JP3362512B2 - 半導体ウエハのめっき方法およびめっき装置 - Google Patents

半導体ウエハのめっき方法およびめっき装置

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JP3362512B2 JP16816094A JP16816094A JP3362512B2 JP 3362512 B2 JP3362512 B2 JP 3362512B2 JP 16816094 A JP16816094 A JP 16816094A JP 16816094 A JP16816094 A JP 16816094A JP 3362512 B2 JP3362512 B2 JP 3362512B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハのめっき
方法およびめっき装置に関し、特に、半導体ウエハに銅
バンプ(突起状の電極)を形成するためのめっき方法
よびめっき装置として好適である。
【0002】
【従来の技術】従来より、フリップチップIC等に使用
されるワイヤレスボンディング用素子の電極部には、図
14に示すように、素子100をセラミック基板110
上に直接ボンディングするための銅バンプ120が形成
されている。この銅バンプ120の形成方法を、図4に
基づいて説明する。まず、半導体ウエハ130の片面に
金属薄膜140を被着させた後、その金属薄膜140上
にレジスト150を塗布する。その後、マスク(図示し
ない)を通してレジスト150に光を照射し、現像処理
を行って所望の位置に孔開けを行う。そして、この半導
体ウエハ130を陰極に設置して電解銅めっきを施すこ
とにより、孔開けされた位置(レジスト150が除去さ
れた位置)に銅バンプ120が電析形成される。
【0003】なお、図14に示す素子100は、銅バン
プ120が形成された半導体ウエハ130をチップ毎に
カットしたもので、銅バンプ120の上に印刷されたは
んだ160によってセラミック基板110の導体層(図
示しない)にボンディングされる。
【0004】この銅バンプ120を形成する電気めっき
の方法としては、図15に示すように、ハンガー170
にセットされた数枚の半導体ウエハ130を銅電極(陽
極)180と対向した状態でめっき浴に浸漬して電気め
っきを行う浸漬めっき方法がある。あるいは、図16に
示すように、円筒状のめっきセル190内に銅電極18
0を水平状態に配置して、半導体ウエハ130の被めっ
き面を下向きにして通電用ピン200の上にセットし、
押さえ治具210により半導体ウエハ130を押さえた
状態でめっき液をめっきセル190よりオーバフローさ
せて電気めっきを行うオーバフローめっき方法がある。
【0005】このような電気めっきにより素子に形成さ
れる銅バンプは、素子の組付け性、およびはんだの熱疲
労への影響を考慮して、寸法ばらつき(特に銅バンプ径
のばらつき)および表面粗度を一定の範囲内に抑える必
要がある(規格化されている)。しかし、上記の浸漬め
っき方法では、銅電極180に対する半導体ウエハ13
0の被めっき面に電流分布が発生し、この電流分布が銅
バンプ120の寸法ばらつきの原因となる。また、オー
バフローめっき方法では、めっき時に発生する水素ガス
気泡が半導体ウエハ130の被めっき面に付着して形状
不良の銅バンプ120が形成される虞がある。
【0006】そこで、銅バンプの寸法ばらつきを低減す
るために、めっき被膜の均一化作用および平滑化作用を
有する添加剤がめっき浴に添加される。この添加剤の被
膜均一化作用および平滑化作用について説明する。添加
剤は、被めっき面の電位の高い所に選択的に吸着してめ
っき反応を抑制することにより、被めっき面での電流分
布を補正して被膜を均一化する。一方、銅原子の析出・
結晶化過程において、添加剤の一部成分は、めっき被膜
中に取り込まれて結晶の成長を抑制する。この結果、結
晶粒径が小さくなって被膜が平滑化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、添加剤を使
用する場合は、添加剤の主成分濃度を適正な範囲(例え
ば0.25〜0.50 vol%)に管理する必要がある。
具体的には、添加剤の主成分であるジメルカプトベンゾ
チアゾール等のイオウ含有有機物の濃度が低い場合に
は、図17に示すように、銅バンプの寸法ばらつきが大
きくなる。一方、イオウ含有有機物の濃度が高くなる
と、イオウがめっき被膜中へ共析することで、図18に
示すように、銅バンプの耐久強度が低下する。
【0008】図17および図18に示すグラフは、上述
した浸漬めっき方法によりめっき浴中の添加剤の主成分
濃度を変化させて電気めっきを行った場合の銅バンプの
寸法ばらつき、および高温放置後(150℃、1000
時間)の耐久強度の変動を示すものである。但し、めっ
き浴は、硫酸銅50g/l、硫酸50g/l、および塩
酸60ppmにジメルカプトベンゾチアゾールを主成分
とする添加剤を添加した。また、電流密度を2A/dm
2 として、N2 バブリングによる攪拌を行った。 な
お、銅バンプの表面粗度は、添加剤の主成分濃度0.1
0 vol%を境として、これ以上の場合は5μm以下とな
った。
【0009】このように、添加剤は、主成分であるイオ
ウ含有有機物が適正な濃度範囲内であれば、めっき被膜
の均一化作用および平滑化作用という優れた効果を有す
るが、ある濃度範囲を外れると、銅バンプの品質に対し
て逆に悪影響を及ぼすことになる。従って、適正な銅バ
ンプ品質を確保するためには、添加剤を所定濃度範囲内
で管理する必要がある。
【0010】しかしながら、めっき浴中に添加された添
加剤は、陽極(銅電極)と陰極(半導体ウエハの被めっ
き面)との面積比が大きいことから、電流密度の低い陽
極において異常に消耗する。また、その消耗度合いが必
ずしも一定ではなく、建浴直後では極めて激しく消耗す
ること等から、添加剤の濃度管理は容易ではなく、添加
剤の主成分濃度が適正な範囲を外れて上記のような不具
合(銅バンプの寸法ばらつき、耐久強度の低下)が発生
する場合が多い。
【0011】このようなことから、現状では、比較的短
時間でめっき浴を更新する必要があるとともに、銅バン
プ品質の変動を常時チェックして、不具合が生じた時に
は添加剤の濃度調整を行うという経験的手法に頼ってお
り、量産ベースにおいて安定した銅バンプ品質を維持す
るのが困難である。
【0012】上記のような経緯から、本出願人は、濃度
管理の難しい添加剤を含まないめっき浴にてめっき被膜
の均一性および平滑性を向上するための検討を行った。
添加剤を含まない場合、純度の高いめっき被膜が得られ
ることから、耐久強度低下の少ない銅バンプを形成する
ことができるが、添加剤の作用である均一性および平滑
性を如何にして達成するかが問題となる。
【0013】そこで、電気めっきによるめっき被膜の面
粗度(平滑性)および均一性について検討した。一般に
電気めっきにおける被膜の面粗度は、めっき時の電流密
度を高くすると小さくなる傾向にある。また、めっき被
膜の均一性は、陰極および陽極の幾何学的形状に基づい
て一次電流分布およびこの電流分布を変動させるめっき
界面でのめっき液の流速分布を均一化するとともに、め
っき液の導電性を増すことにより向上する傾向にある。
【0014】これらを考慮して、めっき方法、電流条
件、および浴組成について詳細に検討した。まず、めっ
き時の電流密度を高くするには、被めっき面に銅イオン
が充分供給されるように、めっき液を高流速で噴流する
必要がある。一方、めっき液の噴流により生じる流れの
方向性によって電流分布が乱れるのを防止するために、
流れの方向性を小さくする必要がある。また、陰極およ
び陽極の幾何学的形状に基づく一次電流分布を均一化す
るためには、半導体ウエハと略同一径の銅電極を半導体
ウエハと平行に、且つ半導体ウエハの直径以下の間隔で
配置することが有効であると言える。
【0015】また、めっき浴については、硫酸および硫
酸銅のみを用いる。そして、硫酸は、めっき浴の導電性
を増すために濃度を高くし、硫酸銅は、めっき浴の導電
性を低下させることなく、且つめっき界面へ銅イオンを
経給し得る濃度にするのが良い。以上のような考えに基
づいて、添加剤を含まないめっき液において、均一およ
び平滑な銅バンプを形成し得る方法、条件を見出した。
本発明は上記事情に基づいて成されたもので、その目的
は、添加剤を含まないめっき液を使用して、均一および
平滑なめっき皮膜を形成することのできる半導体ウエハ
のめっき方法およびめっき装置を提供することにある。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】 本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1 では、陽極と対向して配置され
た半導体ウエハの被めっき面に、多孔ノズルよりめっき
液を噴流させて前記被めっき面に金属めっき層を形成す
る半導体ウエハのめっき方法において、前記陽極は、前
記半導体ウエハと略同一径の円形状に設けられて、前記
半導体ウエハと平行に配置され、前記多孔ノズルは、め
っき液を噴流する各噴流口と前記半導体ウエハとの間隔
が前記半導体ウエハの径寸法以下となるように設置さ
れ、前記めっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に溶かした溶
液で、硫酸濃度を75〜150g/lとし、硫酸銅濃度
を少なくとも75g/l以上で硫酸濃度に応じて溶解可
能な濃度とすることを技術的手段とする。
【0018】請求項では、陽極と対向して配置された
半導体ウエハの被めっき面に、多孔ノズルよりめっき液
を噴流させて前記被めっき面に金属めっき層を形成する
半導体ウエハのめっき方法において、前記陽極は、前記
半導体ウエハと略同一径の円形状に設けられて、前記半
導体ウエハと平行に配置され、前記多孔ノズルは、めっ
き液を噴流する各噴流口と前記半導体ウエハとの間隔が
前記半導体ウエハの径寸法以下となるように設置され、
前記多孔ノズルより噴流するめっき液の噴流流量を毎分
30リットル以上とし、前記被めっき面の電流密度を1
2.5A/dm2 以上とし、前記めっき液は、硫酸と硫
酸銅とを水に溶かした溶液で、硫酸濃度を75〜150
g/lとし、硫酸銅濃度を少なくとも75g/l以上で
硫酸濃度に応じて溶解可能な濃度とすることを技術的手
段とする。
【0019】請求項では、請求項1または2に記載さ
た半導体ウエハのめっき方法において、前記多孔ノズ
ルは、少なくとも9個の噴流口を有することを特徴とす
る。
【0020】請求項では、請求項1〜に記載された
何れかの半導体ウエハのめっき方法において、前記半導
体ウエハと前記多孔ノズルとの少なくとも一方を他方に
対して平行に揺動させながら電気めっきを行うことを特
徴とする。請求項5では、請求項1〜4に記載された何
れかの半導体ウエハのめっき方法を実施するためのめっ
き装置であり、 前記めっき液をろ過するろ過装置を備え
ることを特徴とする。
【0021】
【0022】
【0023】
【作用および発明の効果】 請求項に示す発明では、陽
極を半導体ウエハと略同一径の円形状として半導体ウエ
ハと平行に配置し、且つ多孔ノズルの各噴流口と半導体
ウエハとの間隔を半導体ウエハの径寸法以下としたこと
により、半導体ウエハの被めっき面における一次電流分
布の均一化を図ることができる。また、多孔ノズルの採
用により、めっき界面でのめっき液の流速分布を均一化
して、一次電流分布を乱す要因となる流れの方向性を小
さくすることができるとともに、めっき液濃度の適正化
によりめっき液の導電性を高めることができる。この結
果、膜厚のばらつきが小さい均一なめっき被膜を形成す
ることが可能となる。
【0024】請求項に示す発明では、請求項1に示す
めっき条件(めっき浴条件)に加えて、多孔ノズルより
噴流するめっき液の噴流流量を毎分30リットル以上と
し、被めっき面の電流密度を12.5A/dm 2 以上と
したことにより、均一且つ平滑な銅めっき被膜を形成す
ることが可能となる。また、本発明では、添加剤を用い
ないため、純度の高いめっき被膜が得られ、添加剤を用
いる場合に比べて、めっき層の耐久強度を高めることが
できる。さらには、添加剤を用いないことからめっき浴
の濃度変動が殆どなく、めっき浴の管理が容易となるた
め、フィルタ等で随時めっき液をろ過して有機不純物を
取り除くことにより、めっき浴の更新を不要とすること
も可能である。
【0025】
【実施例】次に、本発明の半導体ウエハのめっき方法の
第1実施例を図1〜図9に基づいて説明する。図1はめ
っき装置の全体構成図、図2はめっきセル内の構造を示
す断面図である。本実施例のめっき方法は、半導体ウエ
ハ1の被めっき面にめっき液を噴流させながら電気めっ
きを行う噴流めっき方式である。この噴流めっきを行う
ためのめっき装置は、図1に示すように、半導体ウエハ
1をセットするめっきセル2、このめっきセル2内に配
置された多孔ノズル3、めっき液を貯留するめっき液槽
4、このめっき液槽4とめっきセル2との間でめっき液
を循環させるめっき液循環手段(後述する)等より構成
されている。
【0026】半導体ウエハ1は、被めっき面(図3の上
面)を下向きにしてめっきセル2にセットされ、めっき
液の噴流圧に対抗するために押さえ治具5によって押圧
されている。この時、半導体ウエハ1とめっきセル2と
の間は液密にシールされている。めっきセル2にセット
された半導体ウエハ1は、被めっき面が定電流電源6の
マイナス電極に接続される。なお、半導体ウエハ1の被
めっき面は、図3に示すように、金属薄膜1aの上に塗
布されたレジスト1bに露光、現像処理が行われて、所
望の位置に金属薄膜1aが露出した状態で孔部1cが形
成されている。
【0027】多孔ノズル3は、図2に示すように、めっ
きセル2内で半導体ウエハ1の被めっき面と対向して配
置されて、各噴流口3aより半導体ウエハ1の被めっき
面に向けてめっき液を噴流する。噴流口3aは、半導体
ウエハ1の被めっき面に対するめっき液の流速分布を均
一化するために、少なくとも9個が均等に配置されてい
る。また、多孔ノズル3は、各噴流口3aと半導体ウエ
ハ1との間隔が半導体ウエハ1の径寸法以下となるよう
に設置されている。
【0028】多孔ノズル3内には、定電流電源6のプラ
ス電極に接続された銅電極7(本発明の陽極)が配置さ
れている。この銅電極7は、半導体ウエハ1と略同一径
の円形状に設けられて、半導体ウエハ1と平行に配置さ
れている。なお、銅電極7には、めっき液を通すための
通過孔7aが適宜開けられている(図2参照)。
【0029】めっき液槽4には、貯留するめっき液の温
度を一定(常温)に保つための温度調節装置8、および
めっき液のろ過装置9が設置されている。温度調節装置
8は、必要に応じてめっき液を加熱または冷却すること
でめっき液を常温に保つ。ろ過装置9は、めっき液槽4
に接続されたろ過用配管9aにポンプ9b、活性炭フィ
ルタ9c、および微粒子フィルタ9dを備え、ポンプ9
bの作動によって毎分10〜20リットルのめっき液を
各フィルタ9c、9dに通すことでめっき液中の有機不
純物をろ過することができる。なお、本実施例のめっき
装置で使用されるめっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に解
かした溶液で、添加剤は使用していない。
【0030】めっき液循環手段は、めっきセル2とめっ
き液槽4とを環状に接続する環状配管10、この環状配
管10に介在されたポンプ11、ポンプ11の下流に配
置されてポンプ11で圧送されるめっき液流量を測定す
る流量計12、およびポンプ11と流量計12との間に
配された微粒子フィルタ13より構成される。
【0031】このめっき装置を使用して、半導体ウエハ
1の被めっき面に多孔ノズル3よりめっき液を噴流させ
ながら電気めっきを施して、被めっき面に設けられた孔
部1cに銅バンプ1d(本発明の金属めっき層)を形成
した(図4参照)。以下に、銅バンプ1dの表面粗度5
μm以下、および寸法(径)ばらつき10%以下を達成
するために必要なめっき条件およびめっき浴組成を求め
た。
【0032】まず、半導体ウエハ1の被めっき面での電
流密度と銅バンプ1dの表面粗度との関係を測定した。
但し、めっき液は硫酸濃度および硫酸銅濃度ともに10
0g/lとし、めっき液の噴流流量を毎分60リットル
とした。測定結果は、図5に示すように、電流密度が高
くなる程、銅バンプ1dの表面粗度が小さくなり、電流
密度12.5A/dm2 以上で、表面粗度5μm以下を
達成することができる。
【0033】続いて、めっき液中の硫酸濃度と銅バンプ
1dの寸法(径)ばらつきとの関係を測定した。但し、
硫酸銅濃度を100g/l、めっき液の噴流流量を毎分
60リットル、電流密度を25A/dm2 とした。測定
結果は、図6に示すように、硫酸濃度が低い程、寸法ば
らつきが大きくなり、硫酸濃度が75g/l以上では寸
法ばらつきを10%以下に抑えることができた。
【0034】続いて、めっき液中の硫酸銅濃度と銅バン
プ1dの寸法(径)ばらつきとの関係を測定した。但
し、硫酸濃度を75g/l、めっき液の噴流流量を毎分
60リットル、電流密度を25A/dm2 とした。測定
結果は、図7に示すように、硫酸銅濃度の変化に対し
て、寸法ばらつきの変動が小さく、硫酸銅濃度75〜1
50g/lにおいては、寸法ばらつきを10%以下に抑
えることができた。
【0035】続いて、本実施例の噴流めっき方式により
量産ベースで電気めっきを行った場合の銅バンプ1dの
寸法ばらつき、および銅バンプ1dの耐久強度を測定し
た。但し、めっき液の噴流流量を毎分60リットル、電
流密度を25A/dm2 、硫酸濃度および硫酸銅濃度と
もに100g/lとした。
【0036】寸法ばらつきについては、図8に示すよう
に、従来の浸漬めっき方法において添加剤を用いた場合
と同等のレベル(10%以下)まで低減することができ
た。この寸法ばらつきは、半導体ウエハ1と多孔ノズル
3との少なくとも一方を他方に対して平行に揺動させな
がら電気めっきを行う(平2−61089号公報参照)
ことで、さらに低減することが可能である。耐久強度に
ついては、図9に示すように、めっき浴に添加剤を用い
ないことでめっき被膜の純度が高くなったため、浸漬め
っき方法において添加剤を適用した場合と比べて安定化
した。
【0037】なお、本実施例のめっき装置において、半
導体ウエハ1と多孔ノズル3の噴流口3aとの距離を大
きくし過ぎると、銅バンプ1dの寸法ばらつきが大きく
なるため、少なくとも半導体ウエハ1の径寸法以下とす
る必要がある。また、多孔ノズル3は、噴流口3aを少
なくとも9個以上設けることで、各噴流口3aより噴流
しためっき液が互いに干渉し合って流れの方向性が打ち
消されることにより、被めっき面での電流分布を均一化
させることができる。
【0038】以上のように、添加剤を用いないで電気め
っきを行う場合には、以下のめっき条件およびめっき浴
組成を満足することで、安定した銅バンプ品質(平面粗
度5μm以下、寸法ばらつき10%以下)を確保するこ
とが可能である。 a)銅電極は、半導体ウエハと略同一径の円形状とし
て、半導体ウエハと平行に配置する。 b)多孔ノズルは、各噴流口と半導体ウエハとの間隔が
半導体ウエハの径寸法以下となるように設置する。 c)多孔ノズルより噴流するめっき液の噴流流量を毎分
30リットル以上とする。
【0039】d)半導体ウエハの被めっき面の電流密度
を12.5A/dm2 以上とする。 e)めっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に解かした溶液
で、硫酸濃度を75〜150g/lとし、硫酸銅濃度を
少なくとも75g/l以上で硫酸濃度に応じて溶解可能
な濃度とする。なお、一般に硫酸銅めっきで添加剤と共
に用いられる塩酸(通常20〜80ppm)を添加した
場合は、塩素イオンが銅めっき界面に吸着して電析を抑
制するため、結晶粒径が大きくなり、いずれの硫酸濃
度、硫酸銅濃度においても表面粗度5μm以下の銅バン
プを形成することはできない。但し、量産ベースでより
長期間に渡ってめっき液の無更新化を図るためには、有
機不純物をろ過するシステム(ろ過装置9)を具備する
必要がある。
【0040】次に本発明の第2実施例を説明する。図1
0はめっきセル2の構造を示す断面図である。本実施例
のめっき方法は、第1実施例と同様に多孔ノズル3より
めっき液を噴流させる噴流めっき方式であるが、多孔ノ
ズル3より噴流されためっき液は、多孔ノズル3の各噴
流口3aと交互に配置された液戻りパイプ3bより排出
される構造である。このめっき装置を使用して半導体ウ
エハ1の被めっき面に銅バンプ1dを形成し、第1実施
例と同様に、銅バンプ1dの表面粗度5μm以下、およ
び寸法(径)ばらつき10%以下を達成するために必要
なめっき条件およびめっき浴組成を求めた。
【0041】まず、半導体ウエハ1の被めっき面での電
流密度と銅バンプ1dの表面粗度との関係を測定した。
但し、めっき液は硫酸濃度および硫酸銅濃度ともに10
0g/lとし、めっき液の噴流流量を毎分60リットル
とした。測定結果は、図11に示すように、電流密度が
高くなる程、銅バンプ1dの表面粗度が小さくなり、電
流密度12.5A/dm2 以上で、表面粗度5μm以下
を達成した。
【0042】続いて、めっき液中の硫酸濃度と銅バンプ
1dの寸法(径)ばらつきとの関係を測定した。但し、
硫酸銅濃度を100g/l、めっき液の噴流流量を毎分
60リットル、電流密度を25A/dm2 とした。測定
結果は、図12に示すように、硫酸濃度が75〜150
g/lの範囲内において寸法ばらつきを10%以下に抑
えることができた。
【0043】続いて、めっき液中の硫酸銅濃度と銅バン
プ1dの寸法(径)ばらつきとの関係を測定した。但
し、硫酸濃度を75g/l、めっき液の噴流流量を毎分
60リットル、電流密度を25A/dm2 とした。測定
結果は、図13に示すように、硫酸銅濃度の変化に対し
て、寸法ばらつきの変動が小さく、硫酸銅濃度75〜1
75g/lにおいては、寸法ばらつきを10%以下に抑
えることができた。
【0044】続いて、第1実施例と同様に、本実施例の
噴流めっき方式により量産ベースで電気めっきを行った
場合の銅バンプ1dの寸法ばらつき、および銅バンプ1
dの耐久強度を測定した。但し、めっき液の噴流流量を
毎分60リットル、電流密度を25A/dm2 、硫酸濃
度および硫酸銅濃度ともに100g/lとした。
【0045】寸法ばらつき(図8参照)、および耐久強
度(図9参照)ともに、第1実施例と同様、良好な結果
を得ることができた。なお、本実施例のめっき方法で
は、多孔ノズル3の各噴流口3aおよび液戻りパイプ3
bのサイズ等を適正化することにより、更に寸法ばらつ
きを低減することが可能である。
【0046】〔変形例〕第1実施例および第2実施例に
示しためっき方法以外においても、以下の条件を満たす
めっき方法であれば良い。 a)多孔ノズルよりめっき液を半導体ウエハの被めっき
面に噴流して電気めっきを行うシステム。この時、半導
体ウエハは、めっきセルに対して液密に保持されるとと
もに、めっき液の噴流圧に耐え得るように固定されてい
ること。 b)銅電極は、半導体ウエハと略同一径の円形状とし
て、半導体ウエハと平行に配置すること。 c)多孔ノズルは、各噴流口と半導体ウエハとの間隔が
半導体ウエハの径寸法以下となるように設置すること。 d)多孔ノズルより噴流するめっき液の噴流流量を毎分
30リットル以上とすること。 e)半導体ウエハの被めっき面の電流密度を12.5A
/dm2 以上とする。 f)めっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に解かした溶液
で、硫酸濃度を75〜150g/lとし、硫酸銅濃度を
少なくとも75g/l以上で硫酸濃度に応じて溶解可能
な濃度とすること。
【0047】但し、上記a)のめっきシステムにおい
て、d)の噴流流量の条件、およびe)の電流密度の条
件を満足するめっき方法により、めっき被膜の表面粗度
を小さくすることは可能である。また、上記a)のめっ
きシステムにおいて、b)の銅電極の条件、c)の多孔
ノズルの条件、およびf)のめっき液の組成条件を満足
するめっき方法により、めっき被膜の均一性を向上させ
ることは可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係わるめっき装置の全体構成図で
ある。
【図2】第1実施例に係わるめっきセル内の構造を示す
断面図である。
【図3】半導体ウエハの断面図である。
【図4】銅バンプが形成された半導体ウエハの断面図で
ある。
【図5】電流密度と銅バンプの表面粗度との関係を示す
グラフである。
【図6】硫酸濃度と銅バンプの寸法ばらつきとの関係を
示すグラフである。
【図7】硫酸銅濃度と銅バンプの寸法ばらつきとの関係
を示すグラフである。
【図8】銅バンプの寸法ばらつきを比較するグラフであ
る。
【図9】銅バンプの耐久強度を比較するグラフである。
【図10】第2実施例に係わるめっきセル内の構造を示
す断面図である。
【図11】電流密度と銅バンプの表面粗度との関係を示
すグラフである。
【図12】硫酸濃度と銅バンプの寸法ばらつきとの関係
を示すグラフである。
【図13】硫酸銅濃度と銅バンプの寸法ばらつきとの関
係を示すグラフである。
【図14】フリップチップ素子の断面図である。
【図15】浸漬めっき方法の概略図である。
【図16】オーバフローめっき方法の概略図である。
【図17】添加剤の主成分濃度と銅バンプの寸法ばらつ
きとの関係を示すグラフである。
【図18】添加剤の主成分濃度と銅バンプの耐久強度と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ 1d 銅バンプ(金属めっき層) 3 多孔ノズル 3a 噴流口 7 銅電極(陽極)9 ろ過装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 基樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−61089(JP,A) 特開 平3−247792(JP,A) 特開 平1−289143(JP,A) 特開 平1−293634(JP,A) 特開 平6−224202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 C25D 5/08 C25D 3/38 C25D 7/12

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陽極と対向して配置された半導体ウエハの
    被めっき面に、多孔ノズルよりめっき液を噴流させて前
    記被めっき面に金属めっき層を形成する半導体ウエハの
    めっき方法において、 a)前記陽極は、前記半導体ウエハと略同一径の円形状
    に設けられて、前記半導体ウエハと平行に配置され、 b)前記多孔ノズルは、めっき液を噴流する各噴流口と
    前記半導体ウエハとの間隔が前記半導体ウエハの径寸法
    以下となるように設置され、 c)前記めっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に溶かした溶
    液で、硫酸濃度を75〜150g/lとし、硫酸銅濃度
    を少なくとも75g/l以上で硫酸濃度に応じて溶解可
    能な濃度とすることを特徴とする半導体ウエハのめっき
    方法。
  2. 【請求項2】陽極と対向して配置された半導体ウエハの
    被めっき面に、多孔ノズルよりめっき液を噴流させて前
    記被めっき面に金属めっき層を形成する半導体ウエハの
    めっき方法において、 a)前記陽極は、前記半導体ウエハと略同一径の円形状
    に設けられて、前記半導体ウエハと平行に配置され、 b)前記多孔ノズルは、めっき液を噴流する各噴流口と
    前記半導体ウエハとの間隔が前記半導体ウエハの径寸法
    以下となるように設置され、 c)前記多孔ノズルより噴流するめっき液の噴流流量を
    毎分30リットル以上とし、 d)前記被めっき面の電流密度を12.5A/dm2
    上とし、 e)前記めっき液は、硫酸と硫酸銅とを水に溶かした溶
    液で、硫酸濃度を75〜150g/lとし、硫酸銅濃度
    を少なくとも75g/l以上で硫酸濃度に応じて溶解可
    能な濃度とすることを特徴とする半導体ウエハのめっき
    方法。
  3. 【請求項3】前記多孔ノズルは、少なくとも9個の噴流
    口を有することを特徴とする請求項1または2に記載さ
    た半導体ウエハのめっき方法。
  4. 【請求項4】前記半導体ウエハと前記多孔ノズルとの少
    なくとも一方を他方に対して平行に揺動させながら電気
    めっきを行うことを特徴とする請求項1〜に記載され
    た何れかの半導体ウエハのめっき方法。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載された何れかの半導体
    ウエハのめっき方法を実施するためのめっき装置であ
    り、 前記めっき液をろ過するろ過装置を備えることを特徴と
    するめっき装置。
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