JP3361008B2 - 高真空構造体およびイメージ増強管 - Google Patents
高真空構造体およびイメージ増強管Info
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Description
として使用される高真空構造体、それを用いたイメージ
増強管に関する。
光像に変換する装置等としてイメージ増強管が用いられ
ており、例えば医用X線診断分野等で幅広く使用されて
いる。このようなX線イメージ増強管としては、例えば
米国特許第 3,026,437号に記載されているように、ガラ
ス等の電気絶縁体からなる真空外囲器に入力面と出力面
とを設けると共に、入力面と出力面との間に電子光学系
を配置した構造が知られている。ここでは、真空外囲器
の内側に外囲器からの放電を抑制するために酸化クロム
が被覆されている。
な欠点を有するため、例えば特開平2-227946号公報に
は、比較的高抵抗を有する半透明酸化クロムをガラス製
真空外囲器の内側に被覆したイメージ増強管が記載され
ている。この半透明酸化クロム膜は硝酸クロムの塗布、
焼成により形成されるものである。
電子光学系を構成する電極数の増大に対応するために、
真空外囲器内に一体の担体を配設し、この担体の内面に
絶縁膜を形成すると共に、この絶縁膜上に複数の導電膜
を電極として形成したイメージ増強管が記載されてい
る。ここでは、金属等の高強度材料で担体を形成し、担
体を真空外囲器の一部として利用することが記載されて
いる。金属等の高強度材料で形成した真空外囲器を兼ね
る担体を用いたイメージ増強管は、ガラス製真空外囲器
を用いた場合に必要な管容器を省くことができることか
ら、小形・軽量のイメージ増強管として期待されてい
る。
形成した真空外囲器を兼ねる担体上に絶縁膜を形成する
方法として、蒸着法、スパッタ法、塗料、溶射法等が記
載されている。これらのうち蒸着法やスパッタ法等は厚
膜の形成には不向きであり、耐電圧の確保が難しいとい
う問題がある。一方、溶射法は電気抵抗の高い材料、例
えばアルミナ、シリカ、マグネシア、チタニア等の膜
を、数10〜数 100μm の膜厚で容易に形成することがで
きるため、電気絶縁抵抗と耐電圧を十分に確保すること
ができる。また、上記したようなセラミックス系の溶射
膜と金属部材との間には十分な接着強度が確保できるた
め、ある限定された使用環境条件では熱膨張係数の差に
よる剥離等の問題が生じない。
〜 10%程度の気孔が存在し、溶射膜全体に分散している
微細な気孔によるガス吸着および放出によって、真空外
囲器内の真空度が低下してしまうという問題を有してい
る。イメージ増強管では、真空外囲器の内部を例えば 1
×10-6Paというような高真空状態とし、このような高真
空状態で電子光学系の特性が設定されているため、真空
度の低下は致命的な欠点となる。なお、硝酸クロムの塗
布、焼成により形成される半透明酸化クロム膜も同様な
問題を有している。
含浸処理して気孔を埋めることも検討されており、ある
程度の効果は認められているものの、真空度の低下は完
全には解決されていない。例えば、有機物は一般に硬化
する過程で収縮するため、気孔内面と含浸有機物のぬれ
性が高くない限りその間に隙間が生じ、十分な封孔処理
効果を得ることはできない。また、高温において有機物
からガスを放出するため、真空度の低下を招くことにな
る。
ゲル法により金属アルコキシド溶液を溶射膜の気孔に含
浸充填した後、加熱して加水分解反応や熱分解反応によ
り金属酸化被膜を生成することが検討されている。この
ような金属アルコキシドを用いた封孔処理においては、
1回のコーティングの膜厚が数μm と薄く、十分な封孔
処理効果を得るためにはコーティング回数を多く行う必
要がある。また、形成された金属酸化被膜は溶射膜との
熱膨張係数の差によりクラックが発生しやすく、有機物
の場合と同様に、十分な封孔処理効果を得ることはでき
ない。
に直接絶縁被膜を形成することも考えられるが、この場
合には金属酸化物被膜と金属部材との間の反応がほとん
どないため、十分な結合強度を確保することが難しい。
さらに、金属部材とセラミックス系の金属酸化物被膜と
の熱膨張係数の差が大きいため、絶縁被膜にクラックが
発生しやすく、十分な電気絶縁抵抗と耐電圧を安定に確
保することはできないという問題がある。
形成方法として、セラミックス粉末やガラス粉末を有機
バインダおよび有機溶剤と共に混合して作製した絶縁性
ぺーストを金属部材等の表面に塗布し、これを焼成して
絶縁膜を形成する方法が知られている(特開昭 57-1236
04号公報、特開昭59-46703号公報、特開昭59-54106号公
報、特開昭 62-2406号公報、特開昭 62-8404号公報、特
開昭 62-209895号公報、特開平1-226750号公報等参
照)。このような方法によれば、絶縁膜は緻密に焼結さ
れ、気孔やふくれの少ない高耐電圧、高絶縁抵抗の絶縁
膜が得られる。
縁膜からのガス放出量やガス放出速度を問題としない用
途に用いられてきたため、真空度の低下に関しては何等
考慮されていない。実際、上述したような絶縁性ペース
トに含まれている有機バインダや有機溶剤は、焼成処理
後も絶縁膜中に微量残存するため、このような絶縁膜を
有する部材を高真空雰囲気中で使用するとガス放出が起
こり、真空度の低下を招いてしまう。
製の真空外囲器を用いたイメージ増強管は、小形・軽量
化等が可能であることから期待されているものの、電子
光学系を構成する電極の下地となる電気絶縁被膜に難点
を有し、真空外囲器内の真空度の低下を招くという致命
的な欠点を有している。すなわち、従来のイメージ増強
管における電気絶縁被膜の形成方法、さらには一般的な
電子部品における電気絶縁被膜の形成方法では、絶縁被
膜中に存在する気孔や有機物残渣等によりガス放出が起
こり、真空度が著しく低下するという問題を招いてしま
う。
うな高真空構造体、あるいは高真空雰囲気中で使用され
る部材においては、真空度の低下を招くことがなく、高
真空雰囲気を安定に維持することが可能な電気絶縁被膜
が求められている。
になされたもので、電気絶縁被膜に由来する真空度の低
下を防止し、高真空雰囲気を安定に維持することを可能
にした高真空構造体、さらには高真空雰囲気の維持によ
り高性能化を図ったイメージ増強管を提供することを目
的としている。
は、内部が高真空雰囲気とされる気密容器と、前記気密
容器の真空側表面の少なくとも一部に設けられた電気絶
縁被膜とを具備する高真空構造体において、前記電気絶
縁被膜は、SiO 2 を20〜60重量%、Al 2 O 3 を1〜5重量
%、B 2 O 3 を5〜25重量%、Na 2 O、K 2 OおよびLi 2 O
から選ばれる少なくとも1種をそれぞれ10重量%以下
(ただし0重量%は除く)、CaF 2 を10重量%以下(ただ
し0重量%は除く)、およびCaO、BaOおよびZnO
から選ばれる少なくとも1種を合計量で5〜45重量%含
み、各成分の合計が100重量%となる組成を有するガラス
粉末を含有することを特徴としている。
面を有する金属製真空外囲器と、前記金属製真空外囲器
の内面に電気絶縁被膜を介して電子光学系を構成するよ
うに形成された電極とを具備するイメージ増強管におい
て、前記電気絶縁被膜は、SiO 2 を20〜60重量%、Al
2 O 3 を1〜5重量%、B 2 O 3 を5〜25重量%、Na 2 O、K 2
OおよびLi 2 Oから選ばれる少なくとも1種をそれぞ
れ10重量%以下(ただし0重量%は除く)、CaF 2 を10重
量%以下(ただし0重量%は除く)、およびCaO、Ba
OおよびZnOから選ばれる少なくとも1種を合計量で5
〜45重量%含み、各成分の合計が100重量%となる組成を
有するガラス粉末を含有することを特徴としている。
ージ増強管の電気絶縁被膜は、それぞれさらにCoOも
しくはCo 3 O 4 およびNiOから選ばれる少なくとも1
種をそれぞれ5重量%以下(ただし0重量%は除く)含むこ
とを特徴としている。
料を含まない電気絶縁被膜形成材料を用いて形成したも
のであるため、電気絶縁被膜から真空度の低下要因とな
るガス放出等を生じることがなく、また緻密な焼結体か
らなり、気孔やふくれが極めて少ない状態が容易に得ら
れる。これらによって、電気絶縁被膜に起因する真空度
の低下を防止することができる。従って、本発明の高真
空構造体、高真空用部材およびイメージ増強管によれ
ば、それらの基本的な真空特性を良好に維持することが
可能となる。また、上記した電気絶縁被膜形成材料によ
れば、数10〜数100μm の膜厚を有する電気絶縁被膜を
容易に形成することができるため、電気絶縁抵抗と耐電
圧を十分に確保することが可能となる。
態について説明する。
空用部材の一実施形態の要部構成を示す断面図である。
同図において、1は高真空構造体においては気密容器を
構成する金属部材であり、また高真空用部材においては
部材本体となる金属部材である。この金属部材1として
は、使用用途に応じて種々の金属材料を用いることがで
き、例えば高真空構造体や高真空用部材に求められる強
度を満足し、真空気密に十分に耐えることができ、これ
らによって真空気密性を安定して維持し得るステンレス
系材料のような鉄系材料等が好ましく用いられる。
aには、その少なくとも一部に電気絶縁被膜2が設けら
れている。高真空構造体は、真空側表面1aの少なくと
も一部に電気絶縁被膜2が設けられた金属部材1で気密
容器を作製することで構成される。また、真空用部材は
上記した電気絶縁被膜2が設けられた金属部材1で直接
構成される。このような高真空構造体や真空用部材は、
例えば図2に示すように、電気絶縁被膜2上に導電層3
等を形成して用いられる。
造体においては気密容器の内壁面となり、また高真空用
部材においては真空雰囲気中に露出される表面となり、
いずれにおいても高真空雰囲気の真空度に影響を及ぼす
可能性を有する表面である。このような状況にあって、
上記電気絶縁被膜2はガラス粉末、凝こう剤、粘土およ
び水を含有する電気絶縁被膜形成材料を用いて形成され
たものである。具体的には、上記電気絶縁被膜形成材料
からなる絶縁性ペーストを金属部材1の真空側表面1a
に塗布し、これを焼成して高密度化してなる電気絶縁被
膜2である。電気絶縁被膜2の膜厚は特に限定されるも
のではないが、十分な絶縁特性を確保するためには10μ
m 以上とすることが望ましい。
気絶縁被膜形成材料は、有機系材料を使用していないた
めに、電気絶縁被膜2から真空度の低下要因となるガス
放出等を生じることがない。また、ガラス粉末および粘
土を主材として構成された電気絶縁被膜2は緻密な焼結
体からなり、気孔やふくれが極めて少ない状態が容易に
得られるため、電気絶縁被膜2中の気孔によるガス吸着
および放出に伴う真空度の低下を抑制することができ
る。
空度に悪影響を及ぼすおそれがほとんどないため、高真
空構造体における気密容器内の真空度や高真空用部材が
配置される真空雰囲気の真空度を低下させることがな
く、高真空構造体や高真空用部材としての基本的な真空
特性を良好に維持することが可能となる。特に、 1×10
-6Pa以下というような高真空度が必要とされる高真空構
造体、また同様な高真空雰囲気中で使用される高真空用
部材の場合に効果的である。
なる絶縁性ペーストの塗布、焼成によれば、数10〜数 1
00μm の膜厚を有する電気絶縁被膜2を容易に形成する
ことができ、特に後述する電気絶縁被膜2の形成方法を
適用することで、 1回の塗布、焼成でも必要な膜厚を有
する電気絶縁被膜2が得られるため、電気絶縁抵抗と耐
電圧を十分に確保することができると共に、製造コスト
の低減を図ることができる。さらに、ガラス粉末組成を
適宜に設定することによって、電気絶縁被膜2と金属部
材1との熱膨張係数の差が小さくなるように調整するこ
とができるため、電気絶縁被膜2の剥離等も安定して防
止することができる。
る場合には、SiO2 を20〜60重量% 、Al2 O3 を 1
〜 5重量% 、B2 O3 を 5〜25重量% 、Na2 O、K2
OおよびLi2 Oから選ばれる少なくとも 1種をそれぞ
れ10重量% 以下(ただし 0重量% は除く)、CaF2 を
10重量% 以下(ただし 0重量% は除く)、およびCa
O、BaOおよびZnOから選ばれる少なくとも 1種を
合計量で 5〜45重量% 含み、各成分の合計が 100重量%
となる組成を有するガラス粉末、さらに必要に応じてC
oOもしくはCo3 O4 およびNiOから選ばれる少な
くとも 1種をそれぞれ 5重量% 以下(ただし 0重量% は
除く)含むガラス粉末を用いることが好ましい。
2 はガラスのネットワークを形成する要素として重要な
成分で、焼成過程で結晶化したときに折出するアノーサ
イトを構成する主成分である。SiO2 が20重量% 未満
ではガラスの軟化点が低くなりすぎ、熱処理時にガラス
化する前にガラスが軟化し流動が激しくなり、一方60重
量% を超えるとガラスの結晶化温度が 1273K以上と高く
なるため、金属部材1が劣化するおそれがあると共に、
鉄系材料からなる金属部材1との熱膨張係数の差が大き
くなり、他の酸化物を添加しても熱膨張係数を調整しき
れなくなるおそれがある。
的な耐久性を増大させると共に、アノーサイト結晶の成
分となる。Al2 O3 の含有量が 1重量% 未満ではガラ
スの分層防止に対する効果が低く、一方 5重量% を超え
ると熱処理後の絶縁被膜に気泡が発生しやすくなる。
ほか、ガラスの網目構成成分となり、強固なガラスを作
る効果を有している。B2 O3 の含有量が 5重量% 未満
では溶解性が低下し、25重量% を超えるとガラスの軟化
点が低くなりすぎ、熱処理時に結晶化する前に軟化流動
を起こし、絶縁被膜の形成が困難になる。
の溶解性を向上させると共に、ガラスの熱膨張係数を鉄
系材料の熱膨張係数に近付ける効果を有している。ただ
し、各々の限定範囲の10重量% を超えると、熱処理後の
絶縁被膜に気泡が発生しやすくなる。
に、本発明における電気絶縁被膜形成用材料の保存性を
向上させる。組成限定範囲の10重量% を超えると、熱処
理後の絶縁被膜に気泡が発生しやすくなる。
耐湿性を向上させると共に、アノーサイト結晶の構成成
分となる。BaOはガラスの溶解性を向土させると共
に、絶縁被膜形成の際に緻密化に効果を示す。ZnOは
化学的耐久性、特に耐水性の向上に効果を発揮する。こ
れらCaO、BaOおよびZnOの合計量が 5重量% 未
満では上記した効果が乏しく、一方45重量% を越えると
化学的耐久性が劣化すると共に、絶縁被膜の緻密化を阻
害する。
は、絶縁被膜と鉄系材料からなる金属部材1との密着性
を向上させる効果を有する。特に、密着性の悪いステン
レス系材料の場合、顕著な効果を呈する。ただし、各々
の限定範囲の 5重量% を超えると、熱処理後の絶縁被膜
に気泡が発生しやすくなる。
絶縁性ペーストを形成する凝こう剤および粘土は特に限
定されるものではなく、一般的な材料を使用することが
可能であり、例えば凝こう剤としては亜硝酸ソーダや塩
化カリウム等が例示される。これら凝こう剤はガラス粉
末 100重量部に対して 0.1〜 1重量部の範囲で添加する
ことが好ましい。凝こう剤の添加量が 0.1重量部未満で
あると、バインダ効果が小さくなり、一方 1重量部を超
えると電気絶縁抵抗が低下したり、ガス放出量が増大す
るおそれがある。
土やベントナイト系粘土等を用いることもできるが、特
に電気絶縁被膜2の高密度化を促進するムライト系粘
土、パイロフェライト系粘土等を用いることが好まし
い。これら粘土はガラス粉末 100重量部に対して 1〜10
重量部の範囲で添加することが好ましい。粘土の添加量
が1重量部未満であると、粘度が低く絶縁被膜の形成が
困難となるおそれがあり、一方10重量部を超えると電気
絶縁抵抗が低下したり、ガス放出量が増大するおそれが
ある。
度な粘性が得られるように、適量添加すればよく、特に
その添加量は限定されない。
用部材における電気絶縁被膜2は、以下に示すような製
造方法を適用して形成することが好ましい。図3を参照
して高真空構造体および高真空用部材の製造方法につい
て説明する。
1の真空側表面1a上に、上述したような絶縁性ペース
トをスプレー法等で塗布し、絶縁性ペーストの塗布層
2′を形成する。ここで、絶縁性ペーストは、上述した
組成を有するガラス粉末、凝こう剤、粘土および水を混
合したものであってもよいが、ガラス粉末は予めガラス
化したフリットとして使用することが好ましい。これに
よって、気泡の発生等を抑制することができる。
1は適当な温度、例えば 373〜423K程度に加熱(予熱)
しておき、この加熱状態の金属部材1上に絶縁性ペース
トを塗布することが好ましい。これによって、良好な絶
縁電圧を満足する厚い絶縁被膜2を一回の塗布、焼成で
形成することができる共に、絶縁被膜2内部の気孔を低
減することができる。なお、絶縁性ペーストの塗布には
浸漬法等を適用することも可能であるが、金属部材1の
予熱状態を維持する上でスプレー法等を適用することが
好ましい。
燥処理を施した後、用いたガラス粉末に応じた温度で焼
成して、電気絶縁被膜2を形成する(図3(b))。こ
のような工程を経ることによって、真空度の低下を招く
ことがなく、かつ厚い電気絶縁被膜2を低コストで作製
することができる。
あるイメージ増強管の実施形態について、図4を参照し
て説明する。
り、例えばステンレス系材料のような鉄系材料からなる
ものである。この金属製外囲器11の一方の端面には、
入力面12が設けられている。この入力面12は、入力
窓と入力基板を一体化したものであり、例えばアルミニ
ウム製入力窓に入力蛍光面が直接形成されて構成されて
いる。金属製外囲器11の他方の端面には出力面13が
設けられており、出力窓に出力蛍光面が形成されて構成
されている。
る電極形状に応じた内壁形状を有しており、その内壁面
には前述した電気絶縁被膜2が形成されている。電気絶
縁被膜2を形成する電気絶縁被膜形成材料中のガラス粉
末は、前述したSiO2 を20〜60重量% 、Al2 O3 を
1〜 5重量% 、B2 O3 を 5〜25重量% 、Na2 O、K
2 OおよびLi2 Oから選ばれる少なくとも 1種をそれ
ぞれ10重量% 以下(ただし 0重量% は除く)、CaF2
を10重量% 以下(ただし 0重量% は除く)、およびCa
O、BaOおよびZnOから選ばれる少なくとも 1種を
合計量で 5〜45重量% 含み、各成分の合計が 100重量%
となる組成を有するガラス粉末、さらに必要に応じてC
oOもしくはCo3 O4 およびNiOから選ばれる少な
くとも1種をそれぞれ 5重量% 以下(ただし 0重量% は
除く)含むガラス粉末を用いることが好ましく、その形
成方法についても前述した通りである。
14(14a、14b、14c)や陽極15となる導電
層が形成されており、これらによって電子レンズが構成
されている。金属製外囲器11内は、例えば 1×10-6Pa
程度の高真空状態とされている。そして、入力面12に
入射されたX線像は、入力蛍光面で蛍光像に変換され、
この蛍光像は入力蛍光面に接して形成された光電面から
光電子を放出させ、光電子は収束電極14や陽極15に
より構成された電子レンズで加速、収束されて出力蛍光
面上に電子像を作り、最終的に出力面13で可視光像に
変換される。
気絶縁被膜2に起因して金属製外囲器11内の真空度が
低下することかないため、金属製外囲器11内の高真空
状態を良好に維持することができる。また、電気絶縁被
膜2は良好な電気絶縁抵抗と耐電圧を確保するに十分な
膜厚を容易に得ることができる。これらによって、小形
・軽量化に寄与すると共に加工性に優れる金属製外囲器
11を、特性低下を招くことなく利用できるようになる
ため、イメージ増強管の高性能化および低コスト化を図
ることが可能となる。
する。
それぞれ以下のようにして作製した。すなわち、表1に
示す各酸化物組成分を所定量秤量して混合し、これらを
それぞれ加熱してガラス状に溶解した後に急冷して、各
々ガラスフリット粉末A〜L(平均粒径 100μm )を作
製した。
ぞれ表2および表3に示す配合組成となるように、凝こ
う剤、粘土および水を加え、ボールミルを用いて12時間
湿式混合して、絶縁性ペーストをそれぞれ作製した。な
お、粘土としてはムライト系粘土を使用した。
および表3に示した 100× 100×2mmの各金属部材の表
面にスプレー法で塗布した。各金属部材は表面を予めブ
ラスト処理で粗面化(Rmax =50μm )しておき、また
絶縁性ペーストの塗布時には423Kに加熱保持し、絶縁性
ペーストを連続的に塗布した。塗布厚は 300μm とし
た。
各金属部材を、大気中にて 1123K×5分間の条件で焼成
し、それぞれ金属部材上に電気絶縁被膜を形成した。な
お、焼結サイクル(昇温、保持、冷却)は約 2時間とし
た。
性を断面の電子顕微鏡観察により評価した。また、各電
気絶縁被膜の体積抵抗率、絶縁耐圧、熱膨張係数を測定
評価すると共に、密着性を90度曲げ試験により評価し
た。さらに、各電気絶縁被膜からのガス放出量およびガ
ス放出速度を673K× 1時間の加熱条件で測定評価した。
これらの結果を表2および表3に併せて示す。
成した電気絶縁被膜は、いずれも緻密性や密着性に優れ
ると共にガス放出量が少なく、高真空構造体における気
密容器内の真空度や高真空用部材が配置される真空雰囲
気の真空度を良好に維持できることが分かる。
ペースト)を用いて、図4に示したイメージ増強管の金
属製外囲器11内に電気絶縁性被膜2(膜厚=150μm
)を形成した。形成条件は実施例1と同一とした。こ
の電気絶縁性被膜2上にアルミニウム製導電層を電極と
して形成すると共に、入力面12と出力面13を配置し
て、イメージ増強管を作製した。このようにして得たイ
メージ増強管は、金属製外囲器11内の真空度、電気絶
縁性被膜2の絶縁抵抗および耐電圧特性に優れ、良好な
特性を示した。
造体によれば、電気絶縁被膜に起因する真空度の低下を
防止することができる。従って、高真空雰囲気を安定に
維持することが可能な高真空構造体を提供することがで
きる。また、本発明のイメージ増強管によれば、高真空
雰囲気を容易に維持できることから、高性能化を達成す
ることが可能となる。
一実施形態の要部構成を示す断面図である。
の使用形態の一例を示す要部断面図である。
の製造工程の要部を示す断面図である。
を示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 内部が高真空雰囲気とされる気密容器
と、前記気密容器の真空側表面の少なくとも一部に設け
られた電気絶縁被膜とを具備する高真空構造体におい
て、 前記電気絶縁被膜は、SiO 2 を20〜60重量%、Al 2 O 3
を1〜5重量%、B 2 O 3 を5〜25重量%、Na 2 O、K 2 Oお
よびLi 2 Oから選ばれる少なくとも1種をそれぞれ10
重量%以下(ただし0重量%は除く)、CaF 2 を10重量%
以下(ただし0重量%は除く)、およびCaO、BaOお
よびZnOから選ばれる少なくとも1種を合計量で5〜45
重量%含み、各成分の合計が100重量%となる組成を有す
るガラス粉末を含有することを特徴とする高真空構造
体。 - 【請求項2】 上記ガラス粉末は、さらにCoOもしく
はCo 3 O 4 およびNiOから選ばれる少なくとも1種を
それぞれ5重量%以下(ただし0重量%は除く)含むことを
特徴とする請求項1記載の高真空構造体。 - 【請求項3】 入力面と出力面を有する金属製真空外囲
器と、前記金属製真空外囲器の内面に電気絶縁被膜を介
して、電子光学系を構成するように形成された電極とを
具備するイメージ増強管において、 前記電気絶縁被膜は、SiO 2 を20〜60重量%、Al 2 O 3
を1〜5重量%、B 2 O 3 を5〜25重量%、Na 2 O、K 2 Oお
よびLi 2 Oから選ばれる少なくとも1種をそれぞれ10
重量%以下(ただし0重量%は除く)、CaF 2 を10重量%
以下(ただし0重量%は除く)、およびCaO、BaOお
よびZnOから選ばれる少なくとも1種を合計量で5〜45
重量%含み、各成分の合計が100重量%となる組成を有す
るガラス粉末を含有することを特徴とするイメージ増強
管。 - 【請求項4】 上記ガラス粉末は、さらにCoOもしく
はCo 3 O 4 およびNiOから選ばれる少なくとも1種を
それぞれ5重量%以下(ただし0重量%は除く)含むことを
特徴とする請求項3記載のイメージ増強管。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07388196A JP3361008B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 高真空構造体およびイメージ増強管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07388196A JP3361008B2 (ja) | 1996-03-28 | 1996-03-28 | 高真空構造体およびイメージ増強管 |
Publications (2)
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