JP3361676B2 - 基板処理方法及びその装置 - Google Patents

基板処理方法及びその装置

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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体ウエハ、フ
ォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基
板、光ディスク用の基板等の基板にフォトレジスト液や
現像液などの処理液を供給して処理を施す基板処理方法
及びその装置に係り、特に、複数種類の処理液をそれぞ
れ一定温度に調整する温度制御の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の基板処理装置として、例
えば、特開平6−291027号公報に示すようなもの
がある。この装置は、4本のノズルの中から1本を選択
し、そのノズルから所望設定温度に調整されたフォトレ
ジスト液を供給して基板の表面全体にフォトレジスト被
膜を形成するものである。4本のノズルから基板に供給
されるフォトレジスト液は、フォトレジスト液毎の成分
や粘度などの仕様や、処理後に形成されるフォトレジス
ト被膜の膜質などを考慮して温度(所望設定温度)設定
されているものであり、4種類のフォトレジスト液の各
々が異なる所望設定温度(4種類の温度)である場合が
ある。
【0003】それらの所望設定温度に各フォトレジスト
液の温度を調整する方法としては、次の2つの方法があ
る。第1番目の方法としては、4つのノズルを1つの温
調部で温度調整する方法である。また、第2番目の方法
としては、4つのノズルのそれぞれに設けられた4つの
温調部によりフォトレジスト液をそれぞれの所望設定温
度に個別に温度調整する方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、第1番目の方法では各フォトレジスト
液をそれぞれの所望設定温度に温度調整することができ
ないという問題点があり、第2番目の方法では各フォト
レジスト液をそれぞれの所望設定温度に温度調整するこ
とは可能であるが、ノズルの数だけ温調部を設ける必要
があるので、スペースを多く要することとなり、また装
置がコスト高となる。さらに第2番目の方法では、装置
の使用中には、使用しないフォトレジスト液もその所望
設定温度に温度調整しているためランニングコストが高
くなるという問題点がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、温度制御を工夫することにより、各処
理液の温度をそれぞれの所望設定温度に温度調整するこ
とができるとともに、装置のコストやランニングコスト
を低減する他、省スペース化を図ることができる基板処
理方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明方法は、(a)処理を施す基
板を搬入する過程と、(b)所望設定温度に調整した処
理液を基板に対して供給する過程と、(c)前記処理液
を供給した基板に所定の処理を施す過程と、(d)前記
処理を施した基板を搬出する過程と、からなる前記過程
(a)ないし(d)を繰り返し行なう基板処理方法にお
いて、次に処理を施す基板に対して前記処理液とは異な
る次の処理液を供給する場合には、少なくともその処理
基板よりも前に処理された基板への処理液の供給が完了
したことに基づいて、前記次の処理液の温度をその所望
設定温度に調整開始することを特徴とするものである。
【0007】また、請求項2に記載の発明装置は、複数
種類の処理液をそれぞれ一定温度に調整して基板に供給
して処理を施す基板処理装置であって、基板に対して処
理液を供給する複数個の処理液供給手段と、前記複数個
の処理液供給手段の処理液の温度を一定化するために温
調水を流通する温調配管と、前記温調水を温度調整して
流通させる1つの温調手段と、前記各処理液供給手段ご
とにそれぞれの処理液の所望設定温度を予め入力すると
ともに、前記各処理液供給手段の使用順序を予め入力す
る入力手段と、前記入力手段を介して入力された前記各
所望設定温度と前記使用順序とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、処理
液供給手段を介してその所望設定温度に調整された処理
液を基板に供給して所定の処理を施す処理制御手段と、
前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、前記
処理液供給手段による基板の処理が完了すると次の処理
液供給手段に切り換えて次の基板の処理を行なう場合に
は、前記処理液供給手段が前記基板に処理液の供給を完
了したことに基づいて、次の処理液供給手段の処理液の
温度を、前記温調手段を介してその所望設定温度になる
ように温度制御を開始する温調制御手段と、を備えてい
ることを特徴とするものである。
【0008】また、請求項3に記載の発明装置は、請求
項2に記載の基板処理装置において、前記温調配管は、
前記処理液供給手段ごとに設けられた複数個の温調配管
からなり、前記複数個の温調配管のうち前記温調手段を
介して温調水を流通させるべき温調配管を選択する選択
手段を備えるとともに、前記温調制御手段は、前記記憶
手段に記憶されている使用順序に基づき、前記処理液供
給手段による基板の処理が完了すると次の処理液供給手
段に切り換えて次の基板の処理を行なう場合には、前記
処理液供給手段が前記基板に処理液の供給を完了したこ
とに基づいて、前記選択手段により次の処理液供給手段
の温調配管を選択して、次の処理液供給手段の処理液の
温度のみを、前記温調手段を介してその所望設定温度に
なるように温度制御を開始することを特徴とするもので
ある。
【0009】また、請求項4に記載の発明装置は、請求
項3に記載の基板処理装置において、前記温調制御手段
は、前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、
前記処理液供給手段による基板の処理が完了すると次の
処理液供給手段に切り換えて次の基板の処理を行う場合
には、少なくとも前記次の基板よりも前に処理された基
板への処理液の供給が完了したことに基づいて、前記選
択手段により次の処理液供給手段の温調配管を選択し
て、次の処理液供給手段の処理液の温度のみを、前記温
調手段を介してその所望設定温度になるように温度制御
を開始することを特徴とするものである。
【0010】また、請求項5に記載の発明装置は、請求
項4に記載の基板処理装置において、前記温調制御手段
は、次の処理液供給手段の処理液の温度のみを、前記温
調手段を介してその所望設定温度になるように温度制御
するとともに、前記選択手段により他の処理液供給手段
の温調配管を選択して、その他の処理液供給手段の処理
液の温度を、前記所望設定温度と同じ温度になるように
温度制御することを特徴とするものである。
【0011】また、請求項6に記載の発明装置は、請求
項5に記載の基板処理装置において、前記温調制御手段
は、前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、
次の処理液供給手段の温調配管を前記選択手段により選
択して順次に切り換えてゆく際に、前記選択手段により
その他の処理液供給手段の温調配管を順次に選択して、
その他の処理液供給手段の処理液の温度を、その所望設
定温度と同じ温度となるように順次に温度制御すること
を特徴とするものである。
【0012】
【作用】請求項1に記載の発明方法の作用は、次のとお
りである。過程(a)において処理を施す基板を搬入
し、過程(b)において所望設定温度に調整した処理液
を前記基板に対して供給する。次いで過程(c)におい
て、例えば、基板を回転駆動させて処理液を基板の全体
表面に塗布するなどの所定の処理を施す。この所定の処
理を終えた基板は過程(d)にて搬出される。これらの
過程(a)ないし(d)を繰り返し行なって順次に基板
を処理する。
【0013】ここで、次に処理する基板(処理基板)に
対して前記処理液とは異なる処理液(次の処理液)を供
給する場合には、少なくともその処理基板よりも前に処
理された基板への処理液の供給が完了したことに基づい
て、次の処理液の温度をその所望設定温度に調整開始す
る。つまり、少なくともその処理基板よりも前に処理さ
れた基板への〔既に所望設定温度に調整されている〕処
理液の供給が完了すると、ある一定時間温調しなくても
その温度を保持することができるので、次の処理液を供
給する前にその〔温調を行わなくなった〕処理液と同じ
処理液を供給される基板が存在したとしても、この基板
へ供給される処理液の温度はその所望設定温度に保持さ
れている。したがって、その時点(例えば、処理基板の
2枚前あるいは処理基板の1枚前(直前)の基板への処
理液の供給が完了した時点)で次の処理液の温度調整を
開始することにより、次の基板に対して処理液が供給さ
れる際には、その温度は充分に所望設定温度に調整され
ている。その結果、各処理液が基板に対して供給される
際には、各処理液の温度はそれぞれの所望設定温度に調
整されている。また、温度調整は、次の処理液の所望設
定温度のみを目標値として行なわれるので、同時に複数
の所望設定温度に調整する必要はない。したがって、温
度制御系の負荷が軽減できる。
【0014】また、請求項2に記載の発明装置の作用
は、次のとおりである。各処理液供給手段のそれぞれの
所望設定温度および各処理液供給手段の使用順序は、入
力手段を介して入力され、それらは記憶手段に記憶され
ている。処理制御手段は、記憶手段に記憶されている使
用順序に基づき、処理液供給手段を介して所望設定温度
に調整された処理液を基板に対して供給して所定の処理
を施す。一方、温度制御手段は、記憶手段に記憶されて
いる使用順序に基づいて、現在、処理制御手段が制御し
て、基板に対して処理液を供給している処理液供給手段
による基板の処理が完了すると次の処理液供給手段に切
り換えて次の基板の処理を行なう場合には、現在処理液
を供給している処理液供給手段が現在の基板に処理液の
供給を完了したことに基づいて、次の処理液供給手段の
処理液の温度を、温調手段を介してその所望設定温度に
なるように温度制御を開始する。つまり、現在の処理液
の供給が完了すると、その処理液の温度を一定に保持す
る必要は無くなっているので、その後から次の処理液の
温度調節を開始する。そして、現在の基板の処理を終え
て、次の処理液供給手段により次の処理液を供給する際
には、その温度はその所望設定温度に調整が完了してい
る。したがって、各処理液供給手段により供給される処
理液は、供給される際にはそれぞれの所望設定温度に調
整されていることになる。
【0015】また、複数個の処理液供給手段は、温調配
管の温調水を温度調整して流通させる1つの温調手段に
より温度調整されるので、それらの各処理液は同時には
いずれか1つの所望設定温度にしか調整できないが、上
述したように、使用する際にはそれぞれの処理液が各々
の所望設定温度に調整がされる。このように温調手段が
1つで構成されているので、処理液の温度調整に係る構
成が簡略化される。さらに、必要となる処理液の温度の
みに温度調整を行なうので、各処理液供給手段の処理液
を常時それぞれの所望設定温度に温度調整するのに比較
して温調手段の消費電力が低減できる。
【0016】また、請求項3に記載の発明装置の作用
は、次のとおりである。複数個の処理液供給手段の各々
は、それぞれに設けられた温調配管により温度調整され
る。各温調配管は、選択手段によりいずれかが選択さ
れ、その選択された温調配管のみが温調手段を介して温
調水を流通される。温調配管を選択する選択手段は、温
度制御手段が使用順序に基づき、処理液供給手段による
基板の処理が完了すると次の処理液供給手段に切り換え
て次の基板の処理を行なう場合には、処理液供給手段が
基板に処理液の供給を完了したことに基づいて、次の処
理液供給手段の温調配管を選択する。すなわち、次の処
理において使用される処理液を供給する(次の)処理液
供給手段だけがその温調配管により温度調節されるの
で、その処理液は所望設定温度に調整される。したがっ
て、各処理液供給手段により供給される処理液は、供給
される際にはそれぞれの所望設定温度に調整されてい
る。
【0017】このように各処理液供給手段の処理液を温
度調整する温調配管は、各処理液供給手段ごとに設けら
れているので、1つの温調手段により温度調整する温調
水の量を低減することができる。したがって、応答性よ
く各処理液の温度を所望設定温度に調整することができ
る。
【0018】また、請求項4に記載の発明装置の作用
は、次のとおりである。温調制御手段は、処理液供給手
段による基板の処理が完了すると次の処理液供給手段に
切り換えて次の基板の処理を行う場合には、少なくとも
次の基板よりも前に処理された基板への処理液の供給が
完了したことに基づいて、選択手段により次の処理液供
給手段の温調配管を選択して、次の処理液供給手段の処
理液の温度のみを温調手段を介してその所望設定温度と
なるように温度制御を開始する。処理液は、温調水を流
通させる温調配管によりその所望設定温度に温調される
が、温調水が処理液をその所望設定温度にする温度に調
整されていると、温調水の温調を停止しても暫くの間は
その余熱により処理液をその所望設定温度に保持するこ
とができるので、次の基板よりも前に処理された基板へ
の処理液の供給が完了したことに基づいて、例えば、次
の基板の前の基板(1枚前)あるいはさらにその前の基
板(2枚前)への処理液の供給が完了したことに基づ
き、次の基板へ供給される次の処理液の温調を開始して
も、その前に処理を施される基板に供給される処理液の
温度を、その所望設定温度のままに保持することができ
る。したがって、温調配管は各処理液供給手段ごとに設
けられているため温調すべき温調水の量が少なく、応答
性よく各処理液の温度を所望設定温度に調整することが
できるとともに、その時点で温調を開始することにより
次の基板へ供給する次の処理液の温調にかける時間を長
くとることができるので、その所望設定温度に正確に温
度調整することができる。
【0019】また、請求項5に記載の発明装置の作用
は、次のとおりである。温調制御手段は、次の処理液供
給手段の温度のみを温調手段を介して所望設定温度とな
るように温度制御するだけでなく、選択手段によりその
他の処理液供給手段の温調配管を選択して、その他の処
理液供給手段の処理液の温度を、その所望設定温度と同
一の温度となるように温度制御する。すなわち、選択さ
れていない処理液供給手段の処理液が温調されない場合
には、その温度が不定(下がり過ぎ)となってその処理
液を温調する際に、その所望設定温度に温調するのに必
要な所要時間が不明(長くなる)となる。このように処
理液の温度が不定であると、次の処理液を必要とすると
きまでにその所望設定温度に温度調節することができ
る、次の処理液の温調を開始するタイミングを決定する
ことが困難となるか、あるいは所望設定温度に達するま
でに待ち時間が生じるが、係る構成によるとその他の処
理液の温度は、既知の温度である次の処理液の所望設定
温度に調整されていることになるので、その他の処理液
の温度が低下し過ぎることがなく、その結果、その他の
処理液が次の処理液となったときに応答性よくそれぞれ
の処理液の所望設定温度に温度調整することができる。
【0020】また、請求項6に記載の発明装置の作用
は、次のとおりである。温調制御手段は、記憶手段に記
憶されている各処理液供給手段の使用順序に基づき、次
の処理液供給手段の温調配管を選択手段により選択して
順次に切り換えてゆく際に、選択手段によりその他の処
理液供給手段の温調配管を順次に選択して、その他の処
理液供給手段の処理液の温度を、次の処理液の所望設定
温度と同じ温度となるように順次に温度制御する。つま
り、その他の処理液供給手段の処理液の温度を〔低下さ
せ過ぎないように〕次の処理液供給手段の処理液の所望
設定温度に調整する際に、その他の処理液の温度を全て
同時に温度調整するのではなく順に温度調整を行う。し
たがって、その他の処理液供給手段の処理液を温調する
際の、主たる温度調整の対象は〔本来の温度調整の対象
である次の処理液に加えて〕1つの処理液だけであるの
で、同時にその他の処理液を全て温度調整する場合に比
較して、温度制御の対象が少なくなって1つの温調手段
による温度調整の応答性およびその精度を向上させるこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施例を説明する。 <第1実施例>図1は、基板処理装置の一例である回転
式基板塗布装置の第1実施例を示すブロック図である。
この装置は、処理液であるフォトレジスト液を基板に対
して供給し、回転駆動することにより基板の表面全体に
所望膜厚のフォトレジスト被膜を形成する処理を施すも
のである。
【0022】図中、符号1は、吸引式スピンチャックで
あり、基板Wをほぼ水平姿勢で吸着支持するものであ
る。この吸引式スピンチャック1は、中空の回転軸を介
して回転モータ2に連結されるとともに、その周囲を、
フォトレジスト液が周囲に飛散するのを防止するための
飛散防止カップ3により囲われている。吸引式スピンチ
ャック1と、回転モータ2と、飛散防止カップ3とは、
処理部4を構成している。
【0023】処理部4の近傍には、4本の処理液吐出ノ
ズル10〜13が配設されており、これらは図示しない
ノズル選択移動機構により、待機位置と吐出位置とを移
動可能に構成されている。選択されて移動された、処理
液吐出ノズル10〜13のうちのいずれか1つの処理液
吐出ノズルは、基板Wのほぼ回転中心の上方に位置して
基板Wに対してフォトレジスト液を供給するようになっ
ている。
【0024】各処理液吐出ノズル10〜13は、チュー
ブ10a〜13aを介してフォトレジスト液を貯留して
いる処理液タンク20〜23にそれぞれ接続されてい
る。各処理液タンク20〜23は、この装置で使用する
各種のフォトレジスト液を貯留しており、例えば、処理
液タンク20はフォトレジスト液Aを、処理液タンク2
1はフォトレジスト液Bを、処理液タンク22はフォト
レジスト液Cを、処理液タンク23はフォトレジスト液
Dを貯留している。各フォトレジスト液A〜Dは、後述
する処理制御部により各処理液タンク20〜23が加圧
されることにより、チューブ10a〜13aを通って処
理液吐出ノズル10〜13から吐出されるようになって
いる。なお、各処理液吐出ノズル10〜13と、各チュ
ーブ10a〜13aと、各処理液タンク20〜23は、
本発明における処理液供給手段に相当する。
【0025】各処理液吐出ノズル10〜13は、各処理
液タンク20〜23付近から各処理液吐出ノズル10〜
13の先端部付近まで配設されている、各チューブ10
a〜13aの周囲を温調水が流通するように構成された
1つの温調配管30により、温度を一定化されたフォト
レジスト液A〜Dを吐出するようになっている。温調配
管30は、熱交換器40により所定温度に調整された温
調水を送り配管30aから送り込まれるとともに、各処
理液吐出ノズル10〜13の先端部から戻ってきて温度
が低下している温調水を再度温度調節するために戻り配
管30bから熱交換器40に戻すように構成されてい
る。
【0026】各処理液吐出ノズル10〜13は、それぞ
れ図2に示すように構成されている。なお、各処理液吐
出ノズル10〜13は、それぞれ同じ構造であるので、
処理液吐出ノズル10を例に採って説明する。
【0027】処理液吐出ノズル10は、温調配管30の
一部に兼用されている剛性の高い金属パイプ10bと、
基板Wの上面に向くように下向きに形成された先端部に
取り付けられたノズル10cとから構成されている。金
属パイプ10bは、温度調整された温調水を先端部に送
り込む送りチューブ10dが、その内部にチューブ10
aを挿通した状態で配設される、2重管構造となってい
る。金属パイプ10b(温調配管30)は戻り配管30
bに接続されており、送りチューブ10dは送り配管3
0aに接続されている。このように温調配管30は、温
調水を流通させることによりチューブ10a内の処理液
の温度を一定化するように構成されている。なお、温調
水が金属パイプ10b内を先端部に向かって流通し、送
りチューブ10d内を戻るように構成してもよい。
【0028】熱交換器40は、図示しない、温調水を冷
却するペルチェ素子と、温調水を加熱するヒーターと、
戻り配管30bから温調水を取り込んで送り配管30a
に送り出すポンプと、温調水の温度を検出する温度セン
サ40aとから構成されている。この熱交換器40は、
温度センサ40aの信号を入力される1つの温調部50
によって制御される。なお、熱交換器40と温調部50
は、本発明における温調手段に相当する。
【0029】入力部60はキーボードなどで構成され、
基板に対してどのように処理を施すかを示す情報(以
下、レシピーテーブルと称する)や、複数枚の基板から
なるロットの各基板をどのレシピーで処理するかを示す
情報(以下、処理テーブルと称する)などが、装置のオ
ペレータによって予め入力されるものである。これらの
レシピーテーブルと処理テーブルは、記憶部70に記憶
される。なお、入力部60と記憶部70は、それぞれ本
発明における入力手段と記憶手段に相当する。
【0030】処理制御部80は、記憶部70に記憶され
ているレシピーテーブルおよび処理テーブルを参照し
て、図示しない基板搬送機構(搬入および搬出を行な
う)を制御して処理を施す基板を処理部4に搬入し、処
理部4および各処理液タンク20〜23を制御して搬入
した基板に対して所定の処理を施す。さらに、図示しな
い基板搬送機構を制御して処理を施した基板を処理部4
から搬出する。また、処理液吐出ノズル10〜13から
フォトレジスト液の供給を完了した場合には、そのこと
を示す『供給完了信号』を温度制御部90に対して出力
する。なお、処理制御部80は、本発明における処理制
御手段に相当する。
【0031】温度制御部90は、記憶部70に記憶され
ているレシピーテーブルおよび処理テーブルを参照し
て、温調水を調整すべき温度を判断して温調部50に対
して出力する。また、処理制御部80からの『供給完了
信号』を受け取ると、次にフォトレジスト液を供給する
処理液供給ノズル10〜13を判断して温調部50に温
調水の調整温度を出力する。なお、温度制御部90は、
本発明における温度制御手段に相当する。
【0032】次に、図3を参照して、この装置を使用し
たフォトレジスト液の塗布処理について説明する。な
お、図3(a)はレシピーテーブルを示し、図3(b)
は処理テーブルを示す。
【0033】まず、装置のオペレータは、入力部60を
介して図3(a)に示すようなレシピーテーブルを予め
入力する。ここで、レシピーNo.は、これ以降に示さ
れる内容で基板を処理するという処方を示す番号であ
り、入力修正できない固定の項目である。このレシピー
No.以降の項目を入力することにより、レシピーテー
ブルが作成される。各項目について説明すると、処理液
タンクは、どのフォトレジスト液(A〜D)を基板に対
して供給するかを、処理液タンク20〜23の番号を入
力して指定する項目である。設定温度は、温調水の設定
温度、すなわち、各フォトレジスト液A〜Dを何度に設
定するかを指定する項目であり、各フォトレジスト液A
〜Dの成分や粘度などの仕様や、処理後に形成されるフ
ォトレジスト被膜の膜質などを考慮して設定(所望設定
温度)されるものである。なお、レシピーテーブルの設
定温度は、各処理液タンク20〜23の設定温度、すな
わち、各フォトレジスト液A〜Dの設定温度を指定する
ことになるので、本発明における入力手段から予め入力
される各処理液供給手段の処理液の所望設定温度に相当
する。
【0034】第1回転数はフォトレジスト液の吐出時の
回転数、例えば、1,500〔rpm〕などを指定し、
保持時間は第1回転数を保持する時間、例えば、5〔s
ec〕などを指定する項目である。供給開始時間はフォ
トレジスト液を供給し始める時間を指定する項目であ
り、例えば、処理部4に搬入されて吸引式スピンチャッ
ク1に吸着保持された基板Wが回転駆動され始めた時点
からの時間を入力する。保持時間は、前記供給開始時間
から何秒間だけフォトレジスト液を処理液吐出ノズルか
ら供給するかを指定する項目である。この供給開始時間
に続く保持時間により、基板Wの表面に供給されるフォ
トレジスト液の供給量が決定される。第2回転数は、フ
ォトレジスト液が基板Wの表面全体を覆った後に、回転
数を上げて余剰のフォトレジスト液を振り切るための回
転数を指定する項目であり、第1回転数に続く保持時間
の経過後に第2回転数に回転数が上昇される(例えば、
3,000〔rpm〕)。この第2回転数は、保持時間
の間だけその回転数が保持される。第2回転数とこれに
続く保持時間により、基板Wの表面に形成されるフォト
レジスト被膜の膜厚が決定されることになる。なお、こ
れらの項目からなるレシピーテーブルは、一例であり、
上述した項目以外にレシピーを決める他の項目が追加さ
れていることもあり、また、各保持時間の基準なども異
なるものである。
【0035】この実施例では、一例として、レシピーN
o.R1,R2,R3,R4から順に、処理液タンクの
項目は『20』(フォトレジスト液A),『21』(フ
ォトレジスト液B),『22』(フォトレジスト液
C),『23』(フォトレジスト液D)に設定され、各
設定温度(所望設定温度)の項目は『TP1(例えば、
20℃)』,『TP2(例えば、21℃)』,『TP3
(例えば、22℃)』,『TP4(例えば、20℃)』
に設定され、他の項目が各レシピーに応じて所望の値に
設定されているものとする。
【0036】次いで、装置のオペレータは、入力部60
を介して図3(b)に示すような処理テーブルを入力す
る。ここで基板No.は、複数枚(例えば、1ロット2
5枚分)の基板のそれぞれを示す番号であり、レシピー
No.は、上述したレシピーテーブル中のレシピーN
o.を入力する項目である。すなわち、図に示した例で
は、第1番目の基板はレシピーNo.R1で処理を施さ
れ、順に、第2番目の基板はレシピーNo.R2で、第
3番目の基板はレシピーNo.R3で処理される。この
ようにロット内の各基板ごとにレシピーが異なる処理
は、多品種少量生産の場合に用いられるものであり、い
わゆる枚葉処理と呼ばれる処理である。なお、処理テー
ブルは、基板毎にレシピーNo.を介して処理液タンク
20〜23のうちいずれか1つを指定、すなわち、処理
液吐出ノズル10〜13のうちのいずれか1つを指定す
ることになるので、本発明における入力手段から予め入
力される各処理液供給手段の使用順序に相当する。
【0037】上述したレシピーテーブルおよび処理テー
ブルを入力すると、これらは記憶部70に記憶され、図
示しない処理開始ボタンを押下することにより、レシピ
ーテーブルおよび処理テーブルに基づいて第1番目の基
板から順次に処理部4に搬入されて処理が開始される。
【0038】次に図4を参照して、この装置におけるフ
ォトレジスト被膜の形成処理について説明する。なお、
図4(a)は処理部4におけるタイムチャートを示し、
図4(b)は温度センサ40aが検出する温度変化を示
すタイムチャートである。
【0039】また、温度制御部90は、記憶部70に記
憶されている処理テーブルを参照して、第1番目の基板
はレシピーNo.R1で処理するので、そのレシピーN
o.R1に指示されている処理液タンク20から供給さ
れるフォトレジスト液Aの温度をその設定温度(所望設
定温度)TP1(ここでは20℃)に設定するために、
温調部50に対して設定温度を出力し、既に温調水の温
度(フォトレジスト液Aの温度)は設定温度TP1に一
致しているものとして説明する。
【0040】まず、処理制御部80は、図示しない基板
搬送機構を制御して、第1番目の基板Wを処理部4に搬
入し、吸引式スピンチャック1にその基板Wを吸着支持
させる。吸引漏れがなく正常に基板Wが吸着されたとき
は搬入完了であるので、処理制御部80はレシピーN
o.R1に従って、その時点から第1回転数ra1(例
えば、1,500〔rpm〕)で回転モータ2を回転駆
動し、保持時間TA1(例えば、5〔sec〕)の間だ
け第1回転数を保持する。搬入が完了した時点(搬入完
了)から供給開始時間TS1が経過した時点で、図示し
ないノズル選択移動機構により、第1番目の基板Wの回
転中心の上方に既に移動されている処理液吐出ノズル1
0から、保持時間TB1の間だけフォトレジスト液Aを
供給する。保持時間TB1が経過すると(図中の供給完
了の時点)、処理制御部80は『供給完了信号』を温度
制御部90に出力する。
【0041】温度制御部90は、『供給完了信号』が入
力されたことにより、次のように温度制御を行なう。ま
ず、記憶部70に記憶されている処理テーブルを参照す
る。具体的には、現在処理中の基板(第1番目の基板)
の次に処理を施す基板(第2番目の基板)のレシピーN
o.を参照し、このレシピーNo.R2に応じた設定温
度TP2を読み出す。そして、この設定温度TP2を温
調部50に出力すると、温調部50は熱交換器40の図
示しないヒーターを加熱して温調水を昇温し始める。こ
の温度制御は、例えば、温度センサ40aの検出温度と
設定温度TP2とを比較しながら制御するフィードバッ
ク制御で行なわれる。
【0042】処理制御部80は、温度制御部90による
上記の温度制御と並行して処理を進めており、第1回転
数ra1での回転を保持時間TA1だけ保持した後に、
回転数を第2回転数rb1(例えば、3,000〔rp
m〕)に上げる。第2回転数rb1は保持時間TC1だ
け保持され、この時間TC1が経過すると回転は停止さ
れる。この回転停止とほぼ同時に、処理制御部80は図
示しない基板搬送機構を制御して、処理を施した第1番
目の基板Wを処理部4から搬出(図中の搬出開始)する
とともに、次に処理する第2番目の基板Wを処理部4に
搬入する(図中の搬入開始)。
【0043】処理制御部80は、上述したように処理テ
ーブルを参照して、第2番目の基板Wを第1回転数ra
2で回転駆動し、保持時間TA2の間だけそれを保持す
る。第1回転数ra2による回転開始の時点から供給開
始時間TS2だけ経過すると、〔レシピーNo.R2の
処理液タンクの項目は21であるので〕処理液吐出ノズ
ル11からフォトレジスト液Bが第2番目の基板Wに対
して、保持時間TB2の間だけ供給される。
【0044】第2番目の基板Wに供給されるフォトレジ
スト液Bは、第1番目の基板Wに対してフォトレジスト
液Aが供給完了した時点で既に温度調整され始めている
ので、この時点ではその設定温度TP2(21℃)に一
致していることになる(図4(b)参照)。なお、係る
構成における実験では、20℃から22℃に2℃昇温す
るのに約30秒かかった。一般的には、基板の処理の間
隔(タクトタイム)は、60sec程度であるので、上
述したような温度制御により使用するまでにフォトレジ
スト液の温度をその所望設定温度に一致させることがで
きる。因みに、22℃から20℃に2℃降温するのには
約55秒であったので、降温する場合にも使用するまで
に温度調整を完了することが可能である。
【0045】次いで、上述したように処理制御部80
は、保持時間TB2が経過した時点で、『供給完了信
号』を温度制御部90に対して出力し、温度制御部90
は、次に処理を施す基板(第3番目の基板)のレシピー
に応じたフォトレジスト液Cの温度をその設定温度TP
3(ここでは22℃)に温度調整を開始する。したがっ
て、次に処理を施す基板(第3番目の基板)に対してフ
ォトレジスト液Cを供給する際には、その温度が設定温
度TP3に一致していることになる。
【0046】上述したように、処理テーブルとレシピー
テーブルに基づいて、次に使用する処理液吐出ノズルを
判断し、現在使用中の処理液吐出ノズルからのフォトレ
ジスト液の吐出が完了した時点でその温度調整を停止し
て次の処理液吐出ノズルの温度調整を行なうことによ
り、各処理液吐出ノズル10〜13の各々のフォトレジ
スト液A〜Dの温度を、所要時までにそれぞれの所望設
定温度に調整することができる。
【0047】また、温調配管30と、熱交換器40と、
温調部50は1つでよいので、これらが装置内で占有す
る面積を少なくすることができるとともに、装置のコス
トを低減することができる。また、温度調整を行なうの
は常に1つの処理液吐出ノズルだけであるので、消費電
力が低減できて装置のランニングコストを低減すること
ができる。
【0048】<第2実施例>図5を参照して、本発明に
係る基板処理装置の第2実施例について説明する。な
お、図5は第1実施例と同様に回転式基板塗布装置を示
すブロック図であり、図1と同じ符合で示すものは第1
実施例と同じ構成であるので説明については省略する。
【0049】各処理液吐出ノズル10〜13には、それ
ぞれに温調配管100〜103が配設されている。各処
理液吐出ノズル10〜13は、第1実施例と同様に図2
に示すように構成されているが、各処理液吐出ノズル1
0〜13の送りチューブ10dが、それぞれ個別に選択
部200aを介して送り配管30aに接続されている点
と、金属パイプ10bがそれぞれ個別に選択部200b
を介して戻り配管30bに接続されている点で相違して
いる。選択部200a,200bは、切換バルブなどに
より構成されているものであり、それぞれ温度制御部9
0’からのレシピーテーブルに基づく信号により、所要
の処理液タンク(20〜23)のフォトレジスト液を温
度調節するために、温調配管100〜103のうちのい
ずれか1つの温調配管に熱交換器40からの温調水が流
通するように選択して切り換える。なお、温調配管10
0〜103は、本発明における複数個の温調配管に相当
する。
【0050】温度制御部90’は、処理制御部80から
の『供給完了信号』を入力されると、記憶部70に記憶
されている処理テーブルとレシピーテーブルとに基づい
て、次の処理液供給ノズルを温調する1つの温調配管に
温調水が流通するように選択部200a,200bを切
り換えるとともに、その設定温度(所望設定温度)を温
調部50に出力する。これにより温調部50は、熱交換
器40を介して温調水の温度を設定温度に一致させるよ
うに温度制御する。なお、温度制御部90’は、本発明
における温度制御手段に相当する。
【0051】係る構成によると、第1実施例と同様の効
果の他に、温調配管を複数個の温調配管100〜103
で構成することにより、それぞれを流通する温調水の容
量が少なくてすむので、温調水の温度を昇温/降温する
際の応答性が良くなって、フォトレジスト液を所望設定
温度に温度調整するのにかかる時間が短縮されるという
効果を奏する。その結果、図4に示すタイムチャートに
おいて、搬入開始と搬入完了との時間間隔を短縮して基
板処理のタクトタイムを短縮しても、次のフォトレジス
ト液の温度調整を所要時までに完了することができ、装
置のスループットの向上を計ることが可能となる。
【0052】なお、上述した説明では、複数枚の基板か
ら構成されるロットの各基板のレシピーが異なる枚葉処
理を例に挙げたが、例えば、ロット内の各基板は全て同
じレシピーで処理され、次のロットの各基板も全て同じ
レシピーで処理されるが前記ロットのレシピーとは異な
るような場合であっても適用可能である。この場合に
は、最初に処理するロットの処理テーブルと、次に処理
するロットの処理テーブルを予め入力部60を介して入
力して記憶部70に記憶させておく。そして、最初に処
理するロットの最後の基板の処理中に、次のロットのレ
シピーに応じたフォトレジスト液を温度調整するように
すればよい。なお、この例については、以下の第3実施
例で詳述する。
【0053】また、上述した第1実施例および第2実施
例では、現在の処理液供給手段が処理液を供給完了した
『直後に』、次の処理液供給手段の処理液の温度を所望
設定温度に調整し始めることを例に採って説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、現在の処理液
供給手段が処理液を供給完了した時点から『所定時間経
過後』に温度調整を開始するようにしてもよい。当然の
ことながら、所定時間経過後に温度調整を開始しても、
次の処理液を基板に対して供給するまでにその所望設定
温度に処理液の温度調整が完了されるようにその所定時
間を決定するようにする。
【0054】<第3実施例>図6を参照して、本発明に
係る基板処理装置の第3実施例について説明する。な
お、図6は、上記第2実施例と同様に回転式基板塗布装
置を示し、各処理液吐出ノズル10〜13にはそれぞれ
温調配管100〜103が配設されている第2実施例と
同様の構成であり、第2実施例と同じ符号で示すものは
同じ構成であるので詳細な説明については省略する。
【0055】各処理液供給ノズル10〜13は、チュー
ブ10a〜13aおよび吐出制御弁AV5〜AV8を介
してフォトレジスト液を貯留している〔所定の圧力で加
圧されている〕処理液タンク20〜23にそれぞれ接続
されている。各処理液タンク20〜23に貯留されてい
る各フォトレジスト液A〜Dは、処理制御部80からの
信号により各吐出制御弁AV5〜AV8のうちいずれか
1つが開放されることにより、チューブ(10a〜13
a)を介して処理液吐出ノズル(10〜13)から基板
Wに対して吐出されるようになっている。なお、チュー
ブ10a〜13aのうち温調配管100〜103によっ
て覆われている部分は、少なくとも1枚の基板に対して
必要なフォトレジスト液の量を貯留することができるだ
けの長さを有するように構成されている。この例では、
ほぼ1枚の基板に所要のフォトレジスト液量を貯留する
ことができる長さに設定されている。
【0056】また、選択部200a,200bは、本実
施例の動作説明の都合上、図に示すようにそれぞれエア
ーバルブAV1〜AV4により構成されているものと
し、各選択部200a,200bに同じ符号を付したエ
アーバルブAV1〜AV4同士は、温度制御部90’’
からの信号により同時に開放/閉止されるようになって
いる。
【0057】温度制御部90’’は、詳細については後
述するが、主として記憶部70に予め記憶されている処
理液吐出ノズル10〜13の使用順序に基づき、処理液
吐出ノズルからの吐出が完了すると次の処理液吐出ノズ
ルに切り換えて次の基板の処理を行う場合に、少なくと
も次の基板よりも前に処理された基板への処理液の供給
が完了したことに基づいて、選択部200a,200b
により次の処理液吐出ノズルの温調配管100〜103
を選択して、次の処理液吐出ノズルのフォトレジスト液
の温度を、温調部50を介してその所望設定温度となる
ように温度制御を開始する機能を有する。上記の『少な
くとも次の基板よりも前に処理された基板』とは、本実
施例では後述するように上記次の基板よりも2枚前の基
板であり、上記第1実施例および上記第2実施例が次の
基板の前(1枚前)の基板へのフォトレジスト液の吐出
が完了した時点で次のフォトレジスト液の温調を開始し
たのとは異なっている。
【0058】次に、図7を参照して本実施例で記憶部7
0に記憶されているレシピーテーブル(図7(a))お
よび処理テーブル(図7(b))について説明する。
【0059】まず、オペレータは、入力部60を介して
図7(a)に示すようにレシピーテーブルを予め入力す
る。ここでレシピーNo.は、上述したようにテーブル
に設定された各内容で基板を処理するという処方を示し
ており、上記第1実施例でのレシピーテーブル(図3
(a))と異なるのは、処理液タンクの項目である。上
記第1実施例では、処理液タンクの項目をタンク自体で
設定したが、本実施例では各処理液タンク20〜23と
各チューブ10a〜13aとの間に介在する吐出制御弁
AV5〜AV8により設定するようになっている。ま
た、各処理液タンク20〜23に貯留されているフォト
レジスト液A〜Dの設定温度(本発明の所望設定温度に
相当)はTP1〜TP4であり、以下の説明においては
その順序で23.5℃,24.0℃,23.0℃,2
2.5℃とされているものとする。その他の項目につい
ては上記第1実施例のレシピーテーブルと同様であるの
で図示および説明については省略する。
【0060】さらに記憶部70には、この装置を用いて
処理を開始する前に、図7(b)に示すような処理テー
ブルが予め入力されている。本実施例では、10枚の基
板からなるロットNo.1を全てレシピーNo.R1で
処理し、続いて25枚の基板からなるロット2を全てレ
シピーNo.R2で処理するように設定されている。な
お、このように複数個の処理テーブルが記憶部70に記
憶されている場合には、例えば、処理制御部80がロッ
トNo.の項目を参照してその番号が昇順になるように
連続して各処理テーブルを実行してゆくようになってい
る。すなわち、この場合には、ロットNo.1の基板N
o.1〜No.10を処理する際に、処理液吐出ノズル
10から23.5℃に温調されたフォトレジスト液Aを
吐出し、ロットNo.1の基板No.10の処理が完了
すると、続いてロットNo.2の基板No.1の処理を
行う。この際には、処理液吐出ノズル11から24.0
℃に温調されたフォトレジスト液Bを吐出してロットN
o.2の基板No.25までの処理を連続して施すよう
になっている。
【0061】次に、図8のタイムチャートを参照する。
このタイムチャートは、この装置を起動した(立ち上げ
た)時点を時間原点として示したものである。図中、選
択部の状態(選択部200a,200b)は、各エアー
バルブAV1〜AV4の開放/閉止の状態を示し、複数
個の温調配管100〜103のうちのどの温調配管が選
択されて温調水が温調されているかを示している。ま
た、吐出制御弁(AV5〜AV8)の状態は、各処理液
吐出ノズル10〜13のうちのいずれからフォトレジス
ト液が吐出されているかを示すものであり、起動時には
処理は実行されていないので全て閉止されたままであ
る。また、フォトレジスト液の温度は、各フォトレジス
ト液A〜Dの所望設定温度TP1〜TP4とともに、各
温調配管100〜103によって覆われている部分の各
チューブ10a〜13a内のフォトレジスト液の実温度
を示している。熱交換器40の設定温度は、各温調配管
100〜103に流通させる温調水を温度調整する目標
値を示している。実際には、温調水が流通する段階での
不要な熱交換(熱損失)が生じるケースもあるが、流通
させる温調水の循環速度を上げることでほぼ『0』にす
ることができる。この場合は熱交換器40の設定温度は
フォトレジスト液の各所望設定温度と同一であるとして
以下に説明する。
【0062】まず、装置の電源がオンされた時点(図中
の原点『0』)では、各エアーバルブAV1〜AV4お
よび吐出制御弁AV5〜AV8は閉止されたままであ
る。次に、処理制御部80が記憶部70に記憶されてい
る処理テーブル(図7(b))を参照し、最初に処理す
るロットの最初のレシピーNo.を参照する。このレシ
ピーNo.に基づき、そのレシピーNo.で制御する吐
出制御弁AV5の情報を取得するとともに、それにより
吐出されるフォトレジスト液Aを温調する目標温度、つ
まり所望設定温度TP1(23.5℃)を取得して温調
制御部90’’に出力する。この所望設定温度TP1
(23.5℃)は温調制御部90’’から温調部50に
出力され、温調部50の制御により熱交換器40を介し
て温調水の温度がその所望設定温度TP1となるように
制御される。したがって、この時点t1 で熱交換器40
の設定温度が23.5℃にされるとともに、温調制御部
90’’は温調配管100の温調水を温調するための選
択部200a,200bの両エアーバルブAV1のみを
開放する。この動作が時間原点から時間t1 までに実行
される。選択部200a,200bの両エアーバルブA
V1以外は、まだ閉止されたままである。この両エアー
バルブAV1が開放されると、ほぼクリーンルームのダ
ウンフローの温度(一般的には23.0±1℃に設定さ
れいるが、季節によりさらに±1℃程度の変動がある)
になっていたフォトレジスト液Aの温度は、その時点か
ら所望設定温度TP1(23.5℃)に向かって上昇し
てゆくことになる。
【0063】上記の動作によって、フォトレジスト液A
の温度が急速に上昇して時間t2 において所望設定温度
TP1に一致して充分に安定したとする。この時間t2
の時点において、フォトレジスト液Bの温調を開始す
る。具体的には、時間t2 にてエアーバルブAV2を開
放する。これにより、フォトレジスト液Aの所望設定温
度TP1(23.5℃)に温調されている温調水が温調
配管101にも循環することになり、その結果、時間t
2 にてその実温度が約23℃から急激に上昇して時間t
3 にて所望設定温度TP1(23.5℃)に一致する。
同様にして、順次エアーバルブAV3,AV4を開放し
て、フォトレジスト液C,Dの温度をフォトレジスト液
Aの所望設定温度TP1(23.5℃)となるように調
節する。
【0064】上述したように、全てのフォトレジスト液
A〜Dを同時に温調するのではなく、1つずつ順次に温
調することにより以下のような効果を奏する。すなわ
ち、各温調配管100〜103には、各々ある一定量の
温調水が貯留しており、熱交換器40により同時に全て
の温調水を目標値に温度調整すると、温調すべき温調水
の量が多くなるので、熱交換器40に大きな負荷がかか
るとともに、その分だけフォトレジスト液Aの温度が所
望設定温度に到達するまでに時間が余分にかかることに
なる。例えば、図中に点線で示すように、時間t1 の時
点にて全てのエアーバルブAV1〜AV4を開放した場
合には、時間t1 から時間t6 の間に全フォトレジスト
液A〜Dの実温度が次第に緩やかに上昇してゆくことに
なる。一方、上述したように、順次に温調を行うことに
より、温調すべき温調水の量を低減することができて迅
速に所望設定温度に調整することができ、また、温度調
整の精度を向上させることができる。なお、装置の起動
時に要する時間を特に考慮しなくてもよい場合には、全
てのフォトレジスト液A〜Dを同時に温調する構成とし
てもよい。
【0065】また、記憶部70に記憶されている処理テ
ーブルにより最初に使用しないと予め分かっているフォ
トレジスト液B〜Dについてもフォトレジスト液Aと同
じ所望設定温度TP1に温度調整することにより以下の
効果を得ることができる。すなわち、温調せずに放置し
ておくと、フォトレジスト液A以外のその他のフォトレ
ジスト液B〜Dの実温度は、上述したように変動するク
リーンルームのダウンフローの温度に依存して不定とな
り、使用するまでに温調する際の所要時間(所望設定温
度に一致させることができるまでに要する時間)が不明
となる。このように温調対象となるフォトレジスト液の
温調前の実温度が不明であると、上記のような異なるフ
ォトレジスト液を供給する各ロットを連続して処理する
場合には、上記所要時間が不明であるため温度調整に余
分な時間をとる必要が生じて装置のスループットを低下
させることになる。その一方、上記のように予め最初に
使用するフォトレジスト液Aの所望設定温度TP1に温
調しておくことにより、その既知の温度から各フォトレ
ジスト液B〜Dの所望設定温度TP2〜TP3まで温度
調整する際の所要時間は予め実験などで得ることができ
るので、温調を開始するタイミングをスループットが向
上するように最適化することができる。また、所望設定
温度に近い既知の温度に保持しておくことにより、それ
ぞれの所望設定温度に温調する際に精度よく調整するこ
とができる。
【0066】上述したように、装置を起動した後、図8
中の時間t5 以降において、装置に処理開始を指示する
ことにより、ロットNo.1の基板No.1から処理が
順に開始される。上述したようにまずは、ロットNo.
1の処理においてフォトレジスト液Aのみを使用する
が、その他のフォトレジスト液B〜Dの温度もその所望
設定温度TP1に温調されている。
【0067】次に、図9を参照して、処理テーブルに基
づく処理について説明する。なお、ロットNo.1の基
板No.1〜No.8までは既にフォトレジスト液Aが
供給されて処理が完了しているものとし、基板No.9
に対する処理から以下に説明する。また、各処理につい
て、説明の便宜上、主として吐出制御弁AV5〜AV8
の開閉制御によって示すことにするが、各処理は上記第
1実施例の図4のタイムチャートに示すように回転数の
制御も行われている。
【0068】まず、基板No.9に対する塗布処理を行
う。具体的には、時間t10において処理済のNo.8の
基板を搬出するとともにNo.9の基板Wを処理部4に
搬入する。そして、時間t11までに塗布回転数にまで回
転数を上昇させて、その時点で吐出制御弁AV5を開放
する。これにより基板No.9の基板W表面に、その温
度が23.5℃に調整されたフォトレジスト液Aが吐出
され始める。その時間t11から所定時間後の時間t12
おいて、吐出制御弁AV5を閉止し、時間t13までに所
望膜厚を得るための回転数に上昇させてバックリンスな
どの処理を施して回転を停止する。その後、処理済の基
板No.9の基板Wを処理部4から搬出するとともに、
次の基板No.10の基板Wを処理部4に搬入する。
【0069】この例では、上記時間t12の時点、すなわ
ち、基板No.9へのフォトレジスト液Aの供給が完了
して時点において、熱交換器40の設定温度をフォトレ
ジスト液Aの所望設定温度TP1(23.5℃)から次
のロットNo.2で使用するフォトレジスト液Bの所望
設定温度TP2(24.0℃)に変更するとともに、次
に使用するフォトレジスト液Bの温調のためにエアーバ
ルブAV2だけを開放したままの状態としてその他のエ
アーバルブAV1,AV3,AV4を閉止する。したが
って、温調配管101の温調水は、熱交換器40により
フォトレジスト液Bの所望設定温度TP2(24.0
℃)に温調開始され、次のロットで使用するフォトレジ
スト液Bの温度だけがその所望設定温度TP2(24.
0℃)に合わせて温度調整され始める。この状態では、
温調すべき対象がフォトレジスト液Bを間接温調する温
調配管101の温調水だけとされるので、温調すべき温
調水の量を低減できて応答性よく温度を所望設定温度T
P2に温調することができる。
【0070】このように次の基板No.10の基板Wに
対してまだ供給する必要のあるフォトレジスト液Aに対
する温調を停止しても、エアーバルブAV1が閉止され
ていることにより温調配管100内はその所望設定温度
TP1(23.5℃)に調整された温調水で満たされて
おり、その温調水によりチューブ10a内に貯留してい
るフォトレジスト液Aを所望設定温度TP1に保持する
ことができる。つまり温調水の余熱によってフォトレジ
スト液Aをその所望設定温度TP1に保持することがで
きる。しかしながら厳密には、自然放熱によってある程
度の温度低下(クリーンルームの室温23.0℃に向か
う)が生じる(図9のフォトレジスト液の温度中に点線
で示す)が、約5分間はチューブ10a内のフォトレジ
スト液Aの温度が所要の精度(この場合約±0.1℃)
内に保持されることを実験によって確認している。換言
すると、温調を停止してから約5分以内であれば、あと
1枚分の基板に対して供給することができる量のフォト
レジスト液Aを、その所望設定温度TP1に保持まま処
理液吐出ノズル100から吐出させることができること
になる。一般的に、前の基板へのフォトレジスト液の供
給完了から次の基板への供給完了までの時間間隔(以
下、これをサイクルと称する)は1分程度であるので、
チューブ10a内のフォトレジスト液Aの容量と上記自
然放熱とを勘案して、この実施例では次のフォトレジス
ト液Bの温調をこの液を使用するロットNo.2の基板
No.1の2枚前の基板である、ロットNo.1の基板
No.9の基板へのフォトレジスト液Aの供給が完了し
た時点で、温調を停止して次のフォトレジスト液Bの温
調を開始することとしている。なお、温調水により周囲
を満たされているチューブ10a内に、2枚分の基板に
供給可能な量のフォトレジスト液Aを貯留することがで
きる場合であれば、ロットNo.2の基板No.1より
も3枚前の基板(タイムチャートに図示しないロットN
o.1の基板No.8)への供給が完了した時点で温調
対象を切り換えることができる。
【0071】そして、時間t14において、ロットNo.
1の〔最後の基板である〕基板No.10の基板Wに対
して、余熱でその所望設定温度TP1に保持されている
フォトレジスト液Aの供給を開始し、所定時間後の時間
15においてその供給を停止する。そして、所定の処理
を施して搬送した後に、ロットNo.2の基板No.1
へのフォトレジスト液Bの供給を開始する(時間
16)。この基板No.1に対して供給されるフォトレ
ジスト液Bの温度は、ロットNo.1の基板No.9に
フォトレジスト液Aの供給が完了した時点(t12)から
この時点t16までの2サイクル分(約2分)の長い時間
をかけて調整することができるので、非常に精度よくそ
の所望設定温度TP2に温度を調整することができる。
このようにして、順次に基板No.2,No.3,……
…,No.25が搬送されて所定の処理が施される。
【0072】上記のように順次に基板が搬送されてロッ
トNo.2の各基板に処理が施される際に、これらの各
処理と並行するように、使用しないフォトレジスト液
C,D,Aについても温度調整を行う。つまり、基板N
o.1へのフォトレジスト液Bの供給が完了する時間t
17において、エアーバルブAV3を開放する。これによ
って、フォトレジスト液Cが貯留しているチューブ12
aを温調する温調配管102にも温調水が循環して、フ
ォトレジスト液Cの温度がフォトレジスト液Bの所望設
定温度TP2(24.0℃)に調整開始される。そし
て、基板No.2へのフォトレジスト液Bの供給が完了
した時点t18において、エアーバルブAV4を開放す
る。これによりフォトレジスト液Dの温度がフォトレジ
スト液Bの所望設定温度TP2に温度調節され始める。
さらに基板No.3へのフォトレジスト液Bの供給が完
了した時点t19において、エアーバルブAV1を開放
し、フォトレジスト液Aの温度が同様にして所望設定温
度TP2に温調され始める。これらの各フォトレジスト
液C,D,Aは、ロットNo.1の処理過程において、
その時に使用していたフォトレジスト液Aの所望設定温
度TP1(23.5℃)に時間t12までは温度調節され
ており、それ以降は各温調配管102,103,100
内に満たされている温調水の余熱によって〔非常に僅か
な温度低下はあるものの〕ほぼその温度に保持されてい
るので、各時点t17,t18,t19における温調開始から
僅かな時間で各フォトレジスト液C,D,Aの温度を所
望設定温度TP2に調節することができる。
【0073】このようにフォトレジスト液Bの他のフォ
トレジスト液A,C,Dを同時に温調開始するのではな
く、温調すべき対象を順次に切り換えて行うことによ
り、上述したように、温調すべき温調水の量を低減する
ことができて迅速に所望設定温度に調整することがで
き、また、温度調整の精度を向上させることができる。
【0074】また、記憶部70に記憶されている処理テ
ーブル(図7(b))の内容に基づいて、使用しないこ
とが予め分かっているフォトレジスト液C,Dについて
も温調を施しているのは、上述したように、その温度が
不定(下がり過ぎ)になると温調完了までの所要時間が
不明となって、異なるフォトレジスト液を供給する各ロ
ットを連続して処理する際に不都合が生じるからであ
る。例えば、処理テーブルの内容の処理を終了した後
に、入力部60を介して新たな処理テーブルを入力し、
その処理において最初にフォトレジスト液Cを供給する
場合には、処理前のフォトレジスト液Cの温度が24.
0℃であると分かっているので、その温度からその所望
設定温度TP3(23.0℃)にまで調整するのに必要
な時間を計算することができ、新たな処理テーブルに基
づく処理開始が指示されてから実際に温度調整が完了し
て処理が開始されるまでの時間を処理制御部80により
算出することができる。また、所望設定温度に近い適宜
の温度に保持しておくことにより、所望設定温度に調整
する際に精度よく温調することが可能となる。
【0075】このように構成された第3実施例装置によ
ると、第2実施例が奏する効果の他に、次のような効果
を得ることができる。 装置の起動時には、処理テーブルに基づいて、最初
に使用するフォトレジスト液の温調だけを優先的に行
い、その後に他のフォトレジスト液の温調を順次に行う
ことにより、応答性よく温度調整を行うことができて、
装置を使用することができるまでの起動時間を大幅に短
縮することができる。 現在温調の対象となっているフォトレジスト液とは
異なる次のフォトレジスト液を供給する基板の2枚前の
基板へのフォトレジスト液の供給が完了した時点で、次
のフォトレジスト液の温調を開始するので、フォトレジ
スト液を供給するまでに充分な温調時間を設定すること
ができて精度よくその所望設定温度に調節することがで
きる。 まず、次のフォトレジスト液の温調を行った後に、
その他のフォトレジスト液の温調を行うことにより、次
のフォトレジスト液の温調精度を高めることができると
ともに、その他のフォトレジスト液の液温を各所望設定
温度に近い既知のものとすることができるので、その他
のフォトレジスト液の温調を行う際に応答性を向上させ
ることができ、さらに精度よく各々の所望設定温度に調
整することができる。 その他のフォトレジスト液の温度を、次のフォトレ
ジスト液の所望設定温度に温調する際に、同時に温調す
るのではなく順次に温調することにより、温度制御の対
象を少なくすることができて、温度制御の応答性および
その精度を向上させることができる。
【0076】なお、上記の説明においては、現在の処理
液吐出ノズル10が、次の処理液吐出ノズル11により
処理される基板No.1よりも2枚前の〔ロットNo.
1の〕基板No.9の基板にフォトレジスト液Aを供給
完了した『直後』(時間t12)に、次の処理液吐出ノズ
ル11のフォトレジスト液Bの温度を所望設定温度TP
2に調整開始する場合を例に採って説明したが、本発明
はこれに限定されることなく、2枚前の基板No.9へ
の供給が完了して『所定時間経過後』に温調を開始する
ようにしてもよい。この場合、フォトレジスト液Bを供
給開始する時点t16までに温調が完了するようにその所
定時間を設定するようにする。
【0077】また、次のフォトレジスト液の温調を開始
するタイミングとして、上記2枚前の基板へのフォトレ
ジスト液の供給が完了した時点を採用したが、さらにそ
の1枚前(つまりロットNo.2の基板No.1よりも
3枚前)の基板へのフォトレジスト液の供給が完了した
時点を温調開始タイミングとしてもよい。この温調開始
タイミングは、上述したように、各チューブ10a〜1
3a内に貯留することができるフォトレジスト液の量お
よび余熱で温度を保持することができる時間などを勘案
して設定すればよい。
【0078】また、上記の説明では、その他のフォトレ
ジスト液を順次に温調する際に、フォトレジスト液C,
D,Aの順序で行ったが、本発明はこの順序に限定され
るものではなく、同時に温調することなく温調対象を少
なくすることができれば、その順序については適宜に設
定可能である。
【0079】上記の説明では、処理液としてフォトレジ
スト液を例に採って説明したが、この他に処理液として
は表面保護膜や絶縁膜として塗布されるポリイミド液や
SOG(Spin On Glass)液などにも適用でき、また、基板処
理装置の一例として回転式基板塗布装置について説明し
たが、処理液が現像液である回転式基板現像装置にも適
用可能である。
【0080】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明方法によれば、現在の処理液の温度を一
定に保持する必要がなくなった時点、すなわち、処理液
の供給が完了したことに基づいて次の処理液の温度をそ
の所望設定温度に調整開始するので、次の処理液を基板
に対して供給するまでにその所望設定温度に調整するこ
とができる。したがって、所要時までに各処理液の温度
をそれぞれの所望設定温度に調整することができる。さ
らに、温度調整は同時に複数の所望設定温度に調整する
ことなく、次の処理液の所望設定温度のみを目標値とし
て温度を制御すればよいので、温度制御系の負荷を軽減
できる。
【0081】また、少なくともその処理基板よりも前に
処理された基板への処理液の供給が完了すると、ある一
定時間温調しなくてもその温度を余熱により保持するこ
とができるので、その時点で次の処理液の温度調整を開
始することにより、次の基板に対して処理液が供給され
る際には、その温度を充分に所望設定温度に調整するこ
とができる。したがって、上記の効果と同様の効果を奏
する。
【0082】また、請求項2に記載の発明装置によれ
ば、請求項1に記載の発明方法を好適に実施できるとと
もに、温度制御系(特に温調手段)の消費電力を抑制で
きるので、装置のランニングコストを低減することがで
きる。また、温調手段が1つで構成されるので、装置コ
ストを低減することができ、装置内に占有するスペース
を削減することができる。
【0083】また、請求項3に記載の発明装置によれ
ば、各処理液供給手段の処理液を温度調整する温調配管
は、各処理液供給手段ごとに設けられているので、1つ
の温調手段により温度調整する温調水の量を低減するこ
とができる。したがって、応答性よく各処理液の温度を
所望設定温度に調整することができ、その結果、請求項
2に記載の発明装置の効果の他に、温調に係る待ち時間
を低減できて装置のスループットを向上させることがで
きる。
【0084】また、請求項4に記載の発明装置によれ
ば、請求項3の効果の他に、次の基板の前のさらにその
前の基板への処理液の供給が完了したことに基づいて、
次の処理液の温調を開始することにより次の基板へ供給
する次の処理液の温調にかける時間を長くとることがで
きるので、処理液の温度をその所望設定温度に正確に調
整することができる。
【0085】また、請求項5に記載の発明装置によれ
ば、選択手段によりその他の処理液供給手段の温調配管
を選択して、その他の処理液供給手段の処理液の温度
を、次の処理液の所望設定温度と同一の温度となるよう
に温度制御することにより、その他の処理液の温度が低
下し過ぎることがなく、その他の処理液が次の処理液と
なったときに応答性よくそれぞれの処理液の所望設定温
度に温度調整することができる。
【0086】また、請求項6に記載の発明装置によれ
ば、その他の処理液供給手段の処理液を順次に温調して
ゆくことにより、その他の処理液供給手段の処理液を温
調する際の、主たる温度調整の対象を1つの処理液だけ
にすることができるので、同時にその他の処理液を全て
温度調整する場合に比較して、温度制御の対象が少なく
なって1つの温調手段による温度調整の応答性およびそ
の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る回転式基板塗布装置を示すブ
ロック図である。
【図2】処理液吐出ノズルの断面図である。
【図3】記憶部の記憶内容を示す模式図である。
【図4】処理における回転数および温度を示すタイムチ
ャートである。
【図5】第2実施例に係る回転式基板塗布装置を示すブ
ロック図である。
【図6】第3実施例に係る回転式基板塗布装置を示すブ
ロック図である。
【図7】記憶部の記憶内容を示す模式図である。
【図8】装置の起動時における温度制御を示すタイムチ
ャートである。
【図9】処理時における温度制御を示すタイムチャート
である。
【符号の説明】
W … 基板 4 … 処理部 10〜13 … 処理液吐出ノズル(処理液供給手段) 10a〜13a … チューブ(処理液供給手段) 20〜23 … 処理液タンク(処理液供給手段) 30 … 温調配管 40 … 熱交換器(温調手段) 50 … 温調部(温調手段) 60 … 入力部(入力手段) 70 … 記憶部(記憶手段) 80 … 処理制御部(処理制御手段) 90,90’,90’’ … 温度制御部(温度制御手
段) 200a,200b … 選択部(選択手段) AV1〜AV4 … エアーバルブ(選択手段) AV5〜AV8 … 吐出制御弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/30 569C (72)発明者 大谷 正美 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大日本スクリーン製造株式会社 洛西事 業所内 (72)発明者 谷口 英行 京都府京都市伏見区羽束師古川町322 大日本スクリーン製造株式会社 洛西事 業所内 (56)参考文献 特開 平2−258082(JP,A) 特開 平2−65120(JP,A) 特開 平5−269425(JP,A) 特開 平7−161621(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027 G03F 7/30 501 G03F 7/16 501

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)処理を施す基板を搬入する過程
    と、(b)所望設定温度に調整した処理液を基板に対し
    て供給する過程と、(c)前記処理液を供給した基板に
    所定の処理を施す過程と、(d)前記処理を施した基板
    を搬出する過程と、からなる前記過程(a)ないし
    (d)を繰り返し行なう基板処理方法において、 次に処理を施す基板に対して前記処理液とは異なる次の
    処理液を供給する場合には、少なくともその処理基板よ
    りも前に処理された基板への処理液の供給が完了したこ
    とに基づいて、前記次の処理液の温度をその所望設定温
    度に調整開始することを特徴とする基板処理方法。
  2. 【請求項2】 複数種類の処理液をそれぞれ一定温度に
    調整して基板に供給して処理を施す基板処理装置であっ
    て、 基板に対して処理液を供給する複数個の処理液供給手段
    と、 前記複数個の処理液供給手段の処理液の温度を一定化す
    るために温調水を流通する温調配管と、 前記温調水を温度調整して流通させる1つの温調手段
    と、 前記各処理液供給手段ごとにそれぞれの処理液の所望設
    定温度を予め入力するとともに、前記各処理液供給手段
    の使用順序を予め入力する入力手段と、 前記入力手段を介して入力された前記各所望設定温度と
    前記使用順序とを記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、処理
    液供給手段を介してその所望設定温度に調整された処理
    液を基板に供給して所定の処理を施す処理制御手段と、 前記記憶手段に記憶されている使用順序に基づき、前記
    処理液供給手段による基板の処理が完了すると次の処理
    液供給手段に切り換えて次の基板の処理を行なう場合に
    は、前記処理液供給手段が前記基板に処理液の供給を完
    了したことに基づいて、次の処理液供給手段の処理液の
    温度を、前記温調手段を介してその所望設定温度になる
    ように温度制御を開始する温調制御手段と、 を備えていることを特徴とする基板処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の基板処理装置におい
    て、前記温調配管は、前記処理液供給手段ごとに設けら
    れた複数個の温調配管からなり、 前記複数個の温調配管のうち前記温調手段を介して温調
    水を流通させるべき温調配管を選択する選択手段を備え
    るとともに、 前記温調制御手段は、前記記憶手段に記憶されている使
    用順序に基づき、前記処理液供給手段による基板の処理
    が完了すると次の処理液供給手段に切り換えて次の基板
    の処理を行なう場合には、前記処理液供給手段が前記基
    板に処理液の供給を完了したことに基づいて、前記選択
    手段により次の処理液供給手段の温調配管を選択して、
    次の処理液供給手段の処理液の温度のみを、前記温調手
    段を介してその所望設定温度になるように温度制御を開
    始することを特徴とする基板処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の基板処理装置におい
    て、前記温調制御手段は、前記記憶手段に記憶されてい
    る使用順序に基づき、前記処理液供給手段による基板の
    処理が完了すると次の処理液供給手段に切り換えて次の
    基板の処理を行う場合には、少なくとも前記次の基板よ
    りも前に処理された基板への処理液の供給が完了したこ
    とに基づいて、前記選択手段により次の処理液供給手段
    の温調配管を選択して、次の処理液供給手段の処理液の
    温度のみを、前記温調手段を介してその所望設定温度に
    なるように温度制御を開始することを特徴とする基板処
    理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の基板処理装置におい
    て、前記温調制御手段は、次の処理液供給手段の処理液
    の温度のみを、前記温調手段を介してその所望設定温度
    になるように温度制御するとともに、前記選択手段によ
    り他の処理液供給手段の温調配管を選択して、その他の
    処理液供給手段の処理液の温度を、前記所望設定温度と
    同じ温度になるように温度制御することを特徴とする基
    板処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の基板処理装置におい
    て、前記温調制御手段は、前記記憶手段に記憶されてい
    る使用順序に基づき、次の処理液供給手段の温調配管を
    前記選択手段により選択して順次に切り換えてゆく際
    に、前記選択手段によりその他の処理液供給手段の温調
    配管を順次に選択して、その他の処理液供給手段の処理
    液の温度を、その所望設定温度と同じ温度となるように
    順次に温度制御することを特徴とする基板処理装置。
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