JP3362412B2 - 非還元性誘電体磁器の製造方法 - Google Patents

非還元性誘電体磁器の製造方法

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地 幸 生 浜
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は非還元性誘電体磁器の
製造方法に関し、特にたとえば、ニッケルなどの卑金属
を内部電極材料とする積層コンデンサなどの誘電体とし
て用いられる、非還元性誘電体磁器の製造方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】近年のエレクトロニクスの発展に伴い、
電子部品の小型化が急速に進行し、積層コンデンサが広
範囲な電子回路に使用されるようになってきている。こ
のような積層コンデンサは、従来より一般に、表面に内
部電極ペーストが塗布されたシート状のBaTiO3
主成分とする誘電体を複数枚積層するとともに、各シー
トの内部電極を交互かつ並列に一対の外部接続用電極に
接続し、これを焼結して一体化することによって形成さ
れている。 【0003】また、BaTiO3 を主成分とする従来の
誘電体磁器材料は、中性または還元性の低酸素分圧下で
焼成すると、還元され、半導体化を起こすという性質を
有していた。そのため、内部電極材料としては、誘電体
磁器の焼結する温度であっても溶融せず、かつ誘電体磁
器を半導体化させない高い酸素分圧下で焼成しても酸化
されない、たとえばPd,Ptなどの貴金属を用いなけ
ればならなかった。これは、製造される積層コンデンサ
の低コスト化の大きな妨げとなっていた。 【0004】そこで、上述の問題点を解決するために、
たとえばNiなどの安価な卑金属を内部電極の材料とし
て使用することが望まれていた。しかし、このような卑
金属を内部電極の材料として使用して、従来と同様の条
件下で焼成すると、電極材料が酸化してしまい、電極と
しての機能を果たさなくなる。そのため、このような卑
金属を内部電極の材料として使用するためには、酸素分
圧の低い中性または還元性の雰囲気において焼成しても
半導体化せず、コンデンサ用の誘電体材料として、十分
な比抵抗と優れた誘電特性とを有する誘電体磁器材料が
必要とされていた。 【0005】そこで、発明者らは、たとえば特開昭63
−170803号〜170807号において、これらの
条件をみたし、Niなどの卑金属を内部電極の材料とし
て使用可能な耐還元性に優れた誘電体磁器材料を提案し
てきた。 【0006】また、これらの誘電体磁器の製造方法とし
ては、種々の素原料を水あるいは有機溶剤とともに、一
度に混合,粉砕,分散させることによって、原料スラリ
を調整したのち、ドクターブレード法で代表されるシー
ト成形によってグリーンシートを得る方法がとられてい
た。この製造方法は、従来の誘電体磁器の製造方法と何
ら変わることのないものであった。また、用いられる素
原料も粒子径の大きいことが一般的であって、微細で均
一な素原料を入手することは非常に困難であった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
非還元性誘電体磁器の製造方法では、微量添加物の分散
性が十分でないため、組織の均一性に欠け、異相を生じ
やすいという欠点があった。そのため、積層コンデンサ
において、特に素子厚さを10μmあるいはそれ以下の
薄層にした場合、高温負荷試験で代表される信頼性試験
において、初期的あるいは偶発的な不良発生の可能性が
非常に高かった。そして、ワイブルプロットを行った際
の傾きm値を小さくしていると同時に、MTTF(me
an time to failure)を短くしてい
るという問題があった。また、信頼性試験のみならず、
初期特性においても、絶縁抵抗IRや絶縁破壊電圧BD
Vなどの分布上のすそ引きに代表されるように、特性値
のばらつきが大きくなる傾向があり、工程管理上問題に
なる場合があった。 【0008】これらの問題点に対処するために、主成分
および副成分を同時に混合したのちに仮焼することも試
みられているが、十分であるとはいい難かった。 【0009】それゆえに、この発明の主たる目的は、組
織が均一で異相がなく、特性面でも特性値のばらつきが
小さく、さらに信頼性試験においても初期的,偶発的な
不良発生が非常に少なく、ワイブルプロットにおけるm
値の大きい非還元性誘電体磁器の製造方法を提供するこ
とである。 【0010】 【課題を解決するための手段】この発明は、BaTiO
3 と、Tb23 ,Dy23 ,Ho23 ,Er23
の中から選ばれる少なくとも1種類の希土類酸化物
と、Co23 とを主成分とし、副成分として、Ba
O,MgO,NiOおよびMnOと、BaO−SrO−
Li2 O−SiO2 を主成分とする酸化物ガラスとを含
む、非還元性誘電体磁器の製造方法において、BaTi
3 と副成分とを除いて、希土類酸化物とCo23
を混合させたのち、混合物を仮焼し、仮焼物を得る工程
と、仮焼物を粉砕し、マイクロトラック径D90が0.7
〜2.0μmの粉砕物を得る工程と、粉砕物にBaTi
3 および副成分を混合,分散させ、非還元性誘電体磁
器組成物を得る工程とを含む、非還元性誘電体磁器の製
造方法である。ここで、マイクロトラック径D 90 につい
て説明する。マイクロトラックとは、レーザー光散乱式
の粒度分布測定装置の製造メーカーの社名で、粒子径測
定装置として最も一般的なメーカーである。したがっ
て、マイクロトラック径D 90 とは、マイクロトラック社
製粒度分布測定装置で測定した粒子径D 90 の値を意味す
る。なお、D 90 については、粒子径を表現する指標の一
つであり、ある粒度分布を持つ粒子の母集団に対し、小
さい粒子から順番に積算した際の90%体積に当たる粒
子径を意味する。 【0011】 【発明の効果】この発明によれば、異相の存在しない均
一な分散性に優れた組織の非還元性誘電体磁器が得られ
る。したがって、この発明で製造される非還元性誘電体
磁器を用いた積層コンデンサは、ばらつきの非常に少な
い安定した特性を有し、この発明によれば、従来の製造
方法と比較して、工程管理を容易にすることが可能とな
る。さらに、この発明で製造される非還元性誘電体磁器
は、高温負荷試験などで代表される信頼性試験において
初期的,偶発的な不良発生の可能性が低くなるので、信
頼性に優れた積層コンデンサを得ることが可能となる。 【0012】この発明の上述の目的,その他の目的,特
徴および利点は、以下の実施例の詳細な説明から一層明
らかとなろう。 【0013】 【実施例】出発原料として、BaTiO3 ,希土類酸化
物,Co2 3 ,BaCO3 ,MgO,NiO,MnC
3 および酸化物ガラスを準備した。目的とする組成物
中の比率と同等の混合比率で、まず希土類酸化物とCo
2 3 とを秤量して、秤量物を得た。次に、この秤量物
をPSZボールを用いたボールミルで十分に湿式混合
し、水分を蒸発,乾燥したのち、1000℃で仮焼を行
い、仮焼物を得た。 【0014】この仮焼物を再びPSZボールを用いたボ
ールミルで十分に湿式混合し、マイクロトラック径D90
が1.5μmの粉砕物を作成した。また、粉砕時間を変
更することで、マイクロトラック径D90が0.5μm,
0.8μm,2.0μm,2.5μmの粉砕物について
も作成した。これらの粉砕物の水分を蒸発,乾燥したの
ち、BaTiO3 と副成分とを添加し、非還元性誘電体
磁器組成物を得た。この非還元性誘電体磁器組成物に分
散媒を添加し、PSZボールを用いたボールミルで混合
することによって、原料スラリを調整した。次に、この
原料スラリに有機系バインダ,可塑剤を添加し、十分に
攪拌したのち、ドクターブレード法によってシート成形
して、厚さ13μmのセラミックグリーンシートを得
た。 【0015】次いで、このようにして得られたセラミッ
クグリーンシートの一面に、内部電極形成用導電ペース
トを印刷し、乾燥後、複数枚のセラミックグリーンシー
トを積層したのち、厚み方向に圧着することによって積
層体を得た。この積層体を、空気中において320℃で
5時間保持の条件で脱バインダを行ったのち、H2 /N
2 の体積比率が3/100の還元雰囲気ガス気流中にお
いて、2時間焼成することによって焼結体を得た。 【0016】得られた焼結体の両面に、銀ペーストを塗
布して、焼き付けることによって、銀電極を形成して積
層コンデンサとした。そして、この積層コンデンサのそ
れぞれのロットについて、絶縁抵抗IR,絶縁破壊電圧
BVDおよび高温負荷試験について測定を行った。それ
らの結果を表1に示す。 【0017】 【表1】 【0018】表1中、試料番号1は粉砕後の粒子径D90
が0.5μmのユニットを、試料番号2は粉砕後の粒子
径D90が0.8μmのユニットを、試料番号3は粉砕後
の粒子径D90が1.5μmのユニットを、試料番号4は
粉砕後の粒子径D90が2.0μmのユニットを、試料番
号5は粉砕後の粒子径D90が2.5μmのユニットをそ
れぞれ示す。 【0019】なお、絶縁抵抗については、温度25℃に
おいて直流電圧25Vを2分間予備印加したときの結果
を対数値(logIR)で示す。さらに、絶縁破壊電圧
BVDについては、温度25℃において100V/se
cの速度で昇圧した際に、絶縁破壊に至ったときの電圧
について標準偏差とともに示す。また、高温負荷試験に
ついては、150℃,100Vの条件で加速的に試験し
たときにショート不良を起こしたユニットについて、ワ
イブルプロットより算出したm値について示す。なお、
評価に供した試料数はn=100である。 【0020】表1から明らかなように、この発明によれ
ば、標準偏差が小さく、安定した特性が得られる。ま
た、高温負荷試験におけるm値も大きく、初期故障ある
いは偶発故障の少ないことを示す。 【0021】さらに、この発明により得られたグリーン
シートの分散性について、エネルギ分散型X線マイクロ
アナライザのマッピング分析によって調査した結果、偏
析することなく全成分が均一に分散していることを確認
した。 【0022】この発明において、粉砕後の粒子径を上述
のように限定する理由は次の通りである。 【0023】粉砕後の粒子径D90を0.7〜2.0μm
とするのは、粒子径D90が0.7μm未満にまで粉砕す
ると、表2の試料番号1に示すように、粒子どうしの凝
集が生じやすく、分散性の向上にも効果がなく、希土類
酸化物やCo2 3 の偏析が著しく認められるようにな
り好ましくない。また、粉砕後の粒子径D90が2.0μ
mを超えると、粉砕の効果が現われないため、表2の試
料番号5に示すように、特性値のばらつきが大きく、ワ
イブルプロットを行った際の傾きm値も小さくなり好ま
しくない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−303906(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/00 H01B 3/12 303 C04B 35/46 H01G 4/12 358

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 BaTiO3 と、Tb23 ,Dy2
    3 ,Ho23,Er23 の中から選ばれる少なくと
    も1種類の希土類酸化物と、Co23とを主成分と
    し、副成分として、BaO,MgO,NiOおよびMn
    Oと、BaO−SrO−Li2 O−SiO2 を主成分と
    する酸化物ガラスとを含む、非還元性誘電体磁器の製造
    方法において、前記BaTiO 3 と副成分とを除いて、 希土類酸化物と
    Co23 とを混合させたのち、混合物を仮焼し、仮焼
    物を得る工程、 前記仮焼物を粉砕し、マイクロトラック径D90が0.7
    〜2.0μmの粉砕物を得る工程、および前記粉砕物に
    BaTiO3 および副成分を混合,分散させ、非還元性
    誘電体磁器組成物を得る工程を含むことを特徴とする、
    非還元性誘電体磁器の製造方法。
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