JP3359732B2 - 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置 - Google Patents

線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置

Info

Publication number
JP3359732B2
JP3359732B2 JP08234694A JP8234694A JP3359732B2 JP 3359732 B2 JP3359732 B2 JP 3359732B2 JP 08234694 A JP08234694 A JP 08234694A JP 8234694 A JP8234694 A JP 8234694A JP 3359732 B2 JP3359732 B2 JP 3359732B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
electrode
probe
detection
linear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP08234694A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH07270477A (ja
Inventor
芳男 湊
康之 大向
尚雄 田辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP08234694A priority Critical patent/JP3359732B2/ja
Publication of JPH07270477A publication Critical patent/JPH07270477A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3359732B2 publication Critical patent/JP3359732B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は線状電極の欠陥検出方法
および欠陥検出装置、特に、プラズマディスプレイ装置
などの平面表示装置の基板上に形成される表示用線状電
極の欠陥を検出する欠陥検出方法および欠陥検出装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマディスプレイ装置、液晶ディス
プレイ装置、イメージセンサ、などの画像を取り扱う装
置では、多数の線状電極が形成された基板が用いられ
る。たとえば、プラズマディスプレイ装置では、第1の
基板上に横方向に多数の線状電極を配置し、第2の基板
上に縦方向に多数の線状電極を配置し、これら両基板を
対向させることにより、多数の線状電極による格子状パ
ターンが形成されるようにする。そして、第1の基板上
の任意の1本の線状電極と、これに対向して配置された
第2の基板上の任意の1本の線状電極と、の間に所定の
電圧を印加すれば、電圧が印加された2本の線状電極の
交差部分において放電が起こる。両基板間にプラズマ発
光物質を充填しておけば、2本の線状電極が交差した微
小部分に生じた放電によりプラズマ発光が起こり、1画
素分の表示が行われることになる。
【0003】一般に、ディスプレイ装置の性能を向上さ
せるためには、解像度を高める必要がある。解像度を高
めるためには、線状電極の幅やピッチを益々微細化しな
ければならない。しかも、大型のディスプレイ装置に対
する需要が年々高まってきている。このため、非常に細
く、しかも長い線状電極を、微細なピッチで配置した基
板が必要になってくる。たとえば、現在製造されている
大型のプラズマディスプレイ装置では、幅100μm、
長さ1mという、非常に細くて長い線状電極を、平均ピ
ッチ0.65mmという微細な間隔で多数配列した基板
が用いられている。
【0004】このような微細な線状電極を多数配置した
基板を製造した場合、個々の線状電極に断線などの欠陥
が生じていないかを検出することが非常に重要になる。
1か所でも断線が生じていると、画面上の画素が一列に
渡って発光しなくなり、ディスプレイ装置として正しい
機能を果たすことができなくなる。このため、従来は、
線状電極1本1本について、その両端にプローブ電極を
接触させて導通試験を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多数の
線状電極について、1本ずつ導通試験を行う作業は、多
大な労力と時間を必要とする。上述のように、今後は、
解像度が高く、しかも大型のディスプレイ装置の需要が
益々高まってくると思われ、1枚の基板上に形成される
線状電極の数は益々多くなってくる。したがって、これ
までのように、手作業で各線状電極1本1本についての
導通試験を行うことは、実用上、極めて効率の悪い作業
となる。しかも、線状電極の両端にプローブ電極を接触
させ、両プローブ電極間の導通試験を行うという従来の
検出方法では、欠陥の存在が発見されたとしても、その
位置を特定することはできない。すなわち、両プローブ
電極間が導通していないという結果が得られた場合、現
在検出対象となっている線状電極のうちのいずれかの箇
所が断線しているということは認識できるが、その断線
箇所がどこであるかを知ることはできない。いまのとこ
ろ、プラズマディスプレイ装置用の線状電極基板は、製
造コストが高いため、最終的な検査工程において、数箇
所の欠陥が発見されたからと言って、基板全部を廃棄処
分にすることは経済的な理由からできない。したがっ
て、欠陥の存在が認識された場合、その欠陥を修理する
作業を行う必要がある。ところが、従来の欠陥検出方法
では、欠陥の位置を知ることができないため、別な方法
で欠陥の位置を特定する必要がある。従来は、このよう
な欠陥の位置を特定する場合、顕微鏡などを使って検査
を行ったり、線状電極パターンの画像をコンピュータに
取り込み、コンピュータ内の演算処理により欠陥箇所を
特定したりしていた。しかしながら、顕微鏡を使って欠
陥位置を特定する作業は、多大な労力を必要とする作業
になり、一方、コンピュータによる画像処理により欠陥
位置を特定する方法は、演算処理負担が大きく、また、
実用的に機能する画像処理プログラムを完成させるまで
に多大な労力が必要になる。
【0006】そこで本発明は、線状電極の欠陥を効率的
に検出することができる線状電極の欠陥検出方法および
欠陥検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、所定方向に伸びた線状電
極についての欠陥を検出する方法において、線状電極の
検出対象区間の両側位置に、第1のプローブ電極および
第2のプローブ電極を、それぞれ線状電極との間に所定
間隔をあけて配置し、周波数および振幅が等しく、互い
に位相が反転した関係にある第1の交流電圧および第2
の交流電圧を用意し、第1のプローブ電極に第1の交流
電圧を印加するとともに、第2のプローブ電極に第2の
交流電圧を印加したときに、線状電極の一端に誘起され
る電圧変動を測定し、この電圧変動の振幅に基づいて検
出対象区間における欠陥の有無を検出するようにしたも
のである。
【0008】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る検出方法において、第1のプローブ電極お
よび第2のプローブ電極として、それぞれ細長い電極を
用い、各プローブ電極の一端を終端抵抗を介して所定の
基準電位に固定し、各プローブ電極の他端にそれぞれ交
流電圧を印加し、線状電極の電圧変動検出端を抵抗素子
を介して所定の基準電位に固定し、電圧変動検出端を増
幅器に接続し、この増幅器の出力電圧に基づいて欠陥の
有無を検出するようにしたものである。
【0009】(3) 本発明の第3の態様は、第1の平面
内において、第1の方向に沿って伸び、互いにほぼ平行
に配置された複数の線状電極についての欠陥を検出する
方法において、第1の平面に対して平行な第2の平面内
において、第1の方向に対してほぼ垂直な第2の方向に
沿って伸び、互いにほぼ平行に配置された複数の細長い
プローブ電極を、複数の線状電極に向かい合わせ、周波
数および振幅が等しく、互いに位相が反転した関係にあ
る第1の交流電圧および第2の交流電圧を用意し、複数
の線状電極のうちの1本を検出対象として定め、この検
出対象となる1本の線状電極の検出対象区間の両側に位
置する一対のプローブ電極のうちの一方を第1のプロー
ブ電極、他方を第2のプローブ電極として定め、第1の
プローブ電極に第1の交流電圧を印加するとともに、第
2のプローブ電極に第2の交流電圧を印加したときに、
検出対象となる線状電極の一端に誘起される電圧変動を
測定し、この電圧変動の振幅に基づいて検出対象区間に
おける欠陥の有無を検出するようにしたものである。
【0010】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る検出方法において、各プローブ電極の一端
を終端抵抗を介して所定の基準電位に固定し、第1のプ
ローブ電極および第2のプローブ電極の他端にそれぞれ
交流電圧を印加し、検出対象となる線状電極の電圧変動
検出端を抵抗素子を介して所定の基準電位に固定し、電
圧変動検出端を増幅器に接続し、この増幅器の出力電圧
に基づいて欠陥の有無を検出するようにしたものであ
る。
【0011】(5) 本発明の第5の態様は、所定の平面
内において、所定の方向に沿って伸び、互いにほぼ平行
に配置された複数の線状電極についての欠陥を検出する
装置において、平板状の支持基板と、この支持基板上に
おいて所定の方向に沿って伸び、互いにほぼ平行に配置
された複数の細長いプローブ電極と、このプローブ電極
を覆うように形成された絶縁膜と、を有するプローブ基
板と、周波数および振幅が等しく、互いに位相が反転し
た関係にある第1の交流電圧および第2の交流電圧を供
給する電圧供給回路と、複数のプローブ電極のうちから
一対のプローブ電極を選択し、選択されたプローブ電極
の一方に第1の交流電圧を供給し、他方に第2の交流電
圧を供給する電圧供給用選択回路と、複数の線状電極の
うちから1本の線状電極を選択し、選択された線状電極
の一端に誘起される電圧変動を取り出す電圧検出用選択
回路と、この取り出された電圧変動に基づいて、選択さ
れた線状電極における選択された一対のプローブ電極間
に対応する部分の欠陥の有無を検出する検出回路と、を
設けたものである。
【0012】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5
の態様に係る検出装置において、電圧供給回路から得ら
れる交流信号の位相を所定の遅延時間だけ遅らせる位相
遅延器と、電圧検出用選択回路から取り出された電圧変
動のうち、位相遅延器からの信号に基づいて正の成分の
みを抽出して出力する第1の半波整流器と、電圧検出用
選択回路から取り出された電圧変動のうち、位相遅延器
からの信号に基づいて負の成分のみを抽出してこれを反
転して出力する第2の半波整流器と、第1の半波整流器
の出力と第2の半波整流器の出力とを加算する加算器
と、により検出回路を構成し、加算器の出力に基づいて
欠陥の有無を検出することを特徴とする線状電極の欠陥
検出装置。
【0013】
【作 用】検出対象となる1本の線状電極の上方に、1
つのプローブ電極を配置すると、両電極の平面的に重な
り合う部分において、容量素子が形成されることにな
る。そこで、互いに間隔をあけて一対のプローブ電極を
配置すると、各プローブ電極と線状電極との重なり合う
部分において、それぞれ容量素子が形成される。一般
に、容量素子では、一方の電極に交流電圧を与えると、
この交流成分は容量結合された他方の電極に伝達され、
他方の電極にも交流電圧が誘起されることになる。そこ
で、一対のプローブ電極に交流電圧を印加したとする
と、これらに対して容量結合された線状電極の各対応部
分に交流電圧が誘起されることになる。このとき、一対
のプローブ電極に印加する交流電圧の位相が互いに反転
した関係になるようにすると、線状電極側の各対応部分
に誘起される電圧の極性は相互に反対のものとなる。す
なわち、第1のプローブ電極に対応する部分に正の電荷
が誘起されたとすると、第2のプローブ電極に対応する
部分には負の電荷が誘起されることになる。
【0014】いま、一対のプローブ電極に印加する交流
電圧の周波数および振幅を等しくし、位相のみが異なる
(反転する)ようにする。すると、各瞬間においては、
線状電極側の各対応部分に誘起される正の電荷量と負の
電荷量とは等しくなる。そこで、線状電極に断線欠陥が
ない正常の場合には、誘起された両電荷は互いに相殺さ
れ、線状電極にはトータルで見ると、電荷は発生してい
ないことになる。ところが、一対のプローブ電極で挟ま
れた区間において、線状電極に断線欠陥があると、正の
電荷が誘起された部分と、負の電荷が誘起された部分
と、が電気的に分離されることになり、両電荷は相殺さ
れない。このため、線状電極の一端には、プローブ電極
に印加した交流電圧と同一周波数の電圧変動が観測され
ることになる。そこで、この電圧変動に基づいて、線状
電極の所定箇所(一対のプローブ電極で挟まれた区間)
についての欠陥の有無を検出することができる。
【0015】プラズマディスプレイ装置などに用いられ
る基板上には、多数の線状電極が配置されることになる
が、このような多数の線状電極に対する検出を行う場合
には、この線状電極の長手方向に対して直交する方向に
伸びるような多数のプローブ電極を配置すればよい。こ
の場合、多数の線状電極のうち、検出対象となる1本を
選択し、この1本の線状電極の一端に発生する電圧変動
を観測するようにすれば、上述の原理に基づく検出を1
本ずつ順次行うことができる。また、多数のプローブ電
極のうち、一対を選択して交流電圧の印加を行うように
すれば、この選択した一対のプローブ電極で挟まれた各
区間ごとに欠陥の有無を判定することができ、欠陥が存
在した場合にその位置を特定することができるようにな
る。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示する実施例に基づいて説
明する。
【0017】<本発明の基本原理>はじめに、本発明に
係る線状電極の欠陥検出方法の基本原理を説明する。い
ま、図1に示すように、左端aから右端bまで横方向に
線状に伸びた検出対象電極Eについての欠陥検出を行う
場合を考える。本発明の検出方法では、一対のプローブ
電極が用いられる。ここでは、図における下端cから上
端dまで縦方向に線状に伸びたプローブ電極1と、下端
eから上端fまで縦方向に線状に伸びたプローブ電極2
と、を用いた例を考えてみる。図では平面的に示されて
いるが、プローブ電極1,2は、検出対象電極Eの上方
(すなわち、紙面に垂直な方向)に配置されている。別
言すれば、平面的には検出対象電極Eとプローブ電極
1,2は点g,hにおいて交差しているが、実際には、
プローブ電極1,2は検出対象電極Eに対して所定の距
離を保って浮いた状態になっている。一対のプローブ電
極1,2は、同一形状・同一寸法のものであり、検出対
象電極Eに対して同じ距離を保って同じ角度(この例で
は直角)で配置されている。
【0018】また、プローブ電極1,2の一端d,f
は、それぞれ終端抵抗R1,R2を介して接地されてい
る。一方、プローブ電極1,2の他端c,eには、交流
電源Gによって発生された交流電圧が、それぞれバッフ
ァ3および反転バッファ4を介して印加されている。す
なわち、プローブ電極1および2に印加される交流電圧
は、同一周波数・同一振幅のものとなり、位相だけが反
転(180°の位相差をもつ)したものになる。一方、
検出対象電極Eの左端aは、抵抗素子R0を介して接地
されるとともに、この左端aの電位は増幅器5によって
増幅して出力される。
【0019】ここで、点g,hの交差点の部分の構造に
着目すると、検出対象電極Eの部分領域と、プローブ電
極1,2の部分領域と、が三次元空間において向かい合
っていることになる。すなわち、ある面積をもった導電
性の領域が、所定間隔をもって対向して配置されている
ことになり、電気的には容量素子が形成されていること
になる。したがって、プローブ電極1,2に交流電圧を
印加すると、この容量素子に基づく容量結合により、検
出対象電極Eの各部分領域には、電圧変動が誘起される
ことになる。そこで、このような検出系において、電気
的にはどのような現象が起こるのかを詳しく考えてみ
る。
【0020】図2は、図1に示す検出系の等価回路であ
る。上述のように、検出対象電極Eとプローブ電極1,
2との交差点g,hには、容量素子が形成されている
が、この等価回路では、これらの容量素子をC1,C2
で表わしている。前述のように、交流電源Gによって発
生された交流電圧は、それぞれバッファ3および反転バ
ッファ4を介してプローブ電極1,2に印加される。こ
れは図2における等価回路において、容量素子C1,C
2の上方の電極に交流電圧が印加されることを意味す
る。ここでは、説明の便宜上、瞬時の状態を考えてみ
る。いま、図2に示すように、容量素子C1の上方の電
極(プローブ電極1)に正の電荷が与えられ、容量素子
C2の上方の電極(プローブ電極2)に負の電荷が与え
られた状態を考えると、検出対象電極Eの点gの部分に
は負の電荷が誘起され、点hの部分には正の電荷が誘起
されることになる。プローブ電極1および2に印加され
る交流電圧は、同一周波数・同一振幅のものであるか
ら、ある一瞬において、点gの部分に誘起される負の電
荷量と、点hの部分に誘起される正の電荷量と、は等し
くなる。したがって、図2に示すように、検出対象電極
Eに欠陥が全くなかったとすると、点ab間は導通状態
となっているため、点gにおいて発生した負の電荷と、
点hにおいて発生した正の電荷と、は相殺され、検出対
象電極E全体としては、何ら電位変動は生じないことに
なる。プローブ電極1,2には、交流電圧が印加されて
いるが、各瞬時瞬時の状態では、検出対象電極E上にお
いて正負の電荷が相殺されるため、経時的な変化をみた
としても、検出対象電極E全体としては、電圧変動は生
じないのである。したがって、増幅器5からは何ら信号
出力は得られない(実際には、ノイズ成分により、いく
らかの電圧が出力されることになる)。
【0021】それでは、検出対象電極Eの一部に欠陥が
生じていた場合はどうであろうか。ここでは、まず、図
3に示すように、点ag間の所定位置x1において断線
が生じていた場合を考えてみる。この場合、点gh間は
電気的に接続された状態になっているので、やはり誘起
された正負の電荷は相殺される。したがって、増幅器5
からは電位変動は検出されない。同様に、図4に示すよ
うに、点hb間の所定位置x2において断線が生じてい
た場合を考えてみる。この場合も点gh間は電気的に接
続された状態になっているので、やはり誘起された正負
の電荷は相殺される。したがって、増幅器5からは電位
変動は検出されない。
【0022】ところが、図5に示すように、点gh間の
所定位置x3において断線が生じていた場合はどうであ
ろうか。この場合、点gと点hとは電気的に接続されて
いないので、点gにおいて発生した負の電荷と、点hに
おいて発生した正の電荷と、が相殺されることはない。
このため、点gにおいて発生した負の電荷は、増幅器5
から負の電圧として出力されることになる。この図5の
状態は瞬時の現象であるが、実際には、プローブ電極
1,2には所定の周波数をもった交流電圧が供給されて
いるため、点gにおいて発生する電荷は、正負交番した
ものになる。したがって、増幅器5からは、交流電源G
と同一周波数(位相はやや遅れる)の交流信号が出力さ
れることになる。
【0023】以上をまとめると、図2に示すように断線
が全くない場合、および図3,図4に示すように断線が
区間gh以外の箇所に生じていた場合には、増幅器5は
一定の基準電圧値を出力し続けるが、図5に示すように
断線が区間gh内の箇所に生じていた場合には、増幅器
5からは交流電源Gと同一周波数の交流電圧が出力され
ることがわかる。逆に言えば、増幅器5の出力が基準電
圧値のときには、少なくとも、一対のプローブ電極1,
2で挟まれた区間gh内には断線はないということが認
識でき、増幅器5から交流電源Gと同一周波数の交流信
号が出力されたときには、一対のプローブ電極1,2で
挟まれた区間gh内に断線が発生していることが認識で
きる。
【0024】このように、増幅器5の出力に基づいて、
一対のプローブ電極1,2で挟まれた区間gh内の断線
の有無を判定することができるので、図1において、一
対のプローブ電極1,2を図の左右に順次移動させなが
ら、増幅器5の出力を観測すれば、左端aから右端bに
至るまでの全長にわたって、検出対象電極Eの断線検出
を行うことが可能になる。
【0025】なお、プローブ電極1,2の一端に接続さ
れた終端抵抗R1,R2は、原理的には必ずしも必要な
ものではない。すなわち、図2〜図5の等価回路図にお
いて、終端抵抗R1,R2を省略しても、上述の原理に
基づく検出は可能である。しかしながら、終端抵抗R
1,R2を省略すると、プローブ電極1,2の電位が外
乱によって変動を受けやすい不安定な状態になる。この
ため、実用上は、終端抵抗R1,R2を介して、プロー
ブ電極1,2の一端を所定の基準電位(この例では接地
電位)に固定するのが好ましい。
【0026】<具体的な検出装置の構造>続いて、上述
の基本原理を用いて線状電極の欠陥検出を効率的に行う
ことができる具体的な検出装置の構造を説明する。もと
もと本発明は、プラズマディスプレイ装置、液晶ディス
プレイ装置、イメージセンサ、などの装置に用いる基板
に形成された多数の線状電極についての欠陥検出を行う
ことを目的として考え出されたものである。そこで、実
用上は、基板上に形成された多数の線状電極に対しての
検出を行うことができる検出装置を構成するのが好まし
い。以下に述べる具体的な検出装置は、このような多数
の線状電極に対する検出を行うのに適した装置である。
【0027】ここでは、説明の便宜上、図6に示すよう
な検出対象基板10を考えることにする。この検出対象
基板10は、絶縁性の支持基板11(たとえば、ガラス
基板)上に、5本の線状電極E1〜E5が形成されてい
るものである。これら線状電極E1〜E5は、いずれも
図の横方向に伸び、互いに平行になるように所定間隔を
おいて配置されている。実際のプラズマディスプレイ装
置用の基板上に形成される線状電極は、たとえば、幅1
00μm、長さ1m、といった非常に細長い形状を有
し、これらが平均ピッチ0.65mm程度で数百本ほど
平行に配置されることになる。ただ、本願の図面上で
は、実際の寸法比を無視し、5本の線状電極E1〜E5
だけが配置された単純なモデルについて以下の説明を行
うことにする。
【0028】さて、図6に示すような検出対象基板10
についての欠陥検出を行うために、図7に示すようなプ
ローブ基板20を用意する。このプローブ基板20は、
絶縁性の支持基板21(たとえば、ガラス基板)上に、
4本の細長いプローブ電極P1〜P4と、シールド線S
と、を形成し、更にその上面を絶縁膜で覆ったものであ
る。シールド線Sは、各プローブ電極P1〜P4の間隙
に配置された導電線であり、検出精度を向上させるため
のものである。すなわち、実際のプローブ電極P1〜P
4は、幅500μm、長さ50〜100cm、といった
非常に細長い電極をピッチ1.0mm程度で配したもの
であるため、アンテナとして機能してしまうことにな
る。このようにアンテナとして機能すると、外界からの
電波による信号成分が混入して検出精度を低下させる原
因になる。そこで、シールド線Sを設け、外乱の受信を
できるだけ低減させるようにしている。後述するよう
に、このシールド線Sは、検出時には接地される。
【0029】図8は、図6に示す検出対象基板10を切
断線8−8に沿って切った断面図である。支持基板11
上に、検出対象となる線状電極E3が形成されている状
態が明瞭に示されている。一方、図9は、図7に示すプ
ローブ基板20を切断線9−9に沿って切った断面図で
ある。支持基板21上に、プローブ電極P1〜P4が形
成され、その上を絶縁膜22によって覆った構造が明瞭
に示されている。支持基板21としては、このプローブ
基板20全体が容易に撓んだり、反り返ったりしないよ
うに、支持基板としての機能を果たすことができる絶縁
性の基板であれば、どのような材質を用いてもかまわな
い。また、絶縁膜22も、十分な絶縁性をもった材質で
あれば、どのような材質でもかまわない。ただ、絶縁膜
22は、後述する検出過程において、容量素子を構成す
る誘電体として機能するため、できるだけ誘電率の高い
材質を用いる方が、検出感度を高める上では好ましい。
具体的には、支持基板21としてガラス基板を用い、プ
ローブ電極P1〜P4として、銅やアルミニウムによる
パターンを用い、絶縁膜22としてシリコン酸化膜など
を用いるようにすれば、ごく一般的な半導体製造プロセ
スによって、プローブ基板20を用意することができ
る。また、支持基板21および絶縁膜22としてポリイ
ミドを用い、プローブ電極P1〜P4として銅のプリン
ト配線層を用いることもできる。
【0030】検出を行う際には、こうして用意したプロ
ーブ基板20を、上下逆さにして、検出対象基板10の
上に重ねることになる。このとき、検出対象となる線状
電極E1〜E5の配列方向と、プローブ基板20内のプ
ローブ電極P1〜P4の配列方向とが直交するようにす
る。図10は、プローブ基板20を検出対象基板10上
に重ねた状態を示す断面図である。図6に示すように、
線状電極E1〜E5はいずれも横方向に伸びており、図
7に示すように、プローブ電極P1〜P4はいずれも縦
方向に伸びているため、これらを重ねると、平面的にみ
れば格子状のパターンが形成されることになる。そし
て、各交差点位置において、それぞれ容量素子が形成さ
れる。たとえば、図10に示す断面図において、線状電
極E3とプローブ電極P1,P2,P3,P4のそれぞ
れとの交差点において、容量素子が形成されていること
になる。
【0031】図11は、本検出装置の全体構成を示す斜
視図である。検出対象基板10の上にプローブ基板20
が重ねられている点は、既に述べたとおりである。この
他に、本検出装置は、電圧供給用選択回路40、電圧検
出用選択回路50、検出回路100、交流電源G、バッ
ファ3、反転バッファ4、といった構成要素からなる。
電圧供給用選択回路40は、プローブ電極P1〜P4の
うちから一対のプローブ電極を選択し、選択されたプロ
ーブ電極の一方には、バッファ3からの交流電圧を供給
し、他方には、反転バッファ4からの交流電圧を供給す
る機能を有する回路である。また、電圧検出用選択回路
50は、線状電極E1〜E5のうちから1本の線状電極
を選択し、選択された線状電極の一端を、検出回路10
0に接続する機能を有する回路である。検出回路100
は、この接続された線状電極の一端に誘起される電圧変
動に基づいて、欠陥の有無を検出する機能を有する。な
お、電圧供給用選択回路40、電圧検出用選択回路50
および検出回路100の内部の詳細な構成については、
以下の回路構成において述べる。
【0032】<この検出装置の回路構成>続いて、上述
した構成からなる検出装置についての回路構成を説明す
る。図12は、上述した検出装置における電気的な動作
に関連する部分だけを抽出して示した回路図である。検
出対象基板10については、5本の線状電極E1〜E5
が示されており、プローブ基板20については、4本の
プローブ電極P1〜P4およびシールド線Sが示されて
いる。線状電極E1〜E5と、プローブ電極P1〜P4
とは、相互に立体交差する位置関係に配置されており、
個々の交差点(この例では、4×5=20箇所の交差
点)において容量素子が形成されていることは既に述べ
たとおりである。シールド線Sは、接地されており、プ
ローブ電極P1〜P4がアンテナとして機能し、検出結
果に外乱が混入するのを防ぐ機能を果たす。また、プロ
ーブ電極P1〜P4の一端は、終端抵抗R1〜R4によ
り接地されている。前述のように、これら終端抵抗を介
しての接地は、原理的には必ずしも必要なものではない
が、安定な検出を行う上では、実用上設けることが好ま
しい。これらの終端抵抗は、プローブ基板20上に予め
設けておいてもよいし、検出を行うときに接続するよう
にしてもよい。
【0033】各プローブ電極P1〜P4の下端には、電
圧供給用選択回路40が接続されている。この実施例で
は、電圧供給用選択回路40は、8組のアナログスイッ
チ(あるいはリレーでもよい)により構成されている。
このアナログスイッチは、各プローブ電極P1〜P4の
下端を、バッファ3の出力端子に接続するか、反転バッ
ファ4の出力端子に接続するか、あるいは、いずれにも
接続しないか、を切り替えることができる。すなわち、
図12において、電圧供給用選択回路40内に上下2列
に示されたアナログスイッチのうち、上側に示された4
組のアナログスイッチをONにすると、各プローブ電極
P1〜P4の下端はバッファ3の出力に接続され、下側
に示された4組のアナログスイッチをONにすると、各
プローブ電極P1〜P4の下端は反転バッファ4の出力
に接続されることになる。バッファ3および反転バッフ
ァ4の入力端子には、交流電源Gからの交流電圧が与え
られており、バッファ3および反転バッファ4は、同一
周波数・同一振幅で互いに位相が反転した交流電圧を出
力する。
【0034】一方、各線状電極E1〜E5の左端には、
電圧検出用選択回路50が接続されている。この実施例
では、電圧検出用選択回路50は、10組のアナログス
イッチ(あるいはリレーでもよい)により構成されてい
る。このアナログスイッチは、各線状電極E1〜E5の
右端を、接地状態にするか、あるいは検出回路100の
入力端子に接続するか、切り替えることができる。すな
わち、図12において、電圧検出用選択回路50内に左
右2列に示されたアナログスイッチのうち、左側に示さ
れた5組のアナログスイッチをONにすると、各線状電
極E1〜E5の左端が検出回路100の入力端子に接続
され、右側に示された5組のアナログスイッチをONに
すると、各線状電極E1〜E5の左端は接地されること
になる。
【0035】検出回路100は、こうして電圧検出用選
択回路50によって選択された線状電極の左端に誘起さ
れた電圧変動に基づいて、欠陥検出の処理を行う回路で
ある。図13は、図12に示す回路において、5本の線
状電極E1〜E5のうちの特定の検出対象区間の断線検
出を行う場合の各アナログスイッチの切り替え状態を示
す図である。ここでは、図にハッチングを施して示した
部分(線状電極E3上のプローブ電極P2とP3とで挟
まれた部分)を検出対象区間として選択する場合のアナ
ログスイッチの状態が示されている。すなわち、電圧供
給用選択回路40を構成する8組のアナログスイッチの
うち、図13に黒丸で示したスイッチをONの状態と
し、それ以外のスイッチをOFFの状態にすれば、プロ
ーブ電極P2の下端には、バッファ3からの交流電圧が
印加され、プローブ電極P3の下端には、反転バッファ
4からの交流電圧が印加される状態になる。一方、電圧
検出用選択回路50を構成する10組のアナログスイッ
チのうち、図13に黒丸で示したスイッチをONの状態
とし、それ以外のスイッチをOFFの状態にすれば、線
状電極E3の左端だけが検出回路100に接続され、残
りの線状電極E1,E2,E4,E5の左端は接地され
た状態になる。したがって、検出回路100には、線状
電極E3の左端に誘起された電圧変動が入力されること
になる。
【0036】ところで、電圧供給用選択回路40および
電圧検出用選択回路50を構成する各アナログスイッチ
を上述のように切り替えると、図1に基本原理として示
した検出系がそのまま適用できることが理解できよう。
すなわち、図13の例における一対のプローブ電極P
2,P3が、図1における一対のプローブ電極1,2に
対応し、ここに、同一周波数・同一振幅で互いに逆位相
の交流電圧が印加される。また、図13の例における線
状電極E3が、図1における検出対象電極Eに対応し、
その左端に誘起された電圧変動により断線検出が行われ
ることになる。すなわち、所定のレベル以上の電圧変動
が観測できれば、図にハッチングを施した検出対象区間
に断線が生じていると認識することができ、電圧変動が
観測できなければ、断線は生じていないと認識すること
ができる。これがこの検出装置における検出原理であ
る。
【0037】検出回路100は、このような断線検出を
効率的に行う回路であり、その一例を図14に示す。こ
の図14に示す検出回路100では、電圧検出用選択回
路50からの出力線(選択されたいずれか1本の線状電
極の左端)は、入力バッファ60に接続されるととも
に、抵抗素子R0を介して接地される。一方、交流電源
Gが発生した交流信号も、この検出回路100内に入力
される。すなわち、この交流信号は、位相遅延器61に
よって所定の遅延時間だけ遅らされ、スイッチドライバ
62および63に与えられる。
【0038】入力バッファ60の出力は帯域フィルタ6
4を通して、一対のアナログスイッチ65,66に与え
られる。アナログスイッチ65に与えられた信号は反転
バッファ67により極性が反転され、アナログスイッチ
66に与えられた信号はバッファ68を通ってそのまま
の極性で、それぞれ加算器69に与えられる。加算器6
9によって加算された信号は、低域フィルタ70を介し
て増幅器71に与えられ、増幅器71で増幅された信号
は、A/D変換器72によってデジタル信号として出力
される。このデジタル信号は、プロセッサ73に与えら
れ、プロセッサ73は与えられたデジタル信号の値に基
づいて、検出結果を表示部74に表示する。
【0039】スイッチドライバ62は、与えられた交流
信号が正の半周期をとるときにアナログスイッチ66を
ONにし、負の半周期をとるときにOFFにする。一
方、スイッチドライバ63は、与えられた交流信号が正
の半周期をとるときにアナログスイッチ65をOFFに
し、負の半周期をとるときにONにする。したがって、
アナログスイッチ65,66は、交流電源Gが発生する
交流信号の半周期ごとに交互にONになる。ここで、位
相遅延器61による遅延時間は、交流電源Gが発生する
交流信号が、プローブ電極P1〜P4から容量結合を介
して線状電極E1〜E5に伝達され、更に、電圧検出用
選択回路50、入力バッファ60、そして帯域フィルタ
64を通って、アナログスイッチ65,66に伝達され
るまでにかかる遅延時間に等しく設定されている。した
がって、アナログスイッチ65,66に伝達される交流
信号と、スイッチドライバ62,63に与えられる交流
信号とは、位相が一致したものとなる。結局、スイッチ
ドライバ62とアナログスイッチ66との組み合わせ
は、位相遅延器61からの信号に基づいて、入力バッフ
ァ60が出力する交流電圧のうちの正の成分のみを抽出
して出力する半波整流器を構成することになり、スイッ
チドライバ63とアナログスイッチ65との組み合わせ
は、位相遅延器61からの信号に基づいて、入力バッフ
ァ60が出力する交流電圧のうちの負の成分のみを抽出
し、これを反転して出力する半波整流器を構成すること
になる。
【0040】<この検出装置の回路動作>次に、上述し
た構成を有する検出装置を用いた検出動作を、図13お
よび図14の回路図を参照しながら説明する。ここで
は、5本の線状電極E1〜E5のうち、3番目の線状電
極E3を検出対象として選択し、しかも、この線状電極
E3における図13にハッチングを施して示した中央部
分(プローブ電極P2とP3とで挟まれた部分)を検出
対象区間とした検出を行う場合について説明する。すな
わち、以下の検出動作は、このハッチングを施した検出
対象区間に断線があるか否かを確認する動作ということ
になる。
【0041】このような検出対象区間についての検出を
行う場合、各アナログスイッチを、図13に示すような
状態(黒丸で示したスイッチをON、それ以外のスイッ
チをOFF)に切り替えればよいことは既に述べた。い
ま、このような状態において、交流電源Gから、図15
に示すような波形の交流電圧を供給した場合を考える。
このとき、図2〜図4に示すモデルのように、検出対象
区間内に断線箇所が存在しない場合には、理論的には、
線状電極E3の左端には電圧変動は生じないため、検出
回路100に入力される電圧は0になる。しかしなが
ら、実際には、図16に示すように、種々のノイズ成分
が電圧として現れることになる。これに対し、図5に示
すモデルのように、検出対象区間内に断線箇所があった
場合には、理論的には、交流電源Gの発生する交流信号
に対応する電圧変動が、多少の位相差をもって(前述し
たように、交流信号が検出回路100に伝達されるまで
には時間遅れが生じる)そのままの形で検出回路100
に与えられるはずであるが、実際には、この電圧変動に
も、図17に示すようにノイズ成分が混入してくること
になる。そこで、実用上は、図16に示すような電圧変
動が観測された場合には、「検出対象区間には断線な
し」との検出結果が得られ、図17に示すような電圧変
動が観測された場合には、「検出対象区間に断線あり」
との検出結果が得られるようにする必要がある。検出回
路100は、このような正しい検出結果を得るための回
路である。
【0042】まず、入力バッファ60から出力された信
号は、帯域フィルタ64を通され、ノイズ成分の除去が
行われる。この実施例では、交流電源Gとして1MHz
の周波数の交流電圧を発生する装置を用いているので、
帯域フィルタ64としては、この1MHzの周波数帯域
を通過させるフィルタを用意している。この帯域フィル
タ64を通すことにより、図17に示す波形のうち、正
弦波として示されている成分だけを抽出することができ
る。こうして帯域フィルタ64を通過した信号は、アナ
ログスイッチ65,66およびバッファ67,68によ
って構成される半波整流器を通過する。前述したよう
に、アナログスイッチ65,66は、交流電源Gの発生
する交流信号を、位相遅延器61によって位相が合致す
るように遅延させ、この遅延信号に同期してON/OF
F動作されることになる。したがって、帯域フィルタ6
4を通過した信号の正の半周期分は、アナログスイッチ
66からバッファ68を通って加算器69に与えられ、
負の半周期分は、アナログスイッチ65から反転バッフ
ァ67を通って反転された後に加算器69に与えられ
る。結局、加算器69では、正の半周期分と負の半周期
分とが絶対値として合計されることになり、加算器69
の出力は、正弦波信号を整流した形の信号となる。この
信号は低域フィルタ70を通ることにより平滑化され、
増幅器71によって増幅され、A/D変換器72でデジ
タル信号に変換される。結局、図16に示すような電圧
変動が観測された場合には、A/D変換器72からは比
較的小さなデジタル値が得られることになり、図17に
示すような電圧変動が観測された場合には、A/D変換
器72からは比較的大きなデジタル値が得られることに
なる。したがって、プロセッサ73においては、所定の
しきい値を定めておき、A/D変換器72から与えられ
るデジタル値がこのしきい値を越えた場合に、現在の検
出対象区間に断線がある旨の表示を表示部74に対して
行うようにすればよい。
【0043】<検出対象に対する全検出工程>以上、図
13にハッチングを施して示した特定の検出対象区間に
ついて、断線の有無を検出する方法を説明した。この実
施例の検出装置の特徴は、検出対象となった基板上に形
成された全線状電極E1〜E5の全区間について、同様
の検出を簡単な操作で繰り返し行える点にある。すなわ
ち、図13において、電圧供給用選択回路40によるア
ナログスイッチのON/OFFの組み合わせを変えれ
ば、他の区間についての検出を直ちに行うことができ
る。たとえば、プローブ電極P3をバッファ3の出力
に、プローブ電極P4を反転バッファ4の出力に、それ
ぞれ接続するように切り替えれば、図にハッチングを施
した区間のすぐ右隣の区間(プローブ電極P3とP4と
によって挟まれた領域)についての検出結果を得ること
ができる。この実施例では、説明の便宜上、4本のプロ
ーブ電極P1〜P4のみを用いた簡単なモデルを示して
いるが、実際には、より多数のプローブ電極P1〜Pn
が配置されており、これらn本のプローブ電極のうちか
ら一対のプローブ電極を選択して、バッファ3および反
転バッファ4に接続することにより、線状電極の全長に
わたる全区間について、個々に検出を行うことができ
る。そして、断線が検出された場合には、その断線位置
(その時点での検出対象区間)を直ちに認識することが
できる。
【0044】なお、n本のプローブ電極を用いた場合の
全区間にわたる検出方法としては、次のようないくつか
の方法が考えられる。なお、以下の説明では、X番目の
プローブ電極PxとY番目のプローブ電極Pyとによっ
て挟まれた区間のことを、区間Lx,yと表わすことに
する。
【0045】方法:まず、プローブ電極P1,P2を
選択して、区間L1,2についての検出を行い、続い
て、プローブ電極P2,P3を選択して、区間L2,3
についての検出を行い、次に、プローブ電極P3,P4
を選択して、区間L3,4についての検出を行い、…、
最後に、プローブ電極P(n−1),Pnを選択して区
間L(n−1),nについての検出を行う、というよう
に、1区間ずつ順次検出を行ってゆく。この方法によれ
ば、たとえば、プローブ電極Pi,Pjを選択して、区
間Li,jについての検出を行ったときに断線検出があ
った場合、断線箇所は区間Li,j内に存在すると認識
することができる。
【0046】方法:この方法では、常に第1番目のプ
ローブ電極P1が一方のプローブ電極として選択され
る。すなわち、まず、プローブ電極P1,P2を選択し
て、区間L1,2についての検出を行い、続いて、プロ
ーブ電極P1,P3を選択して、区間L1,3について
の検出を行い、次に、プローブ電極P1,P4を選択し
て、区間L1,4についての検出を行い、…、最後に、
プローブ電極P1,Pnを選択して区間L1,nについ
ての検出を行う、というように、区間の幅を少しずつ広
げながら順次検出を行ってゆく。この方法によれば、た
とえば、プローブ電極P1,Piを選択して、区間L
1,iについての検出を行ったときには断線は認められ
なかったのに、続いて、プローブ電極P1,P(i+
1)を選択して、区間L1,(i+1)についての検出
を行ったときに断線検出があった場合、断線箇所は区間
Li,(i+1)内に存在すると認識することができ
る。方法では、プローブ電極直下におけるいわば区間
の境界部分についての検出が正確には行われない可能性
があるのに対し、この方法では、このような境界部分
についても正しく検出できるというメリットがある。
【0047】方法:この方法では、半ピッチずつ区間
をずらしながら重複した検出が行われる。すなわち、ま
ず、プローブ電極P1,P3を選択して、区間L1,3
についての検出を行い、続いて、プローブ電極P2,P
4を選択して、区間L2,4についての検出を行い、次
に、プローブ電極P3,P5を選択して、区間L3,5
についての検出を行い、プローブ電極P4,P6を選択
して、区間L4,6についての検出を行い、…、という
ように検出が行われる。結局、区間L1,3、区間L
2,4、区間L3,5、区間L4,6と半ピッチずつ重
複した検出が行われることになり、やはり、区間の境界
部分についても正しく検出できるというメリットがあ
る。
【0048】以上、1本の線状電極の全長にわたっての
断線検出を行う方法を述べたが、この実施例の検出装置
では、全線状電極E1〜E5について、同様の検出を簡
単な操作で繰り返し行うことができる。すなわち、図1
3において、電圧検出用選択回路50によるアナログス
イッチのON/OFFの組み合わせを変えれば、他の線
状電極についての検出を直ちに行うことができる。具体
的には、検出対象として選択された線状電極の左端を検
出回路100に接続し、他の線状電極については接地す
るように、アナログスイッチの切り替えを行えばよいの
である。
【0049】なお、電圧供給用選択回路40や電圧検出
用選択回路50のアナログスイッチ(あるいはリレー)
の切り替え操作は、手作業によって容易に行うことがで
きるが、たとえば、プロセッサ73からの制御信号など
により自動的に切り替えることもできる。したがって、
プロセッサ73内に所定の検出手順プログラムを用意し
ておけば、このプログラムに従って全検出工程を自動化
することも可能である。
【0050】また、線状電極の数やプローブ電極の数が
増えると、電圧供給用選択回路40や電圧検出用選択回
路50内に設けるアナログスイッチあるいはリレーの数
も増やさねばならず、それだけコストが高くなる。そこ
で、多少検出作業の操作性を犠牲にしても、コストを下
げたいという要望がある場合には、電圧供給用選択回路
40や電圧検出用選択回路50に必要なスイッチ数の
(1/m)の数のスイッチだけを設けておき、検出作業
を行う場合に、電圧供給用選択回路40や電圧検出用選
択回路50をm回移動させるという手法を採ることもで
きる。たとえば、1000本の線状電極が形成された検
出対象基板10についての検出を行う場合、電圧検出用
選択回路50としては、1000本のうちから1本を選
択して交流電源を供給する機能をもった回路を用意する
必要があり、そのためには、2000組のスイッチが必
要になる。このような大型の電圧検出用選択回路50を
作成するにはかなりのコストがかかる。このような場合
は、たとえば、100本の線状電極にしか対応できない
電圧検出用選択回路50を用意しても、検出は可能であ
る。すなわち、この電圧検出用選択回路50を、100
0本の線状電極のうちの1〜100番目の線状電極に接
続し、1〜100番目まで順次検出を行い、続いて、こ
の電圧検出用選択回路50を101〜200番目の線状
電極に接続しなおし、101〜200番目まで順次検出
を行い、…、というようにして、電圧検出用選択回路5
0を10回移動すれば、全1000本の線状電極につい
ての検出が可能になる。
【0051】<断線箇所が複数にある場合>上述の実施
例では、線状電極に生じている断線箇所が1箇所である
ものとして説明を行ったが、本発明に係る欠陥検出方法
は、1本の線状電極上の複数箇所が断線しているような
場合にも、検出が可能である。
【0052】これを、図18の等価回路で説明しよう。
この等価回路は、検出対象電極E上の所定位置x1およ
びx3の2箇所において断線が生じている場合の回路で
ある。ここで、位置x1における断線検出(このような
検出を行う場合の等価回路は、図18の点gを位置x1
の左側に、点hを位置x1のすぐ右側に、それぞれ移動
させたものになる。)が、上述の実施例で説明した原理
によって行い得ることは容易に理解できよう。なぜな
ら、もう1箇所の断線位置x3は、電圧変動を検出する
左端a側ではなく、右端b側にあるため、位置x1を検
出対象区間に含む検出には何ら影響を与えないのであ
る。ところが、位置x3を検出対象区間に含む検出を行
う場合には、やや事情が異なる。すなわち、位置x3の
断線に関して、もう1箇所の断線位置x3は、電圧変動
を検出する左端a側にあるため、検出系に何らかの影響
が及ぶはずである。確かに、位置x1において断線して
いれば、点gから点aに向かって電流は流れなくなる。
しかしながら、そのような状態でも、なお、位置x3に
おける断線を検出することができるのである。
【0053】これは次のような理由による。いま、図1
8に示すように、点gに負の電荷、点hに正の電荷が誘
起された瞬間を考える。ここで、位置x3は断線してい
るから、これらの電荷は互いに相殺されることはない。
ところで、位置x3から位置x1に至るまでの区間は導
通しているから、点gに負の電荷が誘起されたというこ
とは、位置x1のすぐ右側の部分にも負の電荷が発生し
ていることになる。ここで、位置x1における断線状態
を考えると、位置x1のすぐ右側に導体が存在し、位置
x1のすぐ左側にも導体が存在し、これら両導体が互い
に対向して配置されている状態になっていることが分か
る。別言すれば、位置x1のすぐ右側の導体と、位置x
1のすぐ左側の導体とは、容量結合していることにな
る。したがって、位置x1のすぐ右側の部分に負の電荷
が発生すれば、この容量結合により、位置x1のすぐ左
側の部分には正の電荷が誘起されることになる。結局、
点gにおいて誘起される電圧変動は、位置x1の断線部
における容量結合を介して、増幅器5へと伝達されるこ
とになる。
【0054】この断線部の容量結合は、一般の容量素子
に比べると弱いものであるが、それでも、位置gにおけ
る電位変動は増幅器5まで伝達され、検出することはで
きる。したがって、本発明に係る検出方法では、1本の
線状電極上の複数箇所に断線が生じていても、これを検
出することが可能である。
【0055】以上、本発明を図示する実施例に基づいて
説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるもの
ではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。た
とえば、上述の実施例では、プローブ基板20として
は、図9に示すように、プローブ電極P1〜P4上に絶
縁膜22を形成したものを用いているが、この絶縁膜2
2は必ずしも必要なものではない。図10に示すよう
に、検出対象基板10とプローブ基板20とを対向させ
たときに、プローブ電極P1〜P4が線状電極E1〜E
5に接触してしまわないようにできれば、本発明による
欠陥検出は可能であるから、絶縁膜22の代わりを果た
す何らかのスペーサを挿入してやるようにすれば、絶縁
膜22を形成する必要はない。したがって、図7に示す
プローブ基板20の代わりに、図6に示す検出対象基板
10自身を利用することも可能である。すなわち、図6
に示すような構造をもった検出対象基板10を2組用意
し、一方を90°回転させた状態で対向させるようにす
れば、一方の線状電極をプローブ電極の代用として用い
ることも可能である。
【0056】上述の実施例における検出対象基板では、
線状電極が基板上で露出しているが、プラズマディスプ
レイ装置用の基板の中には、線状電極が絶縁膜で覆われ
た構造のものも存在する。このように検出対象基板自身
が絶縁膜で覆われているような場合には、プローブ基板
20側の絶縁膜22は必ずしも必要ではない。従来は、
このように絶縁膜で覆われた線状電極に対する欠陥検出
はプローブを接触させることができないため非常に困難
であったが、本発明による検出方法を利用すれば、何ら
問題なく検出が可能である。また、セル障壁形成後の電
極基板についても、本発明により欠陥検出が可能であ
る。
【0057】以上のとおり本発明に係る線状電極やプロ
ーブ電極の各部を、適宜接地することにより検出を行っ
ているが、これは必ずしも接地レベル(いわゆるアー
ス)にする必要はなく、所定の基準電圧に固定すること
ができれば、接地する代わりに所定の定電圧源に接続し
てもよい。
【0058】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る線状電極の欠
陥検出方法によれば、一対のプローブ電極を線状電極上
に配置して容量結合し、この容量結合によって線状電極
側に生じる電圧変動を観測することにより、線状電極上
の欠陥を検出するようにしたため、欠陥を効率的に検出
することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る線状電極の欠陥検出方法の基本原
理を説明する図である。
【図2】図1に示す検出系の等価回路図である。
【図3】図1に示す検出系において、点ag間に断線欠
陥がある場合の等価回路図である。
【図4】図1に示す検出系において、点hb間に断線欠
陥がある場合の等価回路図である。
【図5】図1に示す検出系において、点gh間に断線欠
陥がある場合の等価回路図である。
【図6】本発明に係る欠陥検出方法を実施する検出対象
基板10の一例を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施例に係る欠陥検出装置の一構成
要素であるプローブ基板20の一例を示す平面図であ
る。
【図8】図6に示す検出対象基板10を切断線8−8に
沿って切った断面図である。
【図9】図7に示すプローブ基板20を切断線9−9に
沿って切った断面図である。
【図10】図8に示す検出対象基板10上に、図9に示
すプローブ基板20を重ね合わせた状態を示す断面図で
ある。
【図11】本発明の一実施例に係る欠陥検出装置の全体
構成を示す斜視図である。
【図12】図11に示す欠陥検出装置における電気的な
動作に関連する部分だけを抽出して示した回路図であ
る。
【図13】図12に示す回路を用いた断線欠陥の検出動
作を示す回路図である。
【図14】図12および図13に示す検出回路100の
内部構成を示す回路図である。
【図15】図12および図13に示す検出回路におい
て、交流電源Gが発生する交流電圧波形の一例を示すグ
ラフである。
【図16】図12および図13に示す検出回路におい
て、断線が生じていない場合に検出回路100で観測さ
れる電圧変動波形の一例を示すグラフである。
【図17】図12および図13に示す検出回路におい
て、断線が生じている場合に検出回路100で観測され
る電圧変動波形の一例を示すグラフである。
【図18】本発明に係る検出方法により、1本の線状電
極上の複数箇所に断線が生じていた場合にも検出が可能
であることを説明する等価回路図である。
【符号の説明】
1,2…プローブ電極 3…バッファ 4…反転バッファ 5…増幅器 10…検出対象基板 11…支持基板 20…プローブ基板 21…支持基板 22…絶縁膜 40…電圧供給用選択回路 50…電圧検出用選択回路 60…入力バッファ 61…位相遅延器 62,63…スイッチドライバ 64…帯域フィルタ 65,66…アナログスイッチ 67…反転バッファ 68…バッファ 69…加算器 70…低域フィルタ 71…増幅器 72…A/D変換器 73…プロセッサ 74…表示部 100…検出回路 C1,C2…容量素子 E…検出対象電極 E1〜E5…線状電極 G…交流電源 P1〜P4…プローブ電極 R0…抵抗素子 R1〜R4…終端抵抗 S…シールド線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田辺 尚雄 東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号 大日本印刷株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−9146(JP,A) 特開 平3−240095(JP,A) 特開 昭58−33170(JP,A) 特開 平4−244976(JP,A) 特開 昭63−226688(JP,A) 特開 平1−155276(JP,A) 特開 平7−146323(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01R 31/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定方向に伸びた線状電極についての欠
    陥を検出する方法であって、 前記線状電極の検出対象区間の両側位置に、第1のプロ
    ーブ電極および第2のプローブ電極を、それぞれ前記線
    状電極との間に所定間隔をあけて配置し、 周波数および振幅が等しく、互いに位相が反転した関係
    にある第1の交流電圧および第2の交流電圧を用意し、 前記第1のプローブ電極に前記第1の交流電圧を印加す
    るとともに、前記第2のプローブ電極に前記第2の交流
    電圧を印加したときに、前記線状電極の一端に誘起され
    る前記交流電圧と同一周波数の電圧変動を測定し、この
    電圧変動の振幅に基づいて前記検出対象区間における欠
    陥の有無を検出することを特徴とする線状電極の欠陥検
    出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の検出方法において、 第1のプローブ電極および第2のプローブ電極として、
    それぞれ細長い電極を用い、各プローブ電極の一端を終
    端抵抗を介して所定の基準電位に固定し、各プローブ電
    極の他端にそれぞれ交流電圧を印加し、 線状電極の電圧変動検出端を抵抗素子を介して所定の基
    準電位に固定し、前記電圧変動検出端を増幅器に接続
    し、この増幅器の出力電圧に基づいて欠陥の有無を検出
    することを特徴とする線状電極の欠陥検出方法。
  3. 【請求項3】 第1の平面内において、第1の方向に沿
    って伸び、互いにほぼ平行に配置された複数の線状電極
    についての欠陥を検出する方法であって、 前記第1の平面に対して平行な第2の平面内において、
    前記第1の方向に対してほぼ垂直な第2の方向に沿って
    伸び、互いにほぼ平行に配置された複数の細長いプロー
    ブ電極を、前記複数の線状電極に向かい合わせ、 周波数および振幅が等しく、互いに位相が反転した関係
    にある第1の交流電圧および第2の交流電圧を用意し、 前記複数の線状電極のうちの1本を検出対象として定
    め、この検出対象となる1本の線状電極の検出対象区間
    の両側に位置する一対のプローブ電極のうちの一方を第
    1のプローブ電極、他方を第2のプローブ電極として定
    め、 前記第1のプローブ電極に前記第1の交流電圧を印加す
    るとともに、前記第2のプローブ電極に前記第2の交流
    電圧を印加したときに、前記検出対象となる線状電極の
    一端に誘起される前記交流電圧と同一周波数の電圧変動
    を測定し、この電圧変動の振幅に基づいて前記検出対象
    区間における欠陥の有無を検出することを特徴とする線
    状電極の欠陥検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の検出方法において、 各プローブ電極の一端を終端抵抗を介して所定の基準電
    位に固定し、第1のプローブ電極および第2のプローブ
    電極の他端にそれぞれ交流電圧を印加し、 検出対象となる線状電極の電圧変動検出端を抵抗素子を
    介して所定の基準電位に固定し、前記電圧変動検出端を
    増幅器に接続し、この増幅器の出力電圧に基づいて欠陥
    の有無を検出することを特徴とする線状電極の欠陥検出
    方法。
  5. 【請求項5】 所定の平面内において、所定の方向に沿
    って伸び、互いにほぼ平行に配置された複数の線状電極
    についての欠陥を検出する装置であって、 平板状の支持基板と、この支持基板上において所定の方
    向に沿って伸び、互いにほぼ平行に配置された複数の細
    長いプローブ電極と、このプローブ電極を覆うように形
    成された絶縁膜と、を有するプローブ基板と、 周波数および振幅が等しく、互いに位相が反転した関係
    にある第1の交流電圧および第2の交流電圧を供給する
    電圧供給回路と、 前記複数のプローブ電極のうちから一対のプローブ電極
    を選択し、選択されたプローブ電極の一方に前記第1の
    交流電圧を供給し、他方に前記第2の交流電圧を供給す
    る電圧供給用選択回路と、 前記複数の線状電極のうちから1本の線状電極を選択
    し、選択された線状電極の一端に誘起される電圧変動を
    取り出す電圧検出用選択回路と、 前記電圧変動に基づいて、前記選択された線状電極にお
    ける前記選択された一対のプローブ電極間に対応する部
    分の欠陥の有無を検出する検出回路と、 を備えることを特徴とする線状電極の欠陥検出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の検出装置において、 電圧供給回路から得られる交流信号の位相を所定の遅延
    時間だけ遅らせる位相遅延器と、電圧検出用選択回路か
    ら取り出された電圧変動のうち、前記位相遅延器からの
    信号に基づいて正の成分のみを抽出して出力する第1の
    半波整流器と、電圧検出用選択回路から取り出された電
    圧変動のうち、前記位相遅延器からの信号に基づいて負
    の成分のみを抽出してこれを反転して出力する第2の
    波整流器と、前記第1の半波整流器の出力と前記第2の
    半波整流器の出力とを加算する加算器と、により検出回
    路を構成し、前記加算器の出力に基づいて欠陥の有無を
    検出することを特徴とする線状電極の欠陥検出装置。
JP08234694A 1994-03-29 1994-03-29 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置 Expired - Fee Related JP3359732B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08234694A JP3359732B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP08234694A JP3359732B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07270477A JPH07270477A (ja) 1995-10-20
JP3359732B2 true JP3359732B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=13772014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP08234694A Expired - Fee Related JP3359732B2 (ja) 1994-03-29 1994-03-29 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3359732B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001201753A (ja) * 2000-01-18 2001-07-27 Oht Kk 単純マトリックス型液晶パネルの検査方法及び検査装置、プラズマディスプレイパネルの検査方法及び検査装置
JP4856120B2 (ja) * 2008-06-06 2012-01-18 株式会社ユニオンアロー・テクノロジー 導電パターン検査装置
JP2014202702A (ja) * 2013-04-09 2014-10-27 日本電産リード株式会社 検査装置及び検査方法
JPWO2021079945A1 (ja) * 2019-10-25 2021-04-29

Also Published As

Publication number Publication date
JPH07270477A (ja) 1995-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101520708B (zh) 显示面板
US10606424B2 (en) Position detecting device
US4829238A (en) Method and apparatus for monitoring electromagnetic emission levels
KR920003177B1 (ko) 정전패턴결합 디지타이져
CN107179852B (zh) 使用行电极和列电极的电容成像装置和方法
JP3001394B2 (ja) センサコイル・パターン及び座標入力装置
US10761654B2 (en) Circuit board inspection device and circuit board inspection method
CN102375273A (zh) 具有触摸检测功能的显示装置
US11099696B2 (en) Touch substrate, touch control display panel, touch control display apparatus, and method of fabricating touch substrate
JP3335758B2 (ja) 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置
CN110673763A (zh) 触控面板及触控信号的定位方法
JP3359732B2 (ja) 線状電極の欠陥検出方法および欠陥検出装置
US4361725A (en) Teletext and display apparatus for general surface
JP2001066337A (ja) 電界/磁界分布可視化装置
JP5050394B2 (ja) 基板検査装置及び基板検査方法
JPH1083251A (ja) 座標検出装置
JP4178690B2 (ja) 寄生信号除去式タッチパネル装置
US6496013B1 (en) Device for testing circuit boards
JP3169784B2 (ja) 配線パターン検査方法およびその装置
WO2014167839A1 (en) Inspection apparatus and inspection method
CN106324934A (zh) 短路棒结构及阵列基板
JP7300397B2 (ja) 超高解像度パネルの欠陥検出方法
US20210263112A1 (en) Multicore cable inspection method and multicore cable inspection device
JPH0750138B2 (ja) 透明導電回路基板の欠陥検査法
JP2001094233A (ja) 導体パターンの検査方法及び電気光学装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091011

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091011

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101011

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111011

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees