JP3361081B2 - 麺類及びその製造方法 - Google Patents

麺類及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、うどん麺、ほうと
う麺又は中華麺等の麺類に関し、特に、麺材料として小
麦粉の他に液体チーズを混入して美味しく且つ栄養価の
高い麺類びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の麺類は、小麦粉に塩分を含んだ水
を入れて練り上げたものを板状に延ばして麺帯とし、こ
れを細く切断して麺線状に形成したものである。また、
特に中華麺の場合は、小麦粉に天然ソーダの水溶液から
なるカン水を少量入れて練り上げたものを板状に延ばし
て麺帯とし、これを細く切断して麺線状に形成したもの
である。
【0003】そして、従来の麺類に対して、嗜好性に優
れ且つ栄養価の高い麺類として、小麦粉を主原料とし、
これに食品粉末としてチーズの粉末を添加混入したもの
が提案されている(特開昭54−119045号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来のチーズの粉末を添加混入した麺類においては、固形
チーズを粉末状にした粉末チーズをそのまま小麦粉に添
加して練り上げていたので、細く切断して麺線状に形成
した麺の中に、粉末チーズが粒状で混入した状態となる
ものであった。そして、その麺を茹でるときに熱に弱い
チーズが解けて、麺が茹で上がる前にその部分から切れ
てしまい、短くなって麺として食する状態ではなくなっ
てしまうものであった。
【0005】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、麺材料として小麦粉の他に液体チーズを混入し
て、麺が短く切れることなく美味しく且つ栄養価の高い
麺類びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による麺類は、強力粉と薄力粉とを混合した
小麦粉を主原料とし、これにバター及び生クリームを加
えた液体チーズを30〜50重量%混入して練り上げた
ものを板状に延ばして麺帯とし、これを細く切断して麺
線状に形成したものである。
【0007】そして、上記小麦粉は、薄力粉に対して強
力粉の割合を多くして混ぜたものとしてもよい。
【0008】また、上記小麦粉は、芋澱粉を5〜10重
量%添加したものとしてもよい。
【0009】さらに、上記小麦粉に液体チーズを混入し
たものに、さらにカン水を約1重量%混入して練り上げ
たものとしてもよい。
【0010】また、本発明による麺類の製造方法は、主
原料として強力粉と薄力粉とを混合した小麦粉に、バタ
ー及び生クリームを加えた液体チーズを30〜50重量
%混入して練り上げ、これを低温で6〜10時間寝か
せ、これを板状に延ばして麺帯とし、この麺帯を麺線状
に細く切断するものである。
【0011】そして、上記小麦粉は、薄力粉に対して強
力粉の割合を多くして混ぜたものとしてもよい。
【0012】また、上記小麦粉は、芋澱粉を5〜10重
量%添加したものとしてもよい。
【0013】さらに、上記小麦粉に液体チーズを混入し
たものに、さらにカン水を約1重量%混入して練り上げ
たものとしてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳細
に説明する。本発明による麺類は、うどん麺、ほうとう
麺又は中華麺等であり、麺材料として小麦粉の他に液体
チーズを混入したものである。
【0015】主原料の小麦粉は、強力粉と薄力粉とを混
合した中力粉である。この場合、薄力粉に対して強力粉
の割合を多くして混ぜたものが良く、例えば強力粉と薄
力粉とを7:3の割合で混ぜたものが最も望ましい。こ
れは、後述のように、小麦粉に液体チーズを混入する
と、出来上がった麺のコシが少し弱くなるので、強力粉
を多めにしてコシを強くする必要があるからである。
【0016】さらに、上記小麦粉には、芋澱粉を5〜1
0重量%添加したものとしてもよい。上記のように、薄
力粉に対して強力粉の割合を多くして混ぜれば、麺のコ
シは強くなるが、芋澱粉を例えば5〜10重量%添加す
れば、更に麺のコシが強くなる
【0017】上記主原料の小麦粉には、バター及び生ク
リームを加えた液体チーズが30〜50重量%混入され
る。液体チーズは、固形チーズを牛乳で液状に還元した
ものと、牛乳を容器に入れて振ることにより乳化分と水
分とに分離しその乳化分を発酵熟成させたものとの2種
類がある。この液体チーズにバター及び生クリームを加
えるのは、出来上がった麺に滑らかさと風味を与えるた
めである。このようにバター及び生クリームを加えた液
体チーズが例えば30〜50重量%混入される。上記バ
ター及び生クリームを加えた液体チーズを混入すること
により、ビタミン、たんぱく質等の栄養素が入り、味が
良くなると共に高カロリー、高たんぱく質の麺類とな
る。
【0018】主原料としての小麦粉に、バター及び生ク
リームを加えた液体チーズを混入した状態で、この液体
チーズを水代わりとしてよく練り上げられる。このよう
に主原料としての小麦粉を液体チーズで練り上げるの
で、この液体チーズは小麦粉と一体的によく混ざり、従
来のように粉末チーズが粒状のままで混入した状態はな
くなる。このとき、上記バター及び生クリームを加えた
液体チーズの他に、更に鶏卵を加えてもよい。
【0019】上記のように液体チーズで練り上げられた
小麦粉を所定の厚さで板状に延ばして麺帯とし、この麺
帯を所定の幅で細く切断して麺線状に形成してうどん麺
又はほうとう麺となる。
【0020】以上説明した麺類は、主としてうどん麺又
はほうとう麺の場合であるが、中華麺の場合は、主原料
としての小麦粉にバター及び生クリームを加えた液体チ
ーズを混入したものに、さらにカン水を約1重量%混入
して練り上げたものである。このカン水は、中華麺を作
るときに小麦粉に少量混ぜる天然ソーダの水溶液であ
り、その成分は、 炭酸カリウム(無水) 26.7% 炭酸ナトリウム(無水) 5.0% ポリリン酸ナトリウム 0.6% ピロリン酸四ナトリウム(無水) 0.4% 水 67.3% である。その他は、前述のうどん麺又はほうとう麺の場
合と全く同様である。
【0021】以上のように構成された麺類は、麺材料と
して小麦粉の他にバター及び生クリームを加えた液体チ
ーズを混入してよく練り上げたので、液体チーズが小麦
粉と一体的によく混ざり、茹でても麺が短く切れること
なく美味しく且つ栄養価の高い麺類となる。
【0022】次に、このような麺類の製造方法について
説明する。初めに、予め、前述の2種類の液体チーズの
うち、どちらかを作っておく。まず、強力粉と薄力粉と
を混合して主原料としての小麦粉を用意する。このと
き、薄力粉に対して強力粉の割合を多くして混ぜたもの
が良く、例えば強力粉と薄力粉とを7:3の割合で混ぜ
たものが最も望ましい。
【0023】さらに、上記小麦粉には、芋澱粉を5〜1
0重量%添加してもよい。上述のように、薄力粉に対し
て強力粉の割合を多くして混ぜれば、麺のコシは強くな
るが、芋澱粉を例えば5〜10重量%添加すれば、更に
麺のコシが強くなる
【0024】次に、上記主原料としての小麦粉をよく混
合した状態で、この小麦粉に、上記予め作っておいた液
体チーズにバター及び生クリームを加えたものを30〜
50重量%混入する。このとき、液体チーズに対し、バ
ターは約30重量%、生クリームは約20重量%加え
る。そして、上記バター及び生クリームを加えた液体チ
ーズを混入した状態で、この液体チーズを水代わりとし
てよく練り上げる。このとき、上記小麦粉に液体チーズ
が絡み合うまで手もみしてよく練り上げる。なお、上記
バター及び生クリームを加えた液体チーズの他に、更に
鶏卵を加えてもよい。
【0025】このように上記主原料としての小麦粉を液
体チーズでよく練り上げ、団子状になったら、滑らかさ
を確認して、これを低温で6〜10時間寝かせる。この
とき、団子状の練上げ生地を濡れ布巾で包み、例えば冷
蔵庫を利用して4〜8℃の温度で6〜10時間寝かせ
て、上記練上げ生地の全体を発酵熟成させる。
【0026】次に、上記のように低温で6〜10時間寝
かせた練上げ生地を、再度よく練り上げる。そして、こ
れを圧延機で板状に延ばして麺帯とする。このとき、う
どん麺又はほうとう麺の場合は、厚さは1〜3mm程度と
する。なお、この圧延の段階で生地と生地とが付着しな
いように粉打ちをする。
【0027】その後、上記の麺帯を切出し機にかけて麺
線状に細く切断する。このとき、うどん麺又はほうとう
麺の場合は、幅が3〜10mm程度の角麺又は平打ち麺と
する。なお、上記麺線状に細く切断した麺には、粉打ち
をして互いに付着しないようによく混ぜる。
【0028】以上説明した製造方法は、主としてうどん
麺又はほうとう麺の場合であるが、中華麺の場合は、主
原料としての小麦粉にバター及び生クリームを加えた液
体チーズを混入したものに、さらに前述のカン水を約1
重量%混入して練り上げる。この場合、圧延機で板状に
延ばして麺帯とするときの厚さは0.8〜1mm程度とす
る。また、上記の麺帯を切出し機にかけて麺線状に細く
切断するときの幅は0.8〜2mm程度の角麺又は丸麺、
平打ち麺とする。その他は、前述のうどん麺又はほうと
う麺の場合と全く同様である。
【0029】これにより、前述の麺材料として小麦粉の
他に液体チーズを混入した本発明の麺類が製造される。
【0030】
【実施例】実施例1 強力粉と薄力粉とを7:3の割合で混合した小麦粉10
00gに対し、芋澱粉を50g添加し、30重量%のバ
ター及び20重量%の生クリームを加えた液体チーズ5
00gを混入し、さらに鶏卵5個を混入して、これらを
ミキサーで十分に練り上げ、この練上げ生地を団子状に
して濡れ布巾で包み、冷蔵庫で8℃の温度で6時間寝か
せ、上記練上げ生地の全体を発酵熟成させる。その後、
この練上げ生地を再度よく練り上げ、これを圧延機で板
状に延ばして厚さ3mmの麺帯とし、この麺帯を切出し機
にかけて幅5mmの麺線状に細く切断して角麺とし、うど
ん麺を製造した。
【0031】実施例2 強力粉と薄力粉とを7:3の割合で混合した小麦粉10
00gに対し、芋澱粉を50g添加し、30重量%のバ
ター及び20重量%の生クリームを加えた液体チーズ5
00gを混入し、これに鶏卵5個を混入し、さらにカン
水を1重量%混入して、これらをミキサーで十分に練り
上げ、この練上げ生地を団子状にして濡れ布巾で包み、
冷蔵庫で8℃の温度で6時間寝かせ、上記練上げ生地の
全体を発酵熟成させる。その後、この練上げ生地を再度
よく練り上げ、これを圧延機で板状に延ばして厚さ1mm
の麺帯とし、この麺帯を切出し機にかけて幅1mmの麺線
状に細く切断して角麺とし、中華麺を製造した。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の麺類によ
れば、強力粉と薄力粉とを混合した小麦粉を主原料と
し、これにバター及び生クリームを加えた液体チーズを
30〜50重量%混入して練り上げたものを板状に延ば
して麺帯とし、これを細く切断して麺線状に形成したこ
とにより、液体チーズが小麦粉と一体的によく混ざり、
茹でても麺が短く切れることなく美味しく且つ栄養価の
高い麺類を提供することができる。
【0033】また、本発明の麺類の製造方法によれば、
主原料として強力粉と薄力粉とを混合した小麦粉に、バ
ター及び生クリームを加えた液体チーズを30〜50重
量%混入して練り上げ、これを低温で6〜10時間寝か
せ、これを板状に延ばして麺帯とし、この麺帯を麺線状
に細く切断することにより、上記の麺材料として小麦粉
の他に液体チーズを混入した麺類を製造することができ
る。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強力粉と薄力粉とを混合した小麦粉を主
    原料とし、これにバター及び生クリームを加えた液体チ
    ーズを30〜50重量%混入して練り上げたものを板状
    に延ばして麺帯とし、これを細く切断して麺線状に形成
    したことを特徴とする麺類。
  2. 【請求項2】 上記小麦粉は、薄力粉に対して強力粉の
    割合を多くして混ぜたものであることを特徴とする請求
    項1記載の麺類。
  3. 【請求項3】 上記小麦粉は、芋澱粉を5〜10重量%
    添加したものであることを特徴とする請求項2記載の麺
    類。
  4. 【請求項4】 上記小麦粉に液体チーズを混入したもの
    に、さらにカン水を約1重量%混入して練り上げたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の麺類。
  5. 【請求項5】 主原料として強力粉と薄力粉とを混合し
    た小麦粉に、バター及び生クリームを加えた液体チーズ
    を30〜50重量%混入して練り上げ、これを低温で6
    〜10時間寝かせ、これを板状に延ばして麺帯とし、こ
    の麺帯を麺線状に細く切断することを特徴とする麺類の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 上記小麦粉は、薄力粉に対して強力粉の
    割合を多くして混ぜたものであることを特徴とする請求
    項5記載の麺類の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記小麦粉は、芋澱粉を5〜10重量%
    添加したものであることを特徴とする請求項6記載の麺
    類の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記小麦粉に液体チーズを混入したもの
    に、さらにカン水を約1重量%混入して練り上げたこと
    を特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の麺類の製
    造方法。
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