JP3363209B2 - 金属製品を腐食防止する方法およびその方法から得られた金属製品 - Google Patents
金属製品を腐食防止する方法およびその方法から得られた金属製品Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C10—PETROLEUM, GAS OR COKE INDUSTRIES; TECHNICAL GASES CONTAINING CARBON MONOXIDE; FUELS; LUBRICANTS; PEAT
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- C10M177/00—Special methods of preparation of lubricating compositions; Chemical modification by after-treatment of components or of the whole of a lubricating composition, not covered by other classes
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、金属製品、特に金属シ
ートを腐食に対して一時的に保護するための方法に関す
る。
ートを腐食に対して一時的に保護するための方法に関す
る。
【０００２】
【従来の技術】金属の表面、特に金属シートを大気によ
る腐食から保護する問題は、製造業者にとっての一定し
た関心事である。
る腐食から保護する問題は、製造業者にとっての一定し
た関心事である。
【０００３】実際、平らな製品を熱間圧延し、次いで厚
さを減少させるために冷間圧延した後、得られたシート
は洗浄されて倉庫に保管される。そのときシートはしば
しば周囲の媒体による侵食に直接さらされて、ユーザー
に届く前にやがては腐食する。
さを減少させるために冷間圧延した後、得られたシート
は洗浄されて倉庫に保管される。そのときシートはしば
しば周囲の媒体による侵食に直接さらされて、ユーザー
に届く前にやがては腐食する。
【０００４】金属シートの表面状態のいかなる変化や劣
化も、以後の処理、例えばリン酸塩処理やプレス成形や
溶接にかなりの影響を及ぼす。
化も、以後の処理、例えばリン酸塩処理やプレス成形や
溶接にかなりの影響を及ぼす。
【０００５】このような欠点を避けるために、シートを
この媒体の侵食に耐え得る不浸透性の材料で被覆するこ
とによって、この周囲媒体からシートを隔離するのが得
策である。
この媒体の侵食に耐え得る不浸透性の材料で被覆するこ
とによって、この周囲媒体からシートを隔離するのが得
策である。
【０００６】金属製品を酸洗いし水洗した後、特にシー
トのような平らな製品は、以後の処理を行うことなく輸
送されるか、あるいはユーザーへ送られる前に別の最終
処理を受けるかによって、異なる処理を受ける。
トのような平らな製品は、以後の処理を行うことなく輸
送されるか、あるいはユーザーへ送られる前に別の最終
処理を受けるかによって、異なる処理を受ける。
【０００７】第１の手段として、最短期間として３カ月
の間、保護することが得策である。少なくとも３カ月の
間、金属シートを腐食に対して保護するための公知の方
法は、予め洗浄し乾燥したシートに、シートを油の浴中
に浸すことによって油によって形成された膜を付与し、
それによってシートに１〜３ｇ/ｍ2のオーダーの表面密
度を有する油性の被覆を形成することである。
の間、保護することが得策である。少なくとも３カ月の
間、金属シートを腐食に対して保護するための公知の方
法は、予め洗浄し乾燥したシートに、シートを油の浴中
に浸すことによって油によって形成された膜を付与し、
それによってシートに１〜３ｇ/ｍ2のオーダーの表面密
度を有する油性の被覆を形成することである。
【０００８】第２の手段として、予め酸洗いした製品を
まず最初に数日のオーダーの期間、腐食抑制剤によって
保護する。腐食抑制剤としてはアミン系の腐食抑制剤、
例えばＣＲＯＤＡ社からＲＣ３０５の商標名で販売され
ている製品がある。この仕上げ処理の後、製品に上述し
たような油性の保護膜を施してより耐久的に保護する
か、あるいは特別な保護は施さずにユーザーへ送られ
る。
まず最初に数日のオーダーの期間、腐食抑制剤によって
保護する。腐食抑制剤としてはアミン系の腐食抑制剤、
例えばＣＲＯＤＡ社からＲＣ３０５の商標名で販売され
ている製品がある。この仕上げ処理の後、製品に上述し
たような油性の保護膜を施してより耐久的に保護する
か、あるいは特別な保護は施さずにユーザーへ送られ
る。
【０００９】洗浄した製品に油性の膜を施して、しばし
ば仕上げ処理を行うことからなる方法は、いくつかの重
大な欠点を有する。
ば仕上げ処理を行うことからなる方法は、いくつかの重
大な欠点を有する。
【００１０】実際にはユーザーは、製品を使用する前
に、例えば製品に塗装、エナメル、亜鉛メッキ等を施す
前に、工具（剪断機械、裁断機械）やその装置の望まし
くない汚染を防止し、またそれらの被覆の接着性を確実
にするために、製品の表面からの油の除去を長期間行わ
なければならない。
に、例えば製品に塗装、エナメル、亜鉛メッキ等を施す
前に、工具（剪断機械、裁断機械）やその装置の望まし
くない汚染を防止し、またそれらの被覆の接着性を確実
にするために、製品の表面からの油の除去を長期間行わ
なければならない。
【００１１】さらに、これらの油性の膜は洗浄浴を汚染
するので、浴を頻繁に更新しなければならない。
するので、浴を頻繁に更新しなければならない。
【００１２】結局、洗浄した金属製品、特にシート上の
油性の保護膜の存在によって生じる問題を回避するため
には、製品の保護を省略するか、あるいは従来の保護手
段を製品に施すことによって数日のオーダーの短期間の
耐腐食性を付与することが考えられる。
油性の保護膜の存在によって生じる問題を回避するため
には、製品の保護を省略するか、あるいは従来の保護手
段を製品に施すことによって数日のオーダーの短期間の
耐腐食性を付与することが考えられる。
【００１３】この期間を過ぎれば、洗浄した製品は腐食
によって非常に急速に劣化する。
によって非常に急速に劣化する。
【００１４】
【発明の目的】従って本発明の目的は、金属製品、特に
金属のシートを腐食から効果的に保護し、製品を使用す
る前に洗浄することを不要にする方法を提供することに
よって、従来技術の欠点を克服することである。
金属のシートを腐食から効果的に保護し、製品を使用す
る前に洗浄することを不要にする方法を提供することに
よって、従来技術の欠点を克服することである。
【００１５】
【発明の構成】本発明は、洗浄した金属製品に腐食に対
する一時的な保護を付与する方法であって、以下の工程
からなることを特徴とする、すなわち、 ａ）前記洗浄した金属製品を乾燥する工程； ｂ）前記金属製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１
３容量％の油相を分散させることによって得られた乳濁
液を被覆する工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量
％の少なくとも１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なく
とも１種の表面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも
１種の腐食抑制剤からなる；および ｃ）得られた被覆された金属製品を７０〜１００℃の温
度で乾燥膜が得られるまで加熱することによって乾燥す
る工程、ここで前記乾燥膜は被覆された製品に対して３
００〜８００ｍｇ/ｍ2の量で存在する。
する一時的な保護を付与する方法であって、以下の工程
からなることを特徴とする、すなわち、 ａ）前記洗浄した金属製品を乾燥する工程； ｂ）前記金属製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１
３容量％の油相を分散させることによって得られた乳濁
液を被覆する工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量
％の少なくとも１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なく
とも１種の表面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも
１種の腐食抑制剤からなる；および ｃ）得られた被覆された金属製品を７０〜１００℃の温
度で乾燥膜が得られるまで加熱することによって乾燥す
る工程、ここで前記乾燥膜は被覆された製品に対して３
００〜８００ｍｇ/ｍ2の量で存在する。
【００１６】乳濁液の油相中に含まれる油は、植物油ま
たは動物油からなるものとすることができる。
たは動物油からなるものとすることができる。
【００１７】油相中の鉱油はパラフィン系の油であるの
が好ましい。
が好ましい。
【００１８】油相のための表面活性剤としては、ポリオ
キシエチレン系の表面活性剤が好ましい。
キシエチレン系の表面活性剤が好ましい。
【００１９】油相中の腐食抑制剤として用いるものは、
カルボン酸、アルキルスルフォン酸バリウムまたはアル
キルスルフォン酸ナトリウムまたはアルキルスルフォン
酸アミン、および脂肪酸塩、が好ましい。
カルボン酸、アルキルスルフォン酸バリウムまたはアル
キルスルフォン酸ナトリウムまたはアルキルスルフォン
酸アミン、および脂肪酸塩、が好ましい。
【００２０】水性乳濁液はスプレーによって適用するの
が好ましい。
が好ましい。
【００２１】また前記方法は以下の工程からなるのが好
ましい：すなわち、前記金属製品を、３０〜９０℃の温
度で２〜２０秒間加熱することによって乾燥する工程
と；前記金属製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１
３容量％の油相を分散させることによって得られた乳濁
液を適用する工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量
％の少なくとも１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なく
とも１種の表面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも
１種の腐食抑制剤からなる；および、前記被覆した金属
製品を、乾燥膜が得られるまで、好ましくは前記金属製
品を、７０〜１００℃の温度で２〜２０秒間加熱するこ
とによって乾燥する工程、である。
ましい：すなわち、前記金属製品を、３０〜９０℃の温
度で２〜２０秒間加熱することによって乾燥する工程
と；前記金属製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１
３容量％の油相を分散させることによって得られた乳濁
液を適用する工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量
％の少なくとも１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なく
とも１種の表面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも
１種の腐食抑制剤からなる；および、前記被覆した金属
製品を、乾燥膜が得られるまで、好ましくは前記金属製
品を、７０〜１００℃の温度で２〜２０秒間加熱するこ
とによって乾燥する工程、である。
【００２２】予備乾燥工程は、シートの反応性と、その
後に前記シートに適用される物質の接着性を改善する。
後に前記シートに適用される物質の接着性を改善する。
【００２３】水性乳濁液中で用いられる油相として好ま
しいのは、例えばＨＥＮＫＥＬ社からＰＲＥＶＯＸ６７
６７の商標名で販売されている製品によって構成される
ものである。
しいのは、例えばＨＥＮＫＥＬ社からＰＲＥＶＯＸ６７
６７の商標名で販売されている製品によって構成される
ものである。
【００２４】別の例は、ＱＵＡＫＥＲ社から１１２ＳＴ
Ｓの商標名で販売されている製品である。
Ｓの商標名で販売されている製品である。
【００２５】金属製品として好ましいのは金属シートで
あり、乾燥膜を前記シートの少なくとも一方の側に形成
する。
あり、乾燥膜を前記シートの少なくとも一方の側に形成
する。
【００２６】本発明はまた、本発明に係る方法によって
得られた腐食に対する保護のための乾燥膜で被覆された
金属シートを提供するものであり、乾燥膜は、適用され
た乳濁液から得られた３００〜８００ｍｇ/ｍ2の被覆物
質からなることを特徴とし、物質のこの量は規格ＮＦＴ
７３２５８に従って表面活性剤を化学測定することによ
って決定される。
得られた腐食に対する保護のための乾燥膜で被覆された
金属シートを提供するものであり、乾燥膜は、適用され
た乳濁液から得られた３００〜８００ｍｇ/ｍ2の被覆物
質からなることを特徴とし、物質のこの量は規格ＮＦＴ
７３２５８に従って表面活性剤を化学測定することによ
って決定される。
【００２７】
【実施例】本発明は、一方では、予め洗浄した鋼のシー
トに関して処理ライン上で、例えば熱間圧延した金属シ
ートを用いて行った以下の実施例から、また他方では、
未処理シートと、従来の腐食抑制剤で処理したシート
と、本発明の方法に従って処理したシートとを用いて、
特定の時間にわたっての腐食の発生を表した単一の添付
図面から、よりよく理解できよう。
トに関して処理ライン上で、例えば熱間圧延した金属シ
ートを用いて行った以下の実施例から、また他方では、
未処理シートと、従来の腐食抑制剤で処理したシート
と、本発明の方法に従って処理したシートとを用いて、
特定の時間にわたっての腐食の発生を表した単一の添付
図面から、よりよく理解できよう。
【００２８】鋼シートはまず最初に酸浴中で、例えば塩
酸中で酸洗いすることによって洗浄され、それによっ
て、シートの表面に付着していて以後の被覆の適用を阻
害するスケールを構成している酸化鉄のような化学物質
が除去される。次いでシートは、残っている酸をすべて
除去するために洗浄水のタンク中に浸漬される。
酸中で酸洗いすることによって洗浄され、それによっ
て、シートの表面に付着していて以後の被覆の適用を阻
害するスケールを構成している酸化鉄のような化学物質
が除去される。次いでシートは、残っている酸をすべて
除去するために洗浄水のタンク中に浸漬される。
【００２９】次いで、本発明に係る乳濁液がシート上に
スプレーされる。
スプレーされる。
【００３０】シートの表面上の乾燥保護膜によって与え
られる保護効果を評価するために、表面活性剤と洗浄剤
の評価に関する規格ＮＦＴ７３２５８に従って、膜の化
学測定が行われる。
られる保護効果を評価するために、表面活性剤と洗浄剤
の評価に関する規格ＮＦＴ７３２５８に従って、膜の化
学測定が行われる。
【００３１】上述の規格によれば、膜を構成する物質の
試料は、クロロホルムで洗浄することによってシートの
特定の面積Ｓ（ｍ2）で除去される。次いで試料は２０
０ｍｌの標準フラスコ中に置かれて、その中に１０ｍｌ
の水が加えられる。
試料は、クロロホルムで洗浄することによってシートの
特定の面積Ｓ（ｍ2）で除去される。次いで試料は２０
０ｍｌの標準フラスコ中に置かれて、その中に１０ｍｌ
の水が加えられる。
【００３２】試料の容積測定が、混合指示薬であるハイ
アミンを用いて行われ、ハイアミン溶液は０.００４ｍ
ｏｌ/ｌにおいて色がピンクから青に変わるまで滴定さ
れる。注入されたハイアミンの容積（ｍｌ）をＶで表
し、試料の面積をＳとすれば、シートの表面上に存在し
た表面活性剤の量は次式で表される： １０４／Ｓ × Ｖ × ０.００４ ＝ ｘ μｅｑ／ｍ2 これは表面活性剤の含有量ｙ ｇ/ｍ2に相当する。
アミンを用いて行われ、ハイアミン溶液は０.００４ｍ
ｏｌ/ｌにおいて色がピンクから青に変わるまで滴定さ
れる。注入されたハイアミンの容積（ｍｌ）をＶで表
し、試料の面積をＳとすれば、シートの表面上に存在し
た表面活性剤の量は次式で表される： １０４／Ｓ × Ｖ × ０.００４ ＝ ｘ μｅｑ／ｍ2 これは表面活性剤の含有量ｙ ｇ/ｍ2に相当する。
【００３３】実施例 １
塩酸で酸洗いして洗浄したシートを、熱風ドライヤーで
６０℃の温度まで加熱して、シートを乾燥する。
６０℃の温度まで加熱して、シートを乾燥する。
【００３４】乾燥後、この酸洗いした鋼シートの一方の
側に、ＨＥＮＫＥＬ社からＰＲＥＶＯＸ６７６７の商標
名で販売されている物質によって構成されている油相を
５容積％含有する水性乳濁液をスプレーする。
側に、ＨＥＮＫＥＬ社からＰＲＥＶＯＸ６７６７の商標
名で販売されている物質によって構成されている油相を
５容積％含有する水性乳濁液をスプレーする。
【００３５】スプレーは、通常のスプレーノズルであ
る”ＶＥＥＪＥＴ”タイプのノズル（散開角度６５°）
を用いて行われる。これは、ノズルから２０ｃｍの距離
に置かれた物体上の一辺２５ｃｍの正方形の面積をカバ
ーすることができる。
る”ＶＥＥＪＥＴ”タイプのノズル（散開角度６５°）
を用いて行われる。これは、ノズルから２０ｃｍの距離
に置かれた物体上の一辺２５ｃｍの正方形の面積をカバ
ーすることができる。
【００３６】シートの側面にこのようにして分配された
物質とともに、被覆されたシートは、適当な方法で配置
された熱風ドライヤーを用いて９０℃の温度まで加熱さ
れる。
物質とともに、被覆されたシートは、適当な方法で配置
された熱風ドライヤーを用いて９０℃の温度まで加熱さ
れる。
【００３７】酸洗いした鋼シートの表面上に薄い乾燥膜
がこのようにして形成され、これによってシートは最低
で３カ月の期間、腐食から保護される。
がこのようにして形成され、これによってシートは最低
で３カ月の期間、腐食から保護される。
【００３８】被覆されたシートは次いでコイル巻きさ
れ、貯蔵室内に置かれる。
れ、貯蔵室内に置かれる。
【００３９】コイルはいかなる特別な処理も受けずにユ
ーザーへ直接送られ、次いでユーザーは３カ月の間、腐
食に関しては安全にシートの変換を行うことができる。
ーザーへ直接送られ、次いでユーザーは３カ月の間、腐
食に関しては安全にシートの変換を行うことができる。
【００４０】このコイルから採取した試料について塗布
試験を、乾燥耐腐食膜で被覆したシートに、一方はポリ
ウレタンタイプの下塗剤を、他方はポリエステルタイプ
の粉末塗料を、直接塗布することによって行った。
試験を、乾燥耐腐食膜で被覆したシートに、一方はポリ
ウレタンタイプの下塗剤を、他方はポリエステルタイプ
の粉末塗料を、直接塗布することによって行った。
【００４１】塗料被覆の接着性試験（”山形（chevro
n）”試験に相当する）によって、未洗浄シートの部分
上での塗料を保持する適性、すなわちその部分からの乾
燥膜の剥がれにくさは、裸のシートと同じぐらいに良好
であることが示された。
n）”試験に相当する）によって、未洗浄シートの部分
上での塗料を保持する適性、すなわちその部分からの乾
燥膜の剥がれにくさは、裸のシートと同じぐらいに良好
であることが示された。
【００４２】熱浸漬亜鉛メッキと静電スプレーによるエ
ナメル引きに関しても、結果は同様であった。
ナメル引きに関しても、結果は同様であった。
【００４３】シートの表面上に残っているいかなる物質
を除去するにも簡単な洗浄を行うことで十分であり、ユ
ーザーは彼ら自身の装置を汚染することも確実に避けら
れる。
を除去するにも簡単な洗浄を行うことで十分であり、ユ
ーザーは彼ら自身の装置を汚染することも確実に避けら
れる。
【００４４】さらに、シートのコイルを仕上げ処理する
目的でコイルから巻き出すこともでき、またユーザーへ
送る前に裁断することもできる。
目的でコイルから巻き出すこともでき、またユーザーへ
送る前に裁断することもできる。
【００４５】上述の方法に従って堆積させた乾燥膜の測
定によって以下の値が得られた： Ｓ＝０.０１６ ｍ2 Ｖ＝２ ｍｌ これは表面活性剤の５０μｅｑ/ｍ2の量、すなわち０.
５ｇ/ｍ2のオーダーの含有量に相当する。
定によって以下の値が得られた： Ｓ＝０.０１６ ｍ2 Ｖ＝２ ｍｌ これは表面活性剤の５０μｅｑ/ｍ2の量、すなわち０.
５ｇ/ｍ2のオーダーの含有量に相当する。
【００４６】実施例 ２
シートを実施例１において述べたのと同様に予め酸洗い
し、水洗し、次いで熱風ドライヤーを用いて６０℃まで
加熱して乾燥することによって、シートの反応性と被覆
物質の接着性を改善する。
し、水洗し、次いで熱風ドライヤーを用いて６０℃まで
加熱して乾燥することによって、シートの反応性と被覆
物質の接着性を改善する。
【００４７】次いで、この酸洗いし乾燥した鋼シートの
一方の側に、ＱＵＡＫＥＲ社から１１２ＳＴＳの商標名
で販売されている物質によって構成されている油相を５
容積％含有する水性乳濁液をスプレーする。
一方の側に、ＱＵＡＫＥＲ社から１１２ＳＴＳの商標名
で販売されている物質によって構成されている油相を５
容積％含有する水性乳濁液をスプレーする。
【００４８】スプレーは、通常のスプレーノズルであ
る”ＶＥＥＪＥＴ”タイプのノズル（散開角度６５°）
を用いて行われる。これは、ノズルから２０ｃｍの距離
に置かれた物体上の一辺２５ｃｍの正方形の面積をカバ
ーすることができる。
る”ＶＥＥＪＥＴ”タイプのノズル（散開角度６５°）
を用いて行われる。これは、ノズルから２０ｃｍの距離
に置かれた物体上の一辺２５ｃｍの正方形の面積をカバ
ーすることができる。
【００４９】シートの表面に物質をスプレーした後、シ
ートを熱風ドライヤーを用いて９０℃の温度まで加熱す
ることによって表面を乾燥し、それによって物質の表面
上に存在する水の蒸発を促進する。
ートを熱風ドライヤーを用いて９０℃の温度まで加熱す
ることによって表面を乾燥し、それによって物質の表面
上に存在する水の蒸発を促進する。
【００５０】次いで試料を、上述したように０.００４
ｍｏｌ/ｌにおいて滴定されるハイアミン溶液を用いて
容積法によって測定する。
ｍｏｌ/ｌにおいて滴定されるハイアミン溶液を用いて
容積法によって測定する。
【００５１】上述の方法に従って堆積させた乾燥膜を測
定することによって以下の値が得られた： Ｓ＝０.０１３ ｍ2 Ｖ＝０.１２ ｍｌ これは表面活性剤の４５μｅｑ/ｍ2の量、すなわち０.
５ｇ/ｍ2のオーダーの含有量に相当する。
定することによって以下の値が得られた： Ｓ＝０.０１３ ｍ2 Ｖ＝０.１２ ｍｌ これは表面活性剤の４５μｅｑ/ｍ2の量、すなわち０.
５ｇ/ｍ2のオーダーの含有量に相当する。
【００５２】このようにして少なくとも３カ月の期間、
腐食に対する保護を付与されたシートは、実施例１で説
明したように、ユーザーへ直接送られるか、仕上げ処理
を受ける。
腐食に対する保護を付与されたシートは、実施例１で説
明したように、ユーザーへ直接送られるか、仕上げ処理
を受ける。
【００５３】まったく驚くべきことに、膜で保護された
シートは、リン酸塩処理や塗装などの後処理に対する適
性が変化しないことが見いだされた。
シートは、リン酸塩処理や塗装などの後処理に対する適
性が変化しないことが見いだされた。
【００５４】以下に説明する試験結果は、本発明に係る
方法によって被覆されたシートの特性の優秀さを示す。
方法によって被覆されたシートの特性の優秀さを示す。
【００５５】試 験
試験は、塩酸溶液中で酸洗いした５０×１００ｍｍの寸
法の鋼シートの試料について行われた。塩酸溶液中の遊
離酸と塩化鉄の濃度は、８５℃の温度においてそれぞれ
８０ｇ/ｌおよび９０ｇ/ｌであった。
法の鋼シートの試料について行われた。塩酸溶液中の遊
離酸と塩化鉄の濃度は、８５℃の温度においてそれぞれ
８０ｇ/ｌおよび９０ｇ/ｌであった。
【００５６】酸洗いの後、次いで試料を２つの水タンク
中で順次水洗し、次いで試料を回転することによって乾
燥した。
中で順次水洗し、次いで試料を回転することによって乾
燥した。
【００５７】次いで、試料の第１の部分に、ＨＥＮＫＥ
Ｌ社からＰＲＥＶＯＸ６７６７の商標名で販売されてい
る物質によって構成されている油相を３容積％含有する
水性乳濁液をスプレーする（１）。
Ｌ社からＰＲＥＶＯＸ６７６７の商標名で販売されてい
る物質によって構成されている油相を３容積％含有する
水性乳濁液をスプレーする（１）。
【００５８】試料の第２の部分に、ＱＵＡＫＥＲ社から
１１２ＳＴＳの商標名で販売されている物質によって構
成されている油相を３容積％含有する水性乳濁液をスプ
レーする（２）。
１１２ＳＴＳの商標名で販売されている物質によって構
成されている油相を３容積％含有する水性乳濁液をスプ
レーする（２）。
【００５９】さらに、試料の第３の部分に、ＣＲＯＤＡ
ＣＨＥＭＩＣＡＬＳ社からＲＣ ３０５の商標名で販売
されている物質によって構成されている油相を３容積％
含有する水性乳濁液をスプレーする（３）。この製品
は、その耐腐食特性で知られているが、実質的にアミン
によって構成されている。
ＣＨＥＭＩＣＡＬＳ社からＲＣ ３０５の商標名で販売
されている物質によって構成されている油相を３容積％
含有する水性乳濁液をスプレーする（３）。この製品
は、その耐腐食特性で知られているが、実質的にアミン
によって構成されている。
【００６０】腐食に対する処理を行っていない試料を、
比較試料とする（４）。
比較試料とする（４）。
【００６１】すべての試料を熱風ドライヤーで、やはり
９０℃の温度で乾燥する。
９０℃の温度で乾燥する。
【００６２】次いで試料を貯蔵室内で、３０℃のオーダ
ーの温度において７０％のオーダーの相対湿度において
大気にさらす。
ーの温度において７０％のオーダーの相対湿度において
大気にさらす。
【００６３】数日の間、各々の試料を、時間の経過につ
れての腐食の様相を観察することによって検査する。
れての腐食の様相を観察することによって検査する。
【００６４】腐食の外観を１から４までの測定等級に基
づいて測定する。最初の腐食斑点が現れる試料について
等級１を与え、表面全体の腐食について等級４を与え
る。
づいて測定する。最初の腐食斑点が現れる試料について
等級１を与え、表面全体の腐食について等級４を与え
る。
【００６５】図１に示すグラフは、４つの試験について
の特定の時間にわたっての腐食の比較発生量を表す。
の特定の時間にわたっての腐食の比較発生量を表す。
【００６６】試験結果は、本発明に係る物質の、例えば
ＲＣ ３０５のような従来の腐食抑制剤を上回る優秀さ
を示し、後者についてシートの劣化は非常に速く開始す
る。本発明に係る乾燥した耐腐食膜で被覆したシート
は、予備処理を行うことなく、浸漬亜鉛メッキのタイプ
の被覆処理や塗装やエナメル引きに供することができ、
さらには長期間の貯蔵後でも非常に良好な耐腐食保護性
をもたらす。さらに、シートの洗浄や脱脂の効果は長期
の貯蔵後でも残っている。
ＲＣ ３０５のような従来の腐食抑制剤を上回る優秀さ
を示し、後者についてシートの劣化は非常に速く開始す
る。本発明に係る乾燥した耐腐食膜で被覆したシート
は、予備処理を行うことなく、浸漬亜鉛メッキのタイプ
の被覆処理や塗装やエナメル引きに供することができ、
さらには長期間の貯蔵後でも非常に良好な耐腐食保護性
をもたらす。さらに、シートの洗浄や脱脂の効果は長期
の貯蔵後でも残っている。
【図１】本発明に係る耐腐食膜を施したシートと従来の
シートについての特定の時間にわたっての腐食の比較発
生量を表す。
シートについての特定の時間にわたっての腐食の比較発
生量を表す。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭63−17993（ＪＰ，Ａ)
米国特許5230730（ＵＳ，Ａ)
西独国特許出願公開2642207（ＤＥ,
Ａ１)
(58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名)
C23F 11/00 - 11/18
Claims (15)
- 【請求項１】 洗浄した金属製品に腐食に対する一時的
な保護を付与する方法であって、以下の工程、すなわち ａ）前記洗浄した金属製品を乾燥する工程； ｂ）前記金属製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１
３容量％の油相を分散させることによって得られた乳濁
液を被覆する工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量
％の少なくとも１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なく
とも１種の表面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも
１種の腐食抑制剤からなる；および ｃ）得られた被覆された金属製品を７０〜１００℃の温
度で乾燥膜が得られるまで加熱することによって乾燥す
る工程、ここで前記乾燥膜は被覆された製品に対して３
００〜８００ｍｇ/ｍ2の量で存在する； からなることを特徴とする方法。 - 【請求項２】 油相中の鉱油はパラフィン系の油であ
る、請求項１に記載の方法。 - 【請求項３】 油相中の表面活性剤はポリオキシエチレ
ン系の表面活性剤である、請求項１に記載の方法。 - 【請求項４】 油相中の腐食抑制剤は、カルボン酸、ア
ルキルスルフォン酸バリウムまたはアルキルスルフォン
酸ナトリウムまたはアルキルスルフォン酸アミン、およ
び脂肪酸塩である、請求項１に記載の方法。 - 【請求項５】 水性乳濁液はスプレーによって適用され
る、請求項１に記載の方法。 - 【請求項６】 以下の工程、すなわち、 前記洗浄した金属製品を、３０〜９０℃の温度で２〜２
０秒間加熱することによって乾燥する工程と；前記金属
製品の少なくとも一部分に、水中に３〜１３容量％の油
相を分散させることによって得られた乳濁液を適用する
工程、ここで前記油相は、７５〜９０容量％の少なくと
も１種の鉱油と、５〜１０容量％の少なくとも１種の表
面活性剤と、５〜１５容量％の少なくとも１種の腐食抑
制剤からなる；および、 前記被覆した金属製品を、乾燥膜が得られるまで乾燥す
る工程；からなる、請求項１〜５のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項７】 前記被覆した金属製品を、７０〜１００
℃の温度で２〜２０秒間加熱することによって乾燥す
る、請求項６に記載の方法。 - 【請求項８】 前記油相は、ＨＥＮＫＥＬ社からＰＲＥ
ＶＯＸ６７６７の商標名で販売されている製品によって
構成されている、請求項１〜７のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項９】 前記油相は、ＱＵＡＫＥＲ社から１１２
ＳＴＳの商標名で販売されている製品によって構成され
ている、請求項１〜７のいずれかに記載の方法。 - 【請求項１０】 金属製品は金属シートであり、乾燥膜
は前記シートの少なくとも一方の側に形成される、請求
項１〜９のいずれかに記載の方法。 - 【請求項１１】 請求項１〜１０のいずれかに記載の方
法によって得られた、耐腐食保護性を付与する乾燥膜で
被覆した金属シートであって、乾燥膜は、請求項１〜１
０のいずれかに記載の方法に従って適用された乳濁液か
ら得られた３００〜８００ｍｇ/ｍ2の被覆物質である、
金属シート。 - 【請求項１２】 洗浄した金属シートを乾燥し、次い
で、７５〜９０容量％の少なくとも１種の鉱油と、５〜
１０容量％の少なくとも１種の表面活性剤と、５〜１５
容量％の少なくとも１種の腐食抑制剤からなる油相の３
〜１３容量％を水中に分散させることによって得られた
乳濁液の被覆を施し、次いで、予備洗浄することなく以
後の工程で前記シートに被覆を直接適用するために金属
シートを乾燥することによって得られた、３００〜８０
０ｍｇ/ｍ 2 の量で存在する乾燥膜で被覆した金属シート
の使用。 - 【請求項１３】 予備洗浄することなく塗装することを
目的とする、請求項１２に記載のシートの使用。 - 【請求項１４】 予備洗浄することなくエナメル引きす
ることを目的とする、請求項１２に記載のシートの使
用。 - 【請求項１５】 予備洗浄することなく浸漬によって亜
鉛メッキを施すことを目的とする、請求項１２に記載の
シートの使用。
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| FR2805277B1 (fr) * | 2000-02-18 | 2002-04-19 | Usinor | Procede de fabrication d'une piece metallique emaillee sans operation de degraissage |
| EP2321069B1 (en) | 2008-07-04 | 2017-11-01 | Tata Steel UK Limited | Method for coating a steel substrate, and coated steel substrate |
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|---|---|---|---|---|
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| GB191100241A (en) * | 1911-01-04 | 1912-01-04 | Gertrud Bauer | A Process for Covering Iron and Steel Articles with a Rust Proof Coating. |
| US2218557A (en) * | 1939-05-12 | 1940-10-22 | Agnes J Reeves Greer | Treatment of metals |
| US2371853A (en) * | 1943-09-27 | 1945-03-20 | Gulf Oil Corp | Mineral oil composition |
| US2430058A (en) * | 1944-06-08 | 1947-11-04 | Quaker Chemical Products Corp | Mineral oil rustproofing composition |
| DE1047347B (de) * | 1953-04-22 | 1958-12-24 | Goldschmidt Ag Th | Emulsion vom Wasser-in-OEl-Typ fuer den temporaeren Korrosionsschutz von Metallen |
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| FR1484815A (fr) * | 1965-02-23 | 1967-06-16 | Henry W Peabody Ind Ltd | Composition lubrifiante et protectrice pour les métaux |
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-
1992
- 1992-06-30 FR FR9208037A patent/FR2692912B1/fr not_active Expired - Lifetime
-
1993
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