JP3363096B2 - 押ボタンを有する樹脂成形品、及びその成形方法 - Google Patents

押ボタンを有する樹脂成形品、及びその成形方法

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JP3363096B2
JP3363096B2 JP19377198A JP19377198A JP3363096B2 JP 3363096 B2 JP3363096 B2 JP 3363096B2 JP 19377198 A JP19377198 A JP 19377198A JP 19377198 A JP19377198 A JP 19377198A JP 3363096 B2 JP3363096 B2 JP 3363096B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形品本体に押ボ
タンが一体成形されている樹脂成形品、及びその成形方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】押ボタンを有する樹脂成形品の成形方法
には、種々ある。例えば、図18に示される成形方法
は、上下方向に分離可能な成形型を使用し、予め成形さ
れた押ボタンB’を、その上型M'1の内部にセットし、
上下の各型M'1, M'2の間に形成された基板成形空間6
1と、同様の薄肉部成形空間62と、前記押ボタンB’
の空洞部63とに、下型M'2に設けられたゲート64か
ら溶融樹脂を射出充填して成形するものである。しか
し、この成形方法の場合には、前記ゲート64は、各押
ボタンB’のセット位置から離れた部分に設けられてい
るため、空洞部63と薄肉部成形空間62とにそれぞれ
射出される樹脂の肉厚に相当の差があって、熱バランス
の関係で、ヒケや成形不良を生じ易い。また、このヒケ
や成形不良を無くすために、樹脂の射出圧を高くする
と、バリが発生し易くなる。
【0003】上記した不具合を避けるために、特開昭6
3−92428号公報に開示の図19に示される成形方
法が採用されることがある。この成形方法は、厚肉とな
る押ボタン成形空間65の中央部にゲート66を設けた
ものである。図19に示される成形品においては、上記
部分にゲート66を設けても、成形可能である。しか
し、成形品の形状が、本発明に係る図面である図6に示
されるような場合には、成形品本体(基板)と押ボタン
とを接続する環状の薄肉部の成形には、成形型の分離方
向と直交する方向に移動可能なスライド型の使用が不可
欠な場合がある。この場合には、スライド型と、前記薄
肉部を成形するためのゲートとの干渉が生じて、成形型
の構造が著しく複雑となるか、或いはスペース的にゲー
トを設けられない場合がある。
【0004】このため、押ボタンを有する部分と、これ
を有しない部分とに成形品を2分割して個別に成形し
て、これらを接合すれば、スライド型を用いずに、従来
構造の成形型によって成形可能となるが、2分割体の接
合工程が不可欠となる点、及び接合部が外観に現れて、
その意匠性が低下する点が新たな欠点となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、押ボ
タンを備えた樹脂成形品の一体成形を可能にすることで
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、成形品本体に押ボタンを一体成形する方法
であって、内部の空洞部と連通し、かつ成形型のセット
時において、そのゲートと連通するゲート連通孔を有す
る別体の押ボタンを予め成形する工程と、予め成形され
た別体の前記押ボタンを、成形型の本体成形空間にイン
サートする工程と、押ボタンのインサート後において、
前記押ボタンのゲート連通孔から、その空洞部に射出さ
れた二次原料である溶融樹脂を、成形型の可変薄肉部成
形空間を通して、本体成形空間に射出する工程とを含
み、一次成形された押ボタンと、成形型の本体成形空間
に二次成形された成形品本体とを、前記可変薄肉部成形
空間に二次成形された可変薄肉部を介して一体成形する
ことを、その特徴としている。
【0007】予め成形(一次成形)された押ボタンを成
形型内にインサートした状態において、成形型を構成す
る上下の各型内に、成形品本体を成形するための本体成
形空間と、可変薄肉部を成形するための可変薄肉部成形
空間とが形成される。この状態で、押ボタンのゲート連
通孔に通じる成形型のゲートから、該押ボタンの空洞部
に二次原料である溶融樹脂を射出すると、該溶融樹脂
は、押ボタンの空洞部と、本体成形空間とを接続してい
る可変薄肉部成形空間を通って本体成形空間に射出充填
される。そして、本体成形空間に溶融樹脂が射出充填さ
れた後に、前記可変薄肉部成形空間に溶融樹脂が射出充
填され、最後に、押ボタンの空洞部に溶融樹脂が射出充
填される。このように、可変薄肉部を成形するための狭
隘な成形空間には、射出直後の溶融性の良好な樹脂が射
出充填されるために、成形される可変薄肉部は、バリ等
が発生することなく、良好な可変性を具備する。
【0008】ここで、押ボタンは、予め成形されてい
て、その空洞部には、成形品本体を成形するための二次
原料である溶融樹脂が射出充填されるために、押ボタン
を成形している原料(一次原料)と、その空洞部に射出
充填される二次原料との相溶性が悪い場合等には、成形
品本体に対して押ボタンが外れる恐れがある。そこで、
押ボタンの周面に、その空洞部に連通する抜止孔を設け
ておいて、該抜止孔に二次原料の樹脂を充填するように
すると、成形品本体と押ボタンとの結合力を高めること
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、複数の実施例を挙げて、本
発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係る方法
により成形された押ボタン付の上ケースC1 を下方から
見た斜視図であり、図2は、第1押ボタンB1 の斜視図
であり、図3は、第2押ボタンB2 の斜視図であり、図
4は、成形型Mを構成する下型M2 の平面図であり、図
5は、上型M1 と分離した下型M2 内に第1及び第2の
各押ボタンB1,B2 をインサートした状態の縦断面図で
あり、図6は、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 がイ
ンサートされた下型M2 と上型M1 とをセットした状態
の縦断面図であり、図7は、図6において「A」で示さ
れる部分の拡大図であり、図8は、成形後において上下
の各型M1,M2 を分離した状態の断面図であり、図9
は、上ケースC1 の第1押ボタンB1 の部分を破断した
縦断面図であり、図10は、上ケースC1 の第2押ボタ
ンB2 の部分を破断した部分縦断面図である。本実施例
は、図13に示されるように、遠隔操作可能な自動車キ
ーKのホルダー部Hに内装される遠隔操作ユニットUの
押ボタン付ケースCの成形に対して本発明を実施したも
のである。
【0010】この遠隔操作ユニットUは、図11に示さ
れるように、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 が側方
に一体成形されて、制御基板V(図12参照)が収容さ
れる上ケースC1 と、ボタン電池(図示せず)が収容さ
れる下ケースC2 とが上下一体に組み付けられて、ケー
ス状となった構成である。この遠隔操作ユニットUを前
記自動車キーKのホルダー部Hに内装した状態では、第
1及び第2の各押ボタンB1,B2 は、ホルダー部Hの側
方に突出している。従って、ホルダー部Hに突出した第
1及び第2の各押ボタンB1,B2 を押すことにより、ド
アの自動ロック及びその解除、トランクの開閉等を遠隔
操作により行える。
【0011】次に、第1及び第2の各押ボタンB1,B2
を備えた上記上ケースC1 を成形するための成形型Mに
ついて説明する。図4ないし図7において、成形型M
は、上型M1 と、第1及び第2の各スライド型S1,S2
が設けられる下型M2 とで構成される。下型M2 には、
第1及び第2の各押ボタンB1,B2 の下半部がそれぞれ
インサートされるインサート孔11,12が設けられ、
上型M1 には、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 の上
半部がそれぞれインサートされるインサート孔13,1
4(符号「14」に関しては、図10参照)が設けられ
ている。また、下型M2 には、上ケースC1 に対して別
体の第1及び第2の各押ボタンB1,B2 を一体化させる
可変薄肉部7を成形するための第1及び第2の各スライ
ド型S1,S2 が成形型Mの分離方向Pと直交する方向Q
にスライド可能に設けられる。
【0012】また、図6及び図7において、第1スライ
ド型S1 には、円錐面状の薄肉部成形面15を備えた薄
肉成形部16が設けられ、成形型Mの上下の各型M1,M
2 における前記第1スライド型S1 の薄肉部成形面15
と対向する部分には、それぞれ円錐面状の薄肉部成形面
17a,17b を備えた薄肉成形部18a,18b が設けら
れている。そして、成形型Mの上下の各型M1,M2 と、
第1スライド型S1 とが閉じた状態において、第1スラ
イド型S1 の薄肉部成形面15と、上下の各型M1,M2
の薄肉部成形面17a,17b とで形成される空間が、別
体の第1押ボタンB1 を上ケースC1 に対して一体化さ
せるための可変薄肉部7(図9参照)の成形空間19と
なる。なお、図示されていないが、別体の第2押ボタン
2 を上ケースC1 に対して一体化させる可変薄肉部
7'(図10参照)の成形空間に関しても、上記可変薄肉
部7の成形空間19とほぼ同様の型構造になっている。
【0013】また、成形型Mの上型M1 に関しては、そ
のインサート孔13,14の側方に上ケースC1 を成形
するための成形凹部21(図5参照)が設けられてい
る。また、成形型Mの下型M2 には、第1及び第2の各
スライド型S1,S2 が設けられるために、該下型M2
成形型部22は、その本体部23に対して別体構造にな
っており、成形型Mの分離方向Pと同一方向に分離可能
となっていて、本体部23に上下に貫通して設けられた
嵌合孔20に嵌合可能になっている。そして、成形時に
は、図6に示されるように、上型M1 の成形凹部21
に、下型M2 の成形型部22と、前記第1及び第2の各
スライド型S1,S2 の各成形型部24,25(図4及び
図6参照)とが入り込んで、これらによって形成される
空間が本体成形空間26(図6参照)となっている。
【0014】また、第1スライド型S1 は、前記成形型
部24とスライド駆動部27と、この両者を連結してい
る連結部28とから成り、このスライド駆動部27は、
下型M2 の上面に開口して設けられた収納孔29にスラ
イド可能に収納され、上型M1 に傾斜して設けられたス
ライドピン31が、第1スライド型S1 のスライド駆動
部27に傾斜して設けられたスライド孔32に傾斜状態
で嵌合される。よって、図5に示されるように、成形型
Mの上下の各型M1,M2 が分離されている状態におい
て、上型M1 が下型M2 に対して近接して、上型M1
スライドピン31が第1スライド型S1 のスライド孔3
2に嵌合した後は、上型M1 が下型M2 に近接する方向
P’へ移動するに応じて、第1スライド型S1 は、これ
と直交する方向Q’にスライドさせられる。逆に、下型
2 に対して上型M1 が一体となっている状態におい
て、図8に示されるように、上型M1 が分離方向Pに移
動すると、第1スライド型S1 は、この分離方向Pと直
交する方向Qにスライドさせられる。また、第2スライ
ド型S2 に関しても、上記第1スライド型S1 と同様に
して、上型M1 の下型M2 に対する接近・分離に応じ
て、スライドさせられる。なお、図4において、33,
34,35は、それぞれ第2スライド型S2 のスライド
駆動部、連結部、及び収納孔を示す。
【0015】本発明の成形方法においては、側方に第1
及び第2の各押ボタンB1,B2 を有する上ケースC1
成形に際して、各押ボタンB1,B2 を予め成形(一次成
形)しておき、この各押ボタンB1,B2 を成形型Mの前
記各インサート孔11〜14にインサートしておくこと
に特徴を有する。第1押ボタンB1 は、図2及び図7に
示されるように、一側面が開口された状態で、その内部
に空洞部1が形成され、その周壁部2の開口側に近接す
る部分に、上型M1 のゲート36と連通するゲート連通
孔3が空洞部1に貫通して設けられていると共に、該ゲ
ート連通孔3と対向する部分に抜止孔4が空洞部1と連
通して設けられ、更にその側壁部5の中央部に中芯棒6
が側面開口から僅かに突出した状態で設けられた構成で
ある。前記ゲート連通孔3の内径は、0.2〜2mmで
ある。また、第2押ボタンB2 に関しても、その全体形
状が異なるのみで、その基本構造はほぼ同一であり、図
3及び図10において、第1押ボタンB1 と同等部分に
は、同一符号に「’」を付して表示されている。
【0016】次に、上記成形型Mを使用して、側方に第
1及び第2の各押ボタンB1,B2 が突設された上ケース
1 を成形する場合について説明する。上記構成の第1
及び第2の各押ボタンB1,B2 は、予め成形(一次成
形)しておく。次に、図5に示されるように、下型M2
の各インサート孔11,12に、それぞれ第1及び第2
の各押ボタンB1,B2 の下半部をインサートして、下型
2 に対して第1及び第2の各押ボタンB1,B2 をセッ
トしておく。なお、この状態では、第1及び第2の各ス
ライド型S1,S2 は、その薄肉成形部16が、セットさ
れた第1及び第2の各押ボタンB1,B2 に対して後退し
た状態になっている。
【0017】そして、下型M2 に対して上型M1 を下降
させて、上型M1 に設けられた2本のスライドピン31
が、それぞれ第1及び第2の各スライド型S1,S2 のス
ライド孔32に嵌合された後は、上型M1 が下型M2
対して近接する方向P’へ移動するに応じて、第1スラ
イド型S1 は、これと直交する方向Q’にスライドさせ
られて、その薄肉成形部16が、予めセットされている
第1及び第2の各押ボタンB1,B2 の側に近接する。そ
の後に、下型M2 の本体部23に対して分離されている
成形型部22を、該本体部23の嵌合孔20に嵌合させ
ると、図6に示されるように、下型M2 の成形型部22
と、第1及び第2の各スライド型S1,S2 の各成形型部
24,25とが、上型M1 の成形凹部21に入り込んだ
形態となって、これらの間に本体成形空間26が形成さ
れる。
【0018】また、図7に拡大して示されているよう
に、第1及び第2の各スライド型S1,S2 の薄肉成形部
16の先端面に設けられた円錐面状の薄肉部成形面15
と、成形型Mの薄肉成形部18a,18b に設けられた円
錐面状の薄肉部成形面17a,17b との間に、可変薄肉
部7を成形するための成形空間19がそれぞれ形成され
る。このようにして、下型M2 に対して上型M1 がセッ
トされた状態では、第1及び第2の各押ボタンB1,B2
の空洞部1,1’と、両型M1,M2 によって形成された
本体成形空間26とは、環状に形成される各可変薄肉部
7,7’の各成形空間19を介して接続されている。ま
た、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 のゲート連通孔
3,3’は、上型M1 に設けられた溶融樹脂の各ゲート
36,36’と連通している。
【0019】上記のようにして、上下の各型M1,M2
セットされた状態において、第1及び第2の各押ボタン
1,B2 のゲート連通孔3,3’に連通する上型M1
各ゲート36,36’から、二次原料である溶融樹脂を
各押ボタンB1,B2 の空洞部1,1’にそれぞれ射出す
ると、該溶融樹脂は、各押ボタンB1,B2 の空洞部1,
1’と、本体成形空間26とを接続している環状をした
各可変薄肉部7,7’の各成形空間19,19を通っ
て、本体成形空間26に射出充填される。そして、この
本体成形空間26に溶融樹脂が射出充填された後に、各
可変薄肉部7,7’の各成形空間19にそれぞれ溶融樹
脂が充填され、最後に、各押ボタンB1,B2 の空洞部
1,1’に溶融樹脂が充填される。各可変薄肉部7,
7’を成形するための狭隘な成形空間19は、上型M1
の各ゲート36,36’に近接していて、射出直後の溶
融性の高い樹脂が射出充填されるために、成形される各
可変薄肉部7,7’には、ウェルド、バリ等が発生する
ことなく、良好な可変性を具備する。
【0020】また、各押ボタンB1,B2 の抜止孔4,
4’には、二次原料である溶融樹脂がそれぞれ充填され
るため、一次成形部と二次成形部との一体性が高まっ
て、成形品本体(上ケースC1)に対する各押ボタンB1,
2 の結合力が高められる。このため、一次成形部と二
次成形部との間において、樹脂の相溶性が悪い場合にお
いては、特に効果的である。
【0021】そして、樹脂の硬化後において、図8に示
されるように、下型M2 の本体部23に対して成形型部
22を下方に分離させた後に、下型M2 に対して上型M
1 を矢印Pの方向に移動させて、両者を分離させると、
これに伴って、第1及び第2の各スライド型S1,S2
矢印Qの方向にスライドして、下型M2 から成形品が取
り出し可能となる。
【0022】第1及び第2の各押ボタンB1,B2 の空洞
部1,1’には、樹脂が充填されて空洞充填樹脂部8,
8’となり、成形品である上ケースC1 は、環状の可変
薄肉部7,7’を介して前記空洞充填樹脂部8,8’と
一体成形されている。これにより、成形品である上ケー
スC1 の側方に、予め成形(一次成形)された第1及び
第2の各押ボタンB1,B2 が環状の各可変薄肉部7,
7’を介して一体に結合される。そして、この上ケース
1 と、別成形された下ケースC2 とで構成される押ボ
タン付ケースC内に制御基板Vを内装すると、図11に
示されるような、遠隔操作ユニットUとなる。この遠隔
操作ユニットUにおいて、図12に示されるように、ケ
ースCの側方に突出した押ボタンB1,B2 を押すと、環
状の可変薄肉部7,7’が屈曲されて、該押ボタンB1,
2 の中芯棒6,6’を覆うように成形された押付部
9,9’が、制御基板Vのスイッチ部41を押圧変位さ
せて、制御基板Vが作動する。なお、上記実施例におい
ては、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 に設けられる
ゲート連通孔3,3’は、その周面に設けられているた
めに、当該ゲート連通孔3,3’は、これに溶融樹脂が
充填されて硬化した後には、抜止孔としての機能を果た
す。このため、上記実施例では、各押ボタンB1,B2
ついて、相対向する部分にそれぞれ一つずつの計二個の
抜止孔が設けられていることになって、各押ボタンB1,
2 の一次成形部と二次成形部との結合力が一層高ま
る。
【0023】このように、本発明の成形方法において
は、第1及び第2の各押ボタンB1,B2 は、予め成形
(一次成形)されており、残りの部分は、二次成形され
る。ここで、一次成形される押ボタンの一次原料樹脂と
しては、ABS、ナイロン、ポリカーボネイト、PB
T、ポリプロピレン等の機械的強度が高くて、成形性の
良いものを挙げることができる。また、押ボタン以外の
部分を二次成形するための二次原料樹脂としては、ナイ
ロンエラストマ、ポリウレタン系エラストマ、オレフィ
ン系エラストマ、ポリエステルエラストマ等であって、
好ましくはJISのA硬度35〜70度のものを挙げる
ことができる。
【0024】なお、上記実施例では、押ボタンに設けら
れた抜止孔に二次原料である溶融樹脂を充填させること
により、押ボタンを構成する一次成形部と二次成形部と
の結合力を高めているが、押ボタンの空洞部のスペース
設計が許される場合には、この空洞部の形状を開口面に
向けて狭くなるようなテーパー状にしておいて、空洞充
填樹脂部の形状をアンダーカット状にしても、押ボタン
の一次成形部と二次成形部との結合力を高められる。
【0025】また、上記実施例は、成形品本体が比較的
扁平であって、その側方に押ボタンが突設された樹脂成
形品をスライド型を使用して成形する場合において、本
発明を適用した例であるが、本発明は、図14及び図1
5に示されるような、比較的扁平な構造を有する上ケー
スC'1の表面に環状をした可変薄肉部51を介して複数
の押ボタンB3 が設けられたものであって、このような
上ケースC'1の成形に対しても実施可能である。即ち、
図16に示されるように、上面にゲート連通孔52が設
けられていると共に、周壁面に抜止孔58が設けられた
複数の押ボタンB3 を上型M'1の内部にセットしておい
て、上下の各型M'1, M'2を閉じると、両型M'1, M'2
の間に、本体成形空間53と薄肉部成形空間54とが形
成される。そして、押ボタンB3 のゲート連通孔52に
連結する上型M'1のゲート55から、押ボタンB3 の空
洞部56に溶融状の二次原料樹脂を射出充填すると、薄
肉部成形空間54を通って本体成形空間53に達して、
前記実施例と同様にして、二次成形部が成形される。ま
た、押ボタンB3 の前記抜止孔58に樹脂が充填される
ために、押ボタンB3 と、その空洞部に充填された二次
成形部との結合力が高まる。
【0026】更に、図17に示される成形方法は、前記
上ケースC'1の成形において、周壁面にゲート連通孔5
7が設けられた押ボタンB'3を使用する例である。この
押ボタンB'3においては、その周壁面にゲート連通孔5
7が設けられているため、該ゲート連通孔57が抜止孔
としての機能も果たし、単に一つのゲート連通孔57を
設けるのみで、成形後においては、押ボタンB'3の一次
成形部と二次成形部との結合力が高まる利点がある。な
お、図17において、59は、ゲート連通孔57に連通
するゲートを示す。
【0027】なお、上記各実施例は、一つの押ボタンに
ゲート連通孔と抜止孔がそれぞれ一つずつ設けられたも
のと、一つの押ボタンの周壁面に、抜止孔を兼用する一
つのゲート連通孔が設けられた例であるが、一つの押ボ
タンに複数のゲート連通孔、或いは抜止孔を設けること
も可能である。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る樹脂成形品は、予め成形さ
れた押ボタンに設けられているゲート連通孔を通してそ
の空洞部に二次成形された空洞充填樹脂部と成形品本体
とが、可変薄肉部を介して一体成形されているために、
成形品本体に押ボタンを一体成形できる。
【0029】本発明に係る樹脂成形品の成形方法は、予
め成形(一次成形)された押ボタンを成形型内にインサ
ートした状態において、成形型を構成する上下の各型内
に、成形品本体を成形するための本体成形空間と、可変
薄肉部を成形するための可変薄肉部成形空間とを形成
し、この状態で、押ボタンのゲート連通孔に通じる成形
型のゲートから、該押ボタンの空洞部に二次原料である
溶融樹脂を射出するものであるので、成形品本体に押ボ
タンが配置される構成の樹脂成形品の一体成形が可能と
なる。
【0030】即ち、成形型のゲートから射出された溶融
樹脂は、押ボタンの空洞部と、本体成形空間とを接続し
ている可変薄肉部成形空間を通って本体成形空間に射出
充填され、本体成形空間に溶融樹脂が射出充填された後
に、前記可変薄肉部成形空間に溶融樹脂が射出充填さ
れ、最後に、押ボタンの空洞部に溶融樹脂が射出充填さ
れる。よって、本体成形空間に溶融樹脂が充填されて成
形された成形品本体と、押ボタンとは、可変薄肉部を介
して一体に連結され、しかも可変薄肉部を成形するため
の狭隘な成形空間には、射出直後の溶融性の良好な樹脂
が射出充填されるために、成形される可変薄肉部は、バ
リ等が発生することなく、良好な可変性を具備する。
【0031】また、本発明の成形方法によれば、成形品
本体の側方に押ボタンを有していて、しかもスライド型
を使用しないと、押ボタンと成形品本体とを接続してい
る可変薄肉部の成形が不能である場合においても、この
ような樹脂成形品の一体成形が行える。
【0032】更に、押ボタンの周面に、自身の空洞部と
連通する抜止孔を設けておいて、成形時に該抜止孔に二
次原料樹脂を充填すると、押ボタンを構成する一次成形
部と二次成形部との結合力が高められる。特に、押ボタ
ンの周面にゲート連通孔を設けた場合には、該ゲート連
通孔が抜止孔としての機能を併有する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る方法により成形された押ボタン付
の上ケースC1 を下方から見た斜視図である。
【図2】第1押ボタンB1 の斜視図である。
【図3】第2押ボタンB2 の斜視図である。
【図4】成形型Mを構成する下型M2 の平面図である。
【図5】上型M1 と分離した下型M2 内に第1及び第2
の各押ボタンB1,B2 をインサートした状態の縦断面図
である。
【図6】第1及び第2の各押ボタンB1,B2 がインサー
トされた下型M2 と上型M1 とをセットした状態の縦断
面図である。
【図7】図6において「A」で示される部分の拡大図で
ある。
【図8】成形後において上下の各型M1,M2 を分離した
状態の断面図である。
【図9】上ケースC1 の第1押ボタンB1 の部分を破断
した縦断面図である。
【図10】上ケースC1 の第2押ボタンB2 の部分を破
断した部分縦断面図である。
【図11】押ボタン付ケースCを有する遠隔操作ユニッ
トUの斜視図である。
【図12】遠隔操作ユニットUの第2押ボタンB2 の部
分の拡大縦断面図である。
【図13】ホルダー部Hの側方に第1及び第2の各押ボ
タンB1,B2 が突出した自動車キーKの斜視図である。
【図14】本発明に係る方法により成形された押ボタン
付の上ケースC'1の斜視図である。
【図15】図14のX−X線断面図である。
【図16】押ボタン付の上ケースC'1の成形部分の断面
図である。
【図17】周壁面にゲート連通孔57が設けられた押ボ
タンB'3 を備えた上ケースC'1の成形部分の断面図で
ある。
【図18】押ボタンを有する樹脂成形品の従来の成形方
法を示す断面図である。
【図19】押ボタンを有する樹脂成形品の他の従来の成
形方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 :第1押ボタン B2 :第2押ボタン B3 :押ボタン C:押ボタン付ケース C1,C'1:上ケース(成形品本体) M:成形型 M1,M'1:上型 M2,M'2:下型 1,1',56:空洞部 3,3',52,57:ゲート連通孔 4,4',58:抜止孔 7,7',51:可変薄肉部 8,8' :空洞充填樹脂部 19,54:可変薄肉部の成形空間 26,53:本体成形空間 36,36',55,59:ゲート

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形品本体に押ボタンが一体成形されて
    いる樹脂成形品であって、 予め成形された押ボタンに設けられているゲート連通孔
    を通してその空洞部に二次成形された空洞充填樹脂部と
    成形品本体とが、可変薄肉部を介して一体成形されて成
    ることを特徴とする押ボタンを有する樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 押ボタンの周面には、その空洞部と連通
    する抜止孔が設けられていることを特徴とする請求項1
    に記載の押ボタンを有する樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 押ボタンのゲート連通孔は、その周面に
    設けられて、該周面に設けられて、その空洞部と連通す
    る抜止孔の機能を併有していることを特徴とする請求項
    1に記載の押ボタンを有する樹脂成形品。
  4. 【請求項4】 押ボタンは、成形品本体の側方に設けら
    れていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか
    に記載の押ボタンを有する樹脂成形品。
  5. 【請求項5】 成形品本体に押ボタンを一体成形する方
    法であって、 内部の空洞部と連通し、かつ成形型のセット時におい
    て、そのゲートと連通するゲート連通孔を有する別体の
    押ボタンを予め成形する工程と、 予め成形された別体の前記押ボタンを、成形型の本体成
    形空間にインサートする工程と、 押ボタンのインサート後において、前記押ボタンのゲー
    ト連通孔から、その空洞部に射出された二次原料である
    溶融樹脂を、成形型の可変薄肉部成形空間を通して、本
    体成形空間に射出する工程とを含み、 予め成形された押ボタンと、成形型の本体成形空間に二
    次成形された成形品本体とを、前記可変薄肉部成形空間
    に成形された可変薄肉部を介して一体成形することを特
    徴とする押ボタンを有する樹脂成形品の成形方法。
  6. 【請求項6】 インサート工程において、成形型の成形
    空間の側方に押ボタンをインサートすることを特徴とす
    る請求項5に記載の押ボタンを有する樹脂成形品の成形
    方法。
  7. 【請求項7】 押ボタンの周面には、その空洞部と連通
    する抜止孔が設けられ、二次原料である溶融樹脂の射出
    時に、前記空洞部と前記抜止孔とに該溶融樹脂を充填す
    ることを特徴とする請求項5又は6に記載の押ボタンを
    有する樹脂成形品の成形方法。
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