JP3362106B2 - 鋳物用コーテッドサンド - Google Patents

鋳物用コーテッドサンド

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JP3362106B2
JP3362106B2 JP13974697A JP13974697A JP3362106B2 JP 3362106 B2 JP3362106 B2 JP 3362106B2 JP 13974697 A JP13974697 A JP 13974697A JP 13974697 A JP13974697 A JP 13974697A JP 3362106 B2 JP3362106 B2 JP 3362106B2
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/02Cylinders; Cylinder heads  having cooling means
    • F02F1/10Cylinders; Cylinder heads  having cooling means for liquid cooling
    • F02F1/108Siamese-type cylinders, i.e. cylinders cast together
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/16Engines characterised by number of cylinders, e.g. single-cylinder engines
    • F02B75/18Multi-cylinder engines
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    • F02B2075/1816Number of cylinders four

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  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mold Materials And Core Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋳物用コーテッドサ
ンドに係り、詳しくは極小、極薄の鋳抜き部を有する鋳
物を高温で成形する際の中子砂として好適な鋳物用コー
テッドサンドに関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリンダブロックはエンジンを構成する
基本部品であり、ピストンの往復運動のガイド、クラン
クシャフトの支持、シリンダの冷却等が主な役割とな
る。そして、シリンダの冷却のためにウォータジャケッ
トがシリンダボアの周囲に配設されている。
【0003】エンジンの軽量化及び小型化のため、シリ
ンダボア間の区画壁の厚さをできるだけ小さくし(8〜
11mm)、ボア間にウォータジャケットを設けない、
いわゆるサイアミーズタイプのシリンダブロックが近年
多く採用されている。このシリンダブロックではボア間
に冷却水が流れないため、フルジャケットタイプに比較
してボア間の冷却が不十分となる。
【0004】ボア間の冷却が不十分だと壁温の上昇によ
ってボアが歪み、燃焼室にオイルパンのオイルが回り込
み、ガスとなって排出されるという不都合がある。ま
た、ボア壁温の上昇が大きいと排ガス中の窒素酸化物
(NOx )やスモークが多くなるという問題もある。
【0005】ウォータジャケットはシリンダブロックを
鋳造で形成する際の中子により形成される。従って、ウ
ォータジャケット用中子にボア間を鋳抜くための薄肉部
を一体に形成して、シリンダブロックの鋳造の際に冷却
水通過用の扁平な孔をボア間に形成できればよい。しか
し、従来の中子を使用した場合、高温(ほぼ1330°
C)での鋳造時の差し込み(目差し)、クラック等の発
生を防止して歩留まり良くシリンダブロックを鋳造する
ことができる孔の小径側の大きさはほぼ2.2mmが限
度であった。
【0006】砂中子を使用して冷却水通過用の孔を鋳抜
く代わりに、ウォータジャケット用中子のボア間と対応
する位置に肉厚1mmの扁平なパイプ(幅17mm、厚
さ3mm)を配置し、パイプを鋳グルミの状態でボア間
の区画壁内に配設して、冷却水通過用の孔を形成したも
のが実施されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、砂中子を使
用する代わりに扁平なパイプを鋳グルミの状態でボア間
に鋳込む従来技術の場合は、パイプをウォータジャケッ
ト用中子の所定位置に埋め込むのに手間がかかる。ま
た、扁平なパイプの肉厚が1mmと薄いため、パイプ内
が空の状態で鋳造すると、鋳造時にパイプに作用する溶
湯の圧力でパイプが変形するため、パイプ内に鋳物砂等
の充填物を充填した状態で鋳込み、鋳造後に充填物を取
り除く必要がある。従って、工数が多くなるとともに特
殊な扁平パイプを必要とするため、製造コストが高くな
る。
【0008】シリンダボア間に形成すべき冷却水通路の
幅はウォータジャケットの幅に比較して非常に狭い。従
って、鋳造時に砂粒間隙に溶湯が入り込むために生じる
鋳物表面の欠陥であるいわゆる目差し(差し込み)が少
しでも発生すると、ウォータジャケットでは許される欠
陥であっても冷却水通路では許されない。また、冷却水
通路の幅が非常に狭いため冷却水通路の内面に形成され
た目差しを後加工で除去することは非常に難しく、目差
しが発生したシリンダブロックは不良品となるため、シ
リンダブロックの製造時の歩留まりが悪くなる。
【0009】ウォータジャケット用中子を形成する場
合、シリンダボア間の鋳抜き箇所をウォータジャケット
部と一体に同じ中子砂を使用して形成した場合は、前記
のようにその厚さの限度がほぼ2.2mmであり、シリ
ンダボア間の区画壁を薄くすることが難しくなる。ま
た、鋳抜きにより小径側の大きさがほぼ2.2mmの孔
の形成が可能な中子は、取り扱い時に薄肉部が損傷する
のを防止するため取り扱いに細心の注意を必要とし、作
業性が悪いという問題もある。
【0010】また、骨材として一般に使用される珪砂を
使用した中子砂に代えて、耐熱性に優れた代表的な無機
物(例えば、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ジ
ルコンサンド)を材料として中子砂を調製して実験を行
ったが、鋳込みの際に骨材が(溶融したり、)折れて飛
ばされたり変形する等の現象が生じたり、中子を形成す
る際に取り扱いに耐え得る成形体が得られない等、使用
に耐えられるものが得られなかった。
【0011】また、ウォータジャケットに限らず、極
小、極薄の鋳抜き部を有する鋳物を高温で成形する場合
にも同様な問題がある。本発明は前記従来の問題点に鑑
みてなされたものであってその目的は、極小、極薄の鋳
抜き部を有する鋳物を高温で成形する場合に、焼き付
き、割れ、目差しが発生するのを抑制して、精密鋳物を
製造することができる鋳物用コーテッドサンドを提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明の鋳物用コーテッドサンド
は、純度が二酸化硅素(SiO2)として98%以上で
100〜200メッシュの粒度のものが主成分となる高
純度シリカを骨材とする極小、極薄の鋳抜き部を形成す
るための鋳物用コーテッドサンドであって、前記高純度
シリカに対するバインダーの重量割合が3.5〜10%
であることを特徴とする。バインダーには所謂シェル砂
のバインダーとして一般的なフェノール樹脂系のものが
使用できる。ノボラック型のフェノール樹脂を使用する
場合は硬化剤が必要であり、硬化剤として一般にヘキサ
メチレンテトラミンが使用される。また、触媒としてス
テアリン酸カルシウムを使用するのが好ましい。レゾー
ル型のフェノール樹脂を使用する場合は硬化剤が不要と
なる。フェノール樹脂系以外に、その他の鋳込み用バイ
ンダーも使用可能である。
【0013】また、高純度シリカの粒度は、100メッ
シュ残が25%以下、100〜200メッシュが70%
以上、200メッシュ通過が15%以下が好ましい。す
なわち、100〜200メッシュのものを70%以上と
し、残りを100メッシュ残が25%以下、200メッ
シュ通過が15%以下となるように組み合わせる。より
好ましくは、100メッシュ残が10%以下、100〜
200メッシュが85%以上、200メッシュ通過が5
%以下である。
【0014】
【0015】極小、極薄の鋳抜き部を有する鋳物を高温
(例えば1300°C以上)で成形して精密鋳物の製造
を可能にするためには、注湯時に焼き付き、割れ、目差
しが発生するのを抑制する必要がある。焼き付きを防止
するには溶湯の温度での骨材の溶融及び軟化が抑制され
る必要がある。高純度シリカは結晶学的には六方晶系の
石英で、融点は1550°Cであるため、溶湯の温度で
は骨材の溶融は発生せず、焼き付きが抑制される。
【0016】割れの原因としては注湯時における急激な
膨張がある。また、細かい割れが生じるとその部分で目
差しが発生する場合もある。高純度シリカの線膨張率は
3.0×10-6で、耐火物として知られている他の代表
的な無機物である酸化マグネシウム(線膨張係数17.
5×10-6)、酸化アルミニウム(線膨張係数8.0×
10-6)に比較して非常に小さい。従って、注湯時に溶
湯により急激に加熱されても歪みが小さく、割れが抑制
されて結果的に形が保たれると推察される。
【0017】目差しは鋳型の砂粒間隙に溶湯が入り込む
ために生じるが、骨材を構成する高純度シリカは100
〜200メッシュの粒度のものが主成分(重量割合で7
0%以上)となっているため、前記の熱膨張が小さいこ
とと相俟って、目差しが生じ難くなる。また、粒度分布
が広くないことが、注湯時に湯圧に耐える強度を確保す
るのに役立つ。
【0018】高純度シリカのコーテッドサンドに占める
重量割合が、90〜96.5%(残りはバインダー及び
硬化剤)であるため、中子の成形及びその後の取り扱い
が容易となる。バインダー(レジン)の量が3.5%よ
り少ないと、コーテッドサンドがさらさら過ぎて成形が
困難になるとともに、成形できてもその後の取り扱い時
に破損し易くなる。バインダーの量が10%より多いと
べとつき過ぎて成形し難くなるとともに、鋳造時にガス
の発生が多くなって気泡ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明をディーゼルエンジ
ンのウォータジャケットの冷却水通路形成用の中子ピー
スに使用するコーテッドサンドに具体化した一実施の形
態を説明する。
【0020】図1はエンジンの4連サイアミーズ型シリ
ンダブロックの製造時に使用するウォータジャケット用
中子の概略斜視図である。図1に示すように、ウォータ
ジャケット用中子1はウォータジャケット用中子本体2
と、隣接するシリンダボア間の区画壁に冷却水通過用の
孔を形成するための中子ピース3とから構成されてい
る。ウォータジャケット用中子本体2には、隣接するシ
リンダボア間と対応する上部の互いに対向する位置に、
それぞれ上方及び側方が開放された一対の嵌合溝4が形
成されている。中子ピース3はその両端が嵌合溝4に嵌
合されて、隣接するシリンダボア間と対応する所定位置
に配置される。
【0021】ウォータジャケット用中子本体2の材料に
は従来と同様な中子砂、例えばレジン含有量2%程度の
レジンコーテッドサンド(シェル砂)が使用される。一
方、中子ピース3の材料にはウォータジャケット用中子
本体2の材料と別の材料、即ち本発明に係るコーテッド
サンドが使用される。
【0022】コーテッドサンド(レジンコーテッドサン
ド)には人造Si O2 からなる高純度シリカを骨材とし
たコーテッドサンドが使用されている。より詳細に説明
すると、骨材として高純度シリカ(純度Si O2 :9
9.8%)の100〜200メッシュ品100%(10
0g)にバインダー5%(5g)、ヘキサメチレンテト
ラミン水溶液2%(2g)、ステアリン酸カルシウム水
溶液1%(1g)を加熱混合したものである。
【0023】混合は、先ず高純度シリカとフェノール樹
脂とを140°Cに加熱して混合する。このとき、フェ
ノール樹脂はペレット状のものをそのまま使用せず、予
め粉砕して粉末状にしたものを使用する方が、容易に均
一に混合できる。この混合には1時間程度かかる。次に
硬化剤を加えて良く混合し、さらに触媒を加えて良く混
合すると、高純度シリカの表面がフェノール樹脂で被覆
された状態となる。このようにして調整された混合品
を、コーテッドサンドと呼ぶ。コーテッドサンドはさら
っとした感じで適度な流動性を持ち、型による成形性に
優れている。触媒は必ずしも必要ではないが、ステアリ
ン酸カルシウム水溶液を添加することにより、混合がや
り易くなるとともに、混合品もさらっとして中子ピース
を製造する際に型にコーテッドサンドを入れるときの作
業がし易くなる。
【0024】なお、硬化剤及び触媒は水溶液の状態での
重量で表されており、加熱状態で混合中に水分の一部が
蒸発するため、最終製品としてのコーテッドサンド中の
高純度シリカの割合は93%より多くなる。
【0025】できあがったコーテッドサンドを所定形状
(縦55mm、横37mm、厚み1.0〜1.8mm)
にくり抜いた型板に約10g程入れ、圧力をかけて押し
込む。型板に押し込む時、コーテッドサンドは適度に湿
った砂と同様な状態となっているため、型崩れせずに型
部の形状に対応した形状に押し固められる。次に180
°Cで1時間加熱焼成する。この処理によりコーテッド
サンドの表面に被覆されたレジンが硬化して砂粒が相互
に結合される。その後、自然冷却すると、中子ピースと
型板との熱膨張係数の差により、中子ピースが型部から
自然に分離する。
【0026】前記のようにして形成された中子ピース3
がウォータジャケット用中子本体2の嵌合溝4に嵌合さ
れた後、塗型材にてウォータジャケット用中子本体2と
中子ピース3とが固定されてウォータジャケット用中子
1が形成される。中子ピース3の常温時の強度が大きい
ため、中子ピース3の取り扱いにあまり注意を払わなく
ても、取り扱い中の損傷が大幅に低減される。また、作
業者が中子ピース3を手作業でウォータジャケット用中
子本体2に取り付ける代わりに、ロボットで自動的に取
り付けることも可能となる。
【0027】前記のように構成されたウォータジャケッ
ト用中子1は、他の中子とアッセンブリーされた後、鋳
型内に収納される。その状態で約1400°C前後に加
熱された鋳鉄が鋳型内に流し込まれる。そして、希望す
る精密な鋳抜き孔(冷却水通路)がウォータジャケット
に連通するシリンダブロックが形成される。
【0028】骨材として使用された100〜200メッ
シュの粒度のものが主成分となる高純度シリカが、この
コーテッドサンドで製造された中子に低膨張性、非焼付
き性を持たせるとともに目差しの発生を防止する役割を
果たす。高純度シリカは結晶学的には六方晶系の石英
で、線膨張係数は3.0×10-6、比重は2.65、融
点は1550°Cである。酸化マグネシウムは線膨張係
数17.5×10-6、比重は3.65、融点は2800
°Cであり、酸化アルミニウムは線膨張係数8.0×1
-6、比重4.0、融点は2054°Cである。石英の
線膨張係数が酸化マグネシウムや酸化アルミニウムに比
較して非常に小さいのが特長で、それゆえ急激に加熱さ
れても歪みが小さく、結果的に割れが発生しないと考え
られる。
【0029】従来、骨材として使用されている珪砂は主
成分は石英であるが不純物が多く、その結果、石英より
線膨張係数が大きくなって歪みが大きくなり、結果的に
満足できなかった可能性がある。また、珪砂は天然品の
ため品質のばらつきが大きく、得られるコーテッドサン
ドの品質もばらつき、信頼性が低くなるとともに、最終
製品(鋳物)の歩留まりが悪くなる。それに対して、人
造SiO2 を原料とした場合は品質のばらつきが小さ
く、一定品質のものが得られるため、最終製品(鋳物)
の歩留まりが良くなる。
【0030】また、同じ高純度シリカでも、使用する粒
子の影響がある。微粉末になれば鋳込み後の崩壊性が悪
い。また、粗くても成形性が落ちる。適度な粒度は10
0〜200メッシュであるが、100〜200メッシュ
が100%でなくても、100メッシュ残が25%以
下、100〜200メッシュが70%以上、200メッ
シュ通過が15%以下となる粒度分布であればよい。よ
り好ましい結果が得られる粒度分布としては、100メ
ッシュ残が10%以下、100〜200メッシュが85
%以上、200メッシュ通過が5%以下である。
【0031】バインダーは通常使用されているフェノー
ル樹脂系が使用でき、その他の鋳込み用バインダーも使
用可能である。バインダー(フェノール樹脂)の使用量
は高純度シリカ(骨材)に対する重量割合で、3.5〜
10%程度、好ましくは4.0〜8.0%、より好まし
くは4.5〜6.5%である。レジンの量が3.5%よ
り少ないと材料がさらさらで成形が困難となる。レジン
の量が10.0%より多いとべとつき過ぎて成形し難く
なるとともに、鋳造時にガスの発生が多くなって気泡が
できる。このフェノール樹脂の量は、従来の中子砂に使
用される量(2〜3%)の2倍程度となる。従って、鋳
造時にフェノール樹脂の分解によるガスの発生量が多く
なる。しかし、中子ピース3のコーテッドサンドの絶対
量は、ウォータジャケット用中子本体2の中子砂の絶対
量に比較して非常に少ないため、全体としてのガス量の
増加は少なく鋳造に悪影響を及ぼさない。また、フェノ
ール樹脂量を従来の2倍程度に増加させることにより成
形性及び中子ピース3を取り扱う際の損傷が防止できる
常温時の強度が確保される。
【0032】(実施例及び比較例)次に本発明をより具
体化した実施例及び比較例を説明する。 (実施例1)高純度シリカ(100〜200メッシュ1
00%)50gと予め粉砕したフェノール樹脂2.5g
とをステンレス製のバットに温度140°Cにて1時間
加熱して取り出し、ヘキサメチレンテトラミン水溶液
1.0g及びステアリン酸カルシウム水溶液0.5gを
添加し、スパーテル(へら)で1時間程度混合した(コ
ーテッドサンドに占める骨材の割合:93重量%、コー
テッドサンドに占めるバインダーの割合:4.6重量
%、骨材に対するバインダー量:5.0重量%)。でき
あがったコーテッドサンドを縦55mm、横37mm、
厚み1.0〜1.8mmにくり抜いた型板に約10g程
度入れ、圧力をかけて180°Cで成型して中子ピース
を形成した。この中子ピースをディーゼルエンジンのシ
リンダブロックの鋳造に使用するウォータジャケット用
中子本体の所定位置に設置し、シリンダブロックの鋳込
み成型を行った。そして、シリンダブロックをエンジン
カッターにて切断し、冷却水通路の鋳抜き状態を観察し
た。その結果を表1に示す。 (実施例2)実施例1において高純度シリカとして、1
00メッシュ残が20%以下、100〜200メッシュ
が75%以上、200メッシュ通過が5%のものを使用
し、他の条件は同じにしてコーテッドサンドを調製し
た。このコーテッドサンドで中子ピースを形成し、シリ
ンダブロックの鋳込みを行った。そして、実施例1と同
様にして冷却水通路の鋳抜き状態を観察した。その結果
を表1に示す。 (実施例3)実施例1においてフェノール樹脂量を3.
5gとし、他の条件は同じにしてコーテッドサンドを調
製した(コーテッドサンドに占める骨材の割合:91重
量%、コーテッドサンドに占めるバインダーの割合:
6.4重量%、骨材に対するバインダー量:7.0重量
%)。このコーテッドサンドで中子ピースを形成し、シ
リンダブロックの鋳込みを行った。そして、実施例1と
同様にして冷却水通路の鋳抜き状態を観察した。その結
果を表1に示す。 (比較例1)実施例1においてフェノール樹脂量を1.
0gとし、他の条件は同じにしてコーテッドサンドを調
製した(コーテッドサンドに占める骨材の割合:95重
量%、コーテッドサンドに占めるバインダーの割合:
1.9重量%、骨材に対するバインダー量:2.0重量
%)。このコーテッドサンドで中子ピースを形成し、シ
リンダブロックの鋳込みを行った。そして、実施例1と
同様にして冷却水通路の鋳抜き状態を観察した。その結
果を表1に示す。 (比較例2)実施例1において骨材を酸化アルミニウム
50g、フェノール樹脂を0.6gとし、他の条件は同
じにしてコーテッドサンドを調製した(コーテッドサン
ドに占める骨材の割合:96重量%、コーテッドサンド
に占めるバインダーの割合:1.2重量%、骨材に対す
るバインダー量:1.2重量%)。このコーテッドサン
ドで中子ピースを形成し、シリンダブロックの鋳込みを
行った。そして、実施例1と同様にして冷却水通路の鋳
抜き状態を観察した。その結果を表1に示す。 (比較例3)実施例1において骨材を酸化アルミニウム
50g、フェノール樹脂を2.5gとし、他の条件は同
じにしてコーテッドサンドを調製した(コーテッドサン
ドに占める骨材の割合:93重量%、コーテッドサンド
に占めるバインダーの割合:4.6重量%、骨材に対す
るバインダー量:5.0重量%)。このコーテッドサン
ドで中子ピースを形成し、シリンダブロックの鋳込みを
行った。そして、実施例1と同様にして冷却水通路の鋳
抜き状態を観察した。その結果を表1に示す。 (比較例4)比較例2において骨材を酸化マグネシウム
50gとし、バインダーをK−17C(商品名:デンカ
ポバール、電気化学工業(株)製)0.6gとしてコー
テッドサンドを調製した(コーテッドサンドに占める骨
材の割合:98.8重量%、コーテッドサンドに占める
バインダーの割合:1.2重量%、骨材に対するバイン
ダー量:1.2重量%)。このコーテッドサンドで中子
ピースを形成し、シリンダブロックの鋳込みを行った。
そして、実施例1と同様にして冷却水通路の鋳抜き状態
を観察した。その結果を表1に示す。 (比較例5)比較例2において骨材を酸化マグネシウム
50gとし、バインダーをK−17C(商品名:デンカ
ポバール、電気化学工業(株)製)を2.5gとしてコ
ーテッドサンドを調製した(コーテッドサンドに占める
骨材の割合:95.2重量%、コーテッドサンドに占め
るバインダーの割合:4.8重量%、骨材に対するバイ
ンダー量:5.0重量%)。このコーテッドサンドで中
子ピースを形成し、シリンダブロックの鋳込みを行っ
た。そして、実施例1と同様にして冷却水通路の鋳抜き
状態を観察した。その結果を表1に示す。 (比較例6)比較例2において骨材をジルコンサンド5
0gとし、バインダーをアロンD(商品名:アロンセラ
ミックD、東亜合成(株)製)を5.0gとしてコーテ
ッドサンドを調製した(コーテッドサンドに占める骨材
の割合:91重量%、コーテッドサンドに占めるバイン
ダーの割合:9重量%、骨材に対するバインダー量:1
0重量%)。このコーテッドサンドで中子ピースを形成
し、シリンダブロックの鋳込みを行った。そして、実施
例1と同様にして冷却水通路の鋳抜き状態を観察した。
その結果を表1に示す。 (比較例7)実施例1において骨材を白砂50gとし、
他の条件は同じにしてコーテッドサンドを調製した(コ
ーテッドサンドに占める骨材の割合:93重量%、コー
テッドサンドに占めるフェノール樹脂の割合:4.6重
量%、骨材に対するバインダー量:5.0重量%)。こ
のコーテッドサンドで中子ピースを形成し、シリンダブ
ロックの鋳込みを行った。そして、実施例1と同様にし
て冷却水通路の鋳抜き状態を観察した。その結果を表1
に示す。
【0033】
【表1】
【0034】骨材として高純度シリカを使用した場合、
バインダー(フェノール樹脂)の使用量が骨材に対して
5重量%の実施例1及び実施例2と、7重量%の実施例
3のいずれの場合も、中子ピースの成形が良好に行われ
るとともに、成形後の中子ピースの取り扱いが容易とな
った。また、鋳造により得られたシリンダブロックには
冷却水通路が目差しや焼き付きなしに良好に形成されて
いた。
【0035】しかし、バインダーの使用量が骨材に対し
て2重量%の比較例1の場合はコーテッドサンドがさら
さら過ぎて所定の形状に成形するのが難しく、成形後の
取り扱い中に破損し易い。また、骨材として成分元素が
高純度シリカと同じSiO2の白砂(SiO2 %が約7
3%)を使用した変更例7の場合も、成形された中子ピ
ースが破損し易く、鋳造時に割れや目差しが発生し易か
った。
【0036】また、SiO2 以外の代表的な無機物を骨
材とした比較例2〜比較例6のいずれの場合も満足でき
る鋳造品ができなかった。この実施の形態では以下の効
果を有する。
【0037】(イ) 純度が二酸化硅素(SiO2)とし
て98%以上で100〜200メッシュの粒度のものが
主成分となる高純度シリカを骨材としたので、注湯時に
溶湯により急激に加熱されても歪みが小さくなるととも
に、注湯時に湯圧に耐える強度が確保され、目差しも生
じ難くなって、極小(極薄)の鋳抜き部を有する鋳物を
高温(例えば1300°C以上)で成形することが可能
となる。そして、ウォータジャケット用中子の一部に使
用される冷却水通路鋳抜き用の中子をこのコーテッドサ
ンドで成形することにより、エンジンのシリンダブロッ
クの隣接するシリンダボア間の区画壁に厚さ1.0〜
1.8mmの極小(極薄)の冷却水通路を形成すること
ができる。
【0038】(ロ) 粒度管理された人造の高純度シリ
カが骨材として使用されているため、従来のシェル砂や
コールド砂(骨材は天然のけい砂あるいはセラビーズ等
人工砂のブレンド砂)とは異なり、製造された中子ピー
スの抗折力等の特性のばらつきが非常に小さくなり、不
良品の発生率を大幅に低下させることができる。
【0039】(ハ) コーテッドサンドに使用されるレ
ジン量の割合が従来のウォータジャケット用中子の中子
砂に使用されるレジン量の割合に比較して多いが、中子
ピースのコーテッドサンド量はウォータジャケット用中
子全体のコーテッドサンドの量に対しては微々たるもの
であるため、鋳造時にガス量が増えても支障はない。
【0040】(ニ) コーテッドサンドの骨材が高純度
シリカのため、ウォータジャケット用中子本体の材料で
あるシェル砂の主成分である二酸化ケイ素と同じであ
る。従って、型ばらし時に中子ピースの中子砂が混じっ
たウォータジャケット用中子本体の中子砂を戻り砂とし
てウォータジャケット用中子本体の中子砂に使用しても
支障はない。
【0041】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、例えば次のように具体化してもよい。 (1) 骨材として使用される高純度シリカは純度がS
i O2 :99.8%に限らず、98%以上の純度があれ
ばよく、99%以上の純度が好ましい。
【0042】(2) バインダーとして硬化剤を必要と
するフェノール樹脂を使用した場合、触媒(ステアリン
酸カルシウム水溶液)は使用しなくてもよい。しかし、
使用した方がコーテッドサンドの流動性を取り扱いに適
した状態に調整し易い。
【0043】(3) バインダーとして硬化剤が不要な
フェノール樹脂(レゾール型のフェノール樹脂)を使用
してもよい。また、フェノール樹脂以外の熱硬化性樹脂
(例えば尿素樹脂)やヘキサメチレンテトラミン以外の
硬化剤を使用してもよい。また、その他の鋳込み用バイ
ンダーも使用可能である。
【0044】(4) ウォータジャケット用の中子ピー
スに限らず、他の極小、極薄の鋳抜き部を有する鋳物の
製造に使用する鋳抜き部用中子に使用してもよい。前記
実施の形態及び変更例から把握できる請求項記載以外の
発明について、以下にその効果とともに記載する。
【0045】(1) 請求項1又は請求項に記載の発
明において、フェノール樹脂系のバインダーを使用し、
骨材に対するその重量割合を3.5〜8%にする。この
場合、骨材の表面に満遍なくバインダーの皮膜を形成す
るのが容易となり、成形された中子の強度が大きくなる
とともにばらつきが少なくなる。
【0046】(2) (1)の発明において、ノボラッ
ク型のフェノール樹脂を使用するとともに、硬化剤とし
てヘキサメチレンテトラミンを使用し、触媒としてステ
アリン酸カルシウム水溶液を使用する。この場合、取り
扱い易い流動性のコーテッドサンドの調製が容易とな
る。
【0047】
【発明の効果】以上詳述したように請求項に記載の発
明のコーテッドサンドを使用することにより、極小、極
薄の鋳抜き部を有する鋳物製品を、高温での焼き付き、
割れ、目差しが発生するのを抑制して製造できる。その
ため、例えばサイアミーズタイプのシリンダブロックの
ボア間に、従来のウォータジャケット用中子を使用した
成形方法では形成することができなかった1.0〜1.
8mmの極小(極薄)の扁平な冷却水通過用の孔を鋳抜
くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ウォータジャケット用中子の概略斜視図。
【符号の説明】
1…ウォータジャケット用中子、2…ウォータジャケッ
ト用中子本体、3…中子ピース。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨士田 義夫 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 佐野 利夫 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 安田 辻彦 愛知県名古屋市緑区高根台107 (72)発明者 樺山 峰明 徳島県鳴門市瀬戸町明神字上本城214 (56)参考文献 特開 平5−169184(JP,A) 特開 昭61−209744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22C 1/00 - 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 純度が二酸化硅素(SiO2)として9
    8%以上で100〜200メッシュの粒度のものが主成
    分となる高純度シリカを骨材とする極小、極薄の鋳抜き
    部を形成するための鋳物用コーテッドサンドであって、
    前記高純度シリカに対するバインダーの重量割合が3.
    5〜10%である鋳物用コーテッドサンド。
  2. 【請求項2】 前記高純度シリカの粒度は、100メッ
    シュ残が25%以下、100〜200メッシュが70%
    以上、200メッシュ通過が15%以下である請求項1
    に記載の鋳物用コーテッドサンド。
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