポーラ
トランジスタQとは、第2のトランジスタとしてのpM
OSトランジスタMTを間に介して選択的に2つのp領
域9,12が導通する。ここで、CP は蓄積容量、CBC
はベース・コレクタ容量、VCCはコレクタ及びホトダイ
オードのカソードを逆バイアスする為の電位を与える基
準電圧源である。
【0030】次に基本動作について説明すると、トラン
ジスタMTがオフ状態で光がホトダイオードに入射する
とホールがp領域12に蓄積される。次にトランジスタ
MTをオンして、光電荷をベースとしてのp領域9に転
送する。再びトランジスタMTがオフした後は、ベース
に蓄積されたキャリアに基づいて増幅された信号をエミ
ッタより取り出す。
【0031】本発明に用いられる第1のトランジスタと
してはバイポーラトランジスタやユニポーラトランジス
タが用いられる。特に後者としては接合ゲートを有する
FETやSITが好ましい。本発明に用いられる第2の
トランジスタとしては、絶縁ゲート型トランジスタが好
ましく用いられ、特にMOSトランジスタが望ましい。
【0032】更に第1のトランジスタや、第2のトラン
ジスタの一部分は遮光されることが好ましい。
【0033】そしてホトダイオードは1つの第1のトラ
ンジスタに対して複数設けられれば感度を上げ、開口率
を向上させることができる。
【0034】図25は図24の光電変換装置を1画素と
して3つの画素をアレイ状に配した装置(ラインセン
サ)である。この画素は図24の構成に加えてリセット
用のトランジスタが第3のトランジスタとして更に加え
られている。
【0035】第3のトランジスタMRはp領域12,2
0をソース・ドレインとし、11をゲート電極とするp
MOSトランジスタであり、p領域20はリセット用の
基準電位に保持されている。
【0036】この場合も、図25の(b)に示すよう
に、ホトダイオード以外の領域を絶縁層14を介して設
けられた遮光層により遮光することが好ましい。
【0037】この図25の例では図24の例における蓄
積動作の前にゲート電極11に負電圧を与えてpMOS
トランジスタMRをオンさせてホトダイオードをリセッ
トすることが望ましい。
【0038】図26は図25の装置の動作を説明する為
の図であり、(a)は回路を、(b)はパルスタイミン
グをそれぞれ示している。まずリセット動作として、端
子φ BRS ,φT に負パルスが、φTTに正パルスが印加さ
れて第1リセットが行われる。この時各ホトダイオード
のアノードとバイポーラトランジスタのベースはリセッ
ト用の基準電位VBBに保持される。次に端子φERS に正
パルスが印加されてバイポーラトランジスタのエミッタ
及び容量CT がリセット用の基準電位VEEにリセットさ
れる。こうして、バイポーラトランジスタのベース・エ
ミッタ間が順バイアスされてキャリアがリセットされ
る。この時、ttのように固定パターンノイズを抑える
為にφT のパルスが立上がってから、φERS のパルスを
立下げることが望ましい。
【0039】こうして、リセット動作が終ると次は蓄積
動作にはいる。この時はトランジスタMR,MT1 ・・・
MT3 ,M1 ・・・ M3 ,MV1 ・・・ MV3 ,MH1 ・・・
MH3 は全てオフしている。
【0040】次に読み出し動作にはいると、φT のパル
スによってMOSトランジスタMT1 ・・・ MT3 がオン
して、バイポーラトランジスタQ1 ・・・ Q3 のベースに
同時にキャリアが転送される。次にφTTのパルスにより
トランジスタM1 ・・・ M3 がオンするとエミッタは読み
出し容量負荷CT に接続され、該容量負荷CT にベース
に蓄積されたキャリアに基づく信号が読み出される。そ
の後はシフトレジスタの動作により時系列化された3つ
の信号がアンプAmp を通して出力される。
【0041】もちろん、画素を2次元に配すればエリア
センサになることは言うまでもない。
【0042】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
詳細に説明する。 (実施例1)図1は本発明による光電変換装置の一実施
例の2画素(2つの光電変換セル)分の平面図、図2は
図1のA−A′断面図、図3は図1のB−B′断面図、
図4は図1のC−C′断面図、図5は図1の容量部C1
及びその近傍の断面図である。また図6は4画素分の等
価回路である。なお図1においては理解の容易化のため
配線、絶縁層等は省略してある。
【0043】本実施例の光電変換装置は、図6に示すよ
うに、二つのキャリア蓄積領域PD1 ,PD3 に対応し
て二つの第2のトランジスタMT1 ,MT3 (絶縁ゲー
ト型トランジスタ、図1,図2に図示)が設けられてお
り、キャリア蓄積領域PD1,PD3 にキャリアを蓄積
し、このMOSトランジスタMT1 ,MT3 を通して蓄
積されたキャリアが順次1つのバイポーラトランジスタ
1 のベース領域(制御電極領域)B3 に送られる。こ
のベース領域B3 の電位を容量部C1 ,C3 を介して制
御することにより、ベース領域B3 に転送されたキャリ
アに基づく信号がエミッタ領域(第一の主電極領域)1
0、配線15を介して出力される。キャリア蓄積領域P
1 ,PD3 の残留電荷はそれぞれ二つの第3のトラン
ジスタMR1 ,MR3 (絶縁ゲート型トランジスタ)を
ONすることで放電され、所定の電位VBGに設定され
る。MOSトランジスタMR1 ,MR3 がOFF状態の
ときはキャリア蓄積領域PD1 ,PD3 は互いに電気的
に絶縁された状態となる。
【0044】図1〜図5において、1はN型半導体基
板、2はN型拡散層、3はN型エピタキシャル層、4は
素子分離領域であるフィールド酸化膜、7はゲート酸化
膜、8a,8bはMOSトランジスタMT1 ,MT3
ゲート電極となるポリサイド膜、9はバイポーラトラン
ジスタQ1 のベース領域となるとともに、MOSトラン
ジスタMT1 ,MT3 のソース領域(又はドレイン領
域)となるP型領域、10はバイポーラトランジスタQ
1 のエミッタ領域となるN型領域、11はMOSトラン
ジスタMR1 ,MR3 のゲート電極となるとともに、図
5に示すような容量C1 ,C3 を構成する電極となる電
極である。また12はキャリア蓄積領域PD1 ,PD3
を構成するP型領域、13は層間絶縁膜(BPSG
膜)、14は層間絶縁膜(PSG膜)、15は第1AL
層、16は第2AL層、17はパッシベーション膜であ
る。
【0045】以下、上記構成の光電変換セルの製造方法
を図7〜図17を用いて説明する。なお、図8,図1
1,図14は図1のA−A′断面に対応する図、図9,
図12,図15は図1のB−B′断面に対応する図、図
10,図13,図16は図1のC−C′断面に対応する
図である。ここで、図8、図9、図11、図12、図1
4、図15については、簡易化のため素子領域19の大
きさを縮小して示してある。
【0046】N型の半導体基板1は、比抵抗0.01Ω
cm〜10Ωcmのものを用いる。これにまずN型の拡
散層2をAsを不純物としてイオン注入法と熱拡散法に
よって深さ0.1〜1μm、表面濃度1E17〜1E2
0個/cm3 程度導入する。次にエピタキシャル法を用
いて成長層濃度5E13〜5E15個/cm3 、厚さ3
〜15μm程度のN型エピタキシャル層3を形成する
(図7)。
【0047】次に、選択酸化法を用いて素子形成領域1
9と素子分離領域であるフィールド酸化膜4を形成す
る。この時のパッド酸化膜5を100〜500Å、減圧
CVD法による窒化膜を1000〜3000Å、フィー
ルド酸化膜4を4000〜10000Å程度の厚さとす
る(図8〜図10)。
【0048】なお周辺駆動回路をCMOSトランジスタ
で形成するためにウェル拡散が必要な場合や高濃度のN
型拡散層が必要な場合は選択酸化法を行う前にこれらの
工程を完了させておくことは言うまでもない。
【0049】次にパッド酸化膜5を除去し素子形成領域
をエッチングにより露出させた後、1000〜3000
Å程度の酸化を行い、再びこの酸化膜を除去し、改めて
ゲート酸化膜7を100〜500Å程度ドライ酸化によ
って形成する。続いて減圧CVD法によってポリシリコ
ン膜を2000〜4000Å形成し1000〜2000
Å程度のW膜を減圧CVD法もしくはスパッタ法によっ
て形成し、これらの積層膜を熱処理によってポリサイド
化する。
【0050】続いてフォトエッチングによって所望の部
分のみにポリサイド膜8a,8bが残るようにフォトエ
ッチングで加工し、熱酸化によってポリサイド上に酸化
膜を100〜1000Å程度成長させる。次に水平方向
の画素間分離と制御電極の電位制御機能を合わせ持つ電
極11、及び周辺回路をCMOSトランジスタで形成す
る場合のゲート電極となるポリシリコン膜を減圧CVD
法によって2000〜4000Å程度形成する。またポ
リサイド化が必要な場合は続いてW膜をやはり減圧CV
D法もしくはスパッタ法によって1000〜2000Å
形成し、熱処理によるポリサイド化を行ってから所望の
部分を残してフォトエッチング法を用いて除去する。こ
の段階でイオン注入法と熱拡散法を用いてキャリア蓄積
領域となるp型領域12、及びベース領域等となるP型
領域9を同時にかつフィールド酸化膜とポリサイド膜に
よって自己整合的に形成する。今回用いた条件は、ホウ
素イオン1E12〜4E12個/cm2 を40keVで
イオン注入し1100℃の不活性気体雰囲気中で1〜3
hrs熱処理を行った。続いてフォトリソグラフィ工程
とイオン注入法によってエミッタ領域10と周辺回路に
NMOSトランジスタが存在する場合はNMOSトラン
ジスタのソース・ドレイン領域を同時に形成する。本実
施例ではAsイオンを1E15〜1E16個/cm2
度を100keVにて注入している(図11〜図1
3)。
【0051】また周辺回路をCMOSトランジスタで作
成する場合のPMOSトランジスタの形成、P型の拡散
層へのオーミックコンタクト用高濃度層形成もこれに続
いてイオン注入法によって行う。
【0052】次に配線間を絶縁するためのCVD膜13
を常圧CVD法によって5000〜9000Å形成す
る。この工程ではそれに続く配線形成工程に対して有利
なBPSG膜が用いられるのが一般的であり、ここでも
BPSG膜を採用している。これに引き続いてリフロー
工程を行って平坦化処理と前の工程で注入したイオンの
活性化を行う。さらにフォトエッチングによってコンタ
クトホールの形成を行い、スパッタによる6000〜1
0000Å程度のAL−Si成膜及び配線パターン15
の形成をフォトエッチングで行う。アロイ工程を経た
後、常圧CVD法によるPSG膜14を6000〜10
000Å形成する(図14〜図16)。
【0053】ふたたびフォトエッチング法を用いてスー
ルーホールを開孔して第2層目と第1層目のAL−Si
の接続が所望の部分で行えるようにし、スパッタを用い
て第2層目のAL−Si16を8000〜12000Å
程度成膜し、不要な部分の第2層目のAL−Siをフォ
トエッチングによって除去した後アロイ工程を行い、最
後にパッシベーション膜であるプラズマ窒化膜17を6
000〜12000Å程度プラズマCVD法によって形
成し、ボンディングパッドをフォトエッチングによって
開孔して完成する(図2〜図4、図17)。
【0054】以下、上述した光電変換装置の動作につい
て図6の等価回路及び図18のタイミングチャートを参
照しつつ説明する。
【0055】まず、全画素の初期化を行うための第1の
リセット動作を行う(T1)。φ1,φ2 をハイレベル
とし、容量C1 ,C3 を介してベース領域B3 をエミッ
タ領域に対して順方向にバイアスして、キャリアを放電
させ、その後、φ1 ,φ2 をロウレベルとし、φ3 ,φ
4 をロウレベルとすると光電変換セルのMOSトランジ
スタがON状態となって全ての画素の電位が一定
(VBG)になる。
【0056】次に光発生キャリアを蓄積するための蓄積
動作を行う(T2)この時MOSトランジスタMR1
MR3 ,MT1 ,MT3 (MR2 ,MR4 ,MT2 ,M
4)は全てオフされており、光によって発生したホー
ルがキャリア蓄積領域PD1,PD3 (PD2 ,PD
4 )に蓄積される。以下簡単のため、図の左側二画素分
のみについて説明するが、右側二画素についてもまった
く同等の動作を行っている。
【0057】次にΦ3をロウレベルとして、キャリア蓄
積領域PD1 で発生したキャリアをMOSトランジスタ
MT1 を通じてベース領域B3 へ転送する(T3)。次
に転送されたキャリアを読み出し用のパルスΦ1によっ
て読み出す(T4)。この時MOSトランジスタMR1
は当然オフのままでベース領域と電極との重なり容量C
1 のみでベース領域B3 の電位がエミッタ領域に対して
順バイアスされ、バイポーラトランジスタQ1 のトラン
ジスタ動作が起こる。
【0058】続いてΦ1,Φ3をロウレベルとしてMO
SトランジスタMR1 ,MT1 をオンし、キャリア蓄積
領域PD1 で発生したキャリアをリセットするための動
作を行う(T5)。これによりベース領域B3 は再び初
期電位に設定される。次にキャリア蓄積領域PD2 で発
生したキャリアをT6〜T8によって同様に転送、読み
出し、リセットを行い一連の動作を完了し再びT1に戻
る。
【0059】なお、以上説明した実施例では、ベース領
域の電位を制御するための容量C1,3 を設けている
が、本発明はかかる容量を設けない場合にも用いること
ができる。
【0060】以上のように、本実施例では1つの増幅用
バイポーラトランジスタに対して、複数の光電変換部で
あるホトダイオードを順次選択的に接続することによ
り、開口率を向上させ、感度を高めることができる。 (実施例2)図19は本発明による光電変換装置の第2
実施例の構成を示す等価回路図である。
【0061】本実施例では、簡便化のため、垂直方向に
2画素、水平方向に2画素の合計4画素の場合について
説明する。
【0062】同図に示すように、各画素S(図中、破線
領域)は、第2のスイッチ手段となるリセット用スイッ
チトランジスタMR11〜MR22、第1のスイッチ手段と
なる転送用トランジスタMT11〜MT22、信号読出し用
トランジスタQ11〜Q22、及びホトダイオード等の光信
号蓄積手段となる光電荷蓄積容量CP11 〜CP22 、信号
保持容量CB11 〜CB22 、制御容量COX11〜COX22から
構成されており、これらのうち、光電荷蓄積容量CP11
〜CP22 の部分は上部から光が照射され、それ以外の部
分は光が進入しない様に遮光されている。なお、信号保
持容量CB11 〜CB22 、制御容量COX11〜COX22は光信
号保持手段を構成し、ここでは信号保持容量CB11 〜C
B22 は信号読出し用トランジスタQ11〜Q22のベース容
量である。
【0063】以下、上記実施例の光電変換装置の動作に
ついて、図20のタイミングチャートを用いて説明す
る。
【0064】まず、φT1のパルスをLow レベルにし、P
MOSトランジスタMT11〜MT22をON状態にし、光
電荷蓄積容量CP11 〜CP22 と信号保持容量CB11 〜C
B22とを同電位とする。なお、φT1のパルスをPMOS
トランジスタMT11〜MT22に与える共通配線、φT1
パルス発生手段(不図示)が第1の制御手段を構成す
る。
【0065】次に、φT1のパルスをLow レベルにしたま
ま、φBRのパルスをLow レベルにすると(このとき、V
BBをこのLow レベルよりPMOSトランジスタの閾値電
圧以上高く設定しておく)、PMOSトランジスタMT
11〜MT22、及びMR11〜MR22がON状態となり、各
画素の光電荷蓄積容量CP11 〜CP22 、信号保持容量C
B11 〜CB22 は初期電位にリセットされる(第1のリセ
ット)。なお、φBRのパルスをPMOSトランジスタM
R11〜MR22に与える共通配線、φBRのパルス発生手段
(不図示)が第2の制御手段を構成する。
【0066】次に、φVCのパルスをHighレベルにし、N
MOSトランジスタMV1 ,MV2をON状態にし、各
画素のエミッタ電位をVVCにする。この状態のまま、下
記のパルス数2によりMOSトランジスタMP1 ,MP
2 をON状態として、水平駆動線VL1 ,VL2 をHi
ghレベル(電位VCC)にし、水平駆動線VL1 ,VL
2 を同時にHighレベルまで立上げることで、制御容量C
OX11〜COX22を介して信号読出し用トランジスタQ11〜
Q22のベース領域の電位を上昇させて、ベース・エミッ
タ間を順方向にバイアスして残留電荷を放電させ、全画
素同時にリセット動作を行なう。その後φRES によりM
OSトランジスタMN1 ,MN2 をON状態として、水
平駆動線VL1 ,VL2 を同時にLow レベル(GND)
まで立下げ、各画素の光電荷蓄積容量CP11 〜CP22 、
信号保持容量CB11 〜CB22 の電位を一定電位、且つ逆
バイアスにする(第2のリセット)。なお、NOR回
路、パルスφRES ,パルス数2のパルス発生手段(不図
示)、MOSトランジスタMN1 ,MN2 、MOSトラ
ンジスタMP1 ,MP2 が第3の制御手段を構成する。
【0067】上記第2のリセット終了後、φT1にHighの
パルスを加え、PMOSトランジスタMT11〜MT22を
OFF状態とすると、光電荷蓄積容量CP11 〜CP22 で
表わされるホトダイオード部で光キャリアの蓄積動作が
全画素同時に開始される。
【0068】次に蓄積動作終了後、φT1のパルスを一定
期間Low レベルにすることで、光電荷蓄積容量CP11 〜
P22 のキャリアが信号保持容量CB11 〜CB22 に転送
される。
【0069】この時の転送効率は、 で表わされる(m,nは1又は2)。
【0070】その後、パルスφR を垂直シフトレジスタ
の出力が印加されるNMOSトランジスタで選択し、水
平駆動線VL1 ,VL2 に印加し、φT2のパルスにより
制御されるMOSトランジスタM 1,M2 を通して、容
量CT1,CT2に信号を読み出す。
【0071】容量CT1,CT2に読み出された信号は、水
平シフトレジスタによって選択される転送用のMOSト
ランジスタMH1,MH2を通して水平出力線100に
転送され出力アンプ101を通して出力端子102から
出力される。なお水平出力線100のリセットはφHRS
のパルスをHighレベルにすることで行われる。
【0072】以上説明したように、本実施例において
は、全画素同時に蓄積動作が行われ、且つ同時に終了す
る。
【0073】なお、本実施例においては、画素数が増大
した場合であっても、垂直シフトレジスタの出力が印加
されるNMOSトランジスタだけのサイズを大きくして
ON(オン抵抗値)を低減させることができるため、垂
直方向の画素ピッチが狭くなったり、水平方向の画素数
が多くなっても、上述したNOR回路等の第3の制御手
段の占有面積を増大させることはない。 (実施例3)なお、上記第2実施例においては、第2の
リセットが終了し、φT1のパルスを立ち上げてPMOS
トランジスタMT11〜MT22をOFF状態とした直後
に、全画素の蓄積動作を開始したが、PMOSトランジ
スタMT11〜MT22を蓄積動作中ON状態とし、蓄積動
作とともに転送動作を行い(即ち、光電荷蓄積容量CP1
1 〜CP22 で発生したキャリアは、即、信号保持容量C
B11 〜CB22 に転送される。)、蓄積(転送)動作終了
時に、PMOSトランジスタMT11〜MT22をOFF状
態となる様にパルスφT1を印加しても何ら問題はない。
この時の光電荷蓄積容量CP11 〜CP22 から信号保持容
量CB11 〜CB22 への転送効率は1となる。 (実施例4)上記第2実施例では、NOR回路、パルス
φRES ,パルス数2のパルス発生手段(不図示)、MO
SトランジスタMN1 ,MN2 、MOSトランジスタM
P1,MP2 で第3の制御手段を構成し、垂直シフトレ
ジスタの出力信号をNMOSトランジスタとNOR回路
とに入力していたが、 垂直シフトレジスタの出力はφR のHighレベルより
NMOSトランジスタのVth(スレッシュホールドレベ
ル)分高いレベルとしないと、水平駆動線VL1 ,VL
2 にφR のパルスが印加されない。
【0074】 デバイスの微細化(MOSのL縮少)
が進んだ場合、前記第3の制御手段等の素子数の低減が
望まれる。
【0075】そこで、本実施例では、図21に示すよう
に、垂直シフトレジスタの出力信号とパルスφRES とを
OR回路に入力し、このOR回路を水平駆動線VL1 ,
VL2 に接続した。かかる構成において、第2のリセッ
ト時にはφRES のパルスをHighレベルにし、水平駆動線
VL1 ,VL2 を同時にHighレベルまで立上げ、φRES
のパルスをLow レベルにして、水平駆動線VL1 ,VL
2 をLOWレベルにする。
【0076】また、読み出し時には、垂直シフトレジス
タの出力により、選択された行毎に読み出しパルスV1
,V2 を水平駆動線VL1 ,VL2 に印加する。本実
施例の駆動パルスは図22のようになる。
【0077】本実施例によれば、第3の制御手段はOR
回路、パルスφRES のパルス発生手段(不図示)のみで
構成できるとともに、全てのパルスのHighレベルを同一
にすることができる。 (実施例5)上記第4実施例では、例えば、図21の右
上の画素の強い光が照射された場合、光電荷蓄積容量C
P12 の電位が上昇し、ある程度以上になると、PMOS
トランジスタMR12又はMT12を通して、ホールが隣接
の信号保持容量CB11 又はCB12 に流入し、電位を上げ
てしまう場合がある。その結果、光が照射されていない
左上の画素が光偽信号を出力してしまうという問題が考
えられる。
【0078】そのため、本実施例は、図23に示すよう
に、PMOSトランジスタMR11〜MR22のソース端子
を各画素から配線で引き出す構造にし、さらにベース・
リセット・パルスφBRのHighレベルをVCC以下の適
当な値に設定することにする。その結果、右上の画素に
強い光が照射され、光電荷蓄積容量CP12 の電位が上昇
しても、PMOSトランジスタMR12を通過したキャリ
アは電源VBBに流入することになり、隣接画素間での偽
信号を防止できる。なお、動作のタイミングは第4実施
例と全く同様である。
【0079】図31は本発明の光電変換装置を用いた通
信システム、ファクシミリ、ビデオレコーダー等の信号
処理システムの構成を示すブロック図である。
【0080】ORは画像情報等を担持したオリジナル、
601は結像レンズ、602は本発明の光電変換装置で
ある。装置602は簡単な通信システムであれば、単体
デバイスが採用され、ファクシミリ等であればラインセ
ンサー、ビデオレコーダーであればエリアセンサーの構
成を採用する。
【0081】603は中央演算装置を含む制御回路であ
り、入力ライン612、出力ライン610、電源供給ラ
イン611を介して装置602に接続されている。60
4は記録制御回路であり、記録ヘッド605と接続され
情報を記録媒体606に書き込む。記録ヘッド605は
ビデオレコーダーの場合は磁気ヘッドであり、ファクシ
ミリの場合はサーマルヘッドやインクジェットヘッドで
ある。
【0082】そして記録ヘッド605は通信システムの
場合には、ケーブルを介して別の場所におかれた記録装
置で代用される。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の工程を変更することなく、信号を出力する主電極
を従来の半分の個数にすることが可能となる。この結果
として信号線の寄生容量Cvlの値は従来に比較して50
〜70%程度にすることが可能となる。また従来一画素
の中心部分に存在した主電極領域が画素の分離部に移動
し、有効開口面積を20〜30%前後増大させることが
できる。
【0084】また、この構造を持った光電変換装置を動
作させる本発明によれば、寄生容量Cvlの低減、有効開
口面積の増大等の効果の集積として感度を従来に比較し
て約30〜80%上昇させることができる。
【0085】また本発明によれば、蓄積動作の開始と終
了とを全画素一致させることができ、高速な動画を撮像
する場合においても、出力画素のゆがみを防ぐことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光電変換装置の一実施例の2画素
(2つの光電変換セル)分の平面図である。
【図2】図1のA−A′断面図である。
【図3】図1のB−B′断面図である。
【図4】図1のC−C′断面図である。
【図5】図1の容量部C1 及びその近傍の断面図であ
る。
【図6】上記実施例の4画素分の等価回路図である。
【図7】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す断
面図である。
【図8】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す断
面図である。
【図9】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す断
面図である。
【図10】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図11】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図12】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図13】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図14】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図15】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図16】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
断面図である。
【図17】上記実施例の光電変換装置の製造方法を示す
平面図である。
【図18】上記実施例の光電変換装置の動作を示すタイ
ミングチャートである。
【図19】本発明による光電変換装置の第2実施例の構
成を示す等価回路図である。
【図20】上記第2実施例の光電変換装置の動作を示す
タイミングチャートである。
【図21】本発明による光電変換装置の第4実施例の構
成を示す等価回路図である。
【図22】上記第4実施例の光電変換装置の動作を示す
タイミングチャートである。
【図23】本発明による光電変換装置の第5実施例の構
成を示す等価回路図である。
【図24】本発明の一実施態様による光電変換装置を説
明する為の模式図である。
【図25】本発明の別の実施態様による光電変換装置を
説明する為の模式図である。
【図26】図25の装置の動作を説明する為の模式図で
ある。
【図27】従来のバイポーラ型センサを用いた画素の平
面図である。
【図28】図27をX−X′で切った時の断面図であ
る。
【図29】図27をY−Y′で切った時の断面図であ
る。
【図30】図27の画素を2次元に並べて構成した二次
元光電変換装置の等価回路図である。
【図31】本発明の光電変換装置を用いた信号処理シス
テムのブロック図である。
【符号の説明】
MR1 〜MR4 PMOSトランジスタ MT1 〜MT4 PMOSトランジスタ PD1 〜PD4 キャリア蓄積領域 B3 ベース領域 Q1 ,Q2 バイポーラトランジスタ 1 N型半導体基板 2 N型埋め込み層 3 N型エピタキシャル層 4 フィールド酸化膜 5 パッド酸化膜 7 ゲート酸化膜 8a,8b 第一ポリサイド電極 9 P型領域(ベース領域) 10 N型領域(エミッタ領域) 11 第二ポリサイド電極 12 P型領域(キャリア蓄積領域) 13 層間絶縁膜(BPSG) 14 層間絶縁膜(PSG) 15 第一AL層 16 第二AL層 17 パッシベーション膜 MR11〜MR22 リセット用スイッチトランジスタ MT11〜MT22 転送用トランジスタ Q11〜Q22 信号読出し用トランジスタ CP11 〜CP22 光電荷蓄積容量 CB11 〜CB22 信号保持容量 COX11〜COX22 制御容量
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−4681(JP,A) 特開 平3−250983(JP,A) 特開 平3−218671(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 27/146 H01L 21/8249 H01L 27/06 H04N 5/335

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光エネルギーを受けることによりキャリ
    アを生成する複数の画素を2次元状に配置した光電変換
    装置において、 各画素は、前記キャリアを蓄積するキャリア蓄積領域
    と、信号読み出し用トランジスタと、前記キャリア蓄積
    領域に蓄積されたキャリアを前記信号読み出し用トラン
    ジスタに転送する転送スイッチと、を有し、 前記転送スイッチによって前記キャリア蓄積領域に蓄積
    された前記キャリアを前記信号読み出し用トランジスタ
    に全画素一括転送させることを特徴とする光電変換装
    置。
  2. 【請求項2】 前記全画素のキャリアが前記信号読み出
    し用トランジスタに一括転送された後に、前記キャリア
    が前記信号読み出し用トランジスタから行毎に読み出さ
    れることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置。
  3. 【請求項3】 各画素は、リセットスイッチを有し、各
    画素の前記リセットスイッチは前記キャリア蓄積領域を
    所定の電位に全画素一括リセットすることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載の光電変換装置。
  4. 【請求項4】 前記リセットスイッチ及び前記転送スイ
    ッチはMOS型トランジスタで構成されていることを特
    徴とする請求項3に記載の光電変換装置。
  5. 【請求項5】 光エネルギーを受けることによりキャリ
    アを生成する複数の画素が2次元状に配置され、各画素
    は、前記キャリアを蓄積するキャリア蓄積領域と、信号
    読み出し用トランジスタと、前記キャリア蓄積領域から
    蓄積されたキャリアを前記信号読み出し用トランジスタ
    に転送する転送スイッチと、を有する光電変換装置の駆
    動方法において、 リセットスイッチと前記転送スイッチとを導通させて、
    前記キャリア蓄積領域及び前記信号読み出し用トランジ
    スタの制御電極領域を初期電位に全画素一括リセットす
    るリセット動作と、 前記キャリアを前記キャリア蓄積領域に全画素同時に蓄
    積を開始する蓄積動作と、 前記転送スイッチを導通させて、前記キャリア蓄積領域
    に蓄積された前記キャリアを前記信号読み出し用トラン
    ジスタの前記制御電極領域に全画素一括転送す る動作
    と、 転送されたキャリアに基づく信号を前記信号読み出し用
    トランジスタから読み出す動作と、 を行うことを特徴とする光電変換装置の駆動方法。
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