JP3361469B2 - エレベーターのガイドレール用潤滑装置並びにその潤滑装置用収納ケース及び保油部材 - Google Patents

エレベーターのガイドレール用潤滑装置並びにその潤滑装置用収納ケース及び保油部材

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JP3361469B2
JP3361469B2 JP05156399A JP5156399A JP3361469B2 JP 3361469 B2 JP3361469 B2 JP 3361469B2 JP 05156399 A JP05156399 A JP 05156399A JP 5156399 A JP5156399 A JP 5156399A JP 3361469 B2 JP3361469 B2 JP 3361469B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エレベーターのガ
イドレール用潤滑装置並びにその潤滑装置用収納ケース
及び保油部材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】出願人は、エレベーターのガイドレール
用潤滑装置として、特開平8−91735号に記載され
ているように、昇降路内を昇降する昇降体に取り付けら
れてガイドレールのガイド部が入り込む凹部を有する有
底の収納ケースと、前記収納ケース内に収納され、か
つ、前記ガイド部が入り込む凹部が形成されたカポック
繊維からなる保形性の保油シートを複数枚積層してなる
保油部材と、前記ガイド部が入り込む凹部を有して前記
収納ケースの上面開口を覆う蓋体とを備え、前記保油シ
ートの凹部から前記ガイド部に、前記保油シートに含浸
されている潤滑油を供給するようにした構造のものを開
発している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記開発中のエレベー
ターのガイドレール用潤滑装置では、保油シートの凹部
のほぐれを防止するために、保油シートの凹部における
両側辺縁のそれぞれに、その側辺縁のほぐれを阻止する
第1耐摩耗性編物体で覆われた舌状部を形成するととも
に、保油シートの凹部における底辺縁に、その底辺縁の
ほぐれを阻止する第2耐摩耗性編物体で覆うようにした
ところ、第2耐摩耗性編物体で舌状部が押されてその舌
状部が外に向かって末広がり状(ハの字状)に開いてし
まい、ガイド部の両側面に舌状部が均一に摺接しないと
いう問題点があることがわかった
【0004】発明の第目的は、保油部材の凹部から
ガイドレールのガイド部に潤滑油が過剰に給油されるこ
とのないエレベーターのガイドレール用潤滑装置を提供
するにある。
【0005】本発明の第目的は、収納ケース内に、保
油部材を逆さに設置することを防止できるエレベーター
のガイドレール用潤滑装置を提供するにある。
【0006】本発明の第目的は、軽量で生産性にすぐ
れたエレベーターのガイドレール用潤滑装置用収納ケー
スを提供するにある。
【0007】本発明の第目的は、取扱性にすぐれ潤滑
油を短時間で含浸させることのできるエレベーターのガ
イドレール用潤滑装置用保油部材を提供するにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】記第目的を達成する
ために、請求項1に係るエレベーターのガイドレール用
潤滑装置の発明は、昇降路内を昇降する昇降体に取り付
けられてガイドレールのガイド部が入り込む凹部を有す
る有底の収納ケースと、前記収納ケース内に収納され、
かつ、少なくとも一辺に前記ガイド部が入り込む凹部が
形成された吸油性及び保油性を有する保油シートを複数
枚積層することにより形成してなる保油部材と、前記ガ
イド部が入り込む凹部を有して前記収納ケースの上面開
口を覆う蓋体とを少なくとも備え、前記保油シートに含
浸させた潤滑油を、前記保油シートの凹部から前記ガイ
ド部に供給してなるエレベーターのガイドレール用潤滑
装置において、前記複数枚の保油シートは、前記ガイド
部が入り込む凹部を前記ガイド部の外形寸法より小さく
設定しその凹部の底辺縁と両側辺縁とを分離させて前記
凹部の両側辺縁のそれぞれに、その側辺縁のほぐれを阻
止する第1耐摩耗性編物体で覆われた舌状部を形成し、
これら舌状部を前記ガイド部側面に摺接させ、しかも、
前記凹部の底辺縁を、その底辺縁のほぐれを阻止する第
2耐摩耗性編物体で覆ってその第2耐摩耗性編物体を前
記ガイド部頂面に摺接させた接触形保油シートと、前記
ガイド部が入り込む凹部を前記ガイド部の外形寸法より
大きく 設定してその凹部を前記ガイド部に接触させない
非接触形保油シートとからなり、前記接触形保油シート
と前記非接触形保油シートとを交互に積層することで前
記保油部材とするとともに、前記舌状部と前記第2耐摩
耗性編物体とを接触させない隙間を形成し、前記舌状部
の根元部分に前記第1耐摩耗性編物体を縫着させること
により、その根元部分の両面を凹ませるとともに、その
第1耐摩耗性編物体の縫着部分を、前記非接触形保油シ
ートの凹部における側辺縁に略沿って並行に延在させた
ことを特徴としている。
【0009】かる構成によれば、舌状部と第2耐摩耗
性編物体とを接触させない隙間を形成したので、舌状部
が外に向かって末広がり状(ハの字状)に開くことがな
いとともに、非接触形保油シートと接触形保油シートと
を交互に積層することで、舌状部の上下に逃げ空間がで
きているので、舌状部がガイド部の両側面に摺接する際
に、その舌状部が、ガイド部の両側面と隣接する他の舌
状部との間に強く挾まれた状態となることがない。ま
た、昇降体の昇降時に、舌状部がガイド部の両側面に摺
接した際、第1耐摩耗性編物体の縫着部分が非接触形保
油シートの凹部における側辺縁に略沿って並行に延在さ
せてあるため、縫着部分が舌状部の根元部分となり、そ
の根元部分を軸に舌状部が無理なく首振りする。さら
に、舌状部の根元部分の両面が逢着により凹ませてある
ので、ガイド部の両側面が摺接することによる舌状部の
首振りが円滑に行われる。これらにより、潤滑油が過剰
にガイド部の両側面側に流出することがない。
【0010】上記第目的を達成するために、請求項1
3に係るエレベーターのガイドレール用潤滑装置の発明
は、昇降路内を昇降する昇降体に取り付けられてガイド
レールのガイド部が入り込む凹部を有する有底の収納ケ
ースと、前記収納ケース内に収納され、かつ、少なくと
も一辺に前記ガイド部が入り込む凹部が形成された吸油
性及び保油性を有する保油シートを複数枚積層すること
により形成してなる保油部材と、前記ガイド部が入り込
む凹部を有して前記収納ケースの上面開口を覆う蓋体と
を少なくとも備え、前記保油シートに含浸させた潤滑油
を、前記保油シートの凹部から前記ガイド部に供給して
なるエレベーターのガイドレール用潤滑 装置において、
前記保油部材を形成する複数枚の保油シートのうち、前
記収納ケース内の最下部に位置する保油シートを除く他
のすべての保油シートに給油孔を設けることで、前記収
納ケース内の最上部に位置する保油シート上面から前記
収納ケース内の最下部に位置する保油シート上面まで連
通させた給油連通口を形成するとともに、給油孔が設け
られない前記収納ケース内の最下部に位置する保油シー
トを下にして前記収納ケース内に前記保油部材を設置し
た場合にのみ、前記収納ケース内に設けた逆セット防止
突出体が前記保油部材に設けた逆セット防止体挿嵌凹部
に挿嵌可能となる構成にしたことを特徴としている
【0011】かかる構成によれば、最下部に位置する
油シートを1番上にした状態で収納ケース内に保油部材
を入れようとすると、逆セット防止挿嵌凹部が逆セット
防止突出体のある位置からずれてしまうので、逆セット
防止突出体が逆セット防止挿嵌凹部に挿入できず、収納
ケース内に保油部材設置できない。
【0012】上記第目的を達成するために請求項14
に係るエレベーターのガイドレール用潤滑装置用収納ケ
ース発明は、内底に設けられるものであって保油部材の
位置決め用の複数本の柱状体及び保油部材を逆にセット
するのを防止する逆セット防止突出体と、外底に設けら
れるものであって囲いリブ及び補強リブと、上面開口端
に設けられる水平フランジと、この水平フランジに設け
られるものであって上面開口内縁に接触可能な変形防止
リブが設けられる蓋体及びその蓋体を開閉自在にするヒ
ンジ部と、蓋体の閉じ状態を保持するために水平フラン
ジに設けられる弾性係止爪とを、合成樹脂で一体に形成
したことを特徴としている
【0013】かかる構成によれば、保油部材の容器とな
る収納ケースを、蓋体と一緒にワンタッチで、合成樹脂
製品とすることができる。
【0014】上記第目的を達成するために請求項15
に係るエレベーターのガイドレール用潤滑装置用保油部
材の発明は、ガイド部が入り込む凹部を前記ガイド部の
外形寸法より小さく設定しその凹部の底辺縁と両側辺縁
とを分離させて前記凹部の両 側辺縁のそれぞれに、その
側辺縁のほぐれを阻止する第1耐摩耗性編物体で覆われ
た舌状部を形成し、これら舌状部を前記ガイド部側面に
摺接させ、しかも、前記凹部の底辺縁を、その底辺縁の
ほぐれを阻止する第2耐摩耗性編物体で覆ってその第2
耐摩耗性編物体を前記ガイド部頂面に摺接させた接触形
保油シートと、前記ガイド部が入り込む凹部を前記ガイ
ド部の外形寸法より大きく設定してその凹部を前記ガイ
ド部に接触させない非接触形保油シートとからなり、
納ケース内の最上部に位置する部分に前記非接触形保油
シートが配置され、かつ、前記収納ケース内の最下部に
位置する部分に前記接触形保油シートがそれぞれ配置さ
れるように、複数枚の前記非接触形保油シートと複数枚
の前記接触形保油シートとを交互に積層させた後、その
複数枚の前記非接触形保油シート及び前記接触形保油シ
ート全部を複数個の結束体で結束するとともに、前記接
触形保油シート及び前記非接触形保油シートにおけるガ
イド部が入り込む凹部の位置決め貫通孔と、前記収納ケ
ース内の最下部に位置する前記接触形保油シートを除く
他のすべての接触形保油シート及び非接触形保油シート
に給油孔を設けることで前記収納ケース内の最上部に位
置する非接触形保油シート上面から前記収納ケース内の
最下部に位置する接触形保油シート上面まで連通させた
給油連通口と、前記収納ケース内に設けた逆セット防止
体を挿嵌するための逆セット防止挿嵌凹部とが形成さ
、しかも、前記非接触形保油シートと前記接触形保油
シートは、カポック繊維をシート状に形成して本体部分
となし、その本体部分の表裏両面全体を網状体で覆った
ものであることを特徴としている
【0015】かかる構成によれば、複数枚の前記非接触
形保油シートと複数枚の前記接触形保油シートとをまと
めて、収納ケースに出し入れすることができるととも
に、給油連通口に潤滑油を給油することで、その潤滑油
を短時間で、複数枚の前記非接触形保油シート及び複数
枚の前記接触形保油シートの全体に含浸させることがで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図
面に基づき説明する。
【0017】図1において、エレベーター1のガイドレ
ール用潤滑装置2は、昇降路内に立設されたガイドレー
ル3に沿って、乗りかご若しくは釣合い重りからなる昇
降体4を昇降させるガイドシュー支持枠5の上方に配設
される。ガイドシュー支持枠5は、昇降体4の上部に固
定された取付部材6に取り付けられている。ガイドシュ
ー支持枠5には、L形の鋼材からなるブラケット7がボ
ルト8,8Aにより固定される。
【0018】ガイドシュー支持枠5には、図2に示すよ
うに、断面形状がコ字状のガイドシュー9が圧入固定さ
れる。取付部材6は、昇降体4の一つである乗りかごの
場合には、その乗りかご上部に位置するクロスヘッド
(図示せず)に取り付けられる。ブラケット7には、図
1及び図2に示すように、ブラケット7に設けた長孔1
0,10Aに係合したボルト11,11Aにより、ガイ
ドレール用潤滑装置2が着脱自在に取り付けるのが好ま
しい。ガイドシュー9は、図2に示すように、ガイドレ
ール3のガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2及び
頂面3A−3に摺接している。
【0019】ガイドレール用潤滑装置2は、図1,図3
及び図4に示すように、合成樹脂からなる有底箱状の収
納ケース12と、この収納ケース12の上面開口を開閉
する合成樹脂製の蓋体13と、収納ケース12内に取り
出し可能に収納された保油部材14とを少なくとも備え
ている。収納ケース12には、その収納ケース12の正
面12Aの略中央にガイドレール3のガイド部3Aが入
り込む凹部15が、図3から図6に示すように、形成さ
れている。蓋体13には、その蓋体13の正面13Aの
略中央にガイドレール3のガイド部3Aが入り込む凹部
16が、図3から図7に示すように、形成されている。
保油部材14は、吸油性及び保油性にすぐれた材料、例
えば、カポック繊維を主構成とするものであって、保形
性を有しており、その保油部材14の正面14A(図
8)の略中央にガイドレール3のガイド部3Aが入り込
む凹部17が、図3,図4及び図7に示すように、形成
されている。ここで、吸油性とは、油吸着能力をいい、
保油性とは、油量の保持能力をいう。カポック繊維と
は、パンヤ科の喬木の実の中に含まれる繊維をいう。
【0020】収納ケース12の内底には、図5に示すよ
うに、3本の合成樹脂からなる柱状体18,18A,1
8Bが一体的に形成されている。柱状体18,18A,
18Bは、収納ケース12の内底から略垂直に延びて、
その柱状体18,18A,18Bの先端が、蓋体13が
閉じられた状態ではその蓋体13の内面に形成された嵌
合リング19,19A,19Bに嵌合するようにしてあ
る。柱状体18は、収納ケース12の凹部15の左側辺
15Aに近接している。柱状体18Aは、収納ケース1
2の凹部15の底辺15Bに近接している。柱状体18
Bは、収納ケース12の凹部15の右側辺15Cに近接
している。柱状体18と柱状体18Bは、収納ケース1
2の凹部15の左右に対称に設けられている。柱状体1
8Bは、収納ケース12の凹部15の底辺15B中心後
方に位置している。柱状体18,18A,18Bは、径
6mmの円柱としているが、これに限定されるものでは
なく、四角柱や楕円柱などの形状でもよい。
【0021】収納ケース12の内底には、その収納ケー
ス12に保油部材14を逆にセットするのを防止する逆
セット防止突出体20が一体的に形成されている。逆セ
ット防止突出体20は、合成樹脂からなる径6mmの円
柱であり、柱状体18,18A,18Bの約半分の長さ
としているが、柱状体18,18A,18Bと同じ長さ
にしてもよい。
【0022】収納ケース12の外底には、図6に示すよ
うに、全外周端縁に形成される囲いリブ21とこの囲い
リブ21内に形成される補強リブ22とを設けるととも
に、囲いリブ21と補強リブ22とによって形成される
空間H1に、昇降体4に収納ケース12を取り付けるた
めのボルト11,11Aを、収めることが可能な構造と
してある。
【0023】収納ケース12の上端全周には、図3から
図5に示すように、水平フランジ24が形成されてい
る。水平フランジ24には、蓋体13を収納ケース12
に開閉自在に取り付けるヒンジ部25と、蓋体13で収
納ケース12の上面開口12Bを閉じたとき、その状態
を保持するための2個の弾性係止爪26とが形成されて
いる。蓋体13の内面には、収納ケース12の上面開口
12Bを蓋体13で閉じたとき収納ケース12の上面開
口12B内縁に接触可能な変形防止リブ27が設けられ
ている。蓋体13の外周端には、蓋体13の凹部16の
部分を除いて垂直フランジ28が形成されている。垂直
フランジ28は、収納ケース12の上面開口12Bを蓋
体13で閉じた状態では収納ケース12の水平フランジ
24の外方に位置している。蓋体13の垂直フランジ2
8には、2個の弾性係止体29が形成されている。収納
ケース12の上面開口12Bを蓋体13で閉じた状態で
は、弾性係止爪26が弾性係止体29に弾性係合して、
蓋体13の閉じた状態が保持される。蓋体13を開くに
は、弾性係止体29を外方に変形させることで弾性係止
爪26と弾性係止体29との係合を解いた後、蓋体13
を上方に持ち上げればよい。ヒンジ部25は、プラスチ
ックヒンジ構造になっている。収納ケース12は、その
収納ケース12に収納させてなる保油部材14全体に潤
滑油を含浸させた状態では、保油部材14上面と収納ケ
ース12の上端との間に、油溜空間H2が形成される容
積にしてある。
【0024】収納ケース12の外底には、図6に示すよ
うに、砲金などの金属からなる雌ねじ体30が2個埋設
されている。2個の雌ねじ体30にブラケット7を介し
てボルト11,11Aを螺合させることにより、収納ケ
ース12がブラケット7の上面に固定される。収納ケー
ス12の外底における雌ねじ体30の外方には、補強の
ための仕切りリブ31が多数設けられている。収納ケー
ス12の内底に形成された突出部12C(図5)は、収
納ケース12の外底に雌ねじ体30を埋設させるために
形成されるものである。
【0025】蓋体13の上面における凹部16の左右側
辺周縁には、図7に示すように、収納ケース12に収納
した保油部材14における凹部17に挿入されるガイド
部3Aの挿入位置を決める目安となる第1挿入位置決め
標示体32,32A及び第2挿入位置決め標示体33,
33Aが設けられている。蓋体13の上面における凹部
16の底辺周縁には、その凹部16の底辺中心をガイド
部3Aの厚さW1方向の中心位置Xに合わせるための中
心位置決め標示体34が設けられている。収納ケース1
2の上面開口12Bを蓋体13で閉じた状態では、収納
ケース12の凹部15の底辺15B(図6)の中心と蓋
体13の凹部16の底辺中心とが略一致するようになっ
ている。したがって、中心位置決め標示体34をガイド
部3Aの厚さW1方向の中心位置Xに合わせれば、収納
ケース12の凹部15及び蓋体13の凹部16の中心に
ガイド部3Aを、図7に示すように、設置できる。収納
ケース12及び蓋体13は、2種類のガイドレール、す
なわち、13Kのガイドレールと8Kのガイドレールに
共用可能とする設計になっている。収納ケース12の凹
部15及び蓋体13の凹部16の大きさは、13Kのガ
イドレールのガイド部が入り込んでも差し支えないもの
としている。そして、13Kのガイドレール用と8Kの
ガイドレール用の2種類の保油部材14を用意してお
き、その2種類の保油部材14を入れ替えることで、収
納ケース12及び蓋体13を13Kのガイドレールと8
Kのガイドレールとに使い分ける。
【0026】13Kのガイドレールにガイドレール用潤
滑装置2を設置する場合には、蓋体13の第1挿入位置
決め標示体32,32Aの位置とガイド部3Aの頂面3
A−3の位置とが一致するように、ブラケット7に設け
た長孔10,10Aを利用してそのブラケット7上で収
納ケース12を移動させた後、その収納ケース12をボ
ルト11,11Aによりブラケット7に固定すればよ
い。8Kのガイドレールにガイドレール用潤滑装置2を
設置する場合には、蓋体13の第2挿入位置決め標示体
33,33Aの位置とガイド部3Aの頂面3A−3の位
置とが一致するように、ブラケット7に設けた長孔1
0,10Aを利用してそのブラケット7上で収納ケース
12を移動させた後、その収納ケース12をボルト1
1,11Aによりブラケット7に固定すればよい。
【0027】図3,図4及び図8に示した保油部材14
は、13Kのガイドレール用である。その保油部材14
は、ガイド部3Aに接触しない非接触形保油シート3
5,35A,35Bと第1接触形保油シート36,36
Aと第2接触形保油シート37との3種類を有してい
る。保油部材14は、3枚の非接触形保油シート35,
35A,35Bと2枚の第1接触形保油シート36,3
6Aと1枚の第2接触形保油シート37を、図8に示す
ように、積層した後、4本の結束体38,38A,38
B,38Cで結束することにより、作られる。4本の結
束体38,38A,38B,38Cは、図9に示すよう
に、糸状部38−1とこの糸状部38−1の上端に一体
的に形成された上端係止片部38−2とこの糸状部38
−1の下端に一体的に形成された下端係止棒状部38−
3とからなっているとともに、その上端係止片部38−
2を保油部材14を持ち上げるための把持部材39とし
ている。糸状部38−1、上端係止片部38−2、下端
係止棒状部38−3及び把持部材39は、合成樹脂で一
体形成させる。把持部材39は、上端係止片部38−2
の幅を大きくすることにより形成される。
【0028】非接触形保油シート35,35A,35B
は、図10に示すように、カポック繊維などからなる本
体部40と、この本体部40の一辺中央に形成され、か
つ、ガイド部3Aに接触しない大きさの凹部41と、柱
状体18,18A,18Bを挿嵌する位置決め貫通孔4
2,42A,42Bと、逆セット防止体20(図5)を
挿嵌するための逆セット防止挿嵌凹部43と、位置決め
貫通孔42,42A,42Bよりも開口面積が大きい3
個の給油孔44,44A,44Bとを有している。
【0029】第1接触形保油シート36,36Aは、図
11に示すように、吸油性及び保油性にすぐれた材料、
例えば、カポック繊維からなる本体部45と、この本体
部45の一辺中央に形成され、かつ、ガイド部3Aに接
触可能な大きさの凹部46と、柱状体18,18A,1
8Bを挿嵌する位置決め貫通孔47,47A,47B
と、逆セット防止突出体20を挿嵌するための逆セット
防止挿嵌凹部48と、位置決め貫通孔42,42A,4
2Bよりも開口面積が大きい3個の給油孔49,49
A,49Bとを有している。第1接触形保油シート3
6,36Aの凹部46における両側辺縁46A,46B
(図14)のそれぞれには、その側辺縁46A,46B
のほぐれを阻止する第1耐摩耗性編物体50,51が設
けられている。第1接触形保油シート36,36Aの凹
部46における底辺縁46C(図14)には、その底辺
縁46Cのほぐれを阻止する第2耐摩耗性編物体52が
設けられている。
【0030】第1耐摩耗性編物体50,51及び第2耐
摩耗性編物体52は、直径140デニールのナイロン繊
維製で厚さ略1mmのニット編物構造としたものであ
る。第1耐摩耗性編物体50,51及び第2耐摩耗性編
物体52は、同一寸法同一材料のものが用いられる。第
1耐摩耗性編物体50,51は、凹部46における両側
辺縁46A,46Bに合成樹脂製のタック53(図1
4)で3個所縫着される。第2耐摩耗性編物体52は、
凹部46における底辺縁46Cに合成樹脂製のタック5
4(図14)で3個所縫着される。第1耐摩耗性編物体
50,51のタック53による縫着部分は、非接触形保
油シート35,35A,35Bの凹部41における側辺
縁41A,41Bに略沿って並行に延在させるようにし
てある。第1耐摩耗性編物体50,51は、凹部46に
おける両側辺縁46A,46Bの端面及び表裏面を密着
状態で覆った後、タック53で縫着するようにして、第
1接触形保油シート36,36Aとの間に隙間ができな
いようにしている。第2耐摩耗性編物体52は、凹部4
6における底辺縁46Cの端面及び表裏面を密着状態で
覆った後、タック54で縫着するようにして、第1接触
形保油シート36,36Aとの間に隙間ができないよう
にしている。
【0031】第1接触形保油シート36,36Aの凹部
46における両側辺縁46A,46Bと底辺縁46Cと
の間には、底辺縁46Cに沿って左右に延びる切り込み
溝55,55Aを設ける。第1接触形保油シート36,
36Aの凹部46における両側には、切り込み溝55,
55Aにより、第1耐摩耗性編物体50,51で覆われ
た舌状部56,56Aが形成された状態となる。舌状部
56,56Aと底辺縁46Cとの間には、図14に示す
如く、切り込み溝55,55Aの切り込み幅W3を第2
耐摩耗性編物体52の厚さよりも大きくすることによ
り、舌状部56,56Aを第2耐摩耗性編物体52に接
触させない隙間G3が形成される。切り込み幅W3は、
約2mmとしてある。
【0032】舌状部56,56Aの根元部分は、タック
53による縫着部分と一致させてあるために、その根元
部分の両面が内方に向かって凹んだ状態となる。換言す
れば、舌状部56,56Aの根元部分がタック53によ
りくびれた状態となる。したがって、舌状部56,56
Aは、舌状部56,56Aの根元部分を中心に首振りし
やすい構造となる。舌状部56,56A間の間隙寸法G
1(図14)は、ガイド部3Aの厚さW1寸法より小さ
くなるように、第1接触形保油シート36,36Aの凹
部46の大きさが設定されている。例えば、13Kのガ
イドレールの場合には、ガイド部3Aの厚さW1寸法約
16mmに対して、舌状部56,56A間の間隙寸法G
1を、約12mmとしてある。そのために、ガイド部3
Aに沿ってガイドレール用潤滑装置2を昇降させると、
ガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2に舌状部5
6,56Aが適切な押圧力で摺接する。それに対して、
凹部46の底辺縁46Cに設けた第2耐摩耗性編物体5
2は、その先端がガイド部3Aの頂面3A−3に軽く摺
接するようにしている。換言すれば、第1耐摩耗性編物
体50,51のガイド部側面3A−1,3A−2に対す
る押圧力は、第2耐摩耗性編物体52のガイド部頂面3
A−3に対する押圧力よりも大きく設定する。
【0033】第2接触形保油シート37は、図12に示
すような構造になっている。図12において、図11と
同一符号は同一内容を表わしている。図12からわかる
ように、第1接触形保油シート36,36Aと第2接触
形保油シート37とは、前者が給油孔49,49A,4
9Bを設けているのに対し、後者が給油孔49,49
A,49Bを設けていない点でのみ相違するにすぎな
い。なお、第2接触形保油シート37と第1接触形保油
シート36,36Aとをまとめて表現する場合には、以
下、接触形保油シートと称する。
【0034】非接触形保油シート35,35A,35B
は、その本体部分40の表裏両面全体が網状体57で覆
われている。第1接触形保油シート36,36Aと第2
接触形保油シート37は、図13に示したように、その
本体部分45の表裏両面全体が網状体58で覆われてい
る。網状体57,58は、径約0.2mmのナイロン製
糸を格子状に編んだものである。非接触形保油シート3
5,35A,35Bの本体部分40は、カポック繊維を
厚さ6mm程度に積み重ねてシート状にした後、そのシ
ート状のものの表裏両面全体に網状体57を載せた状態
とし、その後、そのシート状のものと網状体57とを一
緒に所望の大きさに切断することで、作られる。
【0035】保油部材14は、図8に示すように、第2
接触形保油シート37、非接触形保油シート35B、第
1接触形保油シート36A、非接触形保油シート35
A、第1接触形保油シート36及び非接触形保油シート
35の順で積層することにより、作られる。換言すれ
ば、非接触形保油シート35,35A,35Bと接触形
保油シート36,36A,37とを交互に積層すること
で、保油部材14が作られる。その結果、保油部材14
の凹部17は、非接触形保油シート35,35A,35
Bの凹部41並びに第1接触形保油シート36,36A
及び第2接触形保油シート37の凹部46により、構成
させることになる。その保油部材14の凹部17には、
第1耐摩耗性編物体50,51で覆われた舌状部56,
56Aが非接触形保油シート35,35A,35Bの厚
さ分の間隙を置いて上下方向に並設した状態となる。ま
た、非接触形保油シート35,35A,35Bの凹部4
1の幅方向の中心位置と第1接触形保油シート36,3
6Aの幅方向の中心位置と第2接触形保油シート37の
凹部46の幅方向の中心位置とは、略一致させてある。
したがって、蓋体13の中心位置決め標示体34を、保
油部材14における凹部17の幅方向の中心位置に合わ
せると、ガイドレール3のガイド部3Aの両側面3A−
1,3A−2に、第1接触形保油シート36,36Aの
第1耐摩耗性編物体50,51及び第2耐摩耗性編物体
37の第1耐摩耗性編物体50,51が左右均等に摺接
することになる。
【0036】非接触形保油シート35,35A,35B
の本体部分40の外形及び寸法と、接触形保油シート3
6,36A及び第2接触形保油シート37の本体部分4
5の外形及び寸法とは、凹部41部分と凹部46部分と
が異なるのみである。しかも、非接触形保油シート3
5,35A,35Bと接触形保油シート36,36A,
37とを交互に積層した場合には、非接触形保油シート
35,35A,35Bの本体部分40に設けた位置決め
貫通孔42,42A,42Bと接触形保油シート36,
36A及び第2接触形保油シート37の本体部分45に
設けた位置決め貫通孔47,47A,47Bが、非接触
形保油シート35,35A,35Bの本体部分40に設
けた逆セット防止挿嵌凹部43と接触形保油シート3
6,36A及び第2接触形保油シート37の本体部分4
5に設けた逆セット防止挿嵌凹部48が、非接触形保油
シート35,35A,35Bの本体部分40に設けた給
油孔44,44A,44Bと接触形保油シート36,3
6Aの本体部分45に設けた給油孔49,49A,49
Bが、それぞれ重なるようにしてある。その結果、保油
部材14には、第2接触形保油シート37の本体部分4
5に給油孔49,49A,49Bがないので、非接触形
保油シート35の上面から第2接触形保油シート37の
上面に至る給油連結口59(図15)が形成された状態
となる。
【0037】位置決め貫通孔42,42A,42B及び
位置決め貫通孔47,47A,47Bの直径は、約6.
5mmとしてある。給油孔44,44A,44B及び給
油孔49,49A,49Bの直径は、約12mmとして
ある。逆セット防止挿嵌凹部43及び逆セット防止挿嵌
凹部48の直径は、約6.5mmとしてある。柱状体1
8,18A,18Bの先端は、位置決め貫通孔42,4
2A,42B及び位置決め貫通孔47,47A,47B
に挿入しやすいように、先細り形状にしてある。逆セッ
ト防止突出体20の先端は、逆セット防止挿嵌凹部43
及び逆セット防止挿嵌凹部48に挿入しやすいように、
先細り形状にしてある。
【0038】13Kのガイドレールのガイドレール用潤
滑装置2を、8Kのガイドレールのガイドレール用潤滑
装置とするには、収納ケース12と、この収納ケース1
2の上面開口を開閉する蓋体13とをそのまま利用し
て、8Kのガイドレール用の保油部材を用意すればよ
い。8Kのガイドレール用の保油部材は、13Kのガイ
ドレール用の上記保油部材14と殆ど構成が同じであっ
て、8Kのガイドレールのガイド部が入り込む凹部の大
きさが異なるにすぎない。
【0039】上記本実施形態のガイドレール用潤滑装置
2を使用する場合には、蓋体13を閉じた状態に、中心
位置決め標示体34を保油部材14における凹部17の
幅方向の中心位置に合わせるとともに、第1挿入位置決
め標示体32,32Aの位置にガイド部3Aの頂面3A
−3の位置を合わせたならば、収納ケース12をボルト
11,11Aによりブラケット7に固定すればよい。
【0040】次に、蓋体13を開いて、柱状体18,1
8A,18Bを保油部材14の位置決め貫通孔42,4
2A,42B,47,47A,47Bに、かつ、逆セッ
ト防止突出体20を保油部材14の逆セット防止挿嵌凹
部43,48にそれぞれ挿入すれば、図4のように、収
納ケース12内に保油部材14が設置される。この際、
保油部材14を逆にして、収納ケース12内に入れよう
とした場合、すなわち、第2接触形保油シート37を1
番上にした状態で収納ケース12内に保油部材14を入
れようとすると、逆セット防止挿嵌凹部43,48が逆
セット防止突出体20のある位置からずれてしまうの
で、逆セット防止突出体20が逆セット防止挿嵌凹部4
3,48に挿入できず、収納ケース12内に保油部材1
設置できないため、保油部材14を収納ケース12
内に逆に設置してしまうことを阻止できる。また、非接
触形保油シート35,35A,35Bと第1接触形保油
シート36,36Aと第2接触形保油シート37とを一
枚ずつ、収納ケース12内に設置するのではなく、非接
触形保油シート35,35A,35Bと第1接触形保油
シート36,36Aと第2接触形保油シート37が結束
体38,38A,38B,38Cで結束したものを保油
部材14としているので、保油部材14の収納ケース1
2内への設置作業を、簡単に、かつ、短時間で行うこと
ができる。
【0041】次に、保油部材14における非接触形保油
シート35の給油孔44,44A,44Bに、規定量の
潤滑油を給油用ラッパ(油さし)で入れる。給油孔4
4,44A,44Bに入った潤滑油は一気に給油連結口
59により、収納ケース12内の最下部に位置する第2
接触形保油シート37の上面に至ってその第2接触形保
油シート37に潤滑油が浸透するとともに、非接触形保
油シート35と第2接触形保油シート37の間にある第
1接触形保油シート36,36A及び非接触形保油シー
ト35A,35Bの両表裏面並びに非接触形保油シート
35裏面及び第2接触形保油シート37の表面の全体
に、潤滑油が給油連結口59から網状体57,58を伝
わって、円滑に、浸透する。したがって、潤滑油の給油
作業時間が短縮される。この場合、第2接触形保油シー
ト37には給油孔44,44A,44Bがないので、油
連結口59からの潤滑油が一気に収納ケース12の内底
に溜ってしまい、収納ケース12から潤滑油が溢れてし
まうようなことがない。
【0042】次に、蓋体13を閉じた後、昇降体4を下
降させると、図15に示すように、第1耐摩耗性編物体
50で覆われた舌状部56の根元部分を中心に舌状部5
6が上方に首振りして舌状部56がガイド部3Aの側面
3A−1に摺接する。第1耐摩耗性編物体51で覆われ
た舌状部56Aも、第1耐摩耗性編物体50で覆われた
舌状部56と同様に、舌状部56Aの根元部分を中心に
舌状部56Aが上方に首振りして舌状部56Aがガイド
部3Aの側面3A−2に摺接する。また、昇降体4を上
昇させると、図16に示すように、第1耐摩耗性編物体
50で覆われた舌状部56の根元部分を中心に舌状部5
6が下方に首振りして舌状部56がガイド部3Aの側面
3A−1に摺接する。第1耐摩耗性編物体51で覆われ
た舌状部56Aも、第1耐摩耗性編物体50で覆われた
舌状部56と同様に、舌状部56Aの根元部分を中心に
舌状部56Aが下方に首振りして舌状部56Aがガイド
部3Aの側面3A−2に摺接する。この場合、第1接触
形保油シート36,36Aの凹部46における両側辺縁
46A,46Bと底辺縁46Cとの間に、切り込み幅W
3が第2耐摩耗性編物体52の厚さよりも大きい切り込
み溝55,55Aを設定することで図14の如く隙間G
3を形成して、第2耐摩耗性編物体52が第1耐摩耗性
編物体50,51で覆われた舌状部56,56Aに接触
しないようにしたので、舌状部56,56Aが第2耐摩
耗性編物体52で外方に押されて外方に向かって末広が
りに開くことがなくなる。したがって、舌状部56,5
6Aの全体がガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2
に、均一に摺接して、ガイド部3Aの両側面3A−1,
3A−2への潤滑油の塗布が効率よく行われるととも
に、舌状部56,56Aに無理な力が加わることがな
く、舌状部56,56Aを覆っている第1耐摩耗性編物
体51の寿命が長くなる。そして、ガイド部3Aの両側
面3A−1,3A−2に潤滑油が、万一、余分に塗布さ
れるようなことがあったとしても、舌状部56,56A
の全体がガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2に均
一に摺接しているので、その舌状部56,56Aを構成
しているカポック繊維によって、その余分に塗布され潤
滑油を舌状部56,56A側に吸引させられるため、ガ
イドレール3を伝わって潤滑油がエレベーター1のピッ
ト内に流出することがない。
【0043】また、舌状部56,56Aをガイド部3A
の両側面3A−1,3A−2に摺接させても、柱状体1
8,18A,18Bに、保油部材14の位置決め貫通孔
42,42A,42B,47,47A,47Bが挿嵌し
ていることで、舌状部56,56Aの位置が左右に大き
くずれることがないので、舌状部56がガイド部3Aの
側面3A−1から離れて舌状部56Aがガイド部3Aの
側面3A−2に強く押し付けられたり、あるいは舌状部
56Aがガイド部3Aの側面3A−2から離れて舌状部
56がガイド部3Aの側面3A−1に強く押し付けられ
たりするという、片接触現象が発生しないので、ガイド
部3Aの両側面3A−1,3A−2に潤滑油が確実に塗
布されるとともに、舌状部56,56Aがガイド部3A
の両側面3A−1,3A−2に異常に強く押し付けられ
た状態にならないので、第1耐摩耗性編物体50,51
が異常損傷することがない。
【0044】昇降体4を昇降させることにより、舌状部
56,56Aをガイド部3Aの両側面3A−1,3A−
2に摺接させた際、第1耐摩耗性編物体50,51のタ
ック53による縫着部分が非接触形保油シート35,3
5A,35Bの凹部41における側辺縁41A,41B
に略沿って並行に延在させるようにしてあるため、その
縫着部分が舌状部56,56Aの根元部分となるので、
その根元部分を軸に舌状部56,56Aが無理なく首振
りする。さらに、前記舌状部56,56Aの根元部分の
両面がタック53により内方に凹ませてあるので、ガイ
ド部3Aの両側面3A−1,3A−2を摺接することに
よる舌状部56,56Aの首振りが円滑に行われる。舌
状部56,56Aの首振りにより、舌状部56,56A
におけるガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2に摺
接する個所が常に同じにならず、昇降体4の移動方向が
変わるたびに、その摺接する個所が変わるので、第1耐
摩耗性編物体50,51の長寿命化が図られている。
【0045】また、第1接触形保油シート36,36A
及び第2接触形保油シート37の凹部46における両側
辺縁46A、,46Bに設けた第1耐摩耗性編物体5
0,51と、第1接触形保油シート36,36A及び第
2接触形保油シート37の凹部46における底辺縁46
Cに設けた第2耐摩耗性編物体52とは、直径140デ
ニールのナイロン繊維製で厚さ略1mmのニット構造と
したので、ガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2に
摺接する第1耐摩耗性編物体50,51及び第2耐摩耗
性編物体52のほぐれが見られない。使用頻度の激しい
エレベーターにガイドレール用潤滑装置2を常時設置し
た状態での実験によると、1年経過しても、第1耐摩耗
性編物体50,51及び第2耐摩耗性編物体52のほぐ
れが全く見られなかったし、第1耐摩耗性編物体50,
51及び第2耐摩耗性編物体52の摺接音が、エレベー
ターの正常動作音以下に抑えられて静音化が図られるこ
とがわかった。
【0046】第1接触形保油シート36,36A及び第
2接触形保油シート37の凹部46の底辺縁46Cに設
けた第2耐摩耗性編物体52は、その先端がガイド部3
Aの頂面3A−3に軽く摺接するようにしてあるので、
強い力が加えられて無理やり首振りさせられることがな
い。
【0047】また、第2耐摩耗性編物体52をガイド部
3Aの頂面3A−3に軽く摺接させ、かつ、舌状部5
6,56A間の間隙寸法G1をガイド部3Aの厚さW1
寸法より小さく設定することで、第1耐摩耗性編物体5
0,51の、ガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に
対する押圧力が、第2耐摩耗性編物体52のガイド部3
Aの頂面3A−3に対する押圧力よりも大きくなってお
り、ガイド部3Aの側面3A−1,3A−2に対する潤
滑油の塗布作業が万遍なく確実に行われるとともに、ガ
イド部3Aの頂面3A−3に対しても潤滑油の塗布作業
を、第2耐摩耗性編物体52が大きく変形させられるこ
となく、行うことができる。
【0048】さらに、非接触形保油シート35,35
A,35Bと接触形保油シート36,36A,37とを
交互に積層することで、舌状部56,56Aの上下に逃
げ空間ができているので、舌状部56,56Aがガイド
部3Aの両側面3A−1,3A−2に摺接する際に、そ
の舌状部56,56Aが、ガイド部3Aの両側面3A−
1,3A−2と隣接する他の舌状部56,56Aとの間
に強く挾まれた状態となることがなく、これにより、
滑油が過剰にガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2
側に流出することがない。
【0049】さらに、収納ケース12内の最上部に位置
する部分に非接触形保油シート35が配置され、かつ、
収納ケース12内の最下部に位置する部分に第2接触形
保油シート37がそれぞれ配置されるように、3枚の前
記非接触形保油シート35,35A,35Bと3枚の前
記接触形保油シート36,36A,37とを、交互に積
層することによって、蓋体13の上面側及び収納ケース
12の外側面に潤滑油が流出するのを防止している。す
なわち、昇降体4が下降する際は、保油部材14の凹部
17のいちばん上に位置する舌状部56,56Aが上方
に首振りしても、その舌状部56,56Aが蓋体13の
凹部16とガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2と
の間に強く挾まれた状態となることがなく、しかも、昇
降体4が上昇する際は、保油部材14の凹部17の一番
下に位置する舌状部56,56Aが下方に首振りして
も、その舌状部56,56Aが収納ケース12の凹部1
5とガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2との間に
強く挾まれた状態となることがないので、舌状部56,
56Aから過剰に潤滑油が流出しない。
【0050】さらに、第1耐摩耗性編物体50,51と
第2耐摩耗性編物体52を、同一材料同一寸法としたの
で、接触形保油シート36,36A,37の凹部46に
おける両側辺縁46A,46Bに第2耐摩耗性編物体5
2を縫着したり、あるいは接触形保油シート36,36
A,37の凹部46における底辺縁46Cに第1耐摩耗
性編物体50,51を縫着したりしてもよく、保油部材
14の製作誤りがなくなり、しかも、第1耐摩耗性編物
体50,51と第2耐摩耗性編物体52は、一種類の部
品ですむため、製作現場での部品管理が容易となり、生
産性がすぐれている。
【0051】さらに、保油部材14に潤滑油を含有させ
ない状態では、図17に示すように、結束体38,38
A,38B,38Cの上端係止片部38−2と下端係止
棒状部38−3との間に目一杯膨らんでいるが、保油部
材14全体に潤滑油を含有させた状態では、図18に示
すように、保油部材14が積層方向に沈み、把持部材3
9と保油部材14上面との間に間隙G2が形成される。
したがって、収納ケース12から保油部材14を引き出
す際、把持部材39を摘まんで保油部材14を上方に引
き上げても、作業者の手を潤滑油で汚してしまうことを
最小限に食い止めることができる。
【0052】さらに、収納ケース12の凹部15は、収
納ケース12が合成樹脂製であるために、収納ケース1
2に外力が加わると、変形しやすい。そこで、収納ケー
ス12の上面開口12Bを蓋体13で閉じると変形防止
リブ27が収納ケース12の上面開口12B内縁に接触
して、収納ケース12の凹部15の変形を防止してい
る。蓋体13は、合成樹脂製であっても、蓋体13の外
周端の垂直フランジ28と変形防止リブ27によって、
容易に変形することがない。
【0053】本実施形態では、13Kのガイドレール用
の保油部材14と8Kのガイドレール用の保油部材とを
交換するだけで、収納ケース12及び蓋体13を、13
Kのガイドレール用と8Kのガイドレール用の2種類に
共用できる。
【0054】さらに、本実施形態では、保油部材14
は、その上下面の両面若しくはいずれか一方の面に、前
記ガイド部3Aに接触してその両側面3A−1,3A−
2及び頂面3A−3の清掃を行う清掃シート60を着脱
自在に設けることができる構成になっている。図19
は、清掃シート60の外観形状を示している。図20
は、保油部材14の上面に清掃シート60を取り付けた
状態を示している。新設のエレベーター現場において
は、図20のように清掃シート60を取り付けた保油部
材14を収納ケース12に設置して清掃シート60で、
ガイドレール3のガイド部3Aにおける両側面3A−
1,3A−2及び頂面3A−3に付着した塵埃などを取
り除く。その後、清掃シート60を保油部材14から外
して、保油部材14の舌状部56,56A及び第2耐摩
耗性編物体52のみで、ガイド部3Aの両側面3A−
1,3A−2及び頂面3A−3を摺接するようにすれ
ば、その舌状部56,56A及び第2耐摩耗性編物体5
2が塵埃などによって急速に目詰まりしてしまうことが
なく、ガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2及び頂
面3A−3に対する保油部材14の、給油性能及び吸引
性能が、良好な状態で長く保持される。清掃シート60
は、その清掃シート60の貫通孔60A,60B,60
Cに収納ケース12の柱状体18,18A,18Bを挿
嵌するので、保油部材14と清掃シート60との取付位
置が変わらない。清掃シート60の凹部60Dは、その
凹部60Dにガイド部3Aの両側面3A−1,3A−2
及び頂面3A−3が直接接触可能な大きさとしている。
【0055】上記本実施形態では、非接触形保油シート
35,35A,35Bと接触形保油シート36,36
A,37とを、交互に積層することにより形成した保油
部材14としたが、ガイド部3Aの両側面3A−1,3
A−2側へ潤滑油を余分に流出することを許せる場合に
は、図21に示す、保油部材14のように、接触形保油
シートのみを6枚積層したものであってもよい。図21
において、図8と同一符号は同一内容を表わしている。
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係る発明によ
れば、保油部材の凹部からガイドレールのガイド部に潤
滑油が過剰に給油されることのないエレベーターのガイ
ドレール用潤滑装置が得られた。
【0057】た、請求項13に係る発明によれば、収
納ケース内に、保油部材を逆さに設置することを防止で
きるエレベーターのガイドレール用潤滑装置が得られ
た。
【0058】また、請求項14に係る発明によれば、軽
量で生産性にすぐれたエレベーターのガイドレール用潤
滑装置用収納ケースが得られた。
【0059】また、請求項15に係る発明によれば、取
扱性にすぐれ潤滑油を短時間で含浸させることのできる
エレベーターのガイドレール用潤滑装置用保油部材が得
られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示し、エレベーターのガ
イドレール用潤滑装置の取付状態概略説明図である。
【図2】本発明の一実施形態を示し、エレベーターに取
り付けられたガイドレール用潤滑装置の底面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示し、エレベーターに取
り付けられたガイドレール用潤滑装置の蓋体を開いた状
態における平面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示し、蓋体を開いた状態
におけるガイドレール用潤滑装置の斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態を示し、蓋体を開いた状態
における収納ケースの斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態を示し、蓋体を閉じた状態
における収納ケースの斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態を示し、エレベーターに取
り付けられたガイドレール用潤滑装置の蓋体を閉じた状
態における平面図である。
【図8】本発明の一実施形態を示し、保油部材の斜視図
である。
【図9】本発明の一実施形態を示し、結束体の斜視図で
ある。
【図10】本発明の一実施形態を示し、非接触形保油シ
ートの平面図である。
【図11】本発明の一実施形態を示し、第1接触形保油
シートの平面図である。
【図12】本発明の一実施形態を示し、第2接触形保油
シートの平面図である。
【図13】図12のA−A断面拡大図である。
【図14】図11のZ部拡大図である。
【図15】本発明の一実施形態を示し、ガイドレール用
潤滑装置の下降運転時における要部動作説明模式図であ
る。
【図16】本発明の一実施形態を示し、ガイドレール用
潤滑装置の上昇運転時における要部動作説明模式図であ
る。
【図17】本発明の一実施形態を示し、保油部材に潤滑
油を含浸させない状態における保油部材模式図である。
【図18】本発明の一実施形態を示し、保油部材に潤滑
油を含浸させた状態における保油部材模式図である。
【図19】本発明の一実施形態を示し、清掃シートの斜
視図である。
【図20】本発明の一実施形態を示し、清掃シートを取
り付けた状態の保油部材の斜視図である。
【図21】本発明の他の実施形態を示し、保油部材の斜
視図である。
【符号の説明】
2 ガイドレール用潤滑装置 3 ガイドレール 12 収納ケース 13 蓋体 14 保油部材 15 収納ケースの凹部 16 蓋体の凹部 17 保油部材の凹部 35 非接触形保油シ−ト 35A 非接触形保油シ−ト 35B 非接触形保油シート 36 第1接触形保油シ−ト 36A 第1接触形保油シート 37 第2接触形保油シート 41 非接触形保油シートの凹部 46 接触形保油シートの凹部 50 第1耐摩耗性編物体 51 第1耐摩耗性編物体 52 第2耐摩耗性編物体 55 切り込み溝 55A 切り込み溝 56 舌状部 56A 舌状部 G3 隙間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 友治 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 田丸 時司 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株式会社日立ビルシステム内 (72)発明者 佐藤 重幸 東京都港区新橋五丁目8番7号 南進機 工株式会社内 (72)発明者 堀田 厚 東京都港区新橋五丁目8番7号 南進機 工株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−194632(JP,A) 特開 平11−100187(JP,A) 特開2000−16719(JP,A) 特開2000−7250(JP,A) 特開 平11−92055(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66B 7/12

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇降路内を昇降する昇降体に取り付けら
    れてガイドレールのガイド部が入り込む凹部を有する有
    底の収納ケースと、前記収納ケース内に収納され、か
    つ、少なくとも一辺に前記ガイド部が入り込む凹部が形
    成された吸油性及び保油性を有する保油シートを複数枚
    積層することにより形成してなる保油部材と、前記ガイ
    ド部が入り込む凹部を有して前記収納ケースの上面開口
    を覆う蓋体とを少なくとも備え、前記保油シートに含浸
    させた潤滑油を、前記保油シートの凹部から前記ガイド
    部に供給してなるエレベーターのガイドレール用潤滑装
    置において、前記複数枚の保油シートは、前記ガイド部
    が入り込む凹部を前記ガイド部の外形寸法より小さく設
    定しその凹部の底辺縁と両側辺縁とを分離させて前記凹
    部の両側辺縁のそれぞれに、その側辺縁のほぐれを阻止
    する第1耐摩耗性編物体で覆われた舌状部を形成し、こ
    れら舌状部を前記ガイド部側面に摺接させ、しかも、前
    記凹部の底辺縁を、その底辺縁のほぐれを阻止する第2
    耐摩耗性編物体で覆ってその第2耐摩耗性編物体を前記
    ガイド部頂面に摺接させた接触形保油シートと、前記ガ
    イド部が入り込む凹部を前記ガイド部の外形寸法より大
    きく設定してその凹部を前記ガイド部に接触させない非
    接触形保油シートとからなり、前記接触形保油シートと
    前記非接触形保油シートとを交互に積層することで前記
    保油部材とするとともに、前記舌状部と前記第2耐摩耗
    性編物体とを接触させない隙間を形成し、前記舌状部の
    根元部分に前記第1耐摩耗性編物体を縫着させることに
    より、その根元部分の両面を凹ませるとともに、その第
    1耐摩耗性編物体の縫着部分を、前記非接触形保油シー
    トの凹部における側辺縁に略沿って並行に延在させた
    とを特徴とするエレベーターのガイドレール用潤滑装
    置。
  2. 【請求項2】 前記接触形保油シートは、凹部に底辺縁
    に沿って左右に延びる切り込み溝を設けることで前記保
    油シートの凹部に底辺縁と保油シートの凹部に両側辺縁
    とを分離させるとともに、前記切り込み溝の切り込み幅
    を略2mmとし、前記第2耐摩耗性編物体の厚さを略1
    mmとしたものであることを特徴とする請求項1記載の
    エレベーターのガイドレール用潤滑装置。
  3. 【請求項3】 前記保油部材は、前記収納ケース内の最
    上部に位置する部分に前記非接触形保油シートが配置さ
    れ、かつ前記収納ケース内の最下部に位置する部分に前
    記接触形保油シートがそれぞれ配置されるように、3枚
    の前記非接触形保油シートと3枚の前記接触形保油シー
    トとが、交互に積層することによって形成されることを
    特徴とする請求項1記載のエレベーターのガイドレール
    用潤滑装置。
  4. 【請求項4】 前記非接触形保油シートと前記接触形保
    油シートは、カポック繊維をシート状に形成して本体部
    分となし、その本体部分の表裏両面全体を網状体で覆っ
    たものであることを特徴とする請求項1記載のエレベー
    ターのガイドレール用潤滑装置。
  5. 【請求項5】 前記収納ケースに収納させてなる前記保
    油部材全体に潤滑油を含浸させた状態では、前記保油部
    材上面と前記収納ケースの上端との間に、油溜空間が形
    成される構成としたことを特徴とする請求項1記載のエ
    レベーターのガイドレール用潤滑装置。
  6. 【請求項6】 前記収納ケースの外底には、全外周端縁
    に形成される囲いリブとこの囲いリブ内に形成される補
    強リブとを設けるとともに、前記昇降体に前記収納ケー
    スを取り付けるための締結具を、前記囲いリブと前記補
    強リブとによって形成される空間に装着可能な構造とし
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベーターのガイ
    ドレール用潤滑装置。
  7. 【請求項7】 前記収納ケースの上端全周には、水平フ
    ランジを形成して、この水平フランジに、前記蓋体で前
    記収納ケースの上面開口を閉じた状態を保持するための
    係止爪と前記蓋体のヒンジ部とを形成したことを特徴と
    する請求項1記載のエレベーターのガイドレール用潤滑
    装置。
  8. 【請求項8】 前記蓋体には、前記蓋体で前記収納ケー
    スの上面開口を閉じた状態に前記収納ケースの上面開口
    内縁に接触可能な変形防止リブを設けたことを特徴とす
    請求項1記載のエレベーターのガイドレール用潤滑装
    置。
  9. 【請求項9】 前記保油部材の上下面には、その両面若
    しくはいずれか一方の面に、前記ガイド部に接触してそ
    のガイド部の表面の清掃を行う清掃シートを 着脱自在に
    設けたことを特徴とする請求項記載のエレベーターの
    ガイドレール用潤滑装置。
  10. 【請求項10】 前記非接触形保油シートにおける凹部
    の底辺縁外方と両側辺縁外方に、前記収納ケース内底か
    ら上方に延びる柱状体を挿嵌する位置決め貫通孔を設け
    るとともに、前記接触形保油シートにおける第1耐摩耗
    性編物体外方と第2耐摩耗性編物体外方に、前記収納ケ
    ース内底から上方に延びる柱状体を挿嵌する位置決め貫
    通孔を設けたことを特徴とする請求項1記載のエレベー
    ターのガイドレール用潤滑装置。
  11. 【請求項11】 前記ガイド部の厚さ方向の中心位置
    に、前記収納ケース内に収納した前記保油部材における
    凹部の幅方向の中心位置を合わせるための中心位置決め
    標示体を、前記蓋体上面における凹部の周縁に設けた
    とを特徴とする請求項記載のエレベーターのガイドレ
    ール用潤滑装置。
  12. 【請求項12】 前記収納ケース内に収納した前記保油
    部材の凹部に挿入する前記ガイド部の位置決めのための
    挿入位置決め標示体を、前記蓋体上面における凹部の周
    縁に設けたことを特徴とする請求項記載のエレベータ
    ーのガイドレール用潤滑装置。
  13. 【請求項13】 昇降路内を昇降する昇降体に取り付け
    られてガイドレールのガイド部が入り込む凹部を有する
    有底の収納ケースと、前記収納ケース内に収納され、か
    つ、少なくとも一辺に前記ガイド部が入り込む凹部が形
    成された吸油性及び保油性を有する保油シートを複数枚
    積層することにより形成してなる保油部材と、前記ガイ
    ド部が入り込む凹部を有して前記収納ケースの上面開口
    を覆う蓋体とを少なくとも備え、前記保油シートに含浸
    させた潤滑油を、前記保油シートの凹部から前記ガイド
    部に供給してなるエレベーターのガイドレール用潤滑装
    置において、前記保油部材を形成する複数枚の保油シー
    トのうち、前記収納ケース内の最下部に位置する保油シ
    ートを除く他のすべての保油シートに給油孔を設けるこ
    とで、前記収納ケース内の最上部に位置する保油シート
    上面から前記収納ケース内の最下部に位置する保油シー
    ト上面まで連通させた給油連通口を形成するとともに、
    給油孔が設けられない前記収納ケース内の最下部に位置
    する保油シートを下にして前記収納ケース内に前記保油
    部材を設置した場合にのみ、前記収 納ケース内に設けた
    逆セット防止突出体が前記保油部材に設けた逆セット防
    止体挿嵌凹部に挿嵌可能となる構成にしたことを特徴と
    るエレベーターのガイドレール用潤滑装置。
  14. 【請求項14】 内底に設けられるものであって保油部
    材の位置決め用の複数本の柱状体及び保油部材を逆にセ
    ットするのを防止する逆セット防止突出体と、外底に設
    けられるものであって囲いリブ及び補強リブと、上面開
    口端に設けられる水平フランジと、この水平フランジに
    設けられるものであって上面開口内縁に接触可能な変形
    防止リブが設けられる蓋体及びその蓋体を開閉自在にす
    るヒンジ部と、蓋体の閉じ状態を保持するために水平フ
    ランジに設けられる弾性係止爪とを、合成樹脂で一体に
    形成したことを特徴とするエレベーターのガイドレール
    用潤滑装置用収納ケース
  15. 【請求項15】 ガイド部が入り込む凹部を前記ガイド
    部の外形寸法より小さく設定しその凹部の底辺縁と両側
    辺縁とを分離させて前記凹部の両側辺縁のそれぞれに、
    その側辺縁のほぐれを阻止する第1耐摩耗性編物体で覆
    われた舌状部を形成し、これら舌状部を前記ガイド部側
    面に摺接させ、しかも、前記凹部の底辺縁を、その底辺
    縁のほぐれを阻止する第2耐摩耗性編物体で覆ってその
    第2耐摩耗性編物体を前記ガイド部頂面に摺接させた接
    触形保油シートと、前記ガイド部が入り込む凹部を前記
    ガイド部の外形寸法より大きく設定してその凹部を前記
    ガイド部に接触させない非接触形保油シートとからな
    り、収納ケース内の最上部に位置する部分に前記非接触
    形保油シートが配置され、かつ、前記収納ケース内の最
    下部に位置する部分に前記接触形保油シートがそれぞれ
    配置されるように、複数枚の前記非接触形保油シートと
    複数枚の前記接触形保油シートとを交互に積層させた
    後、その複数枚の前記非接触形保油シート及び前記接触
    形保油シート全部を複数個の結束体で結束するととも
    に、前記接触形保油シート及び前記非接触形保油シート
    におけるガイド部が入り込む凹部の位置決め貫通孔と、
    前記収納ケース内の最下部に位置する前記接触形保油シ
    ートを除く他のすべての接触形保油シート及び非接触形
    保油シートに給油孔を設けることで前記収納ケース内の
    最上部に位置する非接触形保油シート上面から前記収納
    ケース内の最下部に位置する接触形保油シート上面まで
    連通させた給油連通口と、前記収納ケース内に設けた
    セット防止体を挿嵌するための逆セット防止挿嵌凹部と
    が形成され、しかも、前記非接触形保油シートと前記接
    触形保油シートは、カポック繊維をシート状に形成して
    本体部分となし、その本体部分の表裏両面全体を網状体
    で覆ったものであることを特徴とするエレベーターのガ
    イドレール用潤滑装置用保油部材
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